JPH07316052A - 直腸内投与組成物 - Google Patents

直腸内投与組成物

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JPH07316052A
JPH07316052A JP6205485A JP20548594A JPH07316052A JP H07316052 A JPH07316052 A JP H07316052A JP 6205485 A JP6205485 A JP 6205485A JP 20548594 A JP20548594 A JP 20548594A JP H07316052 A JPH07316052 A JP H07316052A
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JP
Japan
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fatty acid
group
carbon atoms
salt
benzimidazole
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JP6205485A
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English (en)
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Yoshiaki Uda
良明 宇田
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】直腸粘膜を通して吸収され、有効な血中濃度を
維持して薬効を発揮する安定化された抗潰瘍性を有する
ベンツイミダゾール系化合物の直腸内投与組成物を提供
する。 【構成】抗潰瘍作用を有するベンツイミダゾール系化合
物と炭素数6ないし20の脂肪酸塩とを直腸内投与用基
剤に含有させてなる直腸内投与組成物。 【効果】本発明の直腸内投与組成物は、消化管の潰瘍の
治療に有効であり、組成物中の薬物の安定性に優れ、薬
物の吸収性が促進され、有効な血中濃度を発現し、さら
に薬物の吸収速度をもコントロールすることができる。
また、本発明の直腸内投与組成物は、腸管粘膜において
膨潤して付着し、治療薬を徐々に放出し、長時間にわた
り該薬物を高濃度で、かつ効率的に供給する。このため
微量の薬物投与量で効果を発揮し、かつ副作用が少な
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗潰瘍作用を有するベ
ンツイミダゾール系化合物を含有してなる安定化された
直腸内投与組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ベンツイミダゾール系化合物は、胃酸分
泌抑制作用および胃粘膜防御作用を有しているため、強
力な消化性潰瘍治療剤、潰瘍再発防止剤として注目をあ
びている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記化合物の直腸投与
用組成物としては、1)オメプラゾールにポリエチレン
グリコール又はアデプスソリダスとラウリル硫酸ナトリ
ウムの調合物、及び水溶性の塩基性アミノ酸を含有せし
めた直腸投与組成物(特開平4−234817号公
報)、2)オメプラゾール化合物を、中性脂肪塩基を用
いて坐薬の形態に調整すること(特開昭59−1675
87号公報)、および3)抗潰瘍作用を有する2−
〔(2−ピリジル)メチルスルフィニル〕ベンズイミダ
ゾール系化合物と酸価が1.3以下でかつ水酸基価が4
0以下のハードファットとを含有する坐剤(特開平5−
213752号公報)が報告されているものの、組成物
中の活性物質の安定性は十分満足できるものではない。
また、特開平5−132416号公報には消化管粘膜付
着性マトリックスが報告されているが、この粘膜付着性
マトリックスを利用した直腸投与用組成物についての記
載はない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の問
題点を解決するべく長期にわたって鋭意研究し、直腸内
のpHが7.0前後の中性又は弱アルカリ性に維持され
ていること、直腸内投与にすると初回通過効果(First-
Pass Effect)による薬物の代謝が少なく、長時間にわ
たり有効な血中濃度が得られることが可能なことに着目
した。そこで、直腸粘膜からの吸収性を利用するべく直
腸内投与製剤組成物を製造し、更に、これに安定化剤と
して中級脂肪酸塩を使用し、直腸投与用組成物中での長
期安定を可能せしめた。これら中級脂肪酸塩の使用によ
り、安定化効果に加え、吸収促進の効果も発揮し、有効
な吸収性、有効な血中濃度即ち有効な薬効発現を達成す
ることを見いだした。そしてこれらの知見に基づきさら
に研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0005】本発明は、(1)抗潰瘍作用を有するベン
ツイミダゾール系化合物と炭素数6ないし20の脂肪酸
塩とを直腸内投与用基剤に含有させてなる直腸内投与組
成物、(2)ベンツイミダゾール系化合物が、2−
〔(ピリジル)−メチルスルフィニルまたは−メチルチ
オ〕ベンツイミダゾール誘導体またはその塩である上記
(1)記載の組成物、(3)ベンツイミダゾール系化合
物が一般式
【化2】 (式中、A環は置換されていてもよく、R1、R3および
4は同一または異なって水素、アルキル基またはアル
コキシ基を、R2は置換基を有していてもよい炭化水素
基を、nは0または1をそれぞれ示す)で表わされる化
合物またはその塩である上記(1)記載の組成物、
(4)脂肪酸塩が、炭素数8ないし16の飽和脂肪酸ま
たは炭素数12ないし18の不飽和脂肪酸の塩である上
記(1)記載の組成物、(5)炭素数6ないし20の脂
肪酸塩が、炭素数6ないし20の脂肪酸とアルカリ金属
またはアンモニアとの塩である上記(1)記載の組成
物、(6)アルカリ金属塩がナトリウム塩である上記
(5)記載の組成物、(7)抗潰瘍作用を有するベンツ
イミダゾール系化合物および炭素数6ないし20の脂肪
酸塩が粘膜付着性マトリックス内に分散してなる上記
(1)記載の組成物、(8)粘膜付着性マトリックス
が、ポリグリセリン脂肪酸エステルに水で粘性を生じる
物質を配合してなる上記(7)記載の組成物、(9)水
で粘性を生じる物質がアクリル酸系重合体またはその塩
である上記(8)記載の組成物、(10)炭素数6ない
し20の脂肪酸塩が組成物全体に対して約0.5ないし
30重量%である上記(1)記載の組成物、(11)R
1がC1-3アルキル基、R2がハロゲンもしくはC1-4アル
コキシ基で置換されていてもよいC1-4アルキル基、R3
およびR4が水素である上記(3)記載の組成物、(1
2)抗潰瘍作用を有するベンツイミダゾール系化合物
が、2−[2−[3−メチル−4−(2,2,2−トリフル
オロエトキシ)ピリジル]メチルスルフィニル]ベンツイ
ミダゾールである上記(1)記載の組成物、(13)抗
潰瘍作用を有するベンツイミダゾール系化合物が、2−
[2−[3−メチル−4−(2,2,3,3−テトラフルオロ
プロポキシ)ピリジル]メチルチオ]ベンツイミダゾール
である上記(1)記載の組成物、(14)抗潰瘍作用を
有するベンツイミダゾール系化合物が、2−[2−(3,
5−ジメチル−4−メトキシピリジル)メチルスルフィ
ニル]−5−メトキシ−1H−ベンツイミダゾールであ
る上記(1)記載の組成物、(15)抗潰瘍作用を有す
るベンツイミダゾール系化合物が、2−[2−[4−(3
−メトキシプロポキシ)−3−メチルピリジル]メチルス
ルフィニル]−1H−ベンツイミダゾールナトリウム塩
である上記(1)記載の組成物、および(16)抗潰瘍
作用を有するベンツイミダゾール系化合物が、2−[2
−(3,4−ジメトキシピリジル)メチルスルフィニル]−
5−ジフルオロメトキシ−1H−ベンツイミダゾールで
ある上記(1)記載の組成物を提供するものである。
【0006】本発明の抗潰瘍作用を有するベンツイミダ
ゾール系化合物としては、例えば2−〔(ピリジル)−
メチルスルフィニルまたは−メチルチオ〕ベンツイミダ
ゾールまたはその誘導体が挙げられる。このうち好まし
くは以下の一般式(I)で示される化合物があげられる。
【化3】 〔式中、A環は置換されていてもよく、Rbは水素原
子、アルキル基、アシル基、カルボアルコキシ基、カル
バモイル基、アルキルカルバモイル基、ジアルキルカル
バモイル基、アルキルスルホニル基を、Rc、Reおよび
gは同一または異なって水素原子、アルキル基、アル
コキシ基またはアルコキシアルコキシ基を、Rdは水素
原子、アルキル基または式 −ORf(式中、Rf は置換
基を有していてもよい炭化水素基を示す)で表される基
を、q は0または1をそれぞれ示す。〕 これらの化合物は、例えば特開昭52−62275号公
報、特開昭54−141783号公報、特開昭57−5
3406号公報、特開昭58−135881号公報、特
開昭58−192880号公報、特開昭59−1812
77号公報、特開昭61−50978号公報、特開昭6
2−116576号公報、特開昭62−277322号
公報、特開昭62−258320号公報、特開昭62−
258316号公報、特開昭62−277392号公
報、特開昭64−6270号公報、特開昭64−791
77号公報、特開平5−59043号公報、ヨーロッパ
特許公開第166287号公報、ヨーロッパ特許公開第
519365号公報などに記載されている。
【0007】上記一般式(I)において、A環が置換さ
れている場合の置換基としては、例えば、ハロゲン原
子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていて
もよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルケ
ニル基、置換されていてもよいアルコキシ基、シアノ
基、カルボキシ基、カルボアルコキシ基、カルボアルコ
キシアルキル基、カルバモイル基、カルバモイルアルキ
ル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基、アシル
基、カルバモイルオキシ基、ニトロ基、アシルオキシ
基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルチオ基ま
たはアルキルスルフィニル基等が挙げられる。以下、上
記各置換基について説明する。ハロゲン原子としては、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げれられる。この中
で、フッ素、塩素が好ましい。さらにフッ素が特に好ま
しい。置換されていてもよいアルキル基におけるアルキ
ル基としては、炭素数1〜10の直鎖または分枝状のも
の(例、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチ
ル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキ
シル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等)が挙げ
られる。この中で炭素数1〜6の直鎖または分枝状のも
のが好ましい。さらに炭素数1〜3の直鎖または分枝状
のものが好ましい。該アルキル基の置換基としては、例
えばハロゲン、ニトロ、アミノ基(アルキル基、アシル
基等を1〜2個置換基として有していてもよい。)、シ
アノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミジノ基、グ
アニジノ基、カルバモイル基などが挙げられる。
【0008】置換されていてもよいシクロアルキル基に
おけるシクロアルキル基としては、例えば炭素数3〜7
のシクルアルキル基が挙げられる。該シクロアルキル基
の具体例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シ
クロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが
挙げられる。該シクロアルキル基は置換基を有していて
もよく、該置換基としては、例えばハロゲン、ニトロ、
アミノ基(アルキル基、アシル基等を1〜2個置換基と
して有していてもよい。)、シアノ基、ヒドロキシ基、
カルボキシ基、アミジノ基、グアニジノ基、カルバモイ
ル基などが挙げられる。置換されていてもよいアルケニ
ル基におけるアルケニル基としては、例えば炭素数2〜
16の直鎖あるいは分枝状アルケニル基がよい。該アル
ケニル基の具体例としては、例えばアリル (allyl)、ビ
ニル、クロチル、2−ペンテン−1−イル、3−ペンテ
ン−1−イル、2−ヘキセン−1−イル、3−ヘキセン
−1−イル、2−メチル−2−プロペン−1−イル、3
−メチル−2−ブテン−1−イル等が挙げられる。この
中で炭素数2〜6の直鎖あるいは分枝状のアルケニル基
が好ましい。さらに炭素数2〜4の直鎖あるいは分枝状
のアルケニル基が好ましい。該アルケニル基は置換基を
有していてもよく、該置換基としては、例えばハロゲ
ン、ニトロ、アミノ基(アルキル基、アシル基等を1〜
2個置換基として有していてもよい。)、シアノ基、ア
ミジノ基、グアニジノ基などの基が挙げられる。上記ア
ルケニル基は二重結合に関する異性体(E、Z体)を包含
する。置換されていてもよいアルコキシ基におけるアル
コキシ基としては、 例えば炭素数1〜10のアルコキシ
基が挙げられる。該アルコキシ基の具体例としては、例
えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポ
キシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、te
rt−ブトキシ、n−ペントキシ、イソペントキシ、ネオ
ペントキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチ
ルオキシ、ノニルオキシ、シクロブトキシ、シクロペン
トキシ、シクロヘキシルオキシ等が挙げられる。この中
で炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。さらに炭素
数1〜3のアルコキシ基が特に好ましい。該アルコシキ
基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、例
えばハロゲン、ニトロ、アミノ基(アルキル基、アシル
基等を1〜2個置換基として有していてもよい。)、ア
ミジノ基、グアニジノ基などの基が挙げられる。
【0009】上記アルキル基、シクロアルキル基、アル
ケニル基およびアルコキシ基上の置換基のハロゲンとし
ては、例えば塩素、臭素、フッ素、ヨウ素が挙げられ
る。上記アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基
およびアルコキシ基上の置換基であるアルキルアミノ基
におけるアルキル基としては、例えば炭素数1〜6の直
鎖あるいは分枝状のアルキル基が好ましい。その具体例
としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソ
プロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec
−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、
イソヘキシルなどが挙げられる。その中で炭素数1〜4
の直鎖あるいは分枝状のアルキル基が特に好ましい。上
記アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基および
アルコキシ基上の置換基であるアシルアミノ基における
アシル基としては、 例えば有機カルボン酸から誘導され
るアシル基が挙げられる。この中で炭素数1〜6のアル
カノイル基が好ましい。その具体例としては、例えばホ
ルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチ
リル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノ
イルなどが挙げられる。その中で炭素数1〜4のアルカ
ノイル基が特に好ましい。上記アルキル基、シクロアル
キル基、アルケニル基およびアルコキシ基上の置換基の
数は1〜6、好ましくは1〜3である。
【0010】置換されたアルキル基の具体例としては、
例えばトリフルオロメチル、トリフルオロエチル、ジフ
ルオロメチル、トリクロロメチル、ヒドロキシメチル、
1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、メトキ
シエチル、エトキシエチル、1−メトキシエチル、2−
メトキシエチル、2,2−ジメトキシエチル、2,2−ジ
エトキシエチル、2−ジエチルホスホリルエチルなどが
挙げられる。これらの中で、ジフルオロメチル、トリフ
ルオロメチル、ヒドロキシメチルが好ましい。さらにト
リフルオロメチルが特に好ましい。置換されたシクロア
ルキル基の具体例としては、例えば2−アミノシクロプ
ロパン−1−イル、4−ヒドロキシシクロペンタン−1
−イル、2,2−ジフルオロシクロペンタン−1−イル
などが挙げられる。置換されたアルケニル基の具体例と
しては、例えば2,2−ジクロロビニル、3−ヒドロキ
シ−2−プロペン−1−イル、2−メトキシビニルなど
が挙げられる。 置換されたアルコキシ基の具体例としては、例えばジフ
ルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2−ト
リフルオロエトキシ、2−メトキシエトキシ、4−クロ
ロベンジルオキシ、2−(3,4−ジメトキシフェニル)
エトキシなどが挙げられる。これらの中でジフルオロメ
トキシが好ましい。
【0011】カルボアルコキシ基のアルコキシ基として
は炭素数1〜7のもの(例、メトキシ、エトキシ、n−
プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブト
キシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキ
シ、イソペントキシ、ネオペントキシ、ヘキシルオキ
シ、ヘプチルオキシ等)が挙げられる。カルボアルコキ
シアルキル基のアルコキシ基としては炭素数1〜4
(例、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロ
ポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキ
シ、tert−ブトキシ等)の、アルキル基としては炭素数
1〜4のもの(例、メチル、エチル、n−プロピル、イ
ソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、te
rt−ブチル等)が挙げられ、その例としては、カルボメ
トキシメチル、2−カルボメトキシエチル、2−カルボ
メトキシプロピル、カルボエトキシメチル、2−カルボ
エトキシエチル、1−カルボメトキシプロピル、2−カ
ルボメトキシプロピル、カルボプロポキシメチル、カル
ボブトキシメチル等が挙げられる。カルバモイルアルキ
ル基のアルキル基としては炭素数1〜4のもの(例、メ
チル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等)が挙
げられる。
【0012】ヒドロキシアルキル基のアルキル基として
は炭素数1〜7のもの(例、メチル、エチル、n−プロ
ピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブ
チル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネ
オペンチル、ヘキシル、ヘプチル等)が挙げられる。ア
シル基およびアシルオキシ基のアシル基としては、それ
ぞれ炭素数1〜4のアルカノイル基が挙げられ、その例
としては、例えばホルミル、アセチル、プロピオニル、
ブチリル、イソブチリルなどが挙げられる。アリール基
およびアリールオキシ基のアリール基としては炭素数6
〜12のもの(例、フェニル、ナフチル等)が挙げられ
る。アルキルチオ基およびアルキルスルフィニル基のア
ルキルとしてはそれぞれ炭素数1〜6のもの(例、メチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、
イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチ
ル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等)が挙げ
られる。置換されたA環上の置換基の数は、1〜4が好
ましく、さらに1〜2が特に好ましい。置換基のベンゼ
ン環上の位置としては、4位および5位が挙げられ、そ
のうち5位が好ましい。A環の好ましい例としては、ハ
ロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換さ
れていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよ
いアルケニル基又は置換されていてもよいアルコキシ基
等で置換されていてもよいA環である。
【0013】Rbで示されるアルキル基としては炭素数
1〜5のもの(例、メチル、エチル、n−プロピル、イ
ソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、te
rt−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチ
ル等)が、アシル基としては炭素数1〜4のもの(例、
炭素数1〜4のアルカノイル基等)が、カルボアルコキ
シ基のアルコキシとしては炭素数1〜4のもの(例、ホ
ルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチ
リル等)が、アルキルカルバモイル基およびジアルキル
カルバモイル基のアルキルとしてはそのアルキルがそれ
ぞれ炭素数1〜4のもの(例、メチル、エチル、n−プ
ロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−
ブチル、tert−ブチル等)が、アルキルスルホニル基の
アルキルとしては上記の炭素数1〜4のものがあげられ
る。 Rbとしては、水素が好ましい。Rc、Reまたは
gで示されるアルキル基としては炭素数1〜10の直
鎖または分枝状のもの(例、メチル、エチル、n−プロ
ピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブ
チル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネ
オペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、
デシル等)があげられる。この中で、炭素数1〜6の直
鎖または分枝状のもの、特に炭素数1〜3の直鎖または
分枝状のものが好ましい。Rc、ReまたはRgで示され
るアルコキシ基としては炭素数1〜10のもの(例、メ
トキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、
n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−
ブトキシ、n−ペントキシ、イソペントキシ、ネオペン
トキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオ
キシ、ノニルオキシ等)があげられる。この中で炭素数
1〜6のアルコキシ基が好ましい。さらに炭素数1〜3
のアルコキシ基が特に好ましい。Rc、ReまたはRg
示されるアルコキシアルコキシ基のアルコキシとしては
それぞれ炭素数1〜4のもの(例、メトキシ、エトキ
シ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、
イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ等)が
あげられる。
【0014】Rcとしては水素原子、アルキル基、アル
コキシ基が好ましい。Reとしては水素原子、アルキル
基、アルコキシ基が好ましい。Rgとしては水素原子が
好ましい。Rdで示されるアルキル基としては炭素数1
〜4のもの(例、メチル、エチル、n−プロピル、イソ
プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert
−ブチル等)があげられる。Rf で示される置換基を有
していてもよい炭化水素基の炭化水素基としては、好ま
しくは炭素数1〜13の炭化水素基、例えば直鎖もしく
は分枝状の炭素数1〜6のアルキル基(例、メチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、
sec−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシルな
ど)、炭素数2〜6のアルケニル基(例、ビニル、アリ
ル、2−ブテニル、メチルアリル、3−ブテニル、2−
ペンテニル、4−ペンテニル、5−ヘキセニルなど)、
炭素数2〜6のアルキニル基(例、エチニル、プロパル
ギル、2−ブチン−1−イル、3−ブチン−2−イル、
1−ペンチン−3−イル、3−ペンチン−1−イル、4
−ペンチン−2−イル、3−ヘキシン−1−イルな
ど)、炭素数3〜6のシクロアルキル基(例、シクロプ
ロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ルなど)、炭素数3〜6のシクロアルケニル基(例、シ
クロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、
シクロヘキサジエニルなど)、炭素数7〜13のアラル
キル基(例、ベンジル、1−フェネチル、2−フェネチ
ルなど)、炭素数6〜10のアリール基(例、フェニ
ル、ナフチルなど)等が挙げられる。この中で直鎖もし
くは分枝状の炭素数1〜6のアルキル基(例、メチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチ
ル、sec−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル
など)が特に好ましい。さらに直鎖もしくは分枝状の炭
素数1〜4のアルキル基が好ましい。
【0015】置換基を有する炭化水素基における置換基
としては、例えばC6-10アリール基(例、フェニル、ナ
フチルなど)、アミノ、C1-6アルキルアミノ基(例、
メチルアミノ、 エチルアミノ、イソプロピルアミノな
ど)、ジC1-6アルキルアミノ基(例、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノなど)、アジド、ニトロ、ハロゲン
(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、ヒドロキシ
ル、C1-4アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プ
ロポキシ、ブトキシなど)、C6-10アリールオキシ基
(例、フェノキシ、ナフチルオキシなど)、C1-6アル
キルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチ
オなど)、C6-10アリールチオ基(例、フェニルチオ、
ナフチルチオなど)、シアノ、カルバモイル基、カルボ
キシル基、C1-4アルコキシカルボニル基(例、メトキ
シカルボニル、エトキシカルボニルなど)、C7-11アリ
ールオキシカルボニル基(例、フェノキシカルボニル、
1−ナフチルオキシカルボニル、2−ナフチルオキシカ
ルボニルなど)、カルボキシ−C1-4アルコキシ基
(例、カルボキシメトキシ、2−カルボキシエトキシな
ど)、C1-6アルカノイル基(例、ホルミル、アセチ
ル、プロピオニル、イソプロピオニル、ブチリル、ペン
タノイル、ヘキサノイルなど)、C7-11アロイル基
(例、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイルな
ど)、C6-10アリールスルホニル基(例、ベンゼンスル
ホニル、1−ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホ
ニルなど)、C1-6アルキルスルフィニル基(例、メチ
ルスルフィニル、エチルスルフィニルなど)、C6-10
リールスルフィニル基(例、ベンゼンスルフィニル、1
−ナフチルスルフィニル、2−ナフチルスルフィニルな
ど)、C1-6アルキルスルホニル基(例、メチルスルホ
ニル、エチルスルホニルなど)、ヘテロ原子(例、窒
素、酸素、硫黄など)を1〜4個含む5または6員複素
環基(例、2−フリル、2−チエニル、4−チアゾリ
ル、4−イミダゾリル、4−ピリジル、1,3,4−チア
ジアゾール−2−イル、1−メチル−5−テトラゾリル
など)、ヘテロ原子(例、窒素、酸素、硫黄など)を1
〜4個含む5または6員複素環カルボニル基(例、2−
フロイル、2−テノイル、ニコチニル、イソニコチニル
など)、ヘテロ原子(例、窒素、酸素、硫黄など)を1
〜4個含む5または6員複素環チオ基(例、4−ピリジ
ルチオ、2−ピリミジルチオ、1,3,4−チアジアゾー
ル−2−イルチオ、1−メチル−5−テトラゾリルチオ
など)などが挙げられ、さらに複素環チオ基はベンゼン
環が縮合して2環性縮合環チオ基(例、2−ベンゾチア
ゾリルチオ、8−キノリルチオなど)を形成していても
よい。この中でハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素など)、ヒドロキシル、C1-4アルコキシ基(例、
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなど)が好
ましい。該置換基の数は1〜5であり、好ましくは1〜
3である。
【0016】Rdとしては、置換されていてもよいアル
コキシ基および置換されていてもよいアルコキシアルコ
キシ基が好ましい。置換されていてもよいアルコキシ基
のアルコキシとしては炭素数1〜8のもの(例、メトキ
シ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−
ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブト
キシ、n−ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキ
シ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ
等)が、置換されていてもよいアルコキシアルコキシ基
のアルコキシとしてはそれぞれ炭素数1〜4のもの
(例、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロ
ポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキ
シ、tert−ブトキシ等)があげられる。Rdとしては、
特にハロゲン化されていてもよい炭素数1〜8、好まし
くは炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン化されてい
てもよいアルコキシアルコキシ基が好ましい。ハロゲン
化されていてもよいアルコキシ基の好ましい例として
は、例えば、2,2,2−トリフルオロエトキシ、2,2,
3,3,3−ペンタフルオロプロポキシ、1−(トリフル
オロメチル)−2,2,2−トリフルオロエトキシ、2,
2,3,3−テトラフルオロプロポキシ、2,2,3,3,
4,4,4−ヘプタフルオロブトキシ、2,2,3,3,4,
4,5,5−オクタフルオロペントキシ、メトキシなどが
あげられる。ハロゲン化されていてもよいアルコキシア
ルコキシ基の好ましい例としては、例えば3−メトキシ
プロポキシなどがあげられる。
【0017】上記式(I)で表わされる化合物のうち、
A環が無置換またはメトキシもしくはトリフルオロメ
チルで置換されおり、Rbが水素で、RcおよびReが同
一または異なって水素またはメチルで、Rdがフッ素化
されていてもよい炭素数1〜5のアルコキシで、Rg
水素で、かつ q が0または1である化合物、A環が
無置換またはフッ素、メトキシもしくはトリフルオロメ
チルで置換されおり、Rbが水素で、Rcが水素またはメ
トキシで、Rdが炭素数3〜8のアルコキシで、Reおよ
びRgが水素で、かつ q が1である化合物およびA環
が無置換またはフッ素、メトキシもしくはトリフルオロ
メチルで置換されおり、Rbが水素で、Rcが炭素数1〜
6のアルコキシで、Rdが炭素数1〜8のフッ素化され
ていてもよいアルコキシで、ReおよびRgが水素で、か
つ q が1である化合物が好ましい。
【0018】本発明で用いられる抗潰瘍作用を有するベ
ンツイミダゾール系化合物として、さらに具体的には、
例えば、一般式(II)
【化4】 (式中、A環は置換されていてもよく、R1、R3および
4は同一または異なって水素、アルキル基またはアル
コキシ基を、R2は置換基を有していてもよい炭化水素
基を、nは0または1をそれぞれ示す)で表される化合
物、さらに、一般式(II')
【化5】 (式中、A'環は置換されていてもよく、R1'およびR
3'は同一または異なって水素、アルキル基またはアルコ
キシ基を、R2'は置換基を有していてもよい炭化水素基
を、X-はアニオンをそれぞれ示す)で表される化合物
である。
【0019】本発明で用いられる抗潰瘍作用を有するベ
ンツイミダゾール系化合物としては、一般式(II)で表
される化合物が特に好ましい。上記一般式(II)、(I
I')において、A環およびA'環としては、前記一般式
(I)のA環と同様のものがあげられる。R1、R3、R
1'、R3'またはR4で示されるアルキル基としては、例
えば炭素数1〜10の直鎖または分枝状のアルキル基が
挙げられる。該アルキル基の具体例としては、例えばメ
チル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペ
ンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプ
チル、オクチル、ノニル、デシルなどが挙げられる。こ
の中で炭素数1〜6の直鎖または分枝状のアルキル基が
好ましい。さらに炭素数1〜3の直鎖または分枝状のア
ルキル基が特に好ましい。
【0020】R1、R3、R1'、R3'またはR4で示され
るアルコキシ基としては、例えば炭素数1〜10のアル
コキシ基が挙げられる。該アルコキシ基の具体例として
は、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ
プロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブト
キシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、イソペントキ
シ、ネオペントキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキ
シ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、シクロブトキシ、
シクロペントキシ、シクロヘキシルオキシ等が挙げられ
る。この中で炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。
さらに炭素数1〜3のアルコキシ基が特に好ましい。R
2またはR2'で示される置換基を有していてもよい炭化
水素基としては、前記Rf で示されるものと同様のもの
があげられる。R1またはR1'としては、C1-6アルキル
基またはC1-6アルコキシ基が好ましい。さらに好まし
くはC1-3アルキル基である。R3またはR3'としては、
水素またはC1-6アルキル基が好ましい。さらに好まし
くは水素である。R2またはR2'としては、ハロゲン、
ヒドロキシルまたはC1-4アルコキシ基で置換されてい
てもよいC1-6アルキル基が好ましい。さらに好ましく
は、ハロゲンまたはC1-4アルコキシ基で置換されてい
てもよいC1-3アルキル基である。R4としては水素が好
ましい。
【0021】X-で示されるアニオンとしては、例えば
ハロゲンイオン(例、ヨードイオン、ブロムイオン、ク
ロルイオンなど)、硫黄イオン、リン酸イオン、硝酸イ
オン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオ
ン、メタンスルフェートイオン、p−トリルスルフェー
トイオン、ベンゼンスルフェートイオン、水酸イオン、
有機酸のカルボキシレートイオン(例、オキザレートイ
オン、マレエートイオン、フマレートイオン、サクシネ
ートイオン、シトレートイオン、ラクテートイオン、ト
リフルオロアセテートイオン、ラクトビオネートイオ
ン、アセテートイオン、プロピオネートイオン、タータ
レートイオン、エチルサクシネートイオンなど)などが
挙げられる。このうちテトラフルオロボレートイオンが
好ましい。
【0022】本発明で用いられる抗潰瘍作用を有するベ
ンツイミダゾール系化合物の具体例として、2−〔2−
〔3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキ
シ)ピリジル〕メチルスルフィニル〕ベンツイミダゾー
ル(ランソプラゾール)、2−〔2−〔3−メチル−4
−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)ピリジ
ル〕メチルチオ〕ベンツイミダゾール(以下、化合物A
と称する)、〔(2−ピリジル)メチルスルフィニル〕
ベンツイミダゾール(チモプラゾール)、2−〔2−
(3,5−ジメチル−4−メトキシピリジル)メチルス
ルフィニル〕−5−メトキシ−1H−ベンツイミダゾー
ル(オメプラゾール)、2−〔2−〔4−(3−メトキ
シプロポキシ)−3−メチルピリジル〕メチルスルフィ
ニル〕−1H−ベンツイミダゾールナトリウム塩(E−
3810)、2−〔2−(3,4−ジメトキシピリジ
ル)メチルスルフィニル〕−5−(ジフルオロメトキ
シ)−1H−ベンツイミダゾール(パントプラゾー
ル)、4−メチル−3−(2,2,2−トリフルオロエト
キシ)−5H−ピリド〔1',2':4,5〕〔1,2,4〕
チアジアノ〔2,3−a〕ベンツイミダゾール−13−
イウム・テトラフルオロボレート等が挙げられる。
【0023】本発明で用いられる抗潰瘍作用を有するベ
ンツイミダゾール系化合物は、例えば上記した各公知文
献(日本及びヨーロッパ特許公開公報)に記載の方法お
よびそれらに準じた方法により製造される。抗潰瘍作用
を有するベンツイミダゾール系化合物は、生理学的に受
容される塩として用いることもできる。生理学的に受容
される塩としては、無機塩基との塩、有機塩基との塩、
塩基性アミノ酸との塩などが用いられる。用いられる無
機塩基としては例えばアルカリ金属(例、ナトリウム、
カリウムなど)、アルカリ土類金属(例、カルシウム、
マグネシウムなど)などが、有機塩基としては、例えば
トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコ
リン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、エタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、トリスヒドロキシメチ
ルアミノメタン、ジシクロヘキシルアミンなどが、塩基
性アミノ酸としては例えばアルギニン、リジンなどが挙
げられる。 これらの塩は、公知または自体公知の方法、例えば特開
昭64−79177号公報及び特開昭59−16758
7号公報等に記載の方法またはそれに準じた方法により
製造される。本発明で用いられる抗潰瘍作用を有するベ
ンツイミダゾール系化合物は、優れた胃酸分泌抑制作
用、胃粘膜防禦作用、抗潰瘍作用を示し、また毒性は低
いので、哺乳動物(例、マウス、ラット、ウサギ、イ
ヌ、ネコ、ヒトなど)の消化性潰瘍の治療に用いること
ができる。
【0024】本発明で用いられる炭素数6〜20の脂肪
酸塩の脂肪酸としては、炭素数6〜20の飽和または不
飽和の脂肪酸があげられ、例えば、カプロン酸、カプリ
ル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレ
イン酸、リノール酸、リノレン酸、ガドレイン酸、アラ
キドン酸、リンデル酸、ラウロレイン酸、ツヅ酸等であ
る。好ましくは飽和または不飽和の中級脂肪酸(例、パ
ルミチン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミ
リスチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラ
ウロレイン酸等)である。この中でさらに好ましくは、
炭素数8〜16の飽和脂肪酸(例、カプリル酸、カプリ
ン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸等)ま
たは炭素数12〜18の不飽和脂肪酸(例、オレイン
酸、リノール酸、リノレン酸等)である。さらに、後述
の粘膜付着性マトリックスを使用する場合、炭素数6〜
20の脂肪酸塩としては常温で固型のものが好ましく用
いられる。その例としては、炭素数10〜16の飽和脂
肪酸(例、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸等)等が挙げられる。炭素数6〜20の脂肪
酸塩の塩としては、薬理学的に許容されうる塩を形成す
ればよい。該塩としては、例えば金属塩(例、ナトリウ
ム、カリウム等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネ
シウム等のアルカリ土類金属塩等)、アンモニアとの
塩、有機アミンとの塩(例、トリメチルアミン塩、トリ
エチルアミン塩、エタノールアミン酸、ジエタノールア
ミン塩、トリメチルエタノールアミン塩等)などがあげ
られる。この中で好ましくは、例えばナトリウム塩、カ
リウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩などであ
る。特に好ましくはアルカリ金属塩である。炭素数6〜
20の脂肪酸塩の好ましい例としては、オレイン酸ナト
リウム、パルミチン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウ
ム、リノール酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム等で
ある。該炭素数6〜20の脂肪酸塩の使用量は、腸官粘
膜保護の点から抗潰瘍作用を有するベンツイミダゾール
系化合物1モルに対して、約0.1〜10モル、好まし
くは約0.5〜2モルである。抗潰瘍作用を有するベン
ツイミダゾール系化合物1モルに対して上記脂肪酸塩の
使用量が約0.1モル未満の場合、ベンツイミダゾール
系化合物の安定化は困難である。上記炭素数6〜20の
脂肪酸塩を用いることにより、本発明の直腸投与内組成
物中の抗潰瘍作用を有するベンツイミダゾール系化合物
の分解およびその変色を防ぐことが可能となる。
【0025】本発明で用いられる直腸内投与用基剤とし
ては、特に制限はなく、通常の直腸投与用組成物(例、
坐剤など)に使用されている通常の水溶性基剤、油脂性
基剤、乳剤性基剤、軟膏基剤等を使用する。水溶性基剤
としては、例えばポリエチレングリコール類(例、PE
G−400,1000,1540,4000,6000
またはこれらの混合物等)、グリセリン、グリセロゼラ
チン、プロピレングリコール類、ソルビトール、マンニ
トール、例えば天然ガム類(例、トラガントガム、アカ
シヤガム、カラヤガム、アイルランド苔、グアヤクガ
ム、キサンタンガム、ローカストビーンガム等)、セル
ロース誘導体(例、メチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース等)、アクリル酸重合体(例、ポリアクリ
ル酸、ポリメタアクリル酸等)、ビニール重合体(例、
ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カ
ルボキシポリメチレン等)、合成多糖類(例、ポリシュ
ークロース、ポリグルコース、ポリラクトース等)、で
んぷん、デキストリン、ペクチン、アルギン酸ソーダ等
の水性ゲル基剤などが、油脂性基剤としては、例えばカ
カオ脂、ラウリン脂、イソカカオ、サポサイアー(Supp
ocire,GATEFOSSE社製,フランス)、ウィテプゾル類
(Witepsol,ダイナミット−ノーベル社製、西ドイツ)
(例、Witepsol W-35,H-5 等)、ミグリオール(ダイナ
ミット−ノーベル社製、西ドイツ)等の脂肪酸グリセリ
ド、ゴマ油、大豆油、トウモロコシ油、綿実油、オリー
ブ油等の植物油などが、乳剤性基剤としては、例えばカ
カオ脂に、それぞれコレステロール及びグリセリンを、
レシチン及び水を、ラネットワックス(Lanette wax)
SX(主成分がセチルアルコール、ステアリルアルコー
ルの硫酸エステルで、約10%のリン酸エステルを含
有)を、セチルアルコール及びラウリル硫酸ナトリウム
を、グリセリンモノステアレートを配合したもの、およ
び、脂肪酸モノグリセリンエステル、モノレン(monole
ne,プロピレングリコール−α−モノステアレート)、
木ロウ、白ロウ、ステアリルアルコール、ならびにセチ
ルアルコール等にラウリル硫酸ナトリウム、Tween類な
どを加えたものなどが、軟膏基剤としては精製ラノリ
ン、ラウリル硫酸ナトリウムなどがあげられる。この中
で、水溶性基剤としてはポリエチレングリコール類が、
油脂性基剤としてはウィテプゾル類、ミグリオール(ダ
イナミット−ノーベル社製、西ドイツ)等の脂肪酸モノ
−、ジ−もしくはトリグリセリドが、乳剤性基剤として
はカカオ脂にラネットワックスSXを配合したものが、
軟膏性基剤としては精製ラノリンなどが好ましい。上記
基剤は単独で又は2種以上混合して使用する。
【0026】本発明で用いる粘膜付着性マトリックスと
しては、腸管粘膜に付着し腸管における滞留時間の長い
マトリックスであれば、如何なるものでもよい。このよ
うなマトリックスとしては例えば、ポリグリセリン脂肪
酸エステルおよび水で粘性を生じる物質(以下、粘性物
質と略記することがある)を配合してなる消化管粘膜付
着性マトリックス、または脂質および粘性物質を配合し
てなる消化管粘膜付着性マトリックス等が用いられる。
これらの消化管粘膜付着性マトリックスとしては、例え
ばポリグリセリン脂肪酸エステルまたは脂質を含むマト
リックスの中に粘性物質が分散している粘膜付着性マト
リックス、ポリグリセリン脂肪酸エステルまたは脂質を
含むマトリックスが粘性物質で被覆されている粘膜付着
性マトリックス等が挙げられる。好ましくは、ポリグリ
セリン脂肪酸エステルおよび粘性物質を配合してなる粘
膜付着性マトリックスが用いられる。さらに好ましく
は、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含むマトリックス
の中に粘性物質が分散しているものである。該粘膜付着
性マトリックスの融点は、例えば約30〜120℃、好
ましくは約40〜120℃である。
【0027】ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、
ポリグリセリンと脂肪酸とのエステルである限り、モノ
エステル、ジエステルおよびポリエステルのいずれでも
よい。ポリグリセリン脂肪酸エステルは、結晶多形性を
示さず、しかも薬効成分との相互作用が殆どないという
特性を有するため、薬効成分と共存する場合、薬効成分
は殆ど失活せず、長期にわたり安定である。ポリグリセ
リンは、「1分子中にn個(環状)〜(n+2)個(直
鎖・分枝状)の水酸基と、(n−1)個(直鎖・分枝
状)〜n個(環状)のエーテル結合を有する多価アルコ
ール」〔“ポリグリセリンエステル”阪本薬品工業株式
会社編集、1986年5月2日発行、第12頁〕であ
り、直鎖もしくは分枝状のいずれでもよい。例えば下記
【化6】 (式中、nは重合度を示し、2以上の整数である)で表
される化合物などが使用できる。nは、通常2〜50、
好ましくは2〜20、さらに好ましくは2〜10であ
る。該ポリグリセリンの具体例としては、例えばジグリ
セリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグ
リセリン、ヘキサグリセリン、ヘプタグリセリン、オク
タグリセリン、ノナグリセリン、デカグリセリン、ペン
タデカグリセリン、エイコサグリセリン、トリアコンタ
グリセリンなどが挙げられる。これらのポリグリセリン
の中で、例えばテトラグリセリン、ヘキサグリセリン、
デカグリセリンなどが繁用される。
【0028】脂肪酸としては、例えば炭素数8〜40、
好ましくは12〜22の飽和または不飽和脂肪酸などが
挙げられる。該脂肪酸としては、例えばパルミチン酸、
ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、
ミリスチン酸、ラウリン酸、リシノール酸、カプリル
酸、カプリン酸、ベヘン酸などが挙げられる。これらの
脂肪酸の中で、例えばステアリン酸、オレイン酸、ラウ
リン酸、リノール酸、ベヘン酸などが好ましい。ポリグ
リセリン脂肪酸エステルの具体例としては、例えばベヘ
ン酸ヘキサ(テトラ)グリセリド、カプリル酸モノ(デ
カ)グリセリド、カプリル酸ジ(トリ)グリセリド、カ
プリン酸ジ(トリ)グリセリド、ラウリン酸モノ(テト
ラ)グリセリド、ラウリン酸モノ(ヘキサ)グリセリ
ド、ラウリン酸モノ(デカ)グリセリド、オレイン酸モ
ノ(テトラ)グリセリド、オレイン酸モノ(ヘキサ)グ
リセリド、オレイン酸モノ(デカ)グリセリド、オレイ
ン酸ジ(トリ)グリセリド、オレイン酸ジ(テトラ)グ
リセリド、オレイン酸セスキ(デカ)グリセリド、オレ
イン酸ペンタ(テトラ)グリセリド、オレイン酸ペンタ
(ヘキサ)グリセリド、オレイン酸デカ(デカ)グリセ
リド、リノール酸モノ(ヘプタ)グリセリド、リノール
酸ジ(トリ)グリセリド、リノール酸ジ(テトラ)グリ
セリド、リノール酸ジ(ヘキサ)グリセリド、ステアリ
ン酸モノ(ジ)グリセリド、ステアリン酸モノ(テト
ラ)グリセリド、ステアリン酸モノ(ヘキサ)グリセリ
ド、ステアリン酸モノ(デカ)グリセリド、ステアリン
酸トリ(テトラ)グリセリド、ステアリン酸トリ(ヘキ
サ)グリセリド、ステアリン酸セスキ(ヘキサ)グリセ
リド、ステアリン酸ペンタ(テトラ)グリセリド、ステ
アリン酸ペンタ(ヘキサ)グリセリド、ステアリン酸デ
カ(デカ)グリセリド、パルミチン酸モノ(テトラ)グ
リセリド、パルミチン酸モノ(ヘキサ)グリセリド、パ
ルミチン酸モノ(デカ)グリセリド、パルミチン酸トリ
(テトラ)グリセリド、パルミチン酸トリ(ヘキサ)グ
リセリド、パルミチン酸セスキ(ヘキサ)グリセリド、
パルミチン酸ペンタ(テトラ)グリセリド、パルミチン
酸ペンタ(ヘキサ)グリセリド、パルミチン酸デカ(デ
カ)グリセリドなどが挙げられる。好ましいポリグリセ
リン脂肪酸エステルとしては、例えばベヘン酸ヘキサ
(テトラ)グリセリド(例えば、理研ビタミン(株)製、
商品名 ポエムJ−46B,または阪本薬品工業(株)
製、商品名 HB−310など)、ステアリン酸ペンタ
(テトラ)グリセリド(例えば、阪本薬品工業(株)製、
商品名 PS−310など)、ステアリン酸モノ(テト
ラ)グリセリド(例えば、阪本薬品工業(株)製、商品名
MS−310など)、ステアリン酸ペンタ(ヘキサ)
グリセリド(例えば、阪本薬品工業(株)製、商品名 P
S−500など)、ステアリン酸セスキ(ヘキサ)グリ
セリド(例えば、阪本薬品工業(株)製、商品名 SS−
500など)、ステアリン酸モノ(デカ)グリセリドま
たはそれらの混合物などが挙げられる。上記したポリグ
リセリン脂肪酸エステルは、1種または2種以上の混合
物として用いられる。
【0029】ポリグリセリン脂肪酸エステルの分子量
は、通常約200〜5000、好ましくは約300〜2
000、さらに好ましくは約500〜2000程度であ
る。ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLB(Hydrophi
le-lipophile balance; 親水性親油性バランス)は、通
常1〜22、好ましくは1〜15、さらに好ましくは2
〜9程度である。HLBの異なる二種以上のポリグリセ
リン脂肪酸エステルを適宜混合して目的とするHLBを
調整してもよい。ポリグリセリン脂肪酸エステルのHL
Bを調整すると、薬効成分の放出性および溶出性をコン
トロールできる。 ポリグリセリン脂肪酸エステルは、薬効成分、粘性物質
およびマトリックスの形態に応じて適宜選択することが
できるが、常温(約15℃)で固型のものが使用され
る。ポリグリセリン脂肪酸エステルの融点は、例えば約
15〜80℃、好ましくは約30〜75℃、さらに好ま
しくは約40〜75℃程度である。2種以上のポリグリ
セリン脂肪酸エステルを混合物として使用する場合、粘
膜付着性マトリックスが常温で固型である限り、液状の
ポリグリセリン脂肪酸エステルと併用してもよい。脂質
としては、融点約40〜120℃、好ましくは約40〜
60℃のものが用いられる。
【0030】脂質としては、例えば炭素数14〜22の
飽和脂肪酸(例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、ベヘン酸など)又はその塩(例えば、ナト
リウム塩、カリウム塩);炭素数16〜22の高級アル
コール(例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコ
ールなど);上記脂肪酸とのモノ−、ジ−、及びトリグ
リセリド(例えば、1−モノステアリン、1−モノパル
ミチンなど)である脂肪酸グリセリンエステル;油脂類
(例えば、ヒマシ油、綿実油、大豆油、菜種油、牛脂等
およびこれらの硬化油など);ロウ類(例えば、蜜ロ
ウ、カルナバロウ、鯨ロウなど);炭化水素類(例え
ば、パラフィン、マイクロクリスタリンワックスな
ど)、ホスホリピッド(例えば、水添レシチンなど)等
が挙げられる。これらの脂質の中で、例えば油脂類、ロ
ウ類、炭素数14〜22の飽和脂肪酸、炭素数16〜2
2の高級アルコール、炭化水素類等が好ましく、さらに
硬化綿実油、硬化ヒマシ油、硬化大豆油、カルナバロ
ウ、ステアリン酸、ステアリルアルコール、マイクロク
リスタリンワックスなどが好ましい。
【0031】水で粘性を生じる物質(粘性物質)は、水
により粘性が発現し消化管粘膜に対して付着性を示すと
共に、製剤的に許容される物質であれば特に制限されな
い。この中で、水により膨潤し著しく増粘する物質が好
ましい。粘性物質としては、例えば合成ポリマー、天然
粘性物質などが挙げられる。該合成ポリマーとしては、
20℃における該ポリマーの2%水溶液の粘度が、約3
〜50000 cps、好ましくは約10〜30000cp
s、さらに好ましくは約15〜30000cpsを示すもの
が好適である。但し、中和により増粘するポリマーの場
合には、20℃における0.2%中和液の粘度は、約1
00〜500000cps、好ましくは約100〜200
000cps、さらに好ましくは約1500〜10000
0cps を示すポリマーが望ましい。上記ポリマーとして
は、好ましくは酸性ポリマーが挙げられ、その例として
はカルボキシル基、スルホ基またはこれらの塩を有する
ポリマーが挙げられる。このうちカルボキシル基または
その塩を有するポリマーが特に好ましい。
【0032】カルボキシル基またはその塩を有するポリ
マーとしては、例えばアクリル酸を構成モノマーとする
アクリル酸系重合体(共重合体も含む)とその塩が挙げ
られる。該塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩など
の一価の金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などの
二価の金属塩などが挙げられる。アクリル酸系重合体ま
たはその塩としては、カルボキシル基約58〜63重量
%を含み、分子量約20万〜600万、好ましくは約1
00万〜500万のポリマーが挙げられる。該アクリル
酸系重合体またはその塩には、アクリル酸単独重合体と
その塩も含まれる。このようなポリマーは、例えば局外
規(1986年10月)にカルボキシビニルポリマーと
して記載されている。前記ポリマーとしては、例えばカ
ーボマー〔例、カーボマー940,934,934P,
940,941,1342等(NF(National Formul
a) XVII収載)〕、ハイビスワコー(商品名)10
3、104、105(和光純薬工業株式会社)、ノベオ
ン(NOVEON) AA1(商品名、ザ ビー エフ
グッドリッチ社(The B. F. Goodrich Company))、
カルシウムポリカーボフィル(USP XXII収載)
などが挙げられる。
【0033】天然粘性物質としては、例えばムチン、カ
ンテン、ゼラチン、ペクチン、カラギーナン、アルギン
酸ナトリウム、ローカストビーンガム、キサンタンガ
ム、トラガントガム、アラビアゴム、キトサン、プルラ
ン、ワキシ−スターチ、スクラルファート、セルロース
およびその誘導体(例、硫酸セルロース等)などが挙げ
られる。本発明で用いられる粘性物質としては、アクリ
ル酸系重合体またはその塩が好ましい。これらの粘性物
質は単独であるいはこれらの二種以上を併用してよい。
【0034】粘性物質の使用量は、粘膜付着性マトリッ
クス中、例えば約0.005〜80重量%、好ましく
は、約0.5〜40重量%、さらに好ましくは約1〜3
0重量%である。例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ルまたは脂質を含むマトリックス中に粘性物質が分散し
ている場合、粘性物質は全重量の約0.005〜80重
量%、好ましくは約0.5〜30重量%、さらに好まし
くは約1〜25重量%であり、ポリグリセリン脂肪酸エ
ステルまたは脂質を含むマトリックスが粘性物質で被覆
される場合、粘性物質の使用量は、全重量の約0.00
5〜80重量%、好ましくは約0.5〜30重量%、さ
らに好ましくは約1〜25重量%である。
【0035】粘膜付着性マトリックスが、例えばポリグ
リセリン脂肪酸エステルに粘性物質を配合してなる粘膜
付着性マトリックスまたは脂質に粘性物質を配合してな
る粘膜付着性マトリックスの場合、ポリグリセリン脂肪
酸エステルおよび脂質の使用量は、重量換算で、使用す
る薬効成分に対してそれぞれ約0.001〜10000
倍、好ましくは約0.001〜50倍である。さらに、
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを含むマトリックス
には、脂質を含有させてもよい。脂質としては、製剤上
許容しうる水不溶性物質であり、かつ薬効成分の溶出速
度を調整する作用を有するものが用いられ、例えば、前
記した脂質が挙げられる。脂質とポリグリセリン脂肪酸
エステルとを併用する場合、脂質の使用量は、消化管粘
膜への付着性が損われない範囲であればよく、例えば、
重量換算で、薬効成分に対して約0.01〜100倍、
好ましくは約1〜20倍である。
【0036】本発明で用いられる抗潰瘍作用を有するベ
ンツイミダゾール系化合物は組成物全体に対して例え
ば、約0.5〜5重量%、好ましくは約1〜2重量%で
ある。炭素数6〜20の脂肪酸塩は組成物全体に対し
て、約0.5〜30重量%、好ましくは約0.8〜10重
量%、さらに好ましくは約1〜5重量%である。本発明
の直腸内投与用組成物は、常法(例、手工法、溶融法、
冷圧法等)に従って抗潰瘍作用を有するベンツイミダゾ
ール系化合物と炭素数6〜20の脂肪酸塩とを直腸内投
与用基剤に含有せしめることにより得られる。例えば、
直腸内投与用基剤にベンツイミダゾール系化合物、炭素
数6〜20の脂肪酸塩を均等に混和し、手工法による
か、または押出器を用いて適当な形状とするか、あるい
は基剤にベンツイミダゾール系化合物、炭素数6〜20
の脂肪酸塩を基剤に混和し、低温で溶かし、適当な型に
注ぎ放冷する、などの方法が採用される。
【0037】本発明において、さらに薬物の吸収をより
増大させ、又は吸収速度をコントロールするため、非イ
オン界面活性剤(例、ポリオキシエチレンコレステロー
ルエーテル、ポリオキシエチレン水添コレステロールエ
ーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレン高級アルコールエーテル等)、アニオン性界
面活性剤(例、ラウリン硫酸ナトリウム、ミリスチン酸
ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム等)を併用して
もよい。また、ベンツイミダゾール系化合物の溶解性あ
るいは安定性を増すために種々の塩(例、クエン酸ナト
リウム、酒石酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム等の有
機酸塩等)または安定化剤(例、炭酸マグネシウム、炭
酸カルシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシ
ウム等の塩基性無機塩等)を配合または添加してもよ
い。その他、必要に応じ少量の防腐剤、pH調整剤、増
粘剤または賦形剤等を加えてもよい。防腐剤としては、
例えばパラベン類、クロロブタノール等のアルコール
類、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、セト
リミド等の四級アンモニウム塩、ソルビン酸、クロルヘ
キシジン類等が挙げられる。このうちパラベン類が好ま
しい。
【0038】pH調整剤としては、酸として例えば塩
酸、ホウ酸、リン酸、炭酸、重炭酸等の無機酸、モノま
たはポリカルボン酸等の有機酸またはアミノ酸が、塩基
として例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水
酸化アルカリ金属塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリ
ウム等のアルカリ金属塩などが挙げられる。緩衝液とし
て、例えばゼーレンゼン緩衝液〔Ergb. Physiol.
,393(1912)〕、クラークルブス(Clark-Lub
s)緩衝液〔J. Bact. ,(1),109,191(19
17)〕、マクルベイン(Macllvaine)緩衝液〔J. Bio
l. Chem. 49,183(1921)〕、ミカエリス(Mic
haelis)緩衝液〔Die Wasserstoffionen-konzentratio
n, p. 186(1914)〕、コルソフ(Kolthoff)緩衝
液〔Biochem. Z.179,410(1926)〕等が挙げ
られる。増粘剤としては、例えばキサンタンガム、ロー
カストビーンガム等の天然ガム類、メチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポ
リアクリル酸等のアクリル酸重合体、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルアルコール等のビニール重合体等が挙
げられる。
【0039】さらに、粘膜付着性マトリックスを用いる
場合は、本発明の直腸投与用組成物は、抗潰瘍作用を有
するベンツイミダゾール系化合物および炭素数6ないし
20の脂肪酸塩を粘膜付着性マトリックス内に自体公知
の方法により分散させた後、直腸内投与用基剤に含有せ
しめ適当な形状とすることにより得られる。該方法とし
ては、例えば抗潰瘍作用を有するベンツイミダゾール系
化合物および炭素数6ないし20の脂肪酸塩を1)ポリ
グリセリン脂肪酸エステルまたは脂質を含むマトリック
スの中に粘性物質が分散している粘膜付着性マトリック
スに、または2)ポリグリセリン脂肪酸エステルまたは
脂質を含むマトリックスが粘性物質で被覆された粘膜付
着性マトリックスに分散せしめ、次いで得られた薬効成
分を含むマトリックスを、直腸内投与用基剤に含有せし
める方法が挙げられる。このうち好ましくは、抗潰瘍作
用を有するベンツイミダゾール系化合物および炭素数6
ないし20の脂肪酸塩を、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ルまたは脂質を含むマトリックスの中に粘性物質が分散
している粘膜付着性マトリックスに分散せしめ、次いで
得られた薬効成分を含むマトリックスを直腸内投与用基
剤に含有せしめる方法が採用される。
【0040】上記の薬効成分および炭素数6ないし20
の脂肪酸塩を分散せしめたポリグリセリン脂肪酸エステ
ルまたは脂質を含むマトリックスの中に粘性物質が分散
している粘膜付着性マトリックスは、ポリグリセリン脂
肪酸エステルまたは脂質、粘性物質、薬効成分および炭
素数6ないし20の脂肪酸塩がマトリックス中に分散し
ていればよく、分散方法としては自体公知の方法が採用
される。例えばポリグリセリン脂肪酸エステルまたは脂
質を融点以上に加熱して溶融し、粘性物質、薬効成分お
よび炭素数6ないし20の脂肪酸塩を同時にまたは別々
に添加して分散させた後、冷却する方法が挙げられる。
加熱温度は、例えば約40〜150℃、好ましくは約4
0〜95℃、より好ましくは約45〜90℃である。分
散方法は自体公知の方法により行えばよい。上記の方法
は慣用の造粒機等を用いればよい。例えばスプレーチリ
ングなどの噴霧冷却法により球形の固型剤(例、細粒
剤)とするのが好ましい。スプレーチリングは、例えば
10〜6000回転/分、好ましくは900〜6000
回転/分、より好ましくは1000〜3000回転/分
の高速回転ディスク上に一定流速で、溶融したポリグリ
セリン脂肪酸エステルまたは脂質中に粘性物質、薬効成
分および炭素数6ないし20の脂肪酸塩が分散した混合
物を滴下する等により行うことができる。回転ディスク
としては、例えば直径5〜100cm、好ましくは10〜
20cmの平滑円盤、例えばアルミニウム製円盤などが使
用できる。また、溶融した前記混合物の滴下速度は、所
望する粒径に応じて選択できるが、通常、約2〜200
g/分、好ましくは約5〜100g/分である。このよ
うにして得られた粒状物は、より真球に近いため、後工
程でのコーティング時に、均一なコーティング被膜を効
率よく形成できる。上記方法以外には、例えばポリグリ
セリン脂肪酸エステルまたは脂質、粘性物質、薬効成分
および炭素数6ないし20の脂肪酸塩を練合などにより
分散して造粒することにより調製する方法を採用しても
よい。この際使用する溶媒としては、慣用の溶媒(例、
メタノール、アセトニトリル、クロロホルム等)が挙げ
られる。
【0041】さらに、例えば溶融造粒法を用いて薬効成
分および炭素数6ないし20の脂肪酸塩が分散してなる
粘膜付着性マトリックスを製造してもよい。溶融造粒法
としては、ポリグリセリン脂肪酸エステルまたは脂質
を、該ポリグリセリン脂肪酸エステルまたは脂質の融点
近傍、例えば該融点から約5℃下まわる温度範囲で加熱
溶融し、上記のスプレーチリング等の造粒方法により細
粒とし、これと粘性物質、薬効成分および炭素数6ない
し20の脂肪酸塩を所望の温度で加熱しながら浮遊さ
せ、薬効成分および炭素数6ないし20の脂肪酸塩を含
む粘膜付着性マトリックスとする方法等が挙げられる。
前記の、ポリグリセリン脂肪酸エステルまたは脂質を含
むマトリックスが粘性物質で被覆されている粘膜付着性
マトリックスは、該マトリックスが粘性物質、好ましく
は少なくとも粘性物質を含有するコーティング剤で被覆
されていればよい。コーティング剤は、前記粘性物質に
加えて、前記ポリグリセリン脂肪酸エステル、前記脂質
および水不溶性ポリマーの少なくとも1つの成分を含ん
でいてもよい。この場合、前記のマトリックス中の成分
に対して相溶性に乏しい、または相溶しない粘性物質を
用いると、粘性物質が分散した被膜で該マトリックスを
被覆できる。さらにコーティング剤は添加剤を含有して
いてもよい。水不溶性ポリマーとしては、例えばヒドロ
キシプロピルメチルセルロースフタレート(日局1
1)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート
サクシネート(信越化学工業(株)製、カルボキシメチル
エチルセルロース(フロイント産業製,CMEC,局外
規1986)、セルロースアセテートトリメリテート
(イーストマン(Eastman)社製)、セルロースアセテ
ートフタレート(日局11)、エチルセルロース(旭化
成(株)製、FMC)、アミノアルキルメタアクリレート
コポリマー〔レーム ファルマ社製、商品名 オイドラ
ギット(Eudragit)E100〕、アミノアルキルメタク
リレートコポリマー(レーム ファルマ社製、商品名
オイドラギットRS,RN100L、RSPML,RN
100,RSPM)、メタクリル酸コポリマーL(レー
ム ファルマ社製、商品名 オイドラギットL10
0)、メタクリル酸コポリマーL−D(レーム ファル
マ社製、商品名 オイドラギットL−30−D−5
5)、メタクリル酸コポリマーS(レームファルマ社
製、商品名 オイドラギットS−100)、ポリビニル
アセテートフタレート〔カラルコン(COLORCON)社
製〕、商品名 オイドラギットNE30−D(レーム
ファルマ社製)などが挙げられる。これらの水不溶性ポ
リマーは、1種またはこれらの2種以上が用いられる。
【0042】粘性物質を含有するコーティング剤におけ
る粘性物質の使用量は、コーティング剤中の固型分全体
の約0.005〜90重量%、好ましくは約0.05〜
80重量%、さらに好ましくは約0.05〜30重量
%、より好ましくは約1〜10重量%である。また、コ
ーティング剤として、ポリグリセリン脂肪酸エステル、
脂質および水不溶性ポリマーの少なくとも1つの成分と
粘性物質とを併用する場合、粘性物質は、コーティング
剤中の固型分全体に対して約0.005〜90重量%、
好ましくは約0.5〜30重量%、さらに好ましくは約
3〜20重量%である。さらに、コーティング剤におい
て、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂質および水不溶
性ポリマーから選択された二種以上の成分を併用しても
よく、この場合、ポリグリセリン脂肪酸エステル及び/
又は脂質の総量1重量部に対して、他の成分は約0.0
001〜1000重量部、好ましくは約0.01〜10
0重量部、より好ましくは約0.01〜10重量部であ
る。コーティング剤のマトリックスに対する被覆量は、
マトリックスの種類、所望する粘膜に対する付着性など
に応じて選択できる。マトリックスに対するコーティン
グ量は、例えば錠剤では約0.1〜30重量%、好まし
くは約0.5〜10重量%であり、丸剤、顆粒剤では約
0.1〜50重量%、好ましくは約1〜20重量%であ
り、細粒剤では約0.1〜100重量%、好ましくは約
1〜50重量%である。被覆に際しては、必要に応じ
て、一般的に用いられる前記添加剤をコーティング剤に
添加して被覆してもよく、コーティング剤と、前記添加
剤をそれぞれ別々に用いて被覆してもよい。添加剤の使
用量は、例えばコーティング剤の固型分に対して約0.
1〜70重量%、好ましくは約1〜50重量%、より好
ましくは約20〜50重量%である。被覆方法として
は、自体公知の方法、例えばパンコーティング法、流動
コーティング法、転動コーティング法などが採用でき
る。コーティング剤が、水または有機溶媒を含む溶液ま
たは分散液である場合には、スプレーコーティング法も
採用できる。前記水または有機溶媒の使用量は、例えば
約25〜99重量%である。有機溶媒の種類は特に制限
されず、例えばメタノール、エタノール、イソプロピル
アルコール等のアルコール類;アセトン等のケトン類;
クロロホルム、ジクロロメタン、トリクロロエタン等の
ハロゲン化炭化水素類などが使用できる。
【0043】コーティング剤において、ポリグリセリン
脂肪酸エステル及び(又は)脂質を用いる場合、ポリグ
リセリン脂肪酸エステル及び(又は)脂質と、必要に応
じてその他の添加剤とを加熱溶融して混合し、水と混和
して乳化した後、マトリックスの表面に噴霧し、乾燥す
ることにより、被覆製剤としてもよい。また、コーティ
ングパンのような装置内で、温風により予熱したマトリ
ックスに、コーティング剤を投入して溶融、展延させる
ことにより被覆製剤としてもよい。マトリックスは、通
常約25〜60℃、好ましくは約25〜40℃で被覆す
る。被覆に要する時間は、コーティング方法、コーティ
ング剤の特性や使用量、マトリックスの特性などを考慮
して適宜選択できる。粘膜付着性マトリックスにおい
て、消化管内で前記粘性物質による粘膜付着性が確保さ
れる限り、必要に応じて、さらに、粘膜付着性マトリッ
クスは慣用の水溶性被膜等で被覆されていてもよい。
【0044】上述の薬効成分および炭素数6ないし20
の脂肪酸塩を含有する粘膜付着性マトリックスを直腸内
投与用坐剤基剤に含有せしめる方法としては自体公知の
方法が挙げられる。例えば薬効成分および炭素数6ない
し20の脂肪酸塩を含有する粘膜付着性マトリックスを
加温(例、約30〜70℃)融解した直腸内投与用基剤
に分散する方法等が挙げられる。分散温度は、粘膜付着
性マトリックスから薬効成分が調製中に放出しなければ
特に限定されず、通常その分散温度は粘膜付着性マトリ
ックスの融点と直腸内投与用基剤との間である。例え
ば、直腸内投与用基剤に分散する時の温度としては約2
0〜90℃、好ましくは約30〜60℃が挙げられる。
この場合例えば、直腸内投与用基剤中に配合する薬効成
分量としては約0.001〜99重量%、好ましくは約
0.1〜80重量%が用いられる。
【0045】前記の粘膜付着性マトリックスには、薬効
成分の吸収を促進させるために有機酸を適量併用しても
よい。有機酸としては、例えば酒石酸、クエン酸、コハ
ク酸、アスコルビン酸などが用いられる。さらに、前記
のマトリックスには、固型医薬製剤(例、細粒剤、顆粒
剤等)の製造に用いられる慣用の添加剤を使用してもよ
い。添加剤としては、例えば乳糖、コーンスターチ、タ
ルク、結晶セルロース(例、アビセルなど)、粉糖、ス
テアリン酸マグネシウム、マンニトール、軽質無水ケイ
酸、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、L−システイ
ンなどの賦形剤;澱粉、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴ
ム粉末、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキ
シプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース、ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストリ
ンなどの結合剤;カルボキシメチルセルロースカルシウ
ム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカ
ルメロースナトリウムなどの崩壊剤;アルキル硫酸ナト
リウムなどのアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪
酸エステルおよびポリオキシエチレンヒマシ油誘導体等
の非イオン系界面活性剤などの界面活性剤;水酸化マグ
ネシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫
酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、
ケイ酸アルミン酸マグネシウム、スクラルファートなど
の制酸剤や粘膜保護剤;着色剤;矯味剤;吸着剤;防腐
剤;湿潤剤;帯電防止剤、崩壊延長剤などが挙げられ
る。これらの添加剤の添加量は、粘膜に対する付着性を
損わない範囲で適宜選択される。
【0046】本発明で用いられる粘膜付着性マトリック
スの形態としては、例えば散剤、顆粒剤などが挙げられ
る。これらの粘膜付着性マトリックスの粒度は、特に限
定されないが消化管粘膜への付着性と薬効成分の当該マ
トリックスからの放出時間、放出速度に応じ適宜選択す
る。例えば、10〜1000μm の粒子約75重量%以
上、1000μm 以上の粒子約5重量%以下、10μm
の粒子約10重量%以下である。またコーティングなど
の処理により、薬効成分の粘膜付着性マトリックスから
の放出時間または放出量を制御してもよい。粘膜付着性
マトリックスの直腸投与用組成物中の含量は、薬効成分
量の投与量に応じて適宜選択することができる。例えば
約0.1〜90重量%、好ましくは約1〜80重量%で
ある。得られた粘膜付着性マトリックス含有坐剤基剤を
適当な形状とする方法としては、自体公知の方法が採用
され、例えば手工法、押出器等により適当な形状とす
る、あるいは適当な型に注入し、放冷する方法等が挙げ
られる。
【0047】本発明の直腸内投与組成物は人畜に極めて
安全である。本発明の直腸投与組成物の投与量は、ベン
ツイミダゾール系化合物の有効量であればよい、例えば
成人(体重約50Kg)1人にベンツイミダゾール系化
合物として約1〜200mg/日、好ましくは約5〜10
0mg/日、特に好ましくは約10〜60mg/日である。
本発明の組成物の形態は、例えば、固形坐剤(例、水溶
性固形坐剤、油性固形坐剤)、半固形状坐剤(例、軟膏
坐剤、ゲルまたはゼリー坐剤等)、液状または懸濁液の
もの(レクタルカプセル剤、注腸剤等)などであり、液
状組成物をソフトカプセルに充填したカプセル坐剤等と
してもよい。本発明の直腸内投与組成物はヒト、イヌ、
ラット等の温血動物の直腸に投与され、その投与方法
は、常法に従って行えばよく、固状坐剤を直接肛門へ挿
入する、挿入器を用いて半固状、泡沫状、溶液状の製剤
を挿入する等の方法で行なうことができる。これによ
り、治療すべき宿主に対して治療学的に有効な量の薬物
が直腸粘膜に吸収され、消化管(例、胃、腸)の疾患
(例、潰瘍等)を治療又は治癒することができる。
【0048】
【実施例】以下に本発明の実験例及び実施例を示す。 実験例1 直腸内投与用基剤としてPEG−4000(和光純薬社
製)又はウイテプゾル(Witepsol)W−35(ダイナミ
ット−ノーベル社製、西ドイツ)を使用し、これらにオ
レイン酸ナトリウムを添加した場合と無添加の場合の組
成物内のランソプラゾールの安定性を比較した。PEG
−4000および Witepsol W−35を〔表1〕に示
す分量ずつ準備し、これらを60℃で加温融解した後、
各々ランソプラゾール20mg及び〔表1〕に示した分量
のオレイン酸ナトリウムを混合して組成物を製造した。
得られた各組成物を室温(25℃)下に保存し、着色変
化を保存前の組成物と比較した。その結果を〔表1〕に
示す。
【表1】 〔表1〕に示すように、オレイン酸ナトリウムの添加に
よりランソプラゾールは安定化されたことがわかる。
【0049】実験例2 脂肪酸塩の種類を変えて、直腸内投与組成物中のランソ
プラゾールの安定性を実験例1の方法と同様にして試験
した。直腸内投与用基剤として、PEG−4000又は
ウイテプゾル(Witepsol)W−35を使用し、脂肪酸塩
としてオレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム
及びカプリン酸ナトリウムを〔表2〕に示す分量ずつ各
々使用した。安定性試験は温度40℃、相対湿度75%
RHの条件下で保存して行った。結果を〔表2〕に示
す。
【表2】 〔表2〕に示す結果から明かなように、オレイン酸ナト
リウム、パルミチン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウ
ムの脂肪酸塩を添加した場合、無添加に比較して優れた
安定性効果を発揮した。
【0050】実施例1 直腸内投与用基剤として、PEG−400、PEG−1
000及びPEG−6000を0.1:1.4:1.5
(重量比、以下同様)の割合で混合した基剤9.6g
を、60℃で均一融解し、これにランソプラゾール0.
2g及びオレイン酸ナトリウム0.2gを加えて均一分
散させた後、直腸投与剤形成形用プラスチック製坐剤コ
ンテナーに2.0gずつ充填し、徐々に冷却し直腸内投
与組成物を得た。 実施例2 ウイテプゾル(Witepsol)W−35(ダイナミット−ノ
ーベル社製)9.6gを60℃で加温融解し、これにラ
ンソプラゾール0.2g及びオレイン酸ナトリウム0.2
gを加えて均一分散させた後、プラスチック製坐剤コン
テナーに2.0gずつ充填し、徐々に冷却し直腸内投与
組成物を得た。 実施例3 PEG−1000とPEG−6000とを1.5:1.0
の割合で混合した基剤9.6gを60℃で均一融解し、
これに化合物Aを0.2g及びオレイン酸ナトリウム0.
2gを加えて均一分散させた後、直腸投与坐剤成形具プ
ラスチック製坐剤コンテナーに2.0gずつ充填し、徐
々に冷却し直腸内投与組成物を得た。
【0051】実施例4 ウイテプゾル(Witepsol)W−35(ダイナミッド−ノ
ーベル社製)9.6gを60℃で均一融解し、これに化
合物Aを0.2g、オレイン酸ナトリウムを0.2gずつ
加えて均一分散させた後、直腸投与用プラスチック製坐
剤コンテナーに2.0gずつ充填し、徐々に冷却し直腸
内投与組成物を得た。 実施例5 ウイテプゾル(Witepsol)H−5(ダイナミット−ノー
ベル社製)9.6gを60℃で均一融解し、これにラン
ソプラゾール0.2g、パルミチン酸ナトリウム0.2g
を加えて均一分散させたのち、直腸投与用プラスチック
製坐剤コンテナーに2.0gづつ充填し、徐々に冷却し
直腸内投与組成物を得た。 実施例6 PEG−1000とPEG−6000とを1.5:1の
割合で混合した基剤9.6gを60℃で均一融解し、こ
れにランソプラゾール0.2g及びカプリン酸ナトリウ
ムを0.2g加えて均一分散させた後、直腸投与用プラ
スチック製坐剤コンテナーに2.0gずつ充填し、徐々
に冷却し直腸内投与組成物を得た。
【0052】実施例7 PEG−400、PEG−1000及びPEG−600
0を0.1:1.4:1.5の割合で混合した基剤9.6g
を60℃で均一融解し、これに2−〔2−〔4−(3−
メトキシプロポキシ)−3−メチルピリジル〕メチルス
ルフィニル〕−1H−ベンツイミダゾールナトリウム塩
0.2g及びオレイン酸ナトリウム0.2gを加えて均
一分散させたのち、直腸投与剤形成形用プラスチック製
坐剤コンテナーに2.0gずつ充填し、徐々に冷却した
ところ直腸内投与組成物が得られた。 実施例8 PEG−400、PEG−1000及びPEG−600
0とを0.1:1.4:1.5の割合で混合した基剤9.6
gを60℃で均一融解し、これに2−〔2−(3,5−
ジメチル−4−メトキシピリジル)メチルスルフィニ
ル〕−5−メトキシ−1H−ベンツイミダゾール 0.
2g、オレイン酸ナトリウム0.2gを加えて均一分散
させたのち、直腸投与剤形成形用プラスチック製坐剤コ
ンテナーに2.0gづつ充填し、徐々に冷却したところ
直腸内投与組成物が得られた。
【0053】実施例9 ウイテプゾル(Witepsol)W−35(ダイナミット−ノ
ーベル社製)9.6gを60℃で加温融解し、これにパ
ントプラゾール0.2g及びオレイン酸ナトリウム0.2
gを加えて均一分散させた後、直腸投与坐剤成形具プラ
スチック製坐剤コンテナーに2.0gずつ充填し、徐々
に冷却したところ直腸内投与組成物が得られた。 実施例10 上記実験例1に記載の方法と同様にして、PEG−60
00 960mg、ランソプラゾール20mg 及びオレイ
ン酸ナトリウム20mgを均一に融解して分散した後、ラ
ット用直腸投与坐剤成形用金属製コンテナーに200mg
ずつ充填し、冷却してラット用直腸投与組成物を得た。
また、ウイテプゾル(Witepsol)W−35(ダイナミッ
ト−ノーベル社製)960mg、ランソプラゾール20mg
及びオレイン酸ナトリウム20mgを用いて上記と同様
にしてラット用直腸投与組成物を得た。体重250g〜
280gの雄性SDラット(日本クレア製)を用意し、
これらに絶食前は飼料と水を自由に与え、次いで約16
時間絶食させた(絶食の間、水は自由に飲ませた)。約
16時間絶食したラットに、前記のごとく製造した各直
腸内投与組成物を肛門に入れ、薬物の排出を防ぐため、
肛門外皮をクリップで固定した。一方、比較のため、ラ
ンソプラゾール80mg、PEG−400 1.5ml 及び
0.5%炭酸水素ナトリウム水溶液9.5mlを混合して注
射投与用の溶液を調整し、この溶液をラット1匹に0.
25mlずつ大腿静脈へ投与した(静脈内投与)。投与
後、0.08、0.17、0.25、0.5、1.0、2.
0、4.0および8.0時間後にラットの尾静脈より常法
に従って、ヘパリンを微量加えた採血チューブに採取
し、遠心分離(3000rpm、10分)後、血漿0.1ml
をそれぞれ得、各血漿中のランソプラゾールを定量し
た。この定量方法を以下に示す。血漿0.1ml に0.5
%炭酸水素ナトリウム水溶液0.5ml およびクロロホル
ム3ml を加え、約5分間激しく振盪した後、2500r
pm で約5分間遠心分離した。分離した下層(クロロホ
ルム層)の2ml を分別し、窒素ガス気流を流してクロ
ロホルム溶媒を蒸発させ、残渣に0.2ml の液体クロマ
トグラフィー(HPLC)の移動相液を加えて再溶解
し、以下の条件のHPLC分析(50μl 注入)により
定量した。結果を〔表3〕に示す。 (HPLC条件) カラム;YMC A-303(5μm),内径4.6mm、長さ25cm
(YMC(株)製) 移動相;水・アセトニトリル・トリエチルアミン混液
(60:40:1)(容量比)にリン酸を加えてpH7.0に調整し
たもの 流 速;1ml/分 検出器;紫外吸光光度計(測定波長:285nm) カラム温度;室温
【0054】
【表3】 水溶性基剤であるPEG−6000を用いた場合の体内
利用率(bioavailability, BAと略記する)は約23.
2%で、油脂性基剤であるウイテプゾル(Witepsol)W
−35を用いた場合のBAは約27.9%であり、いず
れも高い値を示した。これより直腸投与組成物は体内へ
の吸収が優れていることがわかる。また、水溶性基剤を
用いた直腸内投与組成物は油脂性基剤を用いた直腸内投
与用組成物に比較して最高血漿中濃度到達時間(Tmax)
が速く、速い吸収が要求される場合には、この水溶性基
剤組成物による投与が好ましいと考えられる。
【0054】実施例11 (1)粘膜付着性マトリックスの調製 ステアリン酸(テトラ)グリセリド(坂本薬品工業
(株)商品名PS−310)1.50gを80℃で融解
し、パルミチン酸ナトリウム0.08gを加えて均一に
溶解した後、ランソプラゾール0.4gを加えて均一に
混合した。次いで、約65〜70℃まで冷却後、カルボ
キシビニルポリマー(和光純薬工業(株),商品名 HVW
104)0.02gを加えて均一に分散した。この分散液
を平面に延ばしたアルミホイール上に薄く塗布した後、
室温下に放置し、得られた粉末を篩過して250〜35
5μmの粒度に整粒したマトリックスを得た。 (2)直腸投与用組成物の調製 ウイテプソル(Witepsol)W−35(ダイナミットノー
ベル社製)1.5gを約60℃で均一に融解後、40℃
まで冷却し、上記(1)で得られた粘膜付着性マトリッ
クス0.5g(ランソプラゾールとして100mg含
有)を、温度を一定に保ちながら均一に分散した。次い
で、予め約40℃に加温したラット用座剤成形器(座剤
一個分重量0.2g,真鍮製)に0.2gずつ充填し、
徐々に冷却し直腸内投与組成物を得た。
【0056】
【発明の効果】本発明の直腸内投与組成物は、消化管の
潰瘍の治療に有効であり、組成物中の薬物の安定性に優
れ、薬物の吸収性が促進され、有効な血中濃度を発現
し、さらに薬物の吸収速度をもコントロールすることが
できる。また、本発明の直腸内投与組成物は、腸管粘膜
において膨潤して付着し、治療薬を徐々に放出し、長時
間にわたり該薬物を高濃度で、かつ効率的に供給する。
このため微量の薬物投与量で効果を発揮し、かつ副作用
が少ない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 9/06 V 9/107 U

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抗潰瘍作用を有するベンツイミダゾール系
    化合物と炭素数6ないし20の脂肪酸塩とを直腸内投与
    用基剤に含有させてなる直腸内投与組成物。
  2. 【請求項2】ベンツイミダゾール系化合物が、2−
    〔(ピリジル)−メチルスルフィニルまたは−メチルチ
    オ〕ベンツイミダゾール誘導体またはその塩である請求
    項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】ベンツイミダゾール系化合物が一般式 【化1】 (式中、A環は置換されていてもよく、R1、R3および
    4は同一または異なって水素、アルキル基またはアル
    コキシ基を、R2は置換基を有していてもよい炭化水素
    基を、nは0または1をそれぞれ示す)で表わされる化
    合物またはその塩である請求項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】脂肪酸塩が、炭素数8ないし16の飽和脂
    肪酸または炭素数12ないし18の不飽和脂肪酸の塩で
    ある請求項1記載の組成物。
  5. 【請求項5】炭素数6ないし20の脂肪酸塩が、炭素数
    6ないし20の脂肪酸とアルカリ金属またはアンモニア
    との塩である請求項1記載の組成物。
  6. 【請求項6】アルカリ金属塩がナトリウム塩である請求
    項5記載の組成物。
  7. 【請求項7】抗潰瘍作用を有するベンツイミダゾール系
    化合物および炭素数6ないし20の脂肪酸塩が粘膜付着
    性マトリックス内に分散してなる請求項1記載の組成
    物。
  8. 【請求項8】粘膜付着性マトリックスが、ポリグリセリ
    ン脂肪酸エステルに水で粘性を生じる物質を配合してな
    る請求項7記載の組成物。
  9. 【請求項9】水で粘性を生じる物質がアクリル酸系重合
    体またはその塩である請求項8記載の組成物。
  10. 【請求項10】炭素数6ないし20の脂肪酸塩が組成物
    全体に対して約0.5ないし30重量%である請求項1
    記載の組成物。
  11. 【請求項11】R1がC1-3アルキル基、R2がハロゲン
    もしくはC1-4アルコキシ基で置換されていてもよいC
    1-4アルキル基、R3およびR4が水素である請求項3記
    載の組成物。
  12. 【請求項12】抗潰瘍作用を有するベンツイミダゾール
    系化合物が、2−[2−[3−メチル−4−(2,2,2−
    トリフルオロエトキシ)ピリジル]メチルスルフィニル]
    ベンツイミダゾールである請求項1記載の組成物。
  13. 【請求項13】抗潰瘍作用を有するベンツイミダゾール
    系化合物が、2−[2−[3−メチル−4−(2,2,3,3
    −テトラフルオロプロポキシ)ピリジル]メチルチオ]ベ
    ンツイミダゾールである請求項1記載の組成物。
  14. 【請求項14】抗潰瘍作用を有するベンツイミダゾール
    系化合物が、2−[2−(3,5−ジメチル−4−メトキ
    シピリジル)メチルスルフィニル]−5−メトキシ−1H
    −ベンツイミダゾールである請求項1記載の組成物。
  15. 【請求項15】抗潰瘍作用を有するベンツイミダゾール
    系化合物が、2−[2−[4−(3−メトキシプロポキ
    シ)−3−メチルピリジル]メチルスルフィニル]−1H
    −ベンツイミダゾールナトリウム塩である請求項1記載
    の組成物。
  16. 【請求項16】抗潰瘍作用を有するベンツイミダゾール
    系化合物が、2−[2−(3,4−ジメトキシピリジル)メ
    チルスルフィニル]−5−ジフルオロメトキシ−1H−
    ベンツイミダゾールである請求項1記載の組成物。
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