JPH07325382A - 位相シフトマスクの製造方法 - Google Patents

位相シフトマスクの製造方法

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JPH07325382A
JPH07325382A JP11724894A JP11724894A JPH07325382A JP H07325382 A JPH07325382 A JP H07325382A JP 11724894 A JP11724894 A JP 11724894A JP 11724894 A JP11724894 A JP 11724894A JP H07325382 A JPH07325382 A JP H07325382A
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JP
Japan
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resist film
pattern
light
shielding pattern
film
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP11724894A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideyuki Jinbo
秀之 神保
Taro Saito
太郎 齋藤
Katsuhiro Takushima
克宏 宅島
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Publication date
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Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Electron Beam Exposure (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 遮光パターンとシフタパターンとの位置合わ
せ精度を損ねることなく、シフタベルト部の幅のバラツ
キを少なくできる位相シフトマスクの製造方法の提供。 【構成】 石英基板10上の遮光パターン形成膜12上に、
ポジ型の下側レジスト膜14およびこの下側レジスト膜よ
りも低感度のポジ型の上側レジスト膜16を順次に積層す
る。次に、遮光パターン非形成予定領域18であってかつ
位相シフタ形成予定領域20を、下側レジスト膜14がゾル
化するために充分な露光量であってかつ上側レジスト膜
16がゾル化しない露光量であるドーズ量3μC/cm2
電子線描画する。そして、位相シフタ非形成予定領域22
を、上側レジスト膜がゾル化するために充分な露光量で
あるドーズ量20μC/cm2 で電子線描画する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、LSI製造において
リソグラフィに用いられる位相シフトマスクの製造方法
に関するものであり、特に、いわゆるRim型の位相シ
フトマスクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】Rim型の位相シフトマスクは、位相シ
フタ上にCr(クロム)などの遮光パターンが設けてあ
り、かつ、このCrパターンは、その縁が、位相シフタ
のエッジ部の少なくとも一部分に沿いかつこのエッジ部
から一定の距離だけ離れるようにして設けられている。
このRim型の位相シフトマスクを平面で見ると、遮光
パターンの縁の少なくとも一部分に沿って帯状に位相シ
フトがはみ出して見える。以下、この遮光パターンから
はみ出して見える位相シフト部分をシフトベルト部と称
する。
【0003】このようなRim型の位相シフトマスクの
製造方法の一例が、文献:「IEDM’91 pp.
3.1.1−3.1.4」に記載されている。尚、Ri
m型は、エッジ強調型とも称し、文献中では「edge cont
rast enhancement phase-shiftmask」と表記している。
この文献に記載の製造方法では、文献中のFigure
6に示すように、(a)先ず、透明基板の主表面上に、
遮光パターンよりも一回り大きなCr(クロム)パター
ンを形成する。(b)次に、Crパターンを形成した透
明基板上にレジスト層を形成する。(c)次に、透明基
板の裏面側からUVを照射して、Crパターンをマスク
として、レジストパターンを形成する。従って、このレ
ジストパターンの輪郭はCrパターンの輪郭と一致す
る。(d)次に、Crパターンをサイドエッチングして
一回り小さな遮光パターンを画成する。(e)次に、レ
ジストパターンをマスクとして、位相シフタのパターン
(以下、シフタパターンとも称する)を画成する。
(f)次に、レジストパターンを除去して位相シフトマ
スクを得る。従って、この製造方法はによれば、遮光パ
ターンとシフタパターンとを自己整合的に形成すること
ができる。その結果、両パターンの充分な位置合わせ精
度を得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た位相シフトマスクの製造方法では、Crパターンのサ
イドエッチングの工程において、サイドエッチング量の
制御が困難であった。このため、同一マスク面内におい
ても、サイドエッチング量にバラツキが生じる。従っ
て、シフタベルト部の幅にバラツキが生じることにな
る。その結果、この位相シフトマスクを用いたウエハ転
写時に、同一ショット内で転写パターンにバラツキが生
じてしまうという問題点があった。
【0005】このため、遮光パターンとシフタパターン
との位置合わせ精度を損ねることなく、シフタベルト部
の幅のバラツキが少ない位相シフトマスクが得られる製
造方法の実現が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】この出願に係る第1の発
明の位相シフトマスクの製造方法によれば、位相シフタ
上に遮光パターンを具え、かつ、この遮光パターンの縁
が、位相シフタのエッジ部の少なくとも一部分に沿いか
つこのエッジ部から一定の距離だけ離れて設けてある位
相シフトマスクを製造するに当り、(a)位相シフタ形
成材上に、遮光パターン形成膜を形成する工程と、
(b)この遮光パターン形成膜上に、ポジ型の下側レジ
スト膜およびこの下側レジスト膜よりも低感度のポジ型
の上側レジスト膜を順次に積層する工程と、(c)遮光
パターン非形成予定領域であってかつ位相シフタ形成予
定領域の下側レジスト膜部分および上側レジスト膜部分
を、下側レジスト膜がゾル化するために充分な露光量で
あってかつ上側レジスト膜がゾル化しない露光量で露光
し、かつ、位相シフタ非形成予定領域の下側レジスト膜
部分および上側レジスト膜部分を、上側レジスト膜がゾ
ル化するために充分な露光量で露光する工程と、(d)
露光した上側レジスト膜を現像して、位相シフタ形成予
定領域に、上側レジストパターンを形成する工程と、
(e)露光した下側レジスト膜を現像して、遮光パター
ン形成予定領域に、下側レジストパターンを形成する工
程と、(f)下側レジストパターンをエッチングマスク
として用いて、遮光パターン形成膜に対して等方性エッ
チングを行うことにより、遮光パターンを画成する工程
と、(g)上側レジストパターンをエッチングマスクと
して用いて、位相シフタ形成材に対して異方性エッチン
グを行うことにより、位相シフタを画成する工程と、
(h)上側および下側レジストパターンを除去する工程
とを含むことを特徴とする。
【0007】また、好ましくは、第1の発明の(b)工
程において、下側レジスト膜と上側レジスト膜との間
に、ミキシング防止層を積層する工程と、(d)工程の
後、(e)工程の前に、上側レジストパターンの開口部
に露出したミキシング防止層部分を除去する工程とを含
むことが望ましい。
【0008】また、好ましくは、第1の発明の(d)お
よび(e)工程の現像を、同一種類の現像液を用いて現
像を行うことにより、1度の現像で上側および下側レジ
ストパターンを画成することが望ましい。
【0009】また、好ましくは、第1の発明の(b)工
程において、上側レジスト膜および下側レジスト膜の材
料に、露光により酸を発生させる酸発生剤と酸によって
ゲル化する樹脂とを含む、同一種類の化学増幅レジスト
を用い、上側レジストに含まれる酸発生剤の濃度を、下
側レジストに含まれる酸発生剤の濃度よりも低濃度とす
ることが望ましい。
【0010】また、この出願に係る第2の発明の位相シ
フタ上に遮光パターンを具え、かつ、この遮光パターン
の縁が、位相シフタのエッジ部の少なくとも一部分に沿
いかつこのエッジ部から一定の距離だけ離れて設けてあ
る位相シフトマスクを製造するに当り、(a)位相シフ
タ形成材上に、遮光パターン形成膜を形成する工程と、
(b)この遮光パターン形成膜上に、ネガ型の下側レジ
スト膜およびこの下側レジスト膜よりも高感度のネガ型
の上側レジスト膜を順次に積層する工程と、(c)遮光
パターン非形成予定領域であってかつ位相シフタ形成予
定領域の下側レジスト膜部分および上側レジスト膜部分
を、上側レジスト膜がゲル化するために充分な露光量で
あってかつ下側レジストがゲル化しない露光量で露光
し、かつ、遮光パターン形成予定領域の下側レジスト膜
部分および上側レジスト膜部分を、下側レジストがゲル
化するために充分な露光量で露光する工程と、(d)露
光した上側レジスト膜を現像して、位相シフタ形成予定
領域に、上側レジストパターンを形成する工程と、
(e)露光した下側レジスト膜を現像して、遮光パター
ン形成予定領域に、下側レジストパターンを形成する工
程と、(f)下側レジストパターンをエッチングマスク
として用いて、遮光パターン形成膜に対して等方性エッ
チングを行うことにより、遮光パターンを画成する工程
と、(g)上側レジストパターンをエッチングマスクと
して用いて、位相シフタ形成材に対して異方性エッチン
グを行うことにより、位相シフタを画成する工程と、
(h)上側および下側レジストパターンを除去する工程
とを含むことを特徴とする位相シフトマスクの製造方
法。
【0011】また、好ましくは、第2の発明の(b)工
程において、下側レジスト膜と上側レジスト膜との間
に、ミキシング防止層を積層する工程と、(d)工程の
後、(e)工程の前に、上側レジストパターンの開口部
に露出したミキシング防止層部分を除去する工程とを含
むことが望ましい。
【0012】また、好ましくは、第2の発明の(d)お
よび(e)工程の現像を、同一種類の現像液を用いて現
像を行うことにより、1度の現像で上側および下側レジ
ストパターンを形成することが望ましい。
【0013】また、好ましくは、第2の発明の(b)工
程において、上側レジスト膜および下側レジスト膜の材
料に、露光により酸を発生させる酸発生剤と酸によって
ゲル化する樹脂とを含む、同一種類の化学増幅レジスト
を用い、上側レジストに含まれる酸発生剤の濃度を、下
側レジストに含まれる酸発生剤の濃度よりも高濃度とす
ることが望ましい。
【0014】また、好ましくは、第2の発明の(b)工
程において、上側レジスト膜および下側レジスト膜に同
一材料を用い、下側レジスト膜を形成するに当り、下側
レジスト膜を形成するためのベークを、上側レジストを
形成するためのベーク温度よりも高温で行うことが望ま
しい。
【0015】
【作用】この出願にかかる第1および第2の発明の位相
シフトマスクの製造方法によれば、位相シフタのエッチ
ングマスクとなる上側レジストパターンと、遮光パター
ンのエッチングマスクとなる下側レジストパターンとを
それぞれ形成する。従って、これらの発明では、従来例
のような制御困難なサイドエッチングを行うことなく遮
光パターンを画成することができる。従って、従来例よ
りも寸法精度良く遮光パターンを画成することができ
る。
【0016】そして、これらの発明では、上側レジスト
パターンを形成するレジストの感度と、下側レジストパ
ターンを形成するレジストの感度とが互いに異なってい
る。このように、上側および下側レジスト膜の感度が互
いに異なるので、露光量を調節することによって、両方
のレジスト膜を感光させる領域と一方のレジスト膜のみ
を感光させる領域とを任意に選択して露光することがで
きる。
【0017】例えば、第1の発明では、ポジ型の上側レ
ジスト膜に相対的に低感度のレジストを使用し、ポジ型
の下側のレジスト膜に相対的に高感度のレジストを使用
している。そして、位相シフタ非形成予定領域では、レ
ジスト膜を低感度の上側レジスト膜がゾル化するために
充分な露光量で露光する。即ち、上下両方のレジスト膜
を感光させる。一方、遮光パターン非形成予定領域であ
ってかつ位相シフタ形成予定領域は、高感度の下側レジ
スト膜がゾル化するために充分な露光量であってかつ低
感度の上側レジスト膜がゾル化しない露光量で露光す
る。即ち、下側レジスト膜のみを感光させる。
【0018】また、第2の発明では、ネガ型の上側レジ
スト膜に相対的に高感度のレジストを使用し、ネガ型の
下側レジストに相対的に低感度のレジストを使用してい
る。そして、遮光パターン非形成予定領域であってかつ
位相シフタ形成予定領域では、高感度の上側レジスト膜
がゲル化するために充分な露光量であってかつ低感度の
下側レジスト膜がゲル化しない露光量で露光する。即
ち、上側レジスト膜のみを感光させる。一方、遮光パタ
ーン形成予定領域では、レジスト膜を下側レジスト膜が
ゲル化するために充分な露光量で露光する。即ち、上下
両方のレジスト膜を感光させる。
【0019】従って、これら発明によれば、上側および
下側レジストパターンをそれぞれ形成するための露光を
行うに当り、露光装置(描画装置を含む)からマスク基
板を外すことなく、いわば1回の露光でパターン形成を
行うことができる。このため、上側および下側レジスト
パターンの高い位置合わせ精度を得ることができる。そ
の結果、これらのレジストパターンにより画成される位
相シフタおよび遮光パターンの位置合わせ精度を高くす
ることができる。
【0020】さらに、好ましくは、上側レジスト膜と下
側レジスト膜との間にミキシング防止層を形成すれば、
上側レジスト膜と下側レジスト膜とのミキシングによる
下層レジスト膜の現像ムラを抑制することができる。こ
のため、下層レジストパターンの寸法のバラツキを抑制
することができる。
【0021】さらに、好ましくは、露光した上側および
下側レジスト膜の現像を、同一の現像液で1度に行え
ば、マスクの製造工程を簡略化して製造時間の短縮を図
ることができる。また、ミキシング防止層を設けた場合
も、現像液でミキシング防止層の露出部分を除去するこ
とにより、現像を1度で済ますことができる。
【0022】ところで、現像を1度に行う場合は、上側
または下側レジスト膜いずれか一方のみに最適化された
現像液を用いなければならない。このため、各レジスト
にそれぞれ最適化された現像液で上側および下側レジス
ト膜をそれぞれ現像する場合よりも、レジストパターン
のパターニング特性が劣化するおそれがある。
【0023】そこで、露光により酸を発生させる酸発生
剤と酸によってゲル化する樹脂とを含む、同一種類の化
学増幅レジストを用い、上側レジストに含まれる酸発生
剤の濃度と、下側レジストに含まれる酸発生剤の濃度と
に差をつければ、互いに異なる感度の上側および下側レ
ジスト膜を得ることができる。例えば、ポジ型のレジス
トを用いる第1の発明においては、下側レジスト膜の酸
発生剤の濃度を上側レジスト膜の酸発生剤の濃度よりも
高くすると良い。また、ネガ型のレジストを用いる第2
の発明においては、上側レジスト膜酸発生剤の濃度を下
側レジスト膜の酸発生剤の濃度よりも低くすると良い。
このように、酸発生剤の濃度によりレジストの感度を制
御できるので、最良のパターニング特性を維持し、か
つ、1度の現像で上側および下側レジストパターンを形
成することができる。また、酸発生剤の濃度によりレジ
ストの感度が制御できるので、レジストの幅広い感度で
の制御が可能となる。
【0024】また、第2の発明において、上側および下
側レジスト膜に同一種類のネガ型レジストを用い、か
つ、下側レジスト膜を形成する際のベーク温度を上側レ
ジスト膜を形成する際のベーク温度よりも高くすれば、
下側レジスト膜を上側レジスト膜よりも低感度にするこ
とができる。その結果、同一種類のレジストを用いるの
で、最良のパターニング特性を維持し、かつ、1度の現
像で上側および下側レジストパターンを形成することが
できる。この方法では、製造工程におけるレジストライ
ンおよび現像ラインを共に1ラインで済ませることがで
きる。このため、製造コストを最小限にすることができ
る。
【0025】
【実施例】以下、図面を参照して、この出願に係る第1
および第2の発明の位相シフトマスクの製造方法の実施
例について説明する。尚、以下に参照する図面は、この
発明が理解できる程度に各構成成分の大きさ、形状およ
び配置関係を概略的に示してあるに過ぎない。従って、
この発明はこの図示例にのみ限定されるものでないこと
は明らかである。また、図は断面部分を表すハッチング
を一部省略して示してある。
【0026】<第1実施例>第1実施例では、第1の発
明の位相シフトマスクの製造方法を用いてホールパター
ン用の位相シフトマスクを製造する例について説明す
る。また、第1実施例では、2種類のポジ型レジストを
用いる。
【0027】図1の(A)〜(C)は、第1実施例の製
造方法の説明に供する前半の断面工程図である。図2の
(A)〜(C)は、図1の(C)に続く、後半の断面工
程図である。図3は、第1実施例で得られた位相シフト
マスクの平面パターンを表す。図3では、断面ではない
が遮光膜パターンの部分にハッチングを施して示してい
る。図3のI−Iに沿った切り口が図2の(C)に相当
する。
【0028】第1実施例では、位相シフタ上に遮光パタ
ーンを具え、かつ、この遮光パターンの縁が、位相シフ
タのエッジ部の少なくとも一部分に沿いかつこのエッジ
部から一定の距離だけ離れて設けてある位相シフトマス
クを製造するに当り、 (a)先ず、石英基板10からなる位相シフタ形成材1
0上に、遮光パターン形成膜12としてのCr膜12を
形成する。
【0029】(b)次に、この遮光パターン形成膜12
上に、ポジ型の下側レジスト膜14およびこの下側レジ
スト膜14よりも低感度のポジ型の上側レジスト膜16
を順次にそれぞれ0.5μmの膜厚で積層する。ここで
は、下側レジスト膜14に日本ゼオン製の高感度のZE
P520(商品名)を用い、上側レジスト膜16に日本
ゼオン製の低感度のZEP7000(商品名)を用いる
(図1の(A))。
【0030】(c)次に、遮光パターン非形成予定領域
18であってかつ位相シフタ形成予定領域20の下側レ
ジスト膜14部分および上側レジスト膜16部分を、下
側レジスト膜14がゾル化するために充分な露光量であ
ってかつ上側レジスト膜がゾル化しない露光量であるド
ーズ量3μC/cm2 で電子線(電子ビーム;EB)描
画して露光する。そして、位相シフタ非形成予定領域2
2の下側レジスト膜14部分および上側レジスト膜16
部分を、低感度の上側レジスト膜16がゾル化するため
に充分な露光量であるドーズ量20μC/cm2 で電子
線描画して露光する(図1の(B))。
【0031】(d)次に、露光した上側レジスト膜16
を現像して、位相シフタ形成予定領域20に、上側レジ
ストパターン26を形成する。
【0032】(e)次に、露光した下側レジスト膜14
を現像して、遮光パターン形成予定領域24に、下側レ
ジストパターン28を形成する(図1の(C))。
【0033】(f)次に、下側レジストパターン28を
エッチングマスクとして用いて、遮光パターン形成膜1
2に対して等方性エッチングであるウエットエッチング
を行うことにより、遮光パターン30を画成する(図2
の(A))。
【0034】(g)次に、上側レジストパターン26を
エッチングマスクとして用いて、位相シフタ形成材10
に対して異方性エッチングを行うことにより、位相シフ
タ32を画成する(図2の(B))。
【0035】(h)次に、上側および下側レジストパタ
ーン26および28を除去する(図2の(C))。
【0036】このようにして、図3に平面パターンを示
す位相シフトマスクを得ることができる。
【0037】尚、第1実施例で用いたレジストの感度特
性のグラフを図4に示す。図4の横軸は電子ビームでの
露光量(μC/cm2 )を示し、縦軸は露光により感光
するレジスト深さを膜厚を規格化膜厚で示している。グ
ラフ中の曲線Iおよび曲線IIは、それぞれ、レジストと
してZEP520及びZEP7000を用いた場合の感
度特性を示している。曲線Iおよび曲線IIに示すよう
に、曲線Iの規格化膜厚がほぼ1.0であり、かつ、曲
線IIの規格化膜厚がほぼ0である露光量が存在すること
が判る。図4では、例えば、2〜7μC/cm2 程度の
露光量で露光すれば、高感度のZEP520のみを感光
できることが判る。
【0038】<第2実施例>第2実施例では、第2の発
明の位相シフトマスクの製造方法の一例について説明す
る。また、第2実施例では、ネガ型の2種類のレジスト
を用いる。
【0039】図5の(A)〜(C)は、第1実施例の製
造方法の説明に供する前半の断面工程図である。図6の
(A)〜(C)は、図5の(C)に続く、後半の断面工
程図である。
【0040】第2実施例では、位相シフタ上に遮光パタ
ーンを具え、かつ、この遮光パターンの縁が、位相シフ
タのエッジ部の少なくとも一部分に沿いかつこのエッジ
部から一定の距離だけ離れて設けてある位相シフトマス
クを製造するに当り、 (a)先ず、石英基板10の位相シフタ形成材10上
に、遮光パターン形成膜12としてCr膜12を形成す
る。
【0041】(b)次に、この遮光パターン形成膜12
上に、ネガ型の下側レジスト膜34およびこの下側レジ
スト膜34よりも高感度のネガ型の上側レジスト膜36
をそれぞれ0.5μmの膜厚で順次に積層する。ここで
は下側レジスト膜34に富士薬品製の低感度のLMR
(商品名)を用い、上側レジスト膜36にシップレイ製
の高感度のSAL−601を用いる(図5の(A))。
【0042】(c)遮光パターン非形成予定領域18で
あってかつ位相シフタ形成予定領域20の下側レジスト
膜34部分および上側レジスト膜36部分を、上側レジ
スト膜36がゲル化するために充分な露光量であってか
つ下側レジスト膜34がゲル化しない露光量である2μ
C/cm2 で電子線描画により露光する。
【0043】そして、遮光パターン形成予定領域24の
下側レジスト膜34部分および上側レジスト膜36部分
を、下側レジスト膜34がゲル化するために充分な露光
量である10μC/cm2 で電子線描画により露光する
(図5の(B))。
【0044】(d)次に、露光した上側レジスト膜36
を現像して、位相シフタ形成予定領域20に、上側レジ
ストパターン38を形成する。
【0045】(e)次に、露光した下側レジスト膜36
を現像して、遮光パターン形成予定領域24に、下側レ
ジストパターン40を形成する(図5の(C))。
【0046】(f)下側レジストパターン40をエッチ
ングマスクとして用いて、遮光パターン形成膜12に対
して等方性エッチングを行うことにより、遮光パターン
30を画成する(図6の(A))。
【0047】(g)上側レジストパターン38をエッチ
ングマスクとして用いて、位相シフタ形成材10に対し
て異方性エッチングを行うことにより、位相シフタ32
を画成する(図6の(B))。
【0048】(h)上側および下側レジストパターン3
8および40を除去する(図6の(C))。
【0049】この実施例では、ウエハ上の5インチ角の
領域一面に、遮光パターンとして、3μm角の開口部を
有するホールパターンを形成した。この遮光パターンの
開口部の寸法のバラツキは、3σで0.06μmであっ
た。尚、第1実施例においても寸法のバラツキをこの程
度に抑えることができる。
【0050】一方、従来例と同様の方法でホールパター
ンを形成した場合、開口部の寸法のバラツキは、ウエッ
トエッチングを用いた場合は3σで0.35μm、ドラ
イエッチングを用いた場合は3σで0.12μmであっ
た。
【0051】<第3実施例>第3実施例では、第1の発
明の位相シフトマスクの製造方法において、2種類のポ
ジ型レジストを用い、かつ、ミキシング防止層を形成す
る場合の一例について説明する。
【0052】図7の(A)〜(C)は、第3実施例の製
造方法の説明に供する前半の断面工程図である。図8の
(A)〜(C)は、図7の(C)に続く、後半の断面工
程図である。
【0053】第3実施例では、位相シフタ上に遮光パタ
ーンを具え、かつ、この遮光パターンの縁が、位相シフ
タのエッジ部の少なくとも一部分に沿いかつこのエッジ
部から一定の距離だけ離れて設けてある位相シフトマス
クを製造するに当り、 (a)先ず、石英基板10からなる位相シフタ形成材1
0上に、遮光パターン形成膜12としてのCr膜12を
形成する。
【0054】(b)次に、この遮光パターン形成膜上
に、ポジ型の下側レジスト膜14およびこの下側レジス
ト膜よりも低感度のポジ型の上側レジスト膜16を順次
にそれぞれ0.5μmの膜厚で積層する。ここでは、下
側レジスト膜14に日本ゼオン製の高感度のZEP52
0(商品名)を用い、上側レジスト膜16には日本ゼオ
ン製の低感度のZEP7000(商品名)を用いる。こ
れらレジスト膜14および1は2層ともレジストの溶媒
に有機系を用いている。第1実施例のように上下のレジ
スト膜を直に積層した場合には、上下のレジスト膜の界
面でミキシング層が生じることがある。そこで、第3実
施例では、下側レジスト膜14と上側レジスト膜16と
の間に、膜厚0.1μm程度のミキシング防止層42を
積層する。ここでは、レジスト膜に有機系の溶媒を用い
ているので、ミキシング防止層42として水溶性ポリマ
を用いる。また、水溶性ポリマとしては、例えばポリビ
ニルアルコールまたは中国ロジンを用いると良い。この
2種類のポリマは、回転塗布により膜形成することが可
能である。このため、これらポリマは、マスクの製造工
程への導入が容易である。従って、第3実施例では、ミ
キシング防止層42を形成しても、第1実施例の工程に
比べて特に製造工程が煩雑になることはない(図7の
(A))。
【0055】(c)次に、遮光パターン非形成予定領域
18であってかつ位相シフタ形成予定領域20の下側レ
ジスト膜14部分および上側レジスト膜16部分を、下
側レジスト膜14がゾル化するために充分な露光量であ
ってかつ上側レジスト膜16がゾル化しない露光量であ
るドーズ量3μC/cm2 で電子線(電子ビーム;E
B)描画して露光する。そして、位相シフタ非形成予定
領域22の下側レジスト膜14部分および上側レジスト
膜16部分を、上側レジスト膜16がゾル化するために
充分な露光量であるドーズ量20μC/cm2 で電子線
描画して露光する(図7の(B))。
【0056】(d)次に、露光した上側レジスト膜16
を現像して、位相シフタ形成予定領域20に、上側レジ
ストパターン26を形成する。第3実施例では、上側レ
ジストパターンを形成した後、上側レジストパターン2
6の開口部26aに露出したミキシング防止層42部分
を除去する。
【0057】(e)次に、露光した下側レジスト膜14
を現像して、遮光パターン形成予定領域24に、下側レ
ジストパターン28を形成する。第3実施例では、ミキ
シング防止42層を設けたので、上下レジスト膜の界面
にミキシング層が生じることがない。従って、ミキシン
グ層による現像ムラが生じない。その結果、下側レジス
トパターン28の寸法のバラツキを抑えることができ
る。尚、第3実施例では、下側レジスト膜14を現像す
る際に露出したミキシング防止層42部分も除去され
る、このため、ミキシング防止層42の輪郭は、下側レ
ジストパターン28の輪郭とほぼ重なる。尚、同一の現
像液を用いて、上下のレジスト膜14および16の現像
およびミキシング防止層42の除去を行えば、マスクの
製造工程を簡素化することができる(図7の(C))。
【0058】(f)次に、下側レジストパターン28を
エッチングマスクとして用いて、遮光パターン形成膜1
2に対して等方性エッチングであるウエットエッチング
を行うことにより、遮光パターン30を画成する。
【0059】ところで、水溶性ポリマからなるミキシン
グ防止層42を設けた場合、ウエットエッチングの際に
ミキシング防止層42の一部分が溶け出すことにより、
遮光パターン30の寸法に僅かにバラツキが生じるおそ
れがある。
【0060】そこで、第3実施例では、ウエットエッチ
ングを行う前に、ミキシング防止層42を140℃以上
の温度でベークして、ミキシング防止層42と下側レジ
ストパターン28との間でミキシングを起こさせる。そ
の結果、ウエットエッチングの際のミキシング防止層4
2の溶出を防ぐことができる。このため、遮光パターン
30の寸法のバラツキをより少なくすることができる。
尚、このベーク温度は200℃以下であることが望まし
い(図8の(A))。
【0061】(g)次に、上側レジストパターン26を
エッチングマスクとして用いて、位相シフタ形成材に対
して異方性エッチングを行うことにより、位相シフタ3
2を画成する(図8の(B))。
【0062】(h)次に、上側および下側レジストパタ
ーン26および28を除去する(図8の(C))。
【0063】このようにして、第1実施例と同様の平面
パターンの位相シフトマスクを得ることができる。
【0064】<第4実施例>第4実施例では、第1の発
明の位相シフトマスクの製造方法において、化学増幅レ
ジストを使用し、さらに、ミキシング防止層を形成する
場合の一例について説明する。
【0065】ここでは、上側レジスト膜および下側レジ
スト膜の材料として、第3実施例でそれぞれ使用したレ
ジストの代わりに、露光により酸を発生させる酸発生剤
と酸によってゲル化する樹脂とを含む、同一種類の化学
増幅レジストを用いる。第4実施例では、酸発生剤とし
てのオニウム塩と、樹脂としてのポリヒドロキシスチレ
ンと、溶解抑止剤としてのビスフェノールとからなるポ
ジ型の3成分系の化学増幅レジストを用いる。
【0066】そして、上側レジスト膜に含まれる酸発生
剤の濃度を0.5mol%とし、下側レジスト膜に含ま
れる酸発生剤の濃度の2mol%とする。酸発生剤の濃
度に差をつけることによってレジスト膜の感度に差をつ
けることができる。第4実施例では、第1実施例と同一
の平面パターンで、低感度の上側レジスト膜を感光させ
ずに、高感度の下側レジスト膜のみを感光させる露光量
として2μC/cm2で電子ビームを照射し、一方、上
側レジスト膜も感光させる露光量として20μC/cm
2 で電子ビームを照射する。
【0067】第4実施例では、上下のレジスト膜に同一
の種類の材料を用いるので、有機アルカリ系水溶液、例
えばテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドを用
いて上下のレジスト膜の現像を一度に行うことができ、
さらに、ミキシング防止層も同一の現像液で除去するこ
とができる。
【0068】尚、化学増幅レジストの感度は、酸発生剤
の濃度を調節することにより、調節することができる。
【0069】<第5実施例>第5実施例では、第2の発
明の位相シフトマスクの製造方法において、上下のレジ
スト膜に同一種類のレジストを使用し、レジストのベー
ク温度によってレジストの感度に差をつける例について
説明する。尚、第5実施例においても第1実施例と同一
の平面パターンの位相シフトマスクを製造する。 図9
の(A)〜(C)は、第5実施例の製造方法の説明に供
する前半の断面工程図である。図10の(A)〜(C)
は、図9の(C)に続く、後半の断面工程図である。
【0070】第5実施例では、位相シフタ上に遮光パタ
ーンを具え、かつ、この遮光パターンの縁が、位相シフ
タのエッジ部の少なくとも一部分に沿いかつこのエッジ
部から一定の距離だけ離れて設けてある位相シフトマス
クを製造するに当り、 (a)先ず、石英基板の位相シフタ形成材10上に、C
r膜の遮光パターン形成膜12を形成する。
【0071】(b)次に、この遮光パターン形成膜12
上に、ネガ型の下側レジスト膜44およびこの下側レジ
スト膜44よりも高感度のネガ型の上側レジスト膜46
を順次に積層する。
【0072】ここでは、下側レジスト膜44および上側
レジスト膜46に同一材料のレジストであるシップレイ
製のSAL−601を用いる。さらに、下側レジスト膜
44と上側レジスト膜46との間に、第3実施例と同様
にミキシング防止層42を積層する。
【0073】レジスト膜等の積層に当っては、先ず、遮
光パターン形成膜12上に、レジストを塗布し、140
℃の温度で5分間ベークして下側レジスト膜44を形成
する。
【0074】次に、下側レジスト膜44上に、ポリビニ
ルアルコールを塗布し、120℃の温度でベークしてミ
キシング防止層42を形成する。
【0075】次に、ミキシング防止層42上に、レジス
トを塗布し、下側レジスト膜44を形成したときのベー
ク温度よりも低温の100℃の温度でベークする。
【0076】このように、下側レジスト膜44を上側レ
ジスト膜46のベーク温度よりも高温でベークすること
により、下側レジスト膜44の感度は上側レジスト膜4
5の感度よりも低くなる(図9の(A))。
【0077】(c)次に、遮光パターン非形成予定領域
18であってかつ位相シフタ非形成予定領域20の下側
レジスト膜44部分および上側レジスト膜46部分を、
上側レジスト膜46がゲル化するために充分な露光量で
あってかつ下側レジスト膜44がゲル化しない露光量で
ある4μC/cm2 でEB露光し、かつ、遮光パターン
形成予定領域24の下側レジスト膜44部分および上側
レジスト膜46部分を、下側レジストがゲル化するため
に充分な露光量である10μC/cm2 でEB露光す
る。露光後、上下のレジスト膜を110℃の温度で再び
ベークする(図9の(B))。
【0078】(d)次に、露光した上側レジスト膜46
を現像して、位相シフタ形成予定領域20に、上側レジ
ストパターン48を形成する。次に、上側レジストパタ
ーン48の開口部48aに露出したミキシング防止層4
2の露出部分を除去する(図9の(C))。
【0079】(e)次に、露光した下側レジスト膜44
を現像して、遮光パターン形成予定領域24に、下側レ
ジストパターン50を形成する。
【0080】尚、第5実施例では、上側および下側レジ
スト膜の現像およびミキシング防止層の除去を同一種類
の現像液で1度に行う。
【0081】(f)次に、下側レジストパターン50を
エッチングマスクとして用いて、遮光パターン形成膜1
2に対して等方性エッチングを行うことにより、遮光パ
ターン30を画成する(図10の(A))。
【0082】(g)次に、上側レジストパターン48を
エッチングマスクとして、位相シフタ形成材10に対し
て異方性エッチングを行うことにより、位相シフタ32
を画成する(図10の(B))。
【0083】(h)次に、上側および下側レジストパタ
ーン48および50を除去して位相シフタマスクを得る
(図10の(C))。
【0084】上述した各実施例では、これら発明を特定
の材料を使用し、また、特定の条件で形成した例につい
て説明したが、これら発明は多くの変更および変形を行
うことができる。例えば、上述した第4実施例では、第
1の発明においてポジ型の化学増幅レジストを使用する
例について説明したが、この出願に係る第2の発明にお
いても、ネガ型の化学増幅レジストを用いることができ
る。第4実施例のポジ型上下のレジストの代わりに、ネ
ガ型のレジストを用い、第2実施例の露光と同様の露光
パターンで露光することにより、位相シフトマスクを得
ることができる。この場合も、上下のレジスト膜の感度
を、それぞれのレジスト膜中の酸発生剤の濃度を調節す
ることにより調節することができる。
【0085】また、上述した第4実施例では、3成分系
の化学増幅レジストを用いたが、第1および第2の発明
では、溶解抑止剤を含まない2成分系の化学増幅レジス
トを用いても良い。
【0086】また、例えば、上述した第3および第5実
施例では、いずれもミキシング防止層をレジストの現像
液を用いて、レジストの現像時に除去したが、ミキシン
グ防止層を除去するに当っては必ずしも現像液を用いな
くとも良い。
【0087】また、上述した第4および第5実施例では
何れも、同一種類の上下のレジスト膜を、同一種類の現
像液で1度に現像したが、この出願に係る第1および第
2の発明では、異なる種類の上下のレジスト膜を同一種
類の現像液で1度に現像しても良い。
【0088】また、Rim型の位相シフトマスクの中で
も、特にホール(Hole)パターン用マスクの製造に当っ
ては、ポジ型のレジストを用いる第1の発明を用いれ
ば、露光時に電子ビームを照射する面積を小さくするこ
とができるので、電子ビームによるパターンの描画時間
を短縮することができて好適である。
【0089】また、Rim型の位相シフトマスクの中で
も、特にライン(Wrining )系パターン用マスクの製造
に当っては、ネガ型のレジストを用いる第2の発明を用
いれば、露光時に電子ビームを照射する面積を小さくす
ることができるので、電子ビームによるパターンの描画
時間を短縮することができて好適である。
【0090】
【発明の効果】この出願にかかる第1および第2の発明
の位相シフトマスクの製造方法によれば、位相シフタの
エッチングマスクとなる上側レジストパターンと、遮光
パターンのエッチングマスクとなる下側レジストパター
ンとをそれぞれ形成する。従って、これらの発明では、
従来例のような制御困難なサイドエッチングを行うこと
なく遮光パターンを画成することができる。従って、従
来例よりも寸法精度良く遮光パターンを画成することが
できる。
【0091】そして、これらの発明では、上側レジスト
パターンを形成するレジストの感度と、下側レジストパ
ターンを形成するレジストの感度とが互いに異なってい
る。このように、上側および下側レジスト膜の感度が互
いに異なるので、露光量を調節することによって、両方
のレジスト膜を感光させる領域と一方のレジスト膜のみ
を感光させる領域とを任意に選択して露光することがで
きる。
【0092】例えば、第1の発明では、ポジ型の上側レ
ジスト膜に相対的に低感度のレジストを使用し、ポジ型
の下側のレジスト膜に相対的に高感度のレジストを使用
している。そして、位相シフタ非形成予定領域では、レ
ジスト膜を低感度の上側レジスト膜がゾル化するために
充分な露光量で露光する。即ち、上下両方のレジスト膜
を感光させる。一方、遮光パターン非形成予定領域であ
ってかつ位相シフタ形成予定領域は、高感度の下側レジ
スト膜がゾル化するために充分な露光量であってかつ低
感度の上側レジスト膜がゾル化しない露光量で露光す
る。即ち、下側レジスト膜のみを感光させる。
【0093】また、第2の発明では、ネガ型の上側レジ
スト膜に相対的に高感度のレジストを使用し、ネガ型の
下側レジストに相対的に低感度のレジストを使用してい
る。そして、遮光パターン非形成予定領域であってかつ
位相シフタ形成予定領域では、高感度の上側レジスト膜
がゲル化するために充分な露光量であってかつ低感度の
下側レジスト膜がゲル化しない露光量で露光する。即
ち、上側レジスト膜のみを感光させる。一方、遮光パタ
ーン形成予定領域では、レジスト膜を下側レジスト膜が
ゲル化するために充分な露光量で露光する。即ち、上下
両方のレジスト膜を感光させる。
【0094】従って、これら発明によれば、上側および
下側レジストパターンをそれぞれ形成するための露光を
行うに当り、露光装置(例えばEB描画装置を含む)か
らマスク基板を外すことなく、いわば1回の露光でパタ
ーン形成を行うことができる。このため、上側および下
側レジストパターンの高い位置合わせ精度を得ることが
できる。その結果、これらのレジストパターンにより画
成される位相シフタおよび遮光パターンの位置合わせ精
度を高くすることができる。
【0095】さらに、好ましくは、上側レジスト膜と下
側レジスト膜との間にミキシング防止層を形成すれば、
上側レジスト膜と下側レジスト膜とのミキシングによる
下層レジスト膜の現像ムラを抑制することができる。こ
のため、下層レジストパターンの寸法のバラツキを抑制
することができる。
【0096】さらに、好ましくは、露光した上側および
下側レジスト膜の現像を、同一の現像液で1度に行え
ば、マスクの製造工程を簡略化して製造時間の短縮を図
ることができる。また、ミキシング防止層を設けた場合
も、現像液でミキシング防止層の露出部分を除去するこ
とにより、現像を1度で済ますことができる。
【0097】ところで、現像を1度に行う場合は、上側
または下側レジスト膜いずれか一方のみに最適化された
現像液を用いなければならない。このため、各レジスト
にそれぞれ最適化された現像液で上側および下側レジス
ト膜をそれぞれ現像する場合よりも、レジストパターン
のパターニング特性が劣化するおそれがある。
【0098】そこで、露光により酸を発生させる酸発生
剤と酸によってゲル化する樹脂とを含む、同一種類の化
学増幅レジストを用い、上側レジストに含まれる酸発生
剤の濃度と、下側レジストに含まれる酸発生剤の濃度と
に差をつければ、互いに異なる感度の上側および下側レ
ジスト膜を得ることができる。例えば、ポジ型のレジス
トを用いる第1の発明においては、下側レジスト膜の酸
発生剤の濃度を上側レジスト膜の酸発生剤の濃度よりも
高くすると良い。また、ネガ型のレジストを用いる第2
の発明においては、上側レジスト膜酸発生剤の濃度を下
側レジスト膜の酸発生剤の濃度よりも低くすると良い。
このように、酸発生剤の濃度によりレジストの感度を制
御できるので、最良のパターニング特性を維持し、か
つ、1度の現像で上側および下側レジストパターンを形
成することができる。また、酸発生剤の濃度によりレジ
ストの感度が制御できるので、レジストの幅広い感度で
の制御が可能となる。
【0099】また、第2の発明において、上側および下
側レジスト膜に同一種類のネガ型レジストを用い、か
つ、下側レジスト膜を形成する際のベーク温度を上側レ
ジスト膜を形成する際のベーク温度よりも高くすれば、
下側レジスト膜を上側レジスト膜よりも低感度にするこ
とができる。その結果、最良のパターニング特性を維持
し、かつ、1度の現像で上側および下側レジストパター
ンを形成することができる。この方法では、製造工程に
おけるレジストラインおよび現像ラインを共に1ライン
で済ませることができる。このため、製造コストを最小
限にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(C)は、第1実施例の説明に供する
前半の断面工程図である。
【図2】(A)〜(C)は、図1の(C)に続く、後半
の断面工程図である。
【図3】図2の(C)に断面を示した位相シフトマスク
の平面図である。
【図4】レジストの感光特性を示すグラフである。
【図5】(A)〜(C)は、第2実施例の説明に供する
前半の断面工程図である。
【図6】(A)〜(C)は、図5の(C)に続く、後半
の断面工程図である。
【図7】(A)〜(C)は、第3実施例の説明に供する
前半の断面工程図である。
【図8】(A)〜(C)は、図7の(C)に続く、後半
の断面工程図である。
【図9】(A)〜(C)は、第5実施例の説明に供する
前半の断面工程図である。
【図10】(A)〜(C)は、図9の(C)に続く、後
半の断面工程図である。
【符号の説明】
10:シフタ形成部材(石英基板) 12:遮光パターン形成膜(Cr膜) 14:ポジ型の下側レジスト膜 16:ポジ型の上側レジスト膜 18:遮光パターン非形成予定領域 20:位相シフタ形成予定領域 22:位相シフタ非形成予定領域 24:遮光パターン形成予定領域 26:上側レジストパターン 26a:開口部 28:下側レジストパターン 30:遮光パターン 32:位相シフタ 34:ネガ型の下側レジスト膜 36:ネガ型の上側レジスト膜 38:上側レジストパターン 40:下側レジストパターン 42:ミキシング防止層 44:ネガ型の下側レジスト膜 46:ネガ型の上側レジスト膜 48:上側のレジストパターン 48a:開口部 50:下側のレジストパターン

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位相シフタ上に遮光パターンを具え、か
    つ、当該遮光パターンの縁が、位相シフタのエッジ部の
    少なくとも一部分に沿いかつ当該エッジ部から一定の距
    離だけ離れて設けてある位相シフトマスクを製造するに
    当り、 (a)位相シフタ形成材上に、遮光パターン形成膜を形
    成する工程と、 (b)該遮光パターン形成膜上に、ポジ型の下側レジス
    ト膜および該下側レジスト膜よりも低感度のポジ型の上
    側レジスト膜を順次に積層する工程と、 (c)遮光パターン非形成予定領域であってかつ位相シ
    フタ形成予定領域の前記下側レジスト膜部分および前記
    上側レジスト膜部分を、下側レジスト膜がゾル化するた
    めに充分な露光量であってかつ上側レジスト膜がゾル化
    しない露光量で露光し、かつ、 前記位相シフタ非形成予定領域の前記下側レジスト膜部
    分および前記上側レジスト膜部分を、前記上側レジスト
    膜がゾル化するために充分な露光量で露光する工程と、 (d)露光した上側レジスト膜を現像して、前記位相シ
    フタ形成予定領域に、上側レジストパターンを形成する
    工程と、 (e)露光した下側レジスト膜を現像して、前記遮光パ
    ターン形成予定領域に、下側レジストパターンを形成す
    る工程と、 (f)前記下側レジストパターンをエッチングマスクと
    して用いて、前記遮光パターン形成膜に対して等方性エ
    ッチングを行うことにより、遮光パターンを画成する工
    程と、 (g)前記上側レジストパターンをエッチングマスクと
    して用いて、前記位相シフタ形成材に対して異方性エッ
    チングを行うことにより、位相シフタを画成する工程
    と、 (h)前記上側および下側レジストパターンを除去する
    工程とを含むことを特徴とする位相シフトマスクの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の位相シフトマスクの製
    造方法において、 前記(a)工程において、前記下側レジスト膜と前記上
    側レジスト膜との間に、ミキシング防止層を積層する工
    程と、 前記(d)工程の後、前記(e)工程の前に、前記ミキ
    シング防止層の露出部分を除去する工程とを含むことを
    特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の位相シフトマスクの製
    造方法において、 前記(d)および(e)工程の現像を、同一種類の現像
    液を用いて現像を行うことにより、1度の現像で前記上
    側および下側レジストパターンを画成することを特徴と
    する位相シフトマスクの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の位相シフトマスクの製
    造方法において、 前記(a)工程において、 前記上側レジスト膜および前記下側レジスト膜の材料
    に、露光により酸を発生させる酸発生剤と酸によってゲ
    ル化する樹脂とを含む、同一種類の化学増幅レジストを
    用い、 前記上側レジスト膜に含まれる前記酸発生剤の濃度を、
    前記下側レジスト膜に含まれる前記酸発生剤の濃度より
    も低濃度とすることを特徴とする位相シフトマスクの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 位相シフタ上に遮光パターンを具え、か
    つ、当該遮光パターンの縁が、位相シフタのエッジ部の
    少なくとも一部分に沿いかつ当該エッジ部から一定の距
    離だけ離れて設けてある位相シフトマスクを製造するに
    当り、 (a)位相シフタ形成材上に、遮光パターン形成膜を形
    成する工程と、 (b)該遮光パターン形成膜上に、ネガ型の下側レジス
    ト膜および該下側レジスト膜よりも高感度のネガ型の上
    側レジスト膜を順次に積層する工程と、 (c)遮光パターン非形成予定領域であってかつ位相シ
    フタ形成予定領域の前記下側レジスト膜部分および前記
    上側レジスト膜部分を、前記上側レジストがゲル化する
    ために充分な露光量であってかつ前記下側レジストがゲ
    ル化しない露光量で露光し、かつ、 遮光パターン形成予定領域の前記下側レジスト膜部分お
    よび前記上側レジスト膜部分を、下側レジストがゲル化
    するために充分な露光量で露光する工程と、 (d)露光した上側レジスト膜を現像して、前記位相シ
    フタ形成予定領域に、上側レジストパターンを形成する
    工程と、 (e)露光した下側レジスト膜を現像して、前記遮光パ
    ターン形成予定領域に、第1レジストパターンを形成す
    る工程と、 (f)前記下側レジストパターンをエッチングマスクと
    して用いて、前記遮光パターン形成膜に対して等方性エ
    ッチングを行うことにより、遮光パターンを画成する工
    程と、 (g)前記上側レジストパターンをエッチングマスクと
    して用いて、前記位相シフタ形成材に対して異方性エッ
    チングを行うことにより、位相シフタを画成する工程
    と、 (h)前記上側および下側レジストパターンを除去する
    工程とを含むことを特徴とする位相シフトマスクの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の位相シフトマスクの製
    造方法において、 前記(a)工程において、前記下側レジスト膜と前記上
    側レジスト膜との間に、ミキシング防止層を積層する工
    程と、 前記(d)工程の後、前記(e)工程の前に、前記ミキ
    シング防止層の露出部分を除去する工程とを含むことを
    特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の位相シフトマスクの製
    造方法において、 前記(d)および(e)工程の現像を、同一種類の現像
    液を用いて現像を行うことにより、1度の現像で前記上
    側および下側レジストパターンを形成することを特徴と
    する位相シフトマスクの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載の位相シフトマスクの製
    造方法において、 前記(a)工程において、 前記上側レジスト膜および前記下側レジスト膜の材料
    に、露光により酸を発生させる酸発生剤と酸によってゲ
    ル化する樹脂とを含む、同一種類の化学増幅レジストを
    用い、 前記上側レジスト膜に含まれる前記酸発生剤の濃度を、
    前記下側レジスト膜に含まれる前記酸発生剤の濃度より
    も高濃度とすることを特徴とする位相シフトマスクの製
    造方法。
  9. 【請求項9】 請求項5に記載の位相シフトマスクの製
    造方法において、 前記(a)工程において、 前記上側レジスト膜および前記下側レジスト膜に同一材
    料を用い、 前記下側レジスト膜を形成するに当り、前記下側レジス
    ト膜を形成するためのベークを、前記上側レジストを形
    成するためのベーク温度よりも高温で行うことを特徴と
    する位相シフトマスクの製造方法。
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