JPH0418343Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は例えば刈取部の刈刃の地上高さを検知
する刈高さセンサと、前記刈刃の支持高さを変化
させる油圧シリンダなどの刈高さ調節部材を備え
て、前記刈取部を昇降させて未刈り穀桿を希望す
る長さに切断する装置に関する。

「従来の技術」 従来、刈高さセンサの検出結果に基づき、刈高
さ調節部材を制御して刈取部を自動的に昇降さ
せ、所定刈高さで刈取作業を行う技術があつた。

「考案が解決しようとする問題点」 しかし乍ら、前記従来技術は、一般に走行速度
が高速になると、穀桿が刈刃によつて前方に押さ
れ、押し刈り状態で刈取られて高刈りになる問題
があつた。

「問題点を解決するための手段」 本考案は上記の従来問題点に対処したものであ
り、刈高さセンサの出力に基づいて刈高さ調節部
材を作動制御する装置において、前記センサの検
出範囲を走行速度センサによつて変更可能とし、
刈高さセンサの上限下限の検出範囲基準値を走行
速度センサの検出値に基づいて高速になるほど低
く設定するように構成したことを特徴とするもの
である。

「作用」 従つて、走行速度変化に対応させて前記センサ
の検出範囲を自動的に変更することにより、高速
にするほどその検出範囲を低刈りにし、走行速度
に関係なく常に略一定の刈高さを得られるように
した収穫機の刈高さ調節装置を提供しようとする
ものである。

「実施例」 以下本考案の一実施例を図面に基ずいて詳述す
る。第１図はコンバインの側面図、第２図は同平
面図であり、図中１は左右に走行クローラ２，２
を装設するトラツクフレーム、３は前記トラツク
フレーム１に回動支点軸４及び刈高さ調節部材で
ある油圧シリンダ５を介して支持させる機台、６
は左側にフイードチエーン７を張架させこき胴８
を内蔵する脱穀部、９は刈刃１０及び穀桿搬送機
構１１を備える刈取部、１２は前記脱穀部６の後
方に備える排藁切断部、１３は揚穀筒１４を介し
て前記脱穀部６から取出した穀粒を溜める籾タン
ク、１５はコンバインの各部を駆動するエンジ
ン、１６は運転席１７及び運転操作部１８を備え
る運転台であり、連続的に穀桿を刈取つて脱穀す
るように構成する。

第３図に示す如く、上昇及び下降用ソレノイド
１９，２０を有する３位置３ポート型電磁切換弁
２１を備え、上記機台３と共に刈取部９を昇降さ
せるための油圧シリンダ５を作動させ、刈取部９
の刈刃１０の地上高さを変化させて刈高さ調節す
るように形成する。

第１図及び第４図に示す如く、上記刈刃１０を
支える刈取フレーム２３に、圃場表面に添接させ
る刈高さセンサであるセンサアーム２４を取付け
て、このセンサアーム２４にポテンシヨメータ２
５を設けると共に、磁石２６を有する回転板２７
並びにリードスイツチ２８によつて形成する車速
センサ２９を備え、前記回転板２７を車軸３０に
設ける。

また前記ポテンシヨメータ２５の刈高さ検出範
囲を設定するコンパレータ３１，３２，３３を備
え、モノマルチ３４及び積分回路３５を介して前
記リードスイツチ２８に各コンパレータ３１，３
２，３３を接続させると共に、条刈中割切換用ス
イツチ３６によつて各コンパレータ３１，３２，
３３出力を選択するアンドゲート３７，３８，３
９，４０を備える。そして足跡及び刈株等による
誤動作を防止する平滑回路４１，４２とオアゲー
ト４３，４４を介して各アンドゲート３７，３
８，３９を接続させて上昇または下降信号を判断
して出力する刈高さ調節回路４５を備えると共
に、上記運転操作部１８の脱穀及び刈取クラツチ
レバー４６，４７と連動してオン作動させる収穫
作業スイツチ４８，４９，５０と、自動スイツチ
５１と、自動復帰スイツチ５２とを備え、前記各
スイツチ４８，５１及びキースイツチ５３を介し
て前記調節回路４５に駆動電源５４を印加させ
る。

また上記各ソレノイド１９，２０のドライブ回
路５５，５６と、自動ランプ５７のドライブ回路
５８とを前記調節回路４５に接続させ、前記ポテ
ンシヨメータ２５の出力に基づいて各ソレノイド
１９，２０を作動制御し、油圧シリンダ５を自動
的に駆動して刈取部９を昇降させると共に、刈高
さ手動スイツチ５９を前記各ドライブ回路５５，
５６に接続させ、前記スイツチ５９の手動操作に
よつて油圧シリンダ５を駆動して刈取部９を昇降
させるように構成している。

さらに前記調節回路４５をオフ操作して手動調
節を優先させるフリツプフロツプ回路６０を備え
て、このフリツプフロツプ回路６０に前記手動ス
イツチ５９を接続させると共に、前記調節回路４
５に前記スイツチ５０を、また前記フリツプフロ
ツプ回路６０に前記各スイツチ４９，５０を夫々
接続させ、収穫作業を中断したときに前記調節回
路４５をオフ操作し、前記各スイツチ４９，５０
のオン作動によつて前記調節回路４５をオン操作
するように構成しているものである。

なお、第１図に示す如く、右側の刈取フレーム
２３に前記センサアーム２４を取付けると共に、
左右の刈取フレーム２３，２３に左右の操向セン
サ６１，６１を取付け、未刈り圃場で作業開始時
に行う中割作業のときは、前記フレーム２３を条
間中央付近に位置させて走行させる一方、機体の
左側を未刈り穀桿に沿わせて行う条刈作業のとき
は、右側の刈取フレーム２３を既刈り側の刈株上
付近に位置させて走行させ、未刈り穀桿から機体
を離して移動するように構成するものである。

本考案は上記の如く構成しており、連続的に穀
桿を刈取り脱穀して収穫作業を行つている途中、
刈取部９の地上高さが変化してセンサアーム２４
が上下揺動すると、これと連動してポテンシヨメ
ータ２５が作動すると共に、コンバインの走行速
度を前記走行速度センサ２９によつて検出し、こ
の走行速度に応じて各コンパレータ３１，３２，
３３の検出範囲基準値を変更するもので、センサ
アーム２４の上限下限の検出範囲基準値を走行速
度センサ２９の検出値に基づいて高速になるほど
低く設定し、高速になるほど低刈り状態にして押
刈り傾向となる穀桿を常に略一定の高さに刈取る
ものである。

また、条刈作業のときは右側の刈取フレーム２
３に設けたセンサアーム２４が刈株上付近を移動
すると共に、条刈中割切換用スイツチ３６のオン
操作によつてアンドゲート３７，３８だけをオン
作動させ、低刈り側検出範囲基準値によつて作動
する各コンパレータ３１，３２を介してポテンシ
ヨメータ２５の出力を前記調節回路４５に入力
し、低刈り状態で刈高さ制御を行う。

さらに中割作業のときは前記センサアーム２４
が刈株中間付近を移動すると共に、条刈り中割切
換用スイツチ３６のオフ操作によつてアンドゲー
ト３９，４０だけをオン作動させ、高刈り側検出
範囲基準値によつて作動する各コンパレータ３
２，３３を介してポテンシヨメータ２５の出力を
前記調節回路４５に入力し、高刈り状態で刈高さ
制御を行うものである。

「考案の効果」 以上実施例に示す如く本考案は、刈高さセンサ
２４の出力に基づいて刈高さ調節部材５を作動制
御する装置において、前記センサ２４の検出範囲
を走行速度センサ２９によつて変更可能とし、刈
高さセンサ２４の上限下限の検出範囲基準値を走
行速度センサ２９の検出値に基づいて高速になる
ほど低く設定するように構成したもので、走行速
度変化に対応させて前記センサ２９の検出範囲を
自動的に変更させることにより、高速にするほど
その検出範囲を低刈りにし、走行速度に関係なく
常に略一定の刈高さを得ることができ、簡便な操
作で安全に取扱うことができる等の実用的な効果
を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すコンバインの
側面図、第２図は同平面図、第３図は要部の油圧
回路図、第４図は同電気回路図である。 ５……油圧シリンダ（刈高さ調節部材）、２４
……センサアーム（刈高さセンサ）、２９……走
行速度センサ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 刈高さセンサ２４の出力に基づいて刈高さ調節
   部材５を作動制御する装置において、前記刈高さ
   センサ２４の検出範囲を走行速度センサ２９によ
   つて変更可能とし、刈高さセンサ２４の上限下限
   の検出範囲基準値を走行速度センサ２９の検出値
   に基づいて高速になるほど低く設定するように構
   成したことを特徴とする収穫機の刈高さ調節装
   置。