JPH0732097U - 仮枠間隔調節具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンクリート連結壁打設後、地中に打ち込ん
だＨ型鋼を引き抜く工法に使用される、構造簡単で取り
扱い容易な仮枠間隔調節具を提供すること。 【構成】 基体１の先端にＨ型鋼ａの前側フランジ部
ａ'に被嵌固定する被嵌固定部Ａを設け、基体１の後端
に基体１の長さ方向に突出する仮枠止め螺杆２を螺着
し、基体１の適所に仮枠止め螺杆２の基端を打撃した際
仮枠止め螺杆２と基体１との螺出入を阻止する螺出入阻
止手段Ｂを設けた仮枠間隔調節具。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、地中にコンクリート連結壁や土留めコンクリート壁などを形成した 後、地中に打ち込んだＨ型鋼を引き抜く工法に使用される仮枠間隔調節具に係る ものである。

【０００２】

【従来の技術及び考案が解決しようとする課題】

従来より地中にコンクリート連結壁や土留めコンクリート壁などを形成すると き、資材再利用のため地中に打ち込んだＨ型鋼ａをコンクリート打設後土中より 引き抜く工法が一般に採用されているが、この工法に使用される仮枠間隔調節具 は概ね図６のような形状のものが使用されている。

【０００３】 この従来型の仮枠間隔調節具は図６のように、挾持体51の前後の先端部を同一 方向に折り曲げて打叩部52と挿入部53を形成し、この挾持体51に、挿入部53に近 接して挿入部53と共働してＨ型鋼ａの前側フランジ部ａ'を係止する係止体54と 、打叩部52寄りの挾持体51に螺子体55を止着して仮枠間隔調節具を構成している 。

【０００４】 挾持体51の挿入部53のバール状先端をＨ型鋼ａの前側フランジ部ａ'と横矢板 ｂ間に打ち込み、挿入部53と係止体54の上・中・下の爪状係止片54'との共働作 用により挾持体51をＨ型鋼ａのフランジ部ａ'に係止した後、打叩部52の中央部 に穿孔したばか孔に仮枠止め螺杆56の先端を差し込んで螺子体55に螺入し、仮枠 ｃが所定の位置にセットされるよう螺入位置を調節した後、打叩部52を打叩して 打叩部52のばか孔のふち縁を仮枠止め螺杆56の螺子部に当接させて仮止め螺杆56 を挾持体51に固定し、仮枠止め螺杆56の前側先端部にコーンを止着した後、コー ンの先端部に仮枠ｃの係止孔を挿入してコーンの前側先端部に単管押さえ込み金 具等を止着して仮枠止め螺杆56に仮枠ｃを固定していたが、打叩部52の位置が仮 枠止め螺杆56の前側先端より奥にあるため、打叩するためには特別な工具が必要 なうえに、配設された配設筋が邪魔になり打叩しにくい欠点があった。

【０００５】 考案者は既に特願平４−３４８３２６号，実願平５−２３０１７号，実願平５ −２９９８１号で出願した仮枠間隔調節具が仮枠止め螺杆２の基端を打撃するこ とにより仮枠止め螺杆２を基体１に係止できることに着目し、上記欠点を解決し た本考案を完成した。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

添付図面を参照して本考案の要旨を説明する。

【０００７】 基体１の先端にＨ型鋼ａの前側フランジ部ａ'に被嵌固定する被嵌固定部Ａを 設け、基体１の後端に基体１の長さ方向に突出する仮枠止め螺杆２を螺着し、基 体１の適所に仮枠止め螺杆２の基端を打撃した際仮枠止め螺杆２と基体１との螺 出入を阻止する螺出入阻止手段Ｂを設けたことを特徴とする仮枠間隔調節具に係 るものである。

【０００８】

【作用】

Ｈ型鋼ａの前側フランジ部ａ'に仮枠間隔調節具の被嵌固定部Ａを被嵌して、 被嵌固定具Ａを前側フランジ部ａ'に固定し、仮枠止め螺杆２を回動して基体１ より前方への突設長を調節して仮枠ｃが所定の位置にセットされるように調節し た後、仮枠止め螺杆２の基端を打撃すると、螺出入阻止手段Ｂにより仮枠止め螺 杆２が基体１に固定されるのでＨ型鋼ａの前側フランジ部ａ'に仮枠間隔調節具 が固定される。

【０００９】 仮枠止め螺杆９の先端にコーンを止着した後、コーンの先端部の螺子部に仮枠 ｃの係止孔を挿入して仮枠ｃをコーン，単管押さえ込み金具間に挾持し、単管押 さえ込み金具等により仮枠ｃを締め付け、仮枠ｃを所定の位置に保持する。

【００１０】 Ｈ型鋼ａ，横矢板ｂの前側と該仮板間隔調節具により所定の間隔を保持された 仮枠ｃ間にコンクリートを打設し、コンクリート連結壁や土留めコンクリート壁 などを形成した後で、仮枠ｃ等を取り外し、引き抜き機で振動等を与えながらＨ 型鋼ａを引き抜くと、Ｈ型鋼ａの前側フランジ部ａ'が被嵌固定部Ａの被嵌部を スライドしながら引き抜かれてＨ型鋼ａが回収される。

【００１１】

【実施例】

図面は本考案の好適な一実施例を図示したもので、図１，図２は本考案の第一 実施例を、図３，図４は本考案の第一実施例の螺出入阻止手段Ｂの代わりに他の 手段の螺出入阻止手段を使用した場合の第二実施例を、図５は第一実施例の被嵌 固定部Ａの代わりに他の方式の被嵌固定部を使用した場合の第三実施例を、図６ は従来型の仮枠間隔調節具の実施例を示したものである。

【００１２】 図１，図２により本考案の第一実施例について説明する。

【００１３】 図示した被嵌固定部Ａについて説明する。

【００１４】 チャンネル状の挾持体３の後側板３"の開口端縁をバール状に形成し、前側板 ３'の開口端縁を前方に折り曲げ、この折り曲げ縁に湾曲弾圧挾持板４の基部４' を迂回状に折り曲げて止着し、湾曲弾圧挾持板４の中央部を図１のように後方に 向かって山形状に膨出せしめ、Ｈ型鋼ａの前側フランジ部ａ'に挾持体３の開口 部を側方より被嵌したとき、湾曲弾圧挾持板４の山形状の膨出部がＨ型鋼ａの前 側フランジ部ａ'の前面に当接して弾性変形して挾持体３の後側板３"との共働作 用により挾持体３を前側フランジ部ａ'に弾圧状態に係止する。

【００１５】 尚、このとき図のように湾曲弾圧挾持板４の他端４"が挾持体１の閉塞裏面に 当接して湾曲弾圧挾持板４の一方の支点となるよう設ける。

【００１６】 図示した螺出入阻止手段Ｂについて説明する。

【００１７】 基体１を管状体で形成し、この管状体の基体１の前側の先端部寄りに係止段部 ６を介して径大部７を設け、この径大部７の先端に係止鍔８を設け、係止段部６ と係止鍔８との間の係止鍔８側に仮枠止め螺杆２に螺着したテーパ螺筒10を設け る。

【００１８】 図示したテーパ螺筒10は外形を六角ナット形状に形成し、仮枠止め螺杆２に螺 合する雌螺子部の他端側の内径を雌螺子部より径大なテーパ形状に形成し、テー パ螺筒10が嵌入する連結管体５の径大部７の内形を、外周よりプレスしてテーパ 螺筒10を軸方向にスライド可能にして回転を阻止するほぼ六角形状に形成し、仮 枠止め螺杆２を回転して仮枠止め螺杆２の出入りの長さを調節するとき、テーパ 螺筒10が共回りしないよう構成した場合を図示しているが、テーパ螺筒10の外形 を非円形状に形成し、径大部７の内形を上記テーパ螺筒10の外形に遊嵌し、テー パ螺筒10を軸方向のスライド可能にして回転を阻止する形状に形成しても良い。 テーパ螺筒10のテーパ内面10'に、ばか孔11'を有し且つ貫通状の切欠溝11"を 有するテーパ雄筒11のテーパ雄部を遊嵌し、テーパ雄筒11と係止段部６間に押圧 発条12を設けて螺出入阻止手段Ｂを構成し、前記被嵌固定部Ａの挾持体３の前側 板３'に基体１の他端を止着して仮枠間隔調節具を構成する。

【００１９】 本第一実施例を上記の如く構成したので、コンクリート連結壁やコンクリート 壁などを形成するとき、地中に打ち込んだＨ型鋼ａの前側フランジ部ａ'と横矢 板ｂ間に挾持体３の後側板３"のバール状先端部を打ち込むと、湾曲弾圧挾持板 ４の山形状の膨出部がＨ型鋼ａの前側フランジ部ａ'の前面に当接して弾性変形 をおこし、この湾曲弾圧挾持板４の弾性変形による弾圧力と後側板３"との共働 作用により挾持体３を前側フランジ部ａ'に係止する。

【００２０】 次いでテーパ螺筒10に螺着した仮枠止め螺杆２を回動すると、テーパ螺筒10の 六角形状の外形が径大部７の内形に軸方向にスライド可能にして回動が阻止され るよう構成したので、仮枠止め螺杆２の螺子部がテーパ螺筒10に螺合して仮枠止 め螺杆２の先端の位置が調節されるので、仮枠止め螺杆２を回動して所定の位置 に調節セットした後、その位置で仮枠止め螺杆２の頭部を打叩すると、テーパ螺 筒10のテーパ内面10'がテーパ雄筒11のテーパ雄部に被嵌され、両者のテーパ作 用により貫通状の切欠溝11"の介存によりテーパ雄筒11の内径が縮まり、テーパ 雄筒11が仮枠止め螺杆２の雄螺子部に喰い込むように当接して係止され、押圧発 条12の押圧力によりテーパ雄部11のテーパ雄部がテーパ螺筒11のテーパ内面を押 圧状態で保持するので仮枠止め螺杆２が基体１に止着され、該仮枠間隔調節具が Ｈ型鋼ａに係止される。

【００２１】 仮枠止め螺杆２の先端にコーンを止着し、コーンの先端部に仮枠ｃの係止孔を 被嵌して仮枠ｃをコーン，単管押さえ込み金具などで挾持して締め付け、コンク リートを打設してコンクリート壁を形成した後、仮枠ｃなどを取り外し、引き抜 き機で振動を与えながらＨ型鋼ａを引き抜くと、Ｈ型鋼ａの前側フランジ部ａ' が挾持体３の後側板３"と湾曲弾圧挾持板４の膨出部間をスライドしながら引き 抜かれる。

【００２２】 図３，図４は本考案の第一実施例の螺出入阻止手段Ｂの代わりに他の手段の螺 出入阻止手段を被嵌固定部Ａの挾持体３の前側板３'に止着した場合を示した第 二実施例を図示したもので、その構造について説明すると、基体１の前側先端部 に係止鍔18を設け、この係止鍔18と対向状態に内壁の途中に係止部16を設け、こ の係止鍔18と係止部16との間に仮枠止め螺杆２に螺着した螺筒20を設け、この螺 筒20の他端に切り込み間隙21"を介存してばか孔21'を有する変形筒21を連設し、 基体１の他端を、本考案の被嵌固定部Ａの挾持体３の前側板３'に止着した仮枠 間隔調節具を図示したものである。

【００２３】 前記と同様Ｈ型鋼ａの前側フランジ部ａ'に被嵌固定部Ａを係止し、仮枠止め 螺杆３を基体１に内設した軸方向にスライド可能にして回転が阻止されるように 形成した螺筒20に螺入し、仮枠止め螺杆２の出入り位置を所定の位置にセット調 節した後仮枠止め螺杆２の先端を打叩すると、螺筒20に連設している変形筒21の 他端が基体１の係止部16に強く当接し、切り込み間隙21"の部分が変形して仮枠 止め螺杆２と螺筒20との螺子嵌合部を係止するので、仮枠止め螺杆２が基体１に 止着され、該仮枠間隔調節具がＨ型鋼ａに係止される。

【００２４】 図５は、第一，第二実施例の被嵌固定部Ａの代わりに他の方式の被嵌固定部を 使用した第三実施例を図示したもので、先端をバール状に形成した鍵状係止板23 の立設部23'にチャンネル形の係止体24の上下の対向側板の基端を上下に折り曲 げて立設部23'に止着し、係止体24の右側側板を斜め左上方に向かって山形状に 膨出せしめて湾曲弾圧挾持板25を形成して被嵌固定部Ａを構成し、被嵌固定部Ａ の開口部を側方よりＨ型鋼ａの前側フランジ部ａ'に被嵌したとき、湾曲弾圧挾 持板25の山形状の膨出部がＨ型鋼ａの前側フランジ部ａ'の前面に当接して弾性 変形して鍵状係止板23のバール状の前面と共働して被嵌固定部Ａを前側フランジ 部ａ'に弾圧状態に係止するように設ける。

【００２５】 鍵状係止板23の立設部23'に前記第一実施例又は第二実施例の螺出入阻止手段 を付設した基体１の他端部を止着する。

【００２６】 また、本考案の被嵌固定部Ａを上記のように構成したが従来型の仮枠間隔調節 具のような被嵌固定部を採用しても良い。

【００２７】

【考案の効果】

本考案は上述のように、基体の先端にＨ型鋼の前側フランジ部に被嵌固定する 被嵌固定部を設け、基体の後端に基体の長さ方向に突出する仮枠止め螺杆を螺着 し、基体の適所に仮枠止め螺杆の基端を打撃した際仮枠止め螺杆と基体との螺出 入を阻止する螺出入阻止手段を設けたので、Ｈ型鋼の前側フランジ部に基体の先 端を被嵌固定部により所定の位置に容易に且つ確実に取り付けることができるう えに、従来型のように打叩部の位置が仮枠止め螺杆の基端より奥にあるため、打 叩するためには特別な工具が必要なうえに、配設された配設筋が邪魔になり打叩 しにくい欠点を解決し、基体に仮枠止め螺杆を螺入して取り付け長さを調節した 後、配設筋より手前に突設している仮枠止め螺杆の基端を打撃するだけで簡単に 螺出入阻止手段により仮枠止め螺杆を基体に固定できる、コンクリート連結壁打 設後地中に打ち込んだＨ型鋼を引き抜く工法に使用される、実用的で便利で経済 的な仮枠間隔調節具となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第一実施例の一部を切欠ける側面図で
ある。

【図２】上記の説明用分解斜視図である。

【図３】本考案の第二実施例の要部の一部を切欠ける側
面図である。

【図４】上記の使用後の要部の説明図である。

【図５】本考案の第三実施例の要部の斜視図である。

【図６】従来の実施例の斜視図である。

【符号の説明】

１ 基体 ２ 仮枠止め螺杆 Ａ 被嵌固定部 Ｂ 螺出入阻止手段 ａ Ｈ型鋼 ａ' 前側フランジ部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 基体の先端にＨ型鋼の前側フランジ部に
   被嵌固定する被嵌固定部を設け、基体の後端に基体の長
   さ方向に突出する仮枠止め螺杆を螺着し、基体の適所に
   仮枠止め螺杆の基端を打撃した際仮枠止め螺杆と基体と
   の螺出入を阻止する螺出入阻止手段を設けたことを特徴
   とする仮枠間隔調節具。