JP2518038B2 - 位置検出装置 - Google Patents

位置検出装置

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JP2518038B2
JP2518038B2 JP1036739A JP3673989A JP2518038B2 JP 2518038 B2 JP2518038 B2 JP 2518038B2 JP 1036739 A JP1036739 A JP 1036739A JP 3673989 A JP3673989 A JP 3673989A JP 2518038 B2 JP2518038 B2 JP 2518038B2
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    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F9/00Registration or positioning of originals, masks, frames, photographic sheets or textured or patterned surfaces, e.g. automatically
    • G03F9/70Registration or positioning of originals, masks, frames, photographic sheets or textured or patterned surfaces, e.g. automatically for microlithography
    • G03F9/7073Alignment marks and their environment
    • G03F9/7076Mark details, e.g. phase grating mark, temporary mark

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は位置検出装置に関し、例えば半導体素子製造
用の露光装置において、マスクやレチクル(以下「マス
ク」と総称する。)等の第1物体面上に形成されている
微細な電子回路パターンをウエハ等の第2物体面上に露
光転写する際にマスクとウエハとの相対的な位置決め
(アライメント)を行う場合に好適な位置検出装置に関
するものである。
(従来の技術) 従来より半導体製造用の露光装置においては、マスク
とウエハの相対的な位置合わせは性能向上を図る為の重
要な一要素となっている。特に最近の露光装置における
位置合わせにおいては、半導体素子の高集積化の為に、
例えばサブミクロン以下の位置合わせ精度を有するもの
が要求されている。
多くの位置合わせ装置においては、マスク及びウエハ
面上に位置合わせ用の所謂アライメントパターンを設
け、それらより得られる位置情報を利用して、双方のア
ライメントを行っている。このときのアライメント方法
としては、例えば双方のアライメントパターンのずれ量
を画像処理を行うことにより検出したり、又は米国特許
第4037969号や特開昭56−157033号公報で提案されてい
るようにアライメントパターンとしてゾーンプレートを
用い該ゾーンプレートに光束を照射し、このときゾーン
プレートから射出した光束の所定面上における集光点位
置(信号光束位置)を検出すること等により行ってい
る。
一般にゾーンプレートを利用したアライメント方法
は、単なるアライメントパターンを用いた方法に比べて
アライメントパターンの欠損に影響されずに比較的高精
度のアライメントが出来る特長がある。
第27図はゾーンプレートを利用した従来の位置合わせ
装置の概略図である。
同図において光源72から射出した平行光束はハーフミ
ラー74を通過後、集光レンズ76で集光点78に集光された
後、マスク68面上のマスクアライメントパターン68a及
び支持台62に載置したウエハ60面上のウエハアライメン
トパターン60aを照射する。これらのアライメントパタ
ーン68a,60aは反射型のゾーンプレートより構成され、
各々集光点78を含む光軸と直交する平面上に集光点を形
成する。このときの平面上の集光点位置のずれ量を集光
レンズ76とレンズ80により検出面82上に導光して検出し
ている。
そして検出器82からの出力信号に基づいて制御回路84
により駆動回路64を駆動させてマスク68とウエハ60の相
対的な位置決めを行っている。
第28図は第27図に示したマスクアライメントパターン
68aとウエハアライメントパターン60aからの光束の結像
関係を示した説明図である。
同図において集光点78から発散した光束はマスクアラ
イメントパターン68aよりその一部の光束が回折し、信
号光束として集光点78近傍にマスク位置を示す集光点78
aを形成する。又、その他の一部の光束はマスク68を0
次透過光として透過し、波面を変えずにウエハ60面上の
ウエハアライメントパターン60aに入射する。このとき
光束はウエハアライメントパターン60aにより回折され
た後、信号光束として再びマスク68を0次透過光として
透過し、集光点78近傍に集光しウエハ位置をあらわす集
光点78bを形成する。同図においてはウエハ60により回
折された光束が集光点を形成する際には、マスク68は単
なる素通し状態としての作用をする。
このようにして形成されたウエハアライメントパター
ン60aによる集光点78bの位置は、ウエハ60のマスク68に
対するずれ量Δσに応じて集光点78を含む光軸と直交す
る平面に沿って該ずれ量Δσに対応した量のずれ量Δ
σ′として形成される。
同図に示す位置合わせ装置においては、相対的な位置
ずれ量を求める際にマスクとウエハ面上に設けたゾーン
プレートからの光を評価すべき所定面上に独立に結像さ
せて各々基準とする位置からのずれ量を求めている。
(発明が解決しようとする問題点) このように位置検出用のアライメントパターンにフレ
ネルゾーンプレート等の回折格子を用いた場合、該回折
格子の外周形状(開口形状)に応じて信号光束の周囲に
フラウンホーファ回折による像(サイドローブ)が生
じ、該サイドローブが位置ずれ検出用の検出面上に入射
し、検出面で信号光束の集光点を検出する際の誤差要因
となり、測定精度を低下させるという問題点があった。
本発明はマスク等の第1物体に対してウエハ等の第2
物体の位置検出を回折格子を利用して行う際の位置検出
を行う物体から生ずる位置情報を有する信号光束を検出
する受光手段にフラウンホーファ回折光が入射しないよ
うに各要素を設定し、高精度な位置検出が可能な位置検
出装置の提供を目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、対向配置した第1物体と第2物体の少なく
とも一方に回折格子を設け、投光手段からの位置検出用
光束を該第1物体と第2物体を介した後、受光手段面上
に導光し、該位置検出用光束の該受光手段面上への入射
位置を検出することにより該第1物体に対する該第2物
体の位置を検出する際、該受光手段に入射する該位置検
出用光束は該第1物体と第2物体の少なくとも一方に設
けた回折格子により全体として少なくとも2回の回折作
用を受けており、該受光手段は該第1物体と第2物体の
少なくとも一方に設けた回折格子のうち少なくとも一方
の回折格子から生ずる不要回折光が入射しない領域に配
置されていることを特徴としている。
この他本発明の特徴は各実施例において記載してい
る。
(実施例) 第1図は本発明を半導体製造用の露光装置に適用した
ときの第1実施例の概略図である。第2図は第1図の部
分拡大図である。
本実施例では光源10から出射された光束をコリメータ
ーレンズ11を介し、投光レンズ系12で反射鏡13で反射さ
せた後、第1物体1(本実施例では転写すべきパターン
を有するマスク)に設けた振幅型、又は位相型のゾーン
プレート等から成る周辺形状が長方形の第1物理光学素
子3(光波の波面を変換する素子で例えばグレーティン
グレンズ、フレネルゾーンプレート)を斜め方向から照
射している。
第1物理光学素子3は集光作用を有しており出射光を
第1物理光学素子3から所定の距離の点に集光してい
る。そして点から発散した光束を所定の距離に配置した
第2物体2(本実施例ではパターンを転写すべきウエ
ハ)に設けられている位相型若しくは振幅型のゾーンプ
レート等から成る第2物理光学素子4(グレーティング
レンズ)に入射させている。第2物理光学素子4は第1
物理光学素子3と同様に集光作用を有しており、第2物
理光学素子4からの出射光を第1物理光学素子3を通過
させた後、集光レンズ14により、検出器8の検出面9上
に集光している。
即ち、本実施例では第1の物理光学素子で集光点(回
折像)を形成し、この第1回折像から出射した光束を第
2の物理光学素子で集光して、この回折像を再結像させ
ている。
このとき第1回折像から第2の物理光学素子までの距
離よりも第2の物理光学素子から再結像点までの距離を
大きくとることにより第1回折像と第2の物理光学素子
との相対移動量より、この移動量に対応する再結像回折
像の相対移動量が大きくなるようにしている。
即ち、第2の物理光学素子により回折像を拡大結像さ
せるようにしている。本実施例では凸レンズ作用を有す
る2つの物理光学素子を用いた所謂凸凸系を構成してい
る。
第2図(A)は第1図に示した第1実施例における第
1物体1と第2物体2との関係を示す光路の詳細な説明
図である。同図に示すように相対的な位置ずれを評価し
たい第1物体1と第2物体2に各々ゾーンプレート等の
周辺形状が共に長方形の第1,第2物理光学素子3,4をス
クライブライン21,22に対して角度β傾けて設けてい
る。第1物理光学素子3へ光束5を入射させ、それから
の出射回折光6を第2物理光学素子4に入射させてい
る。そして第2物理光学素子4からの出射回折光7を第
1物理光学素子3を通過させCCDやポジションセンサー
等の検出器8の検出面9上に集光させている。
このとき第1物体1と第2物体2との相対的な位置ず
れ量Δσに応じて検出面9上においては、光束の重心ず
れ量Δδが生じてくる。
これを詳しく説明するとグレーティングレンズ3,4は
マスクとウエハが位置ずれを起こすと、それぞれの光軸
が相対的にずれる、所謂レンズの軸ずれ状態となる。こ
の場合グレーティングレンズ3からの出射光の主光線は
位置ずれを起こす前と後でグレーティングレンズ4上の
入射位置が異なるので出射角も変動し、よってアライメ
ント光束の集光位置が変動する。この集光位置変動量は
位置ずれ量に比例する。
今、マスク1とウエハ2とが平行方向にΔσずれてお
り、ウエハ2からマスク1のグレーティングレンズ4を
透過した光束の集光点までの距離をa、ウエハ2のグレ
ーティングレンズ4で反射した光束の集光点までの距離
をbとすると検出面9上での集光点の重心ずれ量Δδは となる。即ち重心ずれ量Δδは(b/a+1)倍に拡大さ
れる。
従って、この重心ずれ量Δδを求めれば、第1物体と
第2物体との相対的な位置ずれ量Δσが(a)式より求
められることになる。
本実施例では同図において、光束7による検出面9上
の光束の重心ずれ量Δδを求め、これより第1物体1と
第2物体2との相対的な位置ずれ量Δσを検出してい
る。
ここで光束の重心とは光束受光面内において、受光面
内各点のその点からの位置ベクトルにその点の光強度の
関数として限定できる量を乗算したものを受光面全面で
積分したときに積分値が0ベクトルになる点のことであ
る。
検出面上の基準位置(第1、第2物体が相対位置ずれ
のない状態のときの光束の重心位置)は以下の様にして
求めている。まず第1物理光学素子3を有する第1物体
を適当な位置に固定する。次に第2物理光学素子4を有
する、例えば第2物体を第1物体に対して適当な位置に
配置する。このとき光束を第1,第2物理光学素子に入射
して、この状態における検出面9上での光束の重心位置
を検出する。次にこの状態で例えばマスク上のパターン
をウエハ上に転写する。転写されたパターンを他の顕微
鏡等で観察しずれの量と方向を計測する。求めたずれ量
及ぶ方向が第2物理光学素子4aのずれΔσになる。従っ
て予めずれ量ΔδとΔσとの関係を求めておけば前に検
出した光束の重心位置が基準位置よりどれだけずれてい
たか、即ちずれ量Δδが求められるので、このずれ量Δ
δと検出した重心位置から基準位置を逆算する。
第2図(B)は第1物理光学素子3の一実施例のマー
ク図である。
以上、重心検知によるアライメント方式の例で説明し
たが本発明は回折光を利用する任意の方式で有効であ
る。
第3図は第2図の構成における信号光以外の光を説明
する為のグレーティング素子3の周辺を位置ずれ検知方
向より観察した際の説明図である。同図において5は入
射光、7は射出回折光である。
軸31はグレーティングレンズ素子3による反射の1次
回折光の方向を示すものであり、32及び33は投光光束5
の内、グレーティングレンズ素子3,4で何れにも回折効
果を受けなかった、所謂0次光の方向を示すものであ
る。尚、グレーティングレンズ素子3,4の位置ずれ量が
零の時に各光束5,7,31,32,33は同一面内に存在し、この
面は位置ずれ検知方向Xと直交するものである。又、容
易に想像できる様に位置ずれ量が零でない、即ち第2物
体4が位置ずれを発生したときは受光光束7の角度が変
化するが他は変化しない。
ここで、光束32及び光束33は投光光路のグレーティン
グレンズ3に対する入射傾角γを大きくとることで光検
知器8側に対する影響を回避可能である。
一方、光束31の方向はグレーティング素子3で透過の
1次回折光の方向αを0次回折光に対して定めると一義
的に反射側の光である光束31の方向も同一角αとなる。
従って、第3図に示す様に信号光路の光束5及び光束7
を設定すると必然的に不要光である光束31は光束7に接
近する方向となる。
一般にマスクでの反射の1次回折光の中心スポットに
おける光強度はマスクの材料、投光光の波長、入射角、
偏波面の状態に依存して変化するが、金やクロムでパタ
ーンを形成し、近赤外波長域の半導体レーザーを10〜20
゜程度に照射した場合、おおよそ入射光量の10-1〜10-2
オーダの強度となる。
それに対する信号光の光強度は、マスクを透過する1
次回折光、ウエハを反射する1次回折光、マスクを0次
で透過する光を利用する場合には、入射光強度のおおよ
そ10-3〜10-5オーダのものとなる。従って、マスクでの
反射の1次回折像の中心光(1次のメインローブ)から
受光光の設定を回避するだけでなく中心強度の10-1〜10
-2程度の強度的に大きな部分のサイドロープからも回避
することが望ましい。
しかしながら一般には、グレーティングレンズ3の外
枠で規定される、光束31を主光線とするフラウンフォー
ファ回折像が生じ、位置ずれ検知方向に平行なる2辺を
有する長方形の開口である場合は、所定のパターンの回
折光が第3図に示す面内に強度のピーク点が存在するこ
とになる。従って、グレーティングレンズ3及び4が位
置ずれ検知方向と直交する面に対称軸を有し、各々レン
ズ作用があり、且つ周辺が長方形で枠取りされており、
長方形の辺に沿った方向で位置ずれを検出するような構
成では、この中心強度に対して10-1〜10-2程度のサイド
ローブ光の一部が受光光路と重なり、信号光のノイズと
して精度低下の要因となってしまう。
この為、本実施例では光検出器8の中心は第2図
(A)に示すようにマスク上のグレーティング素子3へ
の投射光を含み、かつ上記素子3面と直交するような入
射面内にあり、かつ素子の中心を含んで素子枠の各辺に
それぞれ垂直な面にて挟まれる空間内にあるようにして
受光光束が光検出器8の有効受光領域を移動するように
設定することにより、上述の問題点を解決している。
即ち、グレーティングレンズより生ずるメインローブ
及びそのサイドローブ(本明細書ではこの2つを「不要
回折光」と総称する。)を光検知器8に導びかないよう
にしている。
次に本発明の特徴を第2図とマスク1を上方のマスク
に平行な任意の断面より観察したきの光束の状況を示す
第4図の用いて説明する。ここでは回折光31は第1物体
(マスク)1の法線方向、即ち真上にくる。
本実施例においてマスク上に及びウエハ上に設けたグ
レーティングレンズ素子3,4の外枠形状は長方形として
いる。そして位置ずれ検知方向をXとし、グレーティン
グレンズ3,4はX方向のシリンドリカルパワーを有して
いる。又、長方形の各辺はX軸に対し直交あるいは平行
なる方向に対し後述するようにフラウンフォーファ回折
像を回避しうるような傾角βを設定している。
この時、第2図に示した構成に対して主に変化する光
の挙動としては、周知のフラウンフォーファ回折像が第
4図に示す軸31を回転軸としてβだけ回転することにな
る。
即ち、マスク1上のグレーティングレンズより生ずる
フラウンフォーファ回折像の内、受光光束に近い方向に
出射するものは第4図に示すu,v軸上に並び、これは位
置ずれ検知方向Xとβだけ回転した座標系となる。従っ
て、受光光束の中心42の周辺にある光検知器8のこの断
面内への射影成分である入射瞳43に対し、Y軸と重なっ
ていたv軸もβだけ回転する。これにより入射瞳43内に
フラウンフォーファ回折像の入射瞳43への侵入を回避し
ている。即ち、光検出部に対してマークの直線部の方向
を傾けて後述するフラウンホーファ回折ベクトルの存在
する面をずらしている。この他、多少デフォルメされた
平行四辺形でも同様の効果が得られる。
第5図,第6図は本発明の第2,第3実施例における上
方のマスク面に平行な位置断面からのフラウンホーファ
回折像の説明図である。第5図に示す第2実施例はマス
ク上のグレーティングレンズ素子を菱形形状とし、対向
する2頂点を結ぶ一方を位置ずれ検知方向Xとし、他方
を受光光束設定方向としたものである。
一般に頂点間を結ぶ方向に対しては、フラウンホーフ
ァ回折像の強度的に強い部分が生じない為、このときも
入射瞳43内に不要光の影響が少なくなる。
第6図に示す第3実施例は、マスク上のグレーティン
グ素子を6角形形状とした例であり、第7図はそのパタ
ーンを示す例である。この時のフラウンホーファ回折像
の内、強度的に大きなものが軸u,v,wの3方向に生じる
が、やはり頂点方向を結ぶ図中のY軸方向に受光光束を
設定することにより、やはり不要光からの影響を回避で
きる。
更に、この他以上の説明より明らかながら、菱形や6
角形状を例えばX軸方向横に連結した外枠形状において
も、同様の効果が得られる。又、グレーティングレンズ
の周辺形状を頂点なる表現で規定したが、当然のことな
がら微少領域をもって頂点を曲線化したものも本発明と
同様の効果が得られる。
次に本実施例におけるフラウンホーファ回折ベクトル
について第23図以下を用いて説明する。フラウンホーフ
ァ回折ベクトルとは、所定の開口形状を有する回折格子
に光束を入射させたときに発生するフラウンホーファ回
折像の、回折格子からの出射方向基準ベクトルを意味す
る。
いま、有限個の頂点を有する開口に回折格子を形成
し、回折格子の中心座標を原点とする、半径rが開口の
サイズ比べて充分大きい球面S(以下観察球面と称す
る)を考え、フラウンホーファ回折ベクトルとして、該
球面上で観測されるフラウンホーファ回折光分布の中心
線(後述)と上記球面上で交叉するようなベクトル を定義する。
第23図(A)においてAは開口(例として矩形)、o
は原点、iは入射光線、Mは反射回折光の各次数の回折
光の中心となるフラウンホーファの中心方向として表わ
される主光線ベクトルの存在する面、 は0次回折光(反射光)の主光線ベクトル、 は1次回折光の主光線ベクトル は−1次回折光の主光線ベクトルを示す(便宜上±1次
までの回折光を図示した) は1次フラウンホーファ回折像の分布パターンのうち強
度集中のある領域を示す。(便宜上1次フラウンホーフ
ァ回折像のみ図示した)また は後に定義する。
尚、第24図は同様に通過回折光の分布を示し、パラメ
ーターは第23図の定義に準ずる。
一般に頂点が有限個の開口内の回折格子を形成し、こ
れに光束を入射させて生じるフラウンホーファ回折光の
強度分布は、特定の方向に強度集中をもつような分布、
所謂フラウンホーファーメインロープを中心としたサイ
ドローブの広がりとなることが予想される。そこで回折
像フラウンホーファーメインローブの中心を通り、この
ような特定方向のベクトルを有する直線を、ここではフ
ラウンホーファ回折像の中心線と称することにする。
このフラウンホーファ回折像の中心線は開口形状に固
有に定まり、観察球面上では該球面と開口形状に固有に
定まる所定の平面(後述)との交線であり、フラウンホ
ーファ回折光強度分布の極大はこの曲線上に存在する。
いま、1次の反射フラウンホーファ回折光を考え、開
口がm本の直線部a1,a2,‥,am(m<∞)を有する場
合、ai(i=1,‥,m)に対して中心線l1が一つに定ま
り、上記中心線l1を開口の設定されるマーク平面(曲面
に設定される場合は、原点で接する接平面)に射影する
と、aiのマーク面内で定義される法線と平行な直線とな
る。但し、m本の直線部のうち、n組が平行であるとす
ると、上記中心線はm−n本存在する。
第25図に示すように矩形の開口形状を有する回折格子
の所定次数のフラウンホーファ回折光分布の中心線は各
辺の法線4本のうち2組が平行となるから計2本とな
り、マーク面射影成分の方向はそれぞれの法線方向と一
致する。
このようなフラウンホーファ回折パターンは、回折格
子で回折される光束のそれぞれの回折次数ごとに存在
し、各次数のフラウンホーファ回折パターンの中心線の
本数及び方向は、回折次数によらず、開口形状によって
のみきまる。但し、各次数のフラウンホーファ回折パタ
ーンの中心位置は入射光束の主光線が、透過又は反射で
回折されて生じる対応次数の光束の主光線と観察球面と
の交点で与えられる。
従って直線部がm本の開口形状をあ有する回折格子の
i次フラウンホーファ回折ベクトル は(j=1,2,‥,m) (βは実数 rは観察球面の半径)で与えられ、 のはる平面上に存在する。(第23図(B)に例として の関係を示す) ここに はi次の回折光の主光線ベクトル、 はマーク面射影成分が、開口のj番目の直線部に立てた
法線ベクトル (マーク面内)に平行な単位ベクトルを示し、 は単位マーク面法線ベクトル)で与えられる。
ここに は反射回折か透過回折かによってそれぞれ異なる方向を
有する。第23図(A)において、 の存在する面 を含む面であり とマーク面との交線は、それぞれ と平行になっている。
同様にしてm本の直線部を有し、そのうちn組が平行
なる開口の場合、i次のフラウンホーファ回折ベクトル
の存在する面は,m−n個あり、 が定義され、それぞれのマーク面との交線は と平行になる。
一方、曲線部を有し、頂点が有限個の開口内に回折格
子を形成し、これに交束を入射させて生じるフラウンホ
ーファ回折光の強度分布も、一般に特定の方向に強度集
中をもつような分布となることが予想される。
例えば『波動光学』(久保田 広:岩波書店)268ペ
ージに示されるように開口形状が2つの円弧から成る図
形の場合、フラウンホーファ回折像は第26図のようにな
る。この場合、開口形状は2つの曲線部から成り、フラ
ウンホーファ回折像の強度集中の方向は2本あることが
わかる。
このような強度集中の方向は、有限個の頂点をもつ任
意開口にたいしては、開口形状をフーリエ変換して得ら
れるパターンから求めることができ、予め開口のフーリ
エ変換像を計算しておき、強度集中の方向が特定できる
場合は、その中から強度集中の大きい方向順に適宜選択
して、前式の に相当するベクトルを定義し、前式に従ってフラウンホ
ーファ回折ベクトルを求めればよい。
次に光検出器の方をフラウンホーファ回折ベクトルの
存在する面からずらした実施例を説明する。
第8図は本発明の第4実施例の要部概略図である。図
中、91は第1物体で、例えばマスクである。92は第2物
体で、例えばマスク91と位置合わせされるウエハであ
る。94,93は各々第1,第2アライメントマークであり、
各々マスク91面上とウエハ92面上に設けられている。第
1,第2アライメントマーク94,93は、例えばフレネルゾ
ーンプレート等のグレーティングレンズより成り、マス
ク91面上とウエハ92面上のスクライブライン195a,195b
上に設けられている。97はアライメント光束であり、不
図示のアライメントヘッド内の光源から出射し、所定の
ビーム径にコリメートされている。
本実施例において、光源の種類としては半導体レーザ
ー、He−Neレーザー、Arレーザー等のコヒーレント光束
を放射する光源や、発光ダイオード等の非コヒーレント
光束を放射する光源等である。96は第1検出手段として
のセンサ(受光器)であり、アライメント光束97を受光
する例えば1次元CCD等より成っている。
本実施例ではアライメント光束97はマスク91面上の第
1アライメントマーク94に所定の角度で入射した後、透
過回折し、更にウエハ92面上の第2アライメントマーク
93で反射回折し、センサ96面上に入射している。そして
センサ96で該センサ面上に入射したアライメント光束の
重心位置を検出し、該センサ96からの出力信号を利用し
てマスク91とウエハ92をスクライブライン195a,195b方
向(x方向)について位置合わせを行っている。
次に本実施例における第1,第2アライメントマーク9
4,93について説明する。
アライメントマーク93,94は各々同一又は異った値の
焦点距離を有するフレネルゾーンプレート(又はグレー
ティングレンズ)より成っている。これらのマークの寸
法は各々スクライブライン方向に280μm、スクライブ
ライン幅方向(y方向)に70μmである。
本実施例においてはアライメント光束97は、マスク91
に対して入射各10゜でマスク91面への射影成分がスクラ
イブライン方向(x方向)に直交するように入射してい
る。
これらの所定角度でマスク91に入射したアライメント
光束97はグレーティングレンズ94のレンズ作用を受けて
収束(又は発散)光となり、マスク91からその主光線が
マスク91の法線に対して所定角度になるように射出して
いる。
そして第1アライメントマーク94を透過回折したアラ
イメント光束97を、ウエハ面92の鉛直下方238.0μmの
点に集光させている。このときのアライメントマーク94
の焦点距離は各々268μmである。又、マスク91とウエ
ハ92との間隔は30μmにしている。
アライメントマーク94で透過回折した光はウエハ92面
上の第2アライメントマーク93で凹(凸)レンズ作用を
受け、第1検出手段としてのセンサ96面上に集光してい
る。このときセンサ96面上では入射光束の重心位置がア
ライメントマーク94,93の位置ずれ、即ち軸ずれの量に
対し、この軸ずれに対する位置変動量が拡大された状態
となって変動するようになっている。
本実施例ではマスク91とウエハ92の位置ずれが0のと
き、即ちマスク91上のアライメントマーク94とウエハ92
上のアライメントマーク93とが共軸系をなしたとき、ア
ライメント光束の主光線のウエハ92からの出射角が5
度、又、このときの出射光のウエハ92面飢への射影成分
がスクライブライン幅方向(y方向)と4゜とマスクと
ウエハからのフラウンホーファ回折像を回避し、集光す
るように設定されている。又このときの出射光は例えば
マスク91面の中心座標を基準に中心座標が(0.98、4.
2、18.7)(単位mm)に位置しているセンサ96面上に集
光するように設定している。
即ち、出射光を受光する光検出部を積極的にフラウン
ホーファ回折ベクトルの存在する面からずらしている。
更にセンサ96の有効受光領域の素子の配列方向はX方
向に設定されX方向に長さ4.8mmの大きさを有してい
る。アライメント光束は位置ずれに伴って、この有効受
光領域上で入射位置が移動する。
本実施例におけるグレーティングレンズのパターンの
一実施例を第9図に示す。第9図に示すパターンはx方
向とy方向ともに同じレンズ作用をもち、かつy方向に
光束の進行方向を一定の角度で偏向させる作用を有して
いる。
次に本実施例における第1,第2アライメントマーク9
4,93(グレーティングレンズ)の製造方法の一実施例を
述べる。
まず、マスク用のアライメントマーク94は所定のビー
ム径の平行光束が所定の角度で入射し、所定の位置に集
光するように設計される。一般にグレーティングレンズ
のパターンは光源(物点)と像点にそれぞれ可干渉性の
光源を置いたときのレンズ面における干渉縞パターンと
なる。今、第8図のようにマスク91面上の座標系を定め
る。ここに原点はスクライブライン幅の中央にあり、ス
クライブライン方向にx軸、軸方向にy軸、マスク面91
の法線方向にz軸をとる。マスク面91の法線に対しαの
角度で入射し、その射影成分がスクライブライン方向と
直交する平行光束がマスクのマークを透過回折後、集光
点(x1,y1,z1)の位置で結像するようなグレーティング
レンズの曲線群の方程式は、グレーティングの輪郭位置
をx,yで表わし y sin α+P1(x,y)−P2=mλ/2 …(1) で与えられる。ここにλはアライメント光の波長、mは
整数である。
主光線を角度αで入射し、マスク面91上の原点を通り
集光点(x1,y1,z1)に達する光線とすると(1)式の右
辺はmの値によって主光線に対して波長のm/2倍光路長
が長い(短い)ことを示し、左辺は主光線の光路に対し
マスク上の点(x,y,0)を通り点(x1,y1,z1)に到達す
る光線の光路の長さの差を表わす。
(1)式ではマスク91面上の点yを通った光は結像点
ではy方向に変化されない。
一方、ウエハ92上のグレーティングレンズは所定の点
光源から出た球面波を所定の位置(センサ面上)に集光
させるように設計される。点光源上の各点はマスク91と
ウエハ92の露光時のギャップをgとおくとマスク面上座
標系で(x1,y1,z1−g)で表わされる。(yは変数)マ
スク91とウエハ92の位置合わせはX軸又はY軸方向に行
なわれるとし、アライメント完了時にセンサ面上の点
(x2,y2,z2)の位置にアライメント光が集光するものと
すれば、ウエハ上のグレーティングレンズの曲線群の方
程式は先に定めた座標系で と表わされる。
(2)式はウエハ面がz=−gにあり、主光線がマス
ク面上原点及びウエハ面上の点(0,0,−g)、更にセン
サ面上の点(x2,y2,z2)を通る光線であるとして、ウエ
ハ面上のグレーティング(x,y,−g)を通る光線と主光
線との光路長の差が半波長の整数倍となる条件を満たす
方程式である。
具体的には(1),(2)式でX2=−980.0μm、Y2
=4200.0μm、Z2=18700.0μm、X1=0.0μm、Y1=0.
0μm、Z1=−184.72μm、m=1、α=17.5度でパタ
ーンを設計した。
一般にマスク用のゾーンプレート(グレーティングレ
ンズ)は、光線の透過する領域(透明部)と光線の透過
しない領域(遮光部)の2つの領域が交互に形成される
0,1の振幅型グレーティング素子として作成されてい
る。又、ウエハ用のゾーンプレートは、例えば矩形断面
の位相格子パターンとして作成される。(1),(2)
式において主光線に対して半波長の整数倍の位置で、グ
レーティングの輪郭を規定したことは、マスク91上のグ
レーティングレンズでは透明部と遮光部の線幅の比が1:
1であること、ウエハ92上のグレーティングレンズでは
矩形格子のラインとスペースの比が1:1であることを意
味している。
マスク91上のグレーティングレンズはポリイミド製の
有機薄膜上に予めEB露光で形成したレチクルのグレーテ
ィングレンズパターンを転写して形成した。
又、ウエハ91の上マークはマスク上にウエハの露光パ
ターンを形成したのち露光転写して形成した。
次に本実施例における検出手段としてのセンサ(例え
ば1次元の蓄積型の1次元CCD等)に入射するアライメ
ント光である信号光について説明する。
本実施例においては位置ずれ量0のときアラインメン
ト用の信号光の主光線はウエハ面の法線に対してYZ面内
で5゜の角度で、又、スクライブライン方向に対しては
ウエハ面射影成分がXZ面内で3゜の角度で出射する。セ
ンサ96の空間的配置は、予めアライメント完了時に光束
がセンサのほぼ中央の位置に入射するようにセッティン
グされている。
本発明ではアライメントマークの開口形状から決まる
フラウンホーファ回折パターンとアライメント信号光束
とが、センサ上で重畳して、S/Nが劣化したり、干渉の
結果、信号光強度分布が変化して実効的光量重心位置が
変動することを回避するために、位置ずれ量0のときで
もアライメントマークからセンサへ到達する光線が入射
面外に偏向されるようにアライメントマークパターンの
設計、およびセンサの配置を行なっている。
センサ96のサイズは幅1mm、長さ6mmである。又、各画
素のサイズは25μm×500μmである。
センサは入射光束の重心位置を測定し、センサの出力
は受光領域の全光量で規格化されるように信号処理され
る。これによりアライメント光源の出力が多少変動して
も、センサ系から出力される測定値は正確に重心位置を
示すように設定している。尚、センサの重心位置の分解
能はアライメント光のパワーにもよるが、例えば50mW、
波長0.83μmの半導体レーザーを用いて測定した結果、
0.2μmであった。
本実施例に係るマスク用のグレーティングレンズとウ
エハ用のグレーティングレンズの設計例では、マスクと
ウエハの位置ずれを100倍に拡大して信号光束がセンサ
面上で重心位置を移動する。従って、マスクとウエハ間
に0.01μmの位置ずれがあったとすると、センサ面上で
は1μmの実効的な重心移動が起こり、センサ系はこれ
を0.2μmの分解能で測定することができる。
第10図(A),(B)は本発明の第5実施例の要部概
略図である。同図(A),(B)は各々スクライブライ
ン方向にx軸、マスク面法線方向をz軸にとったときの
アライメント光線の光路におけるyz面断面とxz面断面で
ある。
本実施例では不図示のアライメトヘッド内の半導体レ
ーザから出射し、ヘッド内の投光系を通過しアライメン
ト光束97はマスク面91上の第1アライメントマーク94に
斜め入射する。
アライメント光束97はマスク面91上の物理光学レンズ
素子94を通過後、入射面外方向即ちここでは同図のX方
向に偏向され、ウエハ92面の物理光学レンズ素子93で更
に光路は所定の角度アライメントヘッド方向に偏向され
る。
従ってマスク91面上の物理光学レンズ素子94とウエハ
92面上の物理光学レンズ素子93はスクライブライン方向
に相対的にずれた配置で位置合わせが完了する。同図
(A)のyz面内でのアライメント光のマスク面入射角は
8゜、ウエハ面への1次回折光の主光線の入射角は0゜
(即ち垂直入射)、ウエハ面からの1次回折光の出射角
は17.5゜である。また同図(B)のxz面内でのアライメ
ント光のマスク面入射角は5゜、ウエハ面92への1次回
折光の主光線の入射角は7゜、ウエハ面92上の物理光学
レンズ素子93はyz面内では偏向作用がないとし、ウエハ
91からの1次反射回折光のxz面内の出射角は7゜、マス
ク面91からの1次透過回折光の出射角も7゜となってい
る。
第5実施例においてはマスク面上とウエハ面上物理光
学素子は第4実施例と同様に物点を所定の位置の像点に
結像させるグレーティングレンズ素子である。グレーテ
ィングレンズ系の軸ずれ、すなわちマスクとウエハ間の
位置ずれに対する倍率感度は第4実施例と同様に100
倍、露光ギャップ30μmに対応してアライメントヘッド
内のセンサ上に結像するようにグレーティングレンズ系
のパワー配置を決めている。本実施例においてはマーク
サイズおよびグレーティングレンズ系のパワー配置は第
4実施例と同じである。
また光束の入射面外方向への偏向作用をマスク91面上
のグレーティングレンズ94およびウエハ92面上のグレー
ティングレンズ93ともに持たせることにより次のような
効果を得ている。
第1の効果としてマスク面上のグレーティングレンズ
から直接反射回折してアライメントヘッド側に戻るフラ
ウンホーファー回折パターンをアライメントヘッド内セ
ンサ位置からはずれて到達させることができ、センサの
近傍に戻る不要回折光のうち従来最も強度の高いマスク
面からの直接反射回折光が一部でもセンサに受光され、
アライメント信号光の重心位置検出の誤差要因となるこ
とを回避している。
第11図に第5実施例のアライメントヘッド内のセンサ
の位置とヘッド内に到達するマスク面直接反射回折光の
分布の概略図を示す。マスク面からの直接反射回折光は
マスク面上のグレーティングレンズの開口形状がスクラ
イブライン上に収まる矩形であることからヘッド内のフ
ラウンホーファー回折パターンFは1次元センサ96上で
マスクとウエハ間の位置ずれに対応して光束の重心移動
を検出する方向と平行に並ぶ成分とそれと直交方向に並
ぶ成分とがある。
本実施例ではスクライブライン方向の位置ずれを検出
している為にアライメント信号光がマスク上グレーティ
ングレンズに入射する角度とウエハ上グレーティングレ
ンズから出射する角度はxz面内で異なるため、たとえ一
次元センサのライン方向と平行に並ぶ回折パターンがあ
ってもセンサ96に受光されることはない。
即ち、xz断面で見るとマスク上グレーティングレンズ
で発生する不要なフラウンホーファー回折パターンの中
心位置とセンサの中心位置とはz方向にdだけずれる。
(dはxz面内のアライメント光の入射角とアライメント
ヘッド側への出射角、およびヘッド内センサの位置等で
決まり、第1の実施例で説明したフラウンホーファー回
折ベクトルから求められる。) この様にしてフラウンホーファー回折ベクトルの存在
する面からセンサを回避させている。
又、本実施例においてはスクラインラインと直交する
方向に位置ずれがある場合、一次元センサからアライメ
ント光束がはみ出すことのないようにスクライブライン
と直交する方向にはレンズ作用がないようなグレーティ
ングレンズ素子を使うのが望ましい。
第2の効果としてはマスク面のグレーティングレンズ
にアライメント光束をyz面内で入射角と異なる角度で透
過出射させる偏向作用を持たせることにより、ウエハ面
から反射回折した光が、マスク面上グレーティングレン
ズを通過せずにマスク面を透過させることが容易にでき
る。
前述の第4実施例及び第5実施例においてはアライメ
ント信号光束はマスクを2回透過し、ウエハ面を1回反
射するが、レンズの作用を受けるのは最初にマスク面を
透過回折する際とウエハ面で反射回折されるときだけで
ある。
即ち、マスク面を2回目に透過する際は、光束がグレ
ーティングレンズ部分を通過する場合においても0次回
折光成分のみを利用する。つまり信号光としてセンサ上
の重心位置を検出するのはマスク上のグレーティングレ
ンズを1次回折透過し、ウエハ上のグレーティングレン
ズを1次反射回折したのちマスク上のグレーティングレ
ンズを0次透過(マスク面透過)すうような光束を用い
ている。
ところがもしマスク上のグレーティングレンズを0次
で透過するような光路を設定した場合は、0次回折効率
がグレーティングレンズ上で一様でなく空間的に変化し
ているためセンサ面上の光束の強度分布は変調を受け
る。これはグレーティングレンズのピッチが空間的に一
定でなく第4実施例中で示した式(1),(2)に従っ
て空間的に変調されているためである。(一般にピッチ
(回折角)が変わると回折効果も変化する。) 第5実施例においてはアライメント光束が2回目にマ
スクを通過する際にグレーティングの作用を受けないよ
うにマスクとウエハ上のグレーティングレンズ素子でア
ライメント光束を入射光線とマスク面法線を含む入射面
外方向に偏向させている。
第12図(A),(B)は本発明の第6実施例の要部概
略図である。同図(A)は第8図に示す座標系でyz面断
面、同図(B)はxz面断面であり、アライメント信号光
を実線で参照光を点線で示している。
本実施例ではアライメント光束97aと参照光束97bは各
々マスク91面上の第1アライメントマーク93aと第1参
照マーク93bに所定の角度で入射した後、透過回折し、
更にウエハ92面上の第2アライメントマーク94aと第2
参照マーク94bで反射回折し、不図示のセンサ96a,96b面
上に入射している。そしてセンサ96a,96bで該センサ面
上に入射したアライメント光束97aと参照光束97bの重心
位置を検出し、該センサ96a,96bからの出力信号を利用
してマスク91とウエハ92をスクライブライン方向(x方
向)について位置合わせを行っている。
アライメントマーク93a、参照マーク93bは設計方程式
(1)を用い、アライメントマーク94aは設計方程式
(2)を用いてパターンを設計した。又、参照マーク94
bは直線格子でありレンズ作用を持たない。従って参照
光束はマスクとウエハが相対位置ずれをおこしても光束
のセンサ上への入射位置は変化しない。
本実施例においてはウエハ面上の物理光学素子94a,94
bにおいて信号光と参照光ともにxz面断面内で所定の角
度θ(=5゜)だけ光束の進行方向が偏向している。こ
のため位置合わせ完了時にはxz面断面でみるとヘッド内
のセンサへの各光束の入射位置とマスクとウエハ上のグ
レーティングレンズの中心軸とは横ずれしている。ま
た、このときのマスク面上のスクライブライン内の位置
合わせ用マークからのフラウンホーファー回折パターン
はアライメントヘッド内のセンサ面を含む断面で第11図
に示すようになり、信号光束97aおよび参照光束97bとマ
ークの開口形状に対応したフラウンホーファー回折パタ
ーンFとは分離され、センサ上には信号光および参照光
だけが入射する。
本実施例によれば第1,第2アライメントマークと第1,
第2参照マークを各々第1,第2物体面上に設け、各々の
マークを介した光束を利用し、例えば第1物体としての
マスクと第2物体としてのウエハの位置合わせを行う
際、ウエハ面が傾斜するか、或はレジストの塗布むら
や、露光プロセス中に生じるそりなどのローカルな傾き
によってアライメント光の重心位置が変動しても参照信
号光とアライメント信号光との相対的な重心位置検知、
即ち両光束の重心位置関係のX成分検出を行うことによ
り、ウエハ面の傾斜に左右されずに正確に位置ずれを検
出することができる。
又、アライメントヘッドの位置がマスクに対して相対
的に変動した為に、アライメント信号光のセンサ上の重
心位置が変動しても参照信号光とアライメント信号光と
の相対的な重心位置検知を行うことにより、アライメン
トヘッドの位置ずれに左右されずに正確にマスク−ウエ
ハ間の位置ずれを検出することができる。
このように光束2つを用いて位置検出を行なう場合に
も本発明は適用可能である。
第13図は本発明の第7実施例を説明する要部概略図で
ある。同図(A),(B),(C)はそれぞれマーク部
の正面図、側面図、上面図、同図(D)はセンサ96の存
在する面上の回折光とセンサ96との関係を示す説明図で
ある。
本実施例ではアライメント光束97のグレーティングレ
ンズ94へ入射角を17.5゜、出射角0゜、グレーティング
レンズ93からの出射角を13゜とし、又グレーティングレ
ンズ94への入射光と位置ずれ0のときのグレーティング
レンズ93からの出射光のxy平面への射影成分はいずれも
y軸と4゜を成す様になっている。即ち位置ずれ量0の
ときアライメント光束のグレーティングレズ94への入射
光路とマスク面法線とを含む面内にグレーティングレン
ズ93からの出射光路も含まれるように設計されている。
グレーティングレンズ94の開口形状はそれぞれx,y軸に
平行な辺を有する矩形である。入射光のマスク面上への
射影成分をこの辺に対して傾ける事によりセンサ96の存
在する面上では不要回折光の各回折次数に対応するメイ
ンローブ中心と結ぶ線は、第13図(D)に示す様にz方
向に対して斜めにズレる。図中下からグレーティングレ
ンズ94の0次、1次、2次の回折光によるフラウンホー
ファ回折像である。矩形開口による2本の中心線上にフ
ラウンホーファ回折光のサイドローブが存在する。
前述の光路の状態でセンサ96の位置を第13図(D)の
様に各次数の回折光のメインローブを避ける位置に配置
してサイドローブも避ける様にしている。
第14図は本発明の第8実施例を説明する要部概略図で
ある。同図(A),(B),(C)はそれぞれマーク部
の正面図、側面図、上面図、同図(D)はセンサ96cの
存在する面上の回折光とセンサ96cとの位置関係を示す
説明図である。
本実施例ではアライメントマーク94cはx方向にのみ
レンズ作用を有するシリンドリカルなグレーティングレ
ズ(リニアゾーンプレート)でマスク面上に形成され、
xz面内の焦点距離はマスク91とウエハ92とのアライメン
ト時の設定間隔に略等しい。アライメントマーク93cは
ウエハ面上に形成され矩形格子がy方向に等ピッチに配
列された回折格子が形成されている。リニアゾーンプレ
ートのパワーのある方向、即ちx方向がアライメント検
出方向で平行投射ビームがこのゾーンプレートにマーク
の中心における法線及びアライメント方向と直交する線
を含む平面内で該法線に対しある角度φで入射し、ゾー
ンプレートによりウエハ面上に線状に集光する。回折格
子93cがこの線状集光部に来た時に回折格子93cから出射
する特定次数の回折光を受光する位置にセンサ96cが配
置されている。ここではyz面内の所定の方向に出射する
回折光を受光する様にセンサ96cの中心はグレーティン
グレンズ94cの中心を含むyz面内に位置する。
回折格子93cとグレーティングレンズ94cとがx方向に
ずれていれば回折格子93cより発生する回折光が減少
し、センサ96cで検出される光量も減少する。線状集光
部によって回折格子93cを操作し、このときセンサ96cで
光量変化を検出することによりマスクとウエハとのx方
向の位置ずれを検出する。
このときグレーティングレンズ94cからは第14図
(B)の破線矢印で示した様な方向に0次反射回折光が
飛び、それを中心にしてセンサ96cの存在面上にフラウ
ンホーファ回折像が発生する。このときのサイドローブ
がセンサ96cに入射すると、サイドローブの入射による
光量変化が光量検出による位置ずれ検出精度に悪影響を
及ぼす。
そこで本実施例は第6図の実施例同様、マーク形状を
6角形にしてサイドローブの飛ぶ中心線の方向を第14図
(D)の様にすることによって不要回折光がセンサ96c
に入射しない様にしている。本実施例の様な検出方法に
おいて本発明を実施する場合、マーク形状はこれに限ら
ず例えば前述の他の実施例の様にしても良く、又マーク
形状は矩形にして前述の様に受光する出射光の方向、或
はマークに入射する光束の方向を調整しても良い。
前述の実施例では第2物体側の回折格子は反射回折を
行なうものであったが第2物体が光透過性のものである
場合、第2物体の回折格子が透過回折を行なう為のもの
であっても良い。
第15図は本発明の第9実施例の要部概略図である。同
図(A),(B),(C)はそれぞれマーク部の正面
図、側面図、上面図、同図(D)はセンサ96を含む面上
での回折光とセンサ96との関係を示す説明図である。
本実施例においてグレーティングレンズ93,94はいず
れも矩形形状であり、アライメント光束はこの矩形の一
辺(x軸方向)に対し垂直を成す方向から入射する。グ
レーティングレンズ93,94により透過回折させてレンズ
作用を受けた光束をアライメント光束としてセンサ96面
上の信号検出領域96dへ入射させる。この光束のセンサ9
6面上への入射位置から第1,第2物体間の対向方向に垂
直な方向への位置ずれが検出される。この時、グレーテ
ィングレンズ94からの出射光束はx軸方向の辺に対し傾
きを持って出射する。この出射光束を受光するためのセ
ンサ96とノイズとなるグレーティングレンズ94によるフ
ラウンホーファ回折像Fとの関係は第15図(D)に示す
通りである。図中では下よりグレーティングレンズ94の
0次と1次の回折光のフラウンホーファ回折像を示して
いる。
本実施例は第8図の実施例と同様にアライメント光束
の出射方向を傾けてセンサ96の位置をサイドローブから
ずらしている。図では1次の回折光のサイドローブがセ
ンサ96に1部重なる様な位置関係になっているが、例え
ば信号処理の段階で実際に位置ずれ検出の為に使用する
領域(信号検出領域)をサイドローブからずらす事によ
って本発明の効果を達成し得る。
以上の実施例では第1物体(マスク)と第2物体(ウ
エハ)との対向方向に垂直な方向に沿った位置ずれを検
出する装置について述べたが、第1物体と第2物体との
対向方向に沿った位置関係、即ち間隔を測定する位置に
ついても本発明は適用できる。以下その実施例を説明す
る。
第16図は本発明の第10実施例の要部概略図である。第
16図(A),(B),(C)はそれぞれマーク部の正面
図、側面図、上面図、同図(D)は受光手段を含む面上
での受光手段と回折光との関係を説明する図である。
同図において101は半導体レーザーLDからの光束であ
る。半導体レーザーLDば、例えばHe−Neレーザー等に換
えてもよい。102は第1物体で例えばマスク、103は第2
物体で例えばウエハである。104,105は各々マスク102面
上の一部に設けた第1,第2物理光学素子で、これらの物
理光学素子104,105は例えば回折格子やゾーンプレート
等から成っている。
108は受光手段でラインセンサーやPSD等から成り、入
射光束の重心位置を検出している。109は信号処理回路
であり、受光手段108からの信号を用いて受光手段108上
に入射した光束の重心位置を求め、後述するようにマス
ク2とウエハ3との間隔d0を演算し求めている。
マスク2とウエハ3は最初に図に示す様に基準となる
間隔d0を隔てて対向配置されている。このときのd0の値
は例えばTM−230N(商品名:キャノン株式会社製)等の
装置を用いて測定している。
本実施例においては半導体レーザーLDからの光束101
は(波長λ=830nm)をマスク102面上の第1フレネルゾ
ーンプレート(以下FZPと略記する)104面上の点に垂直
に入射させている。そして第1のFZP104からの角度θ1
で回折する所定次数の回折光をウエハ103面上の点B
(C)で反射させている。このうち反射光131はウエハ1
03がマスク102との間隔d0の位置P1に位置しているとき
の反射光、反射光132はウエハ103が位置P1から距離dG
け変位して、位置P2にあるときの反射光である。
次いでウエハ103からの反射光を第1物体102面上の第
2のFZP105面上の点D(ウエハが位置P2にあるときは
E)に入射させている。
尚、第2のFZP5は集光レンズの様に入射光束の入射位
置に応じて出射回折光の射出角を変化させる光学作用を
有している。このときのFZP5の焦点距離をfMとする。
そして第2のFZP5から回折した所定次数の回折光161
(ウエハがP2にあるときは162)を受光手段108面上に導
光している。
そして、このときの受光手段108面上における入射光
束161(ウエハがP2にあるときは162)の重心位置を用い
てマスク102とウエハ103との間隔を演算し求めている。
ここで本実施例においては、第1のFZP104は単に入射
光を折り曲げる作用をしているが、この他収束、又は発
散作用を持たせるようにしても良い。
演算の方法を以下に述べる。FZP5の焦点位置から受光
手段までの距離lS、ウエハが位置P1から位置P2までギャ
ップ変化したときの受光手段108上での光束の移動量を
Sとすると以下の式が成り立つ。
ここで AD=2d0tanθ1 AE=2(d0+dG)tanθ1 ∴dM=DE=AE−AD=2dGtanθ1 従って となる。lS,fM,θ1は前もって求めておくことが可能で
ある。よって受光手段で光束の移動量Sを求めれば、こ
の式より距離dGが求まり、これによりマスクとウエハの
間隔が検出される。この時lS値を大きくとることで距離
dGの値に対するSの値を大きくし微細なギャップ変化量
を拡大し光束移動量に変換して検出することができる。
本実施例においては第6図に示した実施例同様マーク
形状を6角形にして回折光のサイドローブの方向が受光
手段方向からずれる様にしている。第16図(D)に受光
手段108面上のフラウンホーファ回折像パターンF及び
信号光161を示す。入射光101が第1物体102上の入射パ
ターン104及び出射パターン105全面に照射された場合の
不要回折光分布は図の様になり受光手段108上の信号検
出領域108aは入射しないことを示す。
本実施例においてはパターン104及び105の0次回折以
外の回折光のフラウンホーファ回折像は検出領域108aか
ら大きくはずれる為、0次回折光のフラウンホーファ回
折像のみ示してある。同図でわかる様にサイドローブが
受光手段108上にかかっているが信号検出領域がこのサ
イドローブを避けて設けてあるので問題ない。
第17図は本発明の第11実施例の要部概略図で、第17図
(A),(B),(C)はそれぞれマーク部の正面図、
側面図、上面図、同図(D)は受光手段を含む面上での
受光手段と回折光との関係を示す説明図である。本実施
例は第16図の装置と同様の間隔測定装置である。ただし
FZP104,105は矩形状に形成されている。更にFZP104,105
の0次回折光のフラウンホーファ回折像が受光手段108
に入射するのを回避する為にFZP105からの出射光の出射
角とこれを受光する受光手段の信号検出領域108a位置を
調整している。これによって第15図の実施例同様フラウ
ンホーファ回折像Fのサイドローブに対して受光手段10
8の信号検出領域108aをずらしている。この様子は第17
図(D)に示される。
第18図は本発明の第12実施例の要部概略図で、第18図
(A),(B),(C)はそれぞれマーク部の正面図、
側面図、上面図、同図(D)は受光手段を含む面上での
受光手段と回折光との関係を示す説明図である。本実施
例は第17図の装置と同様の間隔測定装置である。ただし
本実施例はFZP104,105の0次回折光のフラウンホーファ
回折像が受光手段108の信号検出領域108aに入射しない
様に信号光101の入射方向を調整したものである。信号
検出領域108aはFZP104,105に対しx方向に沿った辺に垂
直な方向に設けられる。入射光をx方向に沿った辺に対
して傾きを持って入射させることにより、第18図(D)
に示す様にフラフンホーファ回折像Fの位置を信号検出
領域108aに対してずらすことができる。
第19図は本発明の第13実施例の要部概略図で、第19図
(A),(B),(C)はそれぞれマーク部の正面図、
側面図、上面図、同図(D)は受光手段を含む面上での
受光手段と回折光との関係を示す説明図である。本実施
例は第18図の装置に対し、出射光の方向と信号検出領域
の位置も調整したものである。具体的にはマーク中心か
らみて光束の入射方向と信号検出領域中心へ向かう方向
とのマスク102面上への射影成分がx方向に沿ってた辺
に対して同角度傾けている。この場合のフラウンホーフ
ァ回折像Fと信号検出領域108aとの関係は第19図(D)
の様になる。
第20図は本発明の第14実施例の要部概略図で、第20図
(A),(B),(C)はそれぞれマーク部の正面図、
側面図、上面図、同図(D)は検出来を含む面上での検
出面9と回折光との関係を示す説明図である。本実施例
は第2図に示した実施例同様矩形の物理光学素子3,4を
スクライブライン21,22に対して傾けて設けている。た
だし本実施例で入射光束5は先に物理光学素子4に入射
し、出射した1次回折光が物理光学素子3に入射して出
射回折光束7を発生している。ここで5a0,5a2,5a3はそ
れぞれ物理光学素子4における0次、2次、3次反射回
折光、7a0は物理光学素子3における非回折透過光であ
る。矩形物理光学素子3,4の各辺のスクライブライン方
向との成す角は45゜にしてある。これによりフラウンホ
ーファ回折像Fと検出面9上の信号検出領域9aとの位置
関係を第20図(D)に示す様にしてサイドローブが信号
検出領域9aに入射しない様にできる。図では下より物理
光学素子4による2次と3次の回折光のフラウンホーフ
ァ回折像がより検出面に近い方向に発生する不要回折光
として示してある。この様にウエハ側の回折格子に先に
入射させるものでも本願発明は適用可能である。
第21図は本発明の第15実施例の要部概略図で、第21図
(A),(B),(C)はそれぞれマーク部の正面図、
側面図、上面図、同図(D)は受光手段を含む面内にお
ける受光手段と回折光の関係を示す説明図である。本実
施例は第17図の装置と同様の間隔測定装置である。ただ
し、入射光束は等ピッチの直線回折格子104aで回折され
た後、ウエハ103で反射され、再び先程と同じ直接回折
格子104aで回折されて出射する。このときの出射光束16
1は受光手段108上でマスク、ウエハギャップ量変化に応
じて移動する。この光束位置を検出してギャップ量測定
を行なう。図中101a0,101a1は入射光束101により格子10
4aで生じた、それぞれ0次、1次の反射回折光であり、
131a0ウエハ103からの反射光束131により格子104aで生
じた非回折透過光(0次透過回折光)である。格子104a
はx,y両方向に沿った辺を有する矩形状であり、入射光1
01はyz面内に光路を有する。受光手段108の信号検出領
域108aは格子104aからyz面に含まれない方向に出射する
出射光束161を受光する様に配置され、これにより第21
図(D)の様にサイドローブが信号検出領域108a上に来
ない様にできる。この様に回折格子1個の場合も本願は
適用可能である。
第22図は本発明の第16実施例の要部概略図で、第22図
(A),(B),(C)はそれぞれマーク部の正面図、
側面図、上面図、同図(D)はセンサを含む面上でのセ
ンサと回折光との関係を示す説明図である。本実施例は
第8図の実施例と同様の位置ずれ検出装置である。ただ
し本実施例においてマスク91上には2つのグレーティン
グレンズ94c,94dが形成されており、アライメント光束9
7はグレーティングレンズ94cに入射し、このときの1次
回折光がアライメント97としてウエハ92上のグレーティ
ングレンズ93で更に回折し、このときの1次回折光が更
にグレーティングレンズ94dで回折して、このとき出射
する1次回折光の出射アライメント光束としてセンサ96
上に導光する。アライメント光束の光路はグレーティン
グレンズ93に入射するまでyz面内に含まれるかグレーテ
ィングレンズ93にてyz面に含まれない方向に偏向され
る。グレーティングレンズ94c,94dがx,y方向に沿った辺
を有する矩形状であり、出射光をこの様に設定し、この
出射光を受光できる様に第22図(D)で示す様なセンサ
96の信号検出領域96aの位置設定をすることにより、グ
レーティングレンズ94c,94dからの回折光のフラウンホ
ーファ回折像Fのサイドローブが信号検出領域に入射す
ることを阻止できる。図では下よりグレーティングレン
ズ94c,94dの0次、1次の回折光のフラウンホーファ回
折像を示してある。この様に3つ以上の回折格子を使用
する場合、あるいは3回回折した光束を位置検出に用い
る場合も本願は適用可能である。
以上述べた実施例について、信号検出部に不要回折光
が入射しない様、マークの直線部を傾けること、入射光
の入射方向、あるいは検出部の方向を傾けることはそれ
ぞれの実施例において置き換えてもかまわない。
(発明の効果) 本発明によれば第1物体に対する第2物体の位置検出
を行う際、前述の如く各要素を設定することにより、各
物理光学素子の開口形状に対応するフラウンホーファー
回折パターンの分布にアライメント用の信号光束がセン
サ面上で重ならないようにすることができ、位置検出誤
差要因の一つであるフラウンホーファー回折光の影響を
取り除くことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例の概略図、第2図(A),
(B),第3図は各々第1図の光学作用の原理とグレー
ティングレンズのパターンを示す説明図、第4図は第1
図の一部分を上方から見たときの説明図、第5図,第6
図は各々本発明の第2,第3実施例の要部概略図、第7図
は第6図に示すグレーティング素子のパターンの説明
図、第8図は本発明の第4実施例の要部概略図、第9図
は第8図のアライメントパターンの一実施例の概略図、
第10図(A),(B)は本発明の第5実施例の要部概略
図、第11図は本発明の第5実施例におけるセンサ面上に
おける不要光との関係を示す説明図、第12図(A),
(B)は本発明の第6実施例の要部概略図、第13図〜第
22図は各々本発明の第7〜第16実施例の要部概略図、第
23図〜第26図は本発明に係る回折格子の開口形状をフラ
ウンホーファー回折像との関係を示す説明図、第27図,
第28図は各々従来のゾーンプレートを用いた位置合わせ
装置の説明図である。 図中、10は光源、11はコリメーターレンズ、12は投影レ
ンズ系、1,91は第1物体、2,92は第2物体、3,93は第1
物理光学素子、4,94は第2物理光学素子、8は検出器、
9,96は検出面、21,22,195a,195bはスクライブラインで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 直人 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 吉井 実 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 黒田 亮 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向配置した第1物体と第2物体の少なく
    とも一方に回折格子を設け、投光手段からの位置検出用
    光束を該第1物体と第2物体を介した後、受光手段面上
    に導光し、該位置検出用光束の該受光手段面上への入射
    位置を検出することにより該第1物体に対する該第2物
    体の位置を検出する際、該受光手段に入射する該位置検
    出用光束は該第1物体と第2物体の少なくとも一方に設
    けた回折格子により全体として少なくとも2回の回折作
    用を受けており、該受光手段は該第1物体と第2物体の
    少なくとも一方に設けた回折格子のうち少なくとも一方
    の回折格子から生ずる不要回折光が入射しない領域に配
    置されていることを特徴とする位置検出装置。
  2. 【請求項2】対向配置した第1物体と第2物体の少なく
    とも一方に回折格子を設け、投光手段からの位置検出用
    光束を該第1物体と第2物体を介した後、受光手段面上
    に導光し、該位置検出用光束の該受光手段面上への入射
    位置を検出することにより該第1物体に対する該第2物
    体の位置を検出する際、該受光手段は該第1物体と第2
    物体の少なくとも一方に設けた回折格子のうち少なくと
    も一方の回折格子K1から生ずる任意の回折光束の主光線
    ベクトル及び該回折格子K1によって定まる任意のフラウ
    ンホーファ回折ベクトルと交叉しない領域に設けられて
    いることを特徴とする位置検出装置。
  3. 【請求項3】対向配置した第1物体と第2物体の少なく
    とも一方に回折格子を設け、投光手段からの位置検出用
    光束を該第1物体と第2物体を介した後、受光手段面上
    に導光し、該位置検出用光束の該受光手段面上への入射
    位置を検出することにより該第1物体に対する該第2物
    体の位置を検出する際、該受光手段に入射する該位置検
    出用光束は該第1物体と第2物体の少なくとも一方に設
    けた回折格子により全体として少なくとも2回の回折作
    用を受けており、該受光手段は該第1物体と第2物体の
    少なくとも一方に設けた回折格子のうちの少なくとも一
    方の回折格子K3の外周上の任意の直線の法線方向から外
    れた領域の該回折格子K3から生ずる不要回折光が入射し
    ない領域に配置されていることを特徴とする位置検出装
    置。
  4. 【請求項4】対向配置した第1物体と第2物体の少なく
    とも一方に回折格子を設け、投光手段からの位置検出用
    光束を該第1物体と第2物体を介した後、受光手段面上
    に導光し、該位置検出用光束の該受光手段面上への入射
    位置を検出することにより該第1物体に対する該第2物
    体の位置を検出する際、該受光手段に入射する該位置検
    出用光束は該第1物体と第2物体の少なくとも一方に設
    けた回折格子により全体として少なくとも2回の回折作
    用を受けており、該受光手段は該第1物体と第2物体の
    少なくとも一方に設けた回折格子のうちの少なくとも一
    方の回折格子K3の外周上の任意の直線の法線方向から外
    れた方向でかつ該回折格子K3から生ずる不要回折光が該
    受光手段に入射しない方向より該第1物体又は第2物体
    に該位置検出用光束を入射させていることを特徴とする
    位置検出装置。
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