JPH0732344Y2 - フロントパネル構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、ワンボックス車のフロントパネルの構造に関
する。

〈従来の技術〉 ワンボックス車は、車体の床面積を最大限に利用するた
めに、エンジンルームとキャビンとトランクルームとを
一体にしたものである。このため、ワンボックス車では
フロントピラーにフロントパネルが固定される構造とな
っている。

第４図にはワンボックス車のメーンボデーを、第５図に
はフロントパネル取付部の断面を示してある。

第４図に示すように、メーンボデー１のフロントピラー
２にはフロントパネル３が固定されている。第５図に示
すように、フロントパネル３にはフロントパネルエクス
テンション４が接合され、フロントパネルエクステンシ
ョン４はフロントピラー２に固定されている。つまり、
フロントパネル３はフロントパネルエクステンション４
を介してフロントピラー２に固定されている。また、フ
ロントピラー２にはドアヒンジ５が固定され、ドアヒン
ジ５を介してドア６がフロントピラー２に取付けられて
いる。

フロントパネル３とフロントパネルエクステンション４
の接合端はシールが施こされ、接合部からの水等の浸入
を防止している。接合部のシールはドア６を開けた状態
で車室内側から行なう。

〈考案が解決しようとする課題〉 上述したフロントパネル３は、フロントパネルエクステ
ンション４が接合され、接合部が車室内側からシールさ
れている。ところが、フロントピラー２にはドアヒンジ
５を介してドア６が取付けられているため、ドアヒンジ
５に対向する接合部はドア６を開けてもドアヒンジ５が
邪魔になって車室内側からのシールが不可能となってい
る。このため従来は、ドアヒンジ５に対向する接合部は
シールされていない状態となっている。従来のフロント
パネル３とフロントパネルエクステンション４との接合
部には、シールされていない部位があるため、この部位
から雨水等がフロントパネル３とフロントパネルエクス
テンション４との間に浸入して溜り、パネルの内側に錆
が生じる虞れがあった。また、浸入した水が車室内に流
入する虞れがあった。

本考案は上記状況に鑑みてなれたもので、フロントパネ
ルとフロントパネルエクステンションとの接合部から水
が浸入しても、フロントパネルとフロントパネルエクス
テンションとの間に水が溜まることがなく、しかも車室
内に水が流入することがないフロントパネル構造を提供
することを目的とする。

〈課題を解決するための手段〉 上記目的を達成するための本考案の構成は、ワンボック
ス車のフロントパネルの構造であって、フロントピラー
に固定されるフロントパネルエクステンションをフロン
トパネルに接合すると共に、該フロントパネルとの間を
閉塞する底部を前記フロントパネルエクステンションに
形成し、前記フロントパネルエクステンションと前記フ
ロントパネルの接合部を車室内と仕切る仕切壁を設け、
外部に連通する水抜路を前記底部に設けたことを特徴と
する。

〈作用〉 フロントパネルとフロントパネルエクステンションの間
に接合部から水等が浸入しても、仕切壁によって車室内
への水の浸入が阻止されると共に、底部の水抜路から外
部に排出される。

〈実施例〉 第１図には本考案の一実施例に係るフロントパネル構造
を表わし、第２図にはその途中部、第３図にはその下部
の状態を示してある。

フロントパネル11にはフロントパネルエクステンション
12が接合され、フロントパネルエクステンション12には
フロントパネル11との間を閉塞する底部13が形成されて
いる。フロントパネルエクステンション12はフロントピ
ラー14に固定され、フロントパネルエクステンション12
を介してフロントパネル11はフロントピラー14に取付け
られる。

フロントピラー14にはドアヒンジ15が固定され、ドアヒ
ンジ15を介してドア16がフロントピラー14に取付けられ
ている。フロントパネル11とフロントパネルエクステン
ション12との接合部17の端部はシールが施こされ、接合
部17のシールはドア16を開けた状態で車室18の内側から
行なわれている。

接合部17におけるフロントパネルエクステンション12に
は、第２図に示すように、上下方向に延びる凹溝19が形
成されている。また、フロントパネルエクステンション
12の底部13には、第３図に示すように、フロントパネル
11及びフロントパネルエクステンション12の間と車室18
側とを仕切る仕切壁20が設けられると共に、底部13には
外部に連通する水抜路21が設けられている。

接合部17のシールはドア16を開けた状態で車室18の内側
から行なわれているため、ドアヒンジ15に対向する接合
部17はシールされていない状態となっている。シールさ
れていない部位の接合部17から水が浸入した場合、浸入
した水は凹溝19を伝わって下部に落下し、底部13から水
抜路21を通って外部に排出される。底部13では落下した
水が飛散しても仕切壁20により車室18側への水の浸入が
阻止される。また、シールされていない部位の接合部か
らフロントパネル11とフロントパネルエクステンション
12の間に水が浸入しても、仕切壁20によって車室18内へ
は水が浸入せずに水抜路21から外部に排出される。

上述したフロントパネル11の構造によると、シールされ
ていない部位の接合部17から水が浸入した場合、凹溝19
及び水抜路21によって水は外部に排出されると共に、仕
切壁20によって車室18内に水が入ることが阻止される。

〈考案の効果〉 本考案のフロントパネル構造は、接合部と車室内とを仕
切る仕切壁を設け、外部に連通する水抜路を底部に設け
たので、仕切壁によって車室内への水の浸入が阻止され
ると共に、水抜路から水が外部に排出される。この結
果、接合部にシールされていない部位が存在してフロン
トパネルとフロントパネルエクステンションとの間に水
が浸入しても、水が溜まることがなく、錆等が生じる虞
れがない。また、車室内に水が流入することがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るフロントパネル構造を
表わす断面図、第２図はその中間部の斜視図、第３図は
その下部の斜視図、第４図はワンボックス車のメーンボ
デーの斜視図、第５図は第４図中のＶ−Ｖ線矢視図であ
る。 図面中、 11はフロントパネル、12はフロントパネルエクステンシ
ョン、13は底部、14はフロントピラー、15はドアヒン
ジ、16はドア、17は接合部、18は車室、19は凹溝、20は
仕切壁、21は水抜路である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ワンボックス車のフロントパネルの構造で
   あって、フロントピラーに固定されるフロントパネルエ
   クステンションをフロントパネルに接合すると共に、該
   フロントパネルとの間を閉塞する底部を前記フロントパ
   ネルエクステンションに形成し、前記フロントパネルエ
   クステンションと前記フロントパネルの接合部を車室内
   と仕切る仕切壁を設け、外部に連通する水抜路を前記底
   部に設けたことを特徴とするフロントパネル構造。