JPH07312326A - 積層型電子部品の製造方法 - Google Patents

積層型電子部品の製造方法

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JPH07312326A
JPH07312326A JP10383594A JP10383594A JPH07312326A JP H07312326 A JPH07312326 A JP H07312326A JP 10383594 A JP10383594 A JP 10383594A JP 10383594 A JP10383594 A JP 10383594A JP H07312326 A JPH07312326 A JP H07312326A
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layer
electrode pattern
resin
electrode
dedicated
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Application number
JP10383594A
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English (en)
Inventor
Yasuharu Fukui
康晴 福井
Ryo Kimura
涼 木村
Yasushige Shimizu
恭重 清水
Fumio Tanaka
文雄 田中
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はエレクトロニクス分野で用いられる
積層型電子部品の製造方法に関するもので、ベースフィ
ルム上に電極パターンを支障なく形成することが可能
で、熱転写工程を行う際、電極パターンの裏移りを防
ぎ、熱転写が支障なく行え、積層型電子部品の品質、信
頼性、歩留まりを向上させる、電極形成用フィルムの製
造方法を提供することを目的とするものである。 【構成】 本発明は、ベースフィルム1の塗工面に第1
層目が剥離専用層16、その上に第2層目として電極パ
ターン形成専用層17を設けた機能分離型の多層構造か
らなる電極形成層を形成し、さらに、その反対側の面
に、電極パターン9が再付着しないように裏移り防止層
18を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエレクトロニクス分野で
用いられる積層型電子部品における電極パターン形成工
程と電極パターン転写工程に利用される積層型電子部品
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の積層型電子部品の製造方法に使わ
れる電極形成用フィルムの製造工程を図5に示す。ま
ず、広幅のベースフィルム1(一般的にはPETフィル
ムを使用以下、単にベースフィルム1と呼ぶ)の塗工面
にワイヤーバー方式2にて所定の厚みに剥離層として樹
脂溶液3をコーティングする。ここで用いる樹脂溶液3
は、シリコーン樹脂を有機溶剤中に3%溶解させた溶液
である。その後、ドライヤー4にて十分にシリコーン樹
脂溶液を乾燥させた後、カッター5で必要寸法幅に裁断
し、電極形成用フィルム6の原反を得る。
【0003】そして、図6に示すように、巻き取られて
いる電極形成用フィルム6を順次巻き戻しながら、内部
電極となる導電ペースト7を電極形成用フィルム6の塗
工面上にスクリーン印刷法8によって印刷して所定の電
極パターン9を形成させ、導電ペースト7中の有機溶剤
をドライヤー4で十分飛散させて電極パターン付きフィ
ルム10の原反を得る。その後、巻き取られている電極
パターン付きフィルム10を順次巻き戻しながら、所定
のワークサイズに切り出す。
【0004】そして、図4に示すヒーター11,12内
蔵のホットプレス機13,14を用いて、所定のワーク
サイズに切り出された電極パターン9をセラミックグリ
ーンシート15上に熱転写させる。その後、電極パター
ン付きセラミックグリーンシートを複数枚積み重ね、加
熱、加圧を行いセラミック積層体を得る。このようにし
て得られた積層体を焼成してチップ化し、端部に外部電
極を形成してセラミック電子部品を得るようになってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような電極形成用フィルム6を用いた場合、次のよう
な問題が発生した。それは、樹脂溶液3に用いるシリコ
ーン樹脂溶液はぬれ性が極めて悪いため、電極パターン
材料としての導電ペースト7がうまく印刷できず、電極
パターン9の印刷精度を著しく劣化させる問題である。
具体的には、パターンのかすれ、膜厚変動及びピンホー
ル等を発生させ、品質不良を生じさせる問題があった。
【0006】加えて、熱転写工程を行う際には、電極パ
ターン付きフィルム10をロール状に巻き取られた状態
から巻き戻す必要があるが、その際に、前段階で巻き取
られた時の巻き締まりによって、形成させた電極パター
ン9が電極パターン9を設けていないベースフィルム1
の面に貼りついて一部分が欠落したり、著しい場合には
全面的に欠落したりする裏移り現象が発生する問題があ
り、製造工程中での歩留まりを低下させるとともに品質
や信頼性を著しく損い、致命的な欠陥となる場合があっ
た。
【0007】本発明は上記した従来の課題を解決するも
ので、ベースフィルム上に電極パターンを支障なく形成
することが可能で、熱転写工程を行う際、電極パターン
の裏移りを防ぎ、熱転写が支障なく行え、積層型電子部
品の品質、信頼性、歩留まりを向上させる積層型電子部
品の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、ベースフィルムの塗工面に第1層目が剥離
専用層、その上に第2層目として電極パターン形成専用
層を設けた機能分離型の多層構造からなる電極形成層を
形成させ、その反対側の面に電極パターンが再付着しな
いように裏移り防止層を形成し、このベースフィルムの
電極形成層に電極パターンを形成した後巻き取り、この
電極パターン付きフィルムを巻き戻しながらセラミック
グリーンシートに電極パターンを熱転写したものを積層
し焼成する方法としたものである。
【0009】
【作用】上記方法によれば、電極パターンのかすれ、膜
厚変動、ピンホールの発生が抑制され高品質な電極を備
えた積層型電子部品が得られることになる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の基本的な考え方について説明
する。すなわち、本発明は、図1に示すように電極形成
用フィルムのベースフィルム1の塗工面に第1層目が剥
離専用層16、その上に第2層目として電極パターン形
成専用層17を設けた機能分離型の多層構造からなる電
極形成層を形成し、さらにその反対側の面に電極パター
ンが再付着しないように裏移り防止層18を形成する。
そして、ベースフィルム1の電極形成層の上に電極パタ
ーン9を形成し、これを乾燥したものを巻き取り、これ
を巻き戻して図3に示すようにセラミックグリーンシー
ト15上に熱転写し、これを積層し、加熱加圧して焼成
して積層型電子部品とする。
【0011】また、本発明は、ベースフィルム1の塗工
面に形成する第1層目の剥離専用層16は、ワックス樹
脂で、第2層目の電極パターン形成専用層17はブチラ
ール樹脂で、反対側に形成する裏移り防止層18の材料
は、剥離性、離型性、撥水性、撥油性の性質を主体とし
たワックス樹脂、シリコーン樹脂、フッソ樹脂を用い
る。
【0012】さらに、本発明は、ベースフィルム1の塗
工面に形成する第1層目の剥離専用層16は、熱硬化型
樹脂で、第2層目の電極パターン形成専用層17はブチ
ラール樹脂で、反対側に形成する裏移り防止層18の材
料は、剥離性、離型性、撥水性、撥油性の性質を主体と
したワックス樹脂、シリコーン樹脂、フッソ樹脂を用い
る。
【0013】そして、本発明は、ベースフィルム1の塗
工面に設ける第1層目の剥離専用層16の厚みを5μm
以下、第2層目の電極パターン形成専用層17の厚みを
5μm以下、反対側の面に形成する裏移り防止層18の
厚みを5μm以下とする。
【0014】本発明の電極形成用フィルムは、図1に示
すようにベースフィルム1の塗工面に第1層目が剥離専
用層16、その上に第2層目として電極パターン形成専
用層17を設けた機能分離型の多層構造からなる電極形
成層を形成させているために、電極パターン9のかす
れ、膜厚変動、及びピンホールが抑制され、高品質の電
極が得られる。さらに反対側の面に電極パターン9が再
付着しないように裏移り防止層18を形成させているた
め、熱転写工程を行う際に必要となる電極パターン付き
フィルム10を巻き戻す時に、電極パターン9の裏移り
を防ぎ、積層型電子部品の品質、信頼性、歩留まりを向
上させる。
【0015】また、ベースフィルム1の塗工面に形成す
る第1層目の剥離専用層16は、ワックス樹脂或いは熱
硬化型樹脂で、第2層目の電極パターン形成専用層17
がブチラール樹脂で、反対側の面に形成する裏移り防止
層18の材料は、剥離性、離型性、撥水性、撥油性の性
質を主体としたワックス樹脂、シリコーン樹脂、フッソ
樹脂を用いることにより効果的な作用を発揮する。
【0016】そして、ベースフィルム1の塗工面に形成
する第1層目の剥離専用層16の厚みが5μm以下、第
2層目の電極パターン形成専用層17の厚みが5μm以
下、反対側の面に形成する裏移り防止層18の厚みが5
μm以下である時に、さらに効果的な作用を発揮する。
【0017】以下、具体的な実施例について説明する。 (実施例1)以下に、本発明の第1の実施例を図1を用
いて説明する。ベースフィルム1の塗工面に第1層目が
剥離専用層16、その上に第2層目として電極パターン
形成専用層17を設けた機能分離型の多層構造からなる
電極形成層を形成し、さらにその反対側の面に、電極パ
ターン9が再付着しないように裏移り防止層18を形成
するものである。
【0018】さらに、具体的に説明すると、まず、図2
に示すように厚さ75μmのベースフィルム1の塗工面
に、樹脂溶液3をワイヤーバー方式2にて極めて薄く塗
布し、その後ドライヤー4にて十分乾燥させて、裏移り
防止層18が形成された長尺状のベースフィルム19の
原反を得る。ここで用いる樹脂溶液3は、シリコーン樹
脂を有機溶剤中に3%溶解させた溶液である。
【0019】次に、図3に示すように、裏移り防止層1
8が形成されている反対側の面に、樹脂溶液3を同じく
ワイヤーバー方式2にて極めて薄く付与し、ドライヤー
4で十分乾燥させて第1層目である剥離専用層16を形
成した。ここで用いる樹脂溶液3は、ワックス樹脂を有
機溶剤中に3%溶解させた溶液である。そして、連続し
て(一度巻き取ってからでも問題はない)先に形成した
剥離専用層16上に、樹脂溶液3をワイヤーバー方式2
で極めて薄く付与し、ドライヤー4で十分乾燥させて第
2層目である電極パターン形成専用層17を形成し、カ
ッター5にて所定の幅に裁断して、長さ1500mの長
尺状の電極形成用フィルム22の原反を得た。ここで用
いる樹脂溶液3は、ブチラール樹脂を有機溶剤中に3%
溶解させた溶液である。
【0020】そして、このようにして作製した電極パタ
ーン形成専用層17上に、従来の技術と同様に、図6に
示すスクリーン印刷法8によって電極パターン9を形成
し、長尺状の電極パターン付きフィルムの原反を得た。
ここで用いた電極パターンは本発明に関する実験用のテ
ストパターンである。
【0021】そしてこのようにして作製した電極パター
ン付きフィルムを14日間放置した後、一定速度で巻き
戻し、電極パターンの裏移りの程度を目視で観察した。
観察箇所は、巻き取り状態での最外周部、中間部、最内
周部付近の計3箇所で、約200m観察し、同様の観察
方法で計3原反確認した。判定方法としては、全く裏移
りしていない状態を○、極わずか裏移りしているが品質
上問題ない状態を△、明らかに裏移りしており品質的に
問題となる状態は×として(表1)に観察結果を示し
た。
【0022】
【表1】
【0023】(表1)から明らかなように、裏移り防止
層18を形成させる本発明の製造方法は、電極パターン
付きフィルムの全長に渡って裏移りすることがないので
品質、信頼性、歩留まりに優れていることが分かる。
【0024】そして、次には巻き戻した電極パターン付
きフィルムを所定のサイズに切り出して、従来の技術と
同様に、図4に示すようにホットプレス機13,14で
加熱、加圧してセラミックグリーンシート15上に電極
パターン9を熱転写させた。加熱に関しては内蔵してあ
るヒーター11を調節して、温度100℃で行った。加
圧は100kg/cm2の条件で1秒間行った。ここ
で、セラミックグリーンシート15は電極パターン9と
のなじみを良くし、移行をスムーズに行うために適度な
温度で加熱するのが望ましい。本実施例においてはヒー
ター12を調節して温度80℃の条件で加熱した。そし
て、熱転写後、電極パターン9の形状を直ちに目視観察
した。倍率は50倍で行った。また、スクリーン印刷直
後のサンプルを取り出し、電極パターンが十分に乾燥し
てから、電極パターン形状の観察も行った。観察項目と
しては、電極パターン中に見られるピンホール、かす
れ、にじみ、はじきと、併せて熱転写性について評価し
た。そして、それぞれの項目について、その程度に応じ
て○、△、×で表現した。○は全く問題のない状態、△
は品質上問題はないが若干の不具合傾向がうかがえるも
の、×は全く製品化できない状態を表している。この結
果を(表2)に示した。(表2)から明らかなように、
剥離専用層と電極パターン形成専用層とを形成させる本
発明の製造方法は、電極パターン形成性や熱転写性に優
れていることが分かる。
【0025】
【表2】
【0026】(実施例2)次に本発明の第2の実施例に
ついて、実施例1と同様に各図を用いて説明を行う。本
発明は、第1の実施例である剥離専用層に用いたワック
ス樹脂の代わりに、熱硬化型樹脂を用いても同様の作用
を発揮することを特徴とするものである。実験方法とし
ては、実施例1と全く同様であり、図2に示すように厚
さ75μmのベースフィルム1の塗工面に、樹脂溶液3
をワイヤーバー方式2にて極めて薄く塗布し、その後ド
ライヤー4にて十分乾燥させて、裏移り防止層18が形
成された長尺状のベースフィルム19の原反を得る。こ
こで用いる樹脂溶液3は、シリコーン樹脂を有機溶剤中
に3%溶解させた溶液である。
【0027】次に、図3に示すように、裏移り防止層1
8が形成されている反対側の面に樹脂溶液3を同じくワ
イヤーバー方式2にて極めて薄く付与し、ドライヤー4
で十分乾燥させて第1層目である剥離専用層16を形成
した。ここで用いる樹脂溶液は、熱硬化型樹脂を有機溶
剤中に3%溶解させた溶液である。実験に用いた熱硬化
型樹脂はポリウレタン、塩化ビニール、ポリエチレン、
エポキシ、メラミンの5種類である。そして、連続して
(一度巻き取ってからでも問題はない)先に形成した剥
離専用層16上に、樹脂溶液3をワイヤーバー方式2で
極めて薄く付与し、ドライヤー4で十分乾燥させて第2
層目である電極パターン形成専用層17を形成し、カッ
ター5にて所定の幅に裁断して、長さ1500mの長尺
状の電極形成用フィルム22の原反を得た。ここで用い
る樹脂溶液は、ブチラール樹脂を有機溶剤中に3%溶解
させた溶液である。
【0028】そして、このようにして作製した電極パタ
ーン形成専用層17上に、従来の技術と同様に、図6に
示すスクリーン印刷法8によって電極パターン9を形成
し、長尺状の電極パターン付きフィルムの原反を得た。
ここで用いた電極パターンは本発明に関する実験用のテ
ストパターンである。
【0029】そしてこのようにして作製した電極パター
ン付きフィルムを所定のサイズに切り出して、従来の技
術と同様に、図4に示すようにホットプレス機13,1
4に加熱、加圧してセラミックグリーンシート15上に
電極パターン9を熱転写させた。加熱に関しては内蔵し
てあるヒーター11を調節して、温度100℃で行っ
た。加圧は100kg/cm2の条件で1秒間行った。
ここで、セラミックグリーンシート15は電極パターン
9とのなじみを良くし、移行をスムーズに行うために適
度な温度で加熱するのが望ましい。本実施例においては
ヒーター12を調節して温度80℃の条件で加熱した。
そして、熱転写後、電極パターン9の形状を直ちに目視
観察した。倍率は50倍で行った。また、スクリーン印
刷直後のサンプルを取り出し、電極パターンが十分に乾
燥してから、電極パターン形状の観察も行った。
【0030】観察項目としては、電極パターン中に見ら
れるピンホール、かすれ、にじみ、はじきと、併せて熱
転写性について評価した。そして、それぞれの項目につ
いて、その程度に応じて○、△、×で表現した。○は全
く問題のない状態、△は品質上問題はないが若干の不具
合傾向がうかがえるもの、×は全く製品化できない状態
を表している。この結果を上記(表2)に示した。(表
2)から明らかなように、剥離専用層に熱硬化型樹脂を
用いても、実施例1と何等違わず、電極パターン形成性
や熱転写性に優れていることが分かる。また、電極パタ
ーンの裏移りについても実施例1と同様の評価方法で評
価を行った。この結果を(表1)に示した。本発明は、
裏移りについても何等問題ないことが分かる。
【0031】(実施例3)実施例3は、裏移り防止層1
8として最適な材料を検討したものである。検討用材料
としてはワックス樹脂、シリコーン樹脂、フッソ樹脂、
ポリウレタン樹脂、塩化ビニール樹脂、エポキシ樹脂、
メラミン樹脂、ポリエチレン樹脂、フェノール樹脂を用
いた。実験方法としては、前述した各種樹脂を有機溶剤
中に3%溶解させた樹脂溶液3を準備し、図2に示すよ
うに、厚さ75μmのベースフィルム1の塗工面に、各
樹脂溶液をワイヤーバー方式2にて極めて薄く塗布し、
その後ドライヤー4にて十分乾燥させて巻き取り、長さ
500mの検討用樹脂層を有する長尺状のベースフィル
ム19を各樹脂ごとに製作した。
【0032】そして、検討用樹脂層とは反対側の面に、
実施例1と同様の方法で、剥離専用層、電極パターン形
成専用層を設け、スクリーン印刷法によって電極パター
ンを形成させた、長さ500mの電極パターン付きフィ
ルムを作製した。
【0033】そして、このようにして作製した、電極パ
ターン付きフィルムを14日間放置した後、一定速度で
巻き戻し、電極パターンの裏移りの程度を目視で観察し
た。観察箇所は巻き取り状態での最外周部から最内周部
の全てに渡って観察した。この評価方法で、全長に渡っ
て裏移りしていないものを○、一箇所でも電極パターン
が貼り付いたものに関しては×として、(表3)に観察
結果を示した。(表3)から明らかなように、裏移り防
止層としての材料は、本発明のワックス樹脂、シリコー
ン樹脂、フッソ樹脂を用いたものが他の樹脂に比べて、
電極パターンの裏移りが無く、品質、信頼性、歩留まり
に優れていることが分かる。
【0034】
【表3】
【0035】(実施例4)本実施例は、実施例1、実施
例2、実施例3の剥離専用層と電極パターン形成専用層
と裏移り防止層の最適な膜厚を検討したものである。使
用した樹脂は剥離専用層がワックス樹脂、ポリウレタン
樹脂、塩化ビニール樹脂、ポリエチレン樹脂、エポキシ
樹脂、メラミン樹脂で、電極パターン形成専用層はブチ
ラール樹脂で、裏移り防止層にはシリコーン樹脂を用い
た。確認した厚みは1,5,10,15,20μmであ
り、剥離専用層と電極パターン形成専用層と裏移り防止
層の厚み配分は同じ厚みの組合せで実験した。ここで、
剥離専用層と電極パターン形成専用層と裏移り防止層
は、実施例1と全く同様の方法にて作製した。
【0036】そして、実施例1と同様の方法で電極パタ
ーンを形成し、熱転写を行って、電極パターン形成性と
熱転写性を評価した。さらに、裏移りの状況を実施例3
と同様な評価方法で評価した。評価結果を(表4)に示
す。(表4)から明らかなように、厚みが変化しても剥
離専用層と電極パターン形成専用層と裏移り防止層とし
ての機能を損なわないことが分かった。しかし、実際の
作業性や経済性を考慮すると不必要に厚くすることは望
ましくない。また、電極パターン付きセラミックグリー
ンシートを数枚、積み重ねた場合には、デラミネーショ
ンと呼ばれる層間剥離を発生させることもあるので、実
用的には5μm以下の厚みで形成することが良い。
【0037】
【表4】
【0038】次に本実施例の効果をさらに明らかにする
ために、市販されているPETフィルム(商品名:セラ
ピール 東レ製)上に電極パターンをスクリーン印刷法
により形成させた場合を比較例として挙げる。
【0039】(比較例)市販されている厚さ75μmの
PETからなるベースフィルム(商品名:セラピール
東レ製)の一方の面に、直接、本実施例で用いた電極パ
ターンを実施例1と同様の方法で、スクリーン印刷法に
より形成した後、ドライヤーにて乾燥させ実験サンプル
を作成し、電極パターンの形成性と電極パターンの裏移
りを評価した。そして、実施例1と同様の方法で、ホッ
トプレス機にてセラミックグリーンシート上に電極パタ
ーンを熱転写し、熱転写性を評価した。電極パターン形
成性、熱転写性、裏移りの評価方法は実施例1と同様で
ある。この比較例の評価結果を(表1),(表2)に記
載する。(表1),(表2)から明らかなように、製品
上不都合な不良が発生しており品質、信頼性に劣ってい
ることが分かる。
【0040】
【発明の効果】以上の各実施例による説明から明らかな
ように、本発明の積層型電子部品は、ベースフィルムの
一方の面に、第1層目が剥離専用層、第2層目が電極パ
ターン形成専用層を設けた機能分離型の多層構造からな
る電極形成層と、その反対側の面に、裏移り防止層が設
けてあるので、従来の製造方法に比べて、電極パターン
の形成性、電極パターンの熱転写性、巻き戻し時の電極
パターンの密着性に優れている。その結果、パターンの
かすれ、にじみ、はじき、欠け等が抑制されることとな
り、品質や信頼性や歩留まりを向上させることが可能と
なる。
【0041】また、本発明の積層型電子部品は第1層目
の剥離専用層がワックス樹脂で、第2層目の電極パター
ン形成専用層にブチラール樹脂、裏移り防止層としてワ
ックス樹脂、シリコーン樹脂、フッソ樹脂を用いること
により一層効果を発揮する。さらに、本発明の積層型電
子部品は第1層目の剥離専用層に熱硬化型樹脂を用いる
ことによっても同様の効果を発揮する。
【0042】そして、本発明に用いる剥離専用層と電極
パターン形成専用層と裏移り防止層の厚み配分をそれぞ
れ5μm以下で形成することにより、本発明の効果を損
うことなく顕著な効果を発揮し経済的にも優れたものと
なる。
【0043】なお、上記の各実施例では積層セラミック
コンデンサの製造への応用について説明したが、本発明
は積層セラミックコンデンサのみならず、積層構造を有
するインダクタンス部品、キャパシター部品、抵抗器部
品等あらゆる積層型電子部品に応用可能であることは言
うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1,2,3,4における電極形
成フィルムの断面図
【図2】同裏移り防止層の形成工程を示す概略図
【図3】本発明の実施例1,2,3,4における剥離専
用層と電極パターン形成専用層を設けるのに用いる塗布
方法の製造工程を示す概略図
【図4】本発明の実施例1,2,4、従来の技術、比較
例における、電極パターンを熱転写する場合に用いるホ
ットプレス機の概略図
【図5】従来の技術における剥離層を設けるのに用いる
塗布方法の製造工程を示す概略図
【図6】本発明の実施例1,2,3,4、従来の技術、
比較例における、電極パターンを設ける場合に用いるス
クリーン印刷法の製造工程を示す概略図
【符号の説明】
1 ベースフィルム 9 電極パターン 16 剥離専用層 17 電極パターン形成専用層 18 裏移り防止層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 文雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースフィルムの塗工面に第1層目が剥
    離専用層、その上に第2層目として電極パターン形成専
    用層を設けた機能分離型の多層構造からなる電極形成層
    を形成させ、その反対側の面に電極パターンが再付着し
    ないように裏移り防止層を形成し、このベースフィルム
    の電極形成層に電極パターンを形成して巻き取り、この
    電極パターン付きフィルムを巻き戻しながらセラミック
    グリーンシートに電極パターンを熱転写したものを積層
    し焼成する積層型電子部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 ベースフィルムの塗工面に設ける第1層
    目の剥離専用層は、ワックス樹脂で、第2層目の電極パ
    ターン形成専用層がブチラール樹脂で、反対側の面に形
    成する裏移り防止層の材料は、剥離性、離型性、撥水
    性、撥油性の性質を主体としたワックス樹脂、シリコー
    ン樹脂、フッソ樹脂である請求項1記載の積層型電子部
    品の製造方法。
  3. 【請求項3】 ベースフィルムの塗工面に設ける第1層
    目の剥離専用層は、熱硬化型樹脂で、第2層目の電極パ
    ターン形成専用層はブチラール樹脂で、反対側の面に形
    成する裏移り防止層の材料は、剥離性、離型性、撥水
    性、撥油性の性質を主体としたワックス樹脂、シリコー
    ン樹脂、フッソ樹脂である請求項1記載の積層型電子部
    品の製造方法。
  4. 【請求項4】 ベースフィルムの塗工面に設ける第1層
    目の剥離専用層の厚みが5μm以下、第2層目の電極パ
    ターン形成専用層の厚みが5μm以下、反対側の面に形
    成する裏移り防止層の厚みが5μm以下である請求項1
    記載の積層型電子部品の製造方法。
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