JP3857804B2 - 水稲用育苗シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水田の土壌の表面に敷設することにより、封入した種籾が発芽し、苗となり、さらにその苗がある程度成長した後は、自然に分解して土に還る水稲用育苗シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の稲作は、例えば育苗箱内に種籾を蒔いて苗を育て、育った苗を5月か6月の田植えの時期に耕した水田に田植機または人力で植えている。また、苗が成長する過程にあっては、苗の成長を害する雑草を刈り取り、また必要に応じて肥料を加え、9月か10月の収穫期に育った稲を刈り取るようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、現在の日本の稲作農業は、いわゆる減反政策に伴い作付面積が抑えられ、専業農家としての経営規模に達しない小規模の兼業農家が多数見受けられる。このような兼業農家では投資効率の面から農機具等に対する設備投資もままならない。しかも、稲の育苗,田植え,除草,施肥といった多くの面倒で時間の掛かる作業を強いられる反面、農業への人手が不足することから、前記多くの作業を農業協同組合や請負業者に委託しており、経済的な負担が増大している。
【0004】
一方、種々の出版物等の増加に伴い紙の消費が増大し、それに追随して必然的に使用後に故紙となる量も増加の途を辿っており、限りある天然資源の枯渇を救うべくこれらの故紙を再生紙の原料に使用するリサイクルも一部になされいるが、故紙を原料にすることがコスト高になることで使用される量が限られ、故紙の有効な用途開発が待望されている。
【0005】
そこで、本発明は現在の稲作作業で育苗,田植え,除草,施肥等の一連の作業を簡素化してその労力と経費の軽減を図り、委託による稲作でも投資効率が向上し、同時に、故紙の有効活用が併せて達成でき、しかも経時的に自然に分解して土に還るエコロジカルな水稲用育苗シートを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため本発明に係る水稲用育苗シートは、故紙を主原料にして抄紙した長尺シートを成形し、該長尺シートの長手方向に沿って所要の大きさの孔を等間隔に無数列設し、一方、水溶性フィルムシートにより長尺の扁平筒体を成形し、該扁平筒体内に前記各孔の位置に合わせて種籾を封入すると共に、これら各種籾間に肥料を区画して封入し、該扁平筒体を前記各種籾が前記各孔の位置に合致するようにして長尺シートの裏面に貼合して構成される。
【0007】
このように構成された本発明に係る水稲用育苗シートを整耕された水田の土壌の表面に時期を選んで敷設するこれにより、所要の日数経過することによって扁平筒体に封入された種籾が太陽光を受け自然に発芽・発根して苗に成育し、さらに稲草に成長する。その間の雑草は長尺シートで遮光することにより成長が抑えられ人手による除草や除草剤の施用が不要になる。さらに扁平筒体は一定の期間経てば水に溶け、その中に封入した肥料が適宜土壌中に滲透して施肥の手間が省略できる。
そして、時期はずれるが一定の期間経過すれば前記扁平筒体と長尺シートとが自然に分解して土に還るから、水稲用育苗シートは撤去することなく処分できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る水稲用育苗シートの実施の形態を図面と共に説明する。図1は水稲用育苗シートの斜視図、図2は一部拡大平面図、図3は図2のX−X線断面図である。この水稲用育苗シートSは再生紙からなる長尺シート1の裏面に細幅で長尺の扁平筒体2を貼合して構成される。すなわち前記長尺シート1は段ボール紙の故紙を抄紙し、または新聞紙の故紙約70重量部と綿約30重量部とを混合して抄紙した再生紙であって幅約90〜100cm、長さ約500〜1000mのものを図1に示すようにロール巻きして取り扱い易くしている。また、該長尺シート1は2〜2.5カ月で水により自然に分解されるようになっており、しかも太陽光を遮断しかつ太陽熱を蓄積し易いように比較的濃色系統の色が選ばれる。そして、この長尺シート1の幅方向に約30cm隔てて直径約5〜8cmの複数の円形状の孔3,3…を長手方向に沿って約15〜20cm間隔にて2列列設している。
【0009】
一方、前記扁平筒体2はでんぷんと繊維とを主原料としこれに水溶性PVAを混合したものを材料にした水溶性かつ半透明なフィルムシートにより横幅約3〜5cmの長尺に形成される。該扁平筒体2は透明であっても良く、この場合は、後記する種籾5に地ゅ直接太陽光が当り成育が早くなる。また、該扁平筒体2は水により2〜4週間で自然に分解して溶けるようになっている。そして、扁平筒体2には前記長尺シート1の長手方向に沿って列設した各孔3,3…の位置に合わせて区画室4を設け、該各区画室4内に数粒ずつの種籾5が封入される。さらに各区画室4間の中間室4aに肥料6が適量封入されるが、この肥料6は無機質でも良いができれば有機質のものが好ましい。なお、前記各区画室4,中間室4a間の仕切7は熱融着により成形される。
【0010】
このように種籾5及び肥料6を封入した2本の扁平筒体2,2を図1〜図3に示すように種籾5が各孔3,3…に合致するようにして長尺シート1の裏面に接着剤により貼合して長尺の水稲用育苗シートSが構成される。なお、扁平筒体2は2本に限らず、複数の孔3,3…の列の数に合わせて、3本,4本または5本でも良い。
【0011】
このように構成される水稲用育苗シートSは所定の長さに切断され、4月頃図4に示すように整耕された水田の土壌Eの表面ほぼ全面に時期を選んで複数枚敷設して使用される。そして、所要の日数が経過すると扁平筒体2に封入した各種籾5が各孔3に臨んでいることから太陽光を受けて発芽・発根し扁平筒体2を破り、発芽した芽は長尺シート1の孔3から上方へ伸び、発根した根は土壌Eに侵入して5〜6月頃になると図5に示すように苗Aに成長する。この時期になると各扁平筒体2,2は水に溶けてなくなり、封入していた各肥料6は土壌Eに滲透して土壌E中の苗Aの根に吸収される。また、水田Fの土壌Eの表面はほぼ全面が長尺シート1に覆われていることから、水Wの保温性が良く苗Aの生長を助け、反面、雑草が生えるのを防止できることから、除草したり、除草剤を撒布したりする手間が省ける。
【0012】
そして、7〜8月頃になると各苗Aが図6に示すように成長して稲Bとなり、穂が出てくるが、この頃には水田Fの土壌Eの表面ほぼ全面に敷設した各長尺シート1が経時的に自然に分解して土壌Eに混じり、遂には土に還ってしまうから、水稲用育苗シートSは一々撤去する必要もなく始末ができる。このようにして成長した稲は9月〜10月頃に刈り取られることとなる。
【0013】
【発明の効果】
本発明に係る水稲用育苗シートは上記構成よりなるので、次のような効果を有する。
1.種籾や肥料が水稲用育苗シートに封入されており、該水稲用育苗シートを水田の土壌の上面に敷設するのみで済み、従来の稲の育苗,田植えといった面倒で時間の掛かる作業が極めて簡素化でき労力と経費の軽減が図られ、委託による稲作でも投資効率が向上する。
2.長尺シートで水田の土壌の上面が覆われるので、太陽光を遮断して雑草が生えにくくなり雑草を刈る手間が省ける。しかも、除草剤が不要となることからこれを使用することにより人体への悪影響を考慮する必要がない。
3.長尺シートを比較的濃色系統の色にすれば、保温性に優れ苗の育成に好影響を与える。
4.扁平筒体に肥料を封入するようにしたので、苗が成長する過程での施肥が省ける。
5.長尺シートも扁平筒体と同じく一定の期間を経過すると自然に分解して土壌に還るので、水稲用育苗シートを後で撤去する必要がなく楽である。
6.長尺シートは故紙を主原料としているので、故紙の有効活用が図られると共に用途開発にも寄与し、天然資源のリサイクルの効率化に貢献できる。
7.段ボール紙により長尺シートを成形し、また、でんぷんと繊維と水溶性PVAとにより扁平筒体を成形するようにすれば、いずれも分解して土壌に還り廃物として残らないのでエコロジーの面で有益な効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水稲用育苗シートの斜視図。
【図2】図1の一部拡大平面図。
【図3】図2のX−X線断面図。
【図4】水田に水稲用育苗シートを敷設した使用状態の平面図。
【図5】5〜6月頃の同使用状態の要部断面図。
【図6】7〜8月頃の同使用状態の要部断面図。
【符号の説明】
1 長尺シート
2 扁平筒体
3 孔
5 種籾
6 肥料
Claims (1)
- 故紙を主原料にして長尺シートを成形し、該長尺シートの長手方向に沿って所要の大きさの孔を無数列設し、一方、水溶性フィルムシートにより長尺の扁平筒体を成形し、該扁平筒体内には前記各孔の位置に合わせて種籾を封入すると共に、これら各種籾間に肥料を区画して封入し、該扁平筒体を前記各種籾が前記各孔の位置に合致するようにして長尺シートの裏面に貼合したことを特徴とする水稲用育苗シート。
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JPH11220904A JPH11220904A (ja) | 1999-08-17 |
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- 1998-02-05 JP JP04134998A patent/JP3857804B2/ja not_active Expired - Lifetime
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