JPH0731262A - 作業機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンバインで枕地を旋回中に姿勢制御装置が
働くと、片側のクローラ走行装置で機体を引きずるよう
にして馬力を多く使う状態で、さらに、走行装置昇降用
の油圧シリンダにも馬力が必要になり、エンジン出力不
足やエンストを誘発するがあるため、これを防止する。 【構成】 左右のクローラ走行装置の対機体高さを調節
可能な昇降シリンダ７，７を備えて、機体を左右方向で
水平姿勢に維持する姿勢制御手段Ａを備えるとともに、
左右のクローラ走行装置の駆動速度差でもって旋回走行
状態を現出するステアリング手段Ｂを備えたコンバイン
において、機体の旋回走行状態が現出されると姿勢制御
手段Ａの作動を不能とするよう、姿勢制御手段Ａとステ
アリング手段Ｂとを連係する連係制御手段Ｃを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、クローラ走行装置を備
えたコンバインや、作業装置付き多輪型運搬車といった
作業機に係り、詳しくは、不必要な制御作動を止めて動
力ロスを減らす技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、特開平４−２３４９１２号公報
で示されたもののように、ローリング制御装置によって
機体の左右姿勢を制御するようにしたコンバインが知ら
れている。機体の左右姿勢を水平に保つローリング制御
を行うことにより、穀稈の刈り高さを地面の起伏に拘ら
ずに左右で異なることなく極力一定の位置で切断できる
等の利点がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記コンバイン等のよ
うに、左右方向で機体を所定の姿勢に維持する姿勢制御
手段を備えるとともに、左右の走行装置の駆動速度差で
もって旋回走行状態を現出するステアリング手段を備え
た作業機では、姿勢制御手段を作動させた状態で作業走
行するものである。この場合、多くは油圧シリンダで走
行装置の昇降を行うものであるから、コンバインで枕地
を旋回中に姿勢制御装置が働くと、片側のクローラ走行
装置で機体を引きずるようにして馬力を多く使う状態
で、さらに、走行装置昇降用の油圧シリンダにも馬力が
必要になると、エンジン出力が不足気味になってヒート
し易いとか、場合によってはエンストするおそれがあっ
た。そこで、よく考えてみると、コンバイン等の作業機
では、旋回時は作業しない状態であるから姿勢制御装置
を作動させなくても良いように思える。本発明は、この
点に鑑みることにより、馬力を消費する旋回走行時での
エンジン回転低下やエンストおそれを防止して良好に旋
回走行できることを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的の達成のために
本発明は、左右の走行装置の対機体高さを調節可能な油
圧アクチュエータを備えて、機体を左右方向で所定の姿
勢に維持する姿勢制御手段を備えるとともに、左右の走
行装置の駆動速度差でもって旋回走行状態を現出するス
テアリング手段を備えた作業機において、機体の旋回走
行状態が現出されると姿勢制御手段の作動を不能とする
よう、姿勢制御手段とステアリング手段とを連係する連
係制御手段を備えてあることを特徴とする。

【０００５】

【作用】つまり、姿勢制御手段を作動させなくても良い
旋回走行中では、連係制御手段によって機体の姿勢制御
が行われないようになるから、直進時に比べて馬力を多
く必要とする旋回走行時に、さらに走行装置昇降用油圧
シリンダへ馬力供給することを省け、エンジン出力不足
やエンストおそれを可及的に解消することができる。
又、そのための手段としては、旋回を検出するセンサ
と、そのセンサの作動に基づいて姿勢制御手段への通電
を入切りするスイッチとを設けるといった具合の極僅か
な改造で済む。

【０００６】

【発明の効果】従って、左右の駆動速度差で旋回させる
構造の作業機の実作業状態を熟知した上で、旋回時に姿
勢制御作動を不能にさせる工夫により、姿勢制御手段と
ステアリング手段との連係手段を設けるだけの構造簡単
で経済的な手段としながら、エンジンストールやエンス
トを防止して良好な旋回状態が得られた。

【０００７】

【実施例】以下に、本発明の実施例を、作業機の一例で
あるコンバインの場合について図面に基づいて説明す
る。図３にコンバインが示され、１は刈取部、２は脱穀
装置、３は操縦部、４はクローラ走行装置、５は機体で
ある。このコンバインは、機体５の左右方向での姿勢を
地面の起伏や凹凸に拘らずに水平に維持する姿勢制御手
段Ａと、左右のクローラ走行装置４，４の駆動速度に差
を付けて旋回するステアリング手段Ｂとを有している。

【０００８】姿勢制御手段Ａは、図２に示すように、ク
ローラ走行装置４を４連リンク機構６と昇降シリンダ７
とで成る左右の駆動昇降機構（特開平４−２３４９１２
号公報等に示された公知技術である）８，８と、機体５
に取付けられた傾斜検出用の水平センサ９と、制御装置
１０とで構成され、水平センサ９の検出情報に基づいて
左右のローリング用制御弁１４，１４を切換作動させる
ものである。

【０００９】ステアリング手段Ｂは、左右走行用ミッシ
ョン１１内に備えられた左右のサイドクラッチ・ブレー
キ（図示せず）の操作シリンダ１２，１２と、これらを
連係駆動させるための単一の操作レバー１３と制御装置
１０とで構成され、旋回させるべく操作レバー１３の傾
倒操作に基づいて旋回用制御弁１５を切換作動させるも
のである。操作レバー１３の傾倒角度によって、緩旋
回、信地旋回、超信地旋回等の旋回形態を現出させるの
であるが、公知技術（特開平４−３２１４７３号公報
等）に付きこれ以上詳細な説明は省略する。

【００１０】そして、機体５の旋回走行状態が現出され
ると姿勢制御手段Ａの作動を不能とするよう、姿勢制御
手段Ａとステアリング手段Ｂとを連係する連係制御手段
Ｃを備えてある。すなわち、水平センサ９と制御装置１
０との間に介装されるリレー１６に、操作レバー１３に
備えられたコントローラ（ポテンショメータやスイッチ
等）１３ａとを電気的に接続して連係制御手段Ｃを構成
してあり、操作レバー１３が左右に傾倒操作されるとリ
レー１６を作動させて水平センサ９からの電気信号をカ
ットし、それ以前の姿勢状態で機体５を維持させるので
ある。

【００１１】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】連係制御の系統図

【図２】駆動昇降機構の概略構造を示す側面図

【図３】コンバインの側面図

【符号の説明】

４ 走行装置 ７ 油圧アクチュエータ Ａ 姿勢制御手段 Ｂ ステアリング手段 Ｃ 連係制御手段

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 左右の走行装置（４），（４）の対機体
   高さを調節可能な油圧アクチュエータ（７），（７）を
   備えて、機体を左右方向で所定の姿勢に維持する姿勢制
   御手段（Ａ）を備えるとともに、左右の前記走行装置
   （４），（４）の駆動速度差でもって旋回走行状態を現
   出するステアリング手段（Ｂ）を備えた作業機であっ
   て、 機体の旋回走行状態が現出されると前記姿勢制御手段
   （Ａ）の作動を不能とするよう、前記姿勢制御手段
   （Ａ）と前記ステアリング手段（Ｂ）とを連係する連係
   制御手段（Ｃ）を備えてある作業機。