JP2002045040A - 水稲の育苗方法 - Google Patents

水稲の育苗方法

Info

Publication number
JP2002045040A
JP2002045040A JP2000231898A JP2000231898A JP2002045040A JP 2002045040 A JP2002045040 A JP 2002045040A JP 2000231898 A JP2000231898 A JP 2000231898A JP 2000231898 A JP2000231898 A JP 2000231898A JP 2002045040 A JP2002045040 A JP 2002045040A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soil
rice
base plate
mat
bed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000231898A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3774359B2 (ja
Inventor
Iichiro Watabe
亥一郎 渡部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2000231898A priority Critical patent/JP3774359B2/ja
Publication of JP2002045040A publication Critical patent/JP2002045040A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3774359B2 publication Critical patent/JP3774359B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sowing (AREA)
  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)
  • Cultivation Of Plants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 育苗箱を軽量化して作業性を向上すると共
に、育苗器を使用せずとも良好な育苗を可能とする新規
な水稲の育苗方法を提供する。 【解決手段】 育苗箱1の底面に、該底面形状に略一致
する矩形板状体であって、透湿機能を有する基底平板部
21と、透湿多孔性素材の複数本の細筒状体か、あるい
は、同様に透湿多孔性素材製であって、幅方向または奥
行方向に波浪形が規則的に配列される波形板状体22か
の何れかからなり、基底平板部21上に多数の筒状空洞
を確保するようにした根張リ促進部23とが積層状とさ
れてなる床敷マット2を敷設し、床土3が比較的少なめ
に敷き詰められた後、種籾4,4,……を均播した直後
に摂氏42〜30゜C前後の適量の温水を灌水した上、
覆土5で覆って所定期間に芽揃いさせるようにした水稲
の育苗方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】この発明は、水稲の育苗に関するもので
あって、特に、育苗箱を軽量化して作業性を向上すると
共に、育苗器を使用しなくても良好な育苗を可能とする
新規な水稲の育苗方法を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】周囲を海に囲まれた我が国では、春一番
のさわやかな風と共に春を向かえて植物が萌え出すに絶
好の気象条件が作り出された後、今度は、初夏の南海上
に形成され梅雨前線が、やがて太平洋高気圧の勢力を受
けて北上してきて本州または本州南岸に長期間停滞し、
十分な降水の恵みを授かった上、引き続いて本格的な夏
が到来して強い陽射しと共に高温・多湿の自然環境が整
えられるといった特徴ある気象条件が毎年定期的に繰り
返され、水稲栽培に最適な条件が備わっていることか
ら、太古の時代から稲作農業が取り入れられ、永い歴史
の中で我が国全土に定着してきた。
【0003】このように気候や地形に恵まれて継承され
てきた稲作農業も、近年の米販売の自由化や、海外から
の米輸入自由化への要請の高まり等により、それまでの
管理価格体制から市場原理の導入による自由価格体制へ
と移行するに及び、生産性と消費者ニーズとに呼応した
正常な価格帯が形成されるようになり、当然の如く米価
は、それまでの高値安定の統制価格から大幅に引き下げ
られて農家収入に多大の影響を与えてしまう時代へと様
変わりしたことから、こうした時代の趨勢に対応できる
よう、作業能率の向上と収穫量のアップとを早期に実現
し、生産コストを大幅に引き下げる必要が生じてきてい
る。特に、昨今の稲作農家の多くは、既に高齢化や世代
交代による兼業化が進んでしまっているため、多大な労
力を要する農作業、例えば田植え前の育苗作業等につい
て、より一層の合理化が望まれている。
【0004】即ち、育苗作業の場合、床土を敷き詰めて
播種し、更に覆土を施して灌水した育苗箱は、通常、一
枚で5,300g前後となってしまい、運搬作業の際
に、特に非力な高齢者や女性等にとって大きな負担とな
る上、一度に育苗器に収容できる育苗箱の数に制限があ
るのに対し、田植え作業は、機械化が進んで数日の中に
作業を終えてしまうことができて、育苗期間の調整にな
らないので、兼業農家の場合、休日だけを利用した育苗
作業では、全ての育苗箱の芽揃いを田植え時期に合わせ
ることがかなり困難となり、毎朝のように未だ暗い中か
ら出勤直前まで播種、灌水等といった手の掛かる作業を
実施しなければならない現状に置かれたままになってい
る等の問題があり、現行の育苗作業は、上記したとおり
の時代の要請に程遠いものといわざるを得ないものであ
る。。
【0005】こうした不都合を改善すすべく、例えば特
開平5−103554号公報等に散見されるように、育
苗箱中に成型培地を充填し、該成型培地の上に種籾を播
種し、その上にシート状物を被せ、床土の使用を不要と
して育苗箱を軽量化するようにした水稲育苗方法および
育苗シートが知られ、また、特開平10−248311
号公報のように、稲育苗培土代替成形資材の底面端部に
生分解性物質を原料とする補強端布を設け、乗用田植え
機の延長された苗乗せ台に適合する長さとなるよう、該
補強端布部分を外の稲育苗培土代替成形資材の底部に差
し込み、この状態で育苗することによって苗の根が補強
端布部分を貫通する状態に栽培し、連結させて苗の運搬
や苗剥がし、田植え機搭載の手間と労力とを低減する長
尺稲苗の製造方法等の提案もなされている。
【0006】これら提案のなされている多くの改善策
は、確かに育苗作業に際しての育苗箱が軽量化された
り、芽揃え後の稚苗の取り扱いがし易くなるようにした
りして、作業内容の改善に大いに役立つようにしてはい
るものの、それらの多くは培土に代わる特別な素材を使
用することになるため、習熟するのにそれなりの知識を
必要とし、従前からの作業内容と大幅に異なるため、高
齢者や女性等技術的知識の変更に時間を要してしまう者
にとって必ずしも適していなかったり、あるいは、個々
の育苗箱に関しての育苗器に収容する段階までの作業内
容の改善については威力を発揮するものとなっていなが
ら、育苗器中で段重ねして保温、育苗している間に、上
段の根が育苗箱の底板から下方に回り付き、下段の稚苗
の葉茎に絡まり付いたり、付かないまでもマット状にな
って育苗箱からの取り外しに苦労することになって作業
内容の改善に逆行するような結果になるもの、あるい
は、作業内容の改善についての全体的な目的達成度は高
いものの、必要とする素材単価が高くて経営の合理化に
は繋がり難くなってしまっているもの等で、稲作農家側
に立った提案とは到底見做すことができないものでしか
なかった。
【0007】この発明は、以上のように、床土を充填し
た育苗箱は、重く運搬の際の労働負担が大きい上、大量
の育苗箱を一度に育苗器に収容して芽揃いさせることが
困難で多大の苦労を強いられているにも拘らず、提案さ
れる改善策が必ずしも稲作農家の経営基盤に味方し難い
ものが多すぎる実情に疑問を抱き、自ら長年稲作農業に
従事した豊富な経験に基づき、真実稲作農家に利する育
苗作業の改善策はないものかとの判断から、逸速くその
開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試
作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な水
稲の育苗方法を実現化することに成功したものであり、
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共
に、その構成を詳述することとする。
【0008】
【発明の構成】図面に示すこの発明を代表する実施例か
らも明確に理解されるように、この発明に包含される水
稲の育苗方法は、基本的に次のような構成から成り立っ
ている。即ち、育苗箱の底面に、該底面形状に略一致す
る矩形板状体であって、透湿機能を有する基底平板部
と、同基底平板部上面の略全面に渡って、幅方向または
奥行方向に平行状に配列、貼着される透湿多孔性素材の
複数本の細筒状体か、あるいは、同様に透湿多孔性素材
製であって、当該基底平板部上面の略全面に渡り、幅方
向または奥行方向に波浪形が規則的に配列される波形板
状体かの何れかからなり、基底平板部上面との間に多数
の筒状空洞を確保するようにした根張リ促進部とが積層
状とされてなる床敷マットを敷設し、該床敷マット上
に、土と籾殻燻炭とを混合した床土が、前記根張リ促進
部を隠す程度の比較的少なめに敷き詰められた後、催芽
した種籾を、その床土の略全面に渡って均播し、その直
後に摂氏42〜30゜C前後の適量の温水を灌水した
上、土と籾殻燻炭とを混合した覆土で覆うか、敷き詰め
られた床土上に催芽した種籾を均播してから、土と籾殻
燻炭とを混合した覆土で覆い、その後に摂氏42〜30
゜C前後の適量の温水を灌水するかし、その後、所定期
間に渡って芽揃いさせるようにした構成を要旨とする水
稲の育苗方法である。
【0009】この基本的構成からなる発明を、より具体
的な構成によるものとして示せば、育苗箱の底面に、該
底面形状に略一致する矩形板状体であって、透湿機能を
有する基底平板部と、同基底平板部上面の略全面に渡っ
て、幅方向または奥行方向に平行状に配列、貼着される
透湿多孔性素材の複数本の細筒状体か、あるいは、同様
に透湿多孔性素材製であって、当該基底平板部上面の略
全面に渡り、幅方向または奥行方向に波浪形が規則的に
配列される波形板状体かの何れかからなり、基底平板部
上面との間に多数の筒状空洞を確保するようにした根張
リ促進部とが積層状とされてなる床敷マットを敷設し、
該床敷マット上に、土と籾殻燻炭とを混合した床土が、
前記根張リ促進部を隠す程度の比較的少なめに敷き詰め
られた後、催芽した種籾を、その床土の略全面に渡って
均播し、その直後に摂氏42〜30゜C前後の適量の温
水を灌水した上、土と籾殻燻炭とを混合した覆土で覆
い、同様に播種した育苗箱を複数段、望ましくは25〜
30段程度積み重ねてから、まとめてビニールシート等
の耐水シートまたは耐水保温シートで囲ってしまい、そ
のまま保湿無加温状態で所定期間に渡って芽揃いさせる
ように構成の水稲の育苗方法ということができる。
【0010】更に、同様に、育苗箱の底面に、該底面形
状に略一致する矩形板状体であって、透湿機能を有する
基底平板部と、同基底平板部上面の略全面に渡って、幅
方向または奥行方向に平行状に配列、貼着される透湿多
孔性素材の複数本の細筒状体か、あるいは、同様に透湿
多孔性素材製であって、当該基底平板部上面の略全面に
渡り、幅方向または奥行方向に波浪形が規則的に配列さ
れる波形板状体かの何れかからなり、基底平板部上面と
の間に多数の筒状空洞を確保するようにした根張リ促進
部とが積層状とされてなる床敷マットを敷設し、該床敷
マット上に、土と籾殻燻炭とを混合した床土が、前記根
張リ促進部を隠す程度の比較的少なめに敷き詰められた
後、催芽した種籾を、その床土の略全面に渡って均播し
てから、土と籾殻燻炭とを混合した覆土で覆い、その後
に摂氏42〜30゜C前後の適量の温水を灌水し、同様
に播種した育苗箱を複数段、望ましくは25〜30段程
度積み重ねてから、まとめてビニールシート等の耐水シ
ートまたは耐水保温シートで囲ってしまい、そのまま保
湿無加温状態で所定期間に渡って芽揃いさせるようにし
た水稲の育苗方法も包含される。
【0011】そして、望ましい構成のものとしては、育
苗箱の底面に、該底面形状に略一致する矩形板状体であ
って、透湿機能を有する基底平板部と、同基底平板部上
面の略全面に渡って、幅方向または奥行方向に平行状に
配列、貼着される透湿多孔性素材の複数本の細筒状体
か、あるいは、同様に透湿多孔性素材製であって、当該
基底平板部上面の略全面に渡り、幅方向または奥行方向
に波浪形が規則的に配列される波形板状体かの何れかか
らなり、基底平板部上面との間に多数の筒状空洞を確保
するようにした根張リ促進部とが積層状とされてなる床
敷マットに、肥料成分および/または農薬成分を含む溶
液を含浸させた上で敷設し、該床敷マット上に、土と籾
殻燻炭とを混合した床土が、前記根張リ促進部を隠す程
度の比較的少なめに敷き詰められた後、催芽した種籾
を、その床土の略全面に渡って均播し、その直後に摂氏
42〜30゜C前後の適量の温水を灌水した上、土と籾
殻燻炭とを混合した覆土で覆うか、敷き詰められた床土
上に催芽した種籾を均播してから、土と籾殻燻炭とを混
合した覆土で覆い、その後に摂氏42〜30゜C前後の
適量の温水を灌水するかした上、同様に播種した育苗箱
を25〜30段程度積み重ねてから、まとめてビニール
シート等の耐水シートまたは耐水保温シートで囲ってし
まい、そのまま保湿無加温状態で所定期間に渡って芽揃
いさせるようにした構成を要旨とする水稲の育苗方法と
いうことができる。
【0012】育苗箱は、床敷マット、床土、種籾および
覆土の夫々を収容して、良好な育苗を可能とする機能を
果たすものであり、水稲の育苗に好適な通気性や保湿性
を確保する構造としなければならず、木製や合成樹脂製
のものを使用可能であって、合成樹脂製の場合には、底
部に複数の排水通気孔が穿孔されたものを使用すべきで
あり、複数個を安定した状態に積み重ねることのできる
構造のものを使用するのが望ましく、これまで一般に使
用されてきている各種タイプの既製品の中から適宜選
択、採用する外、今後提供される新たな構造からなるも
のでも、従前どおりの土入れ作業を前提として作り出さ
れているものであれば、全て採用可能になることはいう
までもない。
【0013】床敷マットは、床土の一部を代替し、吸
湿、通気、保湿、断熱等、苗の根張りには有利でありな
がら、最下面からの根の付き抜けを阻止できるようにし
た機能を果たし得るものでなければならず、且つ床土よ
りも比重の軽い素材に制限され、基底平板部、および細
筒状体を有する根張り促進部から構成されており、それ
らは、比較的軽量で軟質な木材チップや籾殻、草茎等植
物繊維質素材の集積材や、地中に放置すると所定期間で
自然分解、消失する素材からなる不織布等の透湿多孔性
素材から形成される。
【0014】基底平板部は、床敷マットの基底部分を形
成し、育苗箱内底部に安定してセットし得るようにする
機能を果たすものであり、吸湿、通気、保湿、断熱等、
苗の根張りに有利な、比較的軽量で軟質な木材チップや
籾殻、草茎等植物繊維質素材の集積材や、地中に放置す
ると所定期間で自然分解、消失する素材からなる不織布
等の透湿多孔性素材から形成され、最下面からの根の付
き抜けを阻止できるよう、少なくともその底面には、地
中に放置すると所定期間で自然分解、消失する素材から
なる樹脂シートや厚紙等を積層するか、透湿多孔性素材
の底面側所定厚み部分を何等かの手段で硬質化処理した
もの等とし、根の付き抜けを略阻止できる構造のものと
しなければならず、それらは、育苗を終えた後、田植え
機に床敷マットごと投入することができ、更に田植え機
の作動力によって容易に引き千切ることのできる構造と
する必要がある。
【0015】根張り促進部は、床土の一部に代わって苗
の根張りを促す機能を果たすものであり、上記基底平板
部と同様(但し、同一であるとは限らない。)に透湿多
孔性素材から形成され、基底平板部上に組み合わされて
一体化され、多数の筒状空洞を形成して通気性や保湿性
を確保し、種籾が健全に根を張って成長できるようよう
にした構造としなければならず、基底平板部上面に複数
本の細筒状体を貼着したり、波形板状体を貼着して形成
することができ、それら筒状空洞をロール状に束ねるよ
うにした状態に巻き取りができる程度の柔軟性の付与さ
れした構造となるようにするのが望ましい。なお、この
細筒状体および波形板状体は、共に基底平板部上面に筒
状空洞を確保した上、当該筒状空洞部分内に空気や水分
等を止め置くことを可能にし、且つ、それ自身、水分を
吸収した条件下にあっては、苗の根が肉厚中、および肉
厚方向に延びて根張りが可能な素材構造のものに形成さ
れていなければならない。
【0016】したがって、この床敷マットとしては、例
えば使用済み段ボール紙の一側面を剥ぎ取ったリサイク
ル段ボール紙によるもので、露出状とした波形板状体側
を上方に向けた状態で育苗箱の底面に敷設、採用するよ
うにしたものでは、当該段ボール紙の下面平坦紙の部分
が基底平板部となり、同波形板紙部分とその背面、平坦
紙部分との間に形成される筒状空洞とによって根張り促
進部が構成されるものとなり、その性状からしても、ま
た省資源の観点からしても最も望ましいといえる。
【0017】床土は、床敷マットの上部に敷詰められ
て、種籾下側の苗床上層を形成する機能を果たすもので
あり、土に籾殻燻炭を適量混合したものとしなければな
らず、必要に応じて硫黄華やピートモス等を使ってHp
を矯正した土、籾殻燻炭、肥料および農薬等が所定割合
で混合されてなるものとすることができ、育苗箱の全面
に渡り、略均等に敷き詰めるべきであって、床敷マット
上面の根張リ促進部を隠す程度の比較的少なめに敷き詰
めるのが望ましく、手作業による敷き詰め作業の外、自
動供給機械を使って連続的に多数の育苗箱に敷き詰める
作業方法を採ることができる。種籾は、水稲の種籾であ
り、予め比重選、消毒、浸漬および催芽を施した種籾を
使用しなければならず、播種作業は、播きムラの無いよ
う各種播種機を使用するのが望ましい。
【0018】温水は、播種後の種籾に灌水すると共に、
苗床の地温を発芽に好適な状態に上昇させる機能を果た
すものであって播種直後か、または覆土を施した後ある
いは播種直前の床土に、42〜30゜C前後の適量の温
水を育苗箱全面に渡って均質になるよう灌水すべきであ
り、手作業によって灌水することが可能である外、ベル
トコンベア上を一定速度で移動する複数の育苗箱に対し
て、シャワー状に降り注ぐように灌水することができ、
予め適量の肥料成分および/または農薬成分が混入され
てなる温水を使用することができる。
【0019】芽揃いは、従前までのように育苗器を使用
したり、トンネルやビニールハウス内に収容して適宜温
度管理および灌水管理を行う必要はなく、一連の播種作
業を終えた直後の育苗箱を、速やかに25〜30段程度
に積み重ね、まとめてビニールシート等の耐水シートま
たは耐水保温シートで囲って、そのまま保湿無加温状態
を所定期間に渡って保持することにより、実現可能にな
るものであり、したがって、耐水シートは、複数段積み
重ねた育苗箱をまとめて、密封状に囲い込む機能を果た
すものであって、育苗箱の保温と保湿とを行い、野外に
配置する場合には、雨や霜等による温度低下や、日光に
よる乾燥等から保護するものであり、比較的軟質なビニ
ールシートを使用するのが望ましく、内側面に不織布や
スポンジ等からなる断熱層を形成したものや、金属被膜
を蒸着する構造等により、保温機能を高めた耐水保温シ
ートを使用したものとするのが望ましい。以下では、図
面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造に
ついて詳述することとする。
【0020】
【実施例】図1の床敷マットおよび育苗箱の斜視図、図
2の一連の播種作業の自動ラインの斜視図、図3の覆土
を終えた育苗箱の断面図、図4の複数の育苗箱を積み重
ね、耐水シートで覆った状態の断面図、および図5の床
敷マットの斜視図に示される事例は、育苗箱の底面上に
床敷マットを敷設し、その上に籾殻燻炭を混合した床土
を敷き詰め、播種した上に籾殻燻炭を混合した覆土を施
し、温水による灌水を施した後に、該育苗箱を25段程
度積み重ねた状態で、まとめてビニールシートで覆い、
所定期間に渡り芽揃いさせるという基本的構成からなる
この発明の水稲の育苗方法における代表的な一実施例を
示すものである。
【0021】この水稲の育苗方法は、使用済み段ボール
紙の片側面を剥がし取ることにより、平板状の基底平板
部21上面の略全面に波形板状体22が貼着され、該基
底平板部21上に多数の筒状空洞からなる根張り促進部
23を形成する構造とした床敷マット2に対し、適量の
肥料成分および農薬成分等を含む0.2リットル/一枚
程度の溶液を浸漬・吸収させ、当該床敷マット2を、図
1に示すように、育苗箱1の底面部分に敷設し、図2中
に示すように、ベルトコンベア6上に配列した状態に供
給し、該ベルトコンベア6によって搬送される複数の育
苗箱1,1,……の上方から、自動床土供給機61によ
って床土3を520g程度、床敷マット2の根張り促進
部23を隠す程度の少なめに供給する。なお、該床土3
は、pHを検定し、必要に応じて硫黄華、ピートモス、
苗代配合肥料等を使用してpHを矯正した土100gに
対し、籾殻燻炭を20g前後の割合で混合した上、必要
に応じて粒状や粉状の肥料、農薬、改土等の適量を混合
したものとする。
【0022】続いて、床土3を敷き詰めた状態で移動す
る育苗箱1,1,……に対し、自動播種装置62によ
り、比重選、消毒、浸漬して催芽した種籾4,4,……
を、それら床土3の略全面に渡って均播し、その後に、
自動覆土供給装置63によってpHを検定し、必要に応
じて硫黄華、ピートモス、苗代配合肥料等を使用してp
Hを矯正した土100gに対し、籾殻燻炭10g前後の
割合で混合してなる860g程度の覆土5を供給して種
籾4,4,……を覆い、その後に液状、粒状または粉状
の肥料や農薬等の適量を予め溶解させた摂氏42〜30
゜C前後の温水を、図3中に矢印で示すように、育苗箱
1の全面にムラ無く灌水する。
【0023】灌水後の育苗箱1,1,……を、図4中に
示すように、地面との間に10〜15cm程度の空間を
形成するよう、地上に据えた角材またはパレット上に2
5段程度積み重ね、最上部の育苗箱1の上に新聞紙等を
被せ、全体をビニールシート7で覆って裾から外気が入
らぬよう確りと塞ぎ、保湿無加温状態で3〜5日間その
ままの状態に保持して芽揃いさせ、その後、ビニールシ
ート7を取り外した上、図示していないトンネルやハウ
ス内にベタ並べし、田植えまで温度管理や灌水管理、追
肥および防除を適宜行いながら育苗管理する。
【0024】なお、床敷マット2は、現行の一般的な育
苗箱1の底面寸法に略一致する幅279mm、奥行57
9mmで、厚さ5mmに設定したものを採用した事例と
しているが、その他、田植え機の苗乗せ台の寸法や育苗
器の奥行寸法等に応じ、希望する寸法に裁断して使用で
きるようにした奥行寸法の長いロール型の床敷マット材
等として市場に提供することも可能である。
【0025】
【作用】以上のとおりの構成からなるこの発明の水稲の
育苗方法は、床敷マット2として使用済み段ボール紙を
再利用するようにした上、極力床土と覆土の使用量とを
控え目にしても支障がなく、しかも従前までのように育
苗器の使用も必要としなくなるよう、床土3上に播種し
た直後か、その後の覆土した直後の何れかの段階に、4
2〜30゜前後の温水を掛けてから手際良く育苗箱1,
1,……を25段程度に積み重ね、即座にビニールシー
ト7で隙間なく包み込むようにするという、これまで誰
も採用して来なかった新規な育苗方法を実施するもので
あり、この方法によって所定期間育てた稚苗が、従前か
らの手段で育てた稚苗に何等引けを取らないどころか、
田植え後の生長具合や反当り収穫量において勝っている
ことを確認済みである。
【0026】また、床敷マット2とする使用済み段ボー
ル紙は、その一側面を剥がし取って露出状とした凹凸形
状の波形板状体22を上面側となるように育苗箱1底部
に敷き詰め、当該波形板状体22とその下の基底平板部
21との間の多数の筒状空洞とからなる根張り促進部2
3を構成した上、最小限の床土3を撒いて平坦面が実現
されるようにしてから播種するようにしていることか
ら、種籾の均播に何等支障を来すことがない上、凹部に
は十分な深さの床土があって初期の根出しを円滑に行わ
せ、その後の勢いを付けた毛根は、当該床敷マット2の
根張り促進部23を構成する波形板状体22自体の中に
延伸して十分に定着してから、更に同筒状空洞にまで入
り込んで生長を続けるも、その下の基底平板部21まで
は突き破ることなく生長することになり、十分な根張り
と丈夫な稚葉とからなる稚苗になって、段重ねしてあっ
た育苗箱1を崩して取り出す際にも、排水、通気用等の
目的で形成されている孔開きの育苗箱1底部側には殆ど
根が張り出しておらず、根が育苗箱1に絡まり付かない
状態に仕上げられ、この状態故に、下段の育苗箱1内で
生長した苗も、その稚苗が伸びても上段の根に絡まれて
しまう現象もなくすることができるものとなって、極め
て円滑に取り出し作業を実施することができ、その後、
田植え機によって圃場に植え込まれたときにも、根に付
いてきた段ボール紙の一部は、腐食、溶解して跡形も無
くなり、圃場管理に支障を来すことはない。
【0027】更に、この床敷マット2の採用に加え、適
量の籾殻燻炭を混合した床土3および覆土5を夫々使用
するようにしたことから、土の使用量を大幅に減少させ
ることができ、従前からの一般的な土だけをを使用して
なる播種済みの育苗箱に比較すると、育苗箱1一枚当り
の重量が、凡そ5,300g程度であったのに対し、
2,600g程度にまで軽量化されたものとなって、育
苗作業の労働量を大幅に軽減化して作業の効率化に繋が
ると共に、床敷マット2が軟質化して根張りを容易にす
ると共に、予め肥料や農薬等の有効成分を含む溶液を含
浸させたものとすれば、直接床土3に肥料や農薬を施す
場合に比較し、灌水による有効成分の消失を少なくして
長期に渡ってこれら有効成分の作用を受けることができ
るものとなる。
【0028】特に、図5の床敷マットの斜視図に示すよ
うな、育苗箱1の幅方向に平行な筒状空洞を形成するよ
う根張り促進部23を形成した床敷マット2を使用すれ
ば、苗を育苗箱1から取り出して図示しない田植え機に
装着する際等、ロール状に巻き取って運搬することが極
めて容易になり、また、図6の他の構造の床敷マットの
斜視図に示すように、育苗箱1の奥行方向に平行な筒状
空洞を形成する根張り促進部23を形成した床敷マット
2では、田植えに際して育苗箱1から取り出すときに、
その長手方向の屈曲変形を置き難くするため、苗の変形
や形崩れを防止して、取り扱いし易いマット状の稚苗を
得ることができるものとなる。
【0029】
【効果】以上のとおり、この発明の水稲の育苗方法によ
れば、特徴的な構造の床敷マット2を使用し、しかも、
床土3上に播種した直後か、その後の覆土した直後の何
れかの段階に、42〜30゜前後の温水を掛けてからの
育苗という独特の方法によるため、床土3の使用量を、
播種に際して種籾が偏在することなく均質になる平坦状
の面を形成する上で必要最小限の床土に規制すると共
に、覆土も、播種した種籾が隠れる程度の最小限に止め
ることができる上、これまでのような育苗器による育苗
に頼らなくても理想的な育苗が可能になるという極めて
大きな特徴が得られるものとなる。
【0030】更に、育苗箱には、それまでの土または育
苗マットに代え、特別の床敷マットに最小限の床土、覆
土が、それも、土と籾殻燻炭とを混合した特別の床土お
よび覆土として組み合わせられるものとなり、したがっ
て、播種を完了して覆土も施されたこの発明の育苗方法
に採用する育苗箱の重量は、従来の伝統的なやり方によ
る育苗箱に比較し、略半分程度にまで軽量化することが
できるものとなり、非力な高齢者や女性等にもそれ程の
負担もなく取扱い、運搬が可能となり、作業内容の改善
に大いに役立つものとなる上、育苗箱を複数段重ねて耐
水シートまたは耐水保温シートで覆い、所定期間育苗し
て芽揃いさせた後、一段ずつ育苗箱を取り外していく際
にも、特別の床敷マットで、基底平板部から下方に毛根
が突き抜け難くしてあり、稚苗の根が自らの育苗箱の底
面裏に回り込んだり、下段の稚葉に絡み付く慮もなくな
り、上下の育苗箱が剥がし難くならないようにしてあっ
て、この段階での作業内容も大幅に改善されたものとな
ることから、育苗作業全体の作業効率は高められると同
時に、高齢者や女性等を頼った最近の稲作農業としても
大いに威力を発揮するものとなる。
【0031】特に、実施例に説明した水稲の育苗方法
は、上記した特徴に加え、床敷マット2として使用済み
段ボール紙の一側面を剥ぎ取ったものを使用するように
し、製造コストを削減し、段ボール紙のリサイクル利用
を促すことができると共に、これら段ボール紙2は、吸
湿して適度に軟質化した後、そのまま田植え機に供給
し、田植え後に生分解して土に還えすことが可能なもの
になる上、育苗箱1に敷設する前に、肥料成分や農薬成
分等を浸透させておけば、通常の床土3の作用を期待で
きるものになるという利点までも享受できるものとな
る。
【0032】更にまた、肥料成分や農薬成分を含む溶液
に浸漬させた後に乾燥させた床敷マット2は保存可能で
あり、乾燥したままの状態で育苗箱1内に敷設し床土3
を薄く敷いて播種し、覆土して灌水すれば、床敷マット
2に浸透した養分や農薬成分が次第に染み出して、良好
な育苗を促進する上で好条件が得られるものになる上、
床敷マット2として、その製造、管理面でも他の育苗マ
ット以上に秀れたものとすることができるという特徴を
奏することになる。
【0033】また、土100gに対して籾殻燻炭20g
前後を混合した上、適量の肥料成分や農薬成分を混入し
た床土3や、土100gに対し、籾殻燻炭10g前後を
混合した覆土5を使用したものとして、育苗箱1全体の
重量を従来の約1/2程度にまで大幅に軽量化すること
ができると共に、籾殻燻炭が土中の通気性や保水力を高
め、土質を改善させるものとなり、更に、灌水を行う4
2〜30゜C前後の温水中に、予め肥料成分や農薬成分
等を混入させたものとしておくこともでき、育苗箱1内
の全体に有効成分を均質に行き渡らせることができ、保
湿無加温状態での育苗過程における成長をより安定させ
ることができるものとすることも可能になるという秀れ
た効果が得られる。
【0034】叙述の如く、この発明の水稲の育苗方法
は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能
とするものであり、床敷マット、床土および覆土等の製
造も容易で、従前からの全ての床土および覆土に土を略
100%利用していた育苗箱を使用する育苗方法に比較
し、育苗箱を格段に軽量化し、しかも育苗器を使用せず
に育苗することができるので、遥かに経済的なものとす
ることができる上、作業効率も大幅に高めることができ
ることから、費用の削減と育苗作業に要する時間の短縮
とを確実に達成可能にするものであり、高齢化や兼業化
が進み、米の自由販売による価格の引き下げ等により、
作業性の向上と生産コストの削減とが求められる最近の
水稲栽培農家は勿論のこと、それに関連する農器具業界
等からも高く評価され、広範に渡って利用、普及してい
くものと予想される。
【図面の簡単な説明】
図面は、この発明の水稲の育苗方法の技術的思想を具現
化した代表的な実施例を示すものである。
【図1】育苗箱および床敷マットを示す斜視図である。
【図2】ベルトコンベアを用いた播種工程を示す斜視図
である。
【図3】播種を終えた育苗箱の内部状態を示す断面図で
ある。
【図4】無加温状態で芽揃いさせる状態を示す複数の育
苗箱を示す断面図である。
【図5】床敷マットの構造を示す斜視図である。
【図6】床敷マットの他の構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 育苗箱 2 床敷マット 21 同 基底平板部 22 同 波形板状体 23 同 根張り促進部(筒状空洞) 3 床土(土、籾殻燻炭) 4 種籾 5 覆土(土、籾殻燻炭) 6 ベルトコンベア 61 同 自動床土供給機 62 同 自動播種装置 63 同 自動覆土供給装置 7 ビニールシート(耐水シート)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01G 16/00 A01G 16/00 Z Fターム(参考) 2B022 AA01 AA05 AB20 BA02 BA14 BB01 DA17 2B027 NA01 NC05 NC08 NC13 NC23 NC26 NC31 NC32 NC39 ND03 NE09 QA05 QB03 QC28 QC38 SA30 UB11 XA04 XB06 XB10 XC02 2B054 AA17 BA01 BA02 BB03 CA06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 育苗箱の底面に、該底面形状に略一致す
    る矩形板状体であって、透湿機能を有する基底平板部
    と、同基底平板部上面の略全面に渡って、幅方向または
    奥行方向に平行状に配列、貼着される透湿多孔性素材の
    複数本の細筒状体か、あるいは、同様に透湿多孔性素材
    製であって、当該基底平板部上面の略全面に渡り、幅方
    向または奥行方向に波浪形が規則的に配列される波形板
    状体かの何れかからなり、基底平板部上面との間に多数
    の筒状空洞を確保するようにした根張リ促進部とが積層
    状とされてなる床敷マットを敷設し、該床敷マット上
    に、土と籾殻燻炭とを混合した床土が、前記根張リ促進
    部を隠す程度の比較的少なめに敷き詰められた後、催芽
    した種籾を、その床土の略全面に渡って均播し、その直
    後に摂氏42〜30゜C前後の適量の温水を灌水した
    上、土と籾殻燻炭とを混合した覆土で覆うか、敷き詰め
    られた床土上に催芽した種籾を均播してから、土と籾殻
    燻炭とを混合した覆土で覆い、その後に摂氏42〜30
    ゜C前後の適量の温水を灌水するかし、その後、所定期
    間に渡って芽揃いさせるようにしたことを特徴とする水
    稲の育苗方法。
  2. 【請求項2】 育苗箱の底面に、該底面形状に略一致す
    る矩形板状体であって、透湿機能を有する基底平板部
    と、同基底平板部上面の略全面に渡って、幅方向または
    奥行方向に平行状に配列、貼着される透湿多孔性素材の
    複数本の細筒状体か、あるいは、同様に透湿多孔性素材
    製であって、当該基底平板部上面の略全面に渡り、幅方
    向または奥行方向に波浪形が規則的に配列される波形板
    状体かの何れかからなり、基底平板部上面との間に多数
    の筒状空洞を確保するようにした根張リ促進部とが積層
    状とされてなる床敷マットを敷設し、該床敷マット上
    に、土と籾殻燻炭とを混合した床土が、前記根張リ促進
    部を隠す程度の比較的少なめに敷き詰められた後、催芽
    した種籾を、その床土の略全面に渡って均播し、その直
    後に摂氏42〜30゜C前後の適量の温水を灌水した
    上、土と籾殻燻炭とを混合した覆土で覆い、同様に播種
    した育苗箱を複数段、望ましくは25〜30段程度積み
    重ねてから、まとめてビニールシート等の耐水シートま
    たは耐水保温シートで囲ってしまい、そのまま保湿無加
    温状態で所定期間に渡って芽揃いさせるようにしたこと
    を特徴とする水稲の育苗方法。
  3. 【請求項3】 育苗箱の底面に、該底面形状に略一致す
    る矩形板状体であって、透湿機能を有する基底平板部
    と、同基底平板部上面の略全面に渡って、幅方向または
    奥行方向に平行状に配列、貼着される透湿多孔性素材の
    複数本の細筒状体か、あるいは、同様に透湿多孔性素材
    製であって、当該基底平板部上面の略全面に渡り、幅方
    向または奥行方向に波浪形が規則的に配列される波形板
    状体かの何れかからなり、基底平板部上面との間に多数
    の筒状空洞を確保するようにした根張リ促進部とが積層
    状とされてなる床敷マットを敷設し、該床敷マット上
    に、土と籾殻燻炭とを混合した床土が、前記根張リ促進
    部を隠す程度の比較的少なめに敷き詰められた後、催芽
    した種籾を、その床土の略全面に渡って均播してから、
    土と籾殻燻炭とを混合した覆土で覆い、その後に摂氏4
    2〜30゜C前後の適量の温水を灌水し、同様に播種し
    た育苗箱を複数段、望ましくは25〜30段程度積み重
    ねてから、まとめてビニールシート等の耐水シートまた
    は耐水保温シートで囲ってしまい、そのまま保湿無加温
    状態で所定期間に渡って芽揃いさせるようにしたことを
    特徴とする水稲の育苗方法。
  4. 【請求項4】 育苗箱の底面に、該底面形状に略一致す
    る矩形板状体であって、透湿機能を有する基底平板部
    と、同基底平板部上面の略全面に渡って、幅方向または
    奥行方向に平行状に配列、貼着される透湿多孔性素材の
    複数本の細筒状体か、あるいは、同様に透湿多孔性素材
    製であって、当該基底平板部上面の略全面に渡り、幅方
    向または奥行方向に波浪形が規則的に配列される波形板
    状体かの何れかからなり、基底平板部上面との間に多数
    の筒状空洞を確保するようにした根張リ促進部とが積層
    状とされてなる床敷マットに、肥料成分および/または
    農薬成分を含む溶液を含浸させた上で敷設し、該床敷マ
    ット上に、土と籾殻燻炭とを混合した床土が、前記根張
    リ促進部を隠す程度の比較的少なめに敷き詰められた
    後、催芽した種籾を、その床土の略全面に渡って均播
    し、その直後に摂氏42〜30゜C前後の適量の温水を
    灌水した上、土と籾殻燻炭とを混合した覆土で覆うか、
    敷き詰められた床土上に催芽した種籾を均播してから、
    土と籾殻燻炭とを混合した覆土で覆い、その後に摂氏4
    2〜30゜C前後の適量の温水を灌水するかした上、同
    様に播種した育苗箱を25〜30段程度積み重ねてか
    ら、まとめてビニールシート等の耐水シートまたは耐水
    保温シートで囲ってしまい、そのまま保湿無加温状態で
    所定期間に渡って芽揃いさせるようにしたことを特徴と
    する水稲の育苗方法。
  5. 【請求項5】 温水は、予め適量の肥料成分および/ま
    たは農薬成分が混入されてなるものとした、請求項1な
    いし4何れかに記載された水稲の育苗方法。
  6. 【請求項6】 床土は、土、籾殻燻炭、肥料および農薬
    等が所定割合で混合されてなるものとした、請求項1な
    いし5何れかに記載された水稲の育苗方法。
  7. 【請求項7】 床敷マットは、使用済み段ボール紙の一
    側面を剥ぎ取ったリサイクル段ボール紙によるものと
    し、露出状とした波形板状体側を上方に向けた状態で育
    苗箱の底面に敷設、使用するようにした、請求項1ない
    し6何れか記載の水稲の育苗方法。
  8. 【請求項8】 床敷マットは、使用済み段ボール紙の一
    側面を剥ぎ取ったリサイクル段ボール紙によるものと
    し、露出状とした波形板状体側を上方に向けた状態で育
    苗箱の底面に敷設された上、床土を、それら波形板状体
    の波形が隠れ、略平坦面を実現する上で必要最小限に規
    制して使用するようにした、請求項7記載の水稲の育苗
    方法。
  9. 【請求項9】 床土は、土100gに対し、籾殻燻炭2
    0g前後の割合で混合し、必要に応じて肥料、農薬、改
    土等の適量を混合したものとなし、覆土は、土100g
    に対し、籾殻燻炭10g前後の割合で混合してなるもの
    とした、請求項1ないし7何れか記載の水稲の育苗方
    法。
JP2000231898A 2000-07-31 2000-07-31 水稲の育苗方法 Expired - Lifetime JP3774359B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000231898A JP3774359B2 (ja) 2000-07-31 2000-07-31 水稲の育苗方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000231898A JP3774359B2 (ja) 2000-07-31 2000-07-31 水稲の育苗方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002045040A true JP2002045040A (ja) 2002-02-12
JP3774359B2 JP3774359B2 (ja) 2006-05-10

Family

ID=18724661

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000231898A Expired - Lifetime JP3774359B2 (ja) 2000-07-31 2000-07-31 水稲の育苗方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3774359B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012024003A (ja) * 2010-07-22 2012-02-09 Sanwa Tekki Corp 水稲用籾殻燻炭育苗マット
CN103283546A (zh) * 2013-06-03 2013-09-11 柳州市农业科学研究所 一种水稻小材料育秧方法
CN104303916A (zh) * 2014-08-28 2015-01-28 湖北双竹生态食品开发股份有限公司 改进的水稻旱育秧方法
CN107079730A (zh) * 2017-06-12 2017-08-22 中国农业科学院麻类研究所 麻育秧膜铺膜机
CN111919688A (zh) * 2020-08-06 2020-11-13 湖南农业大学 一种水稻微埂混播栽培方法
CN112314275A (zh) * 2020-10-29 2021-02-05 浙江农林大学 一种高效水稻育种装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103262771B (zh) * 2013-05-17 2016-03-16 中国水稻研究所 水稻机插用秧苗的泥浆育秧方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012024003A (ja) * 2010-07-22 2012-02-09 Sanwa Tekki Corp 水稲用籾殻燻炭育苗マット
CN103283546A (zh) * 2013-06-03 2013-09-11 柳州市农业科学研究所 一种水稻小材料育秧方法
CN104303916A (zh) * 2014-08-28 2015-01-28 湖北双竹生态食品开发股份有限公司 改进的水稻旱育秧方法
CN107079730A (zh) * 2017-06-12 2017-08-22 中国农业科学院麻类研究所 麻育秧膜铺膜机
CN107079730B (zh) * 2017-06-12 2022-05-24 中国农业科学院麻类研究所 麻育秧膜铺膜机
CN111919688A (zh) * 2020-08-06 2020-11-13 湖南农业大学 一种水稻微埂混播栽培方法
CN111919688B (zh) * 2020-08-06 2022-08-19 湖南农业大学 一种水稻微埂混播栽培方法
CN112314275A (zh) * 2020-10-29 2021-02-05 浙江农林大学 一种高效水稻育种装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3774359B2 (ja) 2006-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6658790B2 (en) Method of propagation and product produced thereby
US5224290A (en) Versatile herb, vegetable, flower and groundcover sod mat and method for propagation
US1971504A (en) Seed product and process of making same
US11229166B2 (en) Soil-covering film, the use of a soil-covering film to protect crops against weeds, and a method for the protection of crops against weeds
US5346514A (en) Versatile plant sod mat and method for propagation
JP3774359B2 (ja) 水稲の育苗方法
JP2007053920A (ja) 育苗マット及びそれを用いる育苗・植栽方法
US20030000139A1 (en) Mesh-backed lawn sod and apparatus for producing the same
JPH10243746A (ja) 水稲苗の製造方法
JPH09308399A (ja) 水耕連続水稲苗の製造方法
EP0056687A2 (en) Planting and nurture of seeds
JP2001016932A (ja) 長尺苗の育成方法と長尺苗反転田植機
JPH10191723A (ja) 接続稲苗の製造方法
JPH11220904A (ja) 水稲用育苗シート
JPH08266108A (ja) 稲播育材とそれを使用する稲作農法
JP4703617B2 (ja) 緑化保持体および緑化保持体の栽培植生方法
CN1394468A (zh) 一种精耕蔬菜的方法及所用的构件
JPH08214715A (ja) 田植え無用雑草不毛収量増加の稲作農法
JPH08275683A (ja) 田植え無用雑草不毛収量増加の稲作農法
JP2000262154A (ja) 育苗装置
JPH0660306U (ja) 播種・育成用シート
CN1269128A (zh) 鲜草装饰毯及其生产方法
RU2142689C1 (ru) Способ выращивания овощных культур
KR20230091591A (ko) 친환경 작물재배 키트지 및 그 제조 방법
JP2000279003A (ja) 長尺苗の育苗と巻き取り方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20030421

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050802

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050930

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051003

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051101

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051107

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051107

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060131

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060217

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3774359

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051107

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100224

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100224

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110224

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120224

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130224

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140224

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term