JPH07321039A - 化学気相成長方法及びこれに用いられる溶媒 - Google Patents

化学気相成長方法及びこれに用いられる溶媒

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JPH07321039A
JPH07321039A JP10851894A JP10851894A JPH07321039A JP H07321039 A JPH07321039 A JP H07321039A JP 10851894 A JP10851894 A JP 10851894A JP 10851894 A JP10851894 A JP 10851894A JP H07321039 A JPH07321039 A JP H07321039A
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宏 国分
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新しい金属有機化合物を原料源とすることが
可能なCVD技術を提供することである。 【構成】 遊離性の基を持つ金属有機化合物を、この金
属有機化合物中の遊離性の基と同じ基を持つ化合物の液
体に添加した後、この溶液に気相化を施し、金属有機化
合物を分解し、支持体上に金属系膜を成長させる化学気
相成長方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化学気相成長方法(C
VD)に関するものである。
【0002】
【発明の背景】CVDは高性能な金属系膜を量産できる
方法であり、今日、広く実用化されている。しかしなが
ら、実用化されているCVDで用いられる原料は、例え
ばシラン、アルシン、ホスフィン、ジボラン、アンモニ
ア、硫化水素、セレン化水素の如く、室温においてガス
状であるか、液状であっても、テトラエトキシシラン
(TEOS)やトリメチルガリウム(TMG)のように
気相化が極めて容易なものに限られていた。
【0003】ところで、近年、CVDの高性能な点が高
く評価され、多方面の技術分野で利用されている。特
に、半導体の分野では進歩が著しく、従来では考えられ
なかった遷移金属化合物やアルカリ土類金属化合物、不
安定な金属水素化合物や金属化合物付加体などをCVD
の原料に用いる研究が進められている。しかしながら、
これらの新原料を実用化する為には、幾つかの問題点が
挙げられる。
【0004】第1に、原料は不安定な化合物が多く、保
存安定性に劣ったり、気化しよとする温度では分解が激
しかったり、付加体が容易に脱離したりする。第2に、
これまでに実用化されていない原料の殆どは、気化させ
ようとする温度においても固体であり、その粒形や容器
内残量に影響を大きく受け、安定した気化量が稼げな
い。
【0005】第3に、気化温度が高すぎ、装置の各部品
が高温に耐えられない。このような問題点における第1
の問題点を克服しようとした場合に、安定化させる為に
他の物質を添加することが考えられる。しかしながら、
CVDにあっては、原料容器自体を加熱したり、減圧し
たり、キャリヤーガスをバブリングさせたりする為、沸
点の異なる他の成分を添加すると言った考えは一顧だに
されなかった。特に、半導体の分野にあっては、超高純
度を要求される為に、原料は単一成分品か、水素ガスな
どの気体の希釈品に限られていた。
【0006】ところで、数年前より、前出の第2,第3
の問題点を解決する手段としてフラッシュベーパー法が
提案され、研究されている。このフラッシュベーパー法
は、原料の固体化合物を有機溶媒に溶かし、その微量づ
つを加熱された気化器に送り込んで固体化合物と有機溶
媒を連続的に同時に気化する手法である。しかしなが
ら、フラッシュベーパー法に用いられる有機溶媒は原料
化合物との関連に考慮が払われていなかったものである
ことから、気化しようとする温度において原料化合物が
不安定であったならば、その不安定性の解消には役立っ
ていなかった。又、新たな成分である有機溶媒が加わる
ことによる成膜の与える影響と排ガス設備の追加が大き
な問題であった。
【0007】
【発明の開示】本発明の目的は、新しい金属有機化合物
を原料源とすることが可能なCVD技術を提供すること
である。又、本発明の他の目的は、金属系膜の気相成長
に際しての作業性が良く、例えば原料源である金属有機
化合物の取扱いが簡単なものとなり、かつ、気相成長に
利用される割合が高く、コストの低廉化につながるCV
D技術を提供することである。
【0008】上記本発明の目的は、遊離性の基を持つ金
属有機化合物を、この金属有機化合物中の遊離性の基と
同じ基を持つ化合物の液体に添加した後、この溶液に気
相化を施し、金属有機化合物を分解し、支持体上に金属
系膜を成長させることを特徴とする化学気相成長方法に
よって達成される。又、金属有機化合物の化学気相成長
に際して用いられる溶媒であって、金属有機化合物中の
遊離性の基と同じ基を持つ化合物を含むことを特徴とす
る化学気相成長に際して用いられる溶媒によって達成さ
れる。
【0009】尚、本発明において、遊離性の基とは、そ
れのみで化合物の形である場合も含まれるものである。
この化学気相成長方法において、溶液に気相化を施し、
遊離性の基を持つ金属有機化合物と、金属有機化合物中
の遊離性の基と同じ基を持つ化合物とを気相化すること
が好ましい。特に、遊離性の基を持つ金属有機化合物
と、この金属有機化合物中の遊離性の基と同じ基を持つ
化合物とを共に気化位置に輸送し、気化することが好ま
しい。これによって、金属有機化合物が分解し易いもの
であったとしても、その分解を抑えることが出来、CV
Dに効率よく用いられるようになる。又、取扱いも容易
なものになる。
【0010】このような化学気相成長方法に用いられる
金属有機化合物は、例えばMn 1…Rm (式中、Mは
金属、R1 ,…,Rm は有機基、酸素原子、窒素原子、
硫黄原子、燐原子、ハロゲン原子、水素原子、及びシリ
コン系化合物の基の群の中から選ばれるものであり、n
は1〜4の整数、mは1〜8の整数)で表される金属有
機化合物であり、そしてこの金属有機化合物が添加され
る液体は、Rk 又はR k ・H(式中、kは1〜8の整
数)で表される化合物の中から選ばれるものである。そ
して、液体を構成する化合物は、金属有機化合物におけ
る金属Mとの間においてC−M結合、N−M結合、O−
M結合、S−M結合、P−M結合、及びSi−M結合の
結合群の中から選ばれる結合が可能なものである。特
に、金属有機化合物における金属と間接的な結合(例え
ば、付加結合や配位結合などの間接的な結合)により結
合できる化合物からなる液体が用いられることが好まし
い。
【0011】このような関係にあるものとしては、例え
ば金属有機化合物がDPM2 Cu(DPM=ジピバロイ
ルメタン基)である場合にはDPMH溶液が挙げられ、
金属有機化合物がDPM2 Cu・Trien2 (Tri
en=トリエチレンテトラミン)である場合にはTri
en溶液が挙げられ、金属有機化合物がAcac2 Cu
(Acac=アセチルアセトン基)である場合にはAc
acH溶液が挙げられ、金属有機化合物がシクロペンタ
ジエニル銅・トリエチルホスフィンである場合にはトリ
エチルホスフィン溶液が挙げられ、金属有機化合物がH
faCu・2−ブチン(Hfa=ヘキサフルオロアセチ
ルアセトン基)である場合には2−ブチン溶液が挙げら
れ、金属有機化合物がHfaCu・TMVS(TMVS
=トリメチルビニルシラン)である場合にはTMVS溶
液が挙げられ、金属有機化合物がHfaCu・BTMS
A(BTMSA=ビストリメチルシリルアセチレン)で
ある場合にはBTMSA溶液が挙げられ、金属有機化合
物がHfaCu・1,5−シクロオクタジエンである場
合には1,5−シクロオクタジエン溶液が挙げられ、金
属有機化合物がHfa2 Cuである場合にはヘキサフル
オロアセチルアセトン溶液が挙げられ、金属有機化合物
がAlH3 ・NEt3 である場合にはトリエチルアミン
溶液が挙げられ、金属有機化合物がAlH3 ・NEt2
Meである場合にはジエチルメチルアミン溶液が挙げら
れ、金属有機化合物がAlH3 ・NMe2 Etである場
合にはジメチルエチルアミン溶液が挙げられ、金属有機
化合物がMe3 Al・NEt3 である場合にはトリエチ
ルアミン溶液が挙げられ、金属有機化合物がMe3 Ga
・NMe2 Etである場合にはジメチルエチルアミン溶
液が挙げられ、金属有機化合物がMe3 In・NMe2
Etである場合にはジメチルエチルアミン溶液が挙げら
れ、金属有機化合物がMe3 In・HN(i−C
3 7 2 である場合にはジイソプロピルアミン溶液が
挙げられ、金属有機化合物がDPM2 Sr・Trien
2 である場合にはTrien溶液が挙げられ、金属有機
化合物がDPM2 Sr・Tetraglyme2 である
場合にはTetraglyme溶液が挙げられ、金属有
機化合物がHfa2 Sr・Triglyme2 (Tri
glyme=トリエチレングリコールジメチルエーテ
ル)である場合にはTriglyme溶液が挙げられ、
金属有機化合物がDPM2 Sr・Triglyme2
ある場合にはTriglyme溶液が挙げられ、金属有
機化合物がDPM2 Ba・Triglyme2 である場
合にはTriglyme溶液が挙げられ、金属有機化合
物がDPM2 Ba・(テトラエチレンペンタミン)2
ある場合にはテトラエチレンペンタミン溶液が挙げら
れ、金属有機化合物がDPM2 TiOである場合にはD
PMH溶液が挙げられ、金属有機化合物がTi(NEt
2 4 である場合にはジエチルアミン溶液が挙げられ、
金属有機化合物がDPM2 Pb・Trien2 である場
合にはTrien溶液が挙げられ、金属有機化合物がD
PM2 Pbである場合にはDPMH溶液が挙げられ、金
属有機化合物がPbEt3 (i−OPr)である場合に
はイソプロピルアルコール溶液が挙げられ、金属有機化
合物がTi(i−OPr)4 である場合にはイソプロピ
ルアルコール溶液が挙げられ、金属有機化合物がトリフ
ェニルビスマスである場合にはベンゼン溶液が挙げら
れ、金属有機化合物がトリス−o−トルイルビスマスや
トリス−m−トルイルビスマスである場合にはトルエン
溶液が挙げられ、金属有機化合物がMe2 Zn・NEt
3 である場合にはトリエチルアミン溶液が挙げられ、金
属有機化合物がMeZnN(CH3 )CH2 CH2
(CH3 2 である場合にはHN(CH3 )CH2 CH
2 N(CH3 2 溶液が挙げられ、金属有機化合物がM
2 AuHfaである場合にはHfaH溶液が挙げら
れ、金属有機化合物がMe2 Au(Acac)である場
合にはAcacH溶液が挙げられ、金属有機化合物がH
fa2 Ptである場合にはHfaH溶液が挙げられ、金
属有機化合物がAcac2 Coである場合にはAcac
H溶液が挙げられ、金属有機化合物がビスベンゼンクロ
ムである場合にはベンゼン溶液が挙げられ、金属有機化
合物が(EtO)5 Taである場合にはエタノール溶液
が挙げられ、金属有機化合物がTi(CH2 SiM
3 4 である場合にはMe4 Si溶液が挙げられる。
【0012】すなわち、上記各例で示されるような関係
の溶媒に金属有機化合物を添加したならば、金属有機化
合物と溶媒との間には双方に似通った基があることか
ら、溶解性が良いものとなる。しかも、下記の平衡式 R1 2 3 M+H ⇔ R1 2 M+R3 H R1 2 M・R3 ⇔ R1 2 M+R3 から判る通り、上記各例で示されるような関係の溶媒に
金属有機化合物が添加されていると、R3 HあるいはR
3 が多量にあることから、平衡式は左辺への方向にあ
り、金属有機化合物は安定した状態にあることになる。
そして、保存安定性にも富むことになる。
【0013】ところで、CVDにおいては、この手段の
性格上、気化輸送と言った非平衡状態は避けられず、上
記平衡式中で右側の低沸点有機物は忽ちのうちに気化輸
送され、失われる。つまり、反応式の矢印は一方的に右
側が強くなる。そして、有機物R3 H又はR3 を脱離し
た後のR1 2 Mは既にその気化性を失ってしまう。こ
のR1 2 Mは異常価数状態であったり、安定化要因R
3 を失った不安定状態である為に、直ちに次の分解過程
に移行することも多い。これらの現象は金属有機化合物
を気化せしめんと加熱することにより更に強まってしま
うことになる。
【0014】しかるに、脱離しようとする有機物R3
若しくはR3 を予め存在させておくことにより、前記式
の化学平衡の右向きの矢印を減ずることが出来、安定な
気化が可能になる。そして、本発明にあっては、沸点差
の異なる二種類以上の化合物が存在する為、金属有機化
合物の溶液を、加熱あるいは減圧、又は伴送ガスの流れ
る気化器の中へ微量づつ送り込み、化合物と溶媒を同時
に気化させるようにした。これにより、金属有機化合物
の溶液の入れられた容器は気化部分より低い温度に保存
することが可能であり、分解の抑制を効果的に図ること
が可能となる。
【0015】又、CVDは、化合物を気化輸送後、分解
させる工程を要する。この分解に際しては、成膜に用い
られる化合物以外のものは廃棄ガスとなる。例えば、次
式の如く、 R1 2 3 M→(分解)→M↓+R1 H↑+R2 H↑+R3 H↑ R1 H,R2 H,R3 HがCVDに際して発生し、これ
らのガスが処理されなければならない。特に、フラッシ
ュベーパー法においては、R1 H等の排気ガス処理設備
に新たに有機溶媒用の排気ガス処理設備を追加しなけれ
ばならなかった。
【0016】しかしながら、本発明のCVDにあって
は、発生するR1 H,R2 H,R3 Hの為の排気ガス処
理設備以外に新たな設備を必要とせず、ランニングコス
トの面からも好ましいものとなる。以下、具体的な実施
例を挙げて説明する。
【0017】
【実施例】先ず、遊離性の基を持つ金属有機化合物と、
この金属有機化合物中の遊離性の基と同じ基を持つ化合
物からなる溶媒との関係を述べる。 表−1 金属有機化合物 溶媒 DPM2 Cu DPMH DPM2 Cu・Trien2 Trien Acac2 Cu AcacH シクロペンタジエニル銅・トリエチルホスフィン トリエチルホスフィン HfaCu・2−ブチン 2−ブチン HfaCu・TMVS TMVS HfaCu・BTMSA BTMSA HfaCu・1,5−シクロオクタジエン 1,5−シクロオクタジエン Hfa2 Cu HfaH AlH3 ・NEt3 トリエチルアミン AlH3 ・NEt2 Me ジエチルメチルアミン AlH3 ・NMe2 Et ジメチルエチルアミン Me3 Al・NEt3 トリエチルアミン Me3 Ga・NMe2 Et ジメチルエチルアミン Me3 In・NMe2 Et ジメチルエチルアミン Me3 In・HN(i−C3 7 2 ジイソプロピルアミン DPM2 Sr・Trien2 Trien DPM2 Sr・Tetraglyme2 Tetraglyme DPM2 Sr・Triglyme2 Triglyme Hfa2 Sr・Triglyme2 Triglyme DPM2 Ba・Triglyme2 Triglyme DPM2 Ba・(テトラエチレンペンタミン)2 テトラエチレンペンタミン DPM2 TiO DPMH DPM2 Pb・Trien2 Trien DPM2 Pb DPMH PbEt3 (i−OPr) イソプロピルアルコール Ti(i−OPr)4 イソプロピルアルコール Ti(NEt2 4 ジエチルアミン トリフェニルビスマス ベンゼン トリス−o−トルイルビスマス トルエン トリス−m−トルイルビスマス トルエン Me2 Zn・NEt3 トリエチルアミン MeZnN(CH3)CH2CH2N(CH3)2 HN(CH3)CH2CH2N(CH3)2 Me2 AuHfa HfaH Me2 Au(Acac) AcacH Hfa2 Pt HfaH Acac2 Co AcacH ビスベンゼンクロム ベンゼン (EtO)5 Ta エタノール Ti(CH2 SiMe3 4 Me4 Si (Et2 N)4 Ti ジエチルアミン この表−1に示された溶媒に金属有機化合物は溶解(混
合)するものであった。すなわち、遊離性の基を持つ金
属有機化合物を、この金属有機化合物中の遊離性の基と
同じ基を持つ化合物の液体に添加したならば、これは均
一に混じってしまうものとなることが判る。
【0018】そして、これらの溶液を20℃で保存し、
その変化具合を観察したが、変化は少ないものであっ
た。すなわち、上記の溶媒に添加した金属有機化合物は
安定性が高いものであった。これに対して、例えばHf
aCu・TMVSを20℃で保存していた処、分解が徐
々に始まり、黄色から緑色のものに変化して行った。
又、AlH3 ・NMe 2 Etを20℃で保存していた
処、分解して灰白色の沈殿物が多量に発生した。又、溶
媒に添加していると言えども、金属有機化合物と溶媒と
の間に関連がない場合には、安定性に欠けていた。例え
ば、フラッシュベーパー法で一般的に使われているテト
ラヒドロフラン(THF)にDPM2 Sr・Trigl
me2 を溶解したものと、TriglmeにDPM2
r・Triglme2 を溶解したもとを用意し、1ヵ月
放置後、溶媒を留去し、気化性を調べた処、Trigl
me溶液品は95%以上の気化性があったのに対し、T
HF溶液品は90%以下に過ぎなかった。つまり、本発
明のような関係を満たす溶媒を使用していると、長期保
存性および安定性に富むことが判る。
【0019】又、図1に示す気化装置を用いた。図1
中、1は容器であり、この容器1中には、例えばAlH
3 ・NMe2 Etとジメチルエチルアミンとが等量の割
合で混合されている。そして、この混合溶液がHeガス
で圧送され、液体微量調節器2で調節され、気化器3の
部分に送られる。その直前の段階で混合物は加熱ヒータ
4で加熱されており、気化器3の部分に送られて来た混
合物は減圧状態にある為、かつ、キャリアガスの流れが
ある為、忽ちのうちに気化し、コールドトラップ5で回
収される。因みに、この回収率は90%以上であった。
又、容器1から気化器3の部分においてAlH3 ・NM
2 Etの分解物は認められなかった。
【0020】これに対して、従来用いられていた図2に
示す気化装置(6は容器、7は加熱ヒータ、8はオイル
バス、9はコールドトラップ)を用い、容器6にAlH
3 ・NMe2 Etを入れ、水素(キャリアガス)を流
し、バブリングさせると共に、オイルバス8により60
℃に加熱し、気化させ、コールドトラップ9による回収
率を調べた処、70〜80%に過ぎず、かつ、容器6の
内壁にはアルミニウムの粉末が付着していた。すなわ
ち、AlH3 ・NMe2 Etの分解物がかなり認められ
た。
【0021】又、図1の容器1中にHfaCu・TMV
Sとトリメチルビニルシランとを等量入れ、同様に行っ
た処、回収率は95〜100%であり、かつ、容器1か
ら気化器3の部分においてHfaCu・TMVSの分解
物は認められなかった。これに対して、図2の容器6中
にHfaCu・TMVSを入れ、気化輸送を試みた処、
HfaCu・TMVSの分解物が各所で認められた。
【0022】又、図1の容器1中に、DPM2 PbとD
PMHとを混合(混合比=1:1〜1:50)し、10
0〜250℃で気化を行ったが、この場合にも容器1か
ら気化器3の部分においてDPM2 Pbの分解物は認め
られなかった。これに対して、図2の容器6中にDPM
2 Pbを入れ、気化輸送を試みた処、DPM2 Pbの分
解物が認められた。
【0023】図3は、DPM2 Sr・Triglyme
2 の熱分析の結果である。100〜250℃の温度領域
で付加しているTriglymeが脱離している。従っ
て、図2のような従来の手段では気化が困難であること
が判る。しかしながら、本発明の手法を採用したなら
ば、つまりDPM2 Sr・Triglyme2 をTri
glymeに溶解し、さらに粘性を下げる為に、適当量
の一般的な有機溶媒を加え、図1の気化装置を用いて気
化を行った処、温度が150〜350℃で良好に気化輸
送された。
【0024】又、トリエチルイソプロポキシ鉛は光によ
り分解し、又、空気中で化合物のイソプロポキシド基を
脱離し、又、100℃以上で熱分解を起こす化合物であ
る為、従来では気化輸送が極めて困難なものであった。
しかしながら、トリエチルイソプロポキシ鉛をイソプロ
ピルアルコールに溶解(混合比=1:0.25〜1:
3)し、図1の装置を用いて気化を行った処、30〜8
0℃の温度で気化輸送が簡単に行えた。
【0025】又、トリス−m−トルイルビスマスは、融
点が48〜49℃、沸点が90℃/0.1〜1mmHg
である。この為、気化する為に、長時間加熱している
と、分解が起こる。しかしながら、トリス−m−トルイ
ルビスマスをトルエンに溶解し、図1の装置を用いて気
化を行った処、50〜120℃の温度で気化輸送が簡単
に行えた。回収率は90〜100%であった。
【0026】図4は、本発明になるCVDが行われる装
置の概略図である。同図中、11は容器、12は気化
器、13はストップバルブ、14は流量制御器、15は
反応管、16は加熱ヒータ、17は支持体(基板)、1
8は真空ポンプ、19は排気ガス除害設備である。そし
て、AlH3 ・NMe2 Etとジメチルエチルアミンと
の等量混合物が容器11に入れられており、これがHe
ガスの圧送により気化器12に導かれ、気化させられ
る。この後、反応管15に導かれ、200℃に加熱され
ている支持体17に堆積した。この成膜された堆積物を
調べると、これはAlであった。
【0027】又、HfaCu・TMVSとトリメチルビ
ニルシランとの混合物を容器11に入れ、同様に行った
処、190〜230℃に加熱されている支持体17に銅
の膜が堆積した。又、(Et2 N)4 Tiとジエチルア
ミンとの混合物を容器11に入れ、同様に行った処、支
持体17にチタン系の膜が堆積した。
【0028】又、Hfa2 CuとHfaHとの混合物を
容器11に入れ、同様に行った処、支持体17に銅の膜
が堆積した。その他、上記した金属有機化合物と溶媒に
ついても同様に行った処、支持体に膜が堆積した。
【0029】
【効果】本発明によれば、CVDにおける原料(不安定
な化合物)を安定に保存輸送・気化することが出来る。
従って、金属有機化合物の取扱いが簡単なものとなり、
かつ、気相成長に利用される割合が高く、コストが低廉
なものになる。更には、従来、CVDには用いられなか
った新しいタイプの金属有機化合物を原料源とすること
も可能となる。
【0030】又、排気ガス設備を簡単なものに出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】気化装置の概略図
【図2】気化装置の概略図
【図3】DPM2 Sr・Triglyme2 の熱分析の
チャート
【図4】CVD装置の概略図
【符号の説明】
11 金属有機化合物と溶媒との混合溶液が入れられる
容器 12 気化器 15 反応管 17 支持体 18 真空ポンプ
フロントページの続き (72)発明者 国分 宏 神奈川県愛甲郡愛川町中津字桜台4002番地 株式会社トリケミカル研究所内 (72)発明者 執行 真道 神奈川県愛甲郡愛川町中津字桜台4002番地 株式会社トリケミカル研究所内 (72)発明者 須藤 弘 神奈川県愛甲郡愛川町中津字桜台4002番地 株式会社トリケミカル研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遊離性の基を持つ金属有機化合物を、こ
    の金属有機化合物中の遊離性の基と同じ基を持つ化合物
    の液体に添加した後、この溶液に気相化を施し、金属有
    機化合物を分解し、支持体上に金属系膜を成長させるこ
    とを特徴とする化学気相成長方法。
  2. 【請求項2】 遊離性の基を持つ金属有機化合物と、金
    属有機化合物中の遊離性の基と同じ基を持つ化合物とを
    気相化することを特徴とする請求項1の化学気相成長方
    法。
  3. 【請求項3】 遊離性の基を持つ金属有機化合物と、こ
    の金属有機化合物中の遊離性の基と同じ基を持つ化合物
    とを共に気化位置に輸送し、気化することを特徴とする
    請求項1または請求項2の化学気相成長方法。
  4. 【請求項4】 金属有機化合物は、Mn 1 …Rm (式
    中、Mは金属、R1…,Rm は有機基、酸素原子、窒素
    原子、硫黄原子、燐原子、ハロゲン原子、水素原子、及
    びシリコン系化合物の基の群の中から選ばれるものであ
    り、nは1〜4の整数、mは1〜8の整数)で表される
    金属有機化合物であり、この金属有機化合物が添加され
    る液体は、Rk 又はRk ・H(式中、kは1〜8の整
    数)で表される化合物の中から選ばれるものであること
    を特徴とする請求項1〜請求項3いずれかの化学気相成
    長方法。
  5. 【請求項5】 液体を構成する化合物は、金属有機化合
    物における金属Mとの間においてC−M結合、N−M結
    合、O−M結合、S−M結合、P−M結合、及びSi−
    M結合の結合群の中から選ばれる結合が可能なものであ
    ることを特徴とする請求項1〜請求項4いずれかの化学
    気相成長方法。
  6. 【請求項6】 金属有機化合物における金属と間接的な
    結合により結合できる化合物からなる液体が用いられる
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5いずれかの化学気
    相成長方法。
  7. 【請求項7】 金属有機化合物の化学気相成長に際して
    用いられる溶媒であって、金属有機化合物中の遊離性の
    基と同じ基を持つ化合物を含むことを特徴とする化学気
    相成長に際して用いられる溶媒。
  8. 【請求項8】 金属有機化合物は、Mn 1 …Rm (式
    中、Mは金属、R1…,Rm は有機基、酸素原子、窒素
    原子、硫黄原子、燐原子、ハロゲン原子、水素原子、及
    びシリコン系化合物の基の群の中から選ばれるものであ
    り、nは1〜4の整数、mは1〜8の整数)で表される
    金属有機化合物であり、この金属有機化合物に対する溶
    媒は、Rk 又はRk ・H(式中、kは1〜8の整数)で
    表される化合物の中から選ばれるものであることを特徴
    とする請求項7の化学気相成長に際して用いられる溶
    媒。
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