JPH07318309A - レーザ光を用いた距離測定装置 - Google Patents

レーザ光を用いた距離測定装置

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JPH07318309A
JPH07318309A JP11315894A JP11315894A JPH07318309A JP H07318309 A JPH07318309 A JP H07318309A JP 11315894 A JP11315894 A JP 11315894A JP 11315894 A JP11315894 A JP 11315894A JP H07318309 A JPH07318309 A JP H07318309A
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light
lens
projecting lens
light projecting
laser light
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JP11315894A
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Yoshiaki Kanbe
祥明 神戸
Katsuhiro Takada
勝浩 高田
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】距離測定装置において、投光時の不要光を除去
して投光スポットを絞り込む。 【構成】レーザ光源1から出射したレーザ光をコリメー
トレンズ6で平行光線束とした後、グレーティング6に
より偏向してから投光レンズ2に入射させる。グレーテ
ィング6を通過した1次回折光のみが投光レンズ2を通
して投光スポットを形成するから、投光スポットを絞り
込むことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、物体にレーザ光を照射
し、物体上に形成された投光スポットを位置検出素子に
結像させ、位置検出素子上での投光スポットの像の位置
に基づいて物体までの距離を測定するレーザ光を用いた
距離測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の距離測定装置は、フ
ァクトリオートメーションの分野においてロボットの視
覚センサなどとしてよく用いられている。この種の距離
測定装置では、図11に示すように、半導体レーザより
なるレーザ光源1から出射したレーザ光を投光レンズ2
を通して測定対象となる物体5付近に集光して物体5に
投光スポットを形成する。この投光スポットは、受光レ
ンズ3を通してPSD、フォトダイオードアレイ、2個
連設したフォトダイオードなどの位置検出素子4の受光
面に結像され、位置検出素子4の受光面上での投光スポ
ットの像の位置に基づいて物体5までの距離が測定され
るのである。ここに、投光レンズ2と受光レンズ3とは
光軸が角度θで交差するように配置してある。
【0003】距離の測定原理についてさらに詳しく説明
する。いま、位置検出素子4として1次元のPSDを用
い、レーザ光源1および投光レンズ2によってスポット
状(断面が円状)の投光ビームを物体5に照射している
ものとする。位置検出素子4は、受光面の光強度分布の
重心位置に応じて比率の決まる2つの電流信号I1 ,I
2 を発生する。すなわち、位置検出素子4は長手方向の
両端部にそれぞれ電流信号I1 ,I2 を出力する2つの
電極を有しており、受光面の有効長をLとし、受光面上
で光強度分布の重心位置が受光面の長手方向の中央から
電流信号I1 を出力する電極側に変位量xだけ偏ってい
るとすると、各電極から出力される電流信号I1 ,I2
は、次式の関係を満たす。 (I1 −I2 )/(I1 +I2 )=2x/L 一方、投光レンズ2の光軸から受光レンズ3の中心まで
の距離を基線長BLとし、投光レンズ2の光軸上で投光
レンズ2の光軸と受光レンズ3の光軸との交点から距離
ΔRだけ離れて物体5が位置しているときには、受光レ
ンズ3の中心を挟んで相似になる三角形を考えることに
よって、次の関係が得られる。 ΔR・cos θ+(sin θ/BL):ΔR・sin θ=S:
x ただし、Sは受光レンズ3の中心から位置検出素子4の
受光面までの距離、θは投光レンズ2と受光レンズ3と
の光軸が交差する角度である。上式を変形することによ
って、次式が得られる。 ΔR=x・tan θ/BL(S・tan θ−x) したがって、位置検出素子4の受光面の上での変位量x
がわかれば変位ΔRを求めることができるのである。こ
こで、変位量xは電流信号I1 ,I2 により求められる
から、電流信号I1 ,I2 に基づいて変位ΔRを求める
ことができる。また、投光レンズ2の中心から物体5ま
での距離は、投光レンズ2の光軸上で投光レンズ2の中
心から受光レンズ3の光軸との交点までの距離Rが既知
であるから、R+ΔRとして求めることができる。
【0004】上記測定原理を利用して、位置検出素子4
から出力される電流信号I1 ,I2を処理する回路構成
としては、図12に示すものが考えられている。すなわ
ち、電流信号I1 ,I2 は、電流−電圧変換回路11
a,11bによりそれぞれ電圧信号V1 ,V2 に変換さ
れ、各電圧信号V1 ,V2 はそれぞれ交流増幅回路12
a,12bにより増幅された後に、両電圧信号α
1 1 ,α2 2 (α1 ,α2は交流増幅回路12a,
12bの増幅率であり、必要に応じて異なる値に設定さ
れるが、便宜上α1 =α2 としておく)は、加算回路1
3および減算回路14で互いの加算値(α1 1 +α2
2 )および減算値(α1 1 −α2 2 )が求められ
る。α1 =α2 としているから、理論上はα1 1 =κ
1 、α2 2 =κI2 (κは比例定数)が成立する。
そこで、除算回路15によって、減算回路14の出力値
を加算回路13の出力値で除算すると、変位量xを求め
ることができる。この変位量xを上式に代入すれば、物
体5の変位ΔRを求めることができるのである。
【0005】また、変位量xは、(I1 −I2 )/(I
1 +I2 )に比例しているが、PSDよりなる位置検出
素子4ではI1 +I2 は一定になる。そこで、電流信号
1,I2 の信号値の比I1 /I2 を求めても変位量x
を求めることが可能である。電流信号I1 ,I2 の信号
値の比I1 /I2 を求める場合には、図13に示すよう
に、交流増幅回路12a,12bの出力をそれぞれ対数
増幅回路16a,16bにより対数増幅してln(α1
1 ),ln(α2 2 )を求め、差動増幅回路17に
よって両対数増幅回路16a,16bの出力値の差を求
めれば、ln(α1 1 )−ln(α2 2 )=ln
(α1 1 /α2 2 )が得られる。ここで、α1 1
=κI1 、α2 2 =κI2 (κは比例定数)であるか
ら、ln(α1 1 /α2 2 )=ln(I1 /I2
となり、比I1 /I2 が求まるのである。
【0006】ところで、上述した距離測定装置での測定
精度は、位置検出素子4の受光面に結像される投光スポ
ットの像の重心位置に依存する。このことは、PSD以
外の位置検出素子4でも同様である。すなわち、投光ス
ポットの像が、図14(a)に示すように広い範囲に分
布するか、図14(b)に示すように狭い範囲にのみ分
布するかには無関係に、理論上は像の重心位置が同じで
あれば電流信号I1 ,I2 の比率は同じになる。しか
し、実際には、像が狭い範囲にのみ分布しているほう
が、測定精度が高くなるという結果が得られている。こ
れは、物体5の表面の傾きによる強度分布の歪みや、物
体5の表面の反射率のむらによる強度分布の変化の影響
が生じにくいからである。たとえば、物体5の表面に微
小な凹凸がある場合には、像が広がっていると、図15
(a)のように像の強度分布に複数のピークが生じた
り、図15(b)のように像の強度分布のピーク位置が
重心位置からずれたりして、本来検出されるべき位置p
に対して重心の位置のずれΔpを生じることになる。す
なわち、投光ビームを十分に絞って物体5の表面に形成
される投光スポットを狭い範囲に照射するほうが測定精
度が高くなるのである。
【0007】一方、レーザ光源1は、図16に示すよう
に、前面の開口部にガラス板22がはめ込まれたパッケ
ージ21の内部に、レーザ光を出射する半導体レーザチ
ップ23と、出射されたレーザ光の強度を検出する監視
用受光素子24とを納装した構成を有している。監視用
受光素子24の出力は、APC(自動出力制御)回路に
入力されてレーザ光の出力を安定化させるために用いら
れる(特開平3−62335号公報参照)。この種のレ
ーザ光源1では、図17に矢印で示すように、パッケー
ジ21の内面での反射や監視用受光素子24の表面での
反射により生じた不要光が半導体レーザチップ23から
直接出射されたレーザ光とともに外部に出射されること
になる。監視用受光素子24での反射が生じると、図1
8に示すように、レーザチップ23の虚像23′が生じ
て、この虚像23′の位置からもレーザ光が出射された
ことになる(不要光を破線で示す)。また、レーザチッ
プ23の半値角は、水平方向において略10度、垂直方
向において略35度であって、投光レンズ2は両方向の
光をすべて入射させる程度には大きな径に形成していな
いのが普通であるから、図19に矢印で示すように、投
光レンズ2を支持する光学筒25によっても反射が生じ
て不要光となる。
【0008】図11に示した構成では、これらの不要光
が生じるほか、レーザ光源1と物体5との間に1枚の投
光レンズ2しか存在しないものであるから、投光レンズ
2での収差が大きく、投光スポットを十分に絞り込むこ
とができない。結局、図11に示した構成では、不要光
によって投光スポットが広がるとともに、投光レンズ2
の収差によっても投光スポットが広がることになり、投
光スポットを十分に絞り込むことができないという問題
がある。
【0009】これに対して、図20に示すように、レー
ザ光源1から出射されたレーザ光をコリメートレンズ6
に通して平行光線束とし、その後、投光レンズ2により
集光させる構成が考えられている。すなわち、図11に
示した投光レンズ2の機能をコリメートレンズ6と投光
レンズ2との2枚のレンズに分担させた形になってい
る。したがって、コリメートレンズ6および投光レンズ
2の厚みを図11に示した投光レンズ2よりも小さくす
ることができ、結果的に球面収差の影響を小さくして投
光スポットを絞り込むことが可能になるのである。さら
に、図20に示す構成では、コリメートレンズ6から出
射された平行光線束のみを通し、投光レンズ2の光軸に
平行ではない不要光を遮光するような絞り板7を設けて
ある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
に絞り板7を用いる場合に、絞り板7の開口径を小さく
すると投光スポットの光量が減少して距離の測定範囲が
制限されることになるものであるから、開口径はあまり
小さくすることができない。一方、不要光を絞り板7で
除去するには、不要光が開口部分を通らないようにしな
ければならないから、投光レンズ2の光軸に対する傾き
の小さい不要光を除去しようとすれば、コリメートレン
ズ6から絞り板7までの距離を大きくすることが必要に
なる。しかも、絞り板7の開口径が大きくなるほどこの
距離も大きくしなければならない。その結果、コリメー
トレンズ6と投光レンズ2との距離が大きくなって、装
置全体の大型化につながるという問題がある。
【0011】結局、比較的小型の距離測定装置では不要
光を十分に除去することができず、投光スポットの強度
分布は図21のように裾部分が広がった分布形状にな
り、このような分布形状の投光スポットでは、投光レン
ズ2の光軸方向における変位ΔRの測定精度を十分に高
めることができないという問題がある。また、投光ビー
ムを走査して物体5の凹凸形状などを測定する場合に
は、投光スポットの径が大きいものであるから、走査方
向における分解能が低くなるという問題もある。
【0012】本発明は上記問題点の解決を目的とするも
のであり、比較的小型ながらも不要光を除去して測定精
度を高めたレーザ光を用いた距離測定装置を提供しよう
とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、レー
ザ光源より出射されたレーザ光を投光レンズを通して集
光して物体の表面に投光スポットを形成し、投光レンズ
の光軸とは異なる光軸を有する受光レンズを通して位置
検出素子の受光面に結像される投光スポットの像の位置
に基づいて物体までの距離を測定する距離測定装置にお
いて、レーザ光源から出射されたレーザ光を回折により
投光レンズの光軸方向に偏向する回折型光学素子を投光
レンズの入射側に配置して成ることを特徴とする。
【0014】請求項2の発明は、レーザ光源より出射さ
れたレーザ光を投光レンズを通して集光して物体の表面
に投光スポットを形成し、投光レンズの光軸とは異なる
光軸を有する受光レンズを通して位置検出素子の受光面
に結像される投光スポットの像の位置に基づいて物体ま
での距離を測定する距離測定装置において、レーザ光源
から出射されたレーザ光を回折により投光レンズの光軸
方向に偏向する回折型光学素子を投光レンズの入射面に
一体に設けたことを特徴とする。
【0015】請求項3の発明は、レーザ光源より出射さ
れたレーザ光を投光レンズを通して集光して物体の表面
に投光スポットを形成し、投光レンズの光軸とは異なる
光軸を有する受光レンズを通して位置検出素子の受光面
に結像される投光スポットの像の位置に基づいて物体ま
での距離を測定する距離測定装置において、レーザ光源
から出射されたレーザ光を回折により投光レンズの光軸
方向に偏向する回折型光学素子を投光レンズの入射側に
設けるとともに、投光レンズを回折型光学素子により形
成して成ることを特徴とする。
【0016】
【作用】各請求項の発明の構成によれば、レーザ光源か
らのレーザ光を回折により投光レンズの光軸方向に偏向
する回折型光学素子を投光レンズの入射側に配置してい
ることによって、内部反射等により投光レンズへの入射
前に生じる不要光は、回折型光学素子の角度選択性によ
って投光レンズへの入射光から除外されるか、あるいは
投光レンズに入射しても集光されず、結果的に投光スポ
ットの強度分布を狭い分布とすることができる。すなわ
ち、投光スポットを絞ることによって、変位の測定精度
が高くなり、また投光スポットを走査する場合において
は投光スポットの位置精度が高くなるのである。
【0017】また、請求項2の発明の構成のように、回
折型光学素子を投光レンズに一体化すれば、部品点数が
削減されて小型化が可能になる。あるいはまた、請求項
3の発明の構成のように、投光レンズを回折型光学素子
により形成すれば、投光レンズを平板状に形成すること
が可能であって、このような平板状の光学素子は保持が
容易になり、保持用の部品が簡単な構成になって製造コ
ストの低減につながるとともに、組立作業が簡単になっ
て組立コストの低減にもなる。
【0018】
【実施例】
(実施例1)本実施例では、図1に示すように、回折型
光学素子(=ホログラフィック・オプティカル・エレメ
ント、以下、HOEという)としてグレーティング8を
用いている。HOEとしては、グレーティングのほか、
マイクロフレネルレンズ、ホログラフィックレンズが知
られている。マイクロフレネルレンズは、グレーティン
グレンズ(後述する)、マイクロフレネルゾーンプレー
ト、ゾーンプレートの呼称もある。グレーティング8と
しては、透過型であって図2に示すように格子定数を2
dとした平面格子を用いている。このグレーティング8
はレーザ光源1から出射されるレーザ光を平行交線束に
するコリメートレンズ6と投光レンズ2との間であって
投光レンズ2の入射面付近に配置される。また、グレー
ティング8は表面が投光レンズ2の光軸に略直交するよ
うに配置される。コリメートレンズ6は、その光軸が投
光レンズ2の光軸に対して所定角度φをなすように配置
される。一般に、グレーティング8に波長λの光を通す
と、入射光に対して光の強度が極大になるm次の回折角
φm (図3参照)は、次の関係式を満たす。 sin φm =±mλ/2d (m=0,1,2,……) すなわち、グレーティング8には入射角度と出射角度と
の間に選択性があり、単一波長の光について特定方向に
出射させるには入射方向も特定方向でなければならない
のである。換言すれば、回折光を利用することで入射光
を偏向したことになる。ここに、回折光としては通常は
1次回折光を用いる。
【0019】しかるに、レーザ光源1において監視用受
光素子24やパッケージ21での反射があっても、これ
らの反射により生じる不要光はグレーティング8を通過
することによって分散されて投光レンズ2の光軸方向に
は出射されず、投光スポットの広がりを抑制することが
できるのである。すなわち、ほぼガウス分布となる強度
分布を有し、かつ広がりの小さい投光スポットを物体5
の表面に形成することができ、結果的に高い測定精度が
得られるのである。なお、図1において図20と同符号
の部材は同様の機能を有する。
【0020】上述したように、グレーティング8を用い
て偏向することで不要光を除去することができ、投光ス
ポットの広がりを抑えて測定精度を高めることができる
のであって、グレーティング8による1次回折光の回折
角φ1 は上式により波長および格子定数によって容易に
決めることができるから、本実施例の構成は容易に実現
することができる。また、グレーティング8として平面
格子を用いているから、グレーティング8の作成も容易
である。ここに、レーザ光源1としては単波長のものを
用いるのはいうまでもない。
【0021】(実施例2)本実施例は、図4に示すよう
に、投光レンズ2の入射面にグレーティング8を一体に
形成したものである。この構成でも実施例1と同様に機
能し、物体5の表面に形成される投光スポットの不要光
による広がりを抑制することができる。また、実施例1
では投光レンズ2とグレーティング8とが別体であった
から、投光レンズ2の光軸とコリメートレンズ6の光軸
とグレーティング8の回折角φm との3者の関係を調節
する必要があったが、本実施例ではグレーティング8が
投光レンズ2と一体であるから、投光レンズ2とコリメ
ートレンズ6との光軸を合わせるだけでよく、調節が容
易になるのである。他の構成および動作は実施例1と同
様である。
【0022】(実施例3)本実施例では、コリメートレ
ンズ6を省略したものであって、図5に示すように、H
OEとしてグレーティングレンズ(オフアクシス形グレ
ーティングレンズ)9を用い、グレーティングレンズ9
をレーザ光源1と投光レンズ2との間であって、投光レ
ンズ2の入射面付近に配置してある。グレーティングレ
ンズ9は、図6に示すように、弧状に形成された輪帯の
ピッチが次第に変化する(図6の上方ほどピッチが狭く
なる)一種のフレネルレンズであって、コリメートレン
ズとしての機能とグレーティングとしての機能とを併せ
持っている。すなわち、レーザ光源1から出射されたレ
ーザ光はグレーティングレンズ9を通過することによっ
て、平行光線束になるとともに、この平行光線束はグレ
ーティングレンズ9への入射光に対して偏向されること
になる。ここで、グレーティングレンズ9の輪帯の形状
は、レーザ光源1の位置を中心とする球面波と平面波と
の干渉縞として表すことができる。言い換えると、投光
レンズ2の上の一点p(x,y)を通り、集光点に至る
光路長を求め、入射光との光路差がmλ(mは整数)と
なる(x,y)を求めればグレーティングレンズ9の形
状を決定することができる。
【0023】本実施例の構成を採用すれば、コリメート
レンズ6が不要になるから、部品点数が実施例1よりも
低減して構成が簡単になる。しかも、グレーティングレ
ンズ9は平行光線束を形成するから、投光レンズ2とし
ては収差の少ないものを用いることができる。ここにお
いて、グレーティングレンズ9の入射角と回折角との関
係によっては、図7に示すように、投光レンズ2の光軸
に対してグレーティングレンズ9の表面を斜めに交差さ
せてもよく、図5の構成と図7の構成とは必要に応じて
どちらを採用してもよい。他の構成および機能は実施例
1と同様であるから説明を省略する。
【0024】(実施例4)本実施例は、図8に示すよう
に、実施例3におけるグレーティングレンズ9を投光レ
ンズ2の入射面に一体に設けたものである。他の構成お
よび動作は実施例3と同様であって、この構成では、グ
レーティングレンズ9が投光レンズ2に一体化され、か
つコリメートレンズ6が不要になっているから、部品点
数が少なく構成が簡単になっている。とくに、投光レン
ズ2とコリメートレンズ6との光軸合わせが不要である
ことから、組立コストの低減につながるものである。
【0025】(実施例5)本実施例は、図9に示すよう
に、HOEとして実施例3と同様の形状のグレーティン
グレンズ9を入射面に備えるとともに、出射面に図10
のような形状のグレーティングレンズ10を備えた投光
レンズ2を用いたものである。すなわち、投光レンズ2
の出射面は、一般的なフレネルレンズと同様に、輪帯が
同心円状であって中央部から周辺部に向かって輪帯のピ
ッチが小さくなるように形成されており(設計の仕方は
実施例3のグレーティングレンズ9と同様である)、収
束レンズとしての機能を持っている。要するに、実施例
4における投光レンズ2の凸レンズ部分をグレーティン
グレンズ10に置き換えた構成を有している。他の構成
および機能は実施例4と同様であって、グレーティング
レンズ9で入射光を偏向してグレーティングレンズ10
で偏向された光を集光することにより、投光スポットの
不要光による広がりを抑制しているのである。本実施例
の構成では、偏向用のグレーティングレンズ9と集光用
のグレーティングレンズ10とを一体化して平板状に形
成しているから、投光レンズ2の装置への組み込みが容
易になり、構造が簡単になることによって小型化につな
がるのである。他の構成および機能は実施例4と同様で
ある。
【0026】なお、上記各実施例における投光レンズ2
や受光レンズ3には非球面を用いて球面収差を除去する
ようにしてもよいのはもちろんのことである。また、グ
レーティングレンズ9,10は平板状ではなく球面ない
し非球面の曲面であってもよい。上記各実施例の構成に
よれば、投光スポット(投光ビーム)を絞ることがで
き、結果的に距離の測定精度および投光スポットを走査
したときの位置精度が高くなるのはもちろんのこと、可
視光領域のレーザ光では不要光の広がりによって測定精
度への不安感が生じるのを防止することができる。しか
も、物体5での反射光がレーザ光源1に戻りにくくなっ
ている。このような戻り光があると、半導体レーザでは
レーザ発振が不安定になるが、戻り光を少なくして発振
を安定させることができるのである。このようにレーザ
発振が安定すれば投光スポットの強度分布の重心位置が
安定し、距離の測定誤差が小さくなるのである。
【0027】
【発明の効果】各請求項の発明は上述のように、レーザ
光源からのレーザ光を回折により投光レンズの光軸方向
に偏向する回折型光学素子を投光レンズの入射側に配置
しているので、内部反射等により投光レンズへの入射前
に生じる不要光は、回折型光学素子の角度選択性によっ
て投光レンズへの入射光から除外されるか、あるいは投
光レンズに入射しても集光されず、結果的に投光スポッ
トの強度分布を狭い分布とすることができるのであっ
て、投光スポットを絞ることによって、変位の測定精度
が高くなり、また投光スポットを走査する場合において
は投光スポットの位置精度が高くなるという利点を有す
る。
【0028】請求項2の発明では、回折型光学素子を投
光レンズに一体化しているから、部品点数が削減されて
小型化が可能になるという利点を有する。請求項3の発
明は、投光レンズを回折型光学素子により形成している
から、投光レンズを平板状に形成することが可能であっ
て、このような平板状の光学素子は保持が容易になり、
保持用の部品が簡単な構成になって製造コストの低減に
つながるとともに、組立作業が簡単になって組立コスト
の低減にもなるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の概略構成図である。
【図2】実施例1に用いるグレーティングの正面図であ
る。
【図3】実施例1に用いるグレーティングの動作説明図
である。
【図4】実施例2の概略構成図である。
【図5】実施例3の概略構成図である。
【図6】実施例3に用いるグレーティングレンズの正面
図である。
【図7】実施例3の投光系の他例を示す概略構成図であ
る。
【図8】実施例4の概略構成図である。
【図9】実施例5の概略構成図である。
【図10】実施例5において投光レンズとして用いるグ
レーティングレンズの正面図である。
【図11】従来例の概略構成図である。
【図12】従来例における回路部分を示すブロック図で
ある。
【図13】従来例における回路部分の他例を示すブロッ
ク図である。
【図14】従来例における投光スポットの強度分布を示
す動作説明図である。
【図15】従来例における受光側での強度分布を示す動
作説明図である。
【図16】従来例で用いるレーザ光源の断面図である。
【図17】従来例で用いるレーザ光源の問題点を示す動
作説明図である。
【図18】従来例の問題点を示す動作説明図である。
【図19】従来例の別の問題点を示す動作説明図であ
る。
【図20】他の従来例の概略構成図である。
【図21】従来例による投光スポットの強度分布を示す
動作説明図である。
【符号の説明】
1 レーザ光源 2 投光レンズ 3 受光レンズ 4 位置検出素子 5 物体 6 コリメートレンズ 8 グレーティング 9 グレーティングレンズ 10 グレーティングレンズ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光源より出射されたレーザ光を投
    光レンズを通して集光して物体の表面に投光スポットを
    形成し、投光レンズの光軸とは異なる光軸を有する受光
    レンズを通して位置検出素子の受光面に結像される投光
    スポットの像の位置に基づいて物体までの距離を測定す
    る距離測定装置において、レーザ光源から出射されたレ
    ーザ光を回折により投光レンズの光軸方向に偏向する回
    折型光学素子を投光レンズの入射側に配置して成ること
    を特徴とするレーザ光を用いた距離測定装置。
  2. 【請求項2】 レーザ光源より出射されたレーザ光を投
    光レンズを通して集光して物体の表面に投光スポットを
    形成し、投光レンズの光軸とは異なる光軸を有する受光
    レンズを通して位置検出素子の受光面に結像される投光
    スポットの像の位置に基づいて物体までの距離を測定す
    る距離測定装置において、レーザ光源から出射されたレ
    ーザ光を回折により投光レンズの光軸方向に偏向する回
    折型光学素子を投光レンズの入射面に一体に設けたこと
    を特徴とするレーザ光を用いた距離測定装置。
  3. 【請求項3】 レーザ光源より出射されたレーザ光を投
    光レンズを通して集光して物体の表面に投光スポットを
    形成し、投光レンズの光軸とは異なる光軸を有する受光
    レンズを通して位置検出素子の受光面に結像される投光
    スポットの像の位置に基づいて物体までの距離を測定す
    る距離測定装置において、レーザ光源から出射されたレ
    ーザ光を回折により投光レンズの光軸方向に偏向する回
    折型光学素子を投光レンズの入射側に設けるとともに、
    投光レンズを回折型光学素子により形成して成ることを
    特徴とするレーザ光を用いた距離測定装置。
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