JPH0731762Y2 - 内視鏡 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は操作部から延出され、先端にコネクタが取付け
られるケーブル部材の連結構造に係る内視鏡に関する。

［従来技術］ 近年、細長の挿入部を体腔内等に挿入することより、対
物レンズで結像した光学像をイメージガイドで後方に伝
送して、体腔内等を観察することのできる内視鏡が広く
用いられるようになった。

又、上記イメージガイドを設けることなく、対物レンズ
の焦点面にCCD等の固体撮像素子を配設した電子式内視
鏡も実用化された。

上記内視鏡は挿入部が可撓性を有する軟性のものにあっ
ては、照明光を伝送するライトガイドが挿通されたライ
トガイドケーブル又はユニバーサルコード等のケーブル
部材が延出され、このケーブル部材の他端には光源手段
等に接続するコネクタが取付けられている。

このケーブル部材の両端部がそれぞれ操作部及びコネク
タに連結されるその連結（結合）部付近では、なめらか
な湾曲が妨げられ、急激に曲げられるため座屈を生じ易
い。

そのため、例えば特開昭59−46933号公報で開示されて
いる様に連結部付近の外周には弾性部材からなる折れ止
め部材が被嵌されている。

第５図は従来例におけるユニバーサルコード１の両端部
分の構造を示す。

このユニバーサルコード１の両端部はそれぞれ操作部２
及びコネクタ部３に結合させるための連結用口金4,5が
取付けてある。又、弾性体よりなる折れ止め部材6,7は
操作部２及びコネクタ部３に着脱自在で取付固定できる
ように取付部材としての金物部材8,9がそれぞれ一体的
に設けられている。

上記折れ止め部材６と一体的に設けられている連結用金
物部材８の最小内径11は、ユニバーサルコード１の他方
の端部にある連結用口金５の最大外径12より小さい。
又、金物部材９と連結用口金５は突きあて構造になって
いる。

［考案が解決しようとする問題点］ このため、組立時には連結用口金4,5をユニバーサルコ
ード１に固定する前に、折れ止め部材６及び７をこのユ
ニバーサルコード１に予め被嵌して装着しておく必要が
あるが、組立作業中、誤ってユニバーサルコード１に折
れ止め部材6,7を先につけてしまうことがあると、後で
これら折れ止め部材6,7を装着して直すことは不可能で
あった。

又、折れ止め部材６は、単に連結部分の折れ止めとして
のみ用いられないで、この折れ止め部材６を握ったり、
スコープハンガに引っかけたりといろいろな使い方をさ
れるので、この折れ止め部材６は損傷し易い。

しかし、組立中、あるいは製品になった後、折れ止め部
材６又は７に切れ等の不具合が発生した場合、問題とな
るその折れ止め部材のみの交換を行うことができず、そ
の場合ユニバーサルコード１に折れ止め部材を装着した
ものを１つのユニットとして交換しなければならなかっ
た。

このため、折れ止め部材６に比べ、高価なユニバーサル
コード１を破棄しなければならなくなる。又、折れ止め
部材６近傍で、ユニバーサルコード１は挫屈、損傷し易
いが、その場合長目の折れ止め部材と交換し、損傷部分
を覆い、補強するというリペア方法は採用できず、高価
なユニバーサルコード１を再利用できないという欠点が
あった。

本考案は上述した点にかんがみてなされたもので、ケー
ブル部材の両端に口金部材を取付けた後でも、折れ止め
部材の着脱を行うことができる連結機構を有する内視鏡
を提供することを目的とする。

［問題点を解決する手段及び作用］ 本考案では両端に口金部材が固着されるケーブル部材の
両端を被嵌する折れ止め部材に内装され、取付用の金物
部材の最小内径を少くとも一方の口金部材の最大外径よ
り大きく設定することにより、口金部材を固着した後で
も折れ止め部材の着脱を行えるようにしている。

［実施例］ 以下、図面を参照して本考案を具体的に説明する。

第１図及び第２図は本考案の第１実施例に係り、第１図
は第１実施例におけるユニバーサルコードの一方の端部
付近の構造を示し、第２図は第１実施例の電子内視鏡を
示す。

第２図に示すように第１実施例の電子内視鏡21は可撓性
の挿入部22を有し、この挿入部22の後端には太幅の操作
部23が連設されている。この操作部23の側部にはアング
ルノブ24が設けられ、該アングルノブ24を回動すること
により、挿入部22の先端近くに形成した湾曲部25を上下
とか左右方向に湾曲できるようにしてある。

上記挿入部22の後端の操作部23の連結部分には折れ止め
部材26が被嵌してある。

上記操作部23には、照明光を伝送するライトガイド（図
示略）と、挿入部22の先端部に内蔵した固体撮像素子
（図示略）に接続された信号ケーブルとが挿通されるユ
ニバーサルコード27の一方の端部が連結され、このユニ
バーサルコード27の他方の端部にはコネクタ部28が取付
けられる。

上記ユニバーサルコード27が操作部23に連結される端部
及びコネクタ部28に連結される端部にはそれぞれ折れ止
め部材29,30で被嵌される。

この第１実施例においては、ユニバーサルコード27の端
部とコネクタ部28との連結部分を第１図に示すような構
造にしている。

ユニバーサルコード27のコネクタ側端部には連結用口金
31が、該ユニバーサルコード27と接着固定され、一体構
造になっている。

この口金31の外径はコネクタ部28の（コネクタ）外装部
材32から突出させた連結用突出部33の内径とほぼ等しく
してあり、この突出部33に嵌入した後、この突出部33か
ら口金31に連通するねじ孔にねじ34を螺入させることに
より、この口金31とコネクタ部28とを連結固定できるよ
うにしてある。

一方、上記ユニバーサルコード27の端部を被覆する折れ
止め部材30は、弾性材で形成され、この折れ止め部材30
には連結用（取付用）の金物部材35が内装され、一体構
造になっている。

例えば、この折れ止め部材30は、その内径がテーパ状に
拡径にされ、細径の端部はユニバーサルコード27の外周
に密着し、拡径にされた部分の内周に凹部を形成して、
コネクタ部28への取付部材となる金物部材35が内装さ
れ、一体化された構造になっている。

この金物部材35は、コネクタ寄りの部分の内径が拡径に
され、上記突出部33の外周面に形成した雄ねじ部と螺合
する雌ねじ部を設けて、ねじ嵌合部36を形成してある。

上記口金31と、この口金31の外周部分に対向する金物部
材35との間には、例えば口金31に周溝を設けて水密用の
Ｏリング37が嵌装されている。

この第１実施例では金物部材35の最小内径41を口金31の
最大外径42よりも大きく設定してあることが特徴となっ
ている。

従って、ユニバーサルコード27の端部に口金31を取付け
た後の状態でも、口金31の最大外径を42より大きい最小
内径41を有する金物部材35が一体化された折れ止め部材
30を着脱できるようになっている。

尚、この実施例では、口金31の最大外径42は、折れ止め
部材30の最小内径より若干大きいが、折れ止め部材30は
弾性を有するので、この口金31を乗り越えて着脱でき
る。

次にこの第１実施例の作用を以下に説明する。

ねじ嵌合部36をゆるめ、ねじ34を外すと、コネクタ外装
部材32をユニバーサルコード27と別体にできる。その
後、折れ止め部材30をユニバーサルコード27よりコネク
タ側に引っぱると、折れ止め部材30に内装した金物部材
35の最小内径41が口金31の最大外径42よりも大きいの
で、折れ止め部材30をユニバーサルコード27から引き抜
ける。

又、引き抜いた後に、再び折れ止め部材30をユニバーサ
ルコード27に装着することもできる。

この第１実施例によれば、次の効果を有する。

ユニバーサルコード27と折れ止め部材30を分離できるの
で、折れ止め部材30に切れ等の不具合が発生した場合、
その不具合が発生した折れ止め部材のみを交換できる。
従って、リペア費用が安価になり、ユニバーサルコード
27及びこのユニバーサルコード27の操作部23側の端部に
使用される折れ止め部材29を再利用できる。

尚、ユニバーサルコード27は折れ止め部材30近傍で挫屈
し易い。この第１実施例の構造にすれば、折れ止め部材
27又は連結用金物部材35の長さが異なる複数種の折れ止
めを用意しておき、ユニバーサルコード27が折れ止め部
材27の端部近傍で挫屈した時に、挫屈部分を覆ってしま
う長い折れ止めに交換することにより、挫屈部分を折れ
止めにより補強隠蔽し、ユニバーサルコード27を再利用
することもできる。もちろん、その際に挫屈折部を補修
部材にて屈曲不可能に補修した後上記長い折れ止めに交
換しても良い。

又、ユニバーサルコード27の端部に連結用口金31を固定
した後でも、折れ止め部材30を装着できるため、組立時
に連結用口金31を固定する前に折れ止め部材30を被嵌、
装着し忘れるといった誤組立がなくなる。

尚、この実施例は、コネクタ側の折れ止め部材27のみで
なく、操作部23側の折れ止め部材29にも採用でき、この
操作部23側に採用すればその折れ止め部材29でも同じ効
果が得られる。

第３図は本考案の第２実施例の光学式内視鏡51を示す。

この光学式内視鏡（ファイバスコープ）51は、第１実施
例の電子内視鏡21における固体撮像素子を用いないで、
イメージガイド（図示略）が用いてあり、このイメージ
ガイドにより、光学像を接眼部52に伝送する。

又、この光学式内視鏡51では、操作部23から外部にライ
トガイドケーブル53が延出されるようになっている。こ
のライトガイドケーブル53が操作部23に連結される端部
及びコネクタ部54に連結される端部は、それぞれ折れ止
め部材55及び30で被嵌される。

ところで、上記ライトガイドケーブル53の両端部の構造
を第４図に示す。

ライトガイドケーブル53における操作部23に連結される
一方の端部と、コネクタ部54に連結される他方の端部に
はそれぞれ連結用口金56,31が固着され、該ライトガイ
ドケーブル53と両連結用口金56,31は一体構造になって
いる。

一方、操作部23側の折れ止め部材55は弾性部材で形成さ
れ、その内径はライトガイドケーブル53の外周面に密着
する細径部分からテーパ状に拡径にされ、拡径にされた
端部内周に凹部を形成して、連結用（取付用）の金物部
材57が内装され、接着等により折れ止め部材55と一体構
造にしてある。又、コネクタ側の折れ止め部材30も同様
に弾性部材で形成され、連結用金物部材35が内装され、
折れ止め部材30と一体構造となっている。

上記連結用口金56の外周面には、操作部23側の連結用部
材58と嵌合する嵌合部59及び固定用ねじ部60とが設けて
ある。

又、上記折れ止め部材55に内装された連結用金物部材57
は拡径にした内周面にねじ部61を設けて、上記操作部23
側の連結用部材58の外周面に設けたねじ部と螺合し、着
脱自在で取付けられるようにしてある。

尚、口金56の嵌合部59には周溝が設けられ、水密用のＯ
リング62が嵌装される。

この実施例では操作部23側の折れ止め部材55に一体化さ
れた金物部材57の最小内径63をライトガイドケーブル53
の最大外径64及びコネクタ側端部に固着される連結用口
金31の最大外径42よりも大きく設定してあることが特徴
となっている。

尚、コネクタ側の折れ止め部材30、金物部材35は、第１
実施例で述べたものと同一の構造であり（但し、第１実
施例のユニバーサルコード27をライトガイドケーブル53
と置換した場合）、この折れ止め部材30はライトガイド
ケーブル53から着脱可能となっている。

この第２実施例の作用を以下に説明する。

コネクタ側の折れ止め部材30を第１実施例と同様にして
外した後、操作部23側の折れ止め部材55をコネクタ側に
引っ張ると、この折れ止め部材55に一体的に内装された
金物部材57の最小内径63は、ライトガイドケーブル53の
最大外径64、口金31の最大外径42よりも大きく設定して
あるので、このライトガイドケーブル53から外すことが
できる。又、逆の手順で装着することもできる。

尚、この第２実施例ではライトガイドケーブル53におけ
る操作部23に取付けられる側の端部に固着される口金56
は、連結用部材58の内径より大きい内径部分の抜け止め
部が設けてあるが、これに限定されるものでなく、ねじ
部60よりも操作部23側の口金部分を細径にしたものでも
良い。

又、上記第２実施例において、コネクタ側の折れ止め部
材30の連結用金物部材35の最小内径41がライトガイドケ
ーブル53及び操作部23側端部の連結用口金56の最大外径
より大きい場合においても、同様の効果が得られる。

尚、上記第１実施例は電子内視鏡21であり、第２実施例
は光学式内視鏡（いわゆるファイバスコープ）51の側に
ついて説明してあるが、第１図，第４図に示す構造はい
ずれの内視鏡にも適用できることは明らかである。

尚、両端をそれぞれ折れ止め部材で被嵌する場合、各折
れ止め部材に内装される金物部材としては、その最小内
径を少くとも一方の口金（部材）の最大外径より大きく
することが望ましい。又、この場合、例えばコネクタ側
の口金部材の最大外径より大きく設定するようにしても
良い。

尚、口金部材をユニバーサルコード又はライトガイドケ
ーブル等のケーブル部材の外径より小さく設定するよう
にしても良く、この場合には金物部材の最小内径として
はケーブル部材の外径より大きくすれば良い。

尚、挿入部と操作部の連結部分に対しても本考案を適用
しても良い。

［考案の効果］ 以上述べたように本考案によれば、折れ止め部材を取付
けるための金物部材の最小内径をケーブル部材の両端部
に固着される２つの口金部材の少くともその一方の口金
部材の最大外径より大きくしたので、折れ止め部材の交
換が容易にできる等の利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の第１実施例に係り、第１図
は第１実施例におけるユニバーサルコードがコネクタ部
と連結される部分周辺の構造を示す断面図、第２図は第
１実施例の電子内視鏡の外形を示す斜視図、第３図は本
考案の第２実施例の光学式内視鏡の外形を示す斜視図、
第４図は第２実施例におけるライトガイドケーブルの両
端部分の連結部分の構造を示す断面図、第５図は従来例
におけるユニバーサルコードの両端の連結部分の構造を
示す断面図である。 21……電子内視鏡、22……挿入部 23……操作部 27……ユニバーサルコード 28……コネクタ部 29,30……折れ止め部材 31……口金、32……外装部材 34……ねじ、35……金物部材 41……最小内径、42……最大外径

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】両端に取付けられる連結用口金部材を介し
   て、それぞれ操作部及びコネクタ部に連結されるケーブ
   ル部材と、該ケーブル部材の両端近傍を被嵌し、弾性体
   よりなる折れ止め部材と、該折れ止め部材に一体的に設
   けられ、前記操作部及びコネクタ部に対し、該折れ止め
   部材を取付けるための取付部材とを備えた内視鏡におい
   て、前記取付部材の最小内径を前記連結用口金部材の少
   くとも一方の最大外径より大きくしたことを特徴とする
   内視鏡。