JP2002014116A - ナノプローブ装置及びその製造方法 - Google Patents

ナノプローブ装置及びその製造方法

Info

Publication number
JP2002014116A
JP2002014116A JP2000199175A JP2000199175A JP2002014116A JP 2002014116 A JP2002014116 A JP 2002014116A JP 2000199175 A JP2000199175 A JP 2000199175A JP 2000199175 A JP2000199175 A JP 2000199175A JP 2002014116 A JP2002014116 A JP 2002014116A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
nanoprobe
substrate
actuator
nanoprobes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000199175A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Fujita
博之 藤田
Gen Hashiguchi
原 橋口
Yasuo Wada
恭雄 和田
Junji Endo
潤二 遠藤
Kuniyuki Kadoshima
邦之 角嶋
Makoto Mita
信 三田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Hitachi Ltd
Japan Science and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd, Japan Science and Technology Corp filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2000199175A priority Critical patent/JP2002014116A/ja
Publication of JP2002014116A publication Critical patent/JP2002014116A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 メゾスコピック領域やナノメートル領域の極
微細構造の電気的測定が可能で、測定信号とアクチュエ
ータ駆動電源を独立して処理でき、プローブ間隔の制御
が容易であるとともに、製造が容易であるナノプローブ
装置の構造及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 第1及び第2の絶縁層(2,12)によ
り互いに分離された第1,第2及び第3のSi層(1,
3,11)を有する基板を備え、上記第3のSi層(1
1)にナノプローブ(13,14)が設けられ、上記第
2のSi層(3)にアクチュエータ(4,5)が設けら
れてなる、ナノプローブ装置の構造及びその製造方法で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子デバイスや
基板等の極微細構造の電気特性を測定するためのナノプ
ローブ装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、単電子デバイスのような量子極限
に極めて近いデバイスが種々開発され、その物性や機能
の解明が盛んに行われている。ところが、このようなデ
バイスはナノメートル寸法の極微細構造をしており、電
気伝導度などの特性を微視的に計測する手段がない。こ
のため、その微細構造の機能を簡単に、かつ正しく計測
する測定系の確立が緊急の課題になっている。一方、カ
ーボンナノチューブに代表される新材料の電気伝導度、
あるいは、電子の微視的挙動を解明するためにもナノ領
域を計測する手段が重要になっている。またこのような
測定系は、半導体中の個々の不純物や欠陥が引き起こす
電気的な効果を評価するのにも役立つ。
【0003】このような測定系には、自由に動かすこと
ができ、かつ、極微細構造に直接接触しうるナノメート
ル寸法のプローブを必要とし、また、このナノメートル
寸法のプローブを複数本備え、これらの複数のプローブ
の先端の間隔をナノメートル寸法に設定でき、かつ調整
できるナノプローブ(複数ナノプローブ)が必要であ
る。従来のこのようなナノプローブ装置には、下記のも
のがある。ナノプローブとマイクロアクチュエータとが
一体化したナノプローブ装置として、東京大学の小林ら
によって発明された装置が知られている。このナノプロ
ーブ装置は、ナノプローブと静電櫛型アクチュエータと
からなり、ナノプローブは静電櫛型アクチュエータと電
気的に絶縁されることなく、静電櫛型アクチュエータの
一部に形成されている。
【0004】また、複数のナノプローブが1μm以下の
間隔で配置されたナノプローブ装置としては、The
Technical University of D
enmark の Mikroelektronik
Centret で開発されたMIC(MIC‘s a
nnual report 1998)が知られてい
る。MICのナノプローブは、電子ビーム堆積法により
炭素のワイヤを成長させることによって作製している。
【0005】上記の従来技術によれば、ナノプローブと
マイクロアクチュエータが電気的に絶縁されていないた
め、マイクロアクチュエータの駆動電源と測定信号の分
離が困難であり、また測定信号にはノイズが混入されや
すい。また、ファンデルワールス力等の外部力が存在す
る場において静的な位置制御が可能な静電櫛型アクチュ
エータを作製するためには、高度な製造技術を必要とす
る。さらに、MICのナノプローブ装置は、工業的な大
量生産が困難なため高価であるとともに、マイクロアク
チュエータを有していないため、プローブ先端の間隔を
変えることが不可能であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明は、
メゾスコピック領域やナノメートル領域の極微細構造の
電気的測定が可能であり、測定信号とアクチュエータ駆
動電源を独立して処理することができ、測定信号にノイ
ズが混入しにくく、プローブ間隔の精密な制御が容易で
あり、かつ、製造が容易なナノプローブ装置とその製造
方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のナノプローブ装置は、第1及び第2の絶縁
層により互いに分離された第1,第2及び第3のSi層
を有する基板を備え、この基板の第3のSi層にナノプ
ローブが設けられ、第2のSi層にアクチュエータが設
けられていることを特徴としている。上記アクチュエー
タとしては、熱膨張型アクチュエータが好適である。ま
た、ナノプローブは、好ましくは、2本備えられ、これ
らのナノプローブの先端部の間隔が1μm以下に設定さ
れる。さらに好ましくは、ナノプローブ2本を一組と
し、この組を複数組備え、それぞれの組のナノプローブ
の先端部の間隔が1μm以下に設定される。また、一方
のアクチュエータの駆動方向と直交する方向に駆動され
る他のアクチュエータが設けられれば好ましい。
【0008】さらに、上記第3のSi層は、Si(00
1)面方位またはこの面と等価な面方位を有し、ナノプ
ローブは、第3のSi層が(001)面方位を有する場
合に<110>方向またはこの方向と等価な方向に長手
方向を有し、第3のSi層が(010)面方位を有する
場合に<101>方向またはこの方向と等価な方向に長
手方向を有し、第3のSi層が(100)面方位を有す
る場合に<011>方向またはこの方向と等価な方向に
長手方向を有している。
【0009】また、上記第3のSi層は、Si(00
1)面方位またはこの面と等価な面方位を有し、2本の
ナノプローブは、第3のSi層が(001)面方位を有
する場合に、互いに直交する<110>方向及び<1−
10>方向に、またはこれらの方向と等価な方向に長手
方向を有し、第3のSi層が(010)面方位を有する
場合に、互いに直交する<101>方向及び<10−1
>方向に、またはこれらの方向と等価な方向に長手方向
を有し、第3のSi層が(100)面方位を有する場合
に、互いに直交する<011>方向及び<0−11>方
向に、またはこれらの方向と等価な方向に長手方向を有
している。
【0010】これらの構成により、例えば、極微細構造
の所望の領域に電圧を印加したり、あるいは、極微細構
造の所望の領域の電気伝導度を測定することができる。
ナノプローブと熱膨張型アクチュエータが絶縁層により
電気的に絶縁されているので、測定信号とアクチュエー
タの駆動電源を独立して処理することが可能であり、測
定信号にノイズが混入しにくい。また、熱膨張型アクチ
ュエータは、静的な駆動が可能で且つ発生力が大きいの
で、被測定対象物とナノプローブとの間に働くファンデ
ルワールス力に打ち勝って、ナノプローブを所定の距離
に保持することが可能であり、そのためトンネル結合に
よる測定も可能になり、被測定物の内部状態に影響を与
えずに電気的な測定ができるようになる。さらに、ナノ
プローブの先端部の間隔が1μm以下に設定されるの
で、メゾスコピック領域やナノメートル領域で局在化し
た物質の電気的測定が可能である。
【0011】上記目的を達成するために、本発明のナノ
プローブ装置の製造方法は、第1及び第2の絶縁層によ
り互いに分離された第1,第2及び第3のSi層を有す
る基板を形成する工程と、第3のSi層にナノプローブ
を形成する工程と、第2のSi層にアクチュエータを形
成する工程とを備えている。好ましくは、上記第1及び
第2の絶縁層により互いに分離された第1,第2及び第
3のSi層を有する基板は、SOI基板とSIMOX基
板のそれぞれの表面を熱酸化してSiO2 層を形成し、
これらのSiO2 層を介してSOI基板とSIMOX基
板を融着して形成し、SIMOX基板のSi基板層とS
iO2 層をエッチングによって除去することによって形
成される。上記第3のSi層にナノプローブを形成する
工程は、Siの結晶面異方性エッチングを使用して形成
するのが好ましい。また、第2のSi層にアクチュエー
タを形成する工程は、D・RIE(Deep Riac
tive Ion Etching)と結晶面異方性エ
ッチングのコーナーカッティングで形成すれば好適であ
る。
【0012】これらの構成からなる本発明のナノプロー
ブ装置の製造方法によれば、SOI基板とSIMOX基
板を融着して5層基板を製造するので、製造が簡単であ
り、Si結晶面異方成エッチングを利用してナノプロー
ブを形成するので、精度が高く、かつ再現性良く製造で
き、アクチュエータは、D・RIEと結晶面異方性エッ
チングのコーナーカッティングを利用して形成するの
で、精度良くかつ簡単に製造することができる。さら
に、これらの工程は、部品を一つづつ組み立てる等の工
程を必要としないマイクロマシンニング技術が適用され
るので、極めて大量に生産することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1は本発明によるナノプ
ローブ装置の一実施形態の斜視図である。1はSi(1
00)基板からなる第1のSi層、2は第1のSi層1
の上に形成された厚さ1μmのSiO2 膜からなる第1
の絶縁層である。4及び5は第1の絶縁層2の上に形成
された第2のSi層から後述のエッチング手段によって
形成した熱膨張型アクチュエータである。アクチュエー
タ4及び5の厚さは30μm、長さは800μmであ
る。6,7及び8はアクチュエータ4及び5の上に形成
されたアクチュエータ4及び5の電極パッドであって、
電極パッド6と7との間に電源9を接続して電流を流
し、熱を発生させることによってアクチュエータ4を熱
膨張させる。また、電極パッド8と7との間に電源10
を接続して電流を流し、熱を発生させることによってア
クチュエータ5を熱膨張させる。本発明のアクチュエー
タ4,5は、熱膨張によって駆動される。
【0014】12は第2のSi層の上に形成された第2
の絶縁層から後述のエッチング手段によって形成した、
アクチュエータ4,5を電気的にナノプローブから分離
するための絶縁層である。13,14,15及び16は
第2の絶縁層上に形成された第3のSi層から後述の加
工手段によって形成した一対のナノプローブ及びこれら
のナノプローブとそれぞれ連続する電極パッドである。
ナノプローブ13、14及びパッド15,16は、後述
する加工手段によって、シリサイド化されており、電気
抵抗が小さい。ナノプローブ13及び14の先端の間隔
は0.5μm以下であり、またナノプローブ13及び1
4の幅及び厚さは0.2μm以下、長さは10μm以下
である。絶縁層12は、ナノプローブ13,14とアク
チュエータ4,5とを電気的に絶縁しており、その厚さ
は200nmである。
【0015】本実施の形態では、アクチュエータ4及び
5にそれぞれ250mWの電力を印加したとき、ナノプ
ローブ13及び14は、図1の手前方向にそれぞれ3μ
m程度移動する。このように印加電力を適切に選ぶこと
により、nm寸法の制御が可能である。
【0016】これらの構成により、ナノプローブ13及
び14は、アクチュエータ4及び5に印加する電力を適
切に選択することにより、メゾスコピック領域やナノメ
ートル領域の極微細構造に、良好に接触させることがで
きる。これにより、例えば、極微細構造の所望の領域に
電圧を印加したり、あるいは、パッド15,16に電
源、電流計及び電圧計を接続して、極微細構造の所望の
領域の電気伝導度を測定することができる。ナノプロー
ブ13,14と熱膨張型アクチュエータ4及び5が第2
の絶縁層12により電気的に絶縁されているので、測定
信号とアクチュエータの駆動電源を独立して処理するこ
とが可能であり、測定信号にノイズが混入しにくい。ま
た、熱膨張型アクチュエータ4及び5は、静的な駆動が
可能で且つ発生力が大きいので、被測定対象物と電子プ
ローブ13,14との間に働くファンデルワールス力に
打ち勝ってプローブ13,14を所定の距離に保持する
ことが可能であり、そのためトンネル結合による測定も
可能になり、被測定物の内部状態に影響を与えずに電気
的な測定ができるようになる。さらに、ナノプローブ1
3,14の先端部の間隔が1μm以下であるので、メゾ
スコピック領域やナノメートル領域で局在化した物質の
測定が可能である。
【0017】次に、本発明によるナノプローブ装置の製
造方法について説明する。SOI基板(Si On I
nsulator)は、Si基板層の上に比較的厚いS
iO2 層を有し、さらにその上に比較的厚いSi層を有
している。SIMOX基板(Separated by
Implanted Oxygen)はSi基板層の
上に比較的薄いSiO2 層を有し、さらにその上に比較
的薄いSi層を有している。
【0018】図2はSOX基板とSIMOX基板を融着
して形成する5層基板の作製工程をを示している。図2
(a)に示すように、厚さ500μmの第1のSi層1
と厚さ1μmのSiO2 である第1の絶縁層2と厚さ3
0μmの第2のSi層3とからなるSOI基板Aと、S
i基板層18とSiO2 である絶縁層19と厚さ200
nmの第3のSi層11とからなるSIMOX(Sep
arated byImplanted Oxyge
n)基板Bを用意する。
【0019】次に、図2(b)に示すように、基板Aの
第2のSi層3の表面を熱酸化して、SiO2 である第
2の絶縁層12の一部12aを形成し、且つ基板Bの第
3のSi層11の表面を熱酸化して、SiO2 である第
2の絶縁層12の一部12bを形成する。つぎに、図2
(c)に示すように基板Aの12aと基板Bの12bと
を密着させて融接ボンディング法により融着し、その
後、基板BのSi基板層18と絶縁層19をドライエッ
チングにて取り除くことにより、図2(d)に示す5層
基板Cを作製する。
【0020】次に、上記5層基板Cにナノプローブ及び
パッドを作製する方法について説明する。図3はナノプ
ローブの製造工程を示している。なお、図示の都合上、
図3においては第1のSi層1及び第1の絶縁層2は省
略している。本発明のナノプローブは、Siの結晶面異
方性エッチングを利用して形成される。結晶面異方性エ
ッチングは、結晶面によってエッチング速度が異なるこ
とを利用したエッチングである。Si{100}の非結
合ボンド数は2であるのに対し、Si{111}面の非
結合ボンド数は1である。このため、例えば、TMAH
(水酸化テトラメチルアンモニウム)液を使用すると、
{100}面はエッチングされるが{111}面はほと
んどエッチングされない。従って、{100}面上にエ
ッチングパターンを形成し、TMAH液でエッチングす
ると、エッチングパターンの開口部と、保護部(マスキ
ング部)の境界において、{111}面が露出し、サイ
ドエッチングが防止される。
【0021】図3(a)は、第3のSi層11上に厚さ
20nmのSi3 4 膜20を形成し、RIE(Ria
ctive Ion Etching)によってパター
ンニングを行った後の状態を示している。5層基板Cの
面方位は(001)である。このSi3 4 膜20のパ
ターンは、一点Pで交わる<110>及び<1−10>
方向の2辺を有しており、この2辺に沿ってナノプロー
ブ13及び14が形成される。
【0022】図3(b)は、TMAHによる結晶面異方
性エッチングにより第3のSi層11を全てエッチング
し、第2の絶縁層12が露出した状態を示す。Si{1
11}面が<110>及び<1−10>方向の2辺に沿
って形成され、サイドエッチングが生じないことを示し
ている。なお、TMAH液は、SiO2 をエッチングし
ないので、また、マスクパターンの境界は(111)面
によって保護されているので、エッチング時間によら
ず、エッチング後の形状は同一になる。次に、図3
(c)に示すように、SiN4 膜20をマスクとした選
択酸化(LOCOS)を行い(111)面上に厚さ50
nmの酸化膜21を形成する。
【0023】続いて、図4(a)に示すように、SiN
4 膜20をRIEによりパッド形状にパターンニングす
る。次に、図4(b)に示すように、2度目のTMAH
液による結晶面異方性エッチングをおこなうと、<11
0>及び<1−10>方向の2辺の酸化膜21で保護さ
れた面と反対側の面に{111}面が形成され、三角柱
状のナノプローブ13及び14が形成される。ナノプロ
ーブ13及び14の交差部分は凸型の角を形成してお
り、凸型角部分においては、非結合ボンド数が多いため
に{100}面以外の他の結晶面のエッチングが生じ、
凸型角部分のエッチング速度は大きくなる。この現象
は、コーナーカットと呼ばれている。このため、ナノプ
ローブ13及び14は、結晶面異方性エッチング時間を
適切に制御することによって、後述する図5(a)に示
すように、交差する角に向かって徐々に細くなり、さら
には、ナノプローブ13と14が分離する。このように
して形成したナノプローブの顕微鏡写真を図9に示す。
図9から、形成したナノプローブの先端は約300nm
であることがわかる。
【0024】本実施の形態におけるナノプローブ13及
び14の形状は、高さ200nm(第3のSi層11の
厚さに対応)、底辺280nmの二等辺三角形の断面を
持つ三角柱である。そして、図4(c)に示したように
3 PO4 (熱燐酸)によりSiN4 膜20を除去すれ
ば、第3のSi層11からナノプローブ13、14及び
パッド15、16が形成される。
【0025】次に、熱膨張型アクチュエータの製造方法
について説明する。図5は熱膨張型アクチュエータの製
造工程を示している。図5(a)は、前述のナノプロー
ブ13,14及び電極パッド15,16の形成が終了し
た状態を示している。図5(b)に示すように、第2の
絶縁層12に、アクチュエータ用電極パッド6,7及び
8を第2のSi層3にオーミック接続するためのコンタ
クトホールを開ける。次に、図5(c)に示したよう
に、厚さ100nm程度のPt(白金)を表面に付着
し、熱処理(例えば真空中500℃で10分間程度)を
行う。これによりナノプローブ13,14及び電極パッ
ド15,16はPtシリサイドとなり電気抵抗が小さく
なる。また、アクチュエータ用電極パッド6,7及び8
が第2のSi層3(アクチュエータ部材)にオーミック
接続できるようになる。次に、熱王水に浸漬して、残留
しているPtを取り除く。
【0026】その後、図6(a)に示すように、フォト
レジストのアクチュエータ用パターンを形成する。さら
に、このフォトレジストのアクチュエータ用パターンの
上に、厚さ100nmのAl(アルミニウム)を蒸着
し、フォトレジストのアクチュエータ用パターンと同一
パターンのAlからなるアクチュエータ用パターンであ
るAlマスク膜22を形成する。さらに、この5層基板
Cの裏側にもAlを蒸着し、本ナノプローブ装置の支柱
部分を形成するためのAlマスク膜23を形成する。こ
のアクチュエータ用パターンは、本装置の完成図である
図1に示したアクチュエータ3及び4を第2のSi層3
からD・RIEによって形成するためのパターンであ
り、フォトレジストは、表面を平坦化するために用い、
Alは、D・RIEをマスクするために用いる。
【0027】次に、図6(b)に示したように、5層基
板Cの裏面側からのDeep・RIEによる異方性ドラ
イエッチングにより第1のSi層1のAlマスク膜23
に覆われていない部分に開口24を形成する。さらに、
図6(c)に示したようにHF(フッ酸)により第1の
絶縁層2の開口24に対応する部分を除去する。
【0028】次いで、図7(a)に示すようにRIEに
より、5層基板Cの表面側の第2の絶縁層12のAlマ
スク膜22に覆われていない部分を除去する。そして、
図7(b)に示したように5層基板Cの表面側からのD
eep・RIEによる異方性ドライエッチングにより第
2のSi層3のAlマスク膜22に覆われていない部分
を除去する。
【0029】続いて、図7(c)に示すように、TMA
H液による結晶面異方性エッチングによりアクチュエー
タの側面をエッチングする。アクチュエータ4及び5の
先端部分のSiの厚さは、アクチュエータの他の部分に
較べ十分薄く形成してあり、また、結晶面異方性エッチ
ングのエッチング速度は、凸型角では大きい、すなわ
ち、コーナーカットエッチングが生じるので、アクチュ
エータの先端以外の側壁をあまりエッチングすることな
しに、アクチュエータ4と5を先端部において分離す
る。本実施例では、ナノプローブ13及び14がアクチ
ュエータ4及び5の先端部から3μmほど突き出した状
態でエッチングを終了する。なお、TMAH液にAlが
溶けるため、このエッチングの際に、Alマスク膜22
及び23は除去される。また、アクチュエータ4及び5
はこのエッチングの際には、レジストで保護されている
と共に、Ptシリサイド化されているので、エッチング
液のしみこみなどがあってもエッチングされることはな
い。
【0030】最後に、レジストを除去して第2の絶縁層
12を露出させ、図8に示すようにRIEにより露出し
た第2の絶縁層12を除去する。このようにして、ナノ
プローブ装置が完成する。完成したナノプローブ装置の
上面から撮影した電子顕微鏡写真を図10に示す。上記
に説明したように、本発明のナノプローブ装置の製造方
法によれば、SOI基板とSIMOX基板を融着した5
層基板を用いること、Si結晶面異方性エッチングを利
用して形成すること、D・RIEを利用して形成するこ
と等により製造するので極めて精度良く、また再現性良
く製造できる。またマイクロマシンニング技術を適用し
得るので、極めて大量に生産でき製造価格が廉価とな
る。
【0031】なお、上述の実施の形態はアクチュエータ
4及び5の一方向駆動により、プローブ13及び14が
一方向のみに移動するようになっているが、アクチュエ
ータ4及び5と直交する方向に駆動される他のアクチュ
エータを組み込めば、プローブ13及び14を2軸方向
に移動させることもできる。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発
明によるナノプローブ装置を用いれば、メゾスコピック
領域やナノメートル領域の極微細構造の電気的測定が可
能であり、測定信号とアクチュエータ駆動電源を独立し
て処理でき、測定信号にノイズが混入しにくく、かつプ
ローブ間隔の精密な制御が容易である。また、本発明の
ナノプローブ装置製造方法を用いれば、極めて精度良
く、再現性良く、かつ安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のナノプローブ装置の一実施の形態を示
す斜視図である。
【図2】上記ナノプローブ装置を構成する5層ウエハの
製造工程の説明図である。
【図3】本発明のナノプローブ及びパッドの製造工程の
説明図である。
【図4】本発明のナノプローブ及びパッドの製造工程の
説明図である。
【図5】本発明のアクチュエータの製造工程の説明図で
ある。
【図6】本発明のアクチュエータの製造工程の説明図で
ある。
【図7】本発明のアクチュエータの製造工程の説明図で
ある。
【図8】本発明のアクチュエータの製造工程の説明図で
ある。
【図9】本発明のナノプローブ装置のナノプローブ部分
を撮影した電子顕微鏡写真である。
【図10】本発明のナノプローブ装置を上面から撮影し
た電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 第1のSi層 2 第1の絶縁層 3 第2のSi層 4,5 熱膨張型アクチュエータ 6,7,8 電極パッド 9,10 電源 11 第3のSi層 12 第2の絶縁層 13,14 ナノプローブ 15,16 パッド 17 電源 18 Si層 19 SiO2 膜 20 SiN4 膜 21 酸化膜 22,23 Alマスク膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 恭雄 埼玉県比企郡鳩山町赤沼2520番地 株式会 社日立製作所基礎研究所内 (72)発明者 遠藤 潤二 埼玉県比企郡鳩山町赤沼2520番地 株式会 社日立製作所基礎研究所内 (72)発明者 角嶋 邦之 神奈川県横浜市青葉区新石川2−13−12 (72)発明者 三田 信 東京都豊島区西巣鴨2−31−7 東京大学 豊島学寮 Fターム(参考) 2G003 AG03 AG20 AH05 AH09 2G011 AA01 AA13 AA21 AB06 AC06 AC14 AC33 AF07

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1及び第2の絶縁層により互いに分離
    された第1,第2及び第3のSi層を有する基板を備
    え、 上記基板の第3のSi層にナノプローブが設けられ、上
    記第2のSi層にアクチュエータが設けられていること
    を特徴とするナノプローブ装置。
  2. 【請求項2】 前記アクチュエータが熱膨張型アクチュ
    エータであることを特徴とする、請求項1に記載のナノ
    プローブ装置。
  3. 【請求項3】 前記ナノプローブを2本有し、これらの
    ナノプローブの先端部の間隔が1μm以下であることを
    特徴とする、請求項1または2に記載のナノプローブ装
    置。
  4. 【請求項4】 前記ナノプローブ2本を一組として複数
    組を備え、それぞれの組のナノプローブの先端部の間隔
    を1μm以下としたことを特徴とする、請求項1〜3の
    いずれかに記載のナノプローブ装置。
  5. 【請求項5】 前記アクチュエータの駆動方向と直交す
    る方向に駆動される他のアクチュエータを設けたことを
    特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のナノプロ
    ーブ装置。
  6. 【請求項6】 前記第3のSi層は、Si(001)面
    方位またはこの面と等価な面方位を有し、前記ナノプロ
    ーブは、上記第3のSi層が(001)面方位を有する
    場合に、<110>方向またはこの方向と等価な方向に
    長手方向を有し、 上記第3のSi層が(010)面方位を有する場合に、
    <101>方向またはこの方向と等価な方向に長手方向
    を有し、 上記第3のSi層が(100)面方位を有する場合に、
    <011>方向またはこの方向と等価な方向に長手方向
    を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに
    記載のナノプローブ装置。
  7. 【請求項7】 前記第3のSi層は、Si(001)面
    方位またはこの面と等価な面方位を有し、前記2本のナ
    ノプローブは、 上記第3のSi層が(001)面方位を有する場合に、
    互いに直交する<110>方向及び<1−10>方向
    に、またはこれらの方向と等価な方向に長手方向を有
    し、 上記第3のSi層が(010)面方位を有する場合に、
    互いに直交する<101>方向及び<10−1>方向
    に、またはこれらの方向と等価な方向に長手方向を有
    し、 上記第3のSi層が(100)面方位を有する場合に、
    互いに直交する<011>方向及び<0−11>方向
    に、またはこれらの方向と等価な方向に長手方向を有す
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のナ
    ノプローブ装置。
  8. 【請求項8】 第1及び第2の絶縁層により互いに分離
    された第1,第2及び第3のSi層を有する基板を形成
    する工程と、第3のSi層にナノプローブを形成する工
    程と、第2のSi層にアクチュエータを形成する工程と
    からなる、ナノプローブ装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第1及び第2の絶縁層により互いに
    分離された第1,第2及び第3のSi層を有する基板を
    形成する工程は、SOI基板とSIMOX基板のそれぞ
    れの表面を熱酸化してSiO2 層を形成し、これらのS
    iO2 層を介してSOI基板とSIMOX基板を融着し
    て形成し、上記SIMOX基板のSi基板層とSiO2
    層をエッチングによって除去することによって形成され
    ることを特徴とする、請求項8に記載のナノプローブ装
    置の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記第3のSi層にナノプローブを形
    成する工程は、Siの結晶面異方性エッチングを使用す
    ることによって形成されることを特徴とする、請求項8
    に記載のナノプローブ装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記第2のSi層にアクチュエータを
    形成する工程は、D・RIE(Deep Riacti
    ve Ion Etching)と結晶面異方性エッチ
    ングのコーナーカッティングで形成されることを特徴と
    する、請求項8に記載のナノプローブ装置の製造方法。
JP2000199175A 2000-06-30 2000-06-30 ナノプローブ装置及びその製造方法 Pending JP2002014116A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000199175A JP2002014116A (ja) 2000-06-30 2000-06-30 ナノプローブ装置及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000199175A JP2002014116A (ja) 2000-06-30 2000-06-30 ナノプローブ装置及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002014116A true JP2002014116A (ja) 2002-01-18

Family

ID=18697231

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000199175A Pending JP2002014116A (ja) 2000-06-30 2000-06-30 ナノプローブ装置及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002014116A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6975124B2 (en) * 2003-09-22 2005-12-13 International Business Machines Corp. Multipoint nanoprobe
JP2006255847A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Kagawa Univ ナノピンセット、これを備える微小力計測装置および方法
CN102539028A (zh) * 2012-01-04 2012-07-04 天津大学 基于静电力原理的垂直式超微力值测量装置及其溯源方法

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6010055678, 角嶋邦之、外5名, ""ツインナノプローブの製作とナノ領域計測への応用"", 第17回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウム講演概要集, 20000530, p.88, (社)電気学会 *
JPN6010055679, 角嶋邦之、外3名, ""ナノ領域計測用Siツインプローブの製作"", 平成12年電気学会全国大会, 20000321, p.1114 *

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6975124B2 (en) * 2003-09-22 2005-12-13 International Business Machines Corp. Multipoint nanoprobe
JP2006255847A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Kagawa Univ ナノピンセット、これを備える微小力計測装置および方法
CN102539028A (zh) * 2012-01-04 2012-07-04 天津大学 基于静电力原理的垂直式超微力值测量装置及其溯源方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0584233B1 (en) Submicron tip structure with opposed tips
JP3315995B2 (ja) ドープされた半導体材料から成る導電性尖端の製造方法
JP2574500B2 (ja) プレーナ型冷陰極の製造方法
WO1993021657A1 (en) Multi-dimensional precision micro-actuator
JPH0980061A (ja) 微小探針の製造方法及びその製造用雌型基板、並びにその微小探針を有するプローブの製造方法とそのプローブ
JPH1194863A (ja) カンチレバー及びその製造方法
Abadal et al. Combined laser and atomic force microscope lithography on aluminum: Mask fabrication for nanoelectromechanical systems
JP2002014116A (ja) ナノプローブ装置及びその製造方法
JPH06196086A (ja) 電界放出陰極及びその形成方法
JPH07322649A (ja) マイクロアクチュエータ装置及びその製造方法
JP2613760B2 (ja) 半導体デバイスとその製造方法
JP3533514B2 (ja) 静電アクチュエータとその製造方法
US20070284680A1 (en) Method for manufacturing semiconductor device and semiconductor device using the same
US20040121619A1 (en) Multipoint minute electrode, device for measuring a living organism voltage, method for fabricating the multipoint minute electrode, and method for fabricating the living organism voltage-measuring device
JP4994096B2 (ja) 半導体装置の製造方法およびこれを用いた半導体装置
JP2879733B2 (ja) シリコン微細機械素子の製造方法
JPS622438B2 (ja)
JPH0852673A (ja) 探針付き超小型グリッパー
JPS63292071A (ja) 半導体加速度センサの製造方法
JP3441928B2 (ja) 微小力または微小電流検出用のプローブ及びその製造方法
Chui et al. A novel dual-axial AFM cantilever with independent piezoresistive sensors for simultaneous detection of lateral and vertical forces
JPH08285867A (ja) 探針、カンチレバー及びこれ等を具備する力顕微鏡
JP2812244B2 (ja) 単一電子トンネル素子の作製方法
JP2567838B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JPH06310029A (ja) 電子銃および量子細線の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20031031

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20040129

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070525

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20070525

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070525

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101005

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110308