JP4100546B2 - Cvd用液体原料及びcvd装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁性体、半導体、強誘電体、超伝導体などに使用されるZnO等の金属酸化物薄膜の製法に用いられるCVD(Chemical Vapor Deposition;化学気相成長法)用液体原料及びこの原料を用いるCVD装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、強誘電体を中心としたこの種の薄膜の原料又は製法として、特開平6−158328号公報、特開平7−268634号公報、特開平5−117855号公報、特開平6−9660号公報などが既に提案されており、その中で主にテトラヒドロフラン(THF,C4H8O)を溶媒として用い、有機金属化合物を溶質として気化するCVD成膜法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際にこれらの公報例で示されたTHF溶液に複数の有機金属を混合した場合、材料によっては必要とする濃度に達する前に混合液中に沈殿を生じたり、市販のエステック社製の溶液気化システム(液体を加熱した多数の微小金属球に直接に接触させて、加熱気化する方法)により気化を行うと、僅か十数回のランニング試験で配管全体に目詰まりを起こして、システム全体が制御不能に陥るなど、生産上の重大な欠点があることを見出された。
【0004】
そして、その原因を究明した結果、これは混合溶液の溶媒の気化特性に問題があると考えられ、これを解決することが実生産ラインで使用する上での必須課題であるといえる。
【0005】
また、CVD用液体原料を調合する際に、溶媒としてTHFを用いるとTHFは揮発性が高いため、調合時に溶媒が気化してしまうことによる体積減少が起こる。その結果、目的とする濃度の溶液を調合することが操作上、困難であった。
【0006】
本発明は、従来のテトラヒドロフラン(THF)溶媒では不具合の多かった材料でも沈殿等の発生などの支障なく溶解することができ、かつ、配管中を目詰まりなく移送することができ、かつ、気化効率も問題なく溶液気化方式に適用し得るCVD用液体原料及びこの原料を用いるCVD装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明のCVD用液体原料は、ジオキサンと水との混合溶媒に、金属原子にアセチルアセトナト配位子のみが配位結合した有機金属錯体を溶かしたものであることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のCVD用液体原料において、前記有機金属錯体が、Fe (acac) 3とMn (acac) 2とであることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のCVD用液体原料において、前記溶媒の水の混合比が20wt%以下であることを特徴とする。
【0012】
従って、これらの発明によれば、ジオキサンとジオキサン誘導体との少なくとも一方と水との混合溶媒で調合したCVD用液体原料を用いることによって、錯体に溶媒が強く配位し、かつ、溶液中での錯体の安定性が増加する、CVD用液体原料が実現できる。
【0013】
また、ジオキサンと水との混合溶媒は、THFよりも揮発性が低いので、前述したような揮発性が高いことに起因する不具合が起こらず、目的とする濃度の溶液を調合することが容易である。
【0014】
ジオキサンと水との間には相互作用があり、ジオキサン中の水分子の双極子モーメント値は大きくなる。このことにより、ジオキサン分子と水分子との間に水素結合が生じる(例えば、20mo1%のジオキサン溶液ではジオキサン1分子に対して4分子の水が結合している)。このような混合溶媒に有機金属錯体を溶解すると錯体に対して水分子が結合したジオキサン分子が溶媒和することにより、ジオキサンのみの純溶媒を使用するよりも強い溶媒和が形成されると考えられる。そのため、溶液中での錯体の安定度が増し、かつ、溶液を気化する際の錯体の熱分解反応を防ぐ効果がある。
【0015】
上記のことはジオキサン誘導体の使用時においても言えることである。
【0018】
請求項4記載の発明のCVD装置は、成膜対象となる基板がセットされるチャンバと、請求項1ないし3の何れか一記載のCVD用液体原料を収納するタンクと、少なくとも1種類以上の成分元素を前記チャンバ内に供給するために前記タンク内に収納された前記CVD用液体原料を加熱部分に接触させて気化させ、搬送ガスとともに前記チャンバへ送り込む気化器と、を備える。
【0019】
従って、CVD法にこれらの液体気化原料を用いるCVD装置は利用可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に本実施の形態のCVD用液体原料を用いて金属酸化物薄膜をCVD法により成膜するためのCVD装置の概略構成を示す。
【0021】
まず、成膜対象面を上向きとして基板1がセットされるCVDチャンバ2が設けられている。このCVDチャンバ2は排気口3を介して排気可能である。また、CVDチャンバ2の上部には酸素ガスを導入するための酸素ガス配管5が混合器6、混合ガス配管7を介して連結されている。混合ガス配管7のCVDチャンバ2内における下端は基板1に対向するノズル8とされている。
【0022】
一方、CVD用液体原料9が収納される液体原料タンク10が設けられ、液体原料加圧ガス配管11により加圧ガスの液体原料タンク10内への導入が可能とされている。この液体原料タンク10内の液体原料(混合溶液)9は液体原料供給配管12を介して気化器13内に供給可能とされている。この気化器13内には微小金属球14が設けられており、供給された液体原料9の加熱蒸発及び気化が可能とされている。また、この気化器13内には供給配管15を介して不活性キャリアガスの導入が可能とされている。さらに、気化器13と混合器6とは加熱・気化させた液体原料の混合蒸気を含む不活性キャリアガスを混合器6内に送り込むための気化ガス送出配管16により連結されている。
【0023】
このような構成において、概略的には、少なくとも1種類以上の成分元素をCVDチャンバ2内に供給するために、液体原料9を気化器13において加熱部分(微小金属球14)に接触させて気化させ、搬送ガスとともにCVDチャンバ2へ送り込むことにより、CVDチャンバ2内で基板1上に成膜を行う。
【0024】
ここに、本実施の形態において用いる液体原料9について説明する。
【0025】
まず、Fe(acac)3;5gとMn(acac)2;2gを100mlの100%ジオキサン、90%ジオキサン(10%水)、80%ジオキサン(20%水)に溶かし、密閉容器で1日、1週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月間放置した結果、何れも色変化・沈殿がなかった。
【0026】
一方、THF;100mlにFe(acac)3;5gとMn(acac)2;2gを溶かした溶液は数時間で沈殿を生じたものである。
【0027】
また、ジオキサンと水との混合溶媒で調合した先のCVD用液体原料を200℃の温度で気化した結果、残渣は0.8wt%以下に抑えることができたものである。
【0028】
これによって市販のエステック社製の気化器13を用いたところ、配管16に詰まりなく運用できることが確認できたものである。
【0029】
この気化蒸気をアルゴンガス100ccmで希釈し、基板1直上で酸素ガス500ccmと混合し、雰囲気圧力を3Torrとしたところ、600℃基板温度にてFe:Mn:O=2:1:4の組成の薄膜を形成することができ、CVD用原料として問題なく利用できることを確認したものである。
【0030】
これらの結果から、より一般的には、液体原料9としては、使用する溶媒が極性を有する非プロトン性有機溶媒にプロトン性溶媒を添加してなるプロトン性有機混合溶媒としてなるものであればよいといえる。
【0031】
この場合、プロトン性溶媒として水を使用し、かつ、その混合比が40wt%以下であることが望ましい。
【0032】
また、非プロトン性有機溶媒としては、
▲1▼ ジオキサン
▲2▼ 下記に示す構造式
【化5】
を有するジオキサン誘導体(R1,R2の少なくとも一方が炭素数1,2又は3の直鎖又は分岐した官能基或いは炭素数1,2又は3の直鎖又は分岐したエーテル基を含む官能基であるジオキサン誘導体)を使用した混合溶液に有機金属錯体を溶かしたもの
▲3▼ 下記に示す構造式
【化6】
を有するジオキサン誘導体(R1〜R4は炭素数1,2又は3の直鎖又は分岐した官能基或いは炭素数1,2又は3の直鎖又は分岐したエーテル基を含む官能基であり、少なくとも3置換され、又は、全て置換されたジオキサン誘導体)を使用した混合溶液に有機金属錯体を溶かしたもの
【0033】
の何れか1つ又は2種類以上含むものが好ましい。
【0034】
また、溶解する有機金属錯体は、水和物或いは水が配位可能な部位を持つ無水錯体であることが好ましい。有機金属錯体は、少なくとも1種類以上の金属原子にアセチルアセトナト、ジピバロイルメタナト、アルコキシド、ヘキサフルオロアセチルアセトナト、ペンタフルオロプロパノイルピバロイルメタナト、シクロペンタジエニルなどの配位子が1つ以上配位結合してなるものであることが好ましい。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、使用する溶媒が極性を有する非プロトン性有機溶媒にプロトン性溶媒を添加してなるプロトン性有機混合溶媒を含むCVD用液体原料としたので、錯体に溶媒が強く配位し、かつ、溶液中での錯体の安定性が増加することから、従来のTHF溶媒では不具合の多かった材料でも沈殿等の発生などの支障なく溶解することができ、かつ、配管中を目詰まりなく移送することができ、また、気化器に残る残渣量を測定した結果、その量が極めて少なくなったことから、気化効率も問題ない安定した溶液気化方式のCVD用原料が得られるという効果が確認されたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示すCVD装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 基板
2 チャンバ
9 CVD用液体原料
10 タンク
13 気化器
Claims (4)
- ジオキサンと水との混合溶媒に、金属原子にアセチルアセトナト配位子のみが配位結合した有機金属錯体を溶かしたものであることを特徴とするCVD用液体原料。
- 前記有機金属錯体が、Fe (acac) 3とMn (acac) 2とであることを特徴とする請求項1記載のCVD用液体原料。
- 前記溶媒の水の混合比が20wt%以下であることを特徴とする請求項1又は2記載のCVD用液体原料。
- 成膜対象となる基板がセットされるチャンバと、
請求項1ないし3の何れか一記載のCVD用液体原料を収納するタンクと、
少なくとも1種類以上の成分元素を前記チャンバ内に供給するために前記タンク内に収納された前記CVD用液体原料を加熱部分に接触させて気化させ、搬送ガスとともに前記チャンバへ送り込む気化器と、
を備えるCVD装置。
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