JPH07316041A - 保持容量を向上させたリポソーム - Google Patents

保持容量を向上させたリポソーム

Info

Publication number
JPH07316041A
JPH07316041A JP6819695A JP6819695A JPH07316041A JP H07316041 A JPH07316041 A JP H07316041A JP 6819695 A JP6819695 A JP 6819695A JP 6819695 A JP6819695 A JP 6819695A JP H07316041 A JPH07316041 A JP H07316041A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liposome
suspension
drug
phospholipid
aqueous phase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6819695A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Kikuchi
寛 菊池
Kiyoto Yanai
清人 谷内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daiichi Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP6819695A priority Critical patent/JPH07316041A/ja
Publication of JPH07316041A publication Critical patent/JPH07316041A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Manufacturing Of Micro-Capsules (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 非電解質水溶性物質であっても効率よく保持
することができるリポソームを提供する。 【構成】 リポソーム膜が実質的に飽和された脂肪酸残
基を含む中性リン脂質と実質的に飽和された脂肪酸残基
を含む荷電リン脂質とから形成されており、該中性リン
脂質と荷電リン脂質との重量比が200:1〜3:1で
あり、リポソームの平均粒子径が50nm〜3000nmで
あり、そして保持容量(内水相/脂質)が5ml/g以上
である、ことを特徴とするリポソーム及びその懸濁液。 【効果】 非電解質水溶性物質の水溶液を5ml/g以上
の保持容量(内水相/脂質)で封入することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なリポソーム及びそ
の懸濁液並びにその製造法に関し、特に水溶性非電解質
薬物を多量に保持することができるリポソーム及びその
懸濁液に関する。
【0002】
【従来の技術】リポソームは1又は複数の脂質膜が水相
(内水相と称する)を包囲して成る微小胞であり、脂質
膜内に周囲から隔離して薬物を保持することができるの
で、ドラッグデリバリーシステムの1つとして精力的に
研究が行われている。リポソームは、高分子を含めた種
々の薬物、すなわち脂溶性薬物及び水溶性薬物を保持す
ることが可能である。
【0003】脂溶性薬物は脂質膜との親和性によりリポ
ソーム内に容易に封入される。また水溶性薬物の内、水
溶性電解質のものは、その荷電と反対の電荷を有するリ
ン脂質との静電的相互作用を利用することにより(特願
平2−187370号)、又はリポソーム内外のpH勾配
を利用することにより(WPI88−271022/3
8)リポソーム内の内水相中に効率よく封入、保持され
る。
【0004】しかしながら、薬物の保持容量については
なお、必ずしも満足できるものではない。又、上記の如
く薬物とリポソームとの静電気的相互作用を利用した場
合には、適用できる薬物はリポソームの電荷と反対の電
荷を有するものに限定され、もしリポソームの電荷と同
じ電荷を有する薬物を用いた場合にはリポソームへの保
持率は極めて低いものとなる。更に、薬物が水溶性非電
解質の場合、前記の手段を利用することができず、水溶
性非電解質をリポソーム中に効率よく保持することは容
易ではない。
【0005】リポソームの内水相中に水溶性非電解質を
効率よく保持する手段として、逆相蒸発法(プロシィー
ディング・ナショナル・アカデミィー・サイエンスィズ
・ユーエスエイ、75巻、4194頁、1978年)、
エーテル注入法(ibid,443巻、629頁、19
75年)などが考案されたが、こうした方法は、発火点
の低いエーテルを使用するため、工業的大量生産には用
いることが困難であった。またこうした製造法により得
られるリポソームは、主に1枚膜リポソームである。1
枚膜リポソームは、多重層リポソームと比較し、生体に
投与後の血液中での安定性が低い等の欠点を持ってい
る。更に、WO88/09165は、水溶性非電解質薬
物を含有するリポソームを開示しているが、このリポソ
ーム中の前記薬物の保持率はきわめて低い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、水溶
性薬物を、特にそれが水溶性非電解質のもの又はリポソ
ームと同じ荷電を有するものであっても、リポソーム内
に多量に封入、保持することができる多重層リポソーム
及びその製剤を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく種々検討した結果、所定の条件を満たす
中性リン脂質と所定の条件を満たす荷電リン脂質とを特
定の比率で用いることにより、内水相を高容量で保持す
ることができ、その結果として水溶性薬物を多量に保持
することができるリポソームが形成されることを見出
し、本発明を完成した。
【0008】従って本発明は、リポソーム膜が実質的に
飽和された脂肪酸残基を含む中性脂質と実質的に飽和さ
れた脂肪酸残基を含む荷電脂質とから形成されており、
該中性脂質と荷電脂質との重量比が200:1〜3:1
であり、リポソームの重量平均粒子径が50nm〜300
0nmであり、そして保持容量(内水相/脂質)が5ml/
g以上である、ことを特徴とするリポソーム及びその製
剤を提供するものである。
【0009】本発明によれば、上記のごとき条件を満た
す2種類の脂質を前記のごとき比率で用いることによ
り、内水相の保持容量が高く、従って水溶性薬物を多く
保持することができ、且つ血中や貯蔵時での安定性の高
いリポソームを得ることができる。
【0010】
【具体的な説明】本発明のリポソーム膜を構成する必須
成分の1つは実質的に飽和された脂肪酸残基を含有する
中性リン脂質である。このリン脂質中の各脂肪酸残基中
炭素原子数は通常14個以上好ましくは15個以上であ
り、さらに好ましくは16個以上である。脂肪酸残基の
炭素原子数が14個未満では、リポソームの内水相を保
持する効率が低くなり、また生体に投与した後の安定性
も低くなるため好ましくない。また一般に、炭素数が2
8以上になると生体への適合性の低下が危惧され、また
リポソームの製造時に非常に高い温度条件が必要となる
ため好ましくない。
【0011】実質的に飽和されているとは、完全に飽和
されている(炭素−炭素二重結合を含有しない)か又は
不飽和度が非常に低いことを意味する。脂肪酸残基が実
質的に飽和されているためには、通常は中性リン脂質全
体の不飽和度をヨウ素価として20以下とする必要があ
り、好ましくは10以下である。一般に、不飽和度が高
過ぎると、リポソームの内水相を保持する効率が低下す
ると共に、酸化されやすくリポソームを加熱滅菌するこ
とが困難となる。
【0012】本発明において使用する中性リン脂質は、
中性グリセロリン脂質であって、例えば、部分的に又は
完全に水素添加された天然由来の、例えば大豆、卵黄等
由来の又は半合成もしくは合成のホスファチジルコリ
ン、具体的には半合成又は全合成のジパルミトイルホス
ファチジルコリン(DPPC)又はジステアロイルホス
ファチジルコリン(DSPC)等をあげることができ
る。
【0013】本発明のリポソーム膜を構成する必須成分
の他のものは、実質的に飽和された脂肪酸残基を含有す
る荷電リン脂質である。この荷電リン脂質中の各脂肪酸
残基の炭素原子数は通常14個以上好ましくは15個以
上であり、さらに好ましくは16個以上である。脂肪酸
残基中の炭素原子数が14個未満では中性リン脂質の場
合と同様の理由で、また、炭素原子数が28以上になっ
ても、中性リン脂質の場合と同様の理由で好ましくな
い。
【0014】実質的に飽和されているとは、完全に飽和
されている(炭素−炭素二重結合を含有しない)か、又
は不飽和度が非常に低いことを意味する。脂肪酸残基が
実質的に飽和されているためには、荷電リン脂質全体の
不飽和度がヨウ素価として20以下であることが必要で
あり、好ましくは10以下である。不飽和度が高過ぎる
と酸化されやすく、リポソームを加熱滅菌することが困
難となる。
【0015】本発明において使用する荷電リン脂質は負
電荷又は正電荷を有するグリセロリン脂質である。負電
荷を有する荷電リン脂質としては、例えば、ホスファチ
ジルセリンが、例えば部分的に又は完全に水素添加され
た天然由来の、例えば大豆もしくは卵黄由来又は半合成
もしくは全合成の、ホスファチジルセリン、具体的には
半合成又は全合成のジパルミトイルホスアチジルセリン
(DPPS)又はジステアロイルホスファチジルセリン
(DSPS)が;ホスファチジルグリセロール、例えば
部分的又は完全に水素添加された天然物由来の、例えば
大豆もしくは卵黄由来又は半合成の、ホスファチジルグ
リセロール、
【0016】具体的には半合成又は全合成のジパルミト
イルホスファチジルグリセロール(DPPG)又はジス
テアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)
が;ホスファチジルイノシトール、例えば部分的又は完
全に水素添加された天然物由来の、例えば大豆もしくは
卵黄由来又は半合成もしくは全合成の、ホスファチジル
イノシトール、具体的には半合成又は全合成のジパルミ
トイルホスファチジルイノシトール(DPPI)又はジ
ステアロイルホスファチジルイノシトール(DSPI)
が;ホスファチジン酸、例えば部分的に又は完全に水素
添加された天然物由来の、例えば大豆もしくは卵黄由来
又は半合成もしくは全合成の、ホスファチジン酸、具体
的には半合成又は全合成のジパルミトイルホスファチジ
ン酸(DPPA)又はジステアロイルホスファチジン酸
(DSPA)が挙げられる。
【0017】また、正電荷を有する荷電リン脂質として
は、ホスファチジン酸とアミノアルコールとのエステ
ル、例えばジパルミトイルホスファチジン酸又はジステ
アロイルホスファチジン酸とヒドロキシエチレンジアミ
ンとのエステルが挙げられる。このような荷電リン脂質
は通常は単独で使用されるが、2種以上使用してもよ
い。2種以上使用した場合には、負電荷のリン脂質同
士、又は正電荷のリン脂質同士で使用することがリポソ
ームの凝集防止の観点から望ましい。
【0018】本発明においては、前記中性リン脂質と荷
電リン脂質との比率は重量比で200:1〜3:1であ
り、好ましくは60:1〜4:1であり、さらに好まし
くは40:1〜5:1である。この比率が200:1〜
3:1の範囲外である場合には、保持容量が少なくな
り、本発明の効果を得ることが困難となる。
【0019】本発明のリポソームにおいては、リポソー
ム膜組成中に、前記2種類の必須成分に加えて、種々の
任意成分を含めることができる。例えば、抗酸化剤とし
てビタミンE(α−トコフェロール)及び/又はビタミ
ンE酢酸エステルを総脂質に対して0.01〜2モル
%、好ましくは0.1〜1モル%添加することができ
る。また、リポソームの投与後の体内動態を制御するた
めに、ポリグリセリン脂質誘導体及び/又はポリエチレ
ングリコール脂質誘導体を総脂質に対して2〜10モル
%、好ましくは4〜8モル%添加することができる。こ
れらの添加により体内動態を制御することができ、これ
により、リポソームが肝臓や脾臓細網内皮系に捕捉され
て血液から除去されるのを防止することができる。
【0020】このような脂質からなる本発明のリポソー
ム懸濁液においては、総脂質濃度として、一般に20mg
/ml〜100mg/ml、好ましくは40〜90mg/ml、更
に好ましくは50〜80mg/mlとすることが、薬剤のリ
ポソーム内への保持率の向上の点から好ましい。本発明
のリポソームはその内水相中に種々の薬物、具体的には
疾病の予防剤、治療剤、診断用(例えば造影剤)薬剤な
どを溶解して保持し、それをリポソーム中に封入するた
めのものである。この様な薬物としては、水溶性の電解
質であっても非電解質であってもよいが、非電解質の封
入において本発明の効果が特に発揮される。本発明のリ
ポソーム中に封入する薬物を例示すれば次の通りであ
る。
【0021】低分子物質 X線造影剤:イオジキサノール、イオヘキソール、イオ
パミドール、イオバゾール、イオメプロール、イオキシ
ラン、イオプロミド、イソビント、イオメブロール、イ
オペントール、イオブロミド、イオシミド、イオベルゾ
ール、イオトロラン、イオタスル、イオデシモル、1,
3−ビス−(N−3,5−ビス(2,3−ジヒドロキシ
プロピルアミノカルボニル)−2,4,6−トリヨード
フェニル)−N−ヒドロキシアセチル−アミノ)プロパ
ン MRI造影剤:ガドペンテト酸ジメグルミン、ガドジア
ミド、プロハンス
【0022】抗癌剤: ・塩酸ドキソルビシン、塩酸ダウノルビシン、エピルビ
シン等のアントラサイクリン系抗癌剤 ・塩酸イリノテカン等のカンプトテシン誘導体 ・メトトレキサート、シトシンアラビノシド等の代謝拮
抗剤 ・硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、タキソー
ル、タキソテーレ等の植物アルカロイド剤 ・クエン酸タモキシフェン等のホルモン剤 ・硫酸ブレオマイシン等のブレオマイシン類 ・アクチノマイシンD等のアクチノマイシン類 ・シスプラチン ・マイトマイシンC ・ネオカルチノスタチン
【0023】抗生物質: ・硝酸ロリテトラサイクリン等のテトラサイクリン類 ・硫酸ゲンタマイシン等のアミノグリコシド系抗生物質 ・その他、硫酸ストレプトマイシン、硫酸アミカシン、
硫酸ジベカシン等
【0024】化学療法剤: ・オフロキサシン、レボフロキサシン、ノルフロキサシ
ン、シプロフロキサシン、エノキサシン等のピリドンカ
ルボン酸系抗菌剤 ・サルファ剤 ・アシクロビル等の抗ウイルス剤
【0025】高分子物質 ペプチド・タンパク:インターフェロン、インターロイ
キン、腫瘍壊死因子、ムラミルジペプチド、ムラミルト
リペプチド、エリスロポエチン、上皮成長因子(EG
F)、コロニー刺激因子(CSF)、神経成長因子(N
GF)、肝成長因子(HGF)、スーパーオキシドジス
ムターゼ等 核酸:アンチセンスオリゴヌクレオチドやリボザイムを
含むDNA,RNA(Peptide Nucleic Acid(PN
A))。
【0026】上記薬物は、体内に投与された後にリポソ
ームが安定に維持されるように、等張液(生体内の生理
的浸透圧に対して)の形でリポソームに封入される。媒
体として水、緩衝液、例えばトリス−塩酸緩衝液、リン
酸緩衝液、クエン酸緩衝液等を使用することができる。
等張液を得るには、前記の薬物を、等張液を形成する量
だけ媒体に溶解すればよいが、薬物の溶解度が低い等の
ために薬物のみでは等張液が得られない場合には、他の
非毒性の水溶性物質、例えば塩化ナトリウム等の塩類や
グルコース、ショ糖、ソルビトール、マンニトール等の
糖類を添加することにより等張液を得ることができる。
【0027】次に、本発明のリポソームの製造方法を説
明する。本発明のリポソームは、投与後、血中での安定
性を確保するため多重層リポソームであり且つ保持容量
が大きいことを特徴としている。本発明のリポソーム
は、多重層リポソームを形成するために常用されている
方法を用いて製造することができる。この様な方法とし
て、例えばバンガム法(J.Mol.Diol. 13, 238-52, 196
5) 、多価アルコール法(特公平4−36734号公
報)、脂質溶解法(特公平4−36735号公報)、メ
カノケミカル法(特公平4−28412号公報)等を挙
げることができる。
【0028】一般的には、上記のごときリン脂質をクロ
ロホルム、メタノール、ジクロロメタン、エタノール等
の揮発性有機溶媒や該有機溶媒と水との混合溶媒に溶解
の後、該溶媒を除去し、得られる残渣と薬物を含有して
もよい水相とを混合し、振とうまたは撹拌することによ
り、目的とする多重層リポソームを製造することができ
る。該製造法における溶媒の除去工程につき、除去手段
としてエバポレーションを用いた場合には該製造法はバ
ンガム法となり、また噴霧乾燥を用いた場合には上記製
造法は噴霧乾燥法となり、更に凍結乾燥を用いることも
可能である。
【0029】上記のごときリポソームの製造法におい
て、脂質に対する溶媒の使用量は特に限定されず、脂質
を十分溶解できる量であればよい。得られた脂質と溶媒
との混合物より、エバポレーションにより溶媒を除去す
るには常法、具体的には減圧下、所望によっては不活性
ガスの雰囲気下で溶媒を蒸発させればよく、その際具体
的に使用する溶媒としては上記のごとき揮発性有機溶媒
や該有機溶媒10容量部と多くとも水1容量部との混合
溶媒を例示することができる。
【0030】また、凍結乾燥により溶媒を除去するには
凍結温度を使用した溶媒の凝固点以下、一般的には−3
0〜−50℃で凍結し次いで0.005〜0.1Torr程
度の減圧条件で除去可能な溶媒を選択し、これを除去す
ればよい。更に、噴霧乾燥により溶媒を除去するには一
般的には空気圧を1.0kg/cm2 、風量を0.35cm 3
/分とし、この時の入口温度は使用した溶媒の沸点以上
とすればよく、例えば溶媒としてクロロホルムを使用し
た場合には60〜90℃として、以下常法に従って溶媒
を除去すればよい。
【0031】かくして得られた脂質の残渣を、用いた脂
質の相転移温度(Tc)以上の温度で水または薬物含有
水溶液と混合し、次いで該Tc以上の温度で激しくもし
くは穏やかに振とうもしくは撹拌することにより目的と
するリポソーム及びその製剤を製造することができる。
用いた薬物含有水溶液における電解質イオン濃度は薬物
の保持率等の点から可及的少量にすることが望ましく、
一般的には薬物を除いたイオンの総量(陽イオン及び陰
イオンを含めて)で約40mM以下、好ましくは約20mM
以下とすることが望ましい。リポソームの粒子径の表示
としては一般に重量平均粒子径と個数平均粒子径が用い
られるが、薬物の保持量の観点からは重量平均粒子径で
表すことが好ましい。
【0032】本発明のリポソームの平均粒子径について
は、重量平均粒子径として50nm〜3000nm、好まし
くは150nm〜1000nmより好ましくは200nm〜5
00nmである。一般的には重量平均粒子径が150nm未
満では十分な保持容量を得ることができず、粒子径が
2,000nmより大きくなれば血中でリポソーム同士が
凝集した際に毛細血管に詰るおそれがあるからである。
この様な所定の粒径を得るには、押し出し濾過法(Bioc
him.Biophys.Acta Vol. 557,p9(1979))に従って、よ
り大きい粒径のリポソームを所定の孔径のフィルターに
より濾過すればよい。
【0033】形成されたリポソームは、水性媒体(外
液)中の懸濁液の形で存在し、製剤とするのが通常であ
る。前記の方法によりリポソームを形成した際にリポソ
ーム中に封入されなかった薬物溶液をそのまま外液とし
て存在せしめてもよい。あるいは、リポソーム外に存在
する薬物溶液を他の外液により置換してもよい。いずれ
の場合も、貯蔵中にリポソームを安定に維持するために
外液(分散媒)は内水相に対して等張であることが好ま
しい。この様にして製造したリポソーム懸濁液における
電解質イオン濃度は保存安定性や加熱滅菌での安定性か
ら可及的少量にすることが望ましく、一般的には薬物を
除いたイオン総量(陽イオン及び陰イオンを含めて)で
約40mM以下、好ましくは約20mM以下とすることが望
ましい。また、形成されたリポソーム懸濁液におけるpH
は薬物やリポソーム自体が安定なpH領域から選択すれば
よく、通常pH3〜8である。
【0034】本発明のリポソームの保持容量は5ml/g
脂質以上であり、好ましくは6ml/g以上、より好まし
くは8ml/g以上であり、さらに好ましくは10ml/g
以上であり、さらには例えばショ糖水溶液(280mM)
を分散媒としてリポソームを製造する場合には12ml/
g以上とすることも可能である。一般的には、水溶性で
非電解質の薬物のリポソームへの保持率は、脂質濃度の
上昇に伴なって高くなるが、50%前後が最大であっ
て、脂質濃度をどんなに上げてもそれ以上は上がらない
と云われている。
【0035】
【発明の効果】本発明のリポソームは、多重層リポソー
ムを製造するために繁用される方法に従って製造し且つ
脂質濃度が低くても、保持容量が高く、水溶性物質、特
に非電解質水溶性薬物を内水相に極めて優れた保持率で
保持することができる。このリポソームはまた、加熱滅
菌しても、着色の防止、粒径の変化、リポソーム同士の
凝集、保持率の変化の防止が可能であり、血中での安定
性や、更には1年以上という長期保存でのリポソーム製
剤としての安定性や化学的安定性にも優れている。
【0036】
【実施例】次に、実験例及び実施例により本発明をさら
に具体的に説明する。実験例 (1)リポソームの調製法 リン脂質1gを秤取し、これにクロロホルム・メタノー
ル・水混液(体積比100:25:0.1)60mlを加
え、水浴(65℃)にて加温することにより溶解する。
これをロータリーエバポレーターを用いて、60℃で加
温しながら溶媒を留去した。
【0037】更に真空下で2時間乾燥し、リピッドフィ
ルムを調製した。等張なショ糖水溶液(280mM)を予
め65℃に加温した後、その50mlをリピッドフィルム
とあわせ、65℃に加温しつつ、ミキサーで10分間の
撹拌を行った。これを65℃で加温しつつ、孔径1.0
ミクロンのポリカーボネート製メンブランフィルターで
1回加圧濾過し、多重層リポソーム(MLV, multilamell
ar vesicles)を調製した。
【0038】調製したMLVの一部をガラス製のバイア
ル瓶に入れ、オートクレーブ(121℃,20分間)に
より、滅菌を行った。 (2)粒子径の測定 得られたリポソームの重量平均粒子径を準弾性光散乱法
(ダイナミック光散乱計DLS−700、大塚電子株式
会社製)により測定した。
【0039】(3)保持容量の測定 リポソームの内水相容積は、水溶性非電解質であるショ
糖がリポソーム製剤中で保持されている割合、すなわち
ショ糖のリポソームによる保持率より算出した。たとえ
ば、ショ糖の保持率が30%の場合、リポソーム製剤1
ml中の30%、すなわち0.3mlが内水相容積である。
保持容量は、単位脂質当たりの内水相容積と定義する。
たとえば、リポソーム製剤の脂質濃度が0.02g/ml
で、ショ糖の保持率が30%である場合、リポソーム製
剤1ml中で0.02gの脂質により0.3mlの内水相容
積を持つので、保持容量は、15ml/g脂質となる。
【0040】得られたリポソーム中におけるショ糖の保
持率は、ゲル濾過法により測定した。すなわち、リポソ
ームをゲル濾過カラム(担体:ファルマシア社セファデ
ックスG50、カラム直径:16mm、カラム高:300
mm)に供し、移動相を生理食塩液としてゲル濾過を行
い、溶出液を分画した(2.5ml/分画)。各分画より
0.8mlを採取し、メタノール2mlを加えて撹拌した
後、クロロホルム1mlを加えて撹拌し、いったん全体を
澄明に溶解させた。
【0041】これにクロロホルム1mlを加えて撹拌し、
更に蒸留水1.2mlを加えて撹拌後、冷却遠心分離機
(久保田商事(株)KR−702型)にて遠心分離(3
500rpm 、10分、室温)し、分離した二層の上層
(水及びメタノール相)に回収されるサッカロース濃度
をフェノール硫酸法により測定した。溶出液中のサッカ
ロース濃度が高い場合には、蒸留水にて適宜希釈した
後、0.8mlを採取し、メタノール、クロロホルム及び
蒸留水による抽出操作を行った。
【0042】Void volume に溶出するリポソーム分画中
のサッカロース量を溶出液に回収されたサッカロース量
の総量(25フラクションまでに回収されたサッカロー
ス量)で除し、主薬保持率とした。なおリポソーム分画
の終点は、サッカロース濃度が極小となる分画とした。
【0043】(4)脂質組成比の影響 卵黄由来のレシチン(EPC)を水素添加したもの(H
EPC)と大豆由来のレシチンを水素添加したものより
合成したホスファチジルセリン(HSPS)を表1に示
すように秤取し、上記の方法でリポソームを調製し、加
熱滅菌前後の粒子径及び保持容量を上記の如く検討し
た。
【0044】
【表1】
【0045】(5)粒子径の影響 HEPC 0.909gとHSPC 0.091gを秤
取し、上記の方法でリポソームを調製した。ただし、加
圧濾過に用いるポリカーボネート膜フィルターとして、
孔径1.0ミクロン、0.8ミクロンまたは0.6ミク
ロンのものを使用し、それぞれの加熱滅菌前後の粒子径
及び保持容量を上記の如く検討した。結果を表2に示
す。
【0046】
【表2】 (6)荷電脂質の種類の影響 HEPC 0.950gと表3に示す荷電脂質0.05
0gを秤取し、上記の方法でリポソームを調製し、加熱
滅菌前後の粒子径及び保持容量を検討した。
【0047】
【表3】 実施例1X線造影剤イオジキサノールの封入 HEPC 0.640gとHEPCより合成したホスフ
ァチジルセリン(HEPS)0.064gを秤取し、こ
れにクロロホルム・メタノール・水混液(体積比10
0:25:0.1)60mlを加え、水浴(65℃)にて
加温することにより溶解した。これをロータリーエバポ
レーターを用いて、60℃で加温しながら溶媒を留去し
た。
【0048】更に真空下で2時間乾燥し、リピッドフィ
ルムを調製した。イオジキサノール(1,3−ビス(ア
セチルアミノ)−N,N′−ビス〔3,5−ビス(2,
3−ジヒドロキシプロピルアミノカルボニル)−2,
4,6−トリヨードフェニル〕−2−ヒドロキシプロパ
ン、0.4g/ml)とショ糖(0.05g/ml)を含む
水溶液を予め65℃に加温した後、その10mlをリピッ
ドフィルムとあわせ、65℃に加温しつつ、ミキサーで
10分間の撹拌を行った。これを65℃で加温しつつ、
孔径1.0ミクロンのポリカーボネート製メンブランフ
ィルターで1回加圧濾過し、多重層リポソーム(MLV, m
ultilamellar vesicles)を調製した。
【0049】調製したMLVの一部をガラス製のバイア
ル瓶に入れ、オートクレーブ(121℃,20分間)に
より、滅菌を行った。結果を表4に示す。尚保持容量の
測定は、実験例の(3)と同様に行ったが、イオジキサ
ノールの濃度の測定は、246nmの吸光度によった。
【0050】
【表4】
【0051】実施例2イオジキサノールの封入 実施例1と同様にイオジキサノールを含有する種々のリ
ポソーム製剤を調製した。結果を表5に示す。
【0052】
【表5】
【0053】実施例3ウアバイン(Ouabain)
の封入 HEPC 5.0gとHEPS 0.5gをコルベンに
秤取し、これにクロロホルム・メタノール・水混液(体
積比100:25:0.1)500mlを加え、水浴(6
5℃)にて加温することにより溶解する。これをロータ
リーエバポレーターを用いて、60℃で加温しながら溶
媒を留去した。更に真空下で12時間乾燥し、リピッド
フィルムを調製した。またこれとは別にHEPC 5.
0gとジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)
0.5gを秤取し、上記と同様にリピッドフィルムを調
製した。
【0054】コルベンより、リピッドフィルムの一部を
秤取し、リポソーム調製に用いた。すなわち、ウアバイ
ン(5mg/ml)とサッカロース(0.09g/ml)を含
む水溶液を予め65℃に加温した後、ガラスビーカーに
予め秤取したリピッドフィルム(1g)とウアバイン水
溶液50mlとをあわせ、65℃に加温しつつ、高速ホモ
ミクサー(特殊機化工業社製)で約1分間の撹拌を行っ
た。これを65℃で加温しつつ、孔径1.0ミクロンの
ポリカーボネート製メンブランフィルターで2回加圧濾
過し、多重層リポソーム(MLV, multilamellar vesicle
s)を調製した。
【0055】粒子径および主薬保持率は実験例の(2)
および(3)と同様に測定した。ただし、主薬保持率測
定において、ウアバインの定量は、ゲル濾過後の各分画
1mlにメタノール4mlを加えることにより、リポソーム
構成脂質を溶解した液の吸光度(221nm)を測定する
ことにより、行った。
【0056】
【表6】
【0057】実施例4サリチル酸ナトリウムの封入 実施例3において調製したリピッドフィルムの一部を用
い、実施例3と同様にリポソームを調製した。すなわ
ち、サリチル酸ナトリウム(10mg/ml)とサッカロー
ス(0.05g/ml)を含む水溶液を予め65℃に加温
した後、ガラスビーカーに予め秤取したリピッドフィル
ム(1g)とサリチル酸ナトリウム水溶液50mlとをあ
わせ、実施例2と同様にMLVを得た。
【0058】粒子径は実験例の(2)同様に測定した。
主薬保持率は、限外濾過法(Ultrafiltrat
ion)により測定した。具体的には、リポソーム0.
5mlを50mlメスコルベンに取り、5%グルコース水溶
液にて50mlに希釈し、この希釈液(A液)2.5mlを
限外濾過ユニット(CentrisartR , cut-off 20000, SAR
TORIUS社製)のouter tubeに入れ、floa
terをセットした後、遠心分離(3500rpm 、10
分間、室温)した。
【0059】濾過液(filtrate obtained in the float
ers)を採取し、その1mlにメタノール2mlを加え希釈
し、297nmにおける吸光度ABS(B)を測定した。
また、A液1mlにメタノール2mlを加え希釈し、297
nmにおける吸光度ABS(A)を測定した。主薬保持率
は、以下の式により算出した。 主薬保持率=(ABS(A)−ABS(B))/ABS
(A)×100(%)
【0060】
【表7】
【0061】実施例5レボフロキサシン(Levof
loxacin)の封入 実施例2において調製したリピッドフィルムの一部を用
い、実施例2と同様にリポソームを調製した。すなわ
ち、レボフロキサシン(0.1mg/ml)とサッカロース
(0.09g/ml)を含む水溶液を予め65℃に加温し
た後、ガラスビーカーに予め秤取したリピッドフィルム
(1g)とレボフロキサシン水溶液50mlとをあわせ、
実施例2と同様にリポソームを得た。
【0062】粒子径および主薬保持率は実験例の(2)
および(3)と同様に測定した。ただし、主薬保持率測
定において、レボフロキサシンの定量は、ゲル濾過後の
各分画1mlにメタノール4mlを加えることにより、リポ
ソーム構成脂質を溶解した液の蛍光強度(励起波長35
6nm、蛍光波長455nm)を測定することによって行っ
た。
【0063】
【表8】
【0064】実施例6.HEPC 10.0gとHEP
S 1.0gをコルベンに秤取し、これにクロロホルム
・メタノール・水混液(体積比100:25:0.1)
500mlを加え、水浴(65℃)にて加温することによ
り溶解する。これをロータリーエバポレーターを用い
て、60℃で加温しながら溶媒を留去した。更に真空下
で12時間乾燥し、リピッドフィルムを調製した。コル
ベンより、リピッドフィルムの一部を秤取し、リポソー
ム調製に用いた。
【0065】すなわち、イオジキサノール(407mg/
ml)とD−ソルビトール(18mg/ml)を含む水溶液を
予め65℃に加温した後、ガラスビーカーに予め秤取し
たリピッドフィルム(5.63g)とイオジキサノール
水溶液100mlとをあわせ、65℃に加温しつつ、高速
ホモミクサー(特殊機化工業社製)で約5分間の攪拌を
行った。これを65℃で加温しつつ、孔径0.4ミクロ
ンのポリカーボネート製メンブランフィルターで1回加
圧濾過し、多重層リポソーム(MLV, multilamellar ves
icles)を調製し、トリス−塩酸緩衝液をトリスの最終濃
度が8mMとなるように添加した(最終pH7.8)。これ
をガラスバイアル中に入れ、121℃で20分間オート
クレーブ滅菌した。オートクレーブ後の粒子径およぴ主
薬保持率を実験例の(2)および(3)と同様に測定し
た。結果を下表に示す。
【0066】
【表9】

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リポソーム膜が実質的に飽和された脂肪
    酸残基を含む中性リン脂質と実質的に飽和された脂肪酸
    残基を含む荷電リン脂質とから形成されており、該中性
    リン脂質と荷電リン脂質との重量比が200:1〜3:
    1であり、リポソームの平均粒子径が50nm〜3000
    nmであり、そして保持容量(内水相/脂質)が5ml/g
    以上である、ことを特徴とする多重層のリポソーム及び
    その懸濁液。
  2. 【請求項2】 前記中性リン脂質及び荷電リン脂質の脂
    肪酸残基の炭素原子数がそれぞれ14個以上である特許
    請求の範囲第1項記載のリポソーム及びその懸濁液。
  3. 【請求項3】 前記中性リン脂質がホスファチジルコリ
    ンである、請求項2に記載のリポソーム及びその懸濁
    液。
  4. 【請求項4】 前記ホスファチジルコリンが、ジパルミ
    トイルホスファチジルコリン又はジステアロイルホスフ
    ァチジルコリンである、請求項3に記載のリポソーム及
    びその懸濁液。
  5. 【請求項5】 前記荷電リン脂質が、ホスファチジルセ
    リン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイ
    ノシトール、ホスファチジン酸、又はホスファチジン酸
    とアミノアルコールとのエステルである、請求項2に記
    載のリポソーム及びその懸濁液。
  6. 【請求項6】 前記ホスファチジルセリンが、ジパルミ
    トイルホスアチジルセリン又はジステアロイルホスファ
    チジルセリンである請求項5に記載のリポソーム及びそ
    の懸濁液。
  7. 【請求項7】 前記ホスファチジルグリセロールがジパ
    ルミトイルホスファチジルグリセロール又はジステアロ
    イルホスファチジルグリセロールである請求項5に記載
    のリポソーム及びその懸濁液。
  8. 【請求項8】 前記ホスファチジルイノシトールが、ジ
    パルミトイルホスファチジルイノシトール又はジステア
    ロイルホスファチジルイノシトールである請求項5に記
    載のリポソーム及びその懸濁液。
  9. 【請求項9】 前記ホスファチジン酸が、ジパルミトイ
    ルホスファチジン酸又はジステアロイルホスファチジン
    酸である請求項5に記載のリポソーム及びその懸濁液。
  10. 【請求項10】 前記ホスファチジン酸とアミノアルコ
    ールとのエステルが、ジパルミトイルホスファチジン酸
    又はジステアロイルホスファチジン酸とヒドロキシエチ
    レンジアミンとのエステルである、請求項5に記載のリ
    ポソーム及びその懸濁液。
  11. 【請求項11】 前記中性リン脂質と荷電リン脂質との
    重量比が60:1〜4:1である、請求項1〜10のい
    ずれか1項に記載のリポソーム及びその懸濁液。
  12. 【請求項12】 リポソームの平均粒子径が150nm〜
    1000nmである、請求項1〜11のいずれか1項に記
    載のリポソーム及びその懸濁液。
  13. 【請求項13】 前記保持容量が6ml/g以上である請
    求項1〜11のいずれか1項に記載のリポソーム及びそ
    の懸濁液。
  14. 【請求項14】 前記保持容量が8ml/g以上である、
    請求項1〜11のいずれか1項に記載のリポソーム及び
    その懸濁液。
  15. 【請求項15】 前記保持容量が10ml/g以上であ
    る、請求項1〜11のいずれか1項に記載のリポソーム
    及びその懸濁液。
  16. 【請求項16】 総脂質濃度が20mg/ml〜100mg/
    mlである請求項1〜15のいずれか1項に記載のリポソ
    ーム懸濁液。
  17. 【請求項17】 総脂質濃度が40mg/ml〜90mg/ml
    である請求項1〜15のいずれか1項に記載のリポソー
    ム懸濁液。
  18. 【請求項18】 総脂質濃度が50mg/ml〜80mg/ml
    である請求項1〜15のいずれか1項に記載のリポソー
    ム懸濁液。
  19. 【請求項19】 水溶性の薬物をリポソームの内水相に
    保持した請求項1〜18のいずれか1項に記載のリポソ
    ーム及びその懸濁液。
  20. 【請求項20】 水溶性で非電解質の薬物をリポソーム
    の内水相に保持した請求項1〜19のいずれか1項に記
    載のリポソーム及びその懸濁液。
  21. 【請求項21】 水溶性で非電解質の薬物を、該薬物の
    電荷と同じ電荷を有するリポソームの内水相に保持した
    請求項1〜20のいずれか1項に記載のリポソーム及び
    その懸濁液。
  22. 【請求項22】 実質的に飽和された脂肪酸残基を含む
    中性リン脂質と実質的に飽和された脂肪酸残基を含む荷
    電リン脂質とを溶媒に溶解後、該溶媒を除去して得られ
    た残渣を薬物を含んでもよい水相と混合し次いで振とう
    又は撹拌することを特徴とするリポソーム及びその懸濁
    液の製造法。
JP6819695A 1994-03-28 1995-03-27 保持容量を向上させたリポソーム Pending JPH07316041A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6819695A JPH07316041A (ja) 1994-03-28 1995-03-27 保持容量を向上させたリポソーム

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5740994 1994-03-28
JP6-57409 1994-03-28
JP6819695A JPH07316041A (ja) 1994-03-28 1995-03-27 保持容量を向上させたリポソーム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07316041A true JPH07316041A (ja) 1995-12-05

Family

ID=26398445

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6819695A Pending JPH07316041A (ja) 1994-03-28 1995-03-27 保持容量を向上させたリポソーム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07316041A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005509000A (ja) * 2001-11-13 2005-04-07 セレーター テクノロジーズ インコーポレイテッド 増強された血中安定性を有する脂質キャリア組成物
JP2006508990A (ja) * 2002-11-26 2006-03-16 エムシーエス マイクロ キャリア システムズ ゲーエムベーハー 自己形成リン脂質ゲル
JP2006298838A (ja) * 2005-04-21 2006-11-02 Konica Minolta Medical & Graphic Inc リポソーム含有x線造影剤
JP2013136038A (ja) * 2011-12-28 2013-07-11 Miyoshi Oil & Fat Co Ltd リポソームおよびその製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005509000A (ja) * 2001-11-13 2005-04-07 セレーター テクノロジーズ インコーポレイテッド 増強された血中安定性を有する脂質キャリア組成物
US8518437B2 (en) 2001-11-13 2013-08-27 Celator Pharmaceuticals, Inc. Lipid carrier compositions with enhanced blood stability
JP2006508990A (ja) * 2002-11-26 2006-03-16 エムシーエス マイクロ キャリア システムズ ゲーエムベーハー 自己形成リン脂質ゲル
JP2006298838A (ja) * 2005-04-21 2006-11-02 Konica Minolta Medical & Graphic Inc リポソーム含有x線造影剤
JP2013136038A (ja) * 2011-12-28 2013-07-11 Miyoshi Oil & Fat Co Ltd リポソームおよびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2579625B2 (ja) 改良された取り込み効率を有するマルチラメラリポソ−ム
HUT62458A (en) Process for producing liposomes with increased receptive capacity towards foreign materials to be encapsulated
JP5176320B2 (ja) リポソーム含有製剤の製造方法
TWI637754B (zh) 熱塑性奈米粒子及其製法
WO2004054499A2 (en) Platinum aggregates and process for producing the same
US6475515B2 (en) Process for increasing the stability of liposome suspensions that contain hydrophilic active ingredients
JP3759765B2 (ja) リポソーム
JP5126874B2 (ja) リポソーム製剤の製造方法
EP0414806B1 (en) High ratio active agent:lipid complex
WO1995026185A1 (fr) Liposome a capacite de retention accrue
JPH07316041A (ja) 保持容量を向上させたリポソーム
JP2007262026A (ja) リポソームの製造方法
DK2252304T3 (en) PLATINUM UNITS AND PROCEDURES FOR PRODUCING THE SAME
JP2005162678A (ja) リポソーム用脂質、リポソームおよびそれらの製造方法
JP4444385B2 (ja) リポソーム用時調製用キット
JP2007284395A (ja) リポソーム含有製剤の製造方法
JP2006298838A (ja) リポソーム含有x線造影剤
JPH0446129A (ja) 新規なリポソーム形成助剤
JP2006069930A (ja) リポソームおよびその前駆体エマルション混合物
JP2006298844A (ja) リポソーム内に医薬化合物を内包するリポソーム含有製剤
JP5082399B2 (ja) 薬剤内包リポソームの製造方法
JP4694776B2 (ja) 微小粒子組成物又はリポソーム製剤
JP2006298843A (ja) リポソームおよびリポソーム含有製剤の製造方法
JP2006298839A (ja) リポソーム含有製剤
JP2005220034A (ja) X線検査用造影剤の製造方法