JPH07324240A - ポリエステル複合糸 - Google Patents

ポリエステル複合糸

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JPH07324240A
JPH07324240A JP11301494A JP11301494A JPH07324240A JP H07324240 A JPH07324240 A JP H07324240A JP 11301494 A JP11301494 A JP 11301494A JP 11301494 A JP11301494 A JP 11301494A JP H07324240 A JPH07324240 A JP H07324240A
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隆嘉 藤田
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重雄 柳楽
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ソフト感、ふくらみ感、ドライ感、適度な張
り腰感を有し、ナチュラルな杢調外観を有する婦人衣
料、紳士衣料、生活資材等に有用な編織物用ポリエステ
ル複合糸を提供する。 【構成】 熱伸長糸と繊維軸方向に太細斑を有する中空
断面形状の熱収縮糸とを一定の交絡度で混繊されたポリ
エステル複合糸。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエステル複合糸に関
し、更に詳しくはソフト感、ふくらみ感、ドライ感、適
度な張り腰感を有し、ナチュラルな杢調外観を有する織
編物を提供し得るポリエステル複合糸に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルマルチフィラメントはその
優れた特性を生かし、衣料用途をはじめ、生活資材用
途、産業資材用途としても使用されている。主に衣料用
途として熱収縮率を異にする複数のポリエステルマルチ
フィラメントからなる複合糸はバルキー性等に優れた風
合いを示し、広く使用されている。しかし、複合マルチ
フィラメントを構成するすべてのフィラメントが収縮す
る場合には、織編物の組織の拘束力により、複合マルチ
フィラメント内に存在する収縮率差を充分に染色加工工
程で顕在化しきれず、糸長差が不足し、織編物にふくら
み感が不足する場合がある。
【0003】前記の複合マルチフィラメントに比較し
て、織編物のふくらみ感を向上させる手法として、熱に
より伸長するポリエステルフィラメントと熱により収縮
するポリエステルマルチフィラメントとの組合せによる
複合糸も知られている。その様な複合マルチフィラメン
トの代表例として特公平4−18051号公報がある。
該公報の織編物用潜在嵩高性ポリエステル複合糸条は染
色、セット処理を行うことにより従来の異収縮複合糸に
比較して、織編物中での糸長差を容易に発現させること
ができ、ふくらみ感に格段の向上が認められる。
【0004】一方、ポリエステルマルチフィラメントに
天然繊維の様な杢調外観や、霜降り調外観をもたせる手
法として、繊維軸方向に太細斑を持たせた所謂シックア
ンドシン糸も良く知られており、前記の特公平4−18
051号公報の第6欄24行目から39行目の中で熱収
縮するマルチフィラメントとしてシックアンドシン糸を
適用する例が記されている。この場合にはふくらみ感豊
かな風合いと天然繊維様の好ましい杢調外観や、霜降り
調外観を共有するものとなるが、一つの課題が残る。
【0005】それは張り腰感の不足であり、たらついた
風合いになり易いことである。つまり、該公報中の熱伸
長糸は弛緩熱処理されたものであり、破断伸度が50%
以上存在するものである。一方、熱収縮糸であるシック
アンドシン糸は不均一延伸等で得られる結果、未延伸部
をシック部とするため破断伸度が通常50%以上のもの
となり、これらが複合された複合糸条は荷重に対し、容
易に変形し易過ぎるので張り腰感の不足につながると考
えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の様な課
題を解決しようとするものであって、熱伸長するポリエ
ステルフィラメントとシックアンドシン糸の熱収縮ポリ
エステルフィラメントの構成で、ふくらみ感、天然繊維
様の外観、張り腰感を共有させるものである。
【0007】
【課題を解決しようとする手段】即ち本発明は、下記式
(1)〜(3) を満足するポリエステルマルチフィラメント
Aと繊維軸方向に太細斑を有するポリエステルマルチフ
ィラメントBとを少なくとも含む交絡複合糸であって、
該ポリエステルマルチフィラメントBを構成するフィラ
メントの横断面が中空横断面を有する交絡度(Di)が
20〜100ケ/mであることを特徴とするポリエステ
ル複合糸。 SHD(A)≦0〔%〕………………………………………………(1) SHD(B)>0〔%〕………………………………………………(2) SHD(B)−SHD(A)≧5.0〔%〕………………………(3) (但し、SHD(A)はポリエステルマルチフィラメン
トAの160℃乾熱収縮率〔%〕,SHD(B)はポリ
エステルマルチフィラメントBの160℃乾熱収縮率
〔%〕を示す。)である。
【0008】本発明のポリエステル複合糸は熱伸長する
特性を有するポリエステルマルチフィラメントAと熱収
縮する特性を有するポリエステルマルチフィラメントB
とを少なくとも含んで構成されていることが必要であ
る。ポリエステルマルチフィラメントAの熱伸長特性は
後述の測定法によるSHDが0〔%〕以下であることを
もって定義される。ポリエステルマルチフィラメントB
の熱収縮特性はSHDが0〔%〕より大なることをもっ
て定義される。本発明のポリエステル複合糸は製編織
後、染色加工される場合に、従来の熱収縮する特性を有
するフィラメントばかりで構成された異収縮複合糸織編
物に比較して、容易に糸長差を発現し、ふくらみ感の格
段の向上を有するものである。
【0009】ポリエステルマルチフィラメントAのSH
Dは0〔%〕以下であることが必要であり、より好まし
くは−15.0〔%〕以上−2.0〔%〕以下である。
−15.0〔%〕未満の場合にはふくらみ感は極めて良
好ながら、織編物にピリング欠点を生じ易いので好まし
くない。SHDが0〔%〕を越える場合には従来の異収
縮複合糸と同様に、染色加工時に糸長差を付与しにくい
ので、ふくらみ感に不足し、本発明の所期の目的が達成
できない。
【0010】ポリエステルマルチフィラメントBのSH
Dは0〔%〕を越えていることが必要であり、より好ま
しくは3.0〔%〕以上70.0〔%〕以下である。0
〔%〕以下である場合、複合糸を構成する全てのフィラ
メントが熱伸長するフィラメントとなることであり、張
り腰感が不足するので好ましくない。又、70.0
〔%〕を越える場合には、織編物の染色加工時の加工縮
みが大き過ぎ、取り扱いが困難になるため好ましくな
い。
【0011】そして、染色加工時に糸長差を付与するた
めに、ポリエステルマルチフィラメントBのSHDとポ
リエステルマルチフィラメントAのSHDとの差は5.
0〔%〕以上存在していることが必要である。5.0
〔%〕未満の場合には、ポリエステルマルチフィラメン
トAのSHDが0〔%〕以下でポリエステルマルチフィ
ントBのSHDが0〔%〕より大であっても充分な糸長
差を発現できず、ふくらみ感に乏しい織編物となってし
まう。
【0012】ポリエステルマルチフィラメントBは繊維
軸方向に太細斑を有していることが必要である。これは
織編物に天然繊維様の杢調あるいは霜降り調外観を与え
るためである。繊維軸方向の太細斑の存在は後述の測定
法によるURが15.0〔%〕以上であることにより、
定義される。15.0〔%〕未満の場合には繊維軸方向
の染着差が不明瞭で、杢調あるいは霜降り調外観を得る
ことができない。更に好ましくは、20.0〔%〕以
上、70.0〔%〕以下である。70.0〔%〕を越え
る場合には、強度不足や、張り腰感の不足が起こるので
好ましくない。
【0013】ポリエステルマルチフィラメントBを構成
するフィラメントの横断面は中空横断面を有しているこ
とが重要である。これは中空横断面フィラメントが同じ
デニールの中実横断面フィラメントに対し、曲げ剛性が
大きいことに基づき、張り腰感を高める利点を有するこ
とによる。本発明のポリエステル複合糸は構成されるポ
リエステルマルチフィラメントA及びポリエステルマル
チフィラメントBが共に破断伸度50〔%〕程度以上の
マルチフィラメントであり、中実横断面のフィラメント
ばかりで構成されると張り腰感が不足する。特に染色加
工後、複合糸中で糸長が短くなるポリエステルマルチフ
ィラメントBは織編物の張り腰感との関係が大きく、構
成フィラメントを中空横断面とすれば、張り腰感の顕著
な向上が認められる。中空部の面積比はフィラメント全
体に対し、5.0〔%〕以上、70.0〔%〕以下程度
が好ましい。5.0〔%〕未満の場合、中実断面糸との
差が小さく、張り腰感向上の効果が薄くなり好ましくな
い。又、70.0〔%〕を越える場合には後工程や着用
時の中空部のバーストが起こり、毛羽立ち、ピリング等
の問題が生じるので好ましくない。中空横断面フィラメ
ントの外周形状はとくに限定されず、通常の丸横断面の
他、多角横断面、多葉横断面、特殊異形横断面のどの様
なものも適用できる。中空部の横断面形状についても特
に限定されず、丸横断面の他、多角横断面、多葉横断
面、特殊異形横断面等が例示できる。フィラメント横断
面における中空部の数も特に限定されず、1個でも複数
個でも良い。中空横断面の存在は張り腰感を向上させる
効果の他に、織編物の厚みに対して、軽く感じさせる効
果も有する。
【0014】本発明のポリエステル複合糸は流体交絡さ
れていることが必要であり、その交絡数が後述のDiに
関し、20〔ケ/m〕以上、100〔ケ/m〕以下であ
ることが必要である。流体交絡処理により複合糸を構成
するフィラメントの一体性を高め、後工程での取扱い性
を確保することができる。Diが20〔ケ/m〕未満の
場合、撚糸、製編織等後工程での取扱い性が向上させる
効果が薄いので本発明から除外する。100〔ケ/m〕
を越える場合には風合いが硬くなり易いので本発明から
除外する。より好ましくは30〔ケ/m〕以上、80
〔ケ/m〕以下である。
【0015】本発明におけるポリエステルとはエステル
結合を有する重合体であって、衣料用途として展開可能
な染色性、あるいは染着性有するものを言い、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、イ
ソフタル酸成分共重合ポリエチレンテレフタレート、5
−ナトリウムスルホイソフタル酸成分共重合ポリエチレ
ンテレフタレート等を代表例とする。これらの重合体に
対し、艶消し剤や帯電防止剤等が添加されていてもよ
い。より好ましくは微細孔形成剤が添加されたポリエス
テルをあげることができる。ここで言う微細孔形成剤と
は、主に染色加工時のアルカリ減量処理により、構成フ
ィラメントの表面に微小な凹凸を現出し得る無機微粒子
であり、シリカやカオリナイト等を例示できるが、最も
好ましくはカオリナイトである。カオリナイト含有ポリ
エステルフィラメントは、アルカリ処理後フィラメント
表面に繊維軸方向に縦長の微細孔を形成する。フィラメ
ント表面の微細孔は織編物に紡績糸様のドライ感を与え
る効果を有する。本発明のポリエステル複合糸を構成す
るポリエステルマルチフィラメントBはそのシックアン
ドシンの風合い効果により、複合糸織編物にドライ感を
与えるが、フィラメント表面の微細孔の存在により、更
にトライ感が向上する。カオリナイト含有ポリエステル
はポリエステルマルチフィラメントAとポリエステルマ
ルチフィラメントBとの一方あるいは両方に用いること
ができる。
【0016】本発明のポリエステル複合糸を構成するポ
リエステルマルチフィラメントAのフィラメントのデニ
ールは0.1デニールから5.0デニール程度のものが
適用できる。又、横断面形状は通常の丸横断面の他、多
葉横断面、多角横断面、中空横断面、特殊異形横断面の
どの様なものも使用できる。ポリエステルマルチフィラ
メントAが繊維軸方向に太細斑を有するものであること
はドライ感向上、自然な杢調あるいは霜降り調外観向上
から好ましい。
【0017】ポリエステルマルチフィラメントBを構成
するフィラメントのデニールはその曲げ剛性から比較的
大きいものが好ましく、1.0デニールから10.0デ
ニール程度を例示できる。
【0018】複合糸中におけるポリエステルマルチフィ
ラメントA及びポリエステルマルチフィラメントBの重
量含有率は各々10〔%〕以上であることが好ましく、
ポリエステルマルチフィラメントA及びポリエステルマ
ルチフィラメントB以外のマルチフィラメントや紡績糸
が含まれていても構わない。
【0019】次に、本発明のポリエステル複合糸の製造
方法の一例について記す。
【0020】ポリエステルマルチフィラメントAはポリ
エステルを溶融紡糸し、冷延伸した高収縮糸を弛緩熱処
理することにより得られる。溶融紡糸の紡糸速度は25
00〜4000〔m/min〕の所謂POYが好適に使
用できる。延伸は延伸点固定のためガラス転移温度近傍
の温度で予熱しながら、延伸して、熱セットせず引き取
り、高収縮延伸糸とする。該高収縮延伸糸を20〔%〕
以上といった高い弛緩率で非接触式ヒーターを用いて処
理する。ヒーター温度は高収縮延伸糸のデニール、糸
速、ヒーターのディメンジョンと関係するが、なるべく
結晶化を進めない様に配向性のみを緩める様な温度条件
が好ましい。弛緩熱処理糸のSHDが0〔%〕以下とな
ることが必要である。
【0021】ポリエステルマルチフィラメントBはポリ
エステルを溶融紡糸し、不均一延伸し、必要に応じて、
熱セットし、収縮率を調整して得られる。溶融紡糸の
際、例えば、紡糸ノズルのホール形状をC字型にしてお
けば、フィラメントの外周形状と中空部の形状が共に丸
横断面の中空横断面フィラメントが得られる。紡糸速度
2000〜3500〔m/min〕程度の未延伸糸が好
適に使用できる。不均一延伸は予熱温度を室温〜ガラス
転移温度とし、摩擦抵抗体で摩擦しながら未延伸糸の自
然延伸比前後の低い延伸倍率を選定して、必要に応じ熱
セットして収縮率を調節し、SHDが0〔%〕より大で
URが15.0〔%〕以上の不均一延伸糸として引き取
る。この際、ポリエステルマルチフィラメントAのSH
DよりSHDが5.0〔%〕以上大なることが必要であ
る。
【0022】前記の様にして得られたポリエステルマル
チフィラメントAとポリエステルマルチフィラメントB
とを引き揃え流体交絡処理する。流体交絡処理ノズルは
所謂、インターレーサーノズルやタスランノズル等が好
適に使用できる。流体交絡処理された複合糸はDiが2
0〔ケ/m〕以上、100〔ケ/m〕以下であることが
必要である。
【0023】複合糸は必要に応じて加撚され、製編織さ
れて染色加工される。加撚する場合の撚数は複合糸のデ
ニールをD、撚数をTとした場合TXD1/2 が3500
0程度以下が好ましい。染色加工時にアルカリ処理して
減量加工することは風合いのソフト化、ドレープ性の向
上の観点から好ましい。複合糸を構成するフィラメント
の一部あるいは全部がカオリナイトを含有するポリエス
テルである時、フィラメントの表面に微細孔を形成し、
ドライ感が向上する。張り腰感を保持するために減量率
は30〔%〕程度に留めておくのが好ましい。染色され
ることにより、ポリエステルマルチフィラメントBは繊
維軸方向に染着差を有するものとなる。
【0024】次に、本発明中で用いた測定法について記
す。 〔SHD〕(乾熱160℃収縮率) 適当な枠周のラップリールで初荷重1/10〔g/de
n〕で8回巻のカセを取り、カセに1/30〔g/de
n〕の荷重をかけその長さL0 〔cm〕を測定する。次
いで、その荷重を取り除き、1/1000〔g/de
n〕の荷重をかけた状態でカセを沸騰水中に30分間浸
漬する。その後カセを沸騰水中から取り出し、冷却後、
再び1/30〔g/den〕の荷重をかけて、その時の
カセの長さL1 〔cm〕を測定する。次いで60〔℃〕
で30分間乾燥した後、1/1000〔g/den〕の
荷重をかけた状態で160〔℃〕のオーブン中で20分
間熱処理する。次いで、冷却後、再び1/30〔g/d
en〕の荷重をかけて、その時の長さL2 〔cm〕を測
定する。沸水収縮率とSHD(160℃乾熱収縮率)は
下記により、算出される。 沸水収縮率〔%〕={(L0 −L1 )/L0 }×100 SHD〔%〕={(L0 −L2 )/L0 }×100
【0025】〔Di〕(交絡度) 適当な長さの糸を取り出し、下端に1/1000〔g/
den〕の荷重をかけて、垂直に吊り下げる。次いで適
当な針を糸中につきさし、ゆっくりと持ち上げ、荷重が
持ち上がるまでに移動する距離l〔cm〕を20回測定
し、平均値L〔cm〕を算出する。Diは次式により算
出する。 Di〔ケ/m〕=100/(2×L)
【0026】〔UR〕(太細斑) 計測器工業社製ウースターイーブネステスターを用い、
ノルマルテストにて測定する。マルチフィラメントのデ
ニールに応じてスロットを選定し、仮撚を付与しながら
糸速50〔m/min〕で2分間測定し、2.5〔cm
/min〕の速度でチャートを描かせる。その際、マル
チフィラメントの平均デニールがチャートの中央に描か
れる様、調節しておく。得られた5〔cm〕のチャート
を2等分し、各々の区域の最大値をH1 、H2 、最小値
をL1 、L2 とする時、UR(太細斑)は次式により算
出される。 UR〔%〕=(|H1 +H2 |)/2+(|L1 +L2
|)/2
【0027】
【実施例】以下、具体的実施例をあげて説明する。
【0028】
【実施例1】極限粘度0.62のポリエチレンテレフタ
レートブライトレジンを18ケの3葉横断面ノズルホー
ルから溶融吐出し、冷却して、3000〔m/min〕
の速度で引き取り、ポリエステルPOYを得た。該PO
Yを予熱温度80〔℃〕、延伸倍率1.66倍に延伸
し、20デニール/18フィラメントの高収縮延伸マル
チフィラメントを得た。該高収縮延伸マルチフィラメン
トを糸速300〔m/min〕、弛緩率45〔%〕、非
接触式ヒーター長25〔cm〕、ヒーター温度260
〔℃〕で弛緩熱処理し、30デニール/18フィラメン
ト、SHDが−4.2〔%〕の弛緩熱処理糸を得た。一
方、極限粘度0.62のポリエチレンテレフタレートセ
ミダルレジンを18ケのC字型ノズルホールから溶融吐
出し、冷却して、2600〔m/min〕の速度で引き
取り15.0〔%〕の中空部を有する中空横断面フィラ
メントから構成されたポリエステル未延伸糸を得た。該
ポリエステル未延伸糸を予熱温度76〔℃〕、延伸倍率
1.65倍で110〔℃〕に加熱された摩擦抵抗体に5
0〔cm〕長にわたって接触させ、延伸し、延伸が実質
的に完了するローラの温度を100〔℃〕として引き取
り75デニール/18フィラメントの不均一延伸糸を得
た。該不均一延伸糸のSHDは10.0〔%〕、URは
30.0〔%〕であった。弛緩熱処理糸と不均一延伸糸
を引き揃え、オーバーフィード率0.4〔%〕でインタ
ーレーサーノズルを用いて、エアー圧力3.0〔kg/cm
2 〕で流体交絡処理し、105デニール/36フィラメ
ントの複合糸を得た。Diは55〔ケ/m〕であった。
該複合糸にS1500〔T/mの加撚を行い70〔℃〕
40分間の湿熱セットを施し、経糸密度174〔本/イ
ンチ〕、緯糸密度96〔本/インチ〕で2/2のツイル
組織に製織し、生機織物を得た。該生機織物をリラック
ス、プレセット、アルカリ減量処理(15〔%〕)を行
い、分散染料で茶色に高圧染色し、染色加工反を得た。
該染色加工反はソフト感、ふくらみ感、ドライ感、張り
腰感に優れ、好ましい霜降り調外観を有するものであっ
た。
【0029】
【実施例2】実施例1の不均一延伸糸に関し、平均粒径
が0.3〔μm〕のカオリナイトを2.0〔重量%〕含
有したポリエチレンテレフタレートに変更した他は実施
例1と同様に染色加工反を得た。電子顕微鏡で観察する
と、該染色加工反の一部の構成フィラメント表面には微
細孔が形成されており、実施例1の染色加工反に比較
し、更にドライ感を向上させた好ましいものであった。
【0030】
【実施例3】実施例1の弛緩熱処理糸と不均一延伸糸の
両者に関し、平均粒径が0.3〔μm〕のカオリナイト
を2.0〔重量%〕含有したポリエチレンテレフタレー
トに変更した他は実施例1と同様に染色加工反を得た。
電子顕微鏡で観察すると、該染色加工反の全部の構成フ
ィラメント表面には微細孔が形成されており、実施例
1,2の染色加工反に比較し、更にドライ感を向上させ
た極めて好ましいものであった。
【0031】
【比較例1】実施例1の弛緩熱処理糸のかわりに30デ
ニール/18フィラメントでSHDが3.0〔%〕のホ
リエチレンテレフタレートマルチフィラメント延伸糸に
変更した他は実施例1と同様に染色加工反を得た。該染
色加工反はソフト感、ふくらみ感に関し、満足できなか
った。
【0032】
【比較例2】実施例1の弛緩熱処理糸のかわりに30デ
ニール/18フィラメントでSHDが−1.0〔%〕の
熱伸長糸を用い、不均一延伸糸として、SHDが3.0
〔%〕の不均一延伸糸に変更した。染色加工反はソフト
感、ふくらみ感に乏しいものであった。
【0033】
【比較例3】実施例1に対し、弛緩熱処理糸と不均一延
伸糸を合糸しただけで、流体交絡処理すること無く巻き
取った。加撚の工程で複合糸の解舒性が悪く糸切れが発
生し、製織性も良くなかった。
【0034】
【比較例4】実施例1の不均一延伸糸を構成するフィラ
メントの横断面を中実円形フィラメントに変更し、若干
の織密度修正を行った他は実施例1と同様にして染色加
工反を得た。該染色加工反はソフト感、ふくらみ感、ド
ライ感、霜降り調外観は良好であるが、張り腰感に欠
け、たらついた風合いになってしまった。
【0035】
【比較例5】実施例1の不均一延伸糸のかわりに繊維軸
方向にほぼ均整でURが5.5〔%〕SHDが10.0
〔%〕の75デニール/18フィラメントポリエチレン
テレフタレートマルチフィラメントに変更した他は実施
例1と同様に染色加工反を得た。該染色加工反はソフト
感、ふくらみ感、張り腰感に関し良好ながら、ドライ感
に欠け、霜降りの全く感じられない単調な外観品位を有
するものとなった。
【0036】
【発明の効果】本発明のポリエステル複合糸は熱伸長糸
と熱収縮糸との組合せによる複合糸であることから、ソ
フト感、ふくらみ感に優れた織編物を提供し得る。又、
熱収縮糸が繊維軸方向に太細斑を有していることから、
ドライ感とナチュラルな杢調あるいは霜降り調外観を呈
する。熱収縮糸である繊維軸方向に太細斑を有するマル
チフィラメントが中空横断面フィラメントで構成されて
いることから、適度な張り腰感を有している。本発明の
ポリエステル複合糸は婦人衣料、紳士衣料、生活資材等
広い用途に展開可能な新規なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 宏 大阪市北区堂島浜二丁目2番8号 東洋紡 績株式会社本社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式 (1)〜(3) を満足するポリエステ
    ルマルチフィラメントAと繊維軸方向に太細斑を有する
    ポリエステルマルチフィラメントBとを少なくとも含む
    交絡複合糸であって、該ポリエステルマルチフィラメン
    トBを構成するフィラメントの横断面が中空横断面を有
    する、交絡度(Di)が20〜100ケ/mであること
    を特徴とするポリエステル複合糸。 SHD(A)≦0〔%〕………………………………………………(1) SHD(B)>0〔%〕………………………………………………(2) SHD(B)−SHD(A)≧5.0〔%〕………………………(3) (但し、SHD(A)はポリエステルマルチフィラメン
    トAの160℃乾熱収縮率〔%〕,SHD(B)はポリ
    エステルマルチフィラメントBの160℃乾熱収縮率
    〔%〕を示す。)
  2. 【請求項2】 ポリエステルマルチフィラメントAとポ
    リエステルマルチフィラメントBの一方又は両方がカオ
    リナイトを含有するポリエステルからなることを特徴と
    する請求項1記載のポリエステル複合糸。
  3. 【請求項3】 ポリエステルマルチフィラメントBが下
    記式(4) を満足することを特徴とする請求項1及び2記
    載のポリエステル複合糸。 UR(B)≧20.0〔%〕…………………………………………(4) (但し、UR(B)はポリエステルマルチフィラメント
    Bの太細斑〔%〕を示す。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030051931A (ko) * 2001-12-20 2003-06-26 주식회사 효성 흡수성 폴리에스테르 가연가공사 및 이의 제조방법

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KR20030051931A (ko) * 2001-12-20 2003-06-26 주식회사 효성 흡수성 폴리에스테르 가연가공사 및 이의 제조방법

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