JP2768309B2 - セラミックシート製造用の支持シート、及び該支持シートを使用する積層セラミックコンデンサの製造方法 - Google Patents

セラミックシート製造用の支持シート、及び該支持シートを使用する積層セラミックコンデンサの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、効率のよいセラミック
シートの製造が行なえるセラミックシート製造用の支持
シート、及び該支持シートを使用する積層セラミックコ
ンデンサの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミック積層板等の素材になるセラミ
ックシートは、支持シート上に、高誘電率の無機化合物
と有機バインダーとを含有する水系あるは有機溶剤系の
スラリーを塗布、乾燥することによってグリーンシート
層を形成した後、支持シートからグリーンシート層を分
離して得られたグリーンシートを燒結することによって
製造している。
【0003】また、積層セラミックコンデンサは、上記
のセラミックシートの製造工程中のグリーンシート層面
又はグリーンシートに導電性回路を印刷することによっ
て製造している。
【0004】すなわち、支持シート上に、高誘電率の無
機化合物と有機バインダーとを含有する水系あるは有機
溶剤系のスラリーを塗布、乾燥することによってグリー
ンシート層を形成した後、このグリーンシート層面に導
電性回路を印刷し、次いで、導電性回路を設けたグリー
ンシート層を支持シートから分離させて得たグリーンシ
ートを断裁し、これを所定枚数重ね合わせて熱圧によっ
て積層した後、更に所定のサイズにカットしたチップを
燒結する方法、又は、支持シート上に、高誘電率の無機
化合物と有機バインダーとを含有する水系あるは有機溶
剤系のスラリーを塗布、乾燥することによってグリーン
シート層を形成した後、支持シートからグリーンシート
層を分離して得たグリーンシートに導電性回路を印刷
し、次いで、断裁した後、これを所定枚数重ね合わせて
熱圧によって積層し、更に所定のサイズにカットしたチ
ップを燒結する方法によって製造している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、支持シート
上に、高誘電率の無機化合物と有機バインダーとを含有
する水系あるは有機溶剤系のスラリーを塗布、乾燥する
ことによってグリーンシート層を形成した後、このグリ
ーンシート層面に導電性回路を印刷した後、支持シート
からグリーンシート層を分離したグリーンシートを燒結
する積層セラミックコンデンサの製造方法は、支持シー
ト上に形成したグリーンシート層面に対して導電性回路
を印刷するものであるため、導電性回路の印刷工程で
は、グリーンシート層の伸びが支持シートによって抑え
られている。このため、導電性回路の印刷パターンにず
れが無く、精度の高い積層セラミックコンデンサが得ら
れる。
【0006】しかしながら、この方法によるものは、支
持シート上に形成されているグリーンシート層面に対し
て導電性回路を印刷するものであるため、支持シートの
片面に対してだけしかグリーンシート層を形成すること
ができなく、グリーンシート層の生産効率が悪い。
【0007】また、支持シート上に、高誘電率の無機化
合物と有機バインダーとを含有する水系あるは有機溶剤
系のスラリーを塗布、乾燥することによってグリーンシ
ート層を形成した後、支持シートからグリーンシート層
を分離したグリーンシートに導電性回路を印刷し、これ
を燒結する積層セラミックコンデンサの製造方法は、浸
漬による塗布方法を利用することにより、支持シートの
上,下の両面にグリーンシート層を同時に形成すること
ができるために、グリーンシート層の生産効率が高くな
る。
【0008】しかしながら、この方法によるものは、グ
リーンシートの単体に対して導電性回路を印刷するもの
であるために、薄肉で伸び易い性質を有するグリーンシ
ートが導電性回路の印刷工程又は該印刷の乾燥工程での
張力によって伸び易く、積層セラミックコンデンサにし
た場合に、上,下の導電性回路の印刷パターンのずれが
大きく、精度の高いものが得られない。
【0009】したがって本発明の目的は、精度の高い加
工を行なうことができ、しかも生産効率よくセラミック
シートを製造し得るセラミックシート製造用の支持シー
ト、及び該支持シートを使用する積層セラミックコンデ
ンサの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的は以下の構成
による本発明のセラミックシート製造用の支持シート、
及び該支持シートを使用する積層セラミックコンデンサ
の製造方法によって達成される。
【0011】すなわち本発明は、第1のプラスチックフ
ィルムと第2のプラスチックフィルムとが、5〜60g
/100mm幅の接着強度で積層されているセラミック
シート製造用の支持シートからなる。
【0012】又本発明は、第1のプラスチックフィルム
と第2のプラスチックフィルムとが接着剤層を介して積
層されており、接着剤層と第1のプラスチックフィルム
との接着強度、及び接着剤層と第2のプラスチックフィ
ルムとの接着強度が、それぞれ5〜60g/100mm
幅にあるセラミックシート製造用の支持シートからな
る。
【0013】上記のセラミックシート製造用の支持シー
トにおいては、第1のプラスチックフィルムと第2のプ
ラスチックフィルムとが、二軸延伸ポリプロピレン系樹
脂フィルムからなることが好ましい。
【0014】更に本発明は、上記構成によるセラミック
シート製造用の支持シートの第1のプラスチックフィル
ム面及び第2のプラスチックフィルム面のそれぞれに対
して、高誘電率の無機化合物と有機バインダーとを含有
するスラリーを塗布、乾燥することによってグリーンシ
ート層を形成した後、第1のプラスチックフィルムにグ
リーンシート層が積層されている第1の積層シートと、
第2のプラスチックフィルムにグリーンシート層が積層
されている第2の積層シートとに分離し、更に、これら
の各積層シートのグリーンシート層面に導電性回路を印
刷し、次いで導電性回路を設けたグリーンシート層を分
離することによって得たグリーンシートを燒結する積層
セラミックコンデンサの製造方法からなる。
【0015】又本発明は、第1のプラスチックフィルム
と第2のプラスチックフィルムとが接着剤層を介して積
層されている上記の構成のセラミックシート製造用の支
持シートの第1のプラスチックフィルム面及び第2のプ
ラスチックフィルム面のそれぞれに対して、高誘電率の
無機化合物と有機バインダーとを含有するスラリーを塗
布、乾燥することによってグリーンシート層を形成した
後、第1のプラスチックフィルムにグリーンシート層が
積層されている第1の積層シートと、第2のプラスチッ
クフィルムにグリーンシート層が積層されている第2の
積層シートと、接着剤層とに分離し、更に、前記の各積
層シートのグリーンシート層面に導電性回路を印刷し、
次いで導電性回路を設けたグリーンシート層を分離する
ことによって得たグリーンシートを燒結する積層セラミ
ックコンデンサの製造方法からなる。
【0016】本発明のセラミックシート製造用の支持シ
ートは、例えば、既成の第1のプラスチックフィルムと
第2のプラスチックフィルムとの2枚のプラスチックフ
ィルムを接着剤によって貼合する方法、あるいは溶融樹
脂をフィルム状に押出し成形すると共に、この溶融状態
にある押出し樹脂フィルムの表,裏両面に既成のプラス
チックフィルムを圧接して貼合する所謂ポリサンド法等
によって得られる。
【0017】上記のセラミックシート製造用の支持シー
トにおいて、第1のプラスチックフィルムと第2のプラ
スチックフィルムとは全面接着されていても、或は部分
接着されていてもよい。第1のプラスチックフィルムと
第2のプラスチックフィルムとを部分接着で接着する場
合には、支持シートの長さ方向の端縁部のみを接着し、
グリーンシート層形成用のスラリー中に支持シートを浸
漬させたときに、スラリーが第1のプラスチックフィル
ムと第2のプラスチックフィルムとの間に浸入すること
のないようにしておく方法、或は支持シートを第1のプ
ラスチックフィルムと第2のプラスチックフィルムとに
分離する際のきっかけになる部分を接着しないようにす
る方法等を採ることができる。
【0018】本発明のセラミックシート製造用の支持シ
ートは、第1のプラスチックフィルムと第2のプラスチ
ックフィルムとが、5〜60g/100mm幅の接着強
度で積層されているか、或は接着剤層と第1のプラスチ
ックフィルム、及び接着剤層と第2のプラスチックフィ
ルムとが、それぞれ5〜60g/100mm幅、好まし
くは10〜40g/100mm幅の接着強度で積層され
てなるものである。このときの接着強度は、支持シート
を流れ方向(長さ方向)に沿って100mm幅に切り出
した試料を、引張試験機にて300mm/分の速度でU
−ピール試験したときの剥離強度である。
【0019】上記の接着強度が5g/100mm幅未満
になると、支持シートの運搬等の取扱い途中、或は支持
シートに対してグリーンシート層を形成する際の塗工剤
の塗工、乾燥等の途中工程等で、第1のプラスチックフ
ィルムと第2のプラスチックフィルムとが分離してしま
う恐れがある。又、上記の接着強度が60g/100m
m幅を超えると、支持シートに対してグリーンシート層
を形成した後に、第1のプラスチックフィルムにグリー
ンシート層が積層されている第1の積層シートと、第2
のプラスチックフィルムにグリーンシート層が積層され
ている第2の積層シートとに分離する工程での分離作業
が容易でなくなる。
【0020】本発明のセラミックシート製造用の支持シ
ートにおける5〜60g/100mm幅の接着強度は、
疑似接着といわれる軽い接着力であって、かかる接着強
度は、第1のプラスチックフィルムと第2のプラスチッ
クフィルムとを接着剤で接着する際の接着剤中の硬化剤
の量をコントロールする方法、第1のプラスチックフィ
ルムと第2のプラスチックフィルムとを接着剤で接着す
る際に、離形表面を有するプラスチックフィルムや接着
予定面を予め離形処理したプラスチックフィルムを使用
する方法、或はポリサンド法によって第1のプラスチッ
クフィルムと第2のプラスチックフィルムとを溶融押出
し樹脂層を介して積層する際の樹脂の溶融押出し温度を
低くする方法等によって得られる。
【0021】本発明のセラミックシート製造用の支持シ
ートにおいて、第1のプラスチックフィルムと第2のプ
ラスチックフィルムとが接着剤層を介して積層されてい
るものの場合には、第1のプラスチックフィルムと第2
のプラスチックフィルムとを分離したときに、接着剤層
が第1のプラスチックフィルムと第2のプラスチックフ
ィルムとの両方あるいはいずれかの一方に残るようにな
る。このときには第1のプラスチックフィルムにグリー
ンシート層が積層されている第1の積層シートと、第2
のプラスチックフィルムにグリーンシート層が積層され
ている第2の積層シートとに分離した後、これを巻き取
ったときに、プラスチックフィルムに付着している接着
剤がグリーンシート層面と接触する。このため、接着剤
層を構成する接着剤の種類によっては、グリーンシート
層が接着剤層に取られる問題を生ずる。
【0022】したがって、第1のプラスチックフィルム
と第2のプラスチックフィルムとが接着剤層を介して積
層されている支持シートにおいては、請求項2の発明の
支持シートのように、接着剤層と第1のプラスチックフ
ィルムとの接着強度、及び接着剤層と第2のプラスチッ
クフィルムとの接着強度が、それぞれ5〜60g/10
0mm幅にあるようにし、しかも、第1のプラスチック
フィルムと第2のプラスチックフィルムとを接着剤層か
ら分離する際に、接着剤層が部分的にプラスチックフィ
ルム側に取られることのないような強度を有する接着剤
層であって、又、第1のプラスチックフィルムと第2の
プラスチックフィルムとを分離させた後の接着剤層自体
を独立して巻き取ることができるような強度の接着剤層
にすることが好ましい。
【0023】第1のプラスチックフィルムや第2のプラ
スチックフィルムとしては、例えばポリエチレンフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、シリコーン樹脂を塗工し
たポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフ
ィルム、弗素樹脂系フィルム等が挙げられるが、二軸延
伸ポリプロピレンフィルムが、適度の耐熱性と離形性と
を兼備し、しかも安価であり、また使用後の廃棄処理が
容易である等の点から最も好ましい。
【0024】本発明の支持シートを使用する積層セラミ
ックコンデンサの製造方法におけるグリーンシート層の
形成方法、グリーンシート層面に対する導電性回路の印
刷方法、及び導電性回路が印刷されているグリーンシー
トを燒結することによって積層セラミックコンデンサを
得る方法等は、従来の手法をそのまま使用して行なえ
る。
【0025】
【実施例】以下、本発明のセラミックシート製造用の支
持シート、及び該支持シートを使用する積層セラミック
コンデンサの製造方法の具体的な構成を、実施例に基づ
いて説明する。
【0026】実施例1 厚さ50μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムからな
る第1のプラスチックフィルムの一方の面に、二液タイ
プのウレタン系接着剤を4g/m2 に塗布した後、この
接着剤の塗布面に厚さ50μmの二軸延伸ポリプロピレ
ンフィルムからなる第2のプラスチックフィルムを圧着
することにより、セラミックシート製造用の支持シート
を得た。この支持シートの第1のプラスチックフィルム
と接着剤層との間の接着強度、及び接着剤層と第2のプ
ラスチックフィルムとの間の接着強度は、それぞれ8g
/100mm幅である。
【0027】実施例2 実施例1の支持シートの巻き取りロールから支持シート
を巻き出し、これを高誘電率の無機化合物と有機バイン
ダーとを含有するスラリー中に連続して浸漬させ、さら
に乾燥することにより、支持シートにおける第1のプラ
スチックフィルム面と第2のプラスチックフィルム面と
のそれぞれに、厚さ30μmのグリーンシート層を形成
した後、第1のプラスチックフィルムにグリーンシート
層が積層されている第1の積層シートと、第2のプラス
チックフィルムにグリーンシート層が積層されている第
2の積層シートと、接着剤層とに分離し、3者をそれぞ
れ別々の巻き取りロールに巻き取った。
【0028】次いで巻き取りロールから、第1のプラス
チックフィルムにグリーンシート層が積層されている第
1の積層シートと、第2のプラスチックフィルムにグリ
ーンシート層が積層されている第2の積層シートとを巻
き出し、これらの各積層シートのグリーンシート層面に
導電性塗料による内部電極回路を、パターンピッチ15
0mmで印刷し、乾燥した。
【0029】かくして得られた積層シートにおけるグリ
ーンシート層面の内部電極回路のパターンのピッチを顕
微鏡で読み取り、内部電極回路のパターンの所定ピッチ
(150mm)からのズレ(伸び)を連続した100枚
について測定したところ、伸びの平均値が250μm、
バラツキが35μmであり、内部電極回路のパターンの
ピッチの精度として十分に満足できるものであった。
【0030】引き続いて、第1のプラスチックフィルム
及び第2のプラスチックフィルムから、表面に内部電極
回路が印刷されているグリーンシート層を分離したグリ
ーンシートを150mm幅に断裁した後、これを10枚
重ね合わせて熱圧によって積層し、更に4mm×4mm
にカットして得たチップを燒結し、次いで外部電極の付
与、及びリード線の取り付けを行なうことにより、積層
セラミックコンデンサを得た。
【0031】比較例1 厚さ50μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムからな
る第1のプラスチックフィルムの一方の面に、実施例1
で使用した二液タイプのウレタン系接着剤よりも硬化剤
の量の多い二液タイプのウレタン系接着剤を4g/m2
に塗布した後、この接着剤の塗布面に厚さ50μmの二
軸延伸ポリプロピレンフィルムからなる第2のプラスチ
ックフィルムを圧着することにより、セラミックシート
製造用の支持シートを得た。この支持シートの第1のプ
ラスチックフィルムと接着剤層との間の接着強度、及び
接着剤層と第2のプラスチックフィルムとの接着強度
は、それぞれ65g/100mm幅である。
【0032】この支持シートの第1のプラスチックフィ
ルム面及び第2のプラスチックフィルム面のそれぞれに
対して、高誘電率の無機化合物と有機バインダーとを含
有するスラリーを塗布、乾燥することにより、厚さ30
μmのグリーンシート層を形成した後、第1のプラスチ
ックフィルムにグリーンシート層が積層されている第1
の積層シートと、第2のプラスチックフィルムにグリー
ンシート層が積層されている第2の積層シートと、接着
剤層とに分離させるためのきっかけを作ったが、接着剤
層が切れてしまったり、又、無理な分離操作の際の振動
によってプラスチックフィルム上のグリーンシート層が
浮き上がってしまったりしたため、それぞれを単体とし
て巻き取ることができなかった。
【0033】比較例2 厚さ50μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムの上,
下の両面に対して、実施例2と同様にして、高誘電率の
無機化合物と有機バインダーとを含有するスラリーを塗
布、乾燥することにより、厚さ30μmのグリーンシー
ト層を形成した後、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの
上のグリーンシート層と、二軸延伸ポリプロピレンフィ
ルムと、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの下のグリー
ンシート層とに分離し、3者をそれぞれ別々に巻き取っ
た。
【0034】次いで、巻き取りロールから巻き戻したグ
リーンシートに対して、導電性塗料による内部電極回路
を、パターンピッチ150mmで印刷し、乾燥した。こ
の内部電極回路のパターンのピッチを顕微鏡で読み取
り、内部電極回路のパターンの所定ピッチ(150m
m)からのズレ(伸び)を連続した100枚について測
定したところ、伸びの平均値が850μm、バラツキが
140μmであり、内部電極回路のパターンのピッチ精
度としては不十分であった。
【0035】実施例3 厚さ50μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムからな
る第1のプラスチックフィルムと、同じく厚さ50μm
の二軸延伸ポリプロピレンフィルムからなる第2のプラ
スチックフィルムとの間に、ポリエチレン樹脂の溶融押
出しフィルム(厚さ15μm)を介在させるポリサンド
法により、セラミックシート製造用の支持シートを得
た。この支持シートの第1のプラスチックフィルムと接
着剤層であるポリエチレン樹脂フィルムとの間の接着強
度、及び接着剤層であるポリエチレン樹脂フィルムと第
2のプラスチックフィルムとの接着強度は、それぞれ2
6g/100mm幅である。
【0036】実施例4 実施例3の支持シートの第1のプラスチックフィルム面
及び第2のプラスチックフィルム面のそれぞれに対し
て、実施例2と同様にして、高誘電率の無機化合物と有
機バインダーとを含有するスラリーを塗布、乾燥するこ
とにより、厚さ30μmのグリーンシート層を形成した
後、第1のプラスチックフィルムにグリーンシート層が
積層されている第1の積層シートと、第2のプラスチッ
クフィルムにグリーンシート層が積層されている第2の
積層シートと、接着剤層であるポリエチレンフィルムと
に分離し、3者をそれぞれ別々に巻き取った。
【0037】次いで、巻き取りロールから、第1のプラ
スチックフィルムにグリーンシート層が積層されている
第1の積層シートと、第2のプラスチックフィルムにグ
リーンシート層が積層されている第2の積層シートとを
巻き出し、これらの各積層シートのグリーンシート層面
に導電性塗料による内部電極回路を、パターンピッチ1
50mmで印刷し、乾燥した。
【0038】かくして得られた積層シートにおけるグリ
ーンシート層面の内部電極回路のパターンのピッチを顕
微鏡で読み取り、内部電極回路のパターンの所定ピッチ
(150mm)からのズレ(伸び)を連続した100枚
について測定したところ、伸びの平均値が275μm、
バラツキが41μmであり、内部電極回路のパターンの
ピッチの精度として十分に満足できるものであった。
【0039】引き続いて、第1のプラスチックフィルム
及び第2のプラスチックフィルムから、表面に内部電極
回路が印刷されているグリーンシート層を分離したグリ
ーンシートを、実施例2の手法と同様に処することによ
り、積層セラミックコンデンサを得た。
【0040】
【発明の作用、効果】本発明のセラミックシート製造用
の支持シートは、第1のプラスチックフィルムと第2の
プラスチックフィルムとが、容易に分離する接着強度で
積層されてなるものであるため、支持シートの上,下の
両面に対して、それぞれ高誘電率の無機化合物と有機バ
インダーとを含有するスラリーを塗布、乾燥することに
よってグリーンシート層を形成した後に、第1のプラス
チックフィルムにグリーンシート層が積層されている第
1の積層シートと、第2のプラスチックフィルムにグリ
ーンシート層が積層されている第2の積層シートとに容
易に分離させることができる。
【0041】したがって、本発明のセラミックシート製
造用の支持シートによれば、該支持シートの上,下の両
面にそれぞれグリーンシート層を形成した後に、プラス
チックフィルムに積層されている状態のグリーンシート
層に対して内部電極の印刷等の所定の加工を行なうこと
ができる、すなわちグリーンシート層の伸びを抑えた状
態でグリーンシート層面への加工が行なえる。
【0042】このため、本発明のセラミックシート製造
用の支持シートによれば、セラミックシートの製造効率
が高く、しかも精度の高い加工を行なうことができる。
【0043】又、本発明の積層セラミックコンデンサの
製造方法は、上記のセラミックシート製造用の支持シー
トの特性を利用するものであるため、内部電極回路のパ
ターンのピッチの精度の高い積層セラミックコンデンサ
を、効率良く製造し得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01G 4/12 364 H01G 4/12 364 (72)発明者 森本 克彦 滋賀県甲賀郡甲西町大字朝国字平山65番 地 本州製紙株式会社滋賀工場内 (56)参考文献 特開 平5−329994(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B28B 13/00 - 13/06

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のプラスチックフィルムと第2の
    プラスチックフィルムとが、5〜60g/100mm幅
    の接着強度で積層されていることを特徴とするセラミッ
    クシート製造用の支持シート。
  2. 【請求項2】 第1のプラスチックフィルムと第2の
    プラスチックフィルムとが接着剤層を介して積層されて
    おり、接着剤層と第1のプラスチックフィルムとの接着
    強度、及び接着剤層と第2のプラスチックフィルムとの
    接着強度が、それぞれ5〜60g/100mm幅にある
    ことを特徴とするセラミックシート製造用の支持シー
    ト。
  3. 【請求項3】 第1のプラスチックフィルムと第2の
    プラスチックフィルムとが、二軸延伸ポリプロピレン系
    樹脂フィルムである請求項1又は請求項2に記載のセラ
    ミックシート製造用の支持シート。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2、又は請求項3に
    記載のセラミックシート製造用の支持シートの第1のプ
    ラスチックフィルム面及び第2のプラスチックフィルム
    面のそれぞれに対して、高誘電率の無機化合物と有機バ
    インダーとを含有するスラリーを塗布、乾燥することに
    よってグリーンシート層を形成した後、第1のプラスチ
    ックフィルムにグリーンシート層が積層されている第1
    の積層シートと、第2のプラスチックフィルムにグリー
    ンシート層が積層されている第2の積層シートとに分離
    し、更に、これらの各積層シートのグリーンシート層面
    に導電性回路を印刷し、次いで導電性回路を設けたグリ
    ーンシート層を分離することによって得たグリーンシー
    トを燒結することを特徴とする積層セラミックコンデン
    サの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2、又は請求項3に記載のセラ
    ミックシート製造用の支持シートの第1のプラスチック
    フィルム面及び第2のプラスチックフィルム面のそれぞ
    れに対して、高誘電率の無機化合物と有機バインダーと
    を含有するスラリーを塗布、乾燥することによってグリ
    ーンシート層を形成した後、第1のプラスチックフィル
    ムにグリーンシート層が積層されている第1の積層シー
    トと、第2のプラスチックフィルムにグリーンシート層
    が積層されている第2の積層シートと、接着剤層とにそ
    れぞれ分離し、更に、前記の各積層シートのグリーンシ
    ート層面に導電性回路を印刷し、次いで導電性回路を設
    けたグリーンシート層を分離することによって得たグリ
    ーンシートを燒結することを特徴とする積層セラミック
    コンデンサの製造方法。
JP7129169A 1995-04-28 1995-04-28 セラミックシート製造用の支持シート、及び該支持シートを使用する積層セラミックコンデンサの製造方法 Expired - Fee Related JP2768309B2 (ja)

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