JPH0731393Y2 - テープ再生装置におけるカセットパック押圧機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔概要〕 テープ再生装置において、挿入されたカセットパックの
横方向の振動を抑制するため、挿入されたカセットパッ
クの側面を押圧することのできる押圧部材を設ける。

〔産業上の利用分野〕

本考案はカセットテープデッキ等のテープ再生装置にお
けるカセットパック押圧機構に関する。

〔従来の技術〕

テープ再生装置においては、磁気ヘッド等の再生ヘッド
をカセットパックのテープに接触させながら再生を行
い、カセットパックを排出するときには再生ヘッドをカ
セットパックのテープから離すようになっている。この
ため、再生ヘッドはカセットパックに対して前進及び後
退することのできるヘッド台に支持されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

再生時には、再生ヘッドがカセットパックに対して前進
してテープと接触するが、再生ヘッドとテープとの接触
が不安定であるとレベル変動が発生する問題がある。特
に、選曲機能を有するテープ再生装置では顕著にあらわ
れ、選曲動作ができないという問題が発生する。さら
に、自動車用のテープ再生装置は自動車の振動を受け、
カセットパックが振動しやすく、このために再生ヘッド
とテープとの接触が不安定になり勝ちであり、レベル変
動が発生しやすい。従来、自動車用のテープ再生装置で
は、挿入されたカセットパックをスプリング力によって
上から下に抑えるようにしていたが、この方法では横か
らの振動に対してはあまり効果がなかった。また、カセ
ットパックの排出時には、このスプリング力に抗してカ
セットパックを持ち上げることが必要であり、横からの
振動を抑制するためにスプリング力を増大すると排出の
ために非常に大きな力が必要になるという問題があっ
た。

本考案はヘッド台の前進及び後退運動を利用して簡単な
構成でカセットパックの横方向の振動を抑制することの
できるテープ再生装置におけるカセットパック押圧機構
を提供することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案によるテープ再生装置におけるカセットパック押
圧機構は、挿入されたカセットパックのテープと係合可
能な再生ヘッドと、該再生ヘッドを支持し、且つ挿入さ
れたカセットパックに対して前進及び後退することので
きるヘッド台とを備えたテープ再生装置において、前記
ヘッド台の前進及び後退運動と連動して挿入されたカセ
ットパックの側面を押圧することのでる押圧部材を設
け、該押圧部材はシャーシに枢着され、且つ該枢着部の
各側に延びる第１及び第２のアームを有し、該第１のア
ームがカセットパックに係合可能であるとともに、該第
２のアームがヘッド台に設けた係合穴に挿入され、該係
合穴が、ヘッド台が前進するときに該押圧部材をカセッ
トパックに接触させ、ヘッド台が後退するときに該押圧
部材をカセットパックから離れさせるように形成され、
挿入されたカセットパックの横方向の振動を抑制するよ
うにしたことを特徴とするものである。

〔作用〕

上記構成においては、カセットパックが挿入されるとき
に再生ヘッド及びヘッド台が前進し、それに連動して押
圧部材がカセットパックの側面を押圧する。カセットパ
ックのテープスプールはテープ再生装置の巻き取りリー
ルに支持され、しかも押圧部材がカセットパックの側面
を押圧するので、カセットパックの運動のガタがなくな
り、よって横方向の振動を抑制する。押圧部材は好まし
くはカセットパックを再生ヘッドに向かう方向に押圧す
るようにする。また、カセットパックが排出されるとき
には、再生ヘッド及びヘッド台が後退し、それに連動し
て押圧部材がカセットパックを押圧しないようになり、
カセットパックを抵抗なく排出することができる。

〔実施例〕

第１図は磁気テープカセットデッキのシャーシの上方部
分を取り除いた、従ってシャーシの底面部分10の平面図
である。シャーシの底面部分10に対して一対の側壁プレ
ート12,14が設けられ、カセットパック16がこれらの側
壁プレート12,14の間に矢印Ａの方向に挿入されること
ができる。一対の巻き取りリール18,20がシャーシに回
転可能に取りつけられ、挿入されたカセットパック16の
テープスプールを受けることができる。

板状のヘッド台22がシャーシの底面部分10上に配置され
る。ヘッド台22は再生用磁気ヘッド21を支持している。
ヘッド台22は側壁プレート12,14と直角方向に設けた長
穴24,26を有し、シャーシの底面部分10に取りつけたピ
ン28,30がこれらの長穴24,26に挿入されることによっ
て、ヘッド台22は側壁プレート12,14と直角方向に、即
ち挿入されたカセットパック16に対して前進及び後退す
る方向に移動可能である。ヘッド台22とシャーシの底面
部分10との間に設けられた第１のスプリング32が、ヘッ
ド台22を後退方向に付勢している。また、駆動レバー34
が図示しないモータ等の駆動手段に連結され、その先端
にピン36が設けられる。第２のスプリング38がこのピン
36とヘッド台22との間に設けられる。

駆動レバー34は、カセットパック16の挿入時に、モータ
等の駆動手段によってピン36が第１図で上方に動くよう
に作動される。従って、ピン36は第２のスプリング38を
介して且つ第１のスプリング32のスプリング力に抗して
ヘッド台22を（第１図の上方向に）前進させ、よって再
生用磁気ヘッド21が一点鎖線で示される前進位置に前進
し、カセットパック16のテープと接触するようになる。
なお、再生用磁気ヘッド21は早送り等においては破線で
示される前進位置をとることもできる。カセットパック
16の排出時には、例えばカセットデッキの前面に設けた
エジェクトレバー等に連動するロックの解除によって駆
動レバー34をフリーにする。従って、ヘッド台22は第１
のスプリング32のスプリング力によって後退する。

第１図から第４図を参照すると、カセットパック16の側
面を押圧する押圧部材40が再生用磁気ヘッド21とは反対
側の側壁プレート12の近くに設けられる。押圧部材40は
シャーシの底面部分10に取りつけられたピン42に回転可
能に取りつけられたベルクランク状の２個のアーム44,4
6を有し、第１のアーム44がカセットパック16に係合
し、第２のアーム46がヘッド台22に連結される。

第２図から明らかなように、第２のアーム46はシャーシ
の底面部分10とほぼ平行な平坂であり、第１のアーム44
は第２のアーム46に対してほぼ直角に立てた平坂であ
る。従って、第１のアーム44は側壁プレート12とほぼ平
行に位置することができる。第１のアーム44の先端部44
aは側壁プレート12側にゆるく曲げられていて、側壁プ
レート12に設けた穴12a内に入ることができ、よってカ
セットパック16の挿入時にカセットパック16が第１のア
ーム44の先端部44aにひっかからないようになってい
る。第２のアーム46の先端部には突起46aが形成されて
いる。ヘッド台22には傾斜部を有する係合穴48が設けら
れ、第２のアーム46の突起46aがこの係合穴48に挿入さ
れている。

第３図はカセットパック16の挿入前の状態を示してお
り、第２のアーム46の突起46aは係合穴48のあそびの部
分に位置し、第１のアーム44は側壁プレート12とほぼ平
行な位置にある。第４図はカセットパック16が挿入され
ている状態を示している。第４図においては、ヘッド台
22が矢印Ｂで示す方向に前進しており、第２のアーム46
の突起46aが係合穴48の傾斜部と係合して反時計回り方
向に回転している。従って、第１のアーム44も同様に回
転し、カセットパック16の側面を再生用磁気ヘッド21に
向かう方向に押圧する。カセットパック16のテープスプ
ールは巻き取りリール18,20（第１図）に支持され、し
かも押圧部材40がカセットパック16の側面を押圧するの
で、カセットパック16の運動のガタがなくなり、よって
横方向の振動を抑制する。また、カセットパック16が排
出されるときには、再生用磁気ヘッド21及びヘッド台22
が矢印Ｂとは反対の方向に後退し、それに連動して押圧
部材40が時計回り方向に回転してカセットパック16を押
圧しないようになり、カセットパック16を抵抗なく排出
することができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、ヘッド台の前進
及び後退運動と連動して挿入されたカセットパックの側
面を押圧することのできる押圧部材を設け、挿入された
カセットパックの横方向の振動を抑制し、そして押圧部
材は直接的にヘッド台に連結されているので、実質的に
は単一の押圧部材を設けるだけの簡単な構成でカセット
パックの運動のガタをなくしてレベル変動の発生を防止
できるととに、カセットパックの挿入及び排出を支障な
く行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるテープ再生装置におけるカセット
パック押圧機構を示す平面図、第２図は第１図の押圧部
材を示す斜視図、第３図はカセットパック挿入前の状態
を示す図、第４図はカセットパック挿入後の状態を示す
図である。 16……カセットパック、21……磁気ヘッド、22……ヘッ
ド台、34……駆動レバー、32,38……スプリング、40…
…押圧部材、44,46……アーム、46a……突起、48……係
合穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】挿入されたカセットパックのテープと係合
   可能な再生ヘッドと、該再生ヘッドを支持し、且つ挿入
   されたカセットパックに対して前進及び後退することの
   できるヘッド台とを備えたテープ再生装置において、前
   記ヘッド台の前進及び後退運動と連動して挿入されたカ
   セットパックの側面を押圧することのできる押圧部材を
   設け、該押圧部材はシャーシに枢着され、且つ該枢着部
   の各側に延びる第１及び第２のアームを有し、該第１の
   アームがカセットパックに係合可能であるとともに、該
   第２のアームがヘッド台に設けた係合穴に挿入され、該
   係合穴が、ヘッド台が前進するときに該押圧部材をカセ
   ットパックに接触させ、ヘッド台が後退するときに該押
   圧部材をカセットパックから離れさせるように形成さ
   れ、挿入されたカセットパックの横方向の振動を抑制す
   るようにしたことを特徴とするテープ再生装置における
   カセットパック押圧機構。