JPH07322649A - マイクロアクチュエータ装置及びその製造方法 - Google Patents

マイクロアクチュエータ装置及びその製造方法

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JPH07322649A
JPH07322649A JP10966094A JP10966094A JPH07322649A JP H07322649 A JPH07322649 A JP H07322649A JP 10966094 A JP10966094 A JP 10966094A JP 10966094 A JP10966094 A JP 10966094A JP H07322649 A JPH07322649 A JP H07322649A
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JP
Japan
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moving plate
electrodes
substrate
ring
film
Prior art date
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Pending
Application number
JP10966094A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuo Ito
達男 伊藤
Michihito Ueda
路人 上田
Kazuo Yokoyama
和夫 横山
Shinichi Mizuguchi
信一 水口
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録再生装置のピックアップヘッドに用いる
ことのできるマイクロアクチュエータ装置において、薄
膜で構成された可動部が応力により変形して固定部と接
触し摩擦や摩耗により動作できなくなるという問題点を
解決し、変形や摩擦・摩耗の少ない長寿命のマイクロア
クチュエータ装置を提供することを目的とする。 【構成】 アンカー1により基板に固定された渦巻状の
層構造の梁2a〜2cにより層構造の移動板3を弾性支
持し、移動板3の周囲に絶縁膜6を被覆した電極4a〜
4pを設け、移動板3は圧縮応力を有する膜と引っ張り
応力を有する膜の2層構造となっているので、両者の応
力を相殺することとなり、応力歪のない可動部を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばエッチングやリ
ソグラフィなどのIC製造方法によって作成されマイク
ロポジショナとして、走査プローブ顕微鏡のマルチプロ
ーブヘッドや記録再生装置のピックアップヘッドに用い
ることのできるマイクロアクチュエータ装置及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、マイクロマシニング技術の発展に
伴いアクチュエータやセンサーをシリコン基板上に作り
込む研究開発が盛んに行われている。以下に特開平6−
38562号公報に開示された従来のマイクロアクチュ
エータ装置について説明する。図26は従来のマイクロ
アクチュエータ装置の構成を模式的に表わす平面図であ
り、図27は同マイクロアクチュエータ装置の断面図で
ある。
【0003】図26及び図27において、1はアンカ
ー、2a〜2cが螺旋状の梁、3はリング状の移動板、
また4a〜4pは移動板3の周囲に円周状に設けられた
16個の電極である。これらの電極4a〜4pには、図
示しない電圧印加手段よりそれぞれ配線がなされてお
り、任意に選択して電圧を印加することができる。
【0004】図26、図27に斜線で示すように、移動
板3は外径200μm、内径150μm程度のリング形
状の平板であり、その内周に約120度間隔で配置され
た同一形状の3本の梁2a〜2cによって、電極4a〜
4pと同芯に設けた外径30μm程度のアンカー1に支
持されている。これらの梁2a〜2cは幅5μm程度で
螺旋形状をなし、円周状の電極4a〜4pの中心に対し
て点対称に配されている。
【0005】電極4a〜4p(図27は4a、4iのみ
示している)の内径は移動板3の外径よりも数μm程度
大きく設定されている。また、その高さもやや低い位置
に構成されており、電極を励起した時に移動板3を下方
向に吸引し、安定した駆動が行えるようになっている。
【0006】なお、移動板3は梁2a〜2c及びアンカ
ー1を介し、シールド層5に対して常に電気的な導通を
得るように構成されている。また、電極4a〜4pの内
周には絶縁膜6が設けられ、移動板3と直接電気的な接
触をしないように構成されている。
【0007】図28〜図32はそれぞれ、以下に説明す
るこのマイクロアクチュエータ装置の製作工程(a)〜
(e)を示す図であるが、製作にはエッチングやリソグ
ラフィなどの一般的なIC製造方法が用いられている。
以下、工程図にしたがって簡単に製作方法を説明する。
【0008】(a)図28に示すように、シリコン基板
7の上に、熱成長させた1μm厚の酸化膜及びLPCV
Dで堆積させた1μm厚の窒化シリコン層とを重ねるこ
とによって絶縁層8を形成する。
【0009】この上に、リンを十分に拡散させた0.3
5μm厚のLPCVD多結晶シリコン薄膜を形成し、パ
ターンニングを行なって電気的なシールド層5とする。
【0010】(b)図29に示すように、犠牲層となる
2.2μm厚の低温酸化(LTO)膜9を堆積させ、電
極4a〜4pの固定部9aと移動板3のアンカー1を形
成する凹部9bのためのパターニングを行なう。
【0011】(c)図30に示すように、リンを十分に
拡散させた2.5μm厚のLPCVD多結晶シリコン層
を堆積させ、反応性イオンエッチング(RIE)を用い
て、図26及び図27に示す移動板3、電極4a〜4p
(図示は4a、4iのみ)、梁2a〜2cとアンカー1
を形成する。このとき、電極4a〜4p及びアンカー1
はシリコン基板7上に固定される。
【0012】また電極4a〜4pの内径は、後の工程で
形成される絶縁膜6の分だけ大きく設定されている。
【0013】(d)図31に示すように、0.1μmの
熱酸化膜とその上に0.34μm厚の窒化シリコン層を
堆積させ、電極4a〜4pの内周に絶縁膜6を形成する
ようにパターニングする。この段階で移動板3の外径と
電極4a〜4pとのクリアランスが得られる。
【0014】(e)図32に示すように、最後に犠牲層
であるLTO膜9を緩衝フッ酸(HF)で溶解し、移動
板3と梁2a〜2cをリリースすることにより図27に
示すような構成が完成する。
【0015】以上のように構成されたマイクロアクチュ
エータ装置において、以下その動作について図33及び
図34を用いて説明を行なう。
【0016】図33に示したように、まず電極4aを励
起すると、移動板3は静電気的に吸引され電極4a内周
の絶縁膜6に接触する。続いて図34に示すように、電
極4a〜4pへの電圧の印加にともない、移動板3は励
起された電極4a〜4pに順次吸引されながら矢印X方
向に公転する。
【0017】しかし、同時に移動板3と電極4a〜4p
とがその接点部分でころがり接触をしながら移動するた
め、電極4a〜4pの内周と移動板3の外周との差の分
だけ移動板3が自転する。このとき、移動板3の自転方
向はその公転方向とは逆の矢印Y方向になる。
【0018】ここで、移動板3は梁2a〜2c及びアン
カー1を介して基板7上に固定されているが、梁2a〜
2cの幅を細くしまた螺旋状としてある程度の長さを確
保することによって、梁2a〜2cは弾性変形して移動
板3を所定範囲の角度分だけ自転させることが可能にな
る。反対に、移動板3の駆動中に電極4a〜4pの励起
を解除すれば、弾性変形した梁2a〜2cの復元力によ
り、移動板3を容易に初期位置へ復帰させることができ
る。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、移動板3と梁2a〜2cが多結晶シリコン
薄膜の応力により、シールド層5や絶縁層8に接触して
しまい、摩擦によって動作しなくなるという問題点を有
していた。図35は「ジャーナル オブ アプライド
フィジックス」54巻(4)エイプリル 1983年
2071頁より引用する多結晶シリコン薄膜の応力を示
す図であって、この図には成膜温度が1000℃の時、
900℃の時と、不純物ドープなしの場合の膜厚と応力
の関係が示されている。この図より判るように多結晶シ
リコン薄膜は圧縮応力を示す。従って、移動板3と梁2
a〜2cを構成する多結晶シリコンには基板に向かう力
が働いており、図36に示すように犠牲層であるLTO
膜を溶解するとシールド層5や絶縁層8に押し付けられ
てしまうことになり、その結果、摩擦により移動板3が
回転できなくなってしまう。
【0020】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、圧縮応力を有する薄膜を可動部材として用いること
のできるマイクロアクチュエータ装置およびその製造方
法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に第一の発明は、基板上に円周状に配置された複数の電
極と、これらの電極の内側に位置し、圧縮応力を有する
第一の部材と引っ張り応力を有する第二の部材とが層構
造になったリング状の移動板と、前記移動板を弾性支持
しかつ前記移動板の内側で前記基板上に固定端を有し、
圧縮応力を有する第一の部材と引っ張り応力を有する第
二の部材とが層構造になった梁と、前記電極に選択的に
電圧を印加し前記移動板を静電気的に吸引させ移動させ
る電圧印加手段という構成を有している。
【0022】また第二の発明は、第一の発明を実現する
ために、圧縮応力を有する第一の部材でリング状の移動
板と梁を形成した後、前記リング状の移動板と梁の下層
の部材を一部分だけ残して除去する工程と、引っ張り応
力を有する第二の部材で前記リング状の移動板と梁を被
覆する工程と、前記リング状の移動板と梁の下層の部材
をすべて除去する工程とからなる第一の発明のマイクロ
アクチュエータ装置の製造方法である。
【0023】また第三の発明は、基板上に円周状に配置
された複数の電極と、これらの電極の内側に位置し、か
つ下に凸の突起部を有するリング状の移動板と、前記移
動板を弾性支持しかつ前記移動板の内側で前記基板上に
固定端を有する梁と、前記電極に選択的に電圧を印加し
前記移動板を静電気的に吸引させ移動させる電圧印加手
段という構成を有している。
【0024】また第四の発明は、基板上に円周状に配置
された複数の電極と、これらの電極の内側に位置するリ
ング状の移動板と、前記移動板を弾性支持しかつ前記移
動板の内側で前記基板上に固定端を有する梁と、前記基
板と前記移動板の間に設けられた上に凸の突起部と前記
電極に選択的に電圧を印加し前記移動板を静電気的に吸
引させ移動させる電圧印加手段という構成を有してい
る。
【0025】
【作用】第一の発明の作用は、リング状の移動板と梁と
を圧縮応力を有する材料と引っ張り応力を有する材料で
二層構造とすることによって応力を相殺し、全体として
は応力が働かないようにして基板等に接触しないように
することができる。
【0026】第二の発明の作用は、圧縮応力を有する薄
膜(例えば多結晶シリコン)でリング状の移動板と梁と
を形成した後、下地の犠牲層である酸化膜をエッチング
すると梁と移動板の幅の違いにより、梁の下の犠牲層は
移動板の下の犠牲層に比べ早く除去されるためエッチン
グの最終段階では移動板の下だけに犠牲層が残ることに
なる。この状態でエッチングを停止して更に引っ張り応
力を有する薄膜(例えば窒化シリコン)を移動板と梁の
上に成膜すると移動板の下にある酸化膜上には窒化シリ
コンはほとんど成膜されないので後ほど酸化膜を再度エ
ッチングすると圧縮応力を有する多結晶シリコンと引っ
張り応力を有する窒化シリコンの二層からなる移動板と
梁とが得られることとなる。
【0027】第三の発明は移動板の下に下に凸の突起部
を設けることにより梁と移動板とを突起部の先端部で支
持して摩擦の影響を低減することができる。
【0028】本発明の第四の発明は基板上に上に凸の突
起部を設けることにより梁と移動板とを突起部の先端部
で支持して摩擦の影響を低減することができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。
【0030】(実施例1)図1は本発明の第一の実施例
に於けるマイクロアクチュエータ装置の構成を模式的に
表す平面図であり、図2は同マイクロアクチュエータ装
置の断面図である。
【0031】図1及び図2において、1はアンカー、2
a〜2cは螺旋状で層構造の梁(以下梁という)、3は
リング状で層構造の移動板(以下移動板という)であっ
て、それぞれ圧縮応力を有する薄膜と引っ張り応力を有
する薄膜の二層構造になっている。また4a〜4pが移
動板3の周囲に円周状に設けられた16個の電極であ
る。これらの電極4a〜4pには、従来例と同様に図は
省略するが電圧印加手段よりそれぞれ配線がなされてお
り、任意に選択して電圧を印加することができる。
【0032】図に斜線で示すように、移動板3は外径2
00μm、内径150μm程度のリング形状の平板であ
り、その内周に約120度間隔で配置された同一形状の
3本の梁2a〜2cにより、電極4a〜4pと同芯に設
けた外径30μm程度のアンカー1に支持されている。
これらの梁2a〜2cは幅5μm程度で螺旋形状をな
し、円周状の電極4a〜4pの中心の対して点対称に配
されている。
【0033】電極4a〜4p(図は4a、4iのみ示し
ている)の内径は移動板3の外径よりも数μm程度大き
く設定されている。また、その高さもやや低い位置に構
成されており、電極を励起した時に移動板3を下方向に
吸引し、安定した駆動が行えるようになっている。
【0034】なお、移動板3は梁2a〜2c及びアンカ
ー1を介し、シールド層5に対して常に電気的な導通を
得るように構成されている。また、電極4a〜4pの内
周には絶縁膜6が設けられ、移動板3と直接電気的な接
触をしないように構成されている。
【0035】図3〜図8はそれぞれ、以下に説明するこ
のマイクロアクチュエータ装置の製作工程(a)〜
(f)を示す図であるが、製作にはエッチングやリソグ
ラフィなどの一般的なIC製造方法が用いられている。
以下、工程図にしたがって製作方法を説明する。
【0036】(a)図3に示すように、シリコン基板7
の上に、熱酸化させた1μm厚の酸化膜及びLPCVD
で堆積させた1μm厚の窒化シリコン層とを重ねること
によって絶縁層8を形成する。この上に、リンを十分に
拡散させた0.35μm厚のLPCVD多結晶シリコン
薄膜を形成し、パターニングを行なって電気的なシール
ド層5とする。
【0037】(b)図4に示すように、犠牲層となる
2.2μm厚の低温酸化(LTO)膜9を堆積させ、電
極4a〜4pの固定部9aと移動板3のアンカー1を形
成する凹部9bのためのパターニングを行なう。
【0038】(c)図5に示すように、リンを十分に拡
散させた2.5μm厚のLPCVD多結晶シリコン層を
堆積させ、反応性イオンエッチング(RIE)を用い
て、図1及び図2に示す移動板3、電極4a〜4p(図
示は4a、4iのみ)、梁2a〜2cとアンカー1を形
成する。このとき、電極4a〜4p及びアンカー1はシ
リコン基板7上に固定される。また電極4a〜4pの内
径は、後の工程で形成される絶縁膜6の分だけ大きく設
定されている。
【0039】(d)図6に示すように、犠牲層であるL
TO膜9を緩衝弗酸でエッチングさせるが、このとき梁
2a〜2cと移動板3の下のLTO膜9のサイドエッチ
ング速度はおおよそ0.5μm/分であるので40分程
度でエッチングを中断すると梁の下にはLTO膜がなく
移動板3の下だけに5μm程度の幅のLTO膜が残る状
態になる。
【0040】(e)図7に示すように、0.34μm厚
の窒化シリコン層を堆積させ、梁2a〜2cと移動板3
の上面及び側面と、電極4a〜4pの内周に絶縁膜6を
形成する。このとき、梁2a〜2cと移動板3の下面と
基板との間隔は2.2μmであるので両者の下面には殆
ど膜形成は生じない。この段階で移動板3の外径と電極
4a〜4pとのクリアランスが得られる。
【0041】(f)図8に示すように、最後に一部残っ
ていた犠牲層であるLTO膜9を緩衝弗酸で溶解し、移
動板3と梁2a〜2cをリリースすることにより図2に
示すような構成が完成する。
【0042】我々の実験に於いては(c)の工程に於い
て640℃で成膜したリンドープ多結晶シリコンの応力
は−50〜−70MPaであり、これに対して(e)の
工程でプラズマCVDにより450MPa程度の引っ張
り応力を有する窒化シリコン層を堆積させると各々の膜
の応力がつりあい、(f)の工程に於いてLTO膜9を
溶解しても梁2a〜2c及び移動板3は中に浮いたまま
であった。
【0043】以上のように、本実施例によれば、基板上
に円周状に配置された複数の電極の内側に位置するリン
グ状の移動板と梁とを、圧縮応力を有する第一の部材と
引っ張り応力を有する第二の部材の層構造にすることに
より、犠牲層を除去した後でも、膜が応力により変形す
ることなく所定の形状を保つという点で、優れた効果が
得られる。
【0044】(実施例2)以下本発明の第2の実施例に
ついて図面を参照しながら説明する。図9は本発明の第
2に実施例に於けるマイクロアクチュエータ装置の平面
図であり、図10は図9のAOBに於ける断面図であ
る。図9と図10に於いて図1及び図2と同一物につい
ては同一番号を賦して説明を省略する。図1及び図2の
構成と異なるのは突起部10を移動板3の下に設けた点
である。図11〜図16を用いてこのマイクロアクチュ
エータ装置の製作方法を簡単に説明する。
【0045】(a)図11に示すように、シリコン基板
7の上に、熱酸化させた1μm厚の酸化膜及びLPCV
Dで堆積させた1μm厚の窒化シリコン層とを重ねるこ
とによって絶縁層8を形成する。この上に、リンを十分
に拡散させた0.35μm厚のLPCVD多結晶シリコ
ン薄膜を形成し、パターニングを行なって電気的なシー
ルド層5とする。
【0046】(b)図12に示すように、犠牲層となる
2.2μm厚の低温酸化(LTO)膜9を堆積させ、そ
の上にレジスト(感光性樹脂)91を塗布し、電極4a
〜4pの固定部9aと移動板3のアンカー1を形成する
凹部9bと突起部10を形成する凹部9cのためのパタ
ーニングを行なう。
【0047】(c)図13に示すようにLTO膜9を緩
衝弗酸によりエッチングすると後述するマイクロローデ
ィング効果により、凹部9cよりも凹部9bの方がエッ
チング速度が大きいので凹部9bのエッチングが終了し
た段階では凹部9cのLTO膜は図のように残る。ここ
でいうマイクロローディング効果とはパターンの寸法に
より、エッチング速度が変わることで、パターン寸法が
小さくなるとエッチャントと被エッチング物が反応する
面積が小さくなり、エッチャントの供給と、反応生成物
の除去速度が小さくなって、エッチング速度が小さくな
ることである。
【0048】(d)図14に示すように、リンを十分に
拡散させた2.5μm厚のLPCVD多結晶シリコン層
を堆積させ、反応性イオンエッチング(RIE)を用い
て、図1及び図2に示す移動板3、突起部10、電極4
a〜4p(図示は4a、4fのみ)、梁2a〜2cとア
ンカー1を形成する。このとき、電極4a〜4p及びア
ンカー1はシリコン基板7上に固定される。また電極4
a〜4pの内径は、後の工程で形成される絶縁膜6の分
だけ大きく設定されている。
【0049】(e)図15に示すように、0.1μmの
熱酸化膜とその上に0.34μm厚の窒化シリコン層を
堆積させ、電極4a〜4pの内周に絶縁膜6を形成する
ようにパターニングする。この段階で移動板3の外径と
電極4a〜4pとのクリアランスが得られる。
【0050】(f)図16に示すように、最後に犠牲層
であるLTO膜9を緩衝フッ酸(HF)で溶解し、移動
板3と梁2a〜2cをリリースすることにより図10に
示すような構成が完成する。
【0051】上記のような構成のマイクロアクチュエー
タ装置とすることにより、多結晶シリコン層の圧縮応力
によって移動板3と梁2a〜2cがたわんだ場合、移動
板3の下にある下に凸の突起部10が基板と点接触する
ので突起部10がない場合に比べて小さな摩擦が発生す
るだけですみ駆動し易くなる。
【0052】以上のように移動板の下に、下に凸の突起
部10を設けることにより、移動板と基板との面接触を
防ぎ摩擦抵抗が増大することを防止できる。また突起部
の形成方法として、マイクロローディング効果を用いる
ことにより、凹部9cと凹部9bの形成を一工程で行え
るので工程数が増加しないで済む。
【0053】(実施例3)以下本発明の第3の実施例に
ついて図面を参照しながら説明する。図17は本発明の
第3の実施例に於けるマイクロアクチュエータ装置の平
面図であり、図18は図17のAOBに於ける断面図で
ある。図17と図18に於いて図1及び図2と同一物に
ついては同一番号を賦して説明を省略する。図1及び図
2の構成と異なるのは突起部11をシールド電極5の表
面に設けた点である。図19〜図25を用いてこのマイ
クロアクチュエータ装置の製作方法を簡単に説明する。
【0054】(a)図19に示すように、シリコン基板
7の上に、熱酸化させた1μm厚の酸化膜及びLPCV
Dで堆積させた1μm厚の窒化シリコン層とを重ねるこ
とによって絶縁層8を形成する。
【0055】この上に、リンを十分に拡散させた0.3
5μm厚のLPCVD多結晶シリコン薄膜を形成し、パ
ターニングを行なって電気的なシールド層5とする。
【0056】(b)図20に示すように、レジスト12
を塗布し突起部11を形成する凹部13のためのパター
ニングを行う。
【0057】(c)図21に示すようにリンを十分に拡
散させた2μm厚のLPCVD多結晶シリコン薄膜11
aを堆積させると凹部13のエッジ部に付着した膜が成
長するにつれて凹部13の開口部が小さくなるため最終
的に上に凸の突起部11が形成される。
【0058】(d)図22に示すようにレジスト12を
溶解するとレジスト12上に堆積していた多結晶シリコ
ン薄膜も剥離し(リフトオフ)、突起部11だけが残
る。
【0059】(e)図23に示すように、犠牲層となる
2.2μm厚の低温酸化(LTO)膜9を堆積、パター
ニングした後、リンを十分に拡散させた2.5μm厚の
LPCVD多結晶シリコン層を堆積させ、反応性イオン
エッチング(RIE)を用いて、図1及び図2に示す移
動板3、電極4a〜4p(図示は4a、4fのみ)、梁
2a〜2cとアンカー1を形成する。このとき、電極4
a〜4p及びアンカー1はシリコン基板7上に固定され
る。また電極4a〜4pの内径は、後の工程で形成され
る絶縁膜6の分だけ大きく設定されている。
【0060】(f)図24に示すように、0.1μmの
熱酸化膜とその上に0.34μm厚の窒化シリコン層を
堆積させ、電極4a〜4pの内周に絶縁膜6を形成する
ようにパターンニングする。この段階で移動板3の外径
と電極4a〜4pとのクリアランスが得られる。
【0061】(g)図25に示すように、最後に犠牲層
であるLTO膜9を緩衝フッ酸(HF)で溶解し、移動
板3と梁2a〜2cをリリースすることにより図2に示
すような構成が完成する。
【0062】上記のような構成のマイクロアクチュエー
タ装置とすることにより、多結晶シリコン層の圧縮応力
によって移動板3と梁2a〜2cがたわんだ場合、移動
板3の下にある突起部11が基板と点接触するので突起
部11がない場合に比べて小さな摩擦が発生するだけで
すみ駆動し易くなる。
【0063】以上のように基板上に上に凸の突起部を設
けることにより、移動板と基板との面接触を防ぎ摩擦抵
抗が増大することを防止できる。
【0064】なお、実施例3ではシールド層5と移動板
3の電気的接続を良好にするため突起部11の材質はリ
ンを十分に拡散させた多結晶シリコンとしたが、移動板
3と突起部11の摩擦を低減するために窒化シリコンな
どを用いることもできる。
【0065】
【発明の効果】以上のように第一及び第二の発明によれ
ば、応力歪のない可動部を得ることができ、固定部との
接触を避けられるので、摩擦がなく摩耗も発生しなくな
りその効果は大なるものである。
【0066】また第三の発明によれば、可動部に応力歪
が発生しても固定部との摩擦を最小限にすることがで
き、また可動部に外部から力が加わっても変形しにくい
という利点を備えている。
【0067】また第四の発明によれば第三の発明の効果
に加え、移動板に凹凸を設けずに済むので応力の発生を
低減できると共に、種々の材料により突起部を形成する
ことができ接触部の摩擦や摩耗を低減することができそ
の効果は大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例に於けるマイクロアクチ
ュエータ装置の平面図
【図2】本発明の第一の実施例に於けるマイクロアクチ
ュエータ装置の断面図
【図3】本発明の第一の実施例に於けるマイクロアクチ
ュエータ装置の工程図
【図4】本発明の第一の実施例に於けるマイクロアクチ
ュエータ装置の工程図
【図5】本発明の第一の実施例に於けるマイクロアクチ
ュエータ装置の工程図
【図6】本発明の第一の実施例に於けるマイクロアクチ
ュエータ装置の工程図
【図7】本発明の第一の実施例に於けるマイクロアクチ
ュエータ装置の工程図
【図8】本発明の第一の実施例に於けるマイクロアクチ
ュエータ装置の工程図
【図9】本発明の第二の実施例に於けるマイクロアクチ
ュエータ装置の平面図
【図10】本発明の第二の実施例に於けるマイクロアク
チュエータ装置の断面図
【図11】本発明の第二の実施例に於けるマイクロアク
チュエータ装置の工程図
【図12】本発明の第二の実施例に於けるマイクロアク
チュエータ装置の工程図
【図13】本発明の第二の実施例に於けるマイクロアク
チュエータ装置の工程図
【図14】本発明の第二の実施例に於けるマイクロアク
チュエータ装置の工程図
【図15】本発明の第二の実施例に於けるマイクロアク
チュエータ装置の工程図
【図16】本発明の第二の実施例に於けるマイクロアク
チュエータ装置の工程図
【図17】本発明の第3の実施例に於けるマイクロアク
チュエータ装置の平面図
【図18】図17のAOBに於ける断面図
【図19】本発明の第三の実施例に於けるマイクロアク
チュエータ装置の工程図
【図20】本発明の第三の実施例に於けるマイクロアク
チュエータ装置の工程図
【図21】本発明の第三の実施例に於けるマイクロアク
チュエータ装置の工程図
【図22】本発明の第三の実施例に於けるマイクロアク
チュエータ装置の工程図
【図23】本発明の第三の実施例に於けるマイクロアク
チュエータ装置の工程図
【図24】本発明の第三の実施例に於けるマイクロアク
チュエータ装置の工程図
【図25】本発明の第三の実施例に於けるマイクロアク
チュエータ装置の工程図
【図26】従来のマイクロアクチュエータ装置の平面図
【図27】従来のマイクロアクチュエータ装置の断面図
【図28】従来のマイクロアクチュエータ装置の工程図
【図29】従来のマイクロアクチュエータ装置の工程図
【図30】従来のマイクロアクチュエータ装置の工程図
【図31】従来のマイクロアクチュエータ装置の工程図
【図32】従来のマイクロアクチュエータ装置の工程図
【図33】従来のマイクロアクチュエータ装置の動作図
【図34】従来のマイクロアクチュエータ装置の動作図
【図35】多結晶シリコン薄膜の応力を示す図
【図36】多結晶シリコン薄膜の変形を示す図
【符号の説明】
1 アンカー 2a〜2c 層構造の梁 3 層構造の移動板 4a〜4p 電極 10 突起部 11 突起部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水口 信一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に円周状に配置された複数の電極
    と、これらの電極の内側に位置し、圧縮応力を有する第
    一の部材と引っ張り応力を有する第二の部材とが層構造
    になったリング状の移動板と、前記移動板を弾性支持し
    かつ前記移動板の内側で前記基板上に固定端を有し、圧
    縮応力を有する第一の部材と引っ張り応力を有する第二
    の部材とが層構造になった梁と、前記電極に選択的に電
    圧を印加し前記移動板を静電気的に吸引させ移動させる
    電圧印加手段とを備えたマイクロアクチュエータ装置。
  2. 【請求項2】圧縮応力を有する第一の部材でリング状の
    移動板と梁を形成した後、前記リング状の移動板の下層
    の部材を一部分だけ残して除去する工程と、引っ張り応
    力を有する第二の部材で前記リング状の移動板と梁を被
    覆する工程と、前記リング状の移動板の下層の部材をす
    べて除去する工程とからなるマイクロアクチュエータ装
    置の製造方法。
  3. 【請求項3】基板上に円周状に配置された複数の電極
    と、これらの電極の内側に位置し、かつ下に凸の突起部
    を有するリング状の移動板と、前記移動板を弾性支持し
    かつ前記移動板の内側で前記基板上に固定端を有する梁
    と、前記電極に選択的に電圧を印加し前記移動板を静電
    気的に吸引させ移動させる電圧印加手段とを備えたマイ
    クロアクチュエータ装置。
  4. 【請求項4】基板上に円周状に配置された複数の電極
    と、これらの電極の内側に位置するリング状の移動板
    と、前記移動板を弾性支持しかつ前記移動板の内側で前
    記基板上に固定端を有する梁と、前記基板と前記移動板
    の間に設けられた上に凸の突起部と前記電極に選択的に
    電圧を印加し前記移動板を静電気的に吸引させ移動させ
    る電圧印加手段とを備えたマイクロアクチュエータ装
    置。
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