JPH09308399A - 水耕連続水稲苗の製造方法 - Google Patents

水耕連続水稲苗の製造方法

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JPH09308399A
JPH09308399A JP8162258A JP16225896A JPH09308399A JP H09308399 A JPH09308399 A JP H09308399A JP 8162258 A JP8162258 A JP 8162258A JP 16225896 A JP16225896 A JP 16225896A JP H09308399 A JPH09308399 A JP H09308399A
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大朔 若松
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Abstract

(57)【要約】 【目的】軽量で連続し巻き取り可能な水耕連続水稲苗の
製造方法 【構成】水、培養液に浮かぶ落綿ラップ3を水耕連続水
稲苗の育苗基材とする。落綿ラップ3を水耕培養水槽2
に浮かべ、催芽した水稲種子4を播種して、貯水槽1内
のヒーター8により温めた水または培養液を、水耕培養
水槽2の底面溝部14と貯水槽1内部に敷きつめた透水
性のフイルム又は布を通じて循環して、水耕連続水稲苗
を製造する。落綿ラップ3に替えて網目状の綿不織布1
5を育苗基材としてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔産業上の利用分野〕本発明は、水稲の田
植え機移植栽培において、現用されている重い育苗箱と
培土による水稲箱苗育成・移植方法を改善する、軽量か
つ連続した水耕連続水稲苗の製造方法に関する。
【0002】〔従来の技術〕現用されている育苗箱によ
る箱苗育成移植方法において、培土詰め、灌水、播種、
覆土した育苗箱の重量は1箱当たり約6kgに達する。
この重量ある育苗箱による箱苗育成、田植え機搭載方法
を改善するために、布状の育苗基材を用いて、連続した
長尺マット状の稲苗を水耕で育成する方法が、ロングマ
ット育苗法として、農林水産省農業研究センターで開発
されている。
【0003】〔発明が解決しょうとする課題〕現用され
ている水稲苗の育苗法は育苗箱に培土を詰め、灌水し、
催芽した水稲種子を播種後覆土して、育苗箱を出芽器の
棚に並べ、または積み上げて保温し、出芽すれば棚、積
み上げからおろして、ビニールハウス内等に並べてトン
ネルをかけて、緑化、硬化を図り灌水・保温して育成す
る。本葉2枚の稚苗またはさらに大きい中苗にまで育て
て、本田移植のあたっては、箱苗1枚1枚を手で持って
トラックに積み込み、また狭い畦を歩いて本田に持ち込
み、苗マットを箱から剥がして田植え機に搭載する。必
要量は10a当たり20〜24箱で、1haでは、20
0〜240箱に達し、播種から移植までは農作業のピー
クで大変な労働量を集中して必要とする。重量換算で
1、440kgである。これを播種から移植までに6回
運搬するから約8、000kgの人力運搬を行うことに
なる。農家の主婦はこのため腱鞘炎、腰痛に悩む人が多
い。
【0004】また大区画水田では苗の積み込みのため、
田植え機が停止する時間と手間も馬鹿にならない。高速
田植え機が開発されても充分な性能発揮は困難である。
【0005】農林水産省農業研究研センターで開発され
たロングマット育苗法は、ステンレス製の水槽を用い
て、これに育苗基材として目付のごく低い薄い綿不織布
を敷込み、この上に催芽した水稲種子を播種し、水槽内
を培養液で循環する方法によって、育苗基材を稲苗の根
で貫通させてルートマットを形成させ、連続した長尺マ
ット状の稲苗を育成する方法である。完成した水稲苗の
ロングマットは巻き取って田植え機に搭載し、巻きほご
しながら通常移植方法と同じく、移植爪で掻取り移植す
る。綿不織布と催芽した水稲種子は、水中に沈んでいる
状態で育苗される。このため出芽にあたって必要な酸素
を補給するため、間断灌漑により、催芽した水稲種子
(催芽籾)を空気に接触させる、エアレイションが必要
となる。水稲種子の出芽に最適な培養液の温度は25〜
37℃であり、これは熱伝達性の良好なステンレス製水
槽を設置したビニールハウス内全体を加温することによ
り達成している。
【0006】また一時に多量の灌漑(養液の循環)を行
うと催芽した水稲種子が流されて、均一な苗マットが出
来ないため、微妙な灌漑間隔と灌漑量の調節が必要にな
る。また催芽した水稲種子が出根する際に綿不織布を貫
通せず、水稲種子(出芽籾)が根で持ち上がる根上がり
が起こりやすい。根上がりすると育苗基材に根は食い込
まず、根が相互に絡んで絨毯状となる良好なルートマッ
トは形成され無いので、稲苗は各個にバラバラになり、
田植え機にかからなくなる。
【0007】綿不織布は紡績工程で発生する落綿を精
錬、脱色し,乾式または湿式により、繊維を縦横に絡ま
せて圧縮し、接着剤で繊維相互を固定し布状にしたもの
である。綿不織布は同一目付では、落綿よりもはるかに
高価であり、ロングマットの基材として稲苗を育成して
移植のために植え付け爪で掻取る場合にも、繊維を縦横
に絡ませて接着固定して構成されているため、切れにく
く偏って均一に掻取りずらい。
【0008】〔課題を解決するための手段〕前記の重量
ある育苗箱による育苗法を避け、高価で均一に掻取りし
がたい綿不織布に替わって、図1、図2のようにカード
(梳綿機)等の落綿を薄膜状の落綿ラップ3とし、これ
を水耕培養水槽2の水または培養液に浮かべ、薄膜状の
落綿ラップ3上面に催芽した水稲種子4を播種する。水
稲種子4は下部にある水を求めて薄膜状の落綿ラップ3
を貫通して、まず種子根を出根して吸水し、次に冠根等
が伸びて絡みルートマットを形成する。落綿ラップ3上
面に播種した水稲種子4と芽は空気中にあって、完全に
呼吸可能な状態にある。綿繊維は本来表面を蝋(Wa
x)でおおわれて防水されているから,水に漬かっても
すぐには吸水せず,軽度の撥水性を持つ。落綿ラップ3
内部には空気を含み仮比重も水よりも軽いために、播種
した水稲種子4の出根、出芽の生育初期期間中落綿ラッ
プ3は水または培養液に浮かぶ。カード(梳綿機)等の
落綿は本来繊維がごく短くて繊維相互の絡みが少なく、
綿実滓等の夾雑物も含むので、移植爪で掻取る場合にほ
ぐれやすい特性がある。これらの落綿ラップ3の本来の
特性を、水耕連続水稲苗の育苗基材に応用する点に本発
明の独創性がある。
【0009】水耕連続水稲苗は完成すれば、芯を中心に
入れて端から伊達巻き状に巻き取り、巻き取り芯を田植
え機の苗乗せ台上部に架設したラックに掛けて巻きほご
しながら、従来とおり植え付け爪で掻取り移植する。従
来の箱育苗における稲苗は、培土を用いているため重量
があり、かつ植え付け爪で掻取る場合も、ほぐれやすく
掻取り、移植性能は良好である。しかし、軽量である水
耕連続水稲苗は苗送りは重力だけでは困難であり、強制
的に連続して苗乗せ台の掻取り口に送り込む必要があ
る。現用の田植え機を水耕連続水稲苗の移植に応用する
場合には、田植え機苗乗せ台の苗送り機構が、全面ゴム
ベルトになっている機種が望ましい。
【0010】さらに水耕連続水稲苗の苗送りを確実にす
るには、現用の田植え機の苗乗せ台下端に設置されてい
る苗押さえ棒に直角方向に回転軸を取り付け、この回転
軸に薄い歯車をはめ込み、苗送りゴムベルトとこの歯車
で水耕連続水稲苗をはさんで押さえ、強制的に連続して
苗乗せ台の掻取り口に送り込む機構を架設すれば最良で
ある。こうすれば、水耕連続水稲苗を移植のための植え
付け爪で掻取る場合に起こりやすい、育苗基材の切れが
悪く,掻取り爪による縦方向の掻取り応力と、苗乗せ台
の移動による横方向の力の合成による水耕連続水稲苗マ
ットの偏りも防止出来る。
【0011】また図4のように、薄膜状の落綿ラップ3
のかわりに、網目状の綿不織布15を水耕培養水槽2の
底に敷込み、網目状の綿不織布15の上面に催芽した水
稲種子4を播種して、網目状の綿不織布15と催芽した
水稲種子4に水または培養液をタイマー9により間断し
てポンプ7によりホースまたはパイプ11経由で循環さ
せて、網目を貫通して出根させて良好なルートマットの
形成を図り、水耕連続水稲苗を育成しても良い。
【0012】〔作用〕水耕連続水稲苗を育成するには、
図1,図2のように、水耕培養水槽2底面に長手の方向
に連続する底面溝部14を設け、底面溝部14上を覆う
ように水耕培養水槽2内面全体を透水性の布またはフイ
ルム5で覆う。水耕培養水槽2内面の一端から、シャワ
ーノズル12により溶存酸素を増加させるように、水ま
たは培養液を泡立てて給水する。シャワーノズル12の
下流に僅かにはなし、遮水板13を水耕培養水槽2内部
を横断して底面溝部14に跨がって設置する。給水され
た水または培養液は、遮水板13により一時せきとめら
れるので、急速に落綿ラップ3または網目状の綿不織布
15上に流れだすことは起こらない。遮水板13でせき
止められた水または培養液は、水耕培養水槽2の底面溝
部14から透水性の布またはフイルム5を透過して、水
耕培養水槽2内部全体に均一に底部からしみだし、底面
溝部14端末から排水コック18経由で排水する。水ま
たは培養液の排水は、排水コック18により流出量を調
節されて流出するので、給水された水または培養液は、
一時水耕培養水槽2内に貯留して、水耕培養水槽2の気
温を上昇させながら、薄膜状の落綿ラップ3上面に播種
した水稲種子4の根に水分・養分を与えて、水耕培養水
槽2の他端の下部に設けられた貯水タンク1内に時間を
かけて落水する。
【0013】水稲の育苗にあたり、最も高温を必要とす
る出根、出芽を安定させるため、水または培養液を貯留
する貯水タンク1内に電熱等のヒーター8を設置する。
催芽した水稲種子4を播種したならば、貯水タンク1内
のヒーター8とサーモスタット10により25〜37℃
に加温、調節した温水または培養液を、ポンプ7とタイ
マー9によりホースまたはパイプ11経由で水耕培養水
槽2内に間断して循環させて出根、出芽を促進すれば、
安定した水耕連続水稲苗育苗が可能になる。したがって
水耕培養水槽2の材質は発泡スチロール等の断熱性の高
いものが望ましい。
【0014】もちろん我が国における水稲育苗適期の3
〜5月においては、図2にしめすように水耕培養水槽2
上に、トンネルをかけ緑化、硬化を促進し昇温を図るた
め透光性の保温資材17で被覆すれば、水耕培養水槽2
内の気温は、循環する25〜37℃の温水または培養
液、日射により上昇して、水稲苗の発育は良好となる。
晴天でトンネル内が昇温しすぎれば(気温40〜45℃
以上)透光性の保温資材17を除去して、気温を調節す
る。ヒーター8による加温エネルギーは、トンネル被覆
内の限られた空間の昇温であるからハウス、温室全体を
昇温させるエネルギーよりはるかに少なくてすむ。
【0015】落綿ラップ3はカード落ち等の落綿をもち
いて、綿実滓の混入したままこれを未精錬薄膜状の目付
約30〜70gのラップとする。巾は箱苗にあわせて約
28cm長さは、稲箱苗10枚に匹敵する6m程度が取
り扱いやすい。網目状の綿不織布15も目付約30〜7
0gで、巾は箱苗にあわせて約28cm長さは、稲箱苗
10枚に匹敵する6m程度が取り扱いやすい。
【0016】これ等を、水耕培養水槽2の底面に敷こ
み、催芽した水稲種子4を播種して、水または養液を水
耕培養水槽2内に循環させる。
【0017】落綿ラップ3は水または培養液に浮かび、
落綿ラップ3に播種された催芽した水稲種子4は空気に
さらされ、落綿ラップ3下面は水に触れている状態にな
る。催芽した水稲種子4は空気中にあるため、まず根
(種子根)を垂直に伸長させて落綿ラップ3を貫通し、
落綿ラップ3下部から吸水して、次に鞘葉を短く伸長さ
せる健全な好気発芽をおこなう。稲種子の発芽生理にお
いて、種子が水中等にある場合は、胚乳養分を嫌気的に
還元してまず出芽し、鞘葉を伸長させ、鞘葉が空気に触
れると始めて根を伸長させる。この鞘葉伸長嫌気発芽は
健全な生育方法では無く、苗も軟弱になる。
【0018】また薄膜状の落綿ラップ3のかわりに、網
目状の綿不織布15を水耕培養水槽2底に敷込み、網目
状の綿不織布15の上面に催芽した水稲種子4を播種し
て、網目状の綿不織布15と催芽した水稲種子4上に水
または培養液を前記のように間断して循環させると、網
目を貫通して根が良く入り、良好なルートマットを形成
する。
【0019】綿実滓の混入したままの落綿ラップ3は目
付約30〜70gでは強度が弱く、上記諸元の水耕培養
水槽2に敷こむ場合等、取り扱いに充分な注意をしない
と、引っ張って厚さが不均一になる。薄くなった落綿ラ
ップ3による水耕連続水稲苗は、田植え機に乗せて移植
する場合にちぎれやすく、偏りやすくなり、移植精度も
不安定になる。これを防ぐため、図3のように催芽した
水稲種子4の稲苗の根が貫通しないフイルムまたは不織
布(商品名根切りシート)6を落綿ラップ3の下面に水
溶性の接着剤で接着する。水耕培養水槽2に落綿ラップ
3を敷こみ、水または培養液の灌水により、稲苗の根が
貫通しないフイルムまたは不織布(商品名根切りシー
ト)6が落綿ラップ3の下面からはがれるまでは、接着
したフイルムまたは不織布6の補強作用により、落綿ラ
ップ3の厚さが不均一になることが防がれる。また落綿
ラップ3を貫通した水稲種子4による稲苗の根は、根が
貫通しないフイルムまたは不織布6により、曲げられ絡
まってて良好なルートマットを形成し、出来上がった水
耕連続水稲苗の強度を向上させ、田植え機移植爪による
の掻取りにも適するようになる。
【0020】〔実施例〕落綿ラップ3に播種した催芽し
た水稲種子4は、空気に触れるので乾きやすく、出芽は
安定しない。催芽した水稲種子4の乾燥を防止し、同時
に出根時の根上がりを防ぐためには、播種後催芽した水
稲種子4の上から、ローラーをかけて、催芽した水稲種
子を落綿ラップ3中にめり込ませる。次に、図2のよう
に芽が貫通しないフイルムまたは不織布(商品名根切り
シート)16で、落綿ラップ3に播種した催芽した水稲
種子4を覆う。図1のように貯水タンク1内の電熱等の
ヒーター8により昇温させたおおむね25〜37℃の温
水または培養液を、ポンプ7により水耕培養水槽2内に
循環させると、ほぼ1〜2日で出芽するから、出芽した
ならこのフイルムまたは不織布16を即時除去する。遅
れると鞘葉が伸長した嫌気的水中発芽苗になる
【0021】出芽後は温水、培養液の温度を概ね25〜
27℃に保つ。概ね播種後7日〜10日で温水だけで本
葉2枚草丈7cm前後の乳苗、加温した培養液を用いて
30〜40日で本葉3.5〜4.5枚草丈15〜20c
mの中苗が出来る。
【0022】図1、図2に示すように温水、培養液は先
ず底面溝部14中を流れ、底面溝部14が満水してから
水耕培養水槽2内部全体に透水性のフイルムまたは布5
を透過して均一に温水、培養液をしみだすので、水耕培
養水槽2内部の温水、培養液の温度は均一となる。もち
ろん培養液の濃度が水耕培養水槽2の培養液流入部分で
濃くなり、流出末端部分では植物に吸収されて薄くなる
濃度勾配現象も起こらない。また水量を多くしても、播
種した催芽した水稲種子4が流れたり偏ったりすること
は無い。底面溝部14から均一に排水する前記の構造に
より、排水は短時間ですみ、播種した催芽した水稲種子
4のエァレイションは良好になる。
【0023】〔発明の効果〕本発明は以上のように構成
実施されるので、以下に記載されるような効果を生ず
る。
【0024】6m長さの水耕連続水稲苗の育苗完了仕上
がり巻き取り重量は、概ね12kg前後で、従来の箱苗
にくらべて5分の1の重さに低下する。
【0025】しかも苗剥がし、田植え機搭載の手間は、
10分の1に低下して、連続作業が可能となる。
【0026】巻き取った水耕連続水稲苗は不織布で包装
すれば長距離の輸送に耐える。
【0027】落綿ラップ3は水耕培養水槽2内部の水ま
たは培養液に浮かぶ。水耕培養水槽2内部の気温、水温
を保つため大量の温水、培養液の灌水をおこなっても、
播種した催芽した水稲種子4は空気に触れたままであ
り、呼吸障害を受ける事はなく、先ず発根して、吸水し
た後発芽する理想的な生育を行うので、良好な水耕連続
水稲苗の製造が可能となる。
【0028】播種後催芽した水稲種子4の上から,ロー
ラーをかけて,催芽した水稲種子を落綿ラップ3中にめ
り込ませるから、落綿ラップ3の綿繊維は、催芽した水
稲種子4の籾表面の毛に絡み、落綿ラップ3の柔軟性で
めり込んだ催芽した水稲種子4を固定して、発根時に起
こる根あがりを防ぐ。あわせて催芽した水稲種子4の根
(種子根)も落綿ラップ3下部に貯留する水または培養
液を求めて垂直に発根、伸長する。前記のように処理す
れば、落綿ラップ3は繊維を不織布のように接着固定し
ないため、催芽した水稲種子4の根(種子根)が貫通し
やすく、発根時に起こる根あがりも起こらない。
【0029】3〜5月期の育苗期に、水耕培養水槽2を
小型保温材トンネルで覆い、数百ワット程度の水中電熱
ヒーターを貯水槽2に投入することにより、約12m長
さの水耕培養水槽2内の水温,気温は稲苗育成に好適と
なり、水耕連続水稲苗の育苗は容易である。
【0030】落綿ラップ3を育苗基材として用いる約1
2m長さの水耕培養水槽2における育苗で、本発明によ
る均一な水、培養液の供給方法により、仕上がり水耕連
続水稲苗の草丈、ルートマット形成はほぼ均一である。
【0031】網目状の綿不織布15を水耕連続水稲苗の
基材として用いれば、水耕連続水稲苗の掻取り苗切れが
網目によりミシン目を入れたように良好となる。
【0032】もちろん落綿ラップ3の掻取り苗切れは、
繊維相互が接着していないため、さらに良好である。
【0033】仕上がり水耕連続水稲苗の価格は、共同育
苗施設における製造試算では、巾28cm長さ60cm
に換算して、(箱育苗と同じサイズ)箱育苗水稲苗の稚
苗価格1箱当たり市価7百円〜8百円よりもさらに安価
になる見込みである。
【0034】本発明は上記のように構成、実施されるか
ら、播種作業も重い培土詰めと灌水が無くなり、軽い落
綿ラップ3等を育苗基材として用い、水耕培養水槽2も
前記のように軽いから非常に取扱やすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】水耕培養水槽における水耕連続水稲苗の製造中
の縦断面図である。
【図2】水耕培養水槽における水耕連続水稲苗の保温製
造中の横断面図である。
【図3】稲苗の根が貫通しないフイルムまたは不織布で
補強した落綿ラップの横断面図である。
【図4】網目状の綿不織布による水耕連続水稲苗育苗中
の横断面図である。
【符号の説明】
1 貯水槽 2 水耕培養水槽 3 落綿ラップ 4
催芽した水稲種子 5 透水性のフイルムまたは布 6 稲苗の根が貫通し
ないフイルムまたは不織布 7 ポンプ 8 ヒーター
9 タイマー 10 サーモスタット 11 ホース又はパイプ 12 シャワーノズル 13
遮水板 14 底面溝部 15 網目状の綿不織布 16 稲苗
の芽が貫通しないフイルムまたは不織布 17 透光性
の保温資材 18 排水コック

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カード(梳綿機)等の落綿を薄膜状の落綿
    ラップとし、これを水耕培養水槽の水または培養液に浮
    かべ、落綿ラップ上面に催芽した水稲種子を播種し、落
    綿ラップを貫通して水稲種子から出根させて、吸水を図
    りつつ根が絡んだルートマットを形成させ、かつ水稲種
    子と芽は空気中にあって、完全に呼吸可能な状態にお
    き、連続した長尺マット状の稲苗を育成することを特徴
    とする水耕連続水稲苗の製造方法
  2. 【請求項2】水耕連続水稲苗の製造にあたり、網目状の
    綿不織布を水耕培養水槽底に敷込み、網目状の綿不織布
    の上面に催芽した水稲種子を播種して、網目状の綿不織
    布と水稲種子上に水または培養液を間断して循環し、網
    目を貫通して出根させて、ルートマットを形成させるこ
    とを特徴とする水耕連続水稲苗の製造方法
  3. 【請求項3】水耕連続水稲苗の水耕培養水槽において、
    長手の方向に連続する溝を底面に設け、溝上を覆うよう
    に水耕培養水槽内面全体を透水性の布,フイルム等で覆
    い、溝部の一端から給水し、布,フイルム等から水耕培
    養水槽内面全体に均一に水または培養液をしみださせ
    て、水または培養液を水耕培養水槽内面に一時貯留さ
    せ、底面に設けた溝部から均一に逐次排水することを特
    徴とする水耕連続水稲苗水耕培養水槽の構造
  4. 【請求項4】前記請求項3の水耕連続水稲苗の水耕培養
    水槽において、一端の排水側に水または培養液を貯留す
    る貯水タンクを設け、この貯水タンク内部にヒーターを
    設置し、催芽した水稲種子を水耕培養水槽内に播種し、
    出芽、出根させる場合に、ヒーターにより25〜37℃
    に加温した温水または培養液を、水耕培養水槽内に循環
    して、低温気候時期における出芽、出根、生育を促進,
    安定することを特徴とする水耕連続水稲苗の製造方法
  5. 【請求項5】稲苗の根が貫通しないフイルムまたは不織
    布を、前記請求項1の落綿ラップの下面に水溶性の接着
    剤で接着して、水耕連続水稲苗の育苗基材として用いる
    水耕連続水稲苗の製造方法
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