JPH07322868A - 殺菌促進剤 - Google Patents

殺菌促進剤

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JPH07322868A
JPH07322868A JP14221194A JP14221194A JPH07322868A JP H07322868 A JPH07322868 A JP H07322868A JP 14221194 A JP14221194 A JP 14221194A JP 14221194 A JP14221194 A JP 14221194A JP H07322868 A JPH07322868 A JP H07322868A
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JP
Japan
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coffee
sterilization
extract
heat
coffee beans
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JP14221194A
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English (en)
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Atsuro Nishina
淳良 仁科
Fumiko Kajishima
史子 梶島
Kenichi Hashimoto
謙一 端本
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NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Publication date
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  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 コーヒー豆またはその残渣の抽出物からなる
殺菌促進剤 【効果】 本発明の抗菌助剤は、天然由来であるため安
全性が高く、しかも広範囲の耐熱芽胞菌に対して加熱に
よる殺菌促進剤としての効果を有する。そして、食品等
に添加することにより加熱殺菌時に耐熱芽胞菌の死滅速
度を速め、従来より低温で加熱殺菌できるので食品の劣
化を最小限に抑えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品を加熱処理して殺
菌を行う際に、食品にあらかじめ添加しておくことによ
り加熱による殺菌効果が高められる殺菌促進剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】食品の製造工程で加熱処理を行い、保存
性を高める方法は一般的に用いられている。特開昭47
ー16656号公報ではビーフカレーに対して所定のレ
トルト温度に達する前に一旦過大に昇温することによ
り、特開昭52ー66643号公報、特開昭54ー92
642号公報ではハンバーグやカレーに対して、レトル
ト前に100℃以下の温度で予備加熱することにより、
特開昭57ー5678号公報、特開昭58ー43774
号公報、特開平3ー277261号公報ではそれぞれホ
ワイトソース、牛肉、スープの加熱の際に振動を加えて
熱効率を良くすることにより、特開昭58ー89165
号公報、特開昭61ー192274号公報、特開昭62
ー205773号公報ではホイップクリームなどの加熱
の際に使用する容器を工夫することにより、内容物の熱
による変性を最小限に抑える工夫がなされてきた。日本
食品工業学会誌、33巻、1号、44頁(1986)で
は、ショ糖脂肪酸エステルを食品に添加した後に加熱殺
菌を行うことにより耐熱芽胞菌の死滅速度が速まるとの
報告がなされているが、実際の食品に利用した場合の効
果は不十分である。一方、コーヒー抽出物を用いて殺菌
処理を行うといった先行技術は全く見あたらず、また、
本発明に類似する殺菌促進剤に関する先行技術は全くな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、食品がバチル
ス属やクロストリヂウム属などの耐熱性芽胞を形成する
フラットサワー菌に汚染されている場合には、芽胞を完
全に死滅させるために、例えば125℃で20分間とい
った強烈な加熱をかける必要が生じる。このような加熱
方法では、食品自体が変質し、特に香り、色、食感が悪
くなり、商品価値が著しく低下する。フラットサワー菌
の被害を受けやすい食品、例えば缶コーヒーの場合に
は、125℃で20分間程度の過酷な加熱を行ってい
る。そして、香りや味の劣化を香料等を添加してマスキ
ングしているが、加熱前のコーヒー独特の香りや味が失
われてしまうのが現状である。本発明の目的は、安全性
に優れ、食品等に添加可能であり、加熱殺菌の際に耐熱
芽胞菌の死滅速度を速め、殺菌時の食品の劣化を最小限
にする耐熱菌の殺菌促進剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、加熱殺菌
の際に耐熱芽胞菌の死滅速度を速める殺菌促進剤を提供
することを目的として鋭意研究した結果、食品にあらか
じめコーヒー豆またはその残渣の有機溶剤抽出物を添加
しておくことにより、殺菌条件を緩和できることを見い
だし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は
コーヒー豆またはその残渣の有機溶剤抽出物からなる殺
菌促進剤である。以下本発明をさらに詳細に説明する。
本発明に使用する抽出物の原料となるコーヒー豆は、ア
ラビカ種のマンデリン、モカマタリ、エチオピアモカ、
キリマンジャロ、ガテマラ、ブルーマウンテン、サント
ス、ハワイコナ等、ロブスタ種のインドネシアロブスタ
等、リベリカ種などであり、通常コーヒーに用いられる
ものである。原料として用いるコーヒー豆として、コー
ヒー飲料を作る前の生豆以外にコーヒー飲料の抽出残渣
やコーヒー豆から超臨界抽出法で香料を抽出した残渣な
ども使用することができる。さらに、コーヒー豆の圧搾
エキスをいることもできる。コーヒー豆の抽出物は、焙
煎したコーヒー豆をホモジナイザー、ボールミル等によ
り粉砕後、適当な溶媒と共に、ソックスレー抽出器等を
用いて加熱還流する方法、コーヒー豆の粉砕物を直接溶
媒と混合した後、残渣を濾別する方法等により製造する
ことができる。溶媒としては、例えばエタノール、アセ
トン、n−ヘキサン等を用いることができ、水が共存し
てもよい。得られた抽出物は、水分や溶媒を蒸発させて
取り除くことにより濃縮物を得ることができる。また、
抽出物を乳糖、デキストリンなどのバインダーを加えて
スプレードライを行い、抽出物の粉末を製造することも
可能である。抽出物中の不要な成分を取り除くために、
工業用高速液体クロマトグラフィーなどを用いて精製す
ることも可能である。
【0005】本発明の殺菌促進剤を使用する際に食品中
への分散性や溶解性を高める目的で、乳化剤、水、エタ
ノール、グリセリン、多糖類などを加えることができ、
その量は抽出物100重量部に対して、0.1〜100
0重量部である。本発明の殺菌促進剤は、食品等に直接
添加すること等により、殺菌工程でバチルス ステアロ
サーモフィラス、バチルス コアギュランス、クロスト
リヂウムスポロゲネス、クロストリヂウム サーモアセ
チカムなどの耐熱芽胞菌の死滅速度を速めることができ
る。この際、コーヒー抽出物の最少有効濃度は、添加す
る物質全量に対して10ppm以上であって、添加量は
10〜20000ppm、好ましくは100〜2000
ppm、より好ましくは200〜1000ppmである。
前記添加量が10ppm未満では殺菌促進剤としての効
果が得られず、また20000ppmを超えると添加す
る食品の味を損ねたり、着色をおこしたりするので好ま
しくない。
【0006】
【発明の効果】本発明の殺菌促進剤は天然物由来であ
り、またラットに対するLD50が2000mg/kg以
上と安全性が高く、しかも広範囲の耐熱芽胞菌に対して
加熱による殺菌促進剤としての効果を有する。そして、
食品等に添加することにより加熱殺菌時に耐熱芽胞菌の
死滅速度を速め、加熱により食品の劣化を最小限に抑え
られる。
【0007】
【実施例】次に、本発明を製造例、実施例および比較例
により詳細に説明する。 製造例1 煤煎したコーヒー豆(マンデリン20%、サントス30
%、インドネシアロブスタ50%の混合物)1kgにエ
タノール5000mlを加えて室温で一昼夜放置した。
次に、抽出液をろ過し、ロータリーエバポレーターを用
いてエタノールを留去し抽出物15gを得た。
【0008】製造例2 缶コーヒーの製造で用いたコーヒー豆(ブルーマウンテ
ン50%、ガテマラ50%の混合物)の残渣の乾燥物1
kgにアセトン5000mlと水1000mlを加えて
一昼夜放置した。次に、ろ過して得られた抽出液をロー
タリーエバポレーターを用いてアセトンと水を留去して
抽出物13gを得た。
【0009】調製例1 芽胞液(1)の調製 バチルス ステアロサーモフィラス IFOー1255
0を、滅菌した普通ブイヨン(栄研化学株式会社製品)
500mlに接種し、55℃で10日間培養した。培養
液に芽胞が生成していることを顕微鏡で確認後、培養液
を95℃10分間加熱して栄養細胞を殺菌した。次に、
500mlの培養液を3000rpmで15分間遠心分
離をおこなつて上澄み液を捨て、滅菌したN/15リン
酸緩衝液100mlを加え、攪拌後再び3000rpm
で15分間遠心分離することにより菌体を洗浄した。さ
らに上澄み液を捨て、沈殿物を集めて得られた10ml
のスラリー状の溶液を芽胞液(1)とした。
【0010】調製例2 芽胞液(2)の調製 クロストリヂウム サーモアセチカム 日本缶詰協会保
存株No.5801を滅菌したTGC培地(栄研化学株式
会社製品)500mlに接種し、嫌気ジャー中で炭酸ガ
ス置換後、55℃で30日間培養した。培養液に芽胞が
生成していることを顕微鏡で確認後、培養液を95℃1
0分間加熱して栄養細胞を殺菌した。次に、培養液を3
000rpmで15分間遠心分離して上澄み液を捨て、
代わりに滅菌したN/15リン酸緩衝液100mlを加
え、攪拌後再び3000rpmで15分間遠心分離する
ことにより菌体を洗浄した。さらに上澄み液を捨て、沈
殿物を集めて得られたスラリー状の溶液10mlを芽胞
液(2)とした。
【0011】実施例1 コーヒー豆(マンデリン20重量%、サントス30重量
%、インドネシアロブスタ50重量%の混合物)50g
を95℃の熱湯1000gに加え、静置して10分間抽
出後プレートクーラーで急冷して得たコーヒー液の85
0gに牛乳150gとグラニュー糖80gを入れ、攪拌
溶解してミルクコーヒーを調製した。ミルクコーヒーに
1mlあたりバチルス ステアロサーモフィラスの芽胞
数が104個になるように芽胞液(1)を入れ、さら
に、製造例1のコーヒー抽出物、殺菌性を有する物質と
してショ糖脂肪酸エステル(P−1670;三菱化成食
品株式会社製)、次亜塩素酸ナトリウム(和光純薬株式
会社製)、二酸化塩素(三慶株式会社製)を別々に10
0、500、1000ppmを添加した溶液1mlをT
DTチューブ(マルエム株式会社製品)に入れて密封し
た。密封したTDTチューブは115、118、121
℃のオイルバス中で1〜20分間加熱し、加熱時間と残
存芽胞数の関係を片対数グラフ用紙にプロットし、その
傾きからD値(各温度で残存芽胞数を1/10にするた
めに必要な加熱時間:分)を算出して表1に示した。
【0012】
【表1】
【0013】表1に示したD値の測定結果から、あらか
じめコーヒー抽出物を添加した試験区は顕著にD値が低
いことがわかる。また、添加量が増加するに従い、D値
の低下が大きくなることがわかる。また、ミルクコーヒ
ーを表1に示した菌数が1/10になるまでの時間だけ
加熱処理した際の風味を官能的に評価した結果を表2に
示した。評価基準はつぎのとおりである。 ○ :風味良好。 △ :若干風味が劣る。 × :風味が劣る。
【0014】
【表2】
【0015】表2の結果から、本発明の殺菌促進剤をあ
らかじめ添加して加熱処理することにより風味の劣化が
少ないミルクコーヒーを製造できることがわかる。
【0016】実施例2 1/15規定のリン酸緩衝液に1mlあたりの芽胞数が
103個になるように芽胞液(1)を入れ、さらに、製
造例2のコーヒー抽出物、グリセリン脂肪酸エステル
(ポエムM−300;理研ビタミン株式会社製品)、ブ
チルパラベン(東京化成工業株式会社製品)およびエタ
ノールを別々に10、50、100ppmを添加した溶
液1mlをTDTチューブ(マルエム株式会社製品)に
入れて密封した。密封したTDTチューブを115℃、
118℃、121℃のオイルバス中で1分〜20分間加
熱し、実施例1と同様に加熱時間と残存芽胞数の関係か
らD値(各温度で残存芽胞数を1/10にするために必
要な加熱時間:分)を算出して表3に示した。
【0017】
【表3】
【0018】表3に示したD値の測定結果から、あらか
じめコーヒー抽出物を添加した試験区は顕著にD値が低
下していることがわかる。また、添加量が増加するに従
い、D値の低下が大きくなることがわかる。
【0019】実施例3 コーンポタージュスープに1mlあたりの芽胞数が10
4個になるように芽胞液(2)を入れ、さらに、製造例
1のコーヒー抽出物、ショ糖脂肪酸エステル(P−16
70;三菱化成食品株式会社製品)、次亜塩素酸ナトリ
ウム(和光純薬株式会社製)、二酸化塩素(三慶株式会
社製)を別々に1000、5000、10000ppm
を添加した溶液1mlをTDTチューブ(マルエム株式
会社製品)に入れて密封した。密封したTDTチューブ
を115℃、118℃、121℃のオイルバス中で30
分間加熱し、55℃で2カ月間培養して菌の発育の有無
を肉眼で観察した。このとき同じ条件で加熱したTDT
チューブを6本調製してバラツキをみた。表4に、同じ
条件で加熱したTDTチューブのうち菌が発育したもの
の数を示した。表4の数字はサンプル6本中菌が発生し
た本数を表す。
【0020】
【表4】
【0021】表4より、あらかじめコーヒー抽出物を添
加しておくことにより低温でも確実に殺菌が行えること
がわかる。このことから、コーヒー抽出物を食品に添加
することにより、殺菌時間の短縮や殺菌温度の低下が可
能なことが分かる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コーヒー豆またはその残渣の有機溶剤抽
    出物からなる殺菌促進剤。
JP14221194A 1994-06-02 1994-06-02 殺菌促進剤 Pending JPH07322868A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14221194A JPH07322868A (ja) 1994-06-02 1994-06-02 殺菌促進剤

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JP14221194A JPH07322868A (ja) 1994-06-02 1994-06-02 殺菌促進剤

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Publication Number Publication Date
JPH07322868A true JPH07322868A (ja) 1995-12-12

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ID=15309988

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JP14221194A Pending JPH07322868A (ja) 1994-06-02 1994-06-02 殺菌促進剤

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JP (1) JPH07322868A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004092008A (ja) * 1998-08-21 2004-03-25 Daiki:Kk 細菌の増殖を抑制する不織布及びその不織布の製造方法
WO2012121381A1 (ja) * 2011-03-10 2012-09-13 高砂香料工業株式会社 呈味改善剤

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004092008A (ja) * 1998-08-21 2004-03-25 Daiki:Kk 細菌の増殖を抑制する不織布及びその不織布の製造方法
WO2012121381A1 (ja) * 2011-03-10 2012-09-13 高砂香料工業株式会社 呈味改善剤
JPWO2012121381A1 (ja) * 2011-03-10 2014-07-17 高砂香料工業株式会社 呈味改善剤

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