JP2001048809A - ポリグリセリンベヘニン酸エステル含有徐放性坐剤 - Google Patents

ポリグリセリンベヘニン酸エステル含有徐放性坐剤

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリグリセリン脂肪酸エステルとしてポリグ
リセリンベヘニン酸エステルを使うことによりポリグリ
セリン脂肪酸エステルの添加量を軽減でき、かつ坐剤か
らの薬物の放出性を任意に制御できる徐放性坐剤の提
供。 【解決手段】 薬物、ポリグリセリンベヘニン酸エステ
ルおよび油性基剤を含有する徐放性坐剤およびその製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医薬製剤、特にポリ
グリセリンベヘニン酸エステルを含有する徐放性坐剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】坐剤は、その投与経路からして生体内で
の薬物の分解率が低く、しかも食事の影響を受けないこ
と、および小児や老人のみならず経口投与が困難な患者
にも比較的容易に投与できること、等の理由により頻繁
に利用されている。しかし、一方では、薬物を直腸投与
するとき、急激な血漿中濃度の立ち上がりによる副作用
発現の危険性や日に何回も投与することの困難性といっ
た欠点が指摘されている。このような欠点は坐剤を徐放
化することにより解決されるとして、従来から種々の試
みがなされている。一般に坐剤は、特定の製剤化成分
(徐放化成分ということもある)を配合することにより
徐放化されている。
【0003】しかし、ほとんどの徐放化成分は、油性基
剤とともに加熱しても、共に溶融せず、分散した状態に
なる。従って、全製造工程において、徐放化成分が油性
基剤中に均一に分散するように配慮しなければ、徐放化
成分の局在化がおこり、ひいては製造ロット間において
徐放化の程度に差が生じることがある。
【0004】特開平6−298667号公報には、上記
課題を解決した坐剤として、油性基剤にHLBが8以下
のポリグリセリン脂肪酸エステルを配合した徐放性坐剤
が記載され、その具体的なポリグリセリン脂肪酸エステ
ルとして脂肪酸がステアリン酸であるものが挙げられて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記公報記載の徐放性
坐剤において、坐剤中に配合する主薬成分を多くする
と、徐放化するためのポリグリセリン脂肪酸エステルの
添加量も多く必要となり、このことにより特定の徐放性
坐剤の製剤化に困難が生じることが問題となっていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは主
薬成分の量を増やしてもポリグリセリン脂肪酸エステル
の添加量をできるだけ増さずに、目的の徐放化を達成す
るための検討を種々行った。その結果、ポリグリセリン
脂肪酸エステルとしてベヘニン酸を脂肪酸残基とするポ
リグリセリンベヘニン酸エステルを用いれば、薬物の量
を増やした場合であってもポリグリセリン脂肪酸エステ
ルの量を大量に使用せずに目的とする徐放性を有する坐
剤となることを見いだした。さらに、油性基剤として硬
化油等の油脂成分を加えることにより、さらにポリグリ
セリンベヘニン酸エステルの量を減少させることができ
ることを見いだした。
【0007】本発明は、主薬成分である薬物、ポリグリ
セリン脂肪酸エステルとしてのポリグリセリンベヘニン
酸エステルおよび油性基剤を含有する徐放性坐剤に関す
る。
【0008】HLB(hydrophilic lipophilic balance)
とは、界面活性剤の親水性と親油性のバランスを意味
し、界面活性剤の性質や機能を示す数値であり、通常、
約1〜約18の値を示す。HLB値が小さいほど界面活
性剤は親油性に富み、本発明における徐放化成分のポリ
グリセリンベヘニン酸エステルとしては、HLB値が6
以下のものが好ましい。
【0009】ポリグリセリンベヘニン酸エステルの構造
からいえば、4〜10個のグリセリン残基ならびに3〜
10個の脂肪酸残基から構成されるものが好ましく用い
られる。ポリグリセリンベヘニン酸エステルとして、例
えば、デカグリセリルヘプタベヘネートが挙げられ、そ
のHLBが約4であり、例えば、坂本薬品工業株式会社
から市販されている。ポリグリセリンベヘニン酸エステ
ルはステアリン酸を脂肪酸とするポリグリセリン脂肪酸
エステルよりも広範囲の適用性を有し、特に、デカグリ
セリルヘプタベヘネートは好ましく目的の徐放性を容易
に達成することができる。
【0010】本発明の用いられる薬物は、水可溶性、水
難溶性、そのほかいずれの性質を有するものでもよく、
その種類は特に限定されないが、例えば、麻薬性鎮痛剤
の塩酸モルヒネ、硫酸モルヒネ、合成麻薬性鎮痛剤の塩
酸ペチジン、非麻薬性鎮痛剤のペンタゾシン、臭化水素
酸エプタゾシン、塩酸ブプレノルフィン、モルヒネ関連
化合物である鎮咳剤のリン酸コデイン、リン酸ジヒドロ
コデイン、麻薬拮抗剤の塩酸ナロキソン、非ステロイド
性抗炎症薬のアセトアミノフェン、ジクロフェナックナ
トリウムが挙げられる。上記薬物の中で坐剤成分として
よく使われる塩酸モルヒネおよび硫酸モルヒネが好まし
い。本発明の坐剤における薬物の含量は、通常、約15
%以下であるが、約1〜約10重量%が好ましく、約2
〜約5重量%が特に好ましい。
【0011】また、油性基剤の種類も、薬物と同様に特
に限定されず、従来から使用されているものがいずれも
使用可能である。油性基剤としては、例えば、高級脂肪
酸エステルトリグリセリド/ジグリセリド/モノグリセ
リドの混合物〔例えば各種のウィテプゾール(ヒュルツ
社)、各種のノバタ(ヘンケル社)、各種のファーマゾ
ール(日本油脂)、イソカカオ(花王)〕や中鎖脂肪酸
エステルトリグリセライド〔例えば、ミグリオール(ダ
イナマイトノーベル社)〕、グリセリン脂肪酸エステ
ル、カカオ脂等が挙げられる。これらの油性基剤は単独
もしくは混合物の形で用いられる。また、必要に応じて
硬化油(例えば、硬化ヒマシ油、硬化綿実油、硬化ヤシ
油、硬化ダイズ油)、トウモロコシ油、流動パラフィ
ン、ワセリン等の油脂成分(油性基剤として使用可能な
油脂成分)を混合して用いることもできる。
【0012】これらの油性基剤は、坐剤の基剤としての
性質からして通常体温付近の融点のものが好ましいが、
体温付近から若干低めの融点(約30〜約37℃)のも
のがさらに好ましく、融点が34〜35℃である各種の
ウィテプゾールが特に好ましい。
【0013】またこれらの油性基剤のうち、硬化ヒマシ
油と他の油性基剤、例えばウィテプゾールと組み合わせ
ると、使用するポリグリセリンベヘニン酸エステルの量
をさらに減少させることができ好適である。具体的に
は、硬化ヒマシ油約0.8〜約4重量%を加えるとポリ
グリセリンベヘニン酸エステルの量を約3〜約8%減少
させることができる。さらに、硬化ヒマシ油以外の硬化
油や他の油脂成分、例えば、グリセリン脂肪酸エステ
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、ミツロウ、カルナウバ
ロウ、マイクロクリスタンワックスなどと、本発明に用
いられる油性基剤、例えばウィテプゾールと組み合わせ
ても、硬化ヒマシ油に比べてその効果は小さいものの、
使用するポリグリセリンベヘニン酸エステルの量を減少
させることができる。
【0014】このほか酸化防止剤、吸収促進剤、粘膜保
護剤などの補助成分が必要に応じて配合される。
【0015】本発明の徐放性坐剤は、油性基剤およびポ
リグリセリンベヘニン酸エステルからなる混合物を加熱
して均一な溶融物を得、これに薬物を分散し、所定のコ
ンテナに充填し、冷却することにより製造できる。加熱
温度は、通常約40〜約90℃であるが、約70〜約8
0℃が好ましい。
【0016】本発明の坐剤において、ポリグリセリンベ
ヘニン酸エステルは通常約30重量%以下、好ましくは
約10〜約25重量%、特に好ましくは約13〜約20
重量%を占め、残余を薬物、油性基剤およびほかの補助
成分が占めることになる。また、油性基剤として硬化ヒ
マシ油を約0.8〜約4%加えると、ポリグリセリンベ
ヘニン酸エステルは通常約5〜約25重量%で、好まし
くは約5〜約15重量%であり、残余を薬物、硬化ヒマ
シ油以外の油性基剤、好ましくはウィテプゾールおよび
ほかの補助成分が占めることになる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の徐放性坐剤の特に好まし
い形態として以下の2形態が挙げられる。
【0018】1.油性基剤として油脂成分を含まない形
態 (a)薬物 約2〜約5重量% (b)デカグリセリルヘプタベヘネート 約13〜約2
0重量% (c)油性基剤 残余の重量%
【0019】2.油性基剤として硬化ヒマシ油を含む形
態 (a)薬物 約2〜約5重量% (b)デカグリセリルヘプタベヘネート 約5〜約15
重量% (c)硬化ヒマシ油 約0.8〜約4重量% (d)硬化ヒマシ油以外の油性基剤 残余の重量%
【0020】上記好ましい形態において、薬物として塩
酸モルヒネ又は硫酸モルヒネが好ましい。
【0021】
【実施例】以下に実施例および比較例をあげて本発明を
更に詳細に説明する。
【0022】実施例 1: 処方−:
【0023】
【表1】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 成分 重量 重量% ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 塩酸モルヒネ 60 mg 3.8% デカグリセリルヘプタベヘネート(HLB= 約4) 231 mg 14.4% ウィテプゾールH−15 1278 mg ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 計 1600 mg 製法−:それぞれ上記処方の15倍量を用いた。デカグ
リセリルヘプタベヘネートとウィテプゾールH−15を
約70℃で溶融し、塩酸モルヒネを分散させ、これを坐
剤用コンテナに充填し、冷却して徐放性坐剤を得た。
【0024】実施例 2: 処方−:
【0025】
【表2】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 成分 重量 重量% ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 塩酸モルヒネ 60 mg 3.8% デカグリセリルヘプタベヘネート(HLB= 約4) 262 mg 16.4% ウィテプゾールH−15 1278 mg ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 計 1600 mg 製法−:実施例1と同様にして徐放性坐剤を得た。
【0026】実施例 3: 処方−:
【0027】
【表3】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 成分 重量 重量% ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 塩酸モルヒネ 60 mg 3.8% デカグリセリルヘプタベヘネート(HLB= 約4) 308 mg 19.3% ウィテプゾールH−15 1232 mg ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 計 1600 mg 製法−:実施例1と同様にして徐放性坐剤を得た。
【0028】実施例 4: 処方−:
【0029】
【表4】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 成分 重量 重量% ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ アセトアミノフェン 60 mg 3.8% デカグリセリルヘプタベヘネート(HLB= 約4) 308 mg 19.3% ウィテプゾールH−15 1232 mg ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 計 1600 mg 製法−:塩酸モルヒネの代わりにアセトアミノフェンを
用い実施例1と同様にして徐放性坐剤を得た。
【0030】実施例 5: 処方−:
【0031】
【表5】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 成分 重量 重量% ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 塩酸モルヒネ 60 mg 3.8% デカグリセリルヘプタベヘネート(HLB= 約4) 123 mg 7.7% 硬化ヒマシ油 31 mg 1.9% ウィテプゾールH−15 1386 mg ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 計 1600 mg 製法−:それぞれ上記処方の15倍量を用いた。デカグ
リセリルヘプタベヘネート、硬化ヒマシ油(カスターワ
ックスA,日本油脂製)およびウィテプゾールH−15
を約80℃で溶融し、塩酸モルヒネを分散させ、これを
坐剤用コンテナに充填し、冷却して徐放性坐剤を得た。
【0032】実施例 6: 処方−:
【0033】
【表6】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 成分 重量 重量% ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 塩酸モルヒネ 60 mg 3.8% デカグリセリルヘプタベヘネート(HLB= 約4) 154 mg 9.6% 硬化ヒマシ油 31 mg 1.9% ウィテプゾールH−15 1355 mg ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 計 1600 mg 製法−:実施例5と同様にして徐放性坐剤を得た。
【0034】実施例 7: 処方−:
【0035】
【表7】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 成分 重量 重量% ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 塩酸モルヒネ 60 mg 3.8% デカグリセリルヘプタベヘネート(HLB= 約4) 200 mg 12.5% 硬化ヒマシ油 15 mg 0.94% ウィテプゾールH−15 1325 mg ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 計 1600 mg 製法−:実施例5と同様にして徐放性坐剤を得た。
【0036】比較例 A: 処方−:
【0037】
【表8】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 成分 重量 重量% ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 塩酸モルヒネ 60 mg 3.8% ウィテプゾールH−15 1540 mg ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 計 1600 mg 製法−:ウィテプゾールH−15を約40℃で溶融し、
塩酸モルヒネを分散させ、これを坐剤用コンテナに充填
し、15〜20℃で冷却して坐剤を得た。
【0038】比較例 B: 処方−:
【0039】
【表9】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 成分 重量 重量% ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 塩酸モルヒネ 60 mg 3.8% ヘキサグリセリルペンタステアレート(HLB= 約3) 308 mg 25% ウィテプゾールH−15 1232 mg ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 計 1600 mg 製法−;それぞれ上記処方の15倍量を用いた。ヘキサ
グリセリルペンタステアレートとウィテプゾールH−1
5を約70℃で溶融し、塩酸モルヒネを分散させ、これ
を坐剤用コンテナに充填し、室温付近で冷却して坐剤を
得た。
【0040】比較例 C: 処方−:
【0041】
【表10】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 成分 重量 重量% ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 塩酸モルヒネ 60 mg 3.8% ヘキサグリセリルペンタステアレート(HLB= 約3) 462 mg 28.9% ウィテプゾールH−15 1078 mg ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 計 1600 mg 製法−;それぞれ上記処方の15倍量を用いた。ヘキサ
グリセリルペンタステアレートとウィテプゾールH−1
5を約70℃で溶融し、塩酸モルヒネを分散させ、これ
を坐剤用コンテナに充填し、35〜40℃で冷却して坐
剤を得た。
【0042】以下に実験例をあげて本発明の坐剤の徐放
化効果について説明する。
【0043】試験例:実施例1〜6および比較例A〜C
の坐剤からの塩酸モルヒネの放出試験をPTSW型坐剤
放出試験器(回転セル法)を用いて行った。放出相溶液
は0.02Mリン酸緩衝液(pH7.4)を900ml
用い、セルの回転速度は25rpmであり、温度は37
℃とした。その結果を図1および図2に示す。
【0044】図1および図2から明らかなように、ポリ
グリセリンベヘニン酸エステルのひとつであるデカグリ
セリルヘプタベヘネートを配合した実施例1〜4の坐剤
は、デカグリセリルヘプタベヘネートの量が比較例Bの
坐剤で使用されているヘキサグリセリルペンタステアレ
ートの配合量より少ないにもかかわらず、比較例Bの坐
剤より良好な徐放化を示している。また、さらに硬化ヒ
マシ油を配合した実施例5および6の坐剤は、ポリグリ
セリンベヘニン酸エステルの量をさらに少なくしても良
好な徐放性を示す。一方、ヘキサグリセリルペンタステ
アレートを多く配合した比較例Cの坐剤はかなり良好に
徐放化されているが、ヘキサグリセリルペンタステアレ
ートを用いてそれぞれ実施例1〜3と同等の徐放効果を
得るには、実施例1〜3でのデカグリセリルヘプタベヘ
ネートの量よりもはるかに大量のヘキサグリセリルペン
タステアレートが必要となるため、このような坐剤では
製造条件の範囲が非常に限定される。
【0045】
【発明の効果】本発明の坐剤は、ポリグリセリン脂肪酸
エステルとしてポリグリセリンステアリン酸エステル等
を使用する従来の徐放性坐剤と比べて、ポリグリセリン
ベヘニン酸エステルを使うことによりポリグリセリン脂
肪酸エステルとしてのポリグリセリンベヘニン酸エステ
ルの添加量を軽減でき、かつ坐剤からの薬物の放出性を
任意に制御できる。さらに、油性基剤として硬化油と他
の油性基剤の組み合わせを用いることにより、ポリグリ
セリンベヘニン酸エステルの使用量をさらに減少させる
ことができる。また、本発明の坐剤の製造方法は簡便で
あり、特定の徐放化成分を採用することにより製造工程
が複雑化しないので大量製造に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1〜6の坐剤からの塩酸モルヒネ
又はアセトアミノフェンの溶出パターンを示す。
【図2】図2は比較例A〜Cの坐剤からの塩酸モルヒネ
の溶出パターンを示す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬物、ポリグリセリンベヘニン酸エステ
    ルおよび油性基剤を含有する徐放性坐剤。
  2. 【請求項2】 ポリグリセリンベヘニン酸エステルの含
    量が約5〜約25重量%である請求項1記載の徐放性坐
    剤。
  3. 【請求項3】 ポリグリセリンヘプタベヘニン酸エステ
    ルがデカグリセリルヘプタベヘネートである請求項2記
    載の徐放性坐剤。
  4. 【請求項4】 油性基剤が硬化ヒマシ油約0.8〜約4
    重量%と他の油性基剤の混合物である請求項1〜3のい
    ずれか一項に記載の徐放性坐剤。
  5. 【請求項5】 薬物が塩酸モルヒネ又は硫酸モルヒネで
    ある請求項1〜4のいずれか一項に記載の徐放性坐剤。
  6. 【請求項6】 油性基剤およびポリグリセリンベヘニン
    酸エステルからなる混合物を加熱して均一な溶融物を
    得、これに薬物を分散し、所定のコンテナに充填し、冷
    却することを特徴とする徐放性坐剤の製造方法。
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