JP2021019055A - セラミック電子部品および積層セラミックコンデンサの製造方法 - Google Patents

セラミック電子部品および積層セラミックコンデンサの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】内部電極パターンが形成された領域と、形成されていない領域との間の段差が吸収されたセラミックグリーンシートを効率よく作製することが可能で、上記段差に起因する不具合の発生を抑制することができるセラミック電子部品および積層セラミックコンデンサの製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】第1セラミックグリーンシート11を準備する第1工程と、第1セラミックグリーンシート上に、所定形状の内部電極パターン12を形成する第2工程と、第1セラミックグリーンシートの内部電極パターンを形成した面に、支持フィルム2上に設けられた第2セラミックグリーンシート21を貼り合わせる第3工程と、第2セラミックグリーンシートのうち第1セラミックグリーンシートと接している領域Aを残しつつ、内部電極パターンと接している領域Bを支持フィルムとともに引き剥がす第4工程とを経てセラミック電子部品を製造する。【選択図】図8

Description

本発明は、セラミック電子部品および積層セラミックコンデンサの製造方法に関する。
近年、セラミック材料の特性を利用した、積層セラミックコンデンサに代表される種々のセラミック電子部品が広く用いられている。
そして、このようなセラミック電子部品の製造方法として、焼成後に内部電極となる内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを積層する工程を経てセラミック電子部品を製造する方法が広く知られている。
しかしながら、この方法の場合、セラミックグリーンシート上の、内部電極パターンが存在する領域と、その周辺の内部電極パターンが存在しない領域の間に形成される段差の影響で、積層体の内部の密度差による構造欠陥や、デラミネーション、内部電極間の短絡などの不具合が発生しやすくなるという問題点がある。
そこで、焼成後に内部電極となる内部電極パターンが形成された領域と、内部電極パターンの形成されていない領域との間に段差のないセラミックグリーンシートを用い、これを積層して積層セラミックコンデンサを製造する方法が提案されている(特許文献1参照)。
この方法は、セラミックグリーンシート上の所定の領域に電極形成用の導電性ペーストを塗布して焼成後に内部電極となる内部電極パターンを形成した後、この内部電極ペーストの形成されていない領域に、セラミックペーストを印刷して段差吸収用のセラミック層を形成することにより、内部電極パターンが形成された領域と、内部電極パターンが形成されていない領域との間に段差のないセラミックグリーンシートを形成し、これを積層して積層体を形成する工程を備えている方法である。
特開2003−209025号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、セラミックグリーンシートのうち、内部電極パターンが形成されていない領域に、選択的にセラミックペーストを印刷する必要がある。つまり、セラミックペーストを、内部電極パターンの形成されていない所定の微細な領域に印刷することが必要であり、そのような微細な領域へのセラミックペーストの印刷を効率的かつ高精度に実行することは非常に困難であるのが実情である。
本発明は、上記課題を解決するものであり、セラミックペーストを微細な領域に印刷するという困難な工程を必要とせずに、内部電極パターンが形成された領域と、形成されていない領域との間の段差が吸収されたセラミックグリーンシートを効率よく作製することが可能で、上記段差に起因する不具合の発生を抑制することができるセラミック電子部品および積層セラミックコンデンサの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のセラミック電子部品の製造方法は、
第1セラミックグリーンシートを準備する第1工程と、
前記第1セラミックグリーンシート上に、所定形状の内部電極パターンを形成する第2工程と、
前記第1セラミックグリーンシートの前記内部電極パターンを形成した面に、支持フィルム上に設けられた第2セラミックグリーンシートを貼り合わせる第3工程と、
前記第2セラミックグリーンシートのうち前記第1セラミックグリーンシートと接している領域を残しつつ、前記内部電極パターンと接している領域を前記支持フィルムとともに引き剥がす第4工程と
を備える。
また、本発明のセラミック電子部品の製造方法においては、前記第3工程の実施後の、前記支持フィルムと前記第2セラミックグリーンシートとの接着力を接着力1、前記第2セラミックグリーンシートと前記内部電極パターンとの接着力を接着力2、前記第2セラミックグリーンシートと前記第1セラミックグリーンシートとの接着力を接着力3としたとき、各接着力の関係が、接着力3>接着力1>接着力2の関係を満たすことが好ましい。
また、前記第3工程を温度Tでの加熱を伴いながら実施するに際し、前記第1セラミックグリーンシートが第1有機成分、前記第2セラミックグリーンシートが第2有機成分、前記内部電極が第3有機成分を含んでいる場合に、前記第1有機成分のガラス転移点をTg1、前記第2有機成分のガラス転移点をTg2、前記第3有機成分のガラス転移点をTg3としたとき、各有機成分のガラス転移点と前記温度Tとの関係が、
Tg1<T、Tg2<T、T<Tg3の関係を満たすことが好ましい。
また、前記第2セラミックグリーンシートとして、前記第1セラミックグリーンシートよりも脆性が大きいセラミックグリーンシートを用いることが好ましい。
また、前記第1セラミックグリーンシートが第1結合剤および第1可塑剤を含む第1有機成分、前記第2セラミックグリーンシートが第2結合剤および第2可塑剤を含む第2有機成分をそれぞれ含有している場合に、前記第2有機成分における前記第2結合剤の割合を前記第1有機成分における前記第1結合剤の割合よりも少なくし、前記第2有機成分における前記第2可塑剤の割合を前記第1有機成分における前記第1可塑剤の割合よりも多くすることが好ましい。
また、前記第2セラミックグリーンシートにおける前記第2有機成分の割合を、前記第1セラミックグリーンシートにおける前記第1有機成分の割合とほぼ等しくするようにしてもよい。
また、前記支持フィルム上に前記第2セラミックグリーンシートを形成する前に、前記支持フィルム上に離型層を形成しておくようにしてもよい。
また、前記内部電極パターンの厚みをtとしたとき、前記第2セラミックグリーンシートの厚みを、0.7t以上、1.1t以下とすることが好ましい。
また、本発明の積層セラミックコンデンサの製造方法は、
第1セラミックグリーンシートを準備する第1工程と、
前記第1セラミックグリーンシート上に、所定形状の内部電極パターンを形成する第2工程と、
前記第1セラミックグリーンシートの前記内部電極パターンを形成した面に、支持フィルム上に設けられた第2セラミックグリーンシートを貼り合わせる第3工程と、
前記第2セラミックグリーンシートのうち前記第1セラミックグリーンシートと接している領域を残しつつ、前記内部電極パターンと接している領域を前記支持フィルムとともに引き剥がす第4工程と、
前記第4工程で得た、前記第1セラミックグリーンシートと、前記内部電極パターンと、前記第1セラミックグリーンシート上の前記内部電極パターンが形成されていない領域に残った前記第2セラミックグリーンシートの一部とを有する複合セラミックグリーンシートを含む積層体を形成する第5工程と、
前記積層体を焼成する第6工程と、
焼成後の前記積層体に、前記内部電極パターンが焼成されてなる内部電極と導通する外部電極を設ける第7工程と
を備える。
本発明のセラミック電子部品の製造方法は、所定形状の内部電極パターンを形成した第1セラミックグリーンシートの上記内部電極パターンが形成されている面に、支持フィルム上に設けられた第2セラミックグリーンシートを貼り合わせ、第2セラミックグリーンシートのうち第1セラミックグリーンシートと接している領域を残しつつ、内部電極パターンと接している領域を支持フィルムとともに引き剥がすことで、第1セラミックグリーンシートの内部電極パターンが形成されていない領域に、第2セラミックグリーンシートの一部が残るようにしているので、第1セラミックグリーンシートの内部電極パターンが形成されていない領域に、セラミックスラリーを印刷して選択的にセラミックペースト層を形成する場合に必要になるような位置合わせを必要とせずに、効率よく、内部電極パターンが形成されていない領域に段差を吸収する機能を果たすセラミックグリーンシート層を設けることが可能になる。
その結果、第1セラミックグリーンシートと、内部電極パターンと、第2セラミックグリーンシートの一部である段差吸収用シートとを含み、内部電極パターンが形成された領域と、形成されていない領域との間の段差が吸収された複合シートを効率よく作製することが可能になる。
また、本発明によれば、内部電極パターンを備えたセラミックグリーンシートを積層して積層体を形成する工程を経てセラミック電子部品を製造する場合において、内部電極パターンが形成された領域と、形成されていない領域との間の段差が吸収されたセラミックグリーンシートを用いて積層体が形成されることになるため、段差に起因する積層体の内部の密度差による構造欠陥やデラミネーション、内部電極間の短絡などの発生を抑制することができる。
また、本発明によれば、セラミックペーストを印刷する場合にはセラミックペーストに含まれる溶剤に起因して生じるおそれのあるシートアタックのリスクを回避して、セラミックグリーンシートの欠陥が生じることを防止することができる。
したがって、本発明によれば、信頼性の高いセラミック電子部品を効率よく製造することが可能になる。
また、本発明にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法の場合も、所定形状の内部電極パターンを形成した第1セラミックグリーンシートの上記内部電極パターンが形成されている面に、支持フィルム上に設けられた第2セラミックグリーンシートを貼り合わせ、第2セラミックグリーンシートのうち第1セラミックグリーンシートと接している領域を残しつつ、内部電極パターンと接している領域を支持フィルムとともに引き剥がすようにしているので、内部電極パターンが形成された領域と、形成されていない領域との間の段差が吸収されたセラミックグリーンシートを効率よく作製することができる。
そして、さらに、この段差の吸収されたセラミックグリーンシートを含む積層体を形成した後、積層体を焼成し、焼成後の積層体に、内部電極パターンが焼成されてなる内部電極と導通する外部電極を設けるようにしているので、製造コストの削減を図りつつ、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを効率よく製造することが可能になる。
本発明の一実施形態にかかる製造方法により製造された積層セラミックコンデンサの断面図である。 本発明の一実施形態にかかる製造方法により製造された積層セラミックコンデンサの外観構成を示す斜視図である。 図1に示す積層セラミックコンデンサの製造工程で第1支持フィルム上に第1セラミックグリーンシートを形成した状態を示す図である。 図3の第1セラミックグリーンシート上に内部電極パターンを形成した状態を示す図である。 図4の内部電極パターンを備える第1セラミックグリーンシート上に、第2支持フィルム上に形成した第2セラミックグリーンシートを貼り合わせる工程を示す図である。 第1セラミックグリーンシート上に第2セラミックグリーンシートを貼り合わせた後、圧着した状態を示す図である。 第2支持フィルムを第2セラミックグリーンシートの一部とともに引き剥がした状態を示す図である。 無段差複合シートを作製する工程、特に、第2支持フィルムを引き剥がす際の挙動を説明する図である。 カレンダロールを用いて無段差複合シートを作製する工程を示す図である。 下部外層用のセラミックグリーンシートと、無段差複合シートと、上部外層用のセラミックグリーンシート32bとを積層した状態を示す図である。 本発明の実施形態において形成した未圧着状態のマザー積層体を示す図である。 図11の未圧着状態のマザー積層体を圧着して形成した圧着後のマザー積層体を示す図である。 圧着されたマザー積層体をカットして、未焼成の個々の積層体に分割する工程を示す図である。 マザー積層体を分割することにより得られる未焼成の積層体を示す図である。
以下に本発明の実施形態を示して、本発明の特徴とするところをさらに具体的に説明する。
本実施形態では、積層セラミックコンデンサを製造する場合の製造方法について説明する。
図1は、本実施形態にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法により製造される積層セラミックコンデンサの断面図、図2は、外観構造を示す斜視図である。
この積層セラミックコンデンサ100は、図1および図2に示すように、積層された複数の誘電体セラミック層111と、誘電体セラミック層111間の複数の界面に配設された複数の内部電極102(102a、102b)とを有する積層体103と、積層体103の両端面に、内部電極102(102a、102b)と導通するように配設された一対の外部電極104a、104bを備えている。
なお、一方の外部電極104aは、一方側の内部電極102aと導通するように、一方側の内部電極102aが引き出された積層体103の一方側の端面105aに配設されており、他方の外部電極104bは、他方側の内部電極102bと導通するように、他方側の内部電極102bが引き出された積層体103の他方側の端面105bに配設されている。
次に、上述の積層セラミックコンデンサ100を製造するにあたって用いた、本発明の実施形態にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法について説明する。
(第1工程)
まず、図3に示すように、支持フィルム1上に第1のセラミックスラリー11aを塗工し、乾燥させることにより、第1セラミックグリーンシート11を形成する。なお、支持フィルム1は後述の第2セラミックグリーンシート21を支持する支持フィルム2と明確に区別するため、以下では第1支持フィルム1という。
(第2工程)
それから、形成した第1セラミックグリーンシート11上に、図4に示すように、電極ペースト12aを所定形状に印刷し、乾燥させることにより、焼成後に内部電極102(図1参照)となる内部電極パターン12を形成する。
(第3工程)
ついで、図5に示すように、支持フィルム2上に第2のセラミックスラリー21aを塗工し、乾燥させることにより形成された、第1セラミックグリーンシートとほぼ同じ厚みを有する第2セラミックグリーンシート21を形成する。支持フィルム2は、本発明における「支持フィルム」に相当するものであるが、上述の第1支持フィルム1と明確に区別するため、以下では第2支持フィルム2という。
そして、この第2支持フィルム2に支持された第2セラミックグリーンシート21を、第2セラミックグリーンシート21が、第1セラミックグリーンシート11の内部電極パターン12が形成された面と対向するように、第1セラミックグリーンシート11上に載置する。それから、加熱しつつ、加圧することにより、図6に示すように、第1セラミックグリーンシート11の内部電極パターン12が形成されている面に、第2支持フィルム2上に設けられた第2セラミックグリーンシート21を貼り合わせる。なお、第2セラミックグリーンシート21と内部電極パターン12との間および第2セラミックグリーンシート21と第1セラミックグリーンシート11との間の一方あるいは両方に、接着層や剥離層のような薄い被膜層が設けられていてもよい。
(第4工程)
次に、図7に示すように、第2支持フィルム2を引き剥がすことにより、第2セラミックグリーンシート21のうち、第1セラミックグリーンシート11と接している領域Aに位置する部分を、段差の解消に寄与する段差吸収用シート21Aとして第1セラミックグリーンシート11上に残しつつ、第2セラミックグリーンシート21のうち、内部電極パターン12と接している領域Bに位置する、段差の解消に寄与しない不要シート21Bを第2支持フィルム2とともに引き剥がす。
これにより、内部電極パターン12が形成された領域には第2セラミックグリーンシート21が存在せず、内部電極パターン12が形成されていない領域には、第2セラミックグリーンシート21の一部、すなわち段差吸収用シート21Aが存在することにより、内部電極パターン12が形成された領域と、内部電極パターン12が形成されていない領域との間に段差のほとんどないセラミックグリーンシート31が形成されることになる。
なお、このセラミックグリーンシート31は、第1セラミックグリーンシート11と、内部電極パターン12と、第2セラミックグリーンシート21の一部である段差吸収用シート21Aとを含む複合セラミックグリーンシートであり、以下では無段差複合シートともいう。
以下に、無段差複合シート31を作製する工程について、図8を参照しつつ、さらに詳しく説明する。
無段差複合シート31を形成するにあたっては、第3工程で、第1セラミックグリーンシート11に第2セラミックグリーンシート21を貼り合わせた後の段階において、第2支持フィルム2と第2セラミックグリーンシート21との接着力を接着力1、第2セラミックグリーンシート21と内部電極パターン12との接着力を接着力2、第2セラミックグリーンシート21と第1セラミックグリーンシート11との接着力を接着力3としたとき、各接着力の関係が、接着力3>接着力1>接着力2の関係を満たすことが望ましい。
なお、第1セラミックグリーンシート11と第1支持フィルムどの間の接着力は、上記の接着力1、接着力2、および接着力3よりも大きくなるように構成されていることが望ましい。
上述の接着力1、接着力2、および接着力3は、JIS Z 0237の粘着テープ・粘着シート試験方法における、90°剥離試験の試験方法により測定した。すなわち、90°剥離試験により測定した粘着力の値を接着力とし、その値から、接着力1、接着力2、および接着力3の大きさを評価した。
各接着力の関係が、接着力3>接着力1>接着力2の関係を満たすことで、
(1)第1セラミックグリーンシート11のうち、第2セラミックグリーンシート21と接している領域、例えば、一点鎖線で[3]で囲んで示す領域では、接着の強さが[接着力3]と大きく、第1セラミックグリーンシート11と第2セラミックグリーンシート21とが確実に接着し、
(2)また、第2セラミックグリーンシート21と第2支持フィルム2とが接している領域、例えば、一点鎖線[1]で囲んで示す領域では、接着の強さが[接着力1]であり、第2セラミックグリーンシート21と第2支持フィルム2とは、第1セラミックグリーンシート11と第2セラミックグリーンシート21の間の接着の強さ[接着力3]よりも弱い接着力で接着し、
(3)また、第2セラミックグリーンシート21と内部電極パターン12とが接している領域、例えば、一点鎖線[2]で囲んで示す領域では、接着の強さが[接着力2]であり、第2セラミックグリーンシート21と内部電極パターン12とは、上記の[接着力3]および[接着力1]よりも弱い接着力で接着することになる。
その結果、第2セラミックグリーンシート21のうち、第1セラミックグリーンシート11と接し、貼り合わされている領域Aに位置する部分が段差吸収用シート21Aとして、第1セラミックグリーンシート11上に残り、段差を吸収する機能を果たすことになる。
一方、第2セラミックグリーンシート21のうち、内部電極パターン12上に位置する領域Bに位置する部分である、段差の解消に寄与しない不要シート21Bは、第2支持フィルム2とともに引き剥がされることになる。
なお、上記の接着力1、接着力2、および接着力3は、通常は、含有させる結合剤、いわゆるバインダーの種類や量などにより制御することができる。ただし、結合剤の種類や量に特別の制約はなく、セラミックグリーンシートの特性などを考慮して適切な種類や量を選択することができる。
本発明において用いることが可能な結合剤としては、セルロース系、アクリル系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルブチラール系の結合剤が例示される。ただし、その他の結合剤を用いることも可能である。
また、上記第3工程を温度Tでの加熱を伴いながら実施する場合において、第1セラミックグリーンシート11が第1有機成分、第2セラミックグリーンシート21が第2有機成分、内部電極パターン12が第3有機成分を含んでいる場合には、第1有機成分のガラス転移点をTg1、第2有機成分のガラス転移点をTg2、第3有機成分のガラス転移点をTg3としたとき、各有機成分のガラス転移点と温度Tとの関係が、Tg1<T、Tg2<T、T<Tg3の関係を満たすようにすることが望ましい。
このように、Tg1<T、Tg2<T、T<Tg3の関係を満たすことで、第1セラミックグリーンシート11に第2セラミックグリーンシート21を貼り付ける際の温度がTである場合に、内部電極パターン12は中の第3有機成分のガラス転移点(Tg3)以下の温度に保たれることになり、内部電極パターン12が軟化、流動することがなく安定した状態で第1セラミックグリーンシート11上に保持されることになる。
これに対し、第2セラミックグリーンシート21に含まれる第2有機成分はガラス転移点より高い温度になり、流動するようになるため、第2セラミックグリーンシート21と内部電極パターン12の接合強度は低下し、第2セラミックグリーンシート21が内部電極パターン12から剥がれやすくなる。
したがって、第2支持フィルム2を引き剥がす際に、内部電極パターン12が第1セラミックグリーンシート11上から剥離してしまうことがない一方で、第2セラミックグリーンシート21は内部電極パターン12から剥離することになる。
また、第1セラミックグリーンシート11に第2セラミックグリーンシート21を貼り合わせる際の温度がTである場合に、第1セラミックグリーンシート11中の第1有機成分、および、第2セラミックグリーンシート21中の第2有機成分は、ガラス転移点(Tg2、Tg3)を超える温度になるため、両者を貼り合わせる工程では、第1セラミックグリーンシート11と第2セラミックグリーンシート22は確実に接合する。
したがって、各接着力の関係が、上述の接着力3>接着力1>接着力2の関係を満たすとともに、T、Tg1、Tg2、Tg3の関係が、Tg1<T、Tg2<T、T<Tg3の関係を満たすようにした場合には、内部電極パターン12と第2セラミックグリーンシート21とは弱く接着されて剥離しやすい状態となる一方で、第1セラミックグリーンシート11と第2セラミックグリーンシート21は確実に接着されることから、第2セラミックグリーンシート21のうち、内部電極パターン12上の、図8における領域Bに位置する部分である不要シート21Bが、第2支持フィルム2とともに引き剥がされる一方で、第2セラミックグリーンシート21のうち、第1セラミックグリーンシート11と貼り合わされている領域Aに位置する部分は、段差吸収用シート21Aとして第1セラミックグリーンシート11上に残ることになる。
そして、第2セラミックグリーンシート21のうち、第1セラミックグリーンシート11上に残った段差吸収用シート21Aが、内部電極パターン12が形成されている領域と、形成されていない領域との間の段差を吸収する機能を果たすことになる。
また、上記第2セラミックグリーンシート21としては、第1セラミックグリーンシート11よりも脆性が大きいセラミックグリーンシートを用いることが望ましい。第2セラミックグリーンシート21として、第1セラミックグリーンシート11よりも脆性の大きいセラミックグリーンシートを用いることにより、上記第4工程で第2セラミックグリーンシート21を引き剥がす際に、第1セラミックグリーンシート11と接している領域Aに位置する部分である段差吸収用シート21Aと、内部電極パターン12と接している領域Bに位置する部分である不要シート21Bとの境界部で第2セラミックグリーンシート21をより確実に破断させることが可能になる。つまり、第1セラミックグリーンシート11側に転写させるべき段差吸収用シート21Aを確実に転写させ、内部電極パターン12から剥離させるべき不要シート21Bを確実に剥離させることが可能になる。
なお、第1セラミックグリーンシート11および第2セラミックグリーンシート21の脆性は、JIS Z 2241の金属材料引張試験方法に準ずる方法で測定することができる。
そして、応力−ひずみ曲線(SSカーブ)に基づく破断強度が小さくなるように材料組成等を調整することにより、脆性をコントロールすることができる。
また、第2セラミックグリーンシート21の脆性を第1セラミックグリーンシート11よりも大きくするためには、第1セラミックグリーンシート11が第1結合剤および第1可塑剤を含む第1有機成分、第2セラミックグリーンシート21が第2結合剤および第2可塑剤を含む第2有機成分をそれぞれ含有している場合においては、第2有機成分における第2結合剤の割合を第1有機成分における第1結合剤の割合よりも少なくし、第2有機成分における第2可塑剤の割合を第1有機成分における第1可塑剤の割合よりも多くすることが好ましい。
このようにすることで、第2セラミックグリーンシート21の脆性を第1セラミックグリーンシート11よりも大きくすることが可能になる。その結果、第2セラミックグリーンシート21を第1セラミックグリーンシート11よりも脆くて破断しやすくすることが可能になり、上記第4工程で第2セラミックグリーンシート21を引き剥がす際に、第1セラミックグリーンシート11と接している領域Aに位置する段差吸収用シート21Aと、内部電極パターンと接している領域Bに位置する不要シート21Bとの境界部で第2セラミックグリーンシート21を確実に破断させることが可能になる。
なお、上記のように、第2セラミックグリーンシート21における可塑剤の含有割合を、第1セラミックグリーンシート11における可塑剤の含有割合よりも多くした場合、上記第3工程で第1セラミックグリーンシート11に第2セラミックグリーンシート21を貼り合わせる工程において、第2セラミックグリーンシート21中の可塑剤が第1セラミックグリーンシート11に移動する傾向があるが、それでも第2セラミックグリーンシート21の方が第1セラミックグリーンシートよりも脆性が大きい状態が保たれる。
そのため、第4工程で第2支持フィルム2を引き剥がした場合、図7に示すように、第2セラミックグリーンシート21のうち、第1セラミックグリーンシート11と接している段差吸収用シート21Aを残しつつ、内部電極パターン12と接している不要シート21Bを第2支持フィルム2とともに引き剥がすことができる。
なお、この場合における結合剤と可塑剤の具体的な種類や量に特別の制約はなく、種々の結合剤と可塑剤を組み合わせて用いることが可能であり、その配合量も適宜調整することができる。
結合剤と可塑剤の割合の好ましい範囲は、第1セラミックグリーンシート11においては、体積比で、結合剤が60以上80以下、可塑剤が40以下20以上の範囲であり、また、第2セラミックグリーンシート21においては、体積比で、結合剤が40以上60以下、可塑剤が60以下40以上の範囲である。
すなわち、第2セラミックグリーンシート21の方が第1セラミックグリーンシート11よりも結合剤の割合が低くなる、言い換えると第2セラミックグリーンシート21の方が第1セラミックグリーンシート11よりも可塑剤の割合が高くなるようにすることが好ましい。
また、本発明においては、第2セラミックグリーンシート21における第2有機成分の割合と、第1セラミックグリーンシート11における第1有機成分の割合とをほぼ等しくすることが好ましい。
第2有機成分と、第1有機成分の割合とをほぼ等しくすることにより、後述のように無段差複合シート31を積層する工程を経て形成される積層体を焼成する際における、第1セラミックグリーンシート11と第2セラミックグリーンシート21の焼成収縮量を近付けることが可能になり、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを製造することが可能になる。
また、第2支持フィルム2上に第2セラミックグリーンシート21を形成する前に、第2支持フィルム2上に離型層を形成しておくことが好ましい。
第2支持フィルム2上に離型層を形成しておくことにより、第2支持フィルム2とともに第2セラミックグリーンシート21を第1セラミックグリーンシート11から引き剥がす際に、第2セラミックグリーンシート21の、第1セラミックグリーンシート11に接合した領域Aに位置する部分である段差吸収用シート21Aが、第1セラミックグリーンシート11上に残りやすくすることが可能になる。つまり、第2セラミックグリーンシート21における転写させるべき領域Aに位置する部分である段差吸収用シート21Aの転写性を向上させることができる。
なお、第2支持フィルム2上に離型層を形成しても、内部電極パターン12と第2セラミックグリーンシート21との接着力は小さいので、第2セラミックグリーンシート21の内部電極パターン12に貼り合わされた領域Bに位置する部分である不要シート21Bがそのまま残ることは避けることができる。
また、内部電極パターン12の厚みをtとしたとき、第2セラミックグリーンシート21の厚みは、0.7t以上、1.1t以下とすることが望ましい。
これは、第2セラミックグリーンシート21の厚みが
厚すぎると、第2支持フィルム2を引き剥がす際に、上述の領域Aと領域Bの境界で第2セラミックグリーンシート21を破断させることが困難になり、また、第2セラミックグリーンシート21の厚みが薄すぎると、段差吸収用シートとしての機能を十分に果たせなくなることによる。
上述したように、本発明の方法によれば、位置合わせを必要とすることなく、第2セラミックグリーンシート21の部分的な転写により、極めて効率よく、内部電極パターン12の形成されていない領域に、第2セラミックグリーンシート21の一部、つまり段差吸収用シート21Aを配設することができる。
なお、本発明においては、内部電極パターン12の表面には、第2セラミックグリーンシート21が多少残ってもよい。
また、第1セラミックグリーンシート11の内部電極パターン12が形成されていない領域に転写されているべき段差吸収用シート21Aが多少取り除かれていてもよい。
また、図8に示すように、内部電極パターン12の側面と、第2セラミックグリーンシート21のうち、第1セラミックグリーンシート11上に残った部分との間に多少の隙間Gが形成されていてもよい。
隙間Gの大きさは、第1セラミックグリーンシート11に第2セラミックグリーンシート21を貼り合わせる際の条件により制御することができる。貼り合わせる際の加圧力が小さいと隙間Gが大きくなる傾向があり、加圧力を大きくすることで隙間Gが小さくなる傾向がある。したがって、第1セラミックグリーンシート11に第2セラミックグリーンシート21を貼り合わせる際の加圧力を制御することにより、隙間Gを小さくすることができる。
次に、図7に示すような、第1セラミックグリーンシート11、内部電極パターン12、第2セラミックグリーンシート21の一部である段差吸収用シートを含む無段差複合シート31を効率よく作製するためのプロセスについて、一例を挙げて説明する。
なお、ここでは、カレンダロールを用いて無段差複合シート31を作製する場合について説明する。
本実施形態では、図9に示すように、上側に配置された金属製の第1ロール(本実施形態では鋼鉄の芯に硬質クロムめっきを施したもの)51と、下側に配置されたシリコーンゴム製の第2ロール52を備えるカレンダロール50を用いた。
なお、第1ロール51と第2ロール52の両方をゴム製とする転写性は向上するが、基材に皺が入るなどの課題があるため、第1ロール51として、金属製のロールを用い、第2ロール52として、シリコーンゴム性のロールを用いた。なお、ゴム製の第2ロール52としてはゴム硬度がA70のものを用いた。
そして、電極ペースト12a(図4)を所定形状に印刷し、乾燥させた長尺状の第1セラミックグリーンシート11と、長尺状の第2セラミックグリーンシート21をカレンダロール50に供給した。
なお、第1セラミックグリーンシート11は第1支持フィルム1に支持され、第2セラミックグリーンシート21は第2支持フィルム2に支持された状態で、かつ、第1セラミックグリーンシート11の内部電極パターン12が配設された面と、第2セラミックグリーンシート21が対向する態様でカレンダロール50に供給した。
無段差複合シート31を作製するにあたって、カレンダロール50を構成する第1ロール51は、白抜き矢印51aで示すように、第2ロール52に向かう方向、すなわち下方向に所定の押圧力を加えつつ、黒塗り矢印52bで示す方向、すなわち、反時計回りの方向に回転させた。また、カレンダロール50を構成する第2ロール52は、白抜き矢印52aで示すように、第1ロール51に向かう方向、すなわち上方向に所定の押圧力を加えつつ、黒塗り矢印52bで示す方向、すなわち、時計回りの方向に回転させた。
温度、圧力、供給速度などの諸条件は、以下の通りとした。
金属製の第1ロール51の温度およびシリコーンゴム製の第2ロール52の温度、すなわち第1セラミックグリーンシート11と第2セラミックグリーンシート21を貼り合わせる際の温度は90℃とした。
また、カレンダロール50に送られる第1セラミックグリーンシート11および第2セラミックグリーンシートについては特に予熱は行わなかった。
なお、カレンダロール50を通過した第1セラミックグリーンシート11と第2セラミックグリーンシート21は、時間をおかずに剥離するようにしたので、剥離温度は貼り合わせの際の温度と同じ90℃となる。
また、第1セラミックグリーンシート11と第2セラミックグリーンシート21を貼り合わせる際の圧力、すなわち、第1ロール51と第2ロール52とが軸方向に沿って線状に接触する部分の圧力(線圧)は30kg/cmとした。この圧力はシリコーンゴム製の第2ロール52においては、ほぼ限界となる圧力である。ただし、特殊ゴムを用いることで圧力の上限を上げることができる。
また、第1セラミックグリーンシート11と第2セラミックグリーンシート21の供給速度は5m/minとした。
このように、カレンダロール50を用いて、第1セラミックグリーンシート11と第2セラミックグリーンシート21の貼り合わせと、剥離を行うことにより、内部電極パターン12が形成された領域と、内部電極パターン12が形成されていない領域との間に段差のないセラミックグリーンシート31、すなわち、第1セラミックグリーンシート11、内部電極パターン12、段差吸収用シート21Aを含む、無段差複合シート31を効率よく、確実に作製することができる。
なお、ここではカレンダロール50を用いて無段差複合シート31を製造するようにしたが、その具体的な条件は上記の例に限定されるものではなく、用いられるセラミックグリーンシートの特性などを考慮して、異なる条件とすることが可能である。
また、無段差複合シート31は、カレンダロールを用いる方法に限られるものではなく他の方法で作製することも可能である。
次に、上述のようにして作製される無段差複合シート31を用いて、図1、図2に示す積層セラミックコンデンサ100を製造する方法について説明する。
図10に模式的に示すように、内部電極パターンの形成されていない下部外層用のセラミックグリーンシート32aと、上述の無段差複合シート31と、内部電極パターンの形成されていない上部外層用のセラミックグリーンシート32bとを所定枚数、所定の態様で積層し、図11に示すような未圧着状態のマザー積層体103aを形成する。このとき、内部電極パターン12と、第2セラミックグリーンシート21の一部である段差吸収用シートとの間には隙間Gが存在している。
なお、図10、図11は、図2に示す個々の積層体103の長さ方向をL、幅方向をW、厚さ方向をTとした場合(図2参照)における、WT方向の断面に対応する断面を示している。以下の図12〜図14においても同様である。
それから、未圧着のマザー積層体103aを所定の圧力で圧着することにより、図12に示すように、図11における隙間Gが除去された状態のマザー積層体103bが得られる。
次いで、図13に示すように、圧着されたマザー積層体103bを、所定のカットラインCLでカットして、図14に示すような未焼成の個々の積層体103cに分割する。
それから、未焼成の個々の積層体103cを焼成することにより焼結済みの積層体103(図1参照)を得る。なお、図1に示す焼結済みの積層体103においては、第1セラミックグリーンシートが誘電体セラミック層111、内部電極パターンが内部電極102として機能し、第2セラミックグリーンシートの上述の領域Aに位置する部分、すなわち、段差吸収用シート21A(図7参照)が段差吸収用セラミック層121として機能する状態となっている。
その後、焼成済みの積層体103に、内部電極102と導通するように、内部電極102が露出した互いに対向する端面105a、105bに
外部電極を104a、104b形成する。
これにより、図1、図2に示すような、積層された複数の誘電体セラミック層111と、誘電体セラミック層111間の複数の界面に配設された複数の内部電極102(102a、102b)とを備える積層体103と、積層体103の両端面に、内部電極102(102a、102b)と導通するように配設された一対の外部電極104a、104bを備える積層セラミックコンデンサ100が得られる。
この積層セラミックコンデンサ100は、上述の無段差複合シート31を用いて製造するようにしているので、段差のあるセラミックグリーンシートを用いた場合には生じやすい、積層体103の内部の密度差による構造欠陥や、デラミネーション、内部電極間の短絡などの発生を抑制することが可能な信頼性の高い積層セラミック電子部品を製造することが可能になる。
また、無段差複合シート31を、上述の方法で作製するようにしているので、第2セラミックグリーンシート21の部分的な転写により、位置合わせを必要とすることなく、極めて効率よく、内部電極パターン12の形成されていない領域に第2セラミックグリーンシート21の一部である段差吸収用シートを配設することができるため、生産性を向上させることができる。
また、セラミックペーストを用いないので、セラミックペーストに含まれる溶剤に起因して生じるおそれのあるシートアタックのリスクを回避して、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを製造することができる。
なお、本実施形態では、積層セラミックコンデンサの製造方法について説明したが、本発明は、積層セラミックコンデンサに限られるものではなく、セラミックグリーンシートを積層する工程を経て製造される他の積層型セラミック電子部品、例えば、積層コイル部品、モジュール用多層基板、積層型LC複合部品など、種々のセラミック電子部品を製造する場合に広く適用することが可能である。
本発明は、さらにその他の点においても上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
1 第1支持フィルム
2 第2支持フィルム
11 第1セラミックグリーンシート
11a 第1のセラミックスラリー
12 内部電極パターン
12a 電極ペースト
21 第2セラミックグリーンシートの一部である段差吸収用シート
21a 第2のセラミックスラリー
21A 段差吸収用シート
21B 不要シート
31 無段差複合シート
32a 下部外層用のセラミックグリーンシート
32b 上部外層用のセラミックグリーンシート
50 カレンダロール
51 第1ロール
52 第2ロール
100 積層セラミックコンデンサ
102(102a、102b) 内部電極
103 積層体
103a 未圧着状態のマザー積層体
103b 圧着後のマザー積層体
103c 未焼成の個々の積層体
104a、104b 外部電極
105a、105b 積層体の端面
111 誘電体セラミック層
121 段差吸収用セラミック層
A 第2セラミックグリーンシートの、第1セラミックグリーンシートと接している領域
B 第2セラミックグリーンシートの、内部電極パターンと接している領域
CL カットライン
G 内部電極パターンの側面と段差吸収用の第2セラミックグリーンシートの間の隙間

Claims (9)

  1. 第1セラミックグリーンシートを準備する第1工程と、
    前記第1セラミックグリーンシート上に、所定形状の内部電極パターンを形成する第2工程と、
    前記第1セラミックグリーンシートの前記内部電極パターンを形成した面に、支持フィルム上に設けられた第2セラミックグリーンシートを貼り合わせる第3工程と、
    前記第2セラミックグリーンシートのうち前記第1セラミックグリーンシートと接している領域を残しつつ、前記内部電極パターンと接している領域を前記支持フィルムとともに引き剥がす第4工程と
    を備える、セラミック電子部品の製造方法。
  2. 前記第3工程の実施後の、前記支持フィルムと前記第2セラミックグリーンシートとの接着力を接着力1、前記第2セラミックグリーンシートと前記内部電極パターンとの接着力を接着力2、前記第2セラミックグリーンシートと前記第1セラミックグリーンシートとの接着力を接着力3としたとき、各接着力の関係が、接着力3>接着力1>接着力2の関係を満たす、請求項1記載のセラミック電子部品の製造方法。
  3. 前記第3工程を温度Tでの加熱を伴いながら実施するに際し、前記第1セラミックグリーンシートが第1有機成分、前記第2セラミックグリーンシートが第2有機成分、前記内部電極パターンが第3有機成分を含んでいる場合に、前記第1有機成分のガラス転移点をTg1、前記第2有機成分のガラス転移点をTg2、前記第3有機成分のガラス転移点をTg3としたとき、各有機成分のガラス転移点と前記温度Tとの関係が、
    Tg1<T、Tg2<T、T<Tg3の関係を満たす、請求項2記載のセラミック電子部品の製造方法。
  4. 前記第2セラミックグリーンシートとして、前記第1セラミックグリーンシートよりも脆性が大きいセラミックグリーンシートを用いる、請求項1記載のセラミック電子部品の製造方法。
  5. 前記第1セラミックグリーンシートが第1結合剤および第1可塑剤を含む第1有機成分、前記第2セラミックグリーンシートが第2結合剤および第2可塑剤を含む第2有機成分をそれぞれ含有している場合に、前記第2有機成分における前記第2結合剤の割合を前記第1有機成分における前記第1結合剤の割合よりも少なくし、前記第2有機成分における前記第2可塑剤の割合を前記第1有機成分における前記第1可塑剤の割合よりも多くする、請求項4記載のセラミック電子部品の製造方法。
  6. 前記第2セラミックグリーンシートにおける前記第2有機成分の割合を、前記第1セラミックグリーンシートにおける前記第1有機成分の割合とほぼ等しくする、請求項5記載のセラミック電子部品の製造方法。
  7. 前記支持フィルム上に前記第2セラミックグリーンシートを形成する前に、前記支持フィルム上に離型層を形成しておく、請求項2記載のセラミック電子部品の製造方法。
  8. 前記内部電極パターンの厚みをtとしたとき、前記第2セラミックグリーンシートの厚みを、0.7t以上、1.1t以下とする、請求項1記載のセラミック電子部品の製造方法。
  9. 第1セラミックグリーンシートを準備する第1工程と、
    前記第1セラミックグリーンシート上に、所定形状の内部電極パターンを形成する第2工程と、
    前記第1セラミックグリーンシートの前記内部電極パターンを形成した面に、支持フィルム上に設けられた第2セラミックグリーンシートを貼り合わせる第3工程と、
    前記第2セラミックグリーンシートのうち前記第1セラミックグリーンシートと接している領域を残しつつ、前記内部電極パターンと接している領域を前記支持フィルムとともに引き剥がす第4工程と、
    前記第4工程で得られた、前記第1セラミックグリーンシートと、前記内部電極パターンと、前記第1セラミックグリーンシート上の前記内部電極パターンが形成されていない領域に残った前記第2セラミックグリーンシートの一部とを有する複合セラミックグリーンシートを含む積層体を形成する第5工程と、
    前記積層体を焼成する第6工程と、
    焼成後の前記積層体に、前記内部電極パターンが焼成されてなる内部電極と導通する外部電極を設ける第7工程と
    を備える積層セラミックコンデンサの製造方法。
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JPH09129487A (ja) * 1995-11-06 1997-05-16 Murata Mfg Co Ltd 積層セラミック電子部品の製造方法
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