JPH07323792A - 自動車用インシュレータダッシュの製造方法 - Google Patents

自動車用インシュレータダッシュの製造方法

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JPH07323792A
JPH07323792A JP12022794A JP12022794A JPH07323792A JP H07323792 A JPH07323792 A JP H07323792A JP 12022794 A JP12022794 A JP 12022794A JP 12022794 A JP12022794 A JP 12022794A JP H07323792 A JPH07323792 A JP H07323792A
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雅浩 生田
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俊介 長木
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C66/00General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

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  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フェルトを素材とした吸音材層と可撓性シー
トを素材とした遮音材層との積層構造体からなるインシ
ュレータダッシュの製造方法において、接着剤を廃止す
ることにより、工数低減、作業環境の改善を図るととも
に、種々のフェルトを使用できるように、材料選択の自
由度を向上させるとともに、接着力の調整を容易に行な
え、しかもプレス圧を低く設定できるインシュレータダ
ッシュの製造方法を提供することを目的とする。 【構成】 フェルトF1,F2、もしくは可撓性シート
Sのいずれか一方側の表面に低融点の熱可塑性樹脂パウ
ダー21を散布し、コールドプレス成形用型内にフェル
トF1,F2と予熱軟化した可撓性シートSをセットし
て、可撓性シートSの熱により熱可塑性樹脂パウダー2
1を溶融させて、可撓性シートSとフェルトF1,F2
との接着一体化を図り、低圧プレスで良好な接合強度を
備えたインシュレータダッシュ10を成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ダッシュパネルの室
内側に添設固定される自動車用インシュレータダッシュ
の製造方法に関するもので、特に、遮音材層と吸音材層
との接合に接着剤を廃止することを、種々のタイプのフ
ェルトに適用できるようにした自動車用インシュレータ
ダッシュの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、図17に示すように、エンジン
ルームEと車室Rとを区画するダッシュパネル1の車室
側面上には、エンジンルームEから車室R内への騒音の
伝播を防止するために、インシュレータダッシュ2が設
置されている。
【0003】そして、このインシュレータダッシュ2
は、図18に示すように、充填材等を混入した塩ビシー
ト,ゴムシート等の遮音材層3と、フェルト,ポリウレ
タンフォーム等多孔質基材からなる吸音材層4との2層
構造体のものが一般に使用されている。
【0004】そして、上記吸音材層4により、エンジン
ルームEからの騒音を吸音するとともに、ダッシュパネ
ル1と遮音材層3との間の2重壁遮音効果により、上記
吸音効果と併せて良好な防音特性を発揮するようにして
いる。
【0005】ところで、上記吸音材層4としては、コス
ト的に有利なフェルトが使用されることが多く、特に、
複雑なパネル形状に対応するために、プレヒート後、コ
ールドプレス成形により所望の曲面形状に成形される熱
成形用フェルトが多用される傾向にある。
【0006】そして、熱成形用フェルトを使用したイン
シュレータダッシュ2の製造工程を、図19において示
すと、所要形状に成形された吸音材層4の表面に、接着
剤5を塗布したものをコールドプレス成形用下型6a上
にセットし、同様に所要形状に成形された遮音材層3を
コールドプレス成形用上型6bの型面上にセットして、
コールドプレス成形用上下型6a,6bを圧締めするこ
とにより、接着剤5を介して遮音材層3と吸音材層4と
をプレス一体化している。
【0007】したがって、図19に示す方法では、遮音
材層3と吸音材層4とのプレス工程で、接着剤5を介し
て両者を貼り合わせ一体化しているため、接着剤5のス
プレー工程が必要であり、作業工数が多くかかるととも
に、接着剤のコストが付加され、大幅なコストアップを
招来するという問題点が指摘されている。
【0008】さらに、接着剤5による製品汚れや設備汚
れ等の不具合があるとともに、接着剤5使用による作業
環境の悪化という欠点も同時に指摘されている。
【0009】出願人は、遮音材層3と吸音材層4との接
着に際して、接着剤を廃止して行なう方法を、先に、特
願平2−176560号として出願している。
【0010】このものは、図20,図21に示すよう
に、熱成形用フェルトを予め所要形状に成形して吸音材
4を成形したのち、この吸音材層4をコールドプレス成
形用下型6a上にセットし、遮音材層3の素材である可
撓性シートsを加熱軟化させた状態で、吸音材層4の上
方にクランプ装置7等によりセットし、コールドプレス
成形用上下型6a,6bの係合圧締めにより、接着剤を
使用することなく、遮音材層3と吸音材層4とを一体化
するというものである。
【0011】なお、遮音材層3と吸音材層4との接着
は、加熱軟化している可撓性シートsの熱により、吸音
材層4中に含浸している熱可塑性樹脂が接着剤の機能を
果たすというものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のイ
ンシュレータダッシュ2の製造方法では、接着剤5を使
用する不利益があり、接着剤5を廃止する目的で、出願
人は先願発明を出願しているが、この先願例においても
以下に記載する欠点があった。
【0013】すなわち、この方法では、加熱軟化状態の
可撓性シートsの熱により熱成形用フェルト内の熱可塑
性樹脂を溶融させることが必要であるため、吸音材層4
の素材として、低融点の熱可塑性樹脂をバインダとして
混入したフェルトに制約され、吸音材層4の材料選択自
由度が大幅に制限されるという欠点があった。
【0014】さらに、熱成形用フェルト内の熱可塑性樹
脂がフェルト表面側にしみ出すように、プレス圧を大き
くかけなければならず、そのため、吸音材層4の潰れが
生じやすく、ダッシュパネル2と遮音材層3との間のク
リアランスを所定寸法に維持することが困難であり、こ
のことにより、遮音性能の低下をもたらすという欠点が
指摘されているとともに、フェルト内に混入している熱
可塑性樹脂では、遮音材層と吸音材層との強固な接着力
を保証できないという欠点もあった。
【0015】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたもので、フェルトを素材とした吸音材層と熱成形可
能な可撓性シートを素材とした遮音材層との積層体から
なる自動車用インシュレータダッシュの製造方法におい
て、遮音材層と吸音材層との接合に接着剤を使用するこ
となく、工程の短縮化ならびに良好な作業環境を確保す
ることを前提とし、しかも、熱成形用フェルトに制約さ
れることなく、全てのタイプのフェルトを対象として使
用でき、かつ、プレス圧も大幅に緩和でき、良好な遮音
性能を維持することを可能にした自動車用インシュレー
タダッシュの製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明方法は、吸音材層の素材であるフェルト、あ
るいは遮音材層の素材である可撓性シートのいずれか一
方側の表面に、低融点の熱可塑性樹脂パウダーを散布
し、コールドプレス型内に素材をセットしてプレス加工
を行なえば、予熱軟化される可撓性シートの熱により、
熱可塑性樹脂パウダーを溶融させ、コールドプレス型内
で、フェルトと可撓性シートとを接着剤を介することな
くプレス一体化することを特徴とする。
【0017】上記吸音材層の素材となるフェルトとして
は、熱硬化性樹脂をバインダーとした非成形フェルト、
熱可塑性樹脂,熱硬化性樹脂双方をバインダーとした熱
成形可能な熱成形用フェルト、または、高融点の繊維と
熱融着繊維とをマット状に積層した熱成形用フェルトな
ど、種々のタイプのフェルトを使用することができる。
【0018】
【作用】以上の構成から明らかなように、フェルトある
いは可撓性シートのいずれか一方側に散布される熱可塑
性樹脂パウダーを利用して、フェルトと可撓性シートの
接合一体化を図るため、熱可塑性樹脂をバインダーとし
て混入した熱成形用フェルトだけに適用されることな
く、例えば、熱硬化性樹脂のみをバインダーとした非成
形フェルトや、高融点繊維と熱融着性繊維とをマット状
に積層した熱成形用フェルトにも対応でき、種々のタイ
プのフェルトを素材として使用することができる。
【0019】さらに、フェルトと可撓性シートとの接合
力は、熱可塑性樹脂パウダーの散布量で調整することが
できる。
【0020】また、熱可塑性樹脂パウダーを溶融活性化
させれば、フェルトと可撓性シートとの強固な接合が図
れるため、プレス圧力が小さくて済み、そのため、フェ
ルトの潰れが生じない。
【0021】
【実施例】以下、本発明に係る自動車用インシュレータ
ダッシュの製造方法について、添付図面を参照しながら
詳細に説明する。
【0022】図1は本発明方法により製作した自動車用
インシュレータダッシュの構成を示す断面図、図2ない
し図5は本発明方法の第1実施例を示すもので、図2は
第1実施例の工程チャート図、図3ないし図5は各工程
を説明する断面図、図6ないし図10は本発明方法の第
2実施例を示すもので、図6は第2実施例の工程チャー
ト図、図7ないし図10は各工程を示す断面図、図11
ないし図15は本発明方法の第3実施例を示すもので、
図11は第3実施例の工程チャート図、図12ないし図
15は第3実施例の各工程を示す断面図、図16は第3
実施例の変形例を示す工程チャート図である。
【0023】まず、本発明方法を適用する自動車用イン
シュレータダッシュ10の構成について、図1に基づい
て説明する。
【0024】自動車用インシュレータダッシュ10は、
充填材を混入した塩ビシート,ゴムシート等の熱可塑性
で、かつ可撓性を備えた遮音材層11と、この遮音材層
11の裏面側に一体貼着されるフェルトを素材とした吸
音材層12とから大略構成されており、ダッシュパネル
13の車室内側面上に添装固定されている。
【0025】次いで、図2ないし図5に基づいて、上記
インシュレータダッシュ10の製造方法における第1実
施例について説明する。
【0026】この第1実施例における製造方法は、図2
のチャート図に示すように、非成形フェルトF1の表面
に低融点の熱可塑性樹脂パウダー21を散布するパウダ
ー散布工程と、遮音材層11の素材である可撓性シート
Sを予熱軟化させるシートの予熱工程と、コールドプレ
ス型内でフェルトF1とシートS(パウダー散布面をシ
ート側に向けてフェルトをセットする)とをプレス一体
化するプレス成形工程とからなる。
【0027】次に、図3ないし図5に基づいて、各工程
を詳細に説明すると、まず、図3に示すように、非成形
フェルトF1の表面側にふるい20等を通じて、低融点
の熱可塑性樹脂パウダー21を均一に散布する。
【0028】上記非成形フェルトF1は、綿糸,化繊,
天然繊維,繊維くず等の原綿を、フェノール樹脂等の熱
硬化性樹脂により結合したもので、原反厚みは30mm
である。
【0029】また、低融点の熱可塑性樹脂パウダー21
としては、本実施例では、ポリエチレン樹脂を使用して
いるが、軟化点が低いものであれば、他の熱可塑性樹脂
に代替が可能であり、また、熱可塑性樹脂パウダー21
の散布量は10〜30g/m2である。
【0030】次いで、コールドプレス成形用下型30の
型面上に、樹脂パウダー21を散布した非成形フェルト
F1をパウダー散布面を上側にしてセットするととも
に、コールドプレス成形用下型30と上方位置にあるコ
ールドプレス成形用上型31との間に遮音材層11の素
材である可撓性シートSをクランプ装置32により周縁
を保持した状態でセットする。
【0031】なお、本実施例では、可撓性シートSとし
て、エチレンプロピレンラバーシートを使用しており、
120±10℃の温度をもつように、予め図示しないヒ
ーター装置により予備加熱されている。
【0032】その後、図5に示すように、コールドプレ
ス成形用上型31が、図示しない昇降装置の駆動により
下降して、コールドプレス成形用上下型30,31によ
り、可撓性シートSと非成形フェルトF1とをプレス一
体化する。
【0033】このとき、可撓性シートSは120±10
℃に加熱されており、この熱により非成形フェルトF1
の表面に散布されている熱可塑性樹脂パウダー21が溶
融して、接着剤の役目をし、可撓性シートSと非成形フ
ェルトF1とが強固に接合するとともに、可撓性シート
Sが絞り成形され、非成形フェルトF1が可撓性シート
Sの形状に追随する形となり、図1に示すインシュレー
タダッシュ10の成形が完了する。
【0034】なお、このときのプレス圧は1t/m 2
あり、成形品の最少厚みは、原反厚みの1/5程度で6
mmである。
【0035】このように、本実施例によれば、従来、接
着剤を必要とした非成形フェルトF1と可撓性シートS
との接合に、接着剤を不要とすることにより、接着剤の
スプレー工程が廃止でき、作業環境の改善が図れるとと
もに、プレス1工程で、遮音材層11と吸音材層12と
の一体プレス成形が可能となり、工程を大幅に短縮化で
きるという利点がある。
【0036】加えて、遮音材層11と吸音材層12との
接着力は、非成形フェルトF1の表面に散布する熱可塑
性樹脂パウダー21の散布量により調整することがで
き、接着力の微調整が簡単に行なえるとともに、従来の
ように、プレス圧により接着力を高めるというものでは
ないため、プレス圧も低く抑えることができ、プレス設
備の簡素化や、過度のプレスにより吸音材層12が潰れ
て遮音性能が損われる等のような従来不具合も有効に解
決できるなど、実用的価値が大きい。
【0037】次いで、図6ないし図10に基づいて、本
発明方法の第2実施例について説明する。
【0038】この第2実施例における製造方法は、図6
に示すように、吸音材層12の素材として使用する熱成
形用フェルトF2の表面側に、低融点の熱可塑性樹脂パ
ウダー21を散布するパウダー散布工程と、熱成形用フ
ェルトF2ならびに遮音材層11の素材である可撓性シ
ートSをそれぞれ軟化させる予熱軟化工程と、予熱軟化
状態の熱成形用フェルトF2と可撓性シートSとをコー
ルドプレス成形型内で所要形状に成形するプレス成形工
程とからなる。
【0039】次に、第2実施例の各工程を図7ないし図
10を基に説明する。
【0040】まず、図7に示すように、熱成形用フェル
トF2の表面側に低融点の熱可塑性樹脂パウダー21を
散布する。このときの熱可塑性樹脂パウダー21の散布
量としては、10〜30g/m 2の面密度になるように
調整する。
【0041】この熱成形用フェルトF2の構成は、化
繊,綿糸等の原綿中に、ポリエチレン樹脂等の熱可塑性
樹脂とフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の双方をバイン
ダーとして混入したもので、熱成形用フェルトF2中の
ポリエチレン含有量としては、7〜8g/cm3 に調整
されている。
【0042】次に、図8に示すように、熱風加熱炉40
内でパウダー散布を行なった熱成形用フェルトF2を予
熱軟化させる。
【0043】なお、予熱温度は120〜180℃であ
る。
【0044】次いで、図9に示すように、コールドプレ
ス成形用下型50の型面上に、予熱された熱成形用フェ
ルトF2をセットするとともに、その上方に第1実施例
と同一であるため詳しい説明は省略するが、予熱軟化状
態の可撓性シートSを、周縁をクランプ装置52により
保持した状態でコールドプレス成形用上下型50,51
内にセットする。
【0045】なお、コールドプレス成形用下型50に
は、圧空孔53が圧空管54を通じて、圧空ポンプ55
に接続しており、プレス成形と併行して、下型50に設
置した圧空機構により、成形フェルトF2を強制冷却す
る工法を採用している。
【0046】すなわち、図10に示すように、コールド
プレス成形用上型51が図示しない昇降機構の可動によ
り下降して、コールドプレス成形用上下型50,51に
より所定圧2kg/m 2で係合され、このプレス圧に加
えて、下型50に設けた圧空孔53を通じて、エアが熱
成形用フェルトF2内に送り込まれ、熱成形用フェルト
F2が強制冷却され、図1に示すように、遮音材層11
と吸音材層12とが所要形状に一体プレスされる。
【0047】このとき、第1実施例同様、可撓性シート
Sのもつ熱により、熱成形用フェルトF2の表面に散布
された熱可塑性樹脂パウダー21が溶融して、両者間の
接着媒体として有効に作用し、機能するため、接着剤を
廃止できることは第1実施例同様である。
【0048】また、本実施例では、圧空アシストプレス
成形を使用するため、熱成形用フェルトF2を強制冷却
でき、コールドプレス成形用上下型50,51によるプ
レス圧は極めて小さくて済む。
【0049】以上は本発明方法に使用する吸音材層12
の素材として、非成形フェルトF1、並びに熱可塑性樹
脂をバインダーとして混入した熱成形用フェルトF2を
対象として説明したが、このほかに高融点繊維と熱融着
繊維とを適宜割合でマット状に積層した熱成形用フェル
トを使用することも可能であり、種々のタイプのフェル
トが吸音材層12の素材として利用できる。
【0050】さらに、可撓性シートSをコールドプレス
成形する際、コールドプレス成形用上型31,51に真
空吸引手段を付与しておけば、可撓性シートSの成形精
度が向上するとともに、プレス圧を低く設定できる。
【0051】次に、本発明の第3実施例について、図1
1ないし図15に基づいて説明する。
【0052】第3実施例における製造方法は、図11に
示すように、遮音材11の素材である可撓性シートS
に、低融点の熱可塑性樹脂パウダー21を散布するパウ
ダー散布工程と、パウダーを散布した可撓性シートSを
所定温度に加熱する予熱工程と、コールドプレス成形型
内に可撓性シートSと非成形フェルトF1とをセットし
てプレス一体化するプレス成形工程とからなる。
【0053】すなわち、図12に示すように、可撓性シ
ートSの表面側にふるい20から低融点の熱可塑性樹脂
パウダー21を散布する。このときの散布量としては、
第1実施例よりも少なくてよい。例えば、10〜30g
/m 2に調整する。
【0054】その後、図13に示すように、赤外ヒータ
ー装置60により可撓性シートSを所定温度まで加熱軟
化させる。
【0055】このとき、可撓性シートSの表面に散布さ
れている熱可塑性樹脂パウダー21は、溶融状態とな
る。
【0056】その後、コールドプレス成形用下型70上
に、周縁をクランプ装置72により保持した状態で、可
撓性シートSをパウダー散布面を上側にしてセットする
とともに、その上側に非成形フェルトF1を載置する。
【0057】そして、図15に示すように、コールドプ
レス成形用上型71を下降させることにより、可撓性シ
ートSと非成形フェルトF1とをプレス一体化する。
【0058】このとき、可撓性シートSの一面側に溶融
状態である熱可塑性樹脂が接着媒体として機能し、非成
形フェルトF1と可撓性シートSとを強固に一体化し
て、図1に示すインシュレータダッシュ10の成形が完
了する。
【0059】この第3実施例についても、接着剤を廃止
できる利点、プレス1工程で成形が完了する利点等、上
述実施例同様の作用効果を有するとともに、特に、第3
実施例においては、可撓性シートSの表面側に熱可塑性
樹脂パウダー21を散布することにより、散布した熱可
塑性樹脂パウダー21は全て有効に接着媒体として使用
することができ、上述実施例のように、フェルトF1,
F2内にパウダー21が入り込み、一部のパウダー21
が接着に寄与しないという不具合が生じる恐れがなく、
熱可塑性樹脂パウダー21を有効に利用できるという利
点がある。
【0060】なお、この第3実施例では、非成形フェル
トF1を使用したが、熱成形用フェルトF2を使用して
もよく、その場合、熱成形用フェルトF2を熱風等によ
り予備加熱するとともに、コールドプレス上型71に圧
空機構を付設すれば、成形フェルトF2にも対応でき
る。
【0061】さらに、図16に示すように、可撓性シー
トSに熱可塑性樹脂パウダー21を散布するタイミング
として、可撓性シートSを赤外ヒーター60により所定
温度に加熱したのち、熱可塑性樹脂パウダー21を散布
してもよく、この方法の場合、熱可塑性樹脂パウダー2
1が可撓性シートSの表面に粘着し、プレス金型70に
セットする場合などにパウダー21が飛散することがな
く、熱可塑性樹脂パウダー21のロスが少なくて済むと
いう利点がある。
【0062】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明方法は、以下
に記載する格別の作用効果を有する。
【0063】(1)フェルトあるいは可撓性シートのい
ずれか一方側の表面に、低融点の熱可塑性樹脂パウダー
を散布して、プレス成形前に予熱軟化させた可撓性シー
トの熱により、可撓性シートとフェルトとを接着一体化
する方法であるため、接着剤が不要となり、接着剤のス
プレーコーティング工程が廃止でき、作業工数を低減で
きるとともに、良好な作業環境を確保することができる
という効果を有する。
【0064】(2)フェルト、可撓性シートのいずれか
一方側の表面にと、熱可塑性樹脂パウダーを散布して、
予熱軟化した可撓性シートの熱により、この熱可塑性樹
脂パウダーを溶融させてフェルトと可撓性シートとの接
着に利用するという方法であるため、フェルトの素材と
して、非成形フェルト,熱成形用フェルト等種々のタイ
プのフェルトを使用することができ、吸音材層の材料選
択の自由度を大幅に拡大させることができるという作用
効果を有する。
【0065】(3)可撓性シートとフェルトとの接着力
の調整は、散布する熱可塑性樹脂パウダーの散布量で調
整できるため、遮音材層と吸音材層との間の接着力を簡
単に制御することができるという効果を有する。
【0066】(4)フェルトあるいは可撓性シートのい
ずれか一方側の表面に、接着媒体となる熱可塑性樹脂パ
ウダーを散布しておけば、可撓性シートを予熱軟化した
のち、コールドプレス成形型内で可撓性シートとフェル
トとをプレス一体化でき、プレス1工程で成形が完了す
るため、工程数を大幅に簡素化できるという効果を有す
る。
【0067】(5)フェルトあるいは可撓性シートのい
ずれか一方側の表面に、低融点の熱可塑性樹脂を散布
し、予熱軟化した可撓性シートの熱により、この熱可塑
性樹脂パウダーを溶融させて、可撓性シートとフェルト
とをプレス一体化するという工法であるため、従来のよ
うに、プレス圧によりフェルト内部の熱可塑性樹脂を活
性化させることがないため、プレス圧を小さく設定で
き、プレス設備の簡素化によるコスト低減を図ることが
できるとともに、フェルトの潰れを可及的に防止でき、
インシュレータダッシュの厚みを精度良く制御でき、所
望の遮音性能を良好に維持することができるという効果
を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法により製作した自動車用インシュレ
ータダッシュの構成を示す断面図。
【図2】本発明方法の第1実施例における工程チャート
図。
【図3】本発明方法の第1実施例におけるパウダー散布
工程を示す断面図。
【図4】本発明方法の第1実施例における素材のセット
工程を示す断面図。
【図5】本発明方法の第1実施例におけるプレス成形工
程を示す断面図。
【図6】本発明方法の第2実施例における工程チャート
図。
【図7】本発明方法の第2実施例におけるパウダー散布
工程を示す断面図。
【図8】本発明方法の第2実施例における熱成形用フェ
ルトの予熱工程を示す断面図。
【図9】本発明方法の第2実施例における素材のセット
工程を示す断面図。
【図10】本発明方法の第2実施例におけるプレス成形
工程を示す断面図。
【図11】本発明方法の第3実施例における工程チャー
ト図。
【図12】本発明方法の第3実施例におけるパウダー散
布工程を示す断面図。
【図13】本発明方法の第3実施例における可撓性シー
トの予熱工程を示す断面図。
【図14】本発明方法の第3実施例における素材のセッ
ト工程を示す断面図。
【図15】本発明方法の第3実施例におけるプレス成形
工程を示す断面図。
【図16】本発明方法の第3実施例の変形例を示す工程
チャート図。
【図17】自動車用インシュレータダッシュの設置箇所
を示す説明図。
【図18】従来のインシュレータダッシュの構成を示す
断面図。
【図19】従来のインシュレータダッシュの製造方法を
示す断面図。
【図20】従来のインシュレータダッシュの製造方法に
おける素材のセット工程を示す断面図。
【図21】従来のインシュレータダッシュの製造方法に
おけるプレス成形工程を示す断面図。
【符号の説明】
10 自動車用インシュレータダッシュ 11 遮音材層 12 吸音材層 21 熱可塑性樹脂パウダー 30,50,70 コールドプレス成形用下型 31,51,71 コールドプレス成形用上型 40 熱風加熱炉 60 赤外ヒーター装置 F1 非成形フェルト F2 熱成形用フェルト S 可撓性シート

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンルーム(E)と車室(R)とを
    区画するダッシュパネル(13)の車室内側面上に設置
    され、フェルト(F1,F2)からなる吸音材層(1
    2)と、熱成形可能な可撓性シート(S)からなる遮音
    材層(11)との積層体から構成される自動車用インシ
    ュレータダッシュの製造方法において、 フェルト(F1,F2)の一方側表面に、低融点の熱可
    塑性樹脂パウダー(21)を散布するパウダー散布工程
    と、 可撓性シート(S)を熱可塑性樹脂パウダー(21)の
    軟化温度以上の温度に加熱軟化したのち、コールドプレ
    ス型(30,31)内に、上記フェルト(F1,F2)
    と可撓性シート(S)とをセットし、可撓性シート
    (S)の熱により熱可塑性樹脂パウダー(21)を溶融
    して、可撓性シート(S)とフェルト(F1,F2)と
    を接着させるとともに、遮音材層(11)と吸音材層
    (12)とを所要形状に一体成形するプレス成形工程
    と、 からなることを特徴とする自動車用インシュレータダッ
    シュの製造方法。
  2. 【請求項2】 フェルト(F2)は、内部に熱可塑性樹
    脂あるいは熱融着繊維を混入した熱成形用フェルトであ
    り、コールドプレス型(30,31)内にセットする前
    に所定温度に予熱軟化されていることを特徴とする請求
    項1記載の自動車用インシュレータダッシュ製造方法。
  3. 【請求項3】 コールドプレス型(50,51)内で、
    フェルト(F1,F2)と可撓性シート(S)とをプレ
    ス一体化する際、一方側の型(50)に圧空機構(5
    2,53,54)が付与され、圧空工法を併用したこと
    を特徴とする請求項2記載の自動車用インシュレータダ
    ッシュの製造方法。
  4. 【請求項4】コールドプレス成形用上型(31,51)
    に真空吸引手段が付与され、可撓性シート(S)とフェ
    ルト(F1,F2)のプレス一体化の際、可撓性シート
    (S)が真空成形されることを特徴とする請求項1,2
    または3記載の自動車用インシュレータダッシュの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 エンジンルーム(E)と車室(R)とを
    区画するダッシュパネル(13)の車室内側面上に設置
    され、フェルト(F1,F2)からなる吸音材層(1
    2)と、熱成形可能な可撓性シート(S)からなる遮音
    材層(11)との積層体から構成される自動車用インシ
    ュレータダッシュの製造方法において、 前記可撓性シート(S)を軟化温点以上の温度に予熱軟
    化させる工程の前後いずれかに、一方側の表面に低融点
    の熱可塑性樹脂パウダー(21)を散布するパウダー散
    布工程と、 コールドプレス成形型(70,71)内に、パウダーを
    散布した可撓性シート(S)と、フェルト(F1,F
    2)を載置し、コールドプレス成形することにより、上
    記熱可塑性樹脂パウダー(21)を溶融させて、可撓性
    シート(S)とフェルト(F1,F2)との間の接着媒
    体として使用するとともに、遮音材層(11)と吸音材
    層(12)とを所要形状にプレス一体化するプレス成形
    工程と、 からなることを特徴とする自動車用インシュレータダッ
    シュの製造方法。
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