JPH07325488A

JPH07325488A - 画像形成方法及び画像形成装置

Info

Publication number: JPH07325488A
Application number: JP10787395A
Authority: JP
Inventors: Masahiko Itaya; 正彦板谷; Tsutomu Sasaki; 努佐々木; Yasushi Hasegawa; 泰長谷川
Original assignee: Nippon Steel Corp
Current assignee: Nippon Steel Corp
Priority date: 1994-04-08
Filing date: 1995-04-07
Publication date: 1995-12-12

Abstract

(57)【要約】【目的】記録媒体上にトナー像を画像乱れを生じさせ
ることなく転写し、画像を形成することができる画像形
成方法及び画像形成装置を提供する。【構成】感光体１０上に反転した静電潜像を形成する
静電潜像形成工程と、現像ベルト５１０上に塗布された
高濃度高粘性の液体現像剤５０８を感光体１０の潜像面
に供給することにより、感光体１０上に反転トナー像を
形成し、現像ベルト５１０上に正規トナー像を形成する
現像工程と、現像ベルト５１０上に形成された正規トナ
ー像を紙に転写する転写工程とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、現像剤支持体上に塗布
された液体現像剤を静電潜像支持体上の反転した静電潜
像に供給することにより、静電潜像支持体上に反転トナ
ー像を形成し、現像剤支持体上に正規トナー像を形成す
る画像形成方法及び画像形成装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、画像形成装置では、静電潜像
支持体上に形成された静電潜像を帯電した顕像化粒子で
あるトナーによって現像し、その後、静電潜像支持体上
に形成された正規トナー像を記録媒体上に転写する方法
が用いられている。また、静電潜像支持体上に形成され
た正規トナー像を記録媒体に転写する方法として、トナ
ーと反対の極性を有する電荷で帯電した転写体を記録媒
体を介して静電潜像支持体に当接させ、静電気力を利用
することにより記録媒体上に転写し、画像を形成する方
法が用いられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の静電
記録装置等では、一般に有機溶剤であるIsoparG （登録
商標：Exxon 社製）にトナーを約１〜２％の割合で混ぜ
た低粘性の液体現像剤が使用されている。しかし、溶剤
の蒸気発生を抑えてより安全な且つよりシンプルな画像
形成装置を実現するためには、従来の装置に用いる液体
現像剤より高い濃度の液体現像剤を使用することが望ま
しいが、このような装置は従来見当たらなかった。した
がって、静電潜像支持体や現像剤支持体への付着力が増
加する高濃度高粘性の液体現像剤（絶縁性液体中にトナ
ーが高濃度に分散された１００〜１００００ｍＰａ・ｓ
の高粘性の液体現像剤）を用いた場合に、記録媒体上に
トナー像を画像乱れを生じさせることなく転写し、画像
を形成する方法としていかなる方法が好適であるのかは
明らかでない。

【０００４】

【目的】本発明は上記事情に基づいてなされたものであ
り、記録媒体上にトナー像を画像乱れを生じさせること
なく転写し、画像を形成することができる画像形成方法
及び画像形成装置を提供することを目的とするものであ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の画像形成方法は、静電潜像支持体上に反転
した静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、現像剤支
持体上に塗布された絶縁性液体中に帯電した顕像化粒子
であるトナーが高濃度に分散された１００〜１００００
ｍＰａ・ｓの高粘度の液体現像剤を、前記静電潜像支持
体の潜像面に供給することにより、前記静電潜像支持体
上に反転トナー像を形成し、前現像剤支持体上に正規ト
ナー像を形成する現像工程と、前記現像剤支持体上に形
成された正規トナー像を記録媒体上に転写する転写工程
と、を備えることを特徴とするものである。

【０００６】本発明の画像形成方法は、前記現像工程に
先立って、前記静電潜像支持体上に離型性を有し化学的
に不活性な誘電性液であるプリウェット液を塗布するプ
リウェット工程を備えることが望ましい。

【０００７】また、前記現像剤支持体は、可撓性を有す
る部材、できればベルト部材で形成されたものであるこ
とが望ましい。

【０００８】また、本発明の画像形成装置は、静電潜像
支持体と、前記静電潜像支持体上に反転した静電潜像を
形成する静電潜像形成手段と、現像剤支持体上に塗布さ
れた絶縁性液体中に帯電した顕像化粒子であるトナーが
高濃度に分散された１００〜１００００ｍＰａ・ｓの高
粘度の液体現像剤を、前記静電潜像支持体の潜像面に供
給することにより、前記静電潜像支持体上に反転トナー
像を形成し、前現像剤支持体上に正規トナー像を形成す
る現像手段と、前記現像剤支持体上に形成された正規ト
ナー像を、記録媒体上に転写する転写手段と、を備える
ことを特徴とするものである。

【０００９】さらに、本発明の他の画像形成装置は、現
像剤支持体上に各色に対応したトナー像を形成する複数
のトナー像形成手段を有する画像形成装置であって、前
記トナー像形成手段は、静電潜像支持体と、前記静電潜
像支持体上に反転した静電潜像を形成する静電潜像形成
手段と、現像剤支持体上に塗布された絶縁性液体中に帯
電した顕像化粒子であるトナーが高濃度に分散された１
００〜１００００ｍＰａ・ｓの高粘度の液体現像剤を、
前記静電潜像支持体の潜像面に供給することにより、前
記静電潜像支持体上に反転トナー像を形成し、前現像剤
支持体上に正規トナー像を形成する現像手段と、を有す
るものであり、前記複数のトナー像形成手段が備える各
現像剤支持体上に形成された正規トナー像を、記録媒体
に転写する転写手段を備えていることを特徴とするもの
である。

【００１０】

【作用】本発明の画像形成方法は、トナーが高濃度に分
散された高粘度の液体現像剤を用いることにより、従来
の低濃度の液体現像剤に比べて液量を遥かに少なくする
ことができる。また、現像剤支持体上に形成された正規
トナー像は液体現像剤の粘性によりトナー流れを生じ難
いので、この正規トナー像を記録媒体に転写することに
より、記録媒体に画像乱れの少ない画像を形成すること
ができる。尚、液体現像剤は、粘度が１００００ｍＰａ
・ｓ以上になると、絶縁性液体とトナーとの攪拌が難し
くなり、液体現像剤をどのようにして作るかが問題とな
る。したがって、１００００ｍＰａ・ｓ以上の液体現像
剤はコスト的に見合わなくなり、現実的でなくなる。一
方、１００ｍＰａ・ｓ以下では、トナー濃度が低くなる
とともに、トナーの分散性が悪くなるので、現像液を薄
層にして現像することができなくなる。液体現像剤の層
厚は、トナー濃度が高いときには薄く、低いときには厚
くする必要がある。また、粘度が高い程、薄くする必要
がある。ただし、層厚が４０μｍより厚いと、トナーの
過剰移動が起こり、現像剤支持体上に形成された正規ト
ナー像に乱れが生じ、画像ノイズが発生する。一方、層
厚が５μｍより薄いと、ベタ黒の画像を出力したときに
むらが生ずるようになる。

【００１１】本発明の画像形成方法に、現像工程に先立
って静電潜像支持体上に離型性を有し化学的に不活性な
誘電性液であるプリウェット液を塗布するプリウェット
工程を設けた場合には、現像剤支持体上のトナーが静電
潜像支持体上の静電潜像が形成されていない部分に移動
するのを防止することができる。

【００１２】現像剤支持体として可撓性を有する部材、
特にベルト部材で形成されたものを用いた場合には、現
像剤支持体上に塗布された液体現像剤層と静電潜像支持
体とが接触する際の接触圧力を分散させることができる
ので、現像剤支持体上に形成された正規トナー像が乱れ
るのを防止することができる。

【００１３】本発明の画像形成方法に、絶縁性液体の粘
度が０．５〜１０００ｍＰａ・ｓ、電気抵抗が１０¹²Ω
ｃｍ以上、表面張力が２１ｄｙｎ／ｃｍ以下、沸点が１
００℃以上の液体現像剤を用いる場合には、高粘度の液
体現像剤を得ることができる。現像剤支持体上に形成さ
れる液体現像剤は薄層状に形成されるため、液体現像剤
層中に含まれる絶縁性液体はきわめて少量である。した
がって、転写時に紙等に吸収される絶縁性液体はきわめ
て少量となるので、粘度が１０００ｍＰａ・ｓ以下であ
れば絶縁性液体の紙等への付着の問題は特に生じない。
しかし、粘度が０．５ｍＰａ・ｓ以下であると揮発性が
高くなるので、危険物扱いとなり適当でない。絶縁性液
体は沸点が１００℃以下であると、蒸発量が多くなるの
で現像剤の保存方法に問題があり、装置全体を密閉構造
にしなければならず、また作業環境を改善することも難
しくなる。電気抵抗は１０¹²Ωｃｍ以下になると、絶縁
性が悪くなり、トナーの導電性の問題が起こり現像剤と
して使用できなくなる。したがって、電気抵抗はできる
だけ高い値が望ましい。表面張力は２１ｄｙｎ／ｃｍ以
上になると、濡れ性が悪くなる。したがって、表面張力
は、できるだけ低い値が望ましい。

【００１４】また、液体現像剤が平均粒径０．１〜５μ
ｍのトナーを５〜４０％の濃度で含むものである場合に
は、絶縁性液体中にトナーが高濃度に分散された液体現
像剤を得ることができる。また、トナーの粒径の大きさ
に略反比例して、解像度が良くなる。通常、トナーは、
プリントアウトされた紙上で５〜１０個位の固まりとな
って、存在しているので、トナーの平均粒径が５μｍ以
上になると、解像度が悪くなる。一方、トナーの平均粒
径が０．１μｍ以下になると、物理的な接着力が大きく
なり、転写の際にトナーを剥がし難くなる。

【００１５】本発明の画像形成装置は、前記の構成によ
り、本発明の画像形成方法と同様の作用を奏する。

【００１６】また、本発明の他の画像形成装置は、前記
の構成により、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラック
等、所望の色のトナー像をそれぞれ対応する現像剤支持
体上に形成するので、一つの現像剤支持体を用いて多色
画像を形成する装置に比べて出画の高速化を図ることが
できる。その他の作用は本発明の画像形成方法と同様で
ある。

【００１７】

【実施例】以下に本発明の第一実施例を図１乃至図５を
参照して説明する。図１は本発明の第一実施例である画
像形成装置の概略構成図、図２は図１に示す画像形成装
置に用いられるプリウェット装置の概略斜視図、図３は
図１に示す画像形成装置の動作を説明するための図、図
４は図２に示すプリウェット装置の動作を説明するため
の図、図５はプリウェット液供給体を感光体に当接させ
たときのプリウェット液の流れを表した図である。

【００１８】本発明の第一実施例である画像形成装置１
は、図１に示すように、静電潜像支持体である感光体１
０と、感光体１０上にプリウェット液を塗布するプリウ
ェット装置２０と、感光体１０を帯電させる帯電装置３
０と、感光体１０上に反転した静電潜像を露光する露光
装置４０と、現像剤支持体である現像ベルト５１０上に
塗布された液体現像剤を感光体１０上の反転した静電潜
像が形成された部分に供給する現像装置５０と、現像ベ
ルト５１０上の正規トナー像を所定の紙に転写すると同
時に定着する転写装置６０と、感光体１０上に残留した
トナーを除去するクリーニング装置７０と、帯電された
感光体１０を除電する除電装置８０と、を備えている。
尚、帯電装置３０には、除電装置８０による影響を防ぐ
ため、除電装置８０が設置される側の面に遮光板３０２
が取り付けられている。

【００１９】帯電装置３０、露光装置４０、クリーニン
グ装置７０、および除電装置８０については従来の電子
写真式プリンタに用いられている従来技術をほとんどの
場合について流用することができる。したがって、第一
実施例では、上記の各装置の説明を省略して、本発明の
主要部であるプリウェット装置２０、現像装置５０及び
転写装置６０について説明する。

【００２０】プリウェット装置２０は、図２に示すよう
に、感光体１０上に描かれる画像幅と略同じ長さを有す
る板状のプリウェット液供給体２０２と、プリウェット
液供給体２０２を収納するケース２０４と、プリウェッ
ト液２２０を貯蔵するタンク２０６と、タンク２０６に
貯蔵されたプリウェット液２２０を汲み上げるポンプ２
０８と、チューブ２１０ａ，２１０ｂと、変位装置２１
２とを備えている。

【００２１】プリウェット液供給体２０２には、気孔が
連続した立体網目構造を有する連続多孔質体、例えばベ
ルイータ（登録商標：カネボウ（株））が用いられる。
ベルイータは、気孔の容積分だけプリウェット液２２０
を保持することができ、また気孔の容積を越えるプリウ
ェット液２２０が供給されたときには、プリウェット液
２２０の流れ方向に対し垂直な方向においてプリウェッ
ト液２２０を均一に放出することができる。ケース２０
４の感光体１０と対向する面には、図４に示すように、
プリウェット液供給体２０２の底面を感光体１０に当接
するための開口部２０４ａが設けられている。

【００２２】チューブ２１０ａは、ポンプ２０８により
汲み上げられたプリウェット液２２０をプリウェット液
供給体２０２の供給側２０２ａに搬送する。尚、プリウ
ェット液供給体２０２の供給側２０２ａとケース２０４
との間には空間部２０４ｂが形成されており、プリウェ
ット液２２０はこの空間部２０４ｂに蓄えられた後、供
給側２０２ａから供給される。チューブ２１０ｂは、プ
リウェット液供給体２０２の放出側２０２ｂから放出さ
れたプリウェット液２２０をタンク２０６に搬送する。
変位装置２１２は、外部からの信号が入力されていない
ときは、図４（Ａ）に示すように、プリウェット液供給
体２０２を感光体１０から離れた位置に保持し、外部か
らの信号が入力されているときは、図４（Ｂ）に示すよ
うに、プリウェット液供給体２０２を感光体１０に当接
する。

【００２３】現像装置５０は、現像剤支持体である現像
ベルト５１０と、現像ベルト５１０を回転駆動すると共
に現像ベルト５１０の一部を感光体１０に当接するよう
にして保持する駆動ローラ５１２ａ，５１２ｂ，５１２
ｃと、現像ベルト５１０に液体現像剤５０８を塗布する
現像カートリッジ５１と、現像ベルト５１０に付着する
液体現像剤５０８を掻き取る掻き取りブレード５１６と
を備えている。

【００２４】現像カートリッジ５１は、液体現像剤５０
８を貯蔵するタンク５０２と、現像ベルト５１０に液体
現像剤５０８を塗布する塗布ローラ５０６と、タンク５
０２の放出口に設けられた供給ローラ５０４と、搬送ロ
ーラ５１４ａ，５１４ｂ，５１４ｃとを備える。

【００２５】供給ローラ５０４は、搬送ローラ５１４ａ
と当接するように設けられており、搬送ローラ５１４ａ
の回転方向と反対方向に回転することにより、タンク５
０２に貯蔵された液体現像剤５０８を搬送ローラ５１４
ａに供給する。搬送ローラ５１４ａは、搬送ローラ５１
４ｂと当接するように設けられており、搬送ローラ５１
４ｂの回転方向と反対方向に回転することにより、供給
ローラ５０４により供給された液体現像剤５０８を搬送
ローラ５１４ｂに搬送する。搬送ローラ５１４ｂは、搬
送ローラ５１４ｃと当接するように設けられており、搬
送ローラ５１４ｃの回転方向と反対方向に回転すること
により、搬送ローラ５１４ａにより搬送された液体現像
剤５０８を搬送ローラ５１４ｃに搬送する。搬送ローラ
５１４ｃは、塗布ローラ５０６と当接するように設けら
れており、塗布ローラ５０６の回転方向と反対方向に回
転することにより、搬送ローラ５１４ｂにより搬送され
た液体現像剤５０８を塗布ローラ５０６に搬送する。塗
布ローラ５０６は、現像ベルト５１０と当接するように
設けられており、現像ベルト５１０の回転方向と反対方
向に回転することにより、搬送ローラ５１４ｃにより搬
送された液体現像剤５０８を現像ベルト５１０の表面に
塗布する。

【００２６】液体現像剤５０８の現像ベルト５１０への
供給に供給ローラ５０４、搬送ローラ５１４ａ，５１４
ｂ，５１４ｃ，および塗布ローラ５０６を用いたのは、
後述するように本実施例ではトナーが高濃度に分散され
た液体現像剤５０８を用いたので、少量の現像剤を現像
ベルト５１０の表面にムラなく薄く塗布する必要がある
からである。尚、供給ローラ５０４と塗布ローラ５０６
との間に設けられる搬送ローラは３個に限定されるもの
ではなく、必要に応じて設ければよい。

【００２７】現像ベルト５１０は、駆動ローラ５１２
ａ，５１２ｂ，５１２ｃによって感光体１０の回転方向
と反対方向に回転することにより、感光体１０の潜像面
に塗布ローラ５０６によって塗布された液体現像剤５０
８を供給する。現像ベルト５１０には、シームレスのニ
ッケルベルトのような金属ベルト、ポリイミドベルト、
ＰＥＴベルトのような樹脂ベルト等の可撓性を有するベ
ルト部材が用いられる。これにより、現像ベルト５１０
上に形成された液体現像剤層と感光体１０上に形成され
たプリウェット液層とが接触する際の接触圧力を分散さ
せると、液体現像剤層及びプリウェット液層を介して感
光体１０と現像ベルト５１０との間にあたかも間隔が形
成されたようになる。すなわち、現像ベルト５１０上に
形成された液体現像剤層と感光体１０上に形成されたプ
リウェット液層とを層同士を区別できるような２層状態
を維持しつつ接触させることができる。

【００２８】尚、現像ベルト５１０は現像バイアスを印
加できるものでなければならない。したがって、樹脂ベ
ルトやゴムベルトを用いる場合には、ベルトの表面を導
電加工するか、ベルトの原材料に導電性微粒子を添加す
るなどして電気抵抗値を下げる必要がある。ベルト自体
が導電性を有する場合は、駆動ローラ５１２ａ，５１２
ｂ，５１２ｃには、現像バイアスを印加できるように電
気抵抗値の低いゴムローラが用いられる。ベルトの表面
に導電加工を施した場合は、ベルトの表面に接触する導
体を配設し、この導体に現像バイアスを印加する。

【００２９】転写装置６０は、転写体である転写ローラ
６１０を備える。転写ローラ６１０は、現像ベルト５１
０と離接可能に設置されており、現像ベルト５１０の回
転方向と反対方向に回転することにより、所定の紙を現
像ベルト５１０と転写ローラ６１０との間に送り込む。
この際、転写ローラ６１０は紙を介して現像ベルト５１
０に押圧される。転写ローラ６１０の内部には転写ロー
ラ６１０を加熱するハロゲンランプ等の定着ヒータ６１
２が設けられている。尚、定着ヒータは、転写ローラ６
１０に内設する代わりに、駆動ローラ５１２ｃに内設
し、駆動ローラ５１２ｃを加熱してもよい。

【００３０】次に、本実施例に用いた画像形成用資材に
ついて説明する。本実施例に用いる液体現像剤５０８
は、エポキシ等のバインダーとなるレジン、トナーに所
定の電荷を与える荷電制御剤、着色顔料、トナーを均一
に分散させる分散剤等からなるトナーと、キャリア液と
からなる。トナーの構成は、従来の液体現像剤に用いら
れてきたものと基本的には同様であるが、帯電特性及び
分散性の調整のためそれらの処方はシリコンオイルに適
合するよう変更してある。トナーの平均粒径は、小さい
程、解像度がよくなるが、粒径が小さいと物理的接着力
が大きくなり転写する際に、はがし難くなる。このた
め、本実施例ではトナーの平均粒径は、転写性の向上を
目的として２〜４μｍあたりに中心が来るように調整し
てある。

【００３１】液体現像剤５０８の粘性は、用いるキャリ
ア液、レジン、着色顔料、荷電制御剤などおよびそれら
の濃度により決まる。本実施例では、粘度を５０〜６０
００ｍＰａ・ｓ、トナー濃度を５〜４０％の範囲で変化
させて実験した。

【００３２】キャリア液は、高電気抵抗を示すジメチル
ポリシロキサンオイル、環状ポリジメチルシロキサンオ
イル等の低粘度のものを用いる。尚、現像ベルト５１０
上に形成される液体現像剤層は薄層状に形成されるた
め、液体現像剤層中に含まれるキャリア液はきわめて少
量である。したがって、転写時に紙等に吸収されるキャ
リア液はきわめて少量となるので、粘度が１０００ｍＰ
ａ・ｓ以下であれば定着後に残留するキャリア液は、ほ
とんど見られない。本発明者等の実験によれば、キャリ
ア液に粘度が２．５ｍＰａ・ｓである米国ダウコーニン
グ社のＤＣ３４４及び粘度が６．５ｍＰａ・ｓである米
国ダウコーニング社のＤＣ３４５を用いて出画実験を行
ったときは、いずれも定着後に紙上に残留するキャリア
液は見られなかった。しかし、揮発性が高いため、現像
装置を密閉構造にする必要が生じた。また、キャリア液
に粘度が２０ｍＰａ・ｓである信越シリコン社のＫＦ−
９６−２０を用いて出画実験を行ったときは、定着後に
紙上に残留するキャリア液は見られなかった。また、揮
発性がそれほど高くないので、現像装置を密閉構造にす
る必要は生じなかった。ＤＣ３４４，ＤＣ３４５及びＫ
Ｆ−９６−２０は、一般的に化粧品に用いられるもので
毒性等の安全性は高い。キャリア液については、信越シ
リコン社のＫＦ９９３７等他に多くの種類があり、電気
抵抗、蒸発特性、表面張力、安全性等が満たされていれ
ばいずれを選択してもよい。

【００３３】また、本発明者等が行った実験では、表面
張力が大きい場合にはかぶりやトナーが塊となって移動
することがあり、実験的には２１ｄｙｎ／ｃｍ以上では
画質に問題が起こりやすいことが分かった。

【００３４】電気抵抗値としては、トナーの帯電安定性
の問題があり、１０¹⁴Ωｃｍ以上が望ましい。最低限１
０¹²Ωｃｍ以上は必要である。本実施例の説明では、こ
れらの実験結果に鑑み、価格が低く入手の容易なＤＣ３
４５を用いた例を示す。

【００３５】プリウェット液は、静電潜像支持体上に形
成された静電潜像を乱すものでないこと、および静電潜
像支持体上に塗布されたプリウェット液の一部が現像剤
支持体上に移動するため定着時に容易に蒸発するもので
あることが要求される。例としては、米国ダウコーニン
グ社のＤＣ３４４，ＤＣ２００−０．６５，−１．０，
−２．０、信越シリコン社のＫＦ９６Ｌ−１，ＫＦ９９
３７などが挙げられる。一般的に、蒸発性の高いシリコ
ンオイルを選択する必要がある。

【００３６】本発明者等の行った実験では、液粘度が
０．５〜３ｍＰａ・ｓの範囲で問題なく現像、転写、定
着による液の乾燥が行われたが、５ｍＰａ・ｓから６ｍ
Ｐａ・ｓ程度ではやや定着時の液の乾燥に時間と温度が
必要になる傾向が見られた。１０ｍＰａ・ｓでは乾燥に
要するエネルギーが大きくなり過ぎ一般的ではない。ま
た、０．５ｍＰａ・ｓ以下であると揮発性が高くなるの
で、危険物扱いとなり適当でない。また、紙への加熱の
影響もあり、沸点は、２５０℃以下のものである必要が
ある。

【００３７】表面張力は、現像剤との馴染みを良くし、
トナーの移動を容易にするため、できるだけ低いものが
よい。本発明者等の実験によれば、２０〜２１ｄｙｎ／
ｃｍ程度が限界でこれより低いものを選択する必要があ
る。

【００３８】電気抵抗は、低い場合、絶縁性が悪くなり
潜像電荷をリークして静電潜像をぼかしてしまう。従っ
て、できるだけ高いものを使用する必要がある。実験的
には１０¹⁴Ωｃｍ程度以上が望ましい。最低限１０¹²Ω
ｃｍは必要である。

【００３９】次に、本実施例の画像形成装置１の動作に
ついて説明する。先ず、図３（Ａ）に示すように、感光
体１０の表面を帯電装置３０により帯電する。一般に帯
電装置３０には、コロナ放電器が用いられる。

【００４０】次に、図３（Ｂ）に示すように、プリウェ
ット装置２０により感光体１０上に前述したプリウェッ
ト液２２０を塗布する。プリウェット装置２０は、外部
からの信号が入力されるとプリウェット液供給体２０２
を感光体１０に当接する。プリウェット液供給体２０２
の内部には、ポンプ２０８によりプリウェット液２２０
が常時循環しており、プリウェット液供給体２０２であ
るベルイータの気孔の容積を越えるプリウェット液２２
０は、図５に示すように、プリウェット液供給体２０２
の放出側２０２ｂから放出されると共にプリウェット液
供給体２０２の底面から放出され、感光体１０に傷を付
けることなく感光体１０上に均一に塗布される。

【００４１】次に、帯電した感光体１０上に反転像を露
光する。例えば、レーザースキャナーにより反転像を露
光して感光体１０の表面に反転した静電潜像を形成す
る。図３（Ｃ）に示すように、レーザースキャナーの光
が当たった部分は、導電化するので電荷が消失し、光の
当たらなかった部分は電荷の像である静電潜像として残
る。

【００４２】次に、現像ベルト５１０上に正規トナー像
を形成する。タンク５０２内に貯蔵された液体現像剤５
０８は、供給ローラ５０４により搬送ローラ５１４ａに
供給される。搬送ローラ５１４ａに供給された液体現像
剤５０８は、搬送ローラ５１４ｂ，５１４ｃを介して塗
布ローラ５０６に搬送された後、現像ベルト５１０に塗
布される。このように複数のローラを介して現像ベルト
５１０に液体現像剤５０８を塗布することにより、現像
ベルト５１０上に薄層の液体現像剤層が形成される。次
に、現像ベルト５１０上に形成された液体現像剤層を、
図３（Ｄ）に示すように、感光体１０の表面に形成され
た反転像である静電潜像に近接させて、静電気力によ
り、帯電したトナーを感光体１０上に移動させ、感光体
１０上に反転トナー像を形成し、現像ベルト５１０上に
正規トナー像を形成する。

【００４３】次に、転写装置６０により現像ベルト５１
０上に形成された正規トナー像を記録媒体である紙に転
写すると同時に定着させる。現像ベルト５１０上に形成
された正規トナー像は、図３（Ｅ）に示すように、転写
ローラ６１０の現像ベルト５０への押圧力及び定着ヒー
タ６１２による加熱により、現像ベルト５１０から離れ
て転写ローラ６１０と現像ベルト５１０との間に送り込
まれた紙上に移動し、転写されると同時に熱的に溶融し
定着する。これにより、紙上に画像が形成される。一
方、感光体１０は、クリーニング装置７０により感光体
１０上に残留した液体現像剤５０８が除去され、その
後、除電装置８０により除電される。そして、再び上記
の帯電から除電までのサイクルに繰り返し使用される。
尚、液体現像剤が正常に転写されず現像ベルト５１０上
に残留したときには、その残留した液体現像剤５０８は
掻き取りブレード５１６により除去される。

【００４４】図６乃至図１０は本発明の第一実施例の現
像過程について詳細に説明するための図であり、図６は
現像過程の全体を説明するための図、図７は接近過程の
ようすを示す図、図８はトナー移動過程のようすを示す
図、図９は画像部の分離過程を示す図、図１０は非画像
部の分離過程を示す図である。従来の現像過程と異な
り、第一実施例の現像過程は、図６に示すように、現像
ベルトが感光体に接近して液体現像剤が感光体表面に接
近する接近過程と、液体現像剤層とプリウェット液層と
がソフトコンタクトしてトナーが移動するトナー移動過
程と、現像ベルトが感光体から離れて現像ベルトに付着
するトナーと感光体上に付着するトナーとに分離される
分離過程との３つの過程から成り立っていると考えられ
る。

【００４５】接近過程では、図７に示すように現像ベル
ト５１０を可撓性を有するベルト部材で構成したことに
より、現像ベルト５１０のテンションを調節して現像ベ
ルト５１０上の液体現像剤層と感光体１０上のプリウェ
ット液層とが接触する際の接触圧力を分散させると、キ
ャリア液とトナーからなる高粘度の液体現像剤層とプリ
ウェット液層とはソフトコンタクトされる。この際、液
体現像剤層及びプリウェット液層を介して現像ベルト５
１０と感光体１０との間に微小ギャップ即ち間隔ｄが形
成される。尚、粘度の低いプリウェット液は前後に若干
押し出されてプリウェット液の液溜りが生ずる。

【００４６】トナー移動過程においては、図８に示すよ
うに非画像部では、現像ベルト５１０上のトナーが感光
体１０上の電荷と現像ベルト５１０の間に形成される電
界によって主にクーロン力によりプリウェット液層を通
過して潜像面に移動する。一方、画像部では、現像ベル
ト５１０上のトナーは、感光体１０の表面と液体現像剤
層とがプリウェット液層により分離されているので、感
光体１０の表面に移動しない。

【００４７】分離過程においては、画像部では、図９に
示すように、液体現像剤は現像ベルト５１０上に残留す
る。プリウェット液層と液体現像剤層との界面では２つ
の層が分離する際に、粘度の低いプリウェット液層の一
部が液体現像剤層に転移して分離する。したがって、２
つの層の分離点は、プリウェット液層の内部にあると考
えられる。一方、非画像部では、図１０に示すように、
感光体１０の表面に移動したトナーがプリウェット液層
を押しのけるため、プリウェット液層はトナー層の上に
位置し、その層内で分離する。現像ベルト５１０上の非
画像部には、トナーが移動した後に残るキャリア液の一
部とプリウェット液の一部が層を形成する。

【００４８】図１１は液体現像剤を薄層化したことの意
義を説明するための図である。現像ベルト５１０上に塗
布された液体現像剤層が厚すぎると、液体現像剤５０８
の粘度が高いので、静電気力で現像ベルト５１０から感
光体１０の表面に移動しようとするトナー群が、その周
りに位置するトナーに対して粘性を断ち切れずにクラス
ターを形成して感光体１０の表面に移動するため、トナ
ーが過剰に移動し、現像ベルト５１０上に形成される正
規トナー像に乱れが生じて画像ノイズが発生する。この
クラスターの発生を抑えるために、液体現像剤層厚を現
像が十分にできる最小限の値に抑える必要がある。

【００４９】図１２は現像剤支持体である剛体で形成さ
れた現像ローラと感光体とをハードコンタクトさせたよ
うすを示す図であり、図１３は本実施例のソフトコンタ
クトを説明するための図である。上記で説明したよう
に、本実施例の現像過程では、プリウェット液層の画像
形成への機能は重要である。したがって、現像過程にお
ける重要な要件はプリウェット液層と液体現像剤層の２
層の状態を維持することである。図１２に示すように現
像ローラと感光体とをハードコンタクトさせると２層の
状態を維持することができない。本実施例では、図１３
に示すように、現像剤支持体として可撓性を有するベル
ト部材で構成された現像ベルト５１０を用い、現像ベル
ト５１０のテンションを調節して現像ベルト５１０上の
液体現像剤層と感光体１０上のプリウェット液層とが接
触する際の接触圧力を分散させることにより、プリウェ
ット液層と液体現像剤層とが２層の状態を維持するよう
にしている。

【００５０】次に、液体現像剤層の層厚及びプリウェッ
ト液層の層厚について説明する。液体現像剤層の層厚
は、液体現像剤の粘性が５０〜１００ｍＰａ・ｓ以上の
ものについては、特に５００ｍＰａ・ｓ以上のものにつ
いては、薄くする必要がある。理想的には、現像時に要
求されるトナー現像量（すなわち、ソリッド部の濃度）
を満たす層厚より若干厚目が良い。これは、粘度の高い
液体現像剤を用いた場合、現像時に、静電気的に選択さ
れたトナーが液の粘性により余計なトナーを引き連れて
感光体上に移動してしまうため、現像剤支持体上に形成
された正規トナー像に乱れが生じるからである。本発明
者等の実験では、トナー濃度の高い液体現像剤について
は、５μｍからトナー濃度の低いものは４０μｍ程度の
層厚で良好な画像が得られた。また、トナー濃度２０〜
３０％の液体現像剤を用いた場合、液体現像剤の層厚が
８〜２０μｍ程度で良好な画質が得られた。

【００５１】プリウェット液層の層厚は、選択されたプ
リウェット液の粘度、表面張力により最適値が存在す
る。薄過ぎる場合には、高粘度の液体現像剤が感光体上
に不規則に移動して現像剤支持体上に形成される正規ト
ナー像に乱れが生じる。プリウェット液の量を増やして
いくに従って、正規トナー像の乱れは改善されて、最適
値が確認される。更に量を増やしていくと、静電潜像支
持体上の潜像電荷が流れて反転した静電潜像がぼけ、こ
れにより、現像剤支持体上に形成される正規トナー像が
ぼける傾向を示す。ＤＣ３４４を用いた実験では、３０
μｍ以下、特に２０μｍ以下の厚みで良好な結果を得ら
れた。これより粘性の低いものについては、この結果よ
り薄めでも、厚目でも良い結果を得られる。しかしなが
ら、高粘度のものに関しては、最適値は範囲が狭くなる
傾向にある。

【００５２】上述の条件下で画出し実験をおこなった結
果、本実施例の画像形成方法に最適な液体現像剤及びプ
リウェット液の粘性に関する範囲は、液体現像剤が１０
０ｍＰａ・ｓから６０００ｍＰａ・ｓ、プリウェット液
が０．５ｍＰａ・ｓから５ｍＰａ・ｓの間であることが
分かった。尚、プリウェット液のシリコンオイルには、
ダウコーニング製のＤＣ２００シリーズを用い、また現
像液のキャリア液には、同社製のＤＣ３４５を用いた。

【００５３】本発明の第一実施例によれば、液体現像剤
のキャリア液としてシリコンオイルを用いたことによ
り、従来のものに比べて以下に述べる利点を有する。

【００５４】従来の液体現像剤は、一般にキャリア液と
してIsoparG （登録商標：Exxon 社製）を用いている。
このIsoparは、シリコンオイルほど抵抗値が高くないの
で、トナー濃度を濃くすると、即ち粒子間距離が小さく
なると、トナーの帯電性が悪くなる。したがって、Isop
arの場合は、トナー濃度に限界がある。これに対して、
本実施例で用いたシリコンオイルは、抵抗値が十分に大
きいので、トナー濃度を濃くすることができる。また、
一般にIsoparの場合、トナーの分散状態が良く、したが
って、トナー濃度が１〜２％でも、トナー同士が反発し
あうので、均一にトナーが分散している。これに対し
て、シリコンオイルは、トナー濃度が１〜２％の場合、
分散性が良くなく、じきに沈殿してしまう。しかし、ト
ナー濃度を５〜４０％にすると、密に詰まった状態とな
り、安定して分散する。このため本実施例では、トナー
が高濃度に分散された高粘度の液体現像剤を使用してい
る。これにより、従来の低濃度の液体現像剤に比べて、
現像液の液量を大幅に低減することができ、装置の小型
化を図ることができる。更に、本実施例の液体現像剤は
高粘度の液体であるので、保管や取り扱いの点でも、従
来の低粘度の液体現像剤や粉体現像剤に比べて容易にな
り、また、現像剤支持体上に形成された正規トナー像は
液体現像剤の粘性によりトナー流れを生じ難いので、こ
の正規トナー像を記録媒体に転写することにより、記録
媒体に画像乱れの少ない画像を形成することができる。

【００５５】従来の液体現像剤で用いていたIsoparは、
前述のように、揮発性が高く、しかも悪臭を放つので、
作業環境を悪化させるだけでなく、公害を起こすという
問題があった。これに対して本実施例で用いているシリ
コンオイルは、化粧品用として用いられていることから
も明らかなように、安全な液体であり、また無臭である
ので、本実施例によれば、作業環境を改善することがで
き、また公害の問題も発生しない。

【００５６】また、第一実施例によれば、現像剤支持体
である現像ベルト５１０上に形成されたトナー像を記録
媒体に転写するので、静電潜像支持体である感光体１０
上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する場合に比
べて転写が容易となる。感光体は圧力や熱に弱いため、
転写体の感光体への押圧力を利用して転写することや、
転写体の感光体への押圧力及び定着ヒータによる転写体
の加熱を利用して転写と同時に定着することはできな
い。現像剤支持体は感光体に比べて圧力や熱に強いた
め、転写体の現像剤支持体への押圧力を利用して転写す
ることや、本実施例で説明したように、転写体の現像剤
支持体への押圧力及び定着ヒータによる転写体の加熱を
利用して転写と同時に定着することが可能となる。

【００５７】さらに、第一実施例によれば、可撓性を有
するベルト部材で形成された現像ベルト５１０を用いた
ことにより、現像ベルト５１０のテンションを調節して
現像ベルト５１０上に塗布された液体現像剤層と感光体
１０上に形成されたプリウェット液層とが接触する際の
接触圧力を分散させることができる。これにより、現像
過程において液体現像剤層とプリウェット液層とを２層
状態を維持しつつ接触させることができるので、プリウ
ェット液層が乱れるのを防止することができ、したがっ
て、現像ベルト５１０上に形成された正規トナー像が乱
れるのを防止することができる。また、感光体及び転写
体にドラム等の剛体を用いることができるので、現像ベ
ルト５１０についてのみベルトの蛇行制御を行えばよ
く、したがって、現像剤支持体にドラム等の剛体を用
い、感光体及び転写体に可撓性を有するベルト部材を用
いた場合に比べて、動作の制御が容易となり、また、装
置を小型にすることができる。

【００５８】尚、上記の第一実施例では、転写ローラ６
１０の感光体１０への押圧力及び定着ヒータ６１２によ
る転写ローラ６１０の加熱を利用して現像ベルト５１０
上に形成された正規トナー像を紙に転写すると同時に定
着するものについて説明したが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。たとえば、転写ローラをトナーと反
対の極性を有する電荷で帯電することにより静電気力を
利用して現像ベルト５１０上に形成された正規トナー像
を紙に転写し、その後、定着するものや、転写ローラに
バイアス電圧を印加することにより静電気力を利用して
現像ベルト５１０上に形成された正規トナー像を紙に転
写し、その後、定着するものであってもよい。尚、現像
ベルト５１０と現像ベルト５１０上のトナーとの間に働
く静電気力は、感光体１０と感光体１０上のトナーとの
間に働く静電気力より弱い。したがって、現像ベルト５
１０上に形成されたトナー像を静電気力を利用して記録
媒体に転写するときには、感光体１０上に形成されたト
ナー像を静電気力を利用して記録媒体に転写する場合に
比べて転写電圧を低減することができる。

【００５９】次に、本発明の第二実施例について図１４
乃至図１６を参照して説明する。図１４は本発明の第二
実施例である画像形成装置の概略構成図、図１５は図１
４に示す画像形成装置に用いられる中間転写ドラムの概
略断面図、図１６は図１４に示す画像形成装置の動作を
説明するための図である。尚、図１４に示す画像形成装
置において第一実施例のものと同一の機能を有するもの
には、同一の符号又は対応する符号を付すことにより、
その詳細な説明を省略する。

【００６０】本発明の第二実施例である画像形成装置２
は、図１４に示すように、静電潜像支持体である感光体
１０と、感光体１０上にプリウェット液を塗布するプリ
ウェット装置２０と、感光体１０を帯電させる帯電装置
３０と、感光体１０上に反転像を露光する露光装置４０
と、現像剤支持体である現像ベルト５１０上に塗布され
た液体現像剤を感光体１０上の反転した静電潜像が形成
された部分に供給する現像装置５２と、現像ベルト５１
０上の正規トナー像を所定の紙に転写する転写装置６２
と、感光体１０上に残留したトナーを除去するクリーニ
ング装置７０と、帯電された感光体１０を除電する除電
装置８０と、を備えている。

【００６１】現像装置５２は、現像剤支持体である現像
ベルト５１０と、現像ベルト５１０を回転駆動すると共
に現像ベルト５１０の一部を感光体１０に当接するよう
にして保持する駆動ローラ５１２ａ，５１２ｂ，５１２
ｃと、現像ベルト５１０に液体現像剤５０８を塗布する
供給装置５３と、現像ベルト５１０に付着する液体現像
剤を除去する掻き取りブレード５１６と、を備えてい
る。

【００６２】供給装置５３は、四つの現像カートリッジ
５１ａ，５１ｂ，５１ｃ，５１ｄ（以下、単に現像カー
トリッジともいう）を備えている。現像カートリッジ５
１ａのタンク５０２にはイエローのトナーを含む液体現
像剤５０８ａが、現像カートリッジ５１ｂのタンク５０
２にはマゼンダのトナーを含む液体現像剤５０８ｂが、
現像カートリッジ５１ｃのタンク５０２にはシアンのト
ナーを含む液体現像剤５０８ｃが、そして、現像カート
リッジ５１ｄのタンク５０２にはシアンのトナーを含む
液体現像剤５０８ｄがそれぞれ貯蔵されている（以下、
液体現像剤５０８ａ，５０８ｂ，５０８ｃ，５０８ｄを
単に液体現像剤５０８ともいう）。尚、液体現像剤５０
８に要求される諸条件は第一実施例のものと同様であ
る。供給装置５３は、図示されていない移動装置によ
り、いずれかの現像カートリッジの塗布ローラ５０６を
現像ベルト５１０に当接する。これにより、現像ベルト
５１０上に所望の色のトナーを含む液体現像剤を塗布す
る。

【００６３】転写装置６２は、一次転写手段の中間転写
体である中間転写ドラム６２０と、中間転写ドラム６２
０にバイアス電圧を印加する電源装置６２１と、中間転
写ドラム６２０と離接可能に設けられた二次転写手段の
二次転写体である二次転写ローラ６２２と、二次転写ロ
ーラ６２２と中間転写ドラム６２０とが当接する位置に
おいて中間転写ドラム６２０の内面に当接するように設
けられた定着ローラ６２４と、二次転写後、中間転写ド
ラム６２０に残留するトナーを掻き取る掻き取りブレー
ド６２８と、を備えている。

【００６４】中間転写ドラム６２０は、現像ベルト５１
０と当接するように設けられており、現像ベルト５１０
の回転方向と反対方向に回転する。中間転写ドラム６２
０は、図１５に示すように、導電性部材で形成された基
層と、基層上に形成された抵抗体層と、抵抗体層上に形
成された離型性の良いテフロン、シリコン等の表面層と
を有する。導電性部材の基層を形成したのは中間転写ド
ラム６２０にバイアス電圧を印加するためである。抵抗
体層を形成したのは現像ベルト５１０にバイアス電圧が
印加されるため、中間転写ドラム６２０と現像ベルト５
１０とを絶縁する必要があるからである。尚、抵抗体層
の電気抵抗値は１０⁸Ωｃｍ以上必要である。離型性の
良い表面層を形成したのはトナーの中間転写ドラム６２
０への物理的な付着力を弱め、トナーの紙への移動を容
易にするためである。尚、電気抵抗値が１０⁸Ωｃｍ以
上の表面層を形成することができる場合、抵抗体層は形
成しなくてもよい。

【００６５】二次転写ローラ６２２は、中間転写ドラム
６２０の回転方向と反対方向に回転することにより、所
定の紙を中間転写ドラム６２０と二次転写ローラ６２２
との間に送り込む。この際、二次転写ローラ６２２は紙
を介して中間転写ローラ６２０に押圧される。定着ロー
ラ６２４の内部には、中間転写ドラム６２０を加熱する
定着ヒータ６２４が設けられている。尚、定着ヒータ
は、二次転写ローラに内設し、二次転写ローラを加熱し
てもよい。

【００６６】次に、本実施例の画像形成装置の動作につ
いて説明する。先ず、図１６（Ａ）に示すように、感光
体１０の表面を帯電装置３０により帯電した後、図１６
（Ｂ）に示すように、プリウェット装置２０により感光
体１０上にプリウェット液２２０を塗布する。

【００６７】次に、図１６（Ｃ）に示すように、露光装
置４０により帯電した感光体１０上に反転像を露光して
感光体１０の表面に反転した静電潜像を形成した後、図
３（Ｄ）に示すように、現像ベルト５１０上に形成され
た液体現像剤層を感光体１０上の反転像に近接させて、
静電気力により、帯電したトナーを感光体１０上に移動
させ、感光体１０上に反転トナー像を形成し、現像ベル
ト５１０上に正規トナー像を形成する。尚、図１４に示
すように、供給装置５３は、図示されていない移動装置
によりいずれかの現像カートリッジの塗布ローラ５０６
を現像ベルト５１０に当接して現像ベルト５１０上に所
望の色のトナーを含む液体現像剤を塗布する。これによ
り、現像ベルト５１０上に所望の色の正規トナー像を形
成することができる。

【００６８】次に、転写装置６０により現像ベルト５１
０上に形成された正規トナー像を中間転写ドラム６２０
上に一次転写する。現像ベルト５１０上に形成された正
規トナー像は、図１６（Ｅ）に示すように、電源装置６
２１により中間転写ドラム６２０に印加されたバイアス
電圧によって生じる静電気力により、中間転写ドラム６
２０上に移動し一次転写される。一方、感光体１０は、
クリーニング装置７０により感光体１０上に残留した液
体現像剤が除去され、その後、除電装置８０により除電
される。そして、前述の移動装置により現像ベルト５１
０に当接する現像カートリッジを切り換えた後、再び上
記の帯電から除電までのサイクルを繰り返すことによ
り、中間転写ドラム６２０上にイエロー、マゼンダ、シ
アン及びブラックの正規トナー像を次々と重ねて転写す
る。これにより、中間転写ドラム６２０上にカラー化に
対応したトナー像を形成する。尚、液体現像剤が正常に
転写されず現像ベルト５１０上に残留したときには、そ
の残留した液体現像剤は、掻き取りブレード５１６によ
り除去される。

【００６９】次に、転写装置６０により中間転写ドラム
６２０上に形成されたカラー化に対応したトナー像を記
録媒体である紙に二次転写すると同時に定着させる。中
間転写ドラム６２０上に形成されたカラー化に対応した
トナー像は、図１６（Ｆ）に示すように、二次転写ロー
ラ６２２の中間転写ドラム６２０への押圧力及び定着ヒ
ータ６２６による定着ローラ６２４の加熱により、離型
性のよい表面層を有する中間転写ドラム６２０から離れ
て、中間転写ドラム６２０と二次転写ローラ６２２との
間に送り込まれた紙上に移動し二次転写されると同時に
熱的に溶融し定着する。これにより、紙上にカラー画像
を形成する。尚、第二実施例である画像形成装置のその
他の動作は第一実施例のものと同様であるので、その詳
細な説明を省略する。

【００７０】本発明の第二実施例によれば、中間転写ド
ラム６２０上にイエロー、マゼンダ、シアン及びブラッ
クの正規トナー像を次々と重ねて一次転写することによ
り、カラー化が可能になった。

【００７１】また、第二実施例によれば、現像ベルト５
１０上に形成された所望の色の正規トナー像を中間転写
ドラム６２０上に次々と重ねて一次転写することにより
中間転写ドラム６２０上にカラー化に対応したトナー像
を形成した後、中間転写ドラム６２０上に形成されたカ
ラー化に対応したトナー像を記録媒体である紙に二次転
写することにより、現像ベルト上に形成された所望の色
の正規トナー像を直接記録媒体に順次転写する装置に比
べて、紙上に形成されたカラー画像のレジストレーショ
ンを合わせるのが容易となる。その他の効果は第一実施
例のものと同様である。

【００７２】尚、上記の第二実施例では、転写装置の一
次転写として、電源装置６２１によって中間転写ドラム
６２０に印加されたバイアス電圧により、現像ベルト５
１０上に形成された正規トナー像を中間転写ドラム６２
０に一次転写するものについて説明したが、本発明はこ
れに限定されるものではない。転写装置は、たとえば、
コロナ放電器により転写点において中間転写ドラムをト
ナーと反対の極性を有する電荷で帯電させることによ
り、現像ベルト上に形成された正規トナー像を中間転写
ドラムに一次転写するものでもよい。この場合、中間転
写ドラムと現像ベルトとを絶縁するために、中間転写ド
ラムの抵抗体層は１０¹²Ωｃｍ以上必要である。また、
図１８に示すように、中間転写ドラム７２０の内部を除
電するアースローラ７１２をコロナ放電器７１０の両側
に設ける必要がある。

【００７３】また、第二実施例では、転写装置の二次転
写として、二次転写ローラ６２２を紙を介して中間転写
ドラム６２０に押圧すると共に定着ヒータ６２６によっ
て定着ローラ６２４を加熱することにより、中間転写ド
ラム６２０上に形成されたカラー化に対応したトナー像
を紙に二次転写すると同時に定着するものについて説明
したが、本発明はこれに限定されるものではない。たと
えば、図１７に示す画像形成装置２ａの転写装置６４の
ように、電源装置６４２によって二次転写ローラ６２２
にバイアス電圧を印加することにより、中間転写ドラム
６２０上に形成されたカラー化に対応したトナー像を紙
に二次転写し、その後、トナー像を紙に定着させるもの
であってもよい。

【００７４】さらに、第二実施例では、中間転写体とし
て中間転写ドラム６２０を用いたものについて説明した
が、本発明はこれに限定されるものではなく、中間転写
体は、例えば可撓性を有するベルト部材を用いてもよ
い。

【００７５】また、第二実施例では、供給装置として、
イエローのトナーを含む液体現像剤を現像ベルトに供給
する現像カートリッジ５１ａと、マゼンダのトナーを含
む液体現像剤を現像ベルトに供給する現像カートリッジ
５１ｂと、シアンのトナーを含む液体現像剤を現像ベル
トに供給する現像カートリッジ５１ｄと、ブラックのト
ナーを含む液体現像剤を現像ベルトに供給する現像カー
トリッジ５１ｄとを備えるものについて説明したが、本
発明はこれに限定されるものではない。供給装置は、所
望の色のトナーを含む液体現像剤を現像ベルトに供給す
る現像カートリッジを必要に応じて二個又は三個設けた
ものでもよい。

【００７６】次に、本発明の第三実施例について図１９
及び図２０を参照して説明する。図１９は本発明の第三
実施例である画像形成装置の概略構成図、図２０は図１
９に示す画像形成装置に用いられるトナー像形成装置の
概略構成図である。尚、本実施例の画像形成装置におい
て第一実施例又は第二実施例と同じ機能を有するものに
は、同一の符号又は対応する符号を使用することによ
り、その詳細な説明を省略する。

【００７７】本発明の第三実施例である画像形成装置６
は、図１９に示すように、上下に２個ずつ配置された、
イエロー、マゼンダ、シアン及びブラックの各現像剤に
対応する正規トナー像を形成するトナー像形成装置７
ａ，７ｂ，７ｃ，７ｄ（以下、単にトナー像形成装置７
ともいう）と、転写装置６８と、給紙装置６５０と、定
着装置６６０と、を備えている。給紙装置６５０は所定
の紙を転写装置６８の転写体上に搬送する。定着装置６
６０は転写装置６８により紙に転写されたトナー像を紙
に定着させる。

【００７８】各トナー像形成装置７は、図２０に示すよ
うに、静電潜像支持体である感光体１０と、感光体１０
上にプリウェット液を塗布するプリウェット装置２７
と、感光体１０を帯電する帯電装置３０と、感光体１０
上に反転像を露光する露光装置４０と、現像剤支持体で
ある現像ベルト５８０上に塗布された液体現像剤を感光
体１０上の反転した静電潜像が形成された部分に供給す
る現像装置５７と、感光体１０上の反転トナー像を除去
するクリーニング装置７０と、帯電された感光体１０を
除電する除電装置８０と、を備えている。上記構成のト
ナー像形成装置は、各現像ベルト５８０上に対応する色
の正規トナー像を形成する。

【００７９】本実施例のプリウェット装置２７は、プリ
ウェット液２２０を貯蔵するタンク２７２と、プリウェ
ット液２２０を溜める液溜め２７３と、タンク２７２に
貯蔵されたプリウェット液２２０を液溜め２７３に搬送
するポンプ２７８と、一部が液溜め２７３内のプリウェ
ット液２２０に浸漬するように設けられた供給ローラ２
７２ａと、供給ローラ２７２ａに当接するように設けら
れた搬送ローラ２７４と、搬送ローラ２７４及び感光体
１０に当接するように設けられた塗布ローラ２７６と、
を備えている。

【００８０】供給ローラ２７２ａは、搬送ローラ２７４
の回転方向と反対方向に回転することにより、タンク２
７２内に貯蔵されたプリウェット液２２０を搬送ローラ
２７４に供給する。搬送ローラ２７４は、塗布ローラ２
７６の回転方向と反対方向に回転することにより、塗布
ローラ２７６に供給ローラ２７２ａにより供給されたプ
リウェット液２２０を搬送する。塗布ローラ２７６は、
感光体１０の回転方向と反対方向に回転することによ
り、感光体１０の表面にプリウェット液２２０を塗布す
る。これにより、感光体１０上に薄層のプリウェット液
層を形成する。プリウェット液２２０の感光体１０への
供給にローラを用いたのは、感光体１０を従来より高速
で回転させたときでも、ローラの回転速度を上げること
により所望の量のプリウェット液２２０を感光体１０の
表面に供給することができるからである。これにより、
高速出画に対応することができる。尚、供給ローラ２７
２ａと塗布ローラ２７６との間に設けられる搬送ローラ
２７４は、１個に限定されるものではなく、複数個設け
てもよい。また、感光体１０の表面にプリウェット液２
２０を薄く均一に塗布することができるときは、搬送ロ
ーラ２７４を別段設けなくてもよい。

【００８１】尚、感光体１０の表面にプリウェット液２
２０を薄く均一に塗布するには、供給ローラ２７２ａ、
搬送ローラ２７４、および塗布ローラ２７６に親油性の
よいものを用いることが望ましい。親油性のよいローラ
としては、アルミナ及びチタニアを主成分とするセラミ
ックスに特殊表面処理が施されたセラミックスローラ
（新日本製鐵社製）や、合成樹脂で形成されたＢＥＥＴ
（宮川ローラ社製）等がある。

【００８２】本実施例の現像装置５７は、現像剤支持体
である現像ベルト５８０と、現像ベルト５８０を回転駆
動すると共に現像ベルト５８０の一部を感光体１０に当
接するようにして保持する駆動ローラ５８２ａ，５８２
ｂ，５８２ｃと、液体現像剤５０８を貯蔵するタンク５
７２と、一部がタンク５７２内の液体現像剤５０８に浸
漬するように設置された供給ローラ５７２ａと、供給ロ
ーラ５７２ａに当接するように設けられた搬送ローラ５
７４と、搬送ローラ５７４及び現像ベルト５８０に当接
するように設けられた塗布ローラ５７６と、転写工程終
了後、現像ベルト５８０上に残留するトナーを除去する
掻き取りブレード５７８と、を備えている。

【００８３】トナー像形成装置７ａのタンク５７２には
イエローのトナーを含む液体現像剤５０８ａが、トナー
像形成装置７ｂのタンク５７２にはマゼンダのトナーを
含む液体現像剤５０８ｂが、トナー像形成装置７ｃのタ
ンク５７２にはシアンのトナーを含む液体現像剤５０８
ｃが、そしてトナー像形成装置７ｄのタンク５７２には
ブラックのトナーを含む液体現像剤５０８ｄがそれぞれ
貯蔵されている。

【００８４】供給ローラ５７２ａは搬送ローラ５７４の
回転方向と反対方向に回転することにより、タンク５７
２内に貯蔵された液体現像剤５０８を汲み上げて、搬送
ローラ５７４に供給する。搬送ローラ５７４は塗布ロー
ラ５７６ａの回転方向と反対方向に回転することによ
り、塗布ローラ５７６に供給ローラ５７２ａによって供
給された液体現像剤５０８を搬送する。塗布ローラ５７
６は現像ベルト５８０の回転方向と反対方向に回転する
ことにより、現像ベルト５８０の表面に搬送ローラ５７
４によって搬送された液体現像剤５０８を塗布する。
尚、供給ローラ５７２ａや搬送ローラ５７４、または塗
布ローラ５７６にバイアス電圧を印加することにより、
液体現像剤５０８の現像ベルト５８０への搬送量を調節
するようにしてもよい。供給ローラ５７２ａにバイアス
電圧を印加する場合、タンク５７２は、導電性部材で形
成して、接地することが望ましい。また、塗布ローラ５
７６は１個に限定されるものではなく、２個以上設けた
ものでもよい。

【００８５】現像ベルト５８０は、駆動ローラ５８２
ａ，５８２ｂ，５８２ｃによって感光体１０の回転方向
と反対方向に回転することにより、感光体１０の潜像面
に塗布ローラ５７６によって塗布された液体現像剤５０
８を供給する。現像ベルト５８０に要求される諸条件や
材質は、第一実施例で用いた現像ベルト５１０と基本的
に同様であるので、その詳細な説明を省略する。

【００８６】本実施例の転写装置６８は、図２０に示す
ように、中間転写体である中間転写ベルト６８２と、中
間転写ベルト６８２を回転駆動する駆動ローラ６８４
ａ，６８４ｂと、中間転写ベルト６８２の一部を各トナ
ー像形成装置が備える現像ベルト５８０に当接するよう
に保持する保持ローラ６８８ａ，６８８ｂと、中間転写
ベルト６８２と各トナー像形成装置が備える現像ベルト
５８０との転写点において中間転写ベルト６８２をトナ
ーと反対の極性を有する電荷で帯電するバイアス電圧が
印加された帯電ローラ６８６と、中間転写ベルト６８２
に離接可能に設けられた二次転写体である二次転写ロー
ラ６８３と、を備えている。

【００８７】中間転写ベルト６８２は、駆動ローラ６８
４ａ，６８４ｂによって現像ベルト５８０の回転方向と
反対方向に回転する。中間転写ベルト６８２には、シー
ムレスのニッケルベルトのような金属ベルト、ポリイミ
ドベルト、ＰＥＴフィルムベルトのような樹脂ベルト、
ゴムベルト等の可撓性を有するベルト状部材が用いられ
る。これにより、現像ベルト５８０上に形成された正規
トナー像と中間転写ベルト６８２とが接触する際の接触
圧力を分散させることができる。尚、樹脂ベルトやゴム
ベルトを用いる場合には、ベルト表面に導電加工する
か、ベルトの原材料に導電性微粒子を添加するなどして
所望の電気抵抗値にする必要がある。また、金属ベルト
を用いる場合には、ベルト表面に抵抗層をコーティング
することが望ましい。

【００８８】中間転写ベルト６８２には、離型性の良い
テフロン、シリコン等の表面層が形成されている。これ
は、トナーの中間転写ベルト６８２への物理的な付着力
を弱め、トナーの紙への移動を容易にするためである。

【００８９】二次転写ローラ６８３は、中間転写ベルト
６８２の回転方向と反対方向に回転することにより、給
紙装置６５０により搬送された紙を中間転写ベルト６８
２と二次転写ローラ６８３との間に送り込む。この際、
二次転写ローラ６８３は紙を介して中間転写ベルト６８
２に押圧される。図示されていないが、二次転写ローラ
６８３には電源装置が接続されている。電源装置は二次
転写ローラ６８３に二次転写バイアスを印加する。

【００９０】二次転写ローラ６８３の表面には、フッ素
コーティングが施されている。これは、トナーとの離型
性をよくすることにより、二次転写ローラ６８３に付着
したトナーの除去を容易にして二次転写ローラ６８３が
汚れるのを防止するためである。

【００９１】次に、本実施例の多色画像形成装置６の動
作について説明する。尚、後述する帯電から除電までの
動作は、中間転写ベルト６８２の周速を考慮して各トナ
ー像形成装置の現像ベルト５８０上に形成された正規ト
ナー像をレジストレーションの合う位置で中間転写ベル
ト６８２上に順次一次転写させるタイミングに合わせて
行われる。各トナー像形成装置の動作タイミングは、転
写ベルト６８２の移動をセンサで検知することにより決
定してもよい。

【００９２】先ず、感光体１０の表面を帯電装置３０に
より帯電する。次に、露光装置４０により帯電した感光
体１０上に画像部を露光して反転した静電潜像を形成す
る。次に、プリウェット装置２７により感光体１０上に
プリウェット液２２０を塗布する。液溜め２７３に貯蔵
されたプリウェット液２２０は、供給ローラ２７２ａに
より汲み上げられて搬送ローラ２７４に供給された後、
塗布ローラ２７６に搬送され、その後、感光体１０上に
塗布される。このように、ローラを介してプリウェット
液２２０を塗布することにより、感光体１０上に薄層の
プリウェット液層を形成する。

【００９３】次に、現像ベルト５８０上に正規トナー像
を形成する。タンク５７２に貯蔵された液体現像剤５０
８は、供給ローラ５７２ａにより汲み上げられて搬送ロ
ーラ５７４に供給された後、塗布ローラ５７６に搬送さ
れ、その後、現像ベルト５８０に塗布される。このよう
に、ローラを介して液体現像剤５０８を塗布することに
より、現像ベルト５８０上に薄層の液体現像剤層を形成
する。次に、現像ベルト５８０上の液体現像剤層を、感
光体１０上のプリウェット液層とソフトコンタクトさせ
ることにより、感光体１０の表面に形成された反転した
静電潜像に近接させて、静電気力により、帯電したトナ
ーを感光体１０上に移動させる。これにより、感光体１
０上に反転トナー像を形成し、現像ベルト５８０上に正
規トナー像を形成する。

【００９４】次に、転写装置６８により紙上にカラー画
像を形成する。先ず、各トナー像形成装置７ａ，７ｂ，
７ｃ，７ｄの各現像ベルト５８０上に形成された各色に
対応した正規トナー像をレジストレーションの合うタイ
ミングで中間転写ベルト６８２に順次一次転写すること
により、中間転写ベルト６８２上にカラー化に対応した
正規トナー像を形成する。一方、感光体１０は、クリー
ニング装置７０により感光体１０上に形成された反転ト
ナー像が除去され、その後、除電装置８０により除電さ
れる。次に、二次転写ローラ６８３の中間転写ベルト６
８２への押圧力及び二次転写ローラ６８３に印加された
二次転写バイアスによって生じる静電気力により、中間
転写ベルト６８２上に形成されたカラー化に対応した正
規トナー像を紙に二次転写する。これにより、紙上にカ
ラー画像を形成する。

【００９５】次に、定着装置６６０の定着ローラ６６２
内に設けられた定着ヒータ６６４により、トナーを熱的
に溶融させ、紙上にカラー画像を定着させる。

【００９６】本発明の第三実施例によれば、各トナー像
形成装置の現像ベルト５８０上に形成された正規トナー
像を中間転写ベルト６８２上に順次一次転写することに
より、カラー化が可能になった。

【００９７】また、第三実施例によれば、各トナー像形
成装置の現像ベルト５８０上に形成された正規トナー像
を中間転写ベルト６８２上に順次一次転写することによ
り中間転写ベルト６８２上にカラー化に対応した正規ト
ナー像を形成した後、中間転写ベルト６８２上に形成さ
れたカラー化に対応した正規トナー像を記録媒体に二次
転写するので、各現像剤支持体上に形成された正規トナ
ー像を直接紙に順次転写する場合に比べて、紙のずれ等
を考慮する必要がなく、したがって、紙に転写されるカ
ラー画像のレジストレーションを合わせるのが容易にな
る。

【００９８】さらに、第三実施例によれば、イエローの
トナー像を形成するトナー像形成装置７ａ、マゼンダの
トナー像を形成するトナー像形成装置７ｂ、シアンのト
ナー像を形成するトナー像形成装置７ｃ及びブラックの
トナー像を形成するトナー像形成装置７ｄを設けたこと
により、イエロー、マゼンダ、シアン及びブラックの各
正規トナー像はそれぞれ対応するトナー像形成装置の現
像ベルト５８０上に形成されるので、各現像ベルト５８
０上に形成された正規トナー像を記録媒体に順次転写す
ることにより、一つの現像剤支持体を用いて多色画像を
形成する装置に比べて出画の高速化を図ることができ
る。その他の効果は第一実施例のものと同様である。

【００９９】尚、上記の第三実施例では、転写装置とし
てバイアス電圧が印加された帯電ローラ６８６によって
中間転写ベルト６８２をトナーと反対の極性を有する電
荷で帯電することにより、現像ベルト５８０上に形成さ
れた正規トナー像を中間転写ベルト６８２に一次転写す
るものについて説明したが、本発明はこれに限定される
ものではない。たとえば、帯電ローラの代わりにコロナ
放電器を設け、このコロナ放電器により中間転写ベルト
６８２をトナーと反対の極性を有する電荷で帯電するよ
うにしてもよい。この場合、中間転写ベルト６８２を除
電するために保持ローラ６８８ａ，６８８ｂをアースに
接続する必要がある。

【０１００】また、上記の第三実施例では、中間転写体
として、可撓性を有するベルト状部材で形成された中間
転写ベルト６８２を用いたものについて説明したが、本
発明はこれに限定されるものではなく、中間転写体は円
柱状のものであってもよい。また、本実施例のように現
像剤支持体に可撓性を有するベルト状部材で形成された
ものを用いる場合には、中間転写体に金属等の導電性部
材で形成されたドラムを用いてもよい。

【０１０１】さらに、上記の第三実施例では、転写装置
として、二次転写ローラ６８３の中間転写ベルト６８２
への押圧力及び二次転写ローラ６８３に印加されたバイ
アス電圧によって生じる静電気力により、中間転写ベル
ト６８２上に形成されたカラー化に対応した正規トナー
像を紙に二次転写するものについて説明したが、本発明
はこれに限定されるものではない。転写装置は、中間転
写ベルト６８２上に形成されたカラー化に対応した正規
トナー像を紙に二次転写することができるものであれば
よい。たとえば、二次転写ローラ６８３及び／又は駆動
ローラ６８４ｂの内部に定着ヒータを設け、中間転写ベ
ルト６８２上のトナーを加熱した場合、中間転写ベルト
６８２上に形成されたカラー化に対応した正規トナー像
を紙に二次転写すると同時に定着することができる。

【０１０２】また、上記の第三実施例では、現像ベルト
５８０にイエローの正規トナー像を形成するトナー像形
成装置７ａと、現像ベルト５８０にマゼンダの正規トナ
ー像を形成するトナー像形成装置７ｂと、現像ベルト５
８０にシアンの正規トナー像を形成するトナー像形成装
置７ｃと、現像ベルト５８０にブラックの正規トナー像
を形成するトナー像形成装置７ｄとを設けたものについ
て説明したが、本発明はこれに限定されるものではな
い。本発明の多色画像形成装置は、現像ベルト５８０に
所望の色の正規トナー像を形成するトナー像形成装置を
必要に応じて２個又は３個設けたものでもよい。

【０１０３】本発明は、上記の各実施例に限定されるも
のではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能であ
る。たとえば、本発明の画像形成装置に用いるプリウェ
ット装置は上記の各実施例で用いたものに限定されるも
のではなく、プリウェット装置は一定の量のプリウェッ
ト液を感光体の表面に均一に塗布することができるもの
であればよい。たとえば、軸方向に並んだ複数のノズル
からプリウェット液を吐出させることにより塗布するも
の、スポンジローラ等によりプリウェット液を塗布する
もの等でもよい。また、プリウェット装置によるプリウ
ェット液の塗布は、現像工程に先立って行われるもので
あればよい。さらに、プリウェット液の粘度が０．５〜
５ｍＰａ・ｓ、電気抵抗が１０¹²Ωｃｍ以上、沸点が１
００〜２５０℃、表面張力が２１ｄｙｎ／ｃｍ以下であ
れば、シリコンを主成分とするものでなくてもよい。加
えて、画像支持体の表面に離型性を有する材料をコーテ
ィングした場合、特にプリウェット装置を必要とするも
のではない。

【０１０４】また、上記の各実施例では、現像装置にお
ける液体現像剤の現像剤支持体への供給として、ローラ
を介して現像剤支持体に液体現像剤を塗布するものにつ
いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではな
い。液体現像剤の現像剤支持体への供給は、現像剤支持
体上に薄層の液体現像剤層を形成することができるもの
であればよい。たとえば、ベローズポンプにより現像剤
支持体上に液体現像剤を直接塗布し、その後規制ブレー
ドや規制ローラにより層厚を規制して現像剤支持体上に
液体現像剤層を形成するようにしてもよい。

【０１０５】また、上記の各実施例では、現像剤支持体
として可撓性を有するベルト状部材で形成された現像ベ
ルトを用いたものについて説明したが、本発明はこれに
限定されるものではなく、現像剤支持体は導電性を有す
る金属等の剛体や弾性体で形成された現像ローラであっ
てもよい。但し、剛体で形成された現像ローラを用いる
場合、現像ローラ上に形成された液体現像剤層と感光体
上に形成されたプリウェット液層とを２層状態を維持し
つつ接触させるため、感光体に可撓性を有するベルト状
部材で形成されたものを用いるか、または、現像ローラ
を現像ローラと感光体ドラムとの間に微小なギャップ即
ち間隔を形成するようにして設置する必要がある。

【０１０６】さらに、上記の各実施例では、静電潜像支
持体として有機感光体を用いた場合について説明した
が、本発明はこれに限定されるものではなく、画像支持
体は、カールソン法で用いる各種感光体あるいはイオノ
グラフィ等の静電潜像を直接形成する導体上に絶縁体層
を形成したもの、静電プロッタで用いるような静電記録
紙でもよい。

【０１０７】さらに、上記の各実施例では、感光体をト
ナーと反対の極性を有する電荷で帯電し、その後、感光
体に光を当てて感光体の光が当たらなかった部分（導電
化していない部分）に反転した静電潜像を形成する、い
わゆる正規現像を用いたものについて説明したが、本発
明はこれに限定されるものではない。感光体をトナーと
同じ極性を有する電荷で帯電し、その後、感光体に光を
当てて感光体の光が当たった部分（導電化した部分）に
反転した潜像を形成する、いわゆる反転現像を用いるも
のであってもよい。

【０１０８】また、本発明は上記の各実施例に限定され
るものではなく、プリウェット液層が形成され、且つ、
液体現像剤の層厚が５〜４０μｍであれば、高粘性現像
剤の粘度は１００００ｍＰａ・ｓであっても良い。現状
では、６０００ｍＰａ・ｓ以上の高粘度の現像剤は、キ
ャリア液とトナーとの攪拌が難しくなるので、コスト的
にあわなくなると考えるが、安価に入手できるようにな
れば、６０００ｍＰａ・ｓ以上でもよい。粘度が１００
００ｍＰａ・ｓを越えるものは、現実的でなくなる。
尚、液体現像剤中のキャリア液はシリコンオイルでなく
てもよい。

【０１０９】

【発明の効果】以上説明したように本発明の画像形成方
法によれば、トナーが高濃度に分散された高粘度の液体
現像剤を用いることにより、高解像度で小型化が容易で
あると共に低公害化が可能であり、また、現像剤支持体
上に形成された正規トナー像は液体現像剤の粘性により
乱れが生じ難いので、この正規トナー像を記録媒体に転
写することにより、記録媒体に画像流れの少ない画像を
形成することができる画像形成方法を提供することがで
きる。

【０１１０】本発明の画像形成方法に、現像工程に先立
って静電潜像支持体上に離型性を有し化学的に不活性な
誘電性液であるプリウェット液を塗布するプリウェット
工程を設けた場合には、現像剤支持体上のトナーが静電
潜像支持体上の静電潜像が形成されていない部分に移動
するのを防止することができ、したがって、記録媒体に
画像抜けの少ない画像形成方法を提供することができ
る。

【０１１１】現像剤支持体として可撓性を有する部材、
特にベルト部材で形成されたものを用いた場合には、現
像剤支持体上に塗布された液体現像剤層と静電潜像支持
体とが接触する際の接触圧力を分散させることができる
ので、現像剤支持体上に形成された正規トナー像が乱れ
るのを防止することができ、したがって、記録媒体上に
乱れの少ない画像を形成することができる画像形成方法
を提供することができる。

【０１１２】また、本発明の画像形成装置によれば、前
記の構成により、本発明の画像形成方法と同様の効果を
有する画像形成装置を提供することができる。

【０１１３】また、本発明の他の画像形成装置によれ
ば、前記の構成により、イエロー、マゼンダ、シアン、
ブラック等、所望の色のトナー像をそれぞれ対応する現
像剤支持体上に形成するので、本発明の画像形成方法の
効果に加えて、一つの現像剤支持体を用いて多色画像を
形成する装置に比べて出画の高速化を図ることができる
画像形成装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一実施例である画像形成装置の概略
構成図である。

【図２】図１に示す画像形成装置に用いられるプリウェ
ット装置の概略斜視図である。

【図３】図１に示す画像形成装置の動作を説明するため
の図である。

【図４】図２に示すプリウェット装置の動作を説明する
ための図である。

【図５】プリウェット液供給体を感光体に当接させたと
きのプリウェット液の流れを表した図である。

【図６】現像過程の全体を説明するための図である。

【図７】接近過程のようすを示す図である。

【図８】トナー移動過程のようすを示す図である。

【図９】画像部の分離過程を示す図である。

【図１０】非画像部の分離過程を示す図である。

【図１１】液体現像剤を薄層化したことの意義を説明す
るための図である。

【図１２】現像ローラと感光体とをハードコンタクトさ
せたようすを示す図である。

【図１３】第一実施例である画像形成装置のソフトコン
タクトを説明するための図である。

【図１４】本発明の第二実施例である画像形成装置の概
略構成図である。

【図１５】図１４に示す画像形成装置に用いられる中間
転写ドラムの概略断面図である。

【図１６】図１４に示す画像形成装置の動作を説明する
ための図である。

【図１７】本発明の第二実施例である画像形成装置の変
形例を示す図である。

【図１８】本発明の第二実施例である画像形成装置に用
いられる転写装置の変形例を示す図である。

【図１９】本発明の第三実施例である画像形成装置の概
略構成図である。

【図２０】図１９に示す画像形成装置に用いられるトナ
ー像形成装置の概略構成図である。

【符号の説明】

１，２，２ａ，６画像形成装置７ａ，７ｂ，７ｃ，７ｄトナー像形成装置１０感光体２０，２７プリウェット装置３０帯電装置４０露光装置５０，５２，５７現像装置５１，５１ａ，５１ｂ，５１ｃ，５１ｄ現像カート
リッジ５３供給装置６０，６２，６４，６８転写装置７０クリーニング装置８０除電装置２０２プリウェット液供給体２０４ケース２０６，２７２，５０２，５７２タンク２０８，２７８ポンプ２１０ａ，２１０ｂチューブ２１２変位装置２２０プリウェット液２７２ａ，５０４，５７２ａ供給ローラ２７３液溜め２７４，５１４ａ，５１４ｂ，５１４ｃ，５７４搬
送ローラ２７６，５０６，５７６塗布ローラ５０８，５０８ａ，５０８ｂ，５０８ｃ液体現像剤５１０，５８０現像ベルト５１２ａ，５１２ｂ，５１２ｃ，５８２ａ，５８２ｂ，
５８２ｃ，６８４ａ，６８４ｂ駆動ローラ５１６，５７８，６２８掻き取りブレード６１０転写ローラ６１２，６２６，６６４定着ヒータ６２０，７２０中間転写ドラム６２１，６４２電源装置６２２，６８３二次転写ローラ６２４，６６２定着ローラ６５０給紙装置６６０定着装置６８２中間転写ベルト７１０コロナ放電器７１２アースローラ６８８ａ，６８８ｂ保持ローラ６８６帯電ローラ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】静電潜像支持体上に反転した静電潜像を
形成する静電潜像形成工程と、現像剤支持体上に塗布された絶縁性液体中に帯電した顕
像化粒子であるトナーが高濃度に分散された１００〜１
００００ｍＰａ・ｓの高粘度の液体現像剤を、前記静電
潜像支持体の潜像面に供給することにより、前記静電潜
像支持体上に反転トナー像を形成し、前現像剤支持体上
に正規トナー像を形成する現像工程と、前記現像剤支持体上に形成された正規トナー像を記録媒
体上に転写する転写工程と、を備えることを特徴とする画像形成方法。
【請求項２】前記現像工程に先立って、前記静電潜像
支持体上に離型性を有し化学的に不活性な誘電性液であ
るプリウェット液を塗布するプリウェット工程を備える
ことを特徴とする請求項１記載の画像形成方法。
【請求項３】前記転写工程は、前記現像剤支持体上に
形成された正規トナー像を中間転写体上に転写する一次
転写工程と、前記中間転写体上に転写された正規トナー
像を記録媒体上に転写する二次転写工程とを備えること
を特徴とする請求項１又は２記載の画像形成方法。
【請求項４】前記現像剤支持体は、可撓性を有する部
材で形成されたものであることを特徴とする請求項１，
２又は３記載の画像形成方法。
【請求項５】前記可撓性を有する部材は、ベルト部材
であることを特徴とする請求項４記載の画像形成方法。
【請求項６】前記液体現像剤は、絶縁性液体の粘度が
０．５〜１０００ｍＰａ・ｓ、電気抵抗が１０¹²Ωｃｍ
以上、表面張力が２１ｄｙｎ／ｃｍ以下、沸点が１００
℃以上であることを特徴とする請求項１，２，３，４又
は５記載の画像形成方法。
【請求項７】前記液体現像剤は、平均粒径０．１〜５
μｍのトナーを５〜４０％の濃度で含むものであること
を特徴とする請求項１，２，３，４，５又は６記載の画
像形成方法。
【請求項８】静電潜像支持体と、前記静電潜像支持体上に反転した静電潜像を形成する静
電潜像形成手段と、現像剤支持体上に塗布された絶縁性液体中に帯電した顕
像化粒子であるトナーが高濃度に分散された１００〜１
００００ｍＰａ・ｓの高粘度の液体現像剤を、前記静電
潜像支持体の潜像面に供給することにより、前記静電潜
像支持体上に反転トナー像を形成し、前現像剤支持体上
に正規トナー像を形成する現像手段と、前記現像剤支持体上に形成された正規トナー像を記録媒
体上に転写する転写手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項９】前記転写手段は、前記現像剤支持体上に
形成された正規トナー像を中間転写体上に転写する一次
転写手段と、前記中間転写体上に転写された正規トナー
像を記録媒体上に転写する二次転写手段とを備えること
を特徴とする請求項８記載の画像形成装置。
【請求項１０】現像剤支持体上に各色に対応したトナ
ー像を形成する複数のトナー像形成手段を有する画像形
成装置であって、前記トナー像形成手段は、静電潜像支
持体と、前記静電潜像支持体上に反転した静電潜像を形
成する静電潜像形成手段と、現像剤支持体上に塗布され
た絶縁性液体中に帯電した顕像化粒子であるトナーが高
濃度に分散された１００〜１００００ｍＰａ・ｓの高粘
度の液体現像剤を、前記静電潜像支持体の潜像面に供給
することにより、前記静電潜像支持体上に反転トナー像
を形成し、前現像剤支持体上に正規トナー像を形成する
現像手段と、を有するものであり、前記複数のトナー像形成手段が備える各現像剤支持体上
に形成された正規トナー像を、記録媒体に転写する転写
手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項１１】前記転写手段は、前記各現像剤支持体
上に形成された正規トナー像を中間転写体上に順次一次
転写することにより、前記中間転写体上にカラー化に対
応したトナー像を形成する一次転写手段と、前記カラー
化に対応したトナー像を記録媒体に二次転写する二次転
写手段と、を有するものであることを特徴とする請求項
１０記載の画像形成装置。
【請求項１２】前記静電潜像支持体上に離型性を有し
化学的に不活性な誘電性液であるプリウェット液を塗布
するプリウェット手段を備えることを特徴とする請求項
８，９，１０又は１１記載の画像形成装置。
【請求項１３】前記現像剤支持体は、可撓性を有する
部材で形成されたものであることを特徴とする請求項
８，９，１０，１１又は１２記載の画像形成装置。
【請求項１４】前記可撓性を有する部材は、ベルト部
材であることを特徴とする請求項１３記載の画像形成装
置。