JPH07321031A - 投影露光装置、及び該装置の調整方法 - Google Patents

投影露光装置、及び該装置の調整方法

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JPH07321031A
JPH07321031A JP7067788A JP6778895A JPH07321031A JP H07321031 A JPH07321031 A JP H07321031A JP 7067788 A JP7067788 A JP 7067788A JP 6778895 A JP6778895 A JP 6778895A JP H07321031 A JPH07321031 A JP H07321031A
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昭一 谷元
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敏男 松浦
Shigeo Murakami
成郎 村上
Makoto Uehara
誠 上原
Kyoichi Suwa
恭一 諏訪
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  • Light Sources And Details Of Projection-Printing Devices (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】簡単な構成で高速かつ高精度に感光基板とマス
ク(投影像)との位置合せを行う装置を得る。 【構成】位置決めすべきウエハ(9)の位置ずれを投影
レンズ(6)を介してTTL方式で検出するアライメン
ト検出系(15、16、18、23、24、25)の検
出中心とレチクル(5)の投影点との相対位置関係をウ
エハステージ(7)上の基準マーク板(FM)を使って
チェックする際、その基準マーク板(FM)に対して焦
点合せを実行するように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は集積回路(IC)等のパタ
ーンを光学的に転写する投影型露光装置等において、マ
スクやレチクルと感光基板(ウェハ)との位置合せを正
確に行なうための位置合せ装置に関するものである。
【0002】
【発明の背景】大規模集積回路(LSI)パターンの微
細化は年々進行しているが、微細化に対する要求を満た
し、且つ生産性の高い回路パターン焼付け装置として縮
小投影型露光装置が普及してきている。従来より用いら
れてきたこれらの装置においては、シリコンウェハに焼
付けされるべきパターンの何倍か(例えば5倍)のレチ
クルパターンが投影レンズによって縮小投影され、1回
の露光で焼付けされるのはウェハ上で対角長21mmの正
方形よりも小さい程度の領域である。従って直径125
mm位のウェハ全面にパターンを焼付けるには、ウェハを
ステージに載せて一定距離移動させては露光を繰返す、
いわゆるステップアンドリピート方式を採用している。
【0003】LSIの製造においては、数層以上のパタ
ーンがウェハ上に順次形成されていくが、異なる層間の
パターンの重ね合せ誤差(位置ずれ)を一定値以下にし
ておかなければ、層間の導電または絶縁状態が意図する
ものでなくなり、LSIの機能を果すことができなくな
る。例えば1μmの最小線幅の回路に対しては、せいぜ
い0.2μm程度の位置ずれしか許されない。
【0004】縮小投影式の露光装置においては、既に形
成されたウェハ上のパターンとレチクルの投影像の位置
を合わせる方式としてオフアクシス(off−axi
s)方式とスルーザレンズ方式(TTL方式)がある。
オフアクシス方式においては投影レンズの外部にある位
置合わせ用顕微鏡によってウェハの位置合わせマークの
位置を計測し、ウェハ全体をレチクルに対し一度に位置
合わせしてしまうので高速な位置合わせ動作が可能であ
り、回転位置合わせが高精度でできるという特徴がある
が、ウェハ全体又は部分的に伸縮があると、ウェハ全面
にわたって良好な位置合わせ精度を保つことが困難とな
る。
【0005】一方、TTL方式においては投影レンズを
通して投影露光する小領域毎にウェハの位置合わせマー
クを検出できるので、ウェハ全面にわたって良好な精度
が得られるという特徴があるが、位置合わせ動作が遅
く、回転位置合わせ誤差も除きにくいという欠点があっ
た。
【0006】
【発明の目的】本発明はこれら両方式の欠点を解決し、
簡単な構成で高速かつ高精度に感光基板とマスク(投影
像)との位置合せを行なう装置を得ることを目的とす
る。
【0007】
【発明の概要】本発明は、マスク(レチクル)のパター
ン像を感光基板(ウェハ)に投影する投影光学系(縮小
投影レンズ)と、投影されたパターン像とウェハの2次
元的な位置ずれを検出する検出装置と、その位置ずれが
なくなるようにウェハを互いに直交するX方向とY方向
とに移動させると共に回転させる手段(ステージやウェ
ハホルダ)とを有する装置において、前記検出装置に、
ウェハのX方向の位置ずれを投影レンズを介して検出す
るための光学系を備えた第1検出手段(スルーザレンズ
方式のX方向のアライメント検出系)と、ウェハのY方
向と回転方向の位置ずれを検出するために投影レンズと
別設した光学系を備えた第2検出手段(オフアクシス方
式のY方向、θ方向のアライメント検出系)とを設ける
こと、あるいは前記検出装置に、ウェハのX方向とY方
向との位置ずれを投影レンズを介して検出するための光
学系を備えた第1検出手段(スルーザレンズ方式のX方
向、Y方向のアライメント検出系)と、ウェハの回転方
向の位置ずれを検出するために投影レンズと別設した光
学系を備えた第2検出手段(オフアクシス方式のθ方向
のアライメント検出系)とを設けることを技術点要点と
している。
【0008】
【実施例】次に本発明の実施例が適用される投影型露光
装置の構成を図1、図2、図3に基づいて説明する。光
源1は感光剤を感光するような波長(露光波長)の照明
光を発生し、その照明光は第1コンデンサーレンズ2を
通った後、シャッター3を通り、第2のコンデンサーレ
ンズ4に至る。シャッター3は照明光の透過及び遮断を
制御し、第2コンデンサーレンズ4はレチクル(マス
ク)5を均一な照明光で照明する。縮小投影レンズ(以
下単に投影レンズとする)6はレチクルRに描かれたパ
ターンの像を1/5、あるいは1/10に縮小し、その
縮小像を感光剤の塗布されたウェハ(感光基板)9上に
投影する。ウェハホルダー8はそのウェハ9を真空吸着
するとともに、2次元移動ステージ(以下単にステージ
とする)7上に回転可能及び上下動可能に設けられてい
る。さらにそのステージ7には、ウェハホルダー8の上
下動に伴って上下動する基準マーク板FMが設けられて
いる。ステージ7の2次元的な位置のうち、X方向の位
置はレーザ光束の干渉を利用したレーザ干渉計10によ
って検出され、X方向と直交するY方向の位置は図2に
示すようにレーザ干渉計104によって検出される。ス
テージ7にはレーザ干渉計用の平面ミラー7a、7bが
互いに直交するように設けられ、それぞれレーザ干渉計
10、レーザ干渉計104からのレーザビームを反射す
る。両干渉計10、104からのレーザビームは直交
し、その交点が投影レンズ6の光軸Oと一致するように
配置される。
【0009】図1において、レーザ光源11は、ウェハ
9上の感光剤を感光させない波長の光を発生し、その光
束はビームエクスパンダー12、シリンドリカルレンズ
13を通り、反射鏡14で反射された後ビームスプリッ
ター15を通り、集光レンズ16で集光されて反射鏡1
7でレチクルRの裏面(投影レンズ6側の面)に向けて
進む。視野絞18は、そのレーザ光束の集光点に配置さ
れて、視野絞18を通したレーザ光束は発散して反射鏡
19に入射する。この視野絞18の中央にはレーザ光束
が楕円形に結像する。反射鏡19はレチクルRの裏面
(以下パターン面と呼ぶ)と平行な反射平面を有し、入
射してきたレーザ光束を投影レンズ6の瞳に向けて反射
する。
【0010】反射鏡19で反射したレーザ光束21は投
影レンズ6によって集光され、ウェハ9上にスポット光
LYを形成する。スポット光LYはシリンドリカルレン
ズ13によってX方向に細長く伸びた楕円形であり、ウ
ェハ9上にX方向に細長く伸びたマークのY方向の位置
を検出するものである。そのウェハ9上のマークで生じ
た散乱光あるいは回折光は、投影レンズ6に逆入射して
反射鏡19、視野絞18、反射鏡17、及び集光レンズ
16を通って、ビームスプリッター15で反射されて、
空間フィルター23に至る。空間フィルター23は、ウ
ェハ9からの正反射光を遮断し、散乱光や回折光を透過
する。集光レンズ24は空間フィルター23を通ったマ
ークからの散乱光や回折光を光電検出器25の受光面に
集光する。さて、そのスポット光LYを形成するレーザ
光束21の主光線は、図1に示すようにレチクル5と投
影レンズ6の間では投影レンズ6の光軸に対して傾いて
いる。
【0011】これは、投影レンズ6のレチクル5側が非
テレセントリックな光学系だからである。そこで、レー
ザ光束21を投影レンズ6の瞳に向けて反射する反射鏡
19をレチクル5のパターン投影の際、レチクル5から
の露光波長の光が遮光されないような位置に配置する。
以上、ビームスプリッタ15、集光レンズ16、視野絞
18、空間フィルター23、集光レンズ24、及び光電
検出器25によってTTL方式によるY方向のアライメ
ント検出系を構成する。尚、図1では不図示であるが、
ウェハ9上にY方向に細長く伸びたレーザ光のスポット
光LXを形成するTTL方式によるX方向のアライメン
ト検出系が紙面と垂直な方向にも全く同様に設けられて
いる。
【0012】さて、ウェハ9のアライメント(位置合
せ)のために、投影レンズ6を介したTTL方式のアラ
イメント検出系の他に、オフ・アクシス系のウェハアラ
イメント検出系が設けられている。レーザ光源31はウ
ェハ9上の感光剤を感光させない波長のレーザ光を発生
し、そのレーザ光束は、ビームエクスパンダー32で平
行光束に形成され、シリンドリカルレンズ33を通っ
て、ガルパノミラー等の振動鏡35で反射された後、集
光レンズ36に入射して焦点37にレーザ光束を集光す
る。振動鏡35は微小角だけ一定の角周波数で回転振動
する。このため焦点37に集光したレーザ光束は、紙面
と垂直な方向に単振動する。さて、集光レンズ36から
の振動したレーザ光束は、第2対物レンズ38によって
再び平行光束にされて、ビームスプリッター39で2つ
の光束に分割される。ビームスプリッター39で反射し
たレーザ光束は反射鏡40で反射された後、ビームスプ
リッター41に入射する。ビームスプリッター41で反
射されたレーザ光束は第1対物レンズMYに入射し、シ
リンドリカルレンズ33と、この第1対物レンズMYと
第2対物レンズ38とによって、ウェハ9上にX方向に
細長く延びた楕円形のスポット光MYSが結像される。
一方、ビームスプリッター39を透過したレーザ光束
は、ビームスプリッター42で反射されて、第1対物レ
ンズMθに入射する。これによってウェハ9上にX方向
に細長く延びた楕円形のスポット光MθSが結像され
る。第1対物レンズMY、Mθの両光軸は、ともに投影
レンズ6の光軸と平行に配置され、その間隔は円板状の
ウェハ9の直径よりも小さな所定値に定められている。
また、第1対物レンズMY、Mθの両光軸を結ぶウェハ
9上の線分の方向は、X方向と一致するように定められ
ている。スポット光MYS、MθSは振動鏡35によっ
て、ウェハ9上をY方向に微小振動し、ウェハ9上にX
方向に細長く形成されたマークを照射する。そして、ス
ポット光MYSの照射により、そのマークから生じた散
乱光又は回折光は、第1対物レンズMYに逆入射し、ビ
ームスプリッター41を透過した後、空間フィルター4
3に至る。空間フィルター43は、スポット光MYSの
ウェハ9からの正反射光を遮断し、マークからの散乱光
や回折光を透過する。その散乱光や回折光は、集光レン
ズ44によって光電検出器45の受光面に集光される。
同様に、スポット光MθSの照射によりウェハ9上のマ
ークから生じた散乱光又は回折光は第1対物レンズMθ
に逆入射し、ビームスプリッター42を透過した後、空
間フィルター46に至る。空間フィルター46は空間フ
ィルター43と同じ作用を有し、その空間フィルター4
6を通った散乱光や回折光は、集光レンズ47によって
光電検出器48の受光面に集光される。光電検出器4
5、48はウェハ9のマークからの散乱光や回折光の量
に応じた光電信号を出力する。尚、ビームスプリッター
39、反射鏡40は図1中、投影レンズ6の背後に配置
され、第1対物レンズMY、Mθも、図2に示すように
投影レンズ6の背後に配置される。これは図2に示すよ
うにステージ7上のウェハホルダー8にウェハ9を装置
の正面から矢印WL1のように搬送する際、第1対物レ
ンズMY、Mθが機械的に干渉しないようにするととも
に、ウェハホルダー8のウェハ載置面のクリーニング等
の保守を容易にするためである。尚、第1対物レンズM
Y、ビームスプリッター41、空間フィルター43、集
光レンズ44及び光電検出器45によって構成されたア
ライメント系を、Yアライメント検出系とし、第1対物
レンズMθ、ビームスプリッター42、空間フィルター
46、集光レンズ47及び光電検出器48によって構成
されたアライメント系をθアライメント検出系とする。
【0013】さて、図1において、レチクル5のアライ
メントのために、3つのアライメント光学系が設けられ
ている。レチクル5の周辺には、投影露光の際、パター
ンの投影領域の周辺に投影されるような3つの位置にレ
チクルアライメントマーク52、55、58が設けられ
ている。顕微鏡対物レンズ50aと反射鏡50bとで構
成されたレチクルアライメント光学系50は、レチクル
5と第2コンデンサーレンズ4との間からレチクルアラ
イメントマーク52を検出する。このマーク52はレチ
クル5のY方向の位置合わせのために設けられ、レチク
ルアライメント光学系50は所定の基準位置(検出中
心)を有し、その基準位置に対するマーク52のY方向
のずれを検出する。また、顕微鏡対物レンズ51aと反
射鏡51bとで構成されたレチクルアライメント光学系
51は、レチクルアライメントマーク55を検出する。
このマーク55はレチクル5のY方向の位置合せのため
に設けられ、レチクルアライメント光学系51は基準位
置(検出中心)に対するマーク55のY方向のずれを検
出する。顕微鏡対物レンズ53aと反射鏡53bとで構
成されたレチクルアライメント光学系53はレチクルア
ライメントマーク58を検出する。このマーク58はレ
チクル5のX方向の位置合せのために設けられ、レチク
ルアライメント光学系53は基準位置(検出中心)に対
するマーク58のX方向のずれを検出する。上記3つの
レチクルアライメント光学系50、51、53はマーク
52、55、58をそれぞれ顕微鏡対物レンズ50a、
51a、53a、反射鏡50b、51b、53bを介し
て露光波長の光で同軸にレチクル5を照明する照明光学
系を備えている。また、レチクルアライメント光学系5
0、51、53はマーク52、55、58以外に、投影
レンズ6を介して基準マーク板FMに設けられたマーク
も検出する。
【0014】さて、図3は上記TTL方式のアライメン
ト検出系によるスポット光LY、LXと、Yアライメン
ト検出系、θアライメント検出系によるスポット光MY
S、MθS及びレチクルアライメント光学系50、5
1、53の検出中心の投影位置との配置を、ウェハ9の
表面を含む平面上で示した平面図である。投影レンズ6
の光軸が通る位置をXY座標系の原点(露光中心)Oと
一致させるものとすると、ステージ7はXY座標系のX
方向とY方向とに移動する。円形の領域60は投影レン
ズ6によって投影し得る最大の露光領域を表わし、その
内側の矩形状の領域61は、ウェハ9に露光されるレチ
クル5の矩形状のパターン露光領域を表わす。レチクル
アライメント光学系50、51の検出中心の投影像50
W、51Wは、各々X方向に所定の微小長さを有し、と
もにX軸上に一致して投影される。レチクルアライメン
ト光学系53の検出中心の投影像53WはY方向に所定
の微小長さを有し、Y軸上に一致して投影される。しか
も、その像50W、51W、53Wはともにパターン露
光領域61の外側で、有効露光領域60の内側に定めら
れる。
【0015】一方、TTL方式で形成されたスポット光
LY、LXも、パターン露光領域61の外側で有効露光
領域60の内側に結像され、原点Oに対して放射状に位
置する。スポット光LYの長手方向(X方向)の中心か
らY軸までの距離はX1 に定められ、スポット光LXの
長手方向(Y方向)の中心からX軸までの距離はY2
定められている。
【0016】また、スポット光LYのY方向の中心位置
は、X軸と一致していることが望ましいが、X軸に対す
るY方向の距離YLYが予め正確に検出されていればよ
い。スポット光LXのX方向の中心位置もY軸と一致し
ていることが望ましいが、Y軸に対するX方向の距離X
LXが予め正確に検出されていればよい。さて、Yアラ
イメント検出系の第1対物レンズMYと、θアライメン
ト検出系の第1対物レンズMθとで結像されたスポット
光MYS、MθSはX軸から距離Y1 の位置に形成さ
れ、スポット光MYSの長手方向(X方向)の中心と、
スポット光MθSの長手方向(X方向)の中心との間隔
はlに定められている。本実施例では、さらにスポット
光MYS、MθSのX方向の中心がともにY軸から等し
い距離、すなわちY軸に関して左右対称にあるものとす
る。また、ステージ7上の基準マーク板FMは、ガラス
基板上にクロム層で所定のパターン(マーク)を凹凸に
より形成したものである。
【0017】基準マーク板FMには、微小線要素をY方
向に規則的に配列した格子状の基準マークFMXと、微
小線要素をX方向に規則的に配列した格子状の基準マー
クFMYとが設けられている。この基準マークFMY
が、スポット光MYS、MθS、又はLYにより照射さ
れると、格子のピッチやレーザ光の波長に応じて回折光
が生じ、またスポット光LXが基準マークFMXを照射
すると、同様に回折光が生じる。スポット光MYS、M
θSはY方向に微小振動しているが、その振幅はスポッ
トサイズの幅と同程度に定められる。
【0018】また、オフアクシス方式のウェハアライメ
ント系(Yアライメント光学系、θアライメント光学
系)は、装置の基準位置に対するウェハ9のY方向の位
置ずれと、ウェハ9の回転ずれとを検出するものであ
り、TTL方式(オンアクシス方式)のアライメント系
は、装置の所定の基準位置、すなわちパターン露光領域
61あるいは有効露光領域60に対するスポット光L
X、LYの位置から、ウェハ9上の露光すべき領域がX
方向、Y方向にどれだけずれているかを検出するもので
ある。そこでTTL方式のアライメント系は、以後、レ
ーザ・ステップ・アライメント(Laser Step
Alignment)検出系LSAとし、スポット光
LXを使うアライメント系をX−LSA検出系と呼び、
スポット光をLYを使うアライメント系をY−LSA検
出系と呼ぶことにする。
【0019】ところでそのX−LSA検出系、Y−LS
A検出系においては、感光剤を感光しないような露光波
長とは異なる波長のレーザ光束が投影レンズ6を通る。
一般にこの種の投影レンズは露光波長の光に対して色収
差の補正がなされている。このため露光波長と異なる波
長の光を使った場合、露光波長の光でレチクル5のパタ
ーン像をウェハ9上に投影したときに得られるレチクル
5のパターン面とウェハ9の表面との共役関係は、大き
くずれてしまう。そこで本実施例では、光源1からの露
光波長の光をレチクル5に照射したときに得られる投影
レンズ6の結像面と同一面内にスポット光LX、LYが
結像するように、反射鏡17、19によってレーザ光束
のレチクル5側の光路長を調整している。
【0020】また、スポット光LY、LX、MYS、M
θSの各結像面はともに同一平面上になるように定めら
れ、しかもその平面は、露光波長の照明光でレチクル5
を照明した際、投影レンズ6がレチクル5のパターン像
を結像する面と一致するように定められている。さて、
図4はスポット光LYと基準マークFMYとの関係を示
し、図5はY−LSA検出系の空間フィルター23の形
状を示す平面図である。図4において、ステージ7をY
方向に移動させて、基準マークFMYがスポット光LY
を走査すると、基準マークFMYからは正反射光(0次
回折光)の他に、1次、2次…の回折光が格子の配列方
向に生じる。図5に示すように円板状の空間フィルター
23には中央部分に帯状の遮光部23aが形成され、そ
の上下に光透過部23bが形成されている。
【0021】遮光部23aはスポット光LYの基準マー
ク板FM、あるいはウェハ9からの正反射光LYdを遮
断する。基準マークFMYから生じる回折光のうち1次
回折光±L1と、2次回折光±L2とが透過部23bを
透過する。本実施例では、X−LSA検出系の空間フィ
ルターやYアライメント検出系、θアライメント検出系
の空間フィルター43、46についても全く同様に構成
される。また、ウェハ9上には、基準マークFMY、F
MXと同様の回折格子状のマークが凹凸で形成され、各
スポット光LY、LX、MYS、MθSがそのマークを
照射した際、同様に回折光が発生する。
【0022】図6は装置全体を制御する制御系の回路ブ
ロック図である。全体の動作やシーケンスは、マイクロ
・コンピュータ(以下CPUと呼ぶ)100によって統
括制御される。CPU100からの情報はインターフェ
イス回路(以下、IFと呼ぶ)101を介して各種周辺
装置(周辺回路)に出力される。また周辺回路や装置か
らの検出情報もIF101を介してCPU100に読み
込まれる。さて、ステージ7はモータ等を用いたX方向
駆動手段(以下、X−ACTと呼ぶ)102と、Y方向
駆動手段(以下、Y−ACTと呼ぶ)によって、2次元
的に移動する。その移動量はIF101を介してCPU
100から指令される。ステージ7の位置はレーザ干渉
計10とレーザ干渉計104によって座標値として検出
されるが、レーザ干渉計10、104からは、それぞれ
ステージ7の単位移動量、例えば0.02μm毎にパルス
信号XP 、YP が発生する。このパルス信号XP 、YP
はそれぞれIF101内に設けられたデジタルカウンタ
で移動方向に応じて加算又は減算計数される。そこでC
PU100はこのカウンタの計数値を読み込んでステー
ジ7の座標値(2次元的な位置)を検出する。また、ス
テージ7上のウェハホルダー8は回転駆動手段(以下、
θ−ACTと呼ぶ)105によってステージ7に対して
回転すると共に、上下動手段(以下、Z−ACTと呼
ぶ)106によってステージ7のXY方向の移動平面と
垂直な方向(上下方向)に移動する。尚、基準マーク板
FMもウェハホルダー8と共に上下動する。レチクルア
ライメント系(以下、R−ALGと呼ぶ)107は、図
1に示したレチクルアライメントマーク52、55、5
8をレチクルアライメント光学系50、51、53を介
して光電検出する手段(光電顕微鏡やテレビカメラ等)
と、その光電信号に基づいて所定の検出中心に対するレ
チクルアライメントマーク52、55、58の変位を検
出して、その変位が零又は所定値になるようにレチクル
5を保持する不図示のレチクルホルダを駆動する手段と
を含んでいる。このR−ALG107によってレチクル
5は、例えば投影レンズ6の光軸がレチクル5の中心を
通るように装置に対して位置決めされる。
【0023】焦点検出手段(以下、AFDと呼ぶ)10
8はウェハ9と投影レンズ6の間隔、又は基準マーク板
FMと投影レンズ6の間隔を検出して、投影レンズ6の
焦点ずれ、すなわち投影レンズ6の結像面とウェハ9の
表面(又は基準マーク板FMの表面)との光軸方向のず
れを検出するものである。このAFD108としては、
ウェハ9の表面に斜めに光束を照射し、そこからの反射
光がどの方向に生じるかを検出する方法によるもの、又
はウェハ9にエアを吹きつけてそのエアの背圧の変化か
ら検出する方法によるもの等が利用できる。そして検出
された焦点ずれの量に応じてZ−ACT106を駆動す
ることによってレチクルRのパターン像がウェハ9上に
合焦状態で投影される。尚、このZ−ACT106とA
FD108とによって自動焦点調整手段が構成される。
LSA処理回路109は図1に示したY−LSA検出系
の光電検出器25と、X−LSA検出系の光電検出器と
の両光電信号を入力して、CPU100と協働してウェ
ハ9上の位置合せ用のマーク又は基準マーク板FMの基
準マークFMX、FMYとスポット光LX、LYとの位
置ずれを検出する。
【0024】また、図1に示したオフ・アクシス方式の
Yアライメント検出系とθアライメント検出系の各光電
検出器45、48からの光電信号は、ウェハアライメン
ト処理回路(以下WADと呼ぶ)110によって処理さ
れ、ウェハ9上のマークとスポット光MYS、MθSと
のY方向の変位を検出する。さて、図7はそのWAD1
10の具体的な回路構成を示す回路ブロック図である。
Yアライメント検出系の光電検出器45からの光電信号
はアンプ120を介して位相同期検波回路(以下、PS
Dとする)121に入力する。発振器122は所定の周
波数で振動させるための発振信号を駆動部123に出力
し、駆動部123はその発振信号の周波数で図1に示し
た振動ミラー35を単振動させる。そしてPSD121
は、この発振信号によってアンプ120からの光電信号
を同期検波(同期整流)して、検波信号SSYを出力す
る。この検波信号SSYは図10に示すように、スポッ
ト光MYSの振動中心に対するマーク位置の偏差(アラ
イメント偏差)に応じた、いわゆるSカーブ信号とな
る。検波信号SSYが正極性のときは、スポット光MY
Sの振動中心に対してマークが一方に変位しており、負
極性のときは他方に変位しており、そして検波信号SS
Yが零のときは、スポット光MYSの振動中心とマーク
の中心とが一致したことを表わす。そこでコンパレータ
126は検波信号SSYが零になったとき信号126a
を出力すると共に、検波信号SSYが正極性のとき論理
値「H」になり、負極性のとき論理値「L」になる信号
126bを出力する。ただし、検波信号SSYが零にな
ったか否かを正確に検出するのは、検波信号SSYのノ
イズ等により難しいので、ウインドコンパレータによっ
て検波信号SSYのレベルが零を含む所定範囲内になっ
たとき信号126aを発生するようにする。θアライメ
ント検出系についても全く同様に構成され、光電検出器
48からの光電信号はアンプ124で増幅され、PSD
125に入力し、PSD125はその光電信号を発振器
122からの発振信号で同期検波して検波信号(Sカー
ブ信号)SSθを出力する。コンパレータ127は検波
信号SSθをデジタル化し、検波信号SSθが零になっ
たことを表わす信号127aと、スポット光MθSの振
動中心に対するマークのずれの方向を表わす信号127
bとを出力する。
【0025】尚、図7中、検波信号SSθを入力する駆
動部128はθアライメント検出系中でハーフミラー3
9とハーフミラー42との間の平行光路中に配置された
平行平面ガラス(プレーンパラレル)129を所定角度
だけ回転するものである。このプレーンパラレル129
の回転によって、これを通るレザー光束の光軸がシフト
し、スポット光MθSの振動中心がY方向に微小量だけ
変位する。この駆動部128とプレーンパラレル129
は、本質的には不必要であるが、長期的なドリフトを考
慮してスポット光MYSとMθSの平行出し、すなわち
スポット光MYSの振動中心の位置とスポット光MθS
の振動中心の位置とを結ぶ線分が、図3のようにY軸と
平行になるように調整するために設けられている。
【0026】さて、図9はLSA処理回路109の具体
的な構成を示す回路ブロック図である。ここで、Y−L
SA検出系の光電検出器25に対応して、X−LSA検
出系の光電検出器を光電検出器130とする。光電検出
器130はウェハ9上のX方向の位置合せ用マーク、又
は基準マークFMXからの回折光を投影レンズ6を介し
て受光する。その光電信号はアンプ131で増幅されて
アナログ−デジタル変換器(以下ADCとする)132
に入力する。ADC132はレーザ干渉計10からのパ
ルス信号XP の各パルスに応答してその光電信号をサン
プリングし、光電信号の大きさに相当するデジタルデー
タに変換する。このデジタルデータは、パルス信号XP
の各パルスに応答して順次アクセス番地が更新されるラ
ンダム・アクセス・メモリ(以下RAMとする)133
に記憶される。このRAM133の記憶開始や停止はC
PU100からの信号S1 によって制御される。一方、
Y−LSA検出系についても同様であり、光電検出器2
5の光電信号はアンプ134で増幅され、ADC135
によってデジタルデータに変換された後、RAM136
に記憶される。ADC135はレーザ干渉計104から
のパルス信号YP の各パルスに応答してその光電信号を
サンプリングし、RAM136はそのサンプリングされ
たデジタルデータをパルス信号YP に応答して更新され
る番地に順次記憶する。このRAM136の記憶開始及
び停止の制御はCPU100からの信号S2 によって行
なわれる。
【0027】このようにRAM133、136には、マ
ークからの回折光の強度分布をステージ7の単位移動量
(例えば0.02μm)毎の位置に応じてサンプリングし
たデータが記憶される。この記憶されたデータ群はデー
タDX、DYとしてCPU100に読み込まれ、マーク
の位置を求めるために使われる。次に、ウェハ9の位置
決め動作について図10のフローチャート図に基づいて
説明する。
【0028】まず、ステップ200のウェハローディン
グでウェハ9をウェハホルダ8に粗く位置決めして載置
する。これは不図示のプリアライメント装置によってウ
ェハ9の直線的な切欠き(フラット)を用いて行なわれ
る。ウェハホルダ8に載置されたウェハ9にはアライメ
ント用のマークと例えば第1層目の回路パターンとが形
成されている。そのウェハ9の様子を図11に示す。ウ
ェハ9上には第1層目の回路パターンが形成された矩形
状の被露光領域C1 、C2 …、C14がマトリックス状に
整列している。各被露光領域Cは縮小投影型露光装置に
よる1回の露光で転写されたものであり、各被露光領域
Cの周辺(例えばスクライブライン上)には4つの位置
合せ用マークが同時に形成される。例えば被露光領域C
1 の周辺にはその中心P1 から放射状に互いに直交する
方向に伸びたマークSY1、マークSX1と、同一直線
上に所定間隔で配列した2つのマークGY1、Gθ1と
が設けられている。これらマークは全て基準マークFM
Y、FMXと同様に細長い楕円形のスポット光の照射に
より回折光を発生するような格子状のパターンである。
さらにこれらマークの具体的な配置を述べると、ウェハ
9をウェハホルダ8に載置したとき、ウェハ9のフラッ
トFの方向はステージ7の移動座標系XYのX方向と一
致するので、マークSY1、Gθ1、GY1はX方向に
伸び、マークSX1はY方向に伸びた格子状パターンで
ある。そして、このウェハ9上の互いに離れた2ケ所の
被露光領域C7 、C10周辺に設けられたマークGY7と
マークGθ10とはウェハ9の回転ずれ補正のために使
われる。このマークGY7とGθ10とを結ぶ線分l2
はフラットF及び座標系XYのX軸と平行になる。さら
にマークGY7とマークGθ10の間隔はオフ・アクシ
ス方式のアライメント検出系による2つのスポット光M
YSとMθSの間隔lと等しくなるように予め設定され
ている。またマークSY、SXはTTL方式のLSA検
出系によって検出されるものであり、各被露光領域につ
いてレチクル5とアライメントする際は必らず必要であ
るが、マークGY、GθについてはマークGY7とGθ
10以外は必らずしも必要ではない。例えば図11に示
すような第1層目の回路パターン転写を縮小投影型露光
装置ではなく一括露光方式の露光装置で行なう場合は、
一括露光用のフォトマスクに各被露光領域C毎のマーク
SY、SXに対応したマスクパターンと、間隔lだけ離
れたマークGY7、Gθ10に対応したマスクパターン
とを形成しておけばよい。
【0029】さて、ウェハローディングが完了したとこ
ろで、図10のステップ201で、CPU100は基準
マーク板FMが投影レンズ6の直下に位置するようにス
テージ7の位置決めを行なった後、AFD108とZ−
ACT106によって基準マーク板FMに対して自動焦
点調整を行なう。このとき図3に示したように、スポッ
ト光LYのX軸からの距離YLYとスポット光LXのY
軸からの距離XLXとを計測する。
【0030】尚、この段階でレチクル5はレチクルアラ
イメント光学系50、51、53とR−LAG107に
よって、位置決めされているものとする。まずレチクル
アライメント光学系50によって基準マークFMYの投
影レンズ6による逆投影像とレチクル5のマーク55と
が所定の位置関係に整列して観察されるようにステージ
7を移動する。そしてレチクルアライメント光学系50
による検出中心50Wと基準マークFMYとを一致させ
る。そしてCPU100はこのときのステージ7のY方
向の位置YR1をレーザ干渉計104から読み取って記
憶する。次にY−LSA検出系によるスポット光LYが
基準マークFMYをY方向に走査するようにCPU10
0はステージ7を移動させる。この際、スポット光LY
と基準マークFMYとはまず図4に示すような位置に整
列され、その位置から一定距離だけステージ7がY方向
に移動する。そこでCPU100はレーザ干渉計104
からその位置をスタート位置YSとして読み取り記憶す
る。そしてCPU100はLSA処理回路109に信号
2 を出力した後、ステージ7をストップ位置Yeまで
一定距離だけY方向に移動させる。この移動に伴って、
レーザ干渉計104からのパルス信号YPに応答して図
9に示すように光電検出器25の光電信号はADC13
5でサンプリングされ、RAM136には基準マークF
MYからの回折光の光強分布に応じたデータ群が順次記
憶される。この様子を図12に示す。図12で縦軸はサ
ンプリングされたデータDYの大きさを表わし、横軸は
Y方向の位置を表わし、波形65は位置YSからYeの
間で生じた回折光の強度分布を表わす。さて、ステージ
7が位置Yeまで走査して停止すると、CPU100は
RAM136からデータDYを読み込み、所定の基準レ
ベル66よりも大きくなるデータのRAM136上の番
地区間AD1〜AD2を検出する。RAM136の1番
地はパルス信号YPの1パルス、すなわちステージ7の
Y方向の0.02μmの移動量に対応している。そこでC
PU100は番地区間AD1〜AD2の間で最大となる
データの番地ADPを求め、位置YSに対応したRAM
136の番地ADSと番地ADPの差、(ADP−AD
S)を演算し、この差値にパルス信号YPの1パルス間
隔の値P(0.02μm)を乗算し、位置YSから波形6
5の最大値が得られるまでの距離を求める。そして最後
にCPU100は先に記憶した位置YSとその距離を加
算して、波形65が最大値になるY方向の位置YR2を
基準マークFMYの位置として求める。従って、レーザ
干渉計104で読み取ったステージ7のY方向の位置が
位置YR2になるようにステージ7を位置Yeから戻せ
ば、スポット光LYと基準マークFMYとは正確に一致
する。尚、マークの大きさとスポットサイズによって波
形65の最大値がピークとならず、連続した一定値にな
るような場合、すなわち波形65が矩形波状になる場合
は、基準レベル66を横切る番地AD1と番地AD2と
の中心番地をADPとすれば、スポット光LYのY方向
の中心と基準マークFMYのY方向の中心とが一致した
ときのステージ7の位置が求められる。さて、以上のよ
うにして基準マークFMYとスポット光LYとが一致す
る位置YR2が求められたので、CPU100は先に記
憶した位置YR1とその位置YR2との差を演算して、
距離YLYを求める。
【0031】一方、X−LSA検出系のスポット光LX
についても図3に示すようにY軸からの距離XLXを計
測する。この場合も、レチクルアライメント光学系53
による検出中心53Wと基準マークFMXとが一致した
ときのX方向の位置XR1を検出した後、スポット光L
Xが基準マークFMXをX方向に一定距離だけ走査する
ようにステージ7を移動させる。そして、図9のADC
132とRAM133によって基準マークFMXからの
回折光の強度分布を抽出して先と同様の演算によって基
準マークFMXとスポット光LXとが一致したときのX
方向の位置XR2を検出し、XLX=XR1−XR2の
演算によって距離XLXを求める。
【0032】さて、以上のようにして図10のステップ
201が終了するので、CPU100はステージ7を移
動させてウェハ9の自動焦点調整を行なった後、ステッ
プ202のウェハθアライメントを実行する。このステ
ップ202で、CPU100はまず、ウェハ9上のマー
クGY7がYアライメント検出系のスポット光MYSと
概ね整列し、マークGθ10がθアライメント検出系の
スポット光MθSと概ね整列するようにステージ7の位
置決めを行なう。この位置決めは、基準マーク板FMと
ウェハ9の距離が予めわかっていること、ウェハ9の全
体に対するマークGY7、Gθ10(線分l2 )の位置
が予めわかっていること、そして投影レンズ6の露光中
心O(図3中の原点O)からスポット光MYS、MθS
までの距離が予めわかっていることによって容易に所定
の精度内で実施できる。ただし、ウェハ9のプリアライ
メント誤差はそのまま残るので、スポット光MYSとM
θSはその誤差分だけ各々マークGY7とマークGθ1
0からずれている。その時の様子を図13に示す。図1
3はスポット光MYS、MθSとマークGY7、Gθ1
0の配置を模式的に表わした平面図である。図13のよ
うに線分l2 、すなわちウェハ9はスポット光MYS、
MθSを結ぶ線分に対してY方向のずれと回転ずれとを
伴っている。もちろんX方向のずれもあるが、スポット
光MYS、MθS及びマークGY7、Gθ10がX方向
に細長いのでここではそのことが問題にならないものと
する。さて、ステージ7が図13のように位置決めされ
た後、CPU100はステージ7をY方向に微動させ
て、図7に示したWAD110からの信号126b又は
信号127bの論理値によってステージ7の移動方向を
判断し、信号126a、信号127aが論理値「H」に
なったときにそれぞれステージ7のY方向の位置を検出
した後、ステージ7の移動を停止する。マークGY7と
スポット光MYSとが重なったときのY方向の位置と、
マークGθ10とスポット光MθSとが重なったときの
Y方向の位置とに差があれば、それはウェハ9が回転し
ていることを意味するものであり、その差の極性(正か
負か)はウェハ9の回転方向を表わすものである。そこ
でCPU100はまずウェハ9の回転方向を検出する。
例えば図13ではウェハ9は反時計方向に回転してい
る。次にCPU100はWAD110からの信号126
aが論理値「H」になるまでステージ7をY方向に戻
す。
【0033】これによって、マークGY7のY方向の中
心と、スポット光MYSの振動中心とはコンパレータ1
26のウィンド幅で決まる精度内に位置合せされる。こ
れが終了するとCPU100はPSD121からの検波
信号SSYを入力して、そのアナログレベルが零になる
ようにY−ACT103をサーボ制御(フィードバック
制御)に切替える。これによってマークGY7のY方向
の中心とスポット光MYSの振動中心とが正確に一致
し、サーボ制御によってその状態が維持される。その後
CPU100は先に検出したウェハ9の回転方向と逆方
向にウェハホルダ8を回転させるようにθ−ACT10
5を駆動する。このとき、CPU100はWAD110
のPSD125からの検波信号SSθが零になるように
θ−ACT105をサーボ制御する。以上の動作によっ
て、マークGY7の中心とスポット光MYSの振動中心
とが一致し、マークGθ10の中心とスポット光MθS
の振動中心とが一致し、ウェハ9の回転ずれが補正され
ると共に、ウェハ9のY方向の位置が規定される。そし
てCPU100は図10のステップ203でステージ7
のY方向の位置をレーザ干渉計104から読み取って記
憶(セット)する。これによって、ウェハ9全体のスポ
ット光MYS、MθS、換言すれば露光中心Oに対する
Y方向の基準位置YGが決定されたことになる。
【0034】次にCPU100はステップ204のステ
ージファーストポジションでウェハ9上の第1番目に露
光すべき領域、例えば図11中の被露光領域C1 が投影
レンズ6の有効露光領域60内に位置決めされるように
ステージ7を移動させる。図11に示すように、ウェハ
9内の各被露光領域Cの位置は第1層目のパターン形成
時に定まっており、マークGY7、Gθ10に対する被
露光領域C1 の中心P 1 の位置もわかっている。そこで
中心P1 を基準としたマークGY7、Gθ10(線分l
2)のY方向の距離をYP1 とすると、ステージ7のY方
向の位置が、式(1) Y=YG+Y1 −YP1 ……(1) を満すように位置決めすれば、被露光領域C1 の中心P
1 のY方向の位置と、投影レンズ6の露光中心OのY方
向の位置とは一致する。もちろんX方向についても中心
1 に対するマークGY7とマークGθ10のX方向の
位置が予めわかっているので概ね位置合せされる。
【0035】次に図10のステップ205のX−LSA
サーチで、被露光領域C1 に付随したマークSX1をX
−LSA検出系で検出してマークSX1のX方向の位置
を計測する。この動作を図14を参照して説明する。図
14は投影レンズ6の有効露光領域60内のスポット光
LX、LYとウェハ9との配置を示す平面図である。露
光中心Oと被露光領域C1 の中心P1 とのY方向の位置
は正確に一致しているので、ウェハ9を自動焦点調整で
投影レンズ6の結像面に合わせた後、図14のようにス
ポット光LXとマークSX1とがX方向に配列するよう
にステージ7をY方向に移動させる。具体的には、露光
中心Oからスポット光LXまでの距離Y2と、被露光領
域C1 の中心P1 からマークSX1までの距離(設計上
予め定まった値である)との差分だけステージ7をY方
向に移動する。その後、ステージ7のY方向の位置を変
えずにステージ7をX方向に一定距離だけ移動する。そ
の移動量はマークSX1を含んでウェハ9のプリアライ
メント精度で決まるX方向のずれ量よりも十分大きな値
に定められている。そして、この移動の間、CPU10
0は、図9に示したLSA処理回路109のADC13
2とRAM133を制御して、マークSX1から生じる
回折光のX方向に関する光強度分布を抽出する。その
後、CPU100は図12に示した演算と同様の演算を
行ない、スポット光LXのX方向の中心とマークSX1
のX方向の中心とが一致したときのステージ7のX方向
の位置を求め、その位置を位置XC1として記憶する。
この位置XC1を求めることは、ウェハ9全体のX方向
の位置を露光中心Oに対して規定したことを意味するも
のであり、これによってウェハ9のX方向のグローバル
アライメント(ウェハ9の全体的な位置合せ)が完了し
たことになる。
【0036】次にCPU100は図10のステップ20
6でY−LSAサーチを実行する。これは図15に示す
ように、スポット光LYとマークSY1とがY方向に整
列するようにステージ7を位置決めした後、ステージ7
をY方向に一定距離だけ移動させ、マークSY1のY方
向の中心とスポット光LYのY方向の中心とが一致した
ときのステージ7のY方向位置を求めるものである。C
PU100はその位置をLSA処理回路109のADC
135、RAM136で抽出したマークSY1の回折光
強度分布から求め、位置YC1として記憶する。
【0037】さて、次にCPU100はステップ207
のファイン・アライメントで、今求めた位置XC1、Y
C1と、先に求めたスポット光LX、LYの座標軸X、
Yからの距離XLX、YLYとに基づいて、被露光領域
1 とレチクル5の投影像とを精密に位置合せする。具
体的には、ステージ7の位置を読み取るレーザ干渉計1
0、104の計測値が式(2)、(3) X=XC1−XLX ……(2) Y=YC1−YLY ……(3) で決まる値に一致するようにステージ7を2次元移動さ
せる。これによって、被露光領域C1 の中心P1 と露光
中心Oとが正確に一致して精密な位置決めが完了する。
この時点でCPU100は図1に示したシャッター3を
所定時間だけ開き、レチクル5の回路パターン像をウェ
ハ9の被露光領域C1 に重ねて露光(プリント)する。
【0038】次にCPU100はステップ208で、ウ
ェハ9上にN回露光を繰り返したか否かを判断する。こ
こでは1番目の被露光領域C1 を露光しただけなので、
CPU100は次のステップ209でステージ7のステ
ッピングを行なう。このステッピングによって次に図1
1に示した被露光領域C2 を露光するものとする。従っ
てCPU100はステージ7をX方向に一定ピッチ、す
なわち被露光領域C1とC2 の間隔分だけ位置XC1、
YC1から移動させる。その後、CPU100は再びス
テップ205のX−LSAサーチから同様の動作を繰り
返し実行する。以上のようにして、スポット光LX、L
Yによってステッピングのたびに各被露光領域C毎のア
ライメント、いわゆるステップアライメントを行なって
露光することをN回繰り返すと、ステップ208からス
テップ210に進み、ステージ7に載置された露光済み
のウェハ9が搬出(アンローディング)され、次のウェ
ハのプリントのために、ステップ200から同様の動作
が実行される。
【0039】尚、上記実施例において、TTL方式で検
出するためのマークSX、SYは被露光領域Cの中心P
で交わる直交した2本の線上にそれぞれ設けるようにし
たが、必らずしもその必要はない。例えば図16に示す
ように、マークSX、SYをそれぞれ2本の直交した線
1 、e2 (交点は中心Pと一致する)に対して所定の
オフセット値を持って配置してもよい。線e1 がX軸と
平行であり、線e2 がY軸と平行であるとすると、Y方
向に伸びたマークSXは線e2 に対してΔXのオフセッ
ト量だけずれて形成され、X方向に伸びたマークSYは
線e1 に対してΔYのオフセット量だけずれて形成され
ている。このΔX、ΔYは設計上予め定まった値であ
る。そこでこのような場合は、図10のステップ207
でファイン・アライメントを行なう際、式(2)、
(3)の代りに(2)'、(3)' X=XCi−XLX−ΔX ……(2)' Y=YCi−YLX−ΔY ……(3)' (ただしiは被露光領域の番号(1、2…N)を表わ
す)を用いて、ステージ7の位置決めを行なえばまった
く同様に被露光領域Cとレチクル5の投影像とは精密に
重ね合される。
【0040】また上記実施例において、TTL方式によ
るステップ・アライメントは各被露光領域Cに対して全
て行なうものとしたが、これはウェハ9の伸縮による被
露光領域の配列誤差の影響を取り除き、各被露光領域毎
に投影像との精密な位置合せを行なうためである。しか
しながらウェハ9の伸縮がほとんどないと見なせるか、
又は伸縮があったとしてもその量が予め求められている
場合には、TTL方式によるステップ・アライメントを
1番目の被露光領域C1 についてのみ行ない、あとの被
露光領域については不要としてもよい。具体的には図1
0のフローチャート図中で、ステップ205、206を
被露光領域C1 だけに対して実行するように変更する。
そしてマークSX1とマークSY1の各位置XC1、Y
C1に基づいて順次ステッピングを繰り返し露光を行な
うが、伸縮量が求められているときは、その量に応じて
ステッピングのピッチを少しずつ補正するようにする。
【0041】また、ウェハの伸縮量が小さい場合は、ウ
ェハの全面をいくつかのブロック例えば4つのブロック
に分け、各ブロック内の特定の被露光領域についてTT
L方式によるステップ・アライメントを行なうようにし
てもよい。すなわち、ウェハ上のブロック数と等しい数
の被露光領域についてはステップ205、206、20
7による位置合せを行ない、その他の被露光領域につい
てはステップ209のステッピングだけで位置決めす
る。このような位置合せ方法は、いわゆるブロック・ア
ライメントと呼ばれるもので、ウェハ上のいくつかの被
露光領域についてはTTL方式のアライメントを行な
い、他の被露光領域はステージ7のステッピングだけで
位置決めするので、1枚のウェハの処理時間が短縮され
るとともに、ウェハの伸縮によるアライメント誤差も取
り除けるという利点がある。
【0042】以上、本実施例においては、TTL方式の
X−LSA検出系とY−LSA検出系によってウェハ9
上のマークの位置を検出する際、スポット光LX、LY
がマークSX、SYと一致するようにステージ7を位置
決めして停止させる必要がなく、単に各スポット光とマ
ークを走査し、マークの位置さえ検出すればよいので、
TTL方式のアライメント自体が高速になるという利点
がある。またLSA検出系は、感光剤を感光させない波
長のレーザ光のスポットを格子状のマークに照射し、そ
のマークから特定の方向に生じる回折光を検出している
ので、マークの検出感度が高い。さらにそのスポット光
LX、LYは露光中心Oに対して所定の位置に静止して
おり、回折光の検出系にも振動スリットや可動鏡等の可
動部がないので、長期的な安定性が良く、構造が簡単で
あり、かつ製造、調整が容易であるという利点もある。
【0043】次に本発明の実施例による他の位置合せ動
作について図17のフローチャート図と図18とを用い
て説明する。先の実施例においては、オフ・アクシス方
式のアライメントによって、ウェハ9の回転ずれの補正
がなされ、Y方向の位置が規定(Y方向にグローバルア
ライメント)された。このためウェハ9のY方向と回転
方向の位置決め精度はオフ・アクシス方式のY、θアラ
イメント検出系のスポット光MYS、MθSの位置設定
精度に依存したものになる。すなわち、図3においてス
ポット光MYSの振動中心とスポット光MθSの振動中
心とを結ぶ線分がX軸と完全に平行でなく、わずかでも
傾いていると、ステッピングだけでステージ7を位置決
めする際、その傾き量に応じてウェハ9上の被露光領域
と投影像との重ね合せが悪化してしまう。このようにス
ポット光MYSとMθSのY方向の位置がずれている
と、特にウェハ全体の回転誤差(ウェハ・ローテーショ
ン・エラー)が顕著に現われる。そこで、この残存した
回転誤差を補正して位置合せする動作を図17のフロー
チャート図に従って述べる。まず、ステップ220のウ
ェハローディングでウェハをウェハホルダ8上にプリア
ライメントして載置した後、ステップ221でウェハの
自動焦点調整を行ない、ステップ222のウェハθアラ
イメントにおいて、オフ、アクシス方式のY、θアライ
メント検出系によりウェハ上のマークGY7、Gθ10
を検出して回転補正を行ない、ステップ223でスポッ
ト光MYSとマークGY7とが一致し、スポット光Mθ
SとマークGθ10とが一致したときのステージ7のY
方向の位置YGを記憶する。ここまでのステップは先の
実施例におけるステップ200〜203と全く同様に実
行される。さて、ステップ223の終了後、スポット光
MYSとMθSとの設定誤差によって、ウェハが例えば
図18に示すようにステージ7の座標系XYに対してθ
だけ回転して位置決めされたものとする。この角度θが
残存したウェハ回転誤差の量である。ところで、このウ
ェハ9において各被露光領域の配列座標系を座標系αβ
と定め、その原点OWをウェハ9の中心になるべく近い
位置に定める。そして、座標系αβのα軸は、ウェハ9
のフラットFと平行に配列した被露光領域C7 、C8
9 、C10の各マークSY7、SY8、SY9、SY1
0を通るように定められている。またβ軸はウェハ9の
中央部に位置した2つの被露光領域C8 、C9 のマーク
SX8とSX9のα軸方向における中心位置を通りα軸
と直交するものとする。またウェハ9上の各被露光領域
Ciの中心Piの座標値は座標系αβによって規定され
ていて、座標値(αi、βi)で指定されるものとす
る。
【0044】次に図17において、CPU100はステ
ップ224のセンターポジションを実行し、ウェハ9の
中心にできるだけ近く位置した被露光領域、例えばC8
を選び出す。そしてCPU100は被露光領域C8 のマ
ークSX8とスポット光LXとがX方向に整列するよう
にステージ7の位置決めを行なった後、自動焦点調整を
行なう。そして次のステップ225でCPU100はマ
ークSX8をスポット光LXでX方向に走査して、マー
クSX8のX方向の中心とスポット光LXのX方向の中
心とが一致したときのステージ7のX方向の位置XGを
検出して記憶する。以上までの各ステップによってウェ
ハ9のグローバルアライメントが完了し、ウェハ9の座
標系XYに対する位置が規定されたことになる。
【0045】次にCPU100はステップ226でウェ
ハ9のα軸上で左端に近く位置した被露光領域C7 のマ
ークSY7とスポット光LYとがY方向に整列するよう
にステージ7の位置決めを行なった後、その位置で自動
焦点調整を行なう。次にCPU100はステップ227
でスポット光LYとマークSY7とをY方向に走査し
て、マークSY7のY方向の中心位置YL1を検出して
記憶する。次にCPU100はステップ228でウェハ
9のα軸上で右端に近く位置した被露光領域C10のマー
クSY10とスポット光LYとがY方向に整列するよう
にステージ7の位置決めを行ない、その位置で自動焦点
調整を行なう。そしてステップ229でCPU100は
スポット光LYとマークSY7とをY方向に走査してマ
ークSY10のY方向の中心位置YL2を検出して記憶
する。
【0046】次にCPU100はステップ230のロー
テーションθ演算で、今求めた位置YL1とYL2の差
値と、マークSY7とSY10のα軸方向の間隔dとか
らウェハ9の回転量θを演算する。位置YL1とYL2
の差をdYとすると、図18にも示したように回転量θ
は、式(4) θ=sin-1(dY/d) ……(4) によって求められる。ただし、回転量θは極めて小さな
値であるので、式(4)は式(5)のように近似され
る。
【0047】 θ≒dY/d=(YL1−YL2)/d ……(5) そして、ウェハ9の各被露光領域Ciの中心Piを露光
中心Oにステッピングによって位置決めする際、ステー
ジ7の位置をステッピングのピッチだけで決まる位置か
ら式(6)、(7)で表わした値(δX1 、δY)だけ
補正する。 δX=βi・θ=βi(dY/d) ……(6) δY=−αi・θ=−αi(dY/d) ……(7) 次にCPU100はステップ231で、露光すべき第1
番目の被露光領域C1の座標系XYにおける位置を、先
に求めた位置(XG、YG)に基づいて求め、さらに上
記式(6)、(7)で演算された値(δX、δY)だけ
補正してステージ7をステッピングする。そしてステッ
プ232で自動焦点調整を行ない、ステップ233でレ
チクル5の回路パターンの投影像をウェハ9の被露光領
域C1 に重ね合せて露光(プリント)する。次にCPU
100はステップ234でウェハ9上にN回露光を繰り
返したか否かを判断し、ウェハ9の全面に露光が終了し
ていなければ、ステップ231からの動作を繰り返し、
終了していればステップ235でウェハ9をアンローデ
ィングする。このように、本動作ではオフ・アクシス方
式のY、θアライメント検出系とTTL方式のX−LS
A検出系とを用いて、ウェハ9のグローバルアライメン
トを行ない、ウェハ9の配列座標系αβとステージ7の
座標系XYとの対応を位置(YG、XG)として求め、
その後は位置(YG、XG)を基準としてステップ・ア
ライメントをすることなく順次ステッピングさせ、ウェ
ハの露光を行なう。このため1枚のウェハの処理時間が
短縮されるとともに、ウェハに残存した微小な回転誤差
もステッピング時に補正されるからウェハ上のどの被露
光領域においても一様のアライメント精度で重ね合せ露
光が行なわれるという利点がある。
【0048】また、本動作ではステッピング時にウェハ
回転誤差を補正するようにステージ7を位置決めした
が、この動作は先の実施例においても同様に実施するこ
とができる。すなわちステッピング時にウェハ回転誤差
の補正を伴った位置決めをしてから、TTL方式による
ステップ・アライメントで精密に位置合せすればよい。
また、上記各実施例ではステージ7の位置決め後、露光
前に自動焦点調整を行なうものとしたが、ステージ7が
移動している間に同時に行なってもよく、さらに露光中
に自動焦点調整を行なうようにしてもよい。
【0049】さて、以上本発明の実施例を用いた位置合
せ動作においてオフ・アクシス方式のY、θアライメン
ト検出系はレーザ光のスポット振動型の検出方式である
必要はなく、レーザスポット光の等速走査型の検出方
式、又はウェハをインコヒーレント光で照明し、対物レ
ンズによって位置合せ用のマークの像を形成し、その像
をスリット走査したり、撮像素子で受光したりすること
によってマークの位置を検出する方式であっても同様の
効果が得られる。また、スポット光をウェハ上に照射す
る方式でも、スポット光の形状はウェハ上で細長い楕円
形である必要はなく、単なる微小円形であってもよい。
さらにオフ・アクシス方式のY、θアライメント検出系
はTTL方式のX−LSA検出系、Y−LSA検出系と
同様にスポット光MYS、MθSを振動させずに回折光
の強度分布パターンを抽出するような方式にしてもよ
い。一方、ウェハ上の各被露光領域毎の位置合せ用のマ
ークSX、SY、GY、Gθは、オフ・アクシス方式用
とTTL方式用とで専用に設けたが兼用するようにして
もよい。例えば図19に示すように、オフ・アクシス方
式用のアライメントマークGY、Gθは前述と全く同様
に各被露光領域Cに付随して形成する。図19ではウェ
ハ9上の左右に離れた2つの被露光領域Cl、Crのみ
を示し、そのマークGθl、GYl及びマークGθr、
GYrがオフ・アクシス方式によるグローバルアライメ
ント(Y方向と回転方向)のマークである。ここではマ
ークGYlとGθrが配列座標系αβのα軸を通るよう
に定められ、その両マークの間隔はスポット光MYSと
MθSの間隔と等しく定められる。そして被露光領域C
l、CrにはTTL方式のアライメント用にβ軸と平行
に伸びたマークSXl、SXrとが設けられている。そ
して、各被露光領域毎のアライメント(ステップ・アラ
イメント)の際、X−LSA検出系のスポット光LXで
マークSXl、SXrを検出し、Y−LSA検出系のス
ポット光LYでマークGθl、Gθr(又はマークGY
l、GYr)を検出する。このようにアライメントマー
クを両方式で兼用することによって、ウェハ上に専有さ
れるマーク領域が減少し、その分、露光できる回路パタ
ーン領域を大きく取れるという利点がある。
【0050】また、上記実施例のマークは位置合せすべ
き方向に伸びた微小線要素(格子)を、その方向と直交
する方向に複数配列した。一般に回路パターン中の線や
そのエッジの方向もそのマークの微小線要素の方向と一
致しており、各スポット光がウェハ上を走査するとき、
回路パターンからもマークと同程度に強い回折光を発生
することがある。これを避けるには、例えば特開昭57
−19726号公報に開示されたように、マークの各格
子を斜め45゜に配列するとよい。その様子を図20に
示す。図20(a)はX方向の位置合せ用に使われるマ
ークMと、光電検出器PDL、PDRとの配置を模式的
に表わした平面図であり、図20(b)はマークMから
の回折光に応じた光電信号を示す波形図である。このよ
うな斜め格子状のマークMを検出するには、マークMの
X方向の中心線CLを挟んでY方向にずらして配置した
光電検出器PDL、PDRを設ける。スポット光の幅方
向(X方向)の中心線が中心線CLと一致したものとす
ると、光電検出器PDRは図中、マークMの斜め右上に
生じる回折光PK1を受光し、光電検出器PDLは図中
マークMの斜め左下に生じる回折光PK2を受光する。
そして、両光電検出器PDR、PDLの光電信号A1
2 はそれぞれアンプAP1、AP2で増幅された後加
算されて、マークMからの回折光信号として同様に処理
される。スポット光の中心線とマークMの中心線CLと
が一致していれば、加算された信号は極大値となる。
【0051】ところが、ウェハのプロセスによってはマ
ークMの光反射状態が異なる。このため図20(b)の
ように光電信号A1はスポット光の中心線がマークMの
中心線CLから図中左側にシフトした位置LSに一致し
たとき極大になり、光電信号A2はスポット光の中心線
がマークMの中心線CLから図中右側にシフトした位置
RSに一致したとき極大になる。光電信号A1 、A2
大きさが同じならば加算した信号の極大値は中心線CL
の位置で得られる。しかし、光電信号A1 、A 2 の大き
さが不揃いだと中心線CLの位置からシフトした位置で
加算信号は極大となる。そこで、光電信号A1 、A2
極大値の大きさが揃うようにアンプAP1、AP2の増
幅率を調整する。具体的にはアンプAP1、AP2に自
動利得制御回路(AGC)を設ける。特にY、θアライ
メント検出系のような振動スポット方式の回折光検出
に、このような構成を付加すると好都合である。それ
は、Y、θアライメント検出系はプリアライメントされ
たウェハの精密なY方向と回転方向の位置ずれを検出す
るものであり、プリアライメント精度が悪化すると、ウ
ェハのY方向、回転方向のアライメントの際スポット光
MYS、MθSがそれぞれマークGY、Gθから離れて
整列してしまう。このためマークGY、Gθ以外の例え
ば回路パターンの一部をマークと認識してしまい、ミス
アライメントを招くことになる。そこでマークGY、G
θは回路パターンと識別できるように斜め45゜の格子
状のマークとし、Y、θアライメント検出系の光電検出
器(45、48)は、それぞれ図20(a)に示すよう
に2つの光電検出器PDL、PDRで構成し、各光電信
号A1 、A2 はAGC付きのアンプAP1、AP2で増
幅した後加算するようにすれば、ミスアライメントが減
少する。
【0052】次に本発明の他の実施例を図21に基づい
て説明する。この実施例はオフ・アクシス方式のθアラ
イメント検出系のみを残して、Yアライメント検出系を
TTL方式のY−LSA検出系と兼用させたものであ
る。図21は先の図3と同様に有効露光領域60はパタ
ーン露光領域61、及びTTL方式によるX−LSA検
出系、Y−LSA検出系の各スポット光LX、LYの配
置とθアライメント検出系の第1対物レンズMθとその
スポット光MθSとの配置を示す平面図である。ここで
は露光中心Oを通りX軸と平行な線分上に間隔lだけ離
れてスポット光LYとスポット光MθSとが形成される
ようにθアライメント検出系を配置する。このスポット
光LYとMθSとのX方向の間隔lはウェハ9上のマー
クGY7とGθ10との間隔、と等しく定められてい
る。そして、ウェハ9の全体的な位置合せ(グローバル
アライメント)のうち、Y方向と回転方向の位置合せ
は、スポット光LYとスポット光MθSとを用い、X方
向の位置合せにはスポット光LXを用いる。この実施例
では第1対物レンズMθを露光中心Oに対してスポット
光LYと反対側に配置したが、これは投影レンズ6と第
1対物レンズMθを含むθアライメント検出系との間隔
をできるだけ短くして、装置の小型化に有利だからであ
る。またこの場合、スポット光MθSとスポット光LY
とのY方向の位置とを正確に一致させる必要がある。そ
こでスポット光MθSの中心をY方向に微小量変位させ
るプレーンパラレル129を図7に示すように設け、ス
テージ7上の基準マークFMYを用いて、較正するよう
にすればよい。以上のように本実施例ではオフ・アクシ
ス方式のアライメント検出系が1つでよいので、低価格
化、製造調整の簡便化が期待できるだけでなく、装置を
小型にするという利点もある。
【0053】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、位置決め
すべきウェハ等の感光基板の全体的な位置ずれのうち、
一方向の位置ずれは、投影レンズ等の投影光学系を介し
て、いわゆるスルーザレンズ方式の光学系で検出し、そ
の方向と直交する他方向の位置ずれと回転ずれは、投影
光学系と別設した光学系、いわゆるオフ・アクシス方式
の光学系で検出するようにし、ウェハ全体の位置合せ
(グローバルアライメント)時に、オフ・アクシス方式
でアライメントした後、スルーザレンズ方式でアライメ
ントするようにした。このためウェハのグローバルアラ
イメントをスルーザレンズ方式のみで行なうよりも高
速、高精度になるとともに、オフ・アクシス方式でグロ
ーバルアライメントしただけで露光を行なうよりも、ス
ルーザレンズ方式で露光直前にステップアライメントで
きるからウェハの伸縮による誤差も低減できるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例が適用される縮小投影型露光装
置の概略的な構成を示す配置図である。
【図2】縮小投影レンズ6とオフ・アクシス方式のウェ
ハアライメント用顕微鏡第1対物レンズMY、Mθとの
配置を示す平面図である。
【図3】オフ・アクシス方式による検出系のスポット光
MYS、MθSとスルーザレンズ方式による検出系のス
ポット光LY、LXとの配置を示す平面図である。
【図4】スポット光LYと基準マークFMYの走査の様
子を示す平面図である。
【図5】空間フィルター23の構造を示す平面図であ
る。
【図6】露光装置の全体を制御するための制御系の回路
ブロック図である。
【図7】オフ・アクシス方式のY、θアライメント検出
系の回路ブロック図である。
【図8】アライメント偏差に応じた位相同期検波回路の
検波出力信号の波形図である。
【図9】スルーザレンズ方式のX、Yレーザ・サイト・
アライメント検出系の回路ブロック図である。
【図10】本発明の実施例によるアライメント動作を説
明するフローチャート図である。
【図11】ウェハ上のマークと被露光領域との配置関係
を示す平面図である。
【図12】図9の回路によって抽出された回折光の強度
分布パターンを示す波形図である。
【図13】プリアライメント後におけるマークとスポッ
ト光MYS、MθSとの整列状態を示す平面図である。
【図14】スルーザレンズ方式のアライメントの動作を
示す平面図である。
【図15】スルーザレンズ方式のアライメントの動作を
示す平面図である。
【図16】スルーザレンズ方式で用いるマークの位置を
ずらした場合を示す平面図である。
【図17】本発明の実施例による他のアライメント動作
を説明するフローチャート図である。
【図18】ウェハに残存した微小な回転誤差の様子を示
す平面図である。
【図19】アライメント用のマークの他の配置を示すウ
ェハの平面図である。
【図20】(a)はマークを斜め45゜の格子状パター
ンにしたときの光電検出回路の回路ブロック図であり、
(b)は(a)の光電検出回路で得られる光電信号の様
子を示す波形図である。
【図21】本発明の他の実施例によるアライメント検出
系の配置を示す平面図である。
【符号の説明】
5 レチクル(マーク) 6 縮小投影レンズ 7 ステージ 9 ウェハ MY オフ・アクシス方式のYアライメント顕微鏡の第
1対物レンズ Mθ オフ・アクシス方式のθアライメント顕微鏡の第
1対物レンズ 25、45、49、130 光電検出器 MYS、MθS、LY、LX スポット光 GY、Gθ オフ・アクシス方式による位置合せ用のマ
ーク SY、SX スルーザレンズ方式による位置合せ用のマ
ーク。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年4月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 投影露光装置、及び該装置の調整方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は集積回路(IC)等のパ
ターンを光学的に感光基板上に転写する投影型露光装置
に関し、特にマスクやレチクルと感光基板(ウェハ)と
の位置合せを正確に行うための各種アライメント系を備
えた投影露光装置、及びその各種アライメント系を使っ
た感光基板のアライメント動作の前に実行される露光装
置の調整方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】大規模集積回路(LSI)パターンの微
細化は年々進行しているが、微細化に対する要求を満た
し、且つ生産性の高い回路パターン焼付け装置として縮
小投影型露光装置が普及してきている。従来より用いら
れてきたこれらの装置においては、シリコンウェハに焼
付けされるべきパターンの何倍か(例えば5倍)のレチ
クルパターンが投影レンズによって縮小投影され、1回
の露光で焼付けされるのはウェハ上で対角長21mmの正
方形よりも小さい程度の領域である。従って直径125
mm位のウェハ全面にパターンを焼付けるには、ウェハを
ステージに載せて一定距離移動させては露光を繰返す、
いわゆるステップアンドリピート方式を採用している。
【0003】LSIの製造においては、数層以上のパタ
ーンがウェハ上に順次形成されていくが、異なる層間の
パターンの重ね合せ誤差(位置ずれ)を一定値以下にし
ておかなければ、層間の導電または絶縁状態が意図する
ものでなくなり、LSIの機能を果すことができなくな
る。例えば1μmの最小線幅の回路に対しては、せいぜ
い0.2μm程度の位置ずれしか許されない。
【0004】縮小投影式の露光装置においては、既に形
成されたウェハ上のパターンとレチクルの投影像の位置
を合わせる方式としてオフアクシス(off−axi
s)方式とスルーザレンズ方式(TTL方式)がある。
オフアクシス方式においては投影レンズの外部にある位
置合わせ用顕微鏡によってウェハの位置合わせマークの
位置を計測し、ウェハ全体をレチクルに対し一度に位置
合わせしてしまうので高速な位置合わせ動作が可能であ
り、回転位置合わせが高精度でできるという特徴がある
が、ウェハ全体又は部分的に伸縮があると、ウェハ全面
に渡って良好な位置合わせ精度を保つことが困難とな
る。
【0005】一方、TTL方式においては投影露光する
ウェハ上の小領域(被露光領域、あるいはショット領
域)毎に投影レンズを通して各被露光領域に付設された
位置合わせマークを検出できるので、ウェハ全面の被露
光領域に渡って良好なアライメント精度が得られるとい
う特徴がある。しかしながらこの種のTTL方式では、
投影露光に使用する露光波長の照明光を使ってウェハ上
のマークを検出する露光光アライメント系(例えば特開
昭57−142612号公報)、もしくはマスク(レチ
クル)と投影レンズとの間のアライメント光路中に色収
差補正用の補正レンズを挿入し、非露光波長の照明光で
ウェハ上のマークを検出する非露光光アライメント系
(例えば特開昭56−110234号公報)が使われて
いた。
【0006】いずれのアライメント系もウェハ上のマー
クを検出できることに差異はないが、従来の露光光アラ
イメント系ではマーク照明光が露光波長であるためにウ
ェハ上の感光剤に対する不要な露光に注意を要し、従来
の非露光光アライメント系では色収差補正レンズが挿入
されることによるマーク位置の検出精度(再現性)低下
に注意を要する。
【0007】また先に述べた従来のオフアクシス方式
(例えば特開昭53−56975号公報)では、ウェハ
上のマークを投影レンズの外部に固定した専用の顕微鏡
で検出するので、マーク照明光を非露光波長とすること
ができ、感光剤に対する不要な露光の心配はない。その
反面、投影レンズとマーク検出用顕微鏡とが機械的、空
間的に分離しているため、ウェハを載置する2次元移動
ステージ上に設けられた校正用の基準マークを走らせ
て、投影レンズによるレチクル中心の投影位置とオフア
クシス方式のマーク検出用顕微鏡の位置との距離をステ
ージ位置計測用のレーザ干渉計で検出して管理すること
が必要である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
なオフアクシス方式では、投影レンズの外部にマーク検
出用顕微鏡が固定されているため、投影レンズの光軸と
マーク検出用顕微鏡の光軸との間隔が相当に大きくなる
ことがあり、それに応じて校正用の基準マークが移動す
る距離も大きくなる。このためレーザ干渉計でその距離
を精密に測定しても、そこには多かれ少なかれ校正用基
準マークの移動距離が大きいことに伴う計測誤差が発生
し、その計測誤差の影響による精度劣化が無視できない
ことが判明した。
【0009】そこで本発明はそのような問題点を解決
し、非露光波長の照明光でウェハ等の感光基板上のマー
クを検出できるとともに、色収差補正レンズ等の不安定
な構成を必要としないアライメント系を具備して高精度
なアライメントが可能な投影露光装置を提供すること、
及びそのようなアライメント系を備えた露光装置の調整
方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を達成する為の手段】本発明は、露光波長の照明
光で照射されたマスク(レチクル5)の回路パターンの
像(矩形のパターン領域61)を所定の結像面内に投影
する投影光学系(投影レンズ6)と、そのパターン像
(61)の転写される被露光基板(ウェハ9)を載置し
て2次元移動する移動ステージ(7)と、被露光基板
(9)の表面と投影光学系(6)の結像面との焦点ずれ
を検知し、その焦点ずれが補正されるように焦点合わせ
を行う自動焦点合せ手段(AFD108とZ−ACT1
06)とを備えた投影露光装置に適用される。
【0011】そして本発明では、焦点合わせの際に投影
光学系(6)の結像面と垂直な方向に被露光基板(9)
を移動させる可動部材(ウェハホルダ8)とともに移動
し、その表面に複数の基準マーク(FMX,FMY)が
形成された基準マーク板(FM)を移動ステージ(7)
上に設ける。さらにマスク(5)のアライメント位置を
確認するために、露光波長の照明光をマスク(5)上の
マスクマーク(52,55,58)、又はマスク(5)
と投影光学系(6)とを通して基準マーク板(FM)上
の基準マーク(FMX、FMY)に照射するとともに、
その基準マークから発生して投影光学系(6)とマスク
(5)とを通った露光波長の光、又はマスクマーク(5
2,55,58)から発生した露光波長の光の両方を検
出可能な第1アライメント系(レチクルアライメント光
学系50,51,53)を設ける。この第1アライメン
ト系(レチクルアライメント光学系50,51,53)
が、所謂露光光TTLアライメント系である。
【0012】そして被露光基板(9)のアライメント位
置を決定するために、マスク(5)の下側の周辺空間か
ら露光波長と異なる非露光波長の照明光(レーザ光束L
X,LY)を投影光学系(6)の投影視野領域(60)
内の所定位置を通して被露光基板(9)上の基板マーク
(SXn ,SYn ,Gyn ,Gθn )、又は基準マーク
板(FM)上の基準マーク(FMX,FMY)に照射す
るとともに、その基準マーク(FMX,FMY)又は基
板マーク(SXn ,SYn ,Gyn ,Gθn )から発生
して投影光学系(6)を通ってマスク(5)の下側の周
辺空間に戻ってくる非露光波長の光を検出する第2アラ
イメント系(11〜19,23〜25を含むLSA検出
系)を設ける。この第2アライメント系(11〜19,
23〜25を含むLSA検出系)が所謂非露光光TTL
アライメント系である。
【0013】さらに、移動ステージ(7)の移動により
投影光学系(6)の下に配置される基準マーク板(F
M)の表面が自動焦点合せ手段(AFD108とZ−A
CT106)によって焦点合わせされるように制御する
とともに、その焦点合わせが達成された状態で基準マー
ク板(FM)上の各基準マーク(FMX,FMY)の位
置を第1アライメント系(アライメント光学系50,5
1,53)と第2アライメント系(LSA検出系)の両
方を使って検知するように制御する制御手段(CPU1
00,IF101)を設けるようにした。
【0014】
【作用】本発明では、従来のオフアクシス方式と同様の
非露光波長の照明光を、第2アライメント系の対物レン
ズ(集光レンズ16)と小さなミラーを介してレチクル
5の下側の周辺空間から投影レンズ6に導くように構成
し、ウェハ9のマークまたは基準マーク板FMのマーク
から発生する非露光波長の光を、レチクル5を介するこ
となく投影レンズ6のみを介して第2アライメント系で
検出するように構成した。このため従来のTTL方式の
ように不安定な色収差補正レンズ等を設ける必要がなく
なり、非露光波長の照明光を使うことによるアライメン
ト作業の高速化と安定な高精度化が図られる。
【0015】さらに本発明では、露光光のもとで投影レ
ンズ6を介して基準マーク板FMのマークを検出可能な
TTL方式の第1アライメント系の検出領域と、非露光
光のもとで投影レンズ6を介して基準マーク板FMのマ
ークを検出可能なTTL方式の第2アライメント系の検
出領域との両方が投影レンズ6の円形の投影視野領域6
0内に位置することになる。
【0016】このため、基準マーク板FMを使って検出
される各アライメント系間の距離(YLY,XLX)、
すなわちレチクル5のパターンの露光光による投影予定
位置と、第2アライメント系によって検出されるウェハ
9上の被露光領域(Cn)の位置との間の距離は、従来
のオフアクシス方式の場合の距離(校正用基準マークが
走る距離に相当)よりも格段に小さくすることができ
る。従ってその距離(YLY,XLX)を測定する際に
従来よりも計測誤差が低減されて、より高精度な重ね合
わせ露光が達成されることになる。
【0017】また本発明では、投影レンズ6の下に基準
マーク板FMを配置し、第1アライメント系と第2アラ
イメント系の両方で基準マークを検出する前に、その基
準マーク板FMの表面が投影レンズ6の結像面と一致す
るように焦点合わせを実行するようにした。これによっ
て、上述の距離(YLY,XLX)の計測で求められる
値がより信頼性の高いものとなり、ウェハ9上の被露光
領域Cnの各々をレチクル5の回路パターン像と順次重
ね合わせ露光するためのステージ7の移動目標位置の信
頼性も向上する。
【0018】
【実施例】次に本発明の実施例が適用される投影型露光
装置の構成を図1、図2、図3に基づいて説明する。光
源1は感光剤を感光するような波長(露光波長)の照明
光を発生し、その照明光は第1コンデンサーレンズ2を
通った後、シャッター3を通り、第2のコンデンサーレ
ンズ4に至る。シャッター3は照明光の透過及び遮断を
制御し、第2コンデンサーレンズ4はレチクル(マス
ク)5を均一な照明光で照明する。縮小投影レンズ(以
下単に投影レンズとする)6はレチクルRに描かれたパ
ターンの像を1/5、あるいは1/10に縮小し、その
縮小像を感光剤の塗布されたウェハ(感光基板)9上に
投影する。ウェハホルダー8はそのウェハ9を真空吸着
するとともに、2次元移動ステージ(以下単にステージ
とする)7上に回転可能及び上下動可能に設けられてい
る。
【0019】さらにそのステージ7には、ウェハホルダ
ー8の上下動に伴って上下動する基準マーク板FMが設
けられている。ステージ7の2次元的な位置のうち、X
方向の位置はレーザ光束の干渉を利用したレーザ干渉計
10によって検出され、X方向と直交するY方向の位置
は図2に示すようにレーザ干渉計104によって検出さ
れる。ステージ7にはレーザ干渉計用の平面ミラー7
a、7bが互いに直交するように設けられ、それぞれレ
ーザ干渉計10、レーザ干渉計104からのレーザビー
ムを反射する。両干渉計10、104からのレーザビー
ムは直交し、その交点が投影レンズ6の光軸Oと一致す
るように配置される。
【0020】さて図1において、レーザ光源11はウェ
ハ9上の感光剤を感光させない波長の光を発生し、その
光束はビームエクスパンダー12、シリンドリカルレン
ズ13を通り、反射鏡14で反射された後ビームスプリ
ッター15を通り、集光レンズ16で集光されて反射鏡
17でレチクルRの裏面(投影レンズ6側の面)に向け
て進む。視野絞18はそのレーザ光束の集光点に配置さ
れて、視野絞18を通ったレーザ光束は発散して小さな
反射鏡19に入射する。この視野絞18の中央にはレー
ザ光束が楕円形に結像し、反射鏡19はレチクルRの裏
面(以下パターン面と呼ぶ)と平行な反射平面を有して
入射してきたレーザ光束を投影レンズ6の瞳に向けて反
射する。
【0021】そして反射鏡19で反射したレーザ光束2
1は投影レンズ6によって集光され、ウェハ9上にスポ
ット光LYを形成する。スポット光LYはシリンドリカ
ルレンズ13によってX方向に細長く伸びた楕円形であ
り、ウェハ9上にX方向に細長く伸びたマークのY方向
の位置を検出するものである。そのウェハ9上のマーク
で生じた散乱光あるいは回折光は、投影レンズ6に逆入
射して反射鏡19、視野絞18、反射鏡17、及び集光
レンズ16を通って、ビームスプリッター15で反射さ
れて、空間フィルター23に至る。空間フィルター23
は、ウェハ9からの正反射光を遮断し、散乱光や回折光
を透過する。集光レンズ24は空間フィルター23を通
ったマークからの散乱光や回折光を光電検出器25の受
光面に集光する。
【0022】さて、そのスポット光LYを形成するレー
ザ光束21の主光線は、図1に示すようにレチクル5と
投影レンズ6の間では投影レンズ6の光軸に対して傾い
ている。これは、投影レンズ6のレチクル5側が非テレ
セントリックな光学系だからである。そこで、レーザ光
束21を投影レンズ6の瞳に向けて反射する反射鏡19
をレチクル5のパターン投影の際、レチクル5からの露
光波長の光が遮光されないような位置に配置する。
【0023】以上のレーザ光源11、ビームエクスパン
ダ12、シリンドリカルレンズ13、ビームスプリッタ
15、集光レンズ16、視野絞18、及び反射鏡19に
よって非露光光TTL方式によるY方向のアライメント
照明系が構成され、ビームスプリッタ15、集光レンズ
16、視野絞18、反射鏡19、空間フィルター23、
集光レンズ24、及び光電検出器25によって非露光光
TTL方式によるY方向のアライメント検出系が構成さ
れる。尚、図1では不図示であるが、ウェハ9上にY方
向に細長く伸びたレーザ光のスポット光LXを形成する
非露光光TTL方式によるX方向のアライメント照明系
とアライメント検出系とが紙面と垂直な方向にも全く同
様に設けられている。
【0024】さて本実施例では、投影レンズ6を介した
TTL方式のアライメント系の他に、ウェハ9のアライ
メント(位置合せ)のためのオフ・アクシス方式のウェ
ハアライメント系も設けられている。レーザ光源31は
ウェハ9上の感光剤を感光させない波長のレーザ光を発
生し、そのレーザ光束は、ビームエクスパンダー32で
平行光束に形成され、シリンドリカルレンズ33を通っ
て、ガルバノミラー等の振動鏡35で反射された後、集
光レンズ36に入射して焦点37にレーザ光束を集光す
る。振動鏡35は微小角だけ一定の角周波数で回転振動
する。このため焦点37に集光したレーザ光束は、紙面
と垂直な方向に単振動する。
【0025】さて、集光レンズ36からの振動したレー
ザ光束は、第2対物レンズ38によって再び平行光束に
されて、ビームスプリッター39で2つの光束に分割さ
れる。ビームスプリッター39で反射したレーザ光束は
反射鏡40で反射された後、ビームスプリッター41に
入射する。ビームスプリッター41で反射されたレーザ
光束は第1対物レンズMYに入射し、シリンドリカルレ
ンズ33、第2対物レンズ38、第1対物レンズMYの
作用によって、ウェハ9上にX方向に細長く延びた楕円
形のスポット光MYSとして結像される。
【0026】一方、ビームスプリッター39を透過した
レーザ光束は、ビームスプリッター42で反射されて、
第1対物レンズMθに入射する。これによってウェハ9
上にX方向に細長く延びた楕円形のスポット光MθSが
結像される。第1対物レンズMY、Mθの両光軸は、と
もに投影レンズ6の光軸と平行に配置され、その間隔は
円板状のウェハ9の直径よりも小さな所定値に定められ
ている。また、第1対物レンズMY、Mθの両光軸を結
ぶウェハ9上の線分の方向は、X方向と一致するように
定められている。
【0027】スポット光MYS、MθSは振動鏡35に
よってウェハ9上をY方向に微小振動し、ウェハ9上に
X方向に細長く形成されたマークを照射する。そして、
スポット光MYSの照射によりそのマークから生じた散
乱光又は回折光は、第1対物レンズMYに逆入射してビ
ームスプリッター41を透過した後、空間フィルター4
3に至る。空間フィルター43は、スポット光MYSの
ウェハ9からの正反射光を遮断し、マークからの散乱光
や回折光を透過する。その散乱光や回折光は、集光レン
ズ44によって光電検出器45の受光面に集光される。
【0028】同様に、スポット光MθSの照射によりウ
ェハ9上のマークから生じた散乱光又は回折光は第1対
物レンズMθに逆入射してビームスプリッター42を透
過した後、空間フィルター46に至る。空間フィルター
46は空間フィルター43と同じ作用を有し、その空間
フィルター46を通った散乱光や回折光は集光レンズ4
7によって光電検出器48の受光面に集光される。以上
の光電検出器45、48は、いずれもウェハ9上の対応
するマークからの散乱光や回折光の量に応じた光電信号
を出力する。
【0029】尚、ビームスプリッター39、反射鏡40
は図1中、投影レンズ6の背後に配置され、第1対物レ
ンズMY、Mθも、図2に示すように投影レンズ6の背
後に配置される。これは図2に示すようにステージ7上
のウェハホルダー8にウェハ9を装置の正面から矢印W
L1のように搬送する際、第1対物レンズMY、Mθが
機械的に干渉しないようにするとともに、ウェハホルダ
ー8のウェハ載置面のクリーニング等の保守を容易にす
るためである。
【0030】また、第1対物レンズMY、ビームスプリ
ッター41、空間フィルター43、集光レンズ44及び
光電検出器45によって構成されたアライメント系を、
オフアクシス・Yアライメント検出系とし、第1対物レ
ンズMθ、ビームスプリッター42、空間フィルター4
6、集光レンズ47及び光電検出器48によって構成さ
れたアライメント系をオフアクシス・θアライメント検
出系とする。
【0031】さて、本実施例では図1に示すようにレチ
クル5のアライメントのために、3つのアライメント光
学系が設けられている。レチクル5の周辺には、投影露
光の際にパターンの投影領域の周辺に投影されるような
3つの位置にレチクルアライメントマーク52、55、
58が設けられている。顕微鏡対物レンズ50aと反射
鏡50bとで構成されたレチクルアライメント光学系5
0は、レチクル5と第2コンデンサーレンズ4との間か
らレチクルアライメントマーク52を検出する。このマ
ーク52はレチクル5のY方向の位置合わせのために設
けられ、レチクルアライメント光学系50は所定の基準
位置(検出中心)を有し、その基準位置に対するマーク
52(すなわちレチクル5)のY方向のずれを検出す
る。
【0032】顕微鏡対物レンズ51aと反射鏡51bと
で構成されたレチクルアライメント光学系51は、レチ
クルアライメントマーク55を検出する。このマーク5
5はレチクル5のY方向の位置合せのために設けられ、
レチクルアライメント光学系51は基準位置(検出中
心)に対するマーク55のY方向のずれを検出する。ま
た顕微鏡対物レンズ53aと反射鏡53bとで構成され
たレチクルアライメント光学系53はレチクルアライメ
ントマーク58を検出する。このマーク58はレチクル
5のX方向の位置合せのために設けられ、レチクルアラ
イメント光学系53は基準位置(検出中心)に対するマ
ーク58(すなわちレチクル5)のX方向のずれを検出
する。
【0033】上記3つのレチクルアライメント光学系5
0、51、53はマーク52、55、58をそれぞれ顕
微鏡対物レンズ50a、51a、53a、反射鏡50
b、51b、53bを介して露光波長の光で同軸にレチ
クル5を照明する照明光学系を備えている。また、レチ
クルアライメント光学系50、51、53はマーク5
2、55、58以外に、投影レンズ6を介して基準マー
ク板FMに設けられたマークも検出する。
【0034】さて、図3は上記非露光光TTL方式のア
ライメント検出系によるスポット光LY、LX、オフア
クシス・Yアライメント検出系、θアライメント検出系
によるスポット光MYS、MθS、及びレチクルアライ
メント光学系50、51、53の検出中心の各投影位置
の配置を、ウェハ9の表面を含む平面上で示した平面図
である。投影レンズ6の光軸が通る位置をXY座標系の
原点(露光中心)Oと一致させるものとすると、ステー
ジ7はXY座標系のX方向とY方向とに移動する。円形
の領域60は投影レンズ6によって投影し得る最大の露
光領域を表わし、その内側の矩形状の領域61は、ウェ
ハ9に露光されるレチクル5の矩形状のパターン露光領
域を表わす。
【0035】そしてレチクルアライメント光学系50、
51の各検出中心の投影像50W、51Wは、各々X方
向に所定の微小長さを有し、ともにX軸上に一致して投
影される。同様にレチクルアライメント光学系53の検
出中心の投影像53WはY方向に所定の微小長さを有
し、Y軸上に一致して投影される。しかも、その検出中
心像50W、51W、53Wはともに矩形のパターン露
光領域61の外側で、円形の有効露光領域60の内側に
定められる。
【0036】一方、非露光光TTL方式で形成されたス
ポット光LY、LXも、パターン露光領域61の外側で
有効露光領域60の内側に結像され、原点Oに対して放
射状に位置する。スポット光LYの長手方向(X方向)
の中心からY軸までの距離はX1 に定められ、スポット
光LXの長手方向(Y方向)の中心からX軸までの距離
はY2 に定められている。また、スポット光LYのY方
向の中心位置はX軸と一致していることが望ましいが、
X軸に対するY方向の距離YLYが予め正確に検出され
ていればよい。スポット光LXのX方向の中心位置もY
軸と一致していることが望ましいが、Y軸に対するX方
向の距離XLXが予め正確に検出されていればよい。
【0037】さて、オフアクシス・Yアライメント検出
系の第1対物レンズMYとθアライメント検出系の第1
対物レンズMθとの各々で結像されたスポット光MY
S、MθSは、いずれもX軸から距離Y1 の位置に形成
され、スポット光MYSの長手方向(X方向)の中心と
スポット光MθSの長手方向(X方向)の中心との間隔
はlに定められている。本実施例では、さらにスポット
光MYS、MθSのX方向の中心がともにY軸から等し
い距離、すなわちY軸に関して左右対称にあるものとす
る。
【0038】またステージ7上の基準マーク板FMは、
ガラス基板上にクロム層で所定のパターン(マーク)を
凹凸により形成したものである。基準マーク板FMに
は、微小線要素をY方向に規則的に配列した格子状の基
準マークFMXと、微小線要素をX方向に規則的に配列
した格子状の基準マークFMYとが設けられている。こ
の基準マークFMYが、スポット光MYS、MθS、又
はスポット光LYにより照射されると、格子のピッチや
レーザ光の波長に応じた回折光が生じ、またスポット光
LXが基準マークFMXを照射すると同様の回折光が生
じる。尚、スポット光MYS、MθSはY方向に微小振
動しているが、その振幅はスポットサイズの幅と同程度
に定められる。
【0039】また、オフアクシス方式のウェハアライメ
ント系(Yアライメント光学系、θアライメント光学
系)は、装置の基準位置に対するウェハ9のY方向の位
置ずれと回転ずれとを検出するものであり、非露光光T
TL方式(オンアクシス方式)のアライメント系は、装
置の所定の基準位置、すなわちパターン露光領域61あ
るいは有効露光領域60に対するスポット光LX、LY
の位置から、ウェハ9上の露光すべき領域がX方向、Y
方向にどれだけずれているかを検出するものである。そ
こでTTL方式のアライメント系は、以後レーザ・ステ
ップ・アライメント(Laser Step Alig
nment)検出系LSAとし、スポット光LXを使う
アライメント系をX−LSA検出系と呼び、スポット光
をLYを使うアライメント系をY−LSA検出系と呼ぶ
ことにする。
【0040】ところでそのX−LSA検出系、Y−LS
A検出系においては、感光剤を感光しないような露光波
長とは異なる波長のレーザ光束が投影レンズ6を通る。
一般にこの種の投影レンズは露光波長の光に対して色収
差の補正がなされている。このため露光波長と異なる波
長の光を使った場合、露光波長の光でレチクル5のパタ
ーン像をウェハ9上に投影したときに得られるレチクル
5のパターン面とウェハ9の表面との共役関係は大きく
ずれてしまう。
【0041】そこで本実施例では、光源1からの露光波
長の光をレチクル5に照射したときに得られる投影レン
ズ6の結像面と同一面内にスポット光LX、LYが結像
するように、反射鏡17、19によってレーザ光束のレ
チクル5側の光路長を調整している。また、スポット光
LY、LX、MYS、MθSの各結像面はともに同一平
面上になるように定められ、しかもその平面は、露光波
長の照明光でレチクル5を照明した際、投影レンズ6が
レチクル5のパターン像を結像する面と一致するように
定められている。
【0042】さて、図4はスポット光LYと基準マーク
FMYとの関係を示し、図5はY−LSA検出系の空間
フィルター23の形状を示す平面図である。図4におい
て、ステージ7をY方向に移動させて、基準マークFM
Yがスポット光LYを走査すると、基準マークFMYか
らは正反射光(0次回折光)の他に、1次、2次…の回
折光が格子の配列方向に生じる。図5に示すように円板
状の空間フィルター23には中央部分に帯状の遮光部2
3aが形成され、その上下に光透過部23bが形成され
ている。
【0043】遮光部23aは、スポット光LYの照射に
よる基準マーク板FMあるいはウェハ9からの正反射光
LYdを遮断する。基準マークFMYから生じる回折光
のうち1次回折光±L1と、2次回折光±L2とが透過
部23bを透過する。本実施例では、X−LSA検出系
の空間フィルターやYアライメント検出系、θアライメ
ント検出系の空間フィルター43、46についても全く
同様に構成される。またウェハ9上には、基準マークF
MY、FMXと同様の回折格子状のマークが凹凸で形成
され、各スポット光LY、LX、MYS、MθSがその
マークを照射した際、同様の回折光が発生する。
【0044】図6は装置全体を制御する制御系の回路ブ
ロック図である。全体の動作やシーケンスは、マイクロ
・コンピュータ(以下CPUと呼ぶ)100によって統
括制御される。CPU100からの情報はインターフェ
イス回路(以下、IFと呼ぶ)101を介して各種周辺
装置(周辺回路)に出力される。また周辺回路や装置か
らの検出情報もIF101を介してCPU100に読み
込まれる。
【0045】さてステージ7は、モータ等を用いたX方
向駆動手段(以下、X−ACTと呼ぶ)102とY方向
駆動手段(以下、Y−ACTと呼ぶ)によって2次元的
に移動される。その移動量はIF101を介してCPU
100から指令される。ステージ7の位置はレーザ干渉
計10とレーザ干渉計104によって座標値として検出
されるが、レーザ干渉計10、104からはそれぞれス
テージ7の単位移動量、例えば0.02μm毎にパルス
信号XP 、YP が発生する。このパルス信号XP 、YP
はそれぞれIF101内に設けられたデジタルカウンタ
で移動方向に応じて加算又は減算計数される。そこでC
PU100はこのカウンタの計数値を読み込んでステー
ジ7の座標値(2次元的な位置)を検出する。
【0046】またステージ7上のウェハホルダー8は、
回転駆動手段(以下、θ−ACTと呼ぶ)105によっ
てステージ7に対して回転すると共に、上下動手段(以
下、Z−ACTと呼ぶ)106によってステージ7のX
Y方向の移動平面と垂直な方向(上下方向)に移動す
る。尚、基準マーク板FMもウェハホルダー8と共に上
下動する。
【0047】レチクルアライメント系(以下、R−AL
Gと呼ぶ)107は、図1に示したレチクルアライメン
トマーク52、55、58をレチクルアライメント光学
系50、51、53を介して光電検出する手段(光電顕
微鏡やテレビカメラ等)と、その光電信号に基づいて所
定の検出中心に対するレチクルアライメントマーク5
2、55、58の変位を検出して、その変位が零又は所
定値になるようにレチクル5を保持する不図示のレチク
ルホルダを駆動する手段とを含んでいる。このR−AL
G107の動作によって、レチクル5は例えば投影レン
ズ6の光軸がレチクル5の中心を通るように装置に対し
て位置決めされる。
【0048】焦点検出手段(以下、AFDと呼ぶ)10
8はウェハ9と投影レンズ6の間隔、又は基準マーク板
FMと投影レンズ6の間隔を検出して、投影レンズ6の
焦点ずれ、すなわち投影レンズ6の結像面とウェハ9の
表面(又は基準マーク板FMの表面)との光軸方向のず
れを検出するものである。このAFD108としては、
ウェハ9の表面に斜めに光束を照射してそこからの反射
光がどの方向に生じるかを検出する斜入射光方式による
もの、又はウェハ9にエアを吹きつけてそのエアの背圧
の変化から検出する方式によるもの等が利用できる。そ
して検出された焦点ずれの量に応じてZ−ACT106
を駆動することによってレチクルRのパターン像がウェ
ハ9上に合焦状態で投影される。尚、このZ−ACT1
06とAFD108とによって自動焦点調整手段が構成
される。
【0049】LSA処理回路109は、図1に示したY
−LSA検出系の光電検出器25とX−LSA検出系の
光電検出器との両光電信号を入力して、CPU100と
協働してウェハ9上の位置合せ用のマーク又は基準マー
ク板FMの基準マークFMX、FMYとスポット光L
X、LYとの位置ずれを検出する。また図1に示したオ
フアクシス方式のYアライメント検出系とθアライメン
ト検出系の各光電検出器45、48からの光電信号は、
ウェハアライメント処理回路(以下WADと呼ぶ)11
0によって処理され、ウェハ9上のマークとスポット光
MYS、MθSとのY方向の変位を検出する。
【0050】さて図7は、そのWAD110の具体的な
回路構成を示す回路ブロック図である。Yアライメント
検出系の光電検出器45からの光電信号はアンプ120
を介して位相同期検波回路(以下、PSDとする)12
1に入力する。発振器122は所定の周波数でスポット
光MYS、MθSを振動させるための発振信号を駆動部
123に出力し、駆動部123はその発振信号の周波数
で図1に示した振動ミラー35を単振動させる。そのP
SD121は、発振器122からの発振信号によってア
ンプ120からの光電信号を同期検波(同期整流)して
検波信号SSYを出力する。
【0051】この検波信号SSYは、図8に示すように
スポット光MYSの振動中心に対するマーク位置の偏差
(アライメント偏差)に応じた、いわゆるSカーブ信号
となる。検波信号SSYが正極性のときは、スポット光
MYSの振動中心に対してマークが一方に変位してお
り、負極性のときは他方に変位しており、そして検波信
号SSYが零のときは、スポット光MYSの振動中心と
マークの中心とが一致したことを表わす。
【0052】そこで図7中のコンパレータ126は、図
8に示すように検波信号SSYが零になったとき信号1
26aを出力すると共に、検波信号SSYが正極性のと
き論理値「H」になり、負極性のとき論理値「L」にな
る信号126bを出力する。ただし、検波信号SSYが
零になったか否かを正確に検出するのは検波信号SSY
のノイズ等により難しいので、ウインドコンパレータ等
を使って検波信号SSYのレベルが零を含む所定範囲内
になったときに信号126aを発生するように構成す
る。
【0053】オフアクシス方式のθアライメント検出系
についても全く同様に構成され、光電検出器48からの
光電信号はアンプ124で増幅されてPSD125に入
力し、PSD125はその光電信号を発振器122から
の発振信号で同期検波して検波信号(Sカーブ信号)S
Sθを出力する。コンパレータ127は検波信号SSθ
をデジタル化し、検波信号SSθが零になったことを表
わす信号127aと、スポット光MθSの振動中心に対
するマークのずれの方向を表わす信号127bとを出力
する。
【0054】尚、図7中で検波信号SSθを入力する駆
動部128は、図1のθアライメント検出系中でハーフ
ミラー39とハーフミラー42との間の平行光路中に配
置された平行平面ガラス(プレーンパラレル)129を
所定角度だけ回転するものである。このプレーンパラレ
ル129の回転によって、これを通るレーザ光束の光軸
がシフトされ、スポット光MθSの振動中心がY方向に
微小量だけ変位する。この駆動部128とプレーンパラ
レル129は本質的には不必要であるが、長期的なドリ
フトを考慮してスポット光MYSとMθSの平行出し、
すなわちスポット光MYSの振動中心の位置とスポット
光MθSの振動中心の位置とを結ぶ線分が、図3のよう
にY軸と平行になるように調整するために設けられてい
る。
【0055】さて図9は、LSA処理回路109の具体
的な構成を示す回路ブロック図を示し、ここではY−L
SA検出系の光電検出器25に対応したX−LSA検出
系側の光電検出器を光電検出器130とする。その光電
検出器130は、ウェハ9上のX方向の位置合せ用マー
クまたは基準マークFMXからの回折光を投影レンズ6
を介して受光する。その光電信号はアンプ131で増幅
されてアナログ−デジタル変換器(以下ADCとする)
132に入力する。ADC132はレーザ干渉計10か
らのパルス信号XP の各パルスに応答してその光電信号
をサンプリングし、光電信号の大きさに相当するデジタ
ルデータに変換する。このデジタルデータは、パルス信
号XP の各パルスに応答して順次アクセス番地が更新さ
れるランダム・アクセス・メモリ(以下RAMとする)
133に記憶される。このRAM133の記憶開始や停
止はCPU100からの信号S1 によって制御される。
【0056】一方Y−LSA検出系についても同様であ
り、光電検出器25の光電信号はアンプ134で増幅さ
れ、ADC135によってデジタルデータに変換された
後、RAM136に記憶される。ADC135はレーザ
干渉計104からのパルス信号YP の各パルスに応答し
てその光電信号をサンプリングし、RAM136はその
サンプリングされたデジタルデータをパルス信号YP に
応答して更新される番地に順次記憶する。このRAM1
36の記憶開始及び停止の制御はCPU100からの信
号S2 によって行なわれる。
【0057】このようにRAM133、136には、マ
ークからの回折光の強度分布をステージ7の単位移動量
(例えば0.02μm)毎の位置に応じてサンプリング
したデータが記憶される。この記憶されたデータ群はデ
ータDX、DYとしてCPU100に読み込まれ、マー
クの位置を求めるために使われる。次に、ウェハ9の位
置決め動作について図10のフローチャート図に基づい
て説明する。まず、ステップ200のウェハローディン
グでウェハ9をウェハホルダ8に粗く位置決めして載置
する。これは不図示のプリアライメント装置によってウ
ェハ9の直線的な切欠き(フラット)を用いて行なわれ
る。
【0058】ウェハホルダ8に載置されたウェハ9に
は、アライメント用のマークと例えば第1層目の回路パ
ターンとが形成されている。そのウェハ9の様子を図1
1に示す。ウェハ9上には第1層目の回路パターンが形
成された矩形状の被露光領域(チップ領域、ショット領
域)C1 、C2 …、C14がマトリックス状に整列してい
る。各被露光領域Cn は縮小投影型露光装置による1回
の露光で転写されたものであり、各被露光領域Cn の周
辺(例えばスクライブライン上)には4つの位置合せ用
マークが同時に形成される。
【0059】例えば被露光領域C1 の周辺にはその中心
P1 から放射状に互いに直交する方向に伸びたマークS
Y1 、マークSX1 と、同一直線上に所定間隔で配列し
た2つのマークGY1 、Gθ1 とが設けられている。こ
れらマークは全て基準マークFMY、FMXと同様に細
長い楕円形のスポット光の照射により回折光を発生する
ような格子状のパターンである。
【0060】さらにこれらマークの具体的な配置を述べ
ると、ウェハ9をウェハホルダ8に載置したとき、ウェ
ハ9のフラットFの方向はステージ7の移動座標系XY
のX方向と一致するので、マークSY1 、Gθ1 、GY
1 は図11のようにX方向に伸び、マークSX1 はY方
向に伸びた格子状パターンとする。そして、このウェハ
9上の互いに離れた2ケ所の被露光領域C7 、C10周辺
に設けられたマークGY7 とマークGθ10とはウェハ9
の回転ずれ補正のために使われる。このマークGY7 と
Gθ10とを結ぶ線分l2 はフラットF及び座標系XYの
X軸と平行になる。
【0061】さらにマークGY7 とマークGθ10の間隔
はオフ・アクシス方式のアライメント検出系による2つ
のスポット光MYSとMθSの間隔lと等しくなるよう
に予め設定されている。またマークSY、SXはTTL
方式のLSA検出系によって検出されるものであり、各
被露光領域についてレチクル5とアライメントする際は
必らず必要であるが、マークGY、Gθについてはマー
クGY7 とGθ10以外は必らずしも必要ではない。例え
ば図11に示すような第1層目の回路パターン転写を縮
小投影型露光装置ではなく一括露光方式の露光装置で行
なう場合は、一括露光用のフォトマスクに各被露光領域
C毎のマークSY、SXに対応したマスクパターンと、
間隔lだけ離れたマークGY7 、Gθ10に対応したマス
クパターンとを形成しておけばよい。
【0062】さてウェハローディングが完了したところ
で、図10のステップ201において、CPU100は
基準マーク板FMが投影レンズ6の直下に位置するよう
にステージ7の位置決めを行なった後、AFD108と
Z−ACT106によって基準マーク板FMに対して自
動焦点調整を行なう。このとき図3に示したように、ス
ポット光LYのX軸からの距離YLYとスポット光LX
のY軸からの距離XLXとを計測する。
【0063】尚、この段階でレチクル5は、レチクルア
ライメント光学系50、51、53とR−LAG107
によって位置決めされているものとする。まずレチクル
アライメント光学系50によって、基準マークFMYの
投影レンズ6による逆投影像とレチクル5のマーク55
とが所定の位置関係に整列して観察されるようにステー
ジ7を移動する。そしてレチクルアライメント光学系5
0による検出中心50Wと基準マークFMYとを一致さ
せる。そしてCPU100はこのときのステージ7のY
方向の位置YR1をレーザ干渉計104から読み取って
記憶する。
【0064】次にCPU100は、Y−LSA検出系に
よるスポット光LYが基準マークFMYをY方向に走査
するようにステージ7を移動させる。この際、スポット
光LYと基準マークFMYとはまず図4に示すような位
置に整列され、その位置から一定距離だけステージ7が
Y方向に移動する。そこでCPU100はレーザ干渉計
104からその位置をスタート位置YSとして読み取り
記憶する。そしてCPU100はLSA処理回路109
に信号S2 を出力した後、ステージ7をストップ位置Y
eまで一定距離だけY方向に移動させる。
【0065】この移動に伴って、レーザ干渉計104か
らのパルス信号YPに応答して図9に示すように光電検
出器25の光電信号がADC135でサンプリングさ
れ、RAM136には基準マークFMYからの回折光の
光強分布に応じたデータ群が順次記憶される。この様子
を図12に示す。図12で縦軸はサンプリングされたデ
ータDYの大きさを表わし、横軸はY方向の位置を表わ
し、波形65は位置YSからYeの間で生じた回折光の
強度分布を表わす。
【0066】さてステージ7が位置Yeまで走査して停
止すると、CPU100はRAM136からデータDY
を読み込み、所定の基準レベル66よりも大きくなるデ
ータのRAM136上の番地区間AD1〜AD2を検出
する。RAM136の1番地はパルス信号YPの1パル
ス、すなわちステージ7のY方向の0.02μmの移動
量に対応している。そこでCPU100は番地区間AD
1〜AD2の間で最大となるデータの番地ADPを求
め、位置YSに対応したRAM136の番地ADSと番
地ADPの差(ADP−ADS)を演算し、この差値に
パルス信号YPの1パルス間隔の値P(0.02μm)
を乗算し、位置YSから波形65の最大値が得られるま
での距離を求める。
【0067】そして最後にCPU100は先に記憶した
位置YSとその距離を加算して、波形65が最大値にな
るY方向の位置YR2を基準マークFMYの位置として
求める。従って、レーザ干渉計104で読み取ったステ
ージ7のY方向の位置が位置YR2になるようにステー
ジ7を位置Yeから戻せば、スポット光LYと基準マー
クFMYとは正確に一致することになる。
【0068】以上のようにして基準マークFMYとスポ
ット光LYとが一致する位置YR2が求められたので、
CPU100は先に記憶した位置YR1とその位置YR
2との差を演算して距離YLY(図3参照)を求める。
尚、マークの大きさとスポットサイズによって波形65
の最大値がピークとならずに連続した一定値になるよう
な場合、すなわち波形65が矩形波状になる場合は、基
準レベル66を横切る番地AD1と番地AD2との中心
番地をADPとすれば、スポット光LYのY方向の中心
と基準マークFMYのY方向の中心とが一致したときの
ステージ7の位置が求められる。
【0069】一方、X−LSA検出系のスポット光LX
についても図3に示すようにY軸からの距離XLXを計
測する。この場合も、レチクルアライメント光学系53
による検出中心53Wと基準マークFMXとが一致した
ときのX方向の位置XR1を検出した後、スポット光L
Xが基準マークFMXをX方向に一定距離だけ走査する
ようにステージ7を移動させる。そして、図9のADC
132とRAM133によって基準マークFMXからの
回折光の強度分布を抽出して先と同様の演算によって、
基準マークFMXとスポット光LXとが一致するような
X方向の位置XR2を検出し、XLX=XR1−XR2
の演算によって距離XLXを求める。
【0070】さて、以上のようにして図10のステップ
201が終了するので、CPU100はステージ7を移
動させてウェハ9の自動焦点調整を行なった後、ステッ
プ202のウェハθアライメントを実行する。このステ
ップ202で、CPU100はまず、ウェハ9上のマー
クGY7 がYアライメント検出系のスポット光MYSと
概ね整列し、マークGθ10がθアライメント検出系のス
ポット光MθSと概ね整列するようにステージ7の位置
決めを行なう。この位置決めは、基準マーク板FMとウ
ェハ9の距離が予めわかっていること、ウェハ9の全体
に対するマークGY7 、Gθ10(線分l2 )の位置が予
めわかっていること、そして投影レンズ6の露光中心O
(図3中の原点O)からスポット光MYS、MθSまで
の距離が予めわかっていることによって容易に所定の精
度内で実施できる。
【0071】ただし、ウェハ9のプリアライメント誤差
はそのまま残るので、スポット光MYSとMθSはその
誤差分だけ各々マークGY7 とマークGθ10からずれて
いる。その時の様子を図13に示す。図13はスポット
光MYS、MθSとマークGY7 、Gθ10の配置を模式
的に表わした平面図である。図13のように線分l2、
すなわちウェハ9はスポット光MYS、MθSを結ぶ線
分に対してY方向のずれと回転ずれとを伴っている。も
ちろんX方向のずれもあるが、スポット光MYS、Mθ
S及びマークGY7 、Gθ10がX方向に細長いのでここ
ではそのことが問題にならないものとする。
【0072】さてステージ7が図13のように位置決め
された後、CPU100はステージ7をY方向に微動さ
せて、図7に示したWAD110からの信号126b又
は信号127bの論理値によってステージ7の移動方向
を判断し、信号126a、信号127aが論理値「H」
になったときにそれぞれステージ7のY方向の位置を検
出した後、ステージ7の移動を停止する。マークGY7
とスポット光MYSとが重なったときのY方向の位置
と、マークGθ10とスポット光MθSとが重なったとき
のY方向の位置とに差があれば、それはウェハ9が回転
していることを意味するものであり、その差の極性(正
か負か)はウェハ9の回転方向を表わすものである。そ
こでCPU100はまずウェハ9の回転方向を検出す
る。例えば図13ではウェハ9は反時計方向に回転して
いる。
【0073】次にCPU100はWAD110からの信
号126aが論理値「H」になるまでステージ7をY方
向に戻す。これによって、マークGY7 のY方向の中心
と、スポット光MYSの振動中心とはコンパレータ12
6のウィンド幅で決まる精度内に位置合せされる。これ
が終了するとCPU100はPSD121からの検波信
号SSYを入力して、そのアナログレベルが零になるよ
うにY−ACT103をサーボ制御(フィードバック制
御)に切替える。
【0074】これによってマークGY7 のY方向の中心
とスポット光MYSの振動中心とが正確に一致し、サー
ボ制御によってその状態が維持される。その後CPU1
00は先に検出したウェハ9の回転方向と逆方向にウェ
ハホルダ8を回転させるようにθ−ACT105を駆動
する。このとき、CPU100はWAD110のPSD
125からの検波信号SSθが零になるようにθ−AC
T105をサーボ制御する。
【0075】以上の動作によりマークGY7 の中心とス
ポット光MYSの振動中心とが一致し、マークGθ10の
中心とスポット光MθSの振動中心とが一致し、ウェハ
9の回転ずれが補正されると共にウェハ9のY方向の位
置が規定される。そしてCPU100は図10のステッ
プ203でステージ7のY方向の位置をレーザ干渉計1
04から読み取って記憶(セット)する。これによっ
て、ウェハ9全体のスポット光MYS、MθS、換言す
れば露光中心Oに対するY方向の基準位置YGが決定さ
れたことになる。
【0076】次にCPU100は、ステップ204のス
テージファーストポジションでウェハ9上の第1番目に
露光すべき領域、例えば図11中の被露光領域C1 が投
影レンズ6の有効露光領域60内に位置決めされるよう
にステージ7を移動させる。図11に示すように、ウェ
ハ9内の各被露光領域Cの位置は第1層目のパターン形
成時に定まっており、マークGY7 、Gθ10に対する被
露光領域C1 の中心P1 の位置もわかっている。
【0077】そこで中心P1 を基準としたマークGY7
、Gθ10(線分l2)のY方向の距離をYP1 とする
と、ステージ7のY方向の位置が、式(1)、 Y=YG+Y1 −YP1 ……(1) を満すように位置決めすれば、被露光領域C1 の中心P
1 のY方向の位置と投影レンズ6の露光中心OのY方向
の位置とは一致する。もちろんX方向についても中心P
1 に対するマークGY7 とマークGθ10のX方向の位置
が予めわかっているので概ね位置合せされる。
【0078】次に図10のステップ205のX−LSA
サーチで、被露光領域C1 に付随したマークSX1 をX
−LSA検出系で検出してマークSX1 のX方向の位置
を計測する。この動作を図14を参照して説明する。図
14は投影レンズ6の有効露光領域60内のスポット光
LX、LYとウェハ9との配置を示す平面図である。露
光中心Oと被露光領域C1 の中心P1 とのY方向の位置
は正確に一致しているので、ウェハ9を自動焦点調整で
投影レンズ6の結像面に合わせた後、図14のようにス
ポット光LXとマークSX1 とがX方向に配列するよう
にステージ7をY方向に移動させる。
【0079】具体的には、露光中心Oからスポット光L
Xまでの距離Y2と、被露光領域C1 の中心P1 からマ
ークSX1 までの距離(設計上予め定まった値である)
との差分だけステージ7をY方向に移動する。その後、
ステージ7のY方向の位置を変えずにステージ7をX方
向に一定距離だけ移動する。その移動量はマークSX1
を含んでウェハ9のプリアライメント精度で決まるX方
向のずれ量よりも十分大きな値に定められている。そし
て、この移動の間、CPU100は図9に示したLSA
処理回路109のADC132とRAM133を制御し
て、マークSX1 から生じる回折光のX方向に関する光
強度分布を抽出する。
【0080】その後、CPU100は図12に示した演
算と同様の演算を行ない、スポット光LXのX方向の中
心とマークSX1 のX方向の中心とが一致したときのス
テージ7のX方向の位置を求め、その位置を位置XC1
として記憶する。この位置XC1を求めることは、ウェ
ハ9全体のX方向の位置を露光中心Oに対して規定した
ことを意味するものであり、これによってウェハ9のX
方向のグローバルアライメント(ウェハ9の全体的な位
置合せ)が完了したことになる。
【0081】次にCPU100は、図10のステップ2
06でY−LSAサーチ動作を実行する。これは図15
に示すように、スポット光LYとマークSY1 とがY方
向に整列するようにステージ7を位置決めした後、ステ
ージ7をY方向に一定距離だけ移動させ、マークSY1
のY方向の中心とスポット光LYのY方向の中心とが一
致したときのステージ7のY方向位置を求めるものであ
る。CPU100はその位置をLSA処理回路109の
ADC135、RAM136で抽出したマークSY1 の
回折光強度分布から求め、位置YC1として記憶する。
【0082】さて次にCPU100は、ステップ207
のファイン・アライメントで今求めた位置XC1、YC
1と、先に求めたスポット光LX、LYの座標軸X、Y
からの距離XLX、YLY(ベースライン値)とに基づ
いて、被露光領域C1 とレチクル5の投影像とを精密に
位置合せする。具体的には、ステージ7の位置を読み取
るレーザ干渉計10、104の計測値が以下の式
(2)、(3) X=XC1−XLX ……(2) Y=YC1−YLY ……(3) で決まる値に一致するようにステージ7を2次元移動さ
せる。これによって、被露光領域C1 の中心P1 と露光
中心Oとが正確に一致して精密な位置決めが完了する。
この時点でCPU100は図1に示したシャッター3を
所定時間だけ開き、レチクル5の回路パターン像をウェ
ハ9の被露光領域C1 に重ねて露光(プリント)する。
【0083】次にCPU100はステップ208で、ウ
ェハ9上にN回露光を繰り返したか否かを判断する。こ
こでは1番目の被露光領域C1 を露光しただけなので、
CPU100は次のステップ209でステージ7のステ
ッピングを行なう。このステッピングによって次に図1
1に示した被露光領域C2 を露光するものとする。従っ
てCPU100はステージ7をX方向に一定ピッチ、す
なわち被露光領域C1とC2 の間隔分だけ位置XC1、
YC1から移動させる。その後CPU100は再びステ
ップ205のX−LSAサーチから同様の動作を繰り返
し実行する。
【0084】以上のようにして、スポット光LX、LY
によってステッピングのたびに各被露光領域C毎のアラ
イメント、いわゆるステップアライメントを行なって露
光することをN回繰り返すと、ステップ208からステ
ップ210に進み、ステージ7に載置された露光済みの
ウェハ9が搬出(アンローディング)され、次のウェハ
のプリントのために、ステップ200から同様の動作が
実行される。
【0085】上記実施例において、TTL方式で検出す
るためのマークSX、SYは、被露光領域Cの中心Pで
交わる直交した2本の線上にそれぞれ設けるようにした
が、必らずしもその必要はない。例えば図16に示すよ
うに、マークSX、SYをそれぞれ2本の直交した線e
1 、e2 (交点は中心Pと一致する)に対して所定のオ
フセット値を持って配置してもよい。ここで線e1 がX
軸と平行で、線e2 がY軸と平行であるとすると、Y方
向に伸びたマークSXは線e2 に対してΔXのオフセッ
ト量だけずれて形成され、X方向に伸びたマークSYは
線e1 に対してΔYのオフセット量だけずれて形成され
ている。このΔX、ΔYは設計上予め定まった値であ
る。
【0086】そこでこのような場合は、図10のステッ
プ207でファイン・アライメントを行なう際、式
(2)、(3)の代りに以下の式(2)'、(3)' X=XCi−XLX−ΔX ……(2)' Y=YCi−YLX−ΔY ……(3)' (ただしiは被露光領域の番号(1、2…N)を表わ
す)を用いて、ステージ7の位置決めを行なえばまった
く同様に被露光領域Cとレチクル5の投影像とは精密に
重ね合される。
【0087】また上記実施例において、非露光光TTL
方式によるステップ・アライメントは各被露光領域Cに
対して全て行なうものとしたが、これはウェハ9の伸縮
による被露光領域の配列誤差の影響を取り除き、各被露
光領域毎に投影像との精密な位置合せを行なうためであ
る。しかしながらウェハ9の伸縮がほとんどないと見な
せるか、又は伸縮があったとしてもその量が予め求めら
れている場合には、TTL方式によるステップ・アライ
メントを1番目の被露光領域C1 についてのみ行ない、
あとの被露光領域については不要としてもよい。
【0088】具体的には図10のフローチャート図中
で、ステップ205、206を被露光領域C1 だけに対
して実行するように変更する。そしてマークSX1 とマ
ークSY1 の各位置XC1、YC1に基づいて順次ステ
ッピングを繰り返し露光を行なうが、伸縮量が求められ
ているときは、その量に応じてステッピングのピッチを
少しずつ補正するようにする。
【0089】またウェハの伸縮量が小さい場合は、ウェ
ハの全面をいくつかのブロック、例えば4つのブロック
に分け、各ブロック内の特定の被露光領域についてTT
L方式によるステップ・アライメントを行なうようにし
てもよい。すなわち、ウェハ上のブロック数と等しい数
の被露光領域についてはステップ205、206、20
7による位置合せ(アライメント)を行ない、その他の
被露光領域についてはステップ209のステッピングだ
けで位置決めする。このような位置合せ方法は、いわゆ
るブロック・アライメントと呼ばれるもので、ウェハ上
のいくつかの被露光領域についてはTTL方式のアライ
メントを行ない、他の被露光領域はステージ7のステッ
ピングだけで位置決めするので、1枚のウェハの処理時
間が短縮されるとともに、ウェハの伸縮によるアライメ
ント誤差も取り除けるという利点がある。
【0090】以上、本実施例においてはTTL方式のX
−LSA検出系とY−LSA検出系によってウェハ9上
のマークの位置を検出する際、スポット光LX、LYが
マークSX、SYと一致するようにステージ7を位置決
めして停止させる必要がなく、単に各スポット光とマー
クを走査してマークの位置さえ検出すればよいので、T
TL方式のアライメント自体が高速になるという利点が
ある。
【0091】またLSA検出系は、感光剤を感光させな
い波長のレーザ光のスポットを格子状のマークに照射
し、そのマークから特定の方向に生じる回折光を検出し
ているのでマークの検出感度が高い。さらにそのスポッ
ト光LX、LYは露光中心Oに対して所定の位置に静止
しており、回折光の検出系にも振動スリットや可動鏡等
の可動部がないので長期的な安定性が良く、構造が簡単
であり、かつ製造、調整が容易であるという利点もあ
る。
【0092】次に本発明の実施例による他の位置合せ動
作について図17のフローチャート図と図18とを用い
て説明する。先の実施例においては、オフ・アクシス方
式のアライメントによって、ウェハ9の回転ずれの補正
がなされ、Y方向の位置が規定(Y方向にグローバルア
ライメント)された。このためウェハ9のY方向と回転
方向の位置決め精度はオフ・アクシス方式のY、θアラ
イメント検出系のスポット光MYS、MθSの位置設定
精度に依存したものになる。
【0093】すなわち、図3においてスポット光MYS
の振動中心とスポット光MθSの振動中心とを結ぶ線分
がX軸と完全に平行でなく、わずかでも傾いていると、
ステッピングだけでステージ7を位置決めする際、その
傾き量に応じてウェハ9上の被露光領域と投影像との重
ね合せが悪化してしまう。このようにスポット光MYS
とMθSのY方向の位置がずれていると、特にウェハ全
体の回転誤差(ウェハ・ローテーション・エラー)が顕
著に現われる。
【0094】そこで、この残存した回転誤差を補正して
位置合せする動作を図17のフローチャート図に従って
述べる。まず、ステップ220のウェハローディングで
ウェハをウェハホルダ8上にプリアライメントして載置
した後、ステップ221でウェハの自動焦点調整を行な
い、ステップ222のウェハθアライメントにおいて、
オフ・アクシス方式のY、θアライメント検出系により
ウェハ上のマークGY7 、Gθ10を検出して回転補正を
行ない、ステップ223ではスポット光MYSとマーク
GY7 とが一致し、スポット光MθSとマークGθ10と
が一致したときのステージ7のY方向の位置YGを記憶
する。ここまでのステップは先の実施例におけるステッ
プ200〜203と全く同様に実行される。
【0095】さて、ステップ223の終了後、スポット
光MYSとMθSとの設定誤差によって、ウェハが例え
ば図18に示すようにステージ7の座標系XYに対して
θだけ回転して位置決めされたものとする。この角度θ
が残存したウェハ回転誤差の量である。ところで、この
ウェハ9において各被露光領域の配列座標系を座標系α
βと定め、その原点OWをウェハ9の中心になるべく近
い位置に定める。そして、座標系αβのα軸は、ウェハ
9のフラットFと平行に配列した被露光領域C7 、C
8、C9 、C10の各マークSY7 、SY8 、SY9 、S
Y10を通るように定められている。またβ軸はウェハ9
の中央部に位置した2つの被露光領域C8 、C9 のマー
クSX8 とSX9 のα軸方向における中心位置を通りα
軸と直交するものとする。またウェハ9上の各被露光領
域Ciの中心Piの座標値は座標系αβによって規定さ
れていて、座標値(αi、βi)で指定されるものとす
る。
【0096】次に図17において、CPU100はステ
ップ224のセンターポジションを実行し、ウェハ9の
中心にできるだけ近く位置した被露光領域、例えばC8
を選び出す。そしてCPU100は被露光領域C8 のマ
ークSX8 とスポット光LXとがX方向に整列するよう
にステージ7の位置決めを行なった後、自動焦点調整を
行なう。そして次のステップ225でCPU100はマ
ークSX8 をスポット光LXでX方向に走査して、マー
クSX8 のX方向の中心とスポット光LXのX方向の中
心とが一致したときのステージ7のX方向の位置XGを
検出して記憶する。以上までの各ステップによってウェ
ハ9のグローバルアライメントが完了し、ウェハ9の座
標系XYに対する位置が規定されたことになる。
【0097】次にCPU100は、ステップ226でウ
ェハ9のα軸上で左端に近く位置した被露光領域C7 の
マークSY7 とスポット光LYとがY方向に整列するよ
うにステージ7の位置決めを行なった後、その位置で自
動焦点調整を行なう。次にCPU100はステップ22
7でスポット光LYとマークSY7 とをY方向に走査し
て、マークSY7 のY方向の中心位置YL1を検出して
記憶する。
【0098】それからCPU100は、ステップ228
でウェハ9のα軸上で右端に近く位置した被露光領域C
10のマークSY10とスポット光LYとがY方向に整列す
るようにステージ7の位置決めを行ない、その位置で自
動焦点調整を行なう。そしてステップ229でCPU1
00はスポット光LYとマークSY7 とをY方向に走査
してマークSY10のY方向の中心位置YL2を検出して
記憶する。
【0099】次にCPU100は、ステップ230のロ
ーテーションθ演算で、今求めた位置YL1とYL2の
差値と、マークSY7 とSY10のα軸方向の間隔dとか
らウェハ9の回転量θを演算する。位置YL1とYL2
の差をdYとすると、図18にも示したように回転量θ
は、式(4) θ=sin-1(dY/d) ……(4) によって求められる。ただし、回転量θは極めて小さな
値であるので、式(4)は式(5)のように近似され
る。
【0100】 θ≒dY/d=(YL1−YL2)/d ……(5) そして、ウェハ9の各被露光領域Ciの中心Piを露光
中心Oにステッピングによって位置決めする際、ステー
ジ7の位置をステッピングのピッチだけで決まる位置か
ら式(6)、(7)で表わした値(δX、δY)だけ補
正する。 δX=βi・θ=βi(dY/d) ……(6) δY=−αi・θ=−αi(dY/d) ……(7) 次にCPU100はステップ231で、露光すべき第1
番目の被露光領域C1の座標系XYにおける位置を、先
に求めた位置(XG、YG)に基づいて求め、さらに上
記式(6)、(7)で演算された値(δX、δY)だけ
補正してステージ7をステッピングする。そしてステッ
プ232で自動焦点調整を行ない、ステップ233でレ
チクル5の回路パターンの投影像をウェハ9の被露光領
域C1 に重ね合せて露光(プリント)する。次にCPU
100はステップ234でウェハ9上にN回露光を繰り
返したか否かを判断し、ウェハ9の全面に露光が終了し
ていなければ、ステップ231からの動作を繰り返し、
終了していればステップ235でウェハ9をアンローデ
ィングする。
【0101】このように、本動作ではオフ・アクシス方
式のY、θアライメント検出系とTTL方式のX−LS
A検出系とを用いて、ウェハ9のグローバルアライメン
トを行ない、ウェハ9の配列座標系αβとステージ7の
座標系XYとの対応を位置(YG、XG)として求め、
その後は位置(YG、XG)を基準としてステップ・ア
ライメントをすることなく順次ステッピングさせ、ウェ
ハの露光を行なう。このため1枚のウェハの処理時間が
短縮されるとともに、ウェハに残存した微小な回転誤差
もステッピング時に補正されるからウェハ上のどの被露
光領域においても一様のアライメント精度で重ね合せ露
光が行なわれるという利点がある。
【0102】また本動作では、ステッピング時にウェハ
回転誤差を補正するようにステージ7を位置決めした
が、この動作は先の実施例においても同様に実施するこ
とができる。すなわちステッピング時にウェハ回転誤差
の補正を伴った位置決めをしてから、TTL方式による
ステップ・アライメントで精密に位置合せすればよい。
また上記各実施例では、ステージ7の位置決め後、露光
前に自動焦点調整を行なうものとしたが、ステージ7が
移動している間に同時に行なってもよく、さらに露光中
に自動焦点調整を行なうようにしてもよい。
【0103】さて、以上の本発明の実施例を用いた位置
合せ動作において、オフ・アクシス方式のY、θアライ
メント検出系はレーザ光のスポット振動型の検出方式で
ある必要はなく、レーザスポット光の等速走査型の検出
方式、又はウェハをインコヒーレント光で照明し、対物
レンズによって位置合せ用のマークの像を形成し、その
像をスリット走査したり、撮像素子で受光したりするこ
とによってマークの位置を検出する方式であっても同様
の効果が得られる。また、スポット光をウェハ上に照射
する方式でも、スポット光の形状はウェハ上で細長い楕
円形である必要はなく、単なる微小円形であってもよ
い。さらにオフ・アクシス方式のY、θアライメント検
出系はTTL方式のX−LSA検出系、Y−LSA検出
系と同様にスポット光MYS、MθSを振動させずに回
折光の強度分布パターンを抽出するような方式にしても
よい。
【0104】一方、ウェハ上の各被露光領域毎の位置合
せ用のマークSX、SY、GY、Gθは、オフ・アクシ
ス方式用とTTL方式用とで専用に設けたが兼用するよ
うにしてもよい。例えば図19に示すように、オフ・ア
クシス方式用のアライメントマークGY、Gθは前述と
全く同様に各被露光領域Cに付随して形成する。図19
ではウェハ9上の左右に離れた2つの被露光領域Cl 、
Cr のみを示し、そのマークGθl 、GYl 及びマーク
Gθr 、GYr がオフ・アクシス方式によるグローバル
アライメント(Y方向と回転方向)のマークである。こ
こではマークGYl とGθr が配列座標系αβのα軸を
通るように定められ、その両マークの間隔はスポット光
MYSとMθSの間隔と等しく定められる。
【0105】そして被露光領域Cl 、Cr にはTTL方
式のアライメント用にβ軸と平行に伸びたマークSXl
、SXr とが設けられている。そして、各被露光領域
毎のアライメント(ステップ・アライメント)の際、X
−LSA検出系のスポット光LXでマークSXl 、SX
r を検出し、Y−LSA検出系のスポット光LYでマー
クGθl 、Gθr (又はマークGYl 、GYr )を検出
する。このようにアライメントマークを両方式で兼用す
ることによって、ウェハ上に専有されるマーク領域が減
少し、その分、露光できる回路パターン領域を大きく取
れるという利点がある。
【0106】次に本発明の他の実施例を図20に基づい
て説明する。この実施例はオフ・アクシス方式のθアラ
イメント検出系のみを残して、Yアライメント検出系を
TTL方式のY−LSA検出系と兼用させたものであ
る。図20は、先の図3と同様に有効露光領域60、パ
ターン露光領域61、及びTTL方式によるX−LSA
検出系、Y−LSA検出系の各スポット光LX、LYの
配置と、θアライメント検出系の第1対物レンズMθと
そのスポット光MθSとの配置を示す平面図である。
【0107】ここでは、露光中心Oを通りX軸と平行な
線分上に間隔lだけ離れてスポット光LYとスポット光
MθSとが形成されるようにθアライメント検出系を配
置する。このスポット光LYとMθSとのX方向の間隔
lはウェハ9上のマークGY7 とGθ10との間隔と等し
く定められている。そして、ウェハ9の全体的な位置合
せ(グローバルアライメント)のうちY方向と回転方向
の位置合せは、スポット光LYとスポット光MθSとを
用い、X方向の位置合せにはスポット光LXを用いる。
【0108】この実施例では第1対物レンズMθを露光
中心Oに対してスポット光LYと反対側に配置したが、
これは第1対物レンズMθを含むθアライメント検出系
と投影レンズ6との空間的な間隔をできるだけ短くする
ことが、装置の小型化に有利だからである。またこの場
合、スポット光MθSとスポット光LYとのY方向の位
置とを正確に一致させる必要がある。
【0109】そこでスポット光MθSの中心をY方向に
微小量変位させるプレーンパラレル129を図7に示す
ように設け、ステージ7上の基準マークFMYを用い
て、較正するようにすればよい。以上のように本実施例
ではオフ・アクシス方式のアライメント検出系が1つで
よいので、低価格化、製造調整の簡便化が期待できるだ
けでなく、装置を小型にするという利点もある。
【0110】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、露光波長
の照明光を利用してマスクと投影光学系とを介して移動
ステージ上の基準マークを検出する第1アライメント系
(第1のマーク検出手段)と、非露光波長の照明光を利
用してマスクを介することなく投影光学系のみを介して
移動ステージ上の基準マークを検出する第2アライメン
ト系(第2のマーク検出手段)とを設けたので、第2ア
ライメント系(第2のマーク検出手段)によって検出さ
れる感光基板のアライメント位置とマスクのマークの投
影予定位置との間の定常的な距離を、従来のオフアクシ
ス方式のアライメント系に比べて格段に小さくすること
ができる。
【0111】それによってその距離を測定する際の計測
誤差も低減されるから、計測した距離を記憶してその距
離値に基づいて感光基板を移動させて重ね合わせ露光す
る場合でも、その重ね合わせ精度は従来のオフアクシス
方式による重ね合わせ露光のアライメント結果に比べて
格段に向上する。さらに本発明では、第1アライメント
系と第2アライメント系の両方で基準マークを検出する
前に、焦点検出手段(自動焦点合せ手段)によって基準
マーク部材の表面が投影光学系の結像面と合うように調
整しておくため、第2アライメント系によって検出され
る感光基板のアライメント位置とマスクのマークの投影
予定位置との間の定常的な距離の計測値の信頼性も向上
する。その結果、1つのマスクに対して多数枚の感光基
板を次々に露光処理する場合、各感光基板自体の第2ア
ライメント系によるアライメントを実行した後、投影露
光時の各被露光領域に対する焦点合わせを怠らなけれ
ば、各感光基板毎の重ね合わせ精度のばらつきも少なく
なるといった効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による縮小投影型露光装置の概
略的な構成を示す配置図。
【図2】縮小投影レンズ6とオフ・アクシス方式のウェ
ハアライメント用顕微鏡の第1対物レンズMY、Mθの
配置を示す平面図。
【図3】オフ・アクシス方式による検出系のスポット光
MYS、MθSとスルーザレンズ方式による検出系のス
ポット光LY、LXとの配置を示す平面図。
【図4】スポット光LYと基準マークFMYの走査の様
子を示す平面図。
【図5】空間フィルター23の構造を示す平面図。
【図6】露光装置の全体を制御するための制御系の回路
ブロック図。
【図7】オフ・アクシス方式のY、θアライメント検出
系の回路ブロック図。
【図8】アライメント偏差に応じた位相同期検波回路の
検波出力信号の波形図。
【図9】スルーザレンズ方式のX、Yレーザ・サイト・
アライメント検出系の回路ブロック図。
【図10】本発明の実施例によるアライメント動作を説
明するフローチャート図。
【図11】ウェハ上のマークと被露光領域との配置関係
を示す平面図。
【図12】図9の回路によって抽出された回折光の強度
分布パターンを示す波形図。
【図13】プリアライメント後におけるマークとスポッ
ト光MYS、MθSとの整列状態を示す平面図。
【図14及び図15】スルーザレンズ方式のアライメン
トの動作を示す平面図。
【図16】スルーザレンズ方式で用いるマークの位置を
ずらした場合を示す平面図。
【図17】本発明の実施例による他のアライメント動作
を説明するフローチャート図。
【図18】ウェハに残存した微小な回転誤差の様子を示
す平面図。
【図19】アライメント用のマークの他の配置を示すウ
ェハの平面図。
【図20】本発明の他の実施例によるアライメント検出
系の配置を示す平面図。
【主要部分の符号の説明】 5 レチクル(マスク) 6 縮小投影レンズ 7 ステージ 9 ウェハ 25、45、49、130 光電検出器 106 Z方向の上下動手段(Z−ACT) 108 焦点ずれ検出手段(AFD) FM 基準マーク板 MY オフ・アクシス方式のYアライメント顕微鏡の第
1対物レンズ Mθ オフ・アクシス方式のθアライメント顕微鏡の第
1対物レンズ MYS、MθS オフ・アクシス方式のアライメント系
によるスポット光 LY、LX スルーザレンズ方式のアライメント系によ
るスポット光 GY、Gθ オフ・アクシス方式による位置合せ用のマ
ーク SY、SX スルーザレンズ方式による位置合せ用のマ
ーク。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図20
【補正方法】変更
【補正内容】
【図20】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図21
【補正方法】削除
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 9/00 H

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスクのパターン像を感光基板に投影す
    る投影光学系と;前記パターン像と前記感光基板の2次
    元的な位置ずれを検出する検出装置と;該位置ずれがな
    くなるように前記感光基板を互いに直交するX方向とY
    方向とに移動させると共に回転させる手段とを有する装
    置において、前記検出装置は、前記感光基板のX方向に
    関する位置ずれを前記投影光学系を介して検出するため
    の光学系を備えた第1検出手段と;前記感光基板のY方
    向と回転方向とに関する位置ずれを検出するために前記
    投影光学系と別設した光学系を備えた第2検出手段とを
    有することを特徴とする位置合せ装置。
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