JP2629857B2 - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

積層セラミック電子部品の製造方法

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JP2629857B2 JP63187230A JP18723088A JP2629857B2 JP 2629857 B2 JP2629857 B2 JP 2629857B2 JP 63187230 A JP63187230 A JP 63187230A JP 18723088 A JP18723088 A JP 18723088A JP 2629857 B2 JP2629857 B2 JP 2629857B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ビデオテープレコーダ、液晶テレビ、OA機
器等の電気製品に広く用いられている積層セラミックコ
ンデンサ等の積層セラミック電子部品の製造方法に関す
るものであり、他にも、広く多層セラミック基板、積層
バリスタ、積層圧電素子等の積層セラミック電子部品を
製造する際においても、利用可能なものである。
従来の技術 近年、電子部品の分野においても、回路部品の高密度
化にともない、積層セラミックコンデンサ等のますます
の微小化及び高性能化が望まれている。ここでは、積層
セラミックコンデンサを例に採り説明する。
第7図は、積層セラミックコンデンサの一部を断面に
て示す図である。第7図において、1はセラミック誘電
体層、2は内部電極、3は外部電極である。前記内部電
極2は、2ケの外部電極3に交互に接続されている。
最近、電子部品のチップ化は著しく、前述した通りこ
のような積層セラミックコンデンサにおいても微小化が
望まれている。この積層セラミックコンデンサにおい
て、単なる面積の小型化はそのまま電気的容量の減少に
つながってしまう。このため積層セラミックコンデンサ
の小型化と同時に高容量化が行われなくてはならない。
そして、積層セラミックコンデンサの高容量化の方法
として、誘電体の高誘電率化の他に、誘電体層の薄層
化、誘電体層及び内部電極の多層化が考えられている。
第8図は、多積層化した時の積層セラミックコンデン
サの断面図である。第8図に示すように積層セラミック
コンデンサの中心部(内部電極2の積層数が多い)の厚
みAに比べ、周辺部(内部電極2の積層数が少ない)の
厚みBが小さいことが解る。
第9図は、積層数に対する中心部と周辺部とでの厚み
の差を説明する図である。ここで、用いたセラミック生
シートの厚みは20ミクロン、内部電極の厚みは4ミクロ
ンである。第9図より、積層数が10層を超えると中心部
と周辺部とでの厚みの差が20ミクロン、つまり用いたセ
ラミック生シートの厚みを超えてしまうことが解る。
従来より、この問題に対して、いくつかのアプローチ
が採られていた。
まず、特開昭56−106244号公報のように、ベースフィ
ルム上に電極のみをまず印刷形成しておき、次にこの上
にキャスチング法でセラミック生シートを形成する方法
がある。また、特公昭40−19975号公報のように、電極
ペイントを塗布、乾燥後、連続的に誘電体スラリーを塗
布し、これを支持体から剥離することにより、電極付き
セラミック未焼成薄膜を得る方法がある。しかし、これ
らの方法により作った電極埋め込みセラミック生シート
は、膜厚が5〜20ミクロン程度まで薄くなると、機械的
強度が極端に減少するために、もはやそれ自体で取り扱
いできなくなる。このために、20ミクロン以下の薄層化
は難しかった。
さらに、単に電極をセラミック生シートに埋め込むだ
けでは電極による凹凸がセラミック生シートの表面に発
生してしまい、例えば30層以上の高積層を行う場合は非
常に難しかった。
以下に、この内容について第10図〜第12図を用いて説
明する。第10図は、電極埋め込みセラミック生シートの
製造方法の一例を説明するための図である。第10図にお
いて、4はベースフィルム、5は電極、6はアプリケー
タ、7は誘電体スラリーであり、アプリケータ6の中に
セットされている。8は埋め込まれた電極である。ま
た、矢印はベースフィルム4の動く方向を示す。第10図
において、予め電極5が形成されたベースィルム4が、
誘電体スラリー7のセットされたアプリケータ6によっ
て、表面に誘電体スラリー7が塗布されることとなる。
ここで、アプリケータ6は、5〜20ミクロン程度の塗膜
を形成できるものが良い。また、ベースフィルム4を固
定しておいて、アプリケータ6を動かしても良い。
第11図は第10図を断面にて見た様子を説明するための
図である。第11図において、電極5の上にアプリケータ
6により誘電体スラリー7が塗布され、埋め込まれた電
極8が形成される様子を説明している。
第12図(A)(B)(C)は電極8の上に塗布された
誘電体のスラリー7が乾燥する様子を説明するための図
である。第12図において、(A)(B)(C)と誘電体
スラリー7が乾燥するにつれて電極8に起因する凹凸が
発生する様子が良く解る。
発明が解決しようとする課題 従来の電極をセラミック生シートに埋め込み、この電
極埋め込みセラミック生シートを用いる積層セラミック
コンデンサの製造方法では、前記電極埋め込みセラミッ
クシートを支持体上より剥離して用いることにより、薄
層化に限度があった。また、特に誘電体層及び内部電極
の多層化を行う場合においては、積層セラミックコンデ
ンサの中心部と周辺部とでの、内部電極により発生する
段差を取り除くことはできないという問題点を有してい
た。
本発明は前記問題点に鑑み、電極を凹凸を低減させた
形でセラミック生シート中に埋め込むことにより、誘電
体層及び内部電極の多層化された積層セラミックコンデ
ンサを製造する際に用いても積層セラミックコンデンサ
の中心部と周辺部とでの内部電極により発生する段差を
低減し、20ミクロン程度以下の薄いセラミック生シート
においても機械的強度を保ちながら取り扱いでき、転写
することができる積層セラミック電子部品の製造方法を
提供するものである。
課題を解決するための手段 前記課題を解決するために本発明の積層セラミック電
子部品の製造方法は、電極部が形成されてなる支持体上
に、セラミックスのスラリーを塗布した後、前記セラミ
ックスのスラリーを乾燥させ、この時に発生した前記電
極部に起因する凹凸をセラミックスのインキを印刷する
ことで埋め、電極埋め込みセラミック生シートを作り、
次に前記電極埋め込みセラミック生シートを、前記支持
体より剥離することなく、他のセラミック生シートもし
くは他の電極の上に熱圧着させた後、前記支持体のみを
剥離し、前記電極埋め込みセラミック生シートを前記他
のセラミック生シートもしくは他の電極上に転写すると
いう構成を備えたものである。
作 用 本発明は前記した構成によって、多層化された積層セ
ラミックコンデンサを製造する際に用いても、電極上に
セラミックスのスラリーを塗布した後に発生する電極の
凹凸に対して、凹部にセラミックスのインキを印刷して
埋めることで、電極により発生する段差を低減すること
ができることになる。また、電極の埋め込まれたセラミ
ック生シートを、支持体より剥離することなく、他のセ
ラミック生シートもしくは他の電極の上に熱圧着させた
後、支持体のみを剥離し、前記電極埋め込みセラミック
生シートを転写することになる。
実施例 以下、本発明の一実施例の積層セラミックコンデンサ
の製造方法及び積層方法について、図面を参照しながら
説明する。
第1図(A)〜(D)は、本発明の一実施例における
電極埋め込みセラミック生シートを製造する様子を説明
するための図である。第1図において、11は電極、12は
ベースフィルム、13は第1のセラミックスのスラリー、
14はセラミックスのインキ、15は第2のセラミックスの
スラリーである。まず、第1図(A)〜(C)を用いて
説明する。まず、第1図(A)のようにベースフィルム
12の上に電極11を印刷する。次に、第1図(B)のよう
に電極11上に第1のセラミックスのスラリー13を塗布
し、乾燥させる。次に、第1図(C)のように電極11間
に生じた凹部にセラミックスのインキ14を印刷し、電極
11間に生じた凹部を埋める。また、必要に応じて第1図
(D)のように第2のセラミックスのスラリー15を塗布
すると、さらに電極11に起因する凹凸を平坦化すること
ができる。
以下に、このようにして製造した電極埋め込みセラミ
ック生シートを用いた積層方法について説明する。
第2図及び第3図は、本発明の電極埋め込みセラミッ
ク生シートを積層する様子を説明するための図である。
第2図、第3図において、20は台、21,21aはベースフィ
ルム、22はセラミック生積層体、23,23aは電極、24はセ
ラミック生シート、25は第1図に示すようにして製造さ
れた電極埋め込みセラミック生シートであり、電極23a
とセラミック生シート24より構成されている。26はヒー
タ、27は熱盤、28は転写された電極、29は転写された電
極埋め込みセラミック生シート、30は転写された電極埋
め込みセラミック生シートであり、転写された電極28と
転写されたセラミック生シート29より構成されている。
また、矢印は熱盤27の動く方向を示す。
まず、第2図を用いて説明する。まず、ベースフィル
ム21aの電極埋め込みセラミック生シート25が形成され
ていない側に、ヒータ26により加熱された熱盤27を置
く。一方、ベースフィルム21aの電極埋め込みセラミッ
ク生シート25の形成された側に、台20上に固定したベー
スフィルム21及びセラミック生積層体22を置く。この
時、セラミック生積層体22の表面に転写、印刷等の適宜
の方法により電極23を形成しておく。ここで、セラミッ
ク生積層体22の表面には必ずしも電極23が形成されてい
る必要はない。次に、この第2図に示す状態から、熱盤
27によりセラミック生積層体22の表面に、ベースフィル
ム21aの表面に形成された電極埋め込みセラミック生シ
ート25を加熱圧着させる。
次に、第3図を用いて説明する。この第3図は第2図
に示す電極埋め込みセラミック生シート25を転写した後
の図である。すなわち、第3図のように、熱盤27によっ
てベースフィルム21a上の電極埋め込みセラミック生シ
ート25は、セラミック生積層体22の表面に転写され、こ
れにより転写された電極28及び転写されたセラミック生
シート29とより構成された転写された電極埋め込みセラ
ミック生シート30を形成する。
また、第4図及び第5図は、前記の実施例の変形例を
示すものである。第4図及び第5図において、電極23の
形成されたセラミック生積層体22の表面に、ベースフィ
ルム21bの上に形成されたセラミック生シート24aを加熱
圧着させ、転写されたセラミック生シート29aを形成し
た後に、電極埋め込みセラミック生シート25を加熱圧着
する様子を示す。ここで、第2図,第3図の工程や、第
4図、第5図の工程を繰り返すことで多層にわたり積層
することも可能である。
次に、さらに詳しく説明する。まず、電極を形成する
ための電極インキとしては、パラジウム粉末を用いた電
極インキを作成した。これは、粒径0.3ミクロンのパラ
ジウム粉末50.0重量部、樹脂としてのエチルセルロース
5.0重量部、分散剤0.1重量部に対して、適当な粘度にな
るように溶剤としてブチルカルビトールを加えた後、3
本ロールミルを用いて充分分散させ、もう一度3本ロー
ルミル上でブチルカルビトールを加え、粘度が100ポイ
ズになるまで分散させながら希釈した。
次に、電極23a(及びセラミック生シート24)用のベ
ースフィルム21aとして、フィルム幅200ミリメートル、
フィルム膜厚75ミクロン、中心コア径3インチ、長さ約
100メートルのロール状のポリエチレンテレフタレート
フィルム(以下、PETフィルムと呼ぶ)を用いて、この
上に乳剤厚10ミクロン、400メッシュのステンレススク
リーンを用いたスクリーン印刷法により、前記の電極イ
ンキを一定間隔を開けながら連続的に印刷した。ここ
で、電極の形状は3.5×1.0ミリメートルのものを用い
た。そして、印刷後の電極インキの乾燥は、印刷機の次
に約125℃に加熱した遠赤外のベルト炉を接続し、電極
インキ中の溶剤を蒸発させ、これを電極23aとした。
次に、誘電体スラリー及びセラミックスのインキの作
り方について説明する。まず、ポリビニルブチラール樹
脂(積水化学株式会社製、BL−2ブチラール樹脂)6.0
重量部を、フタル酸ジブチル0.6重量部、エチルアルコ
ール25.0重量部、トルエン36.0重量部よりなる樹脂溶液
中に、粒径1ミクロンのチタン酸バリウム粉末31.0重量
部と共に加え、よく撹はんした。次に、これをポリエチ
レン製の瓶に入れ、ジルコニアビーズを加え、適当な分
散状態になるまで混合分散した。次に、これを仮ろ過し
た後、10ミクロンのメンブレンフィルタを用いて加圧ろ
過して、誘電体スラリーとした。また、セラミックスの
インキは前記電極インキと同様にして製造した。
次に、誘電体スラリーをアプリケータを用いて電極及
びセラミックスのインキの印刷されたベースフィルム21
a上に連続的に塗布した。次に、これを乾燥させ電極埋
め込みセラミック生シート25とし、マイクロメータで膜
厚を測定したところ、セラミック生シート25の膜厚は18
ミクロンであった。
次に、セラミックスのインキを第1図(C)のように
電極11の間に電極の逆パターン(ネガポジの関係)で印
刷し、乾燥させ電極埋め込みセラミック生シート25を平
坦化した。
次に、この電極埋め込みセラミック生シート25を用い
た積層セラミックコンデンサの製造方法について説明す
る。まず、厚み200ミクロンの電極の形成されていない
セラミック生積層体22をベースフィルム21ごと第2図の
台20上に固定した。まず、第4図のようにセラミック生
シート24aを転写し、この上に第2図及び第3図のよう
に、必要な積層数だけ電極埋め込みセラミック生シート
25を転写した。ここで、転写は温度180℃、圧力15キロ
グラム毎平方セチメートルの条件下で、ベースフィルム
21aの側から熱盤27を用いて行い、電極埋め込みセラミ
ック生シート25を転写した後、ベースフィルム21aを剥
して行った。この時、電極(23、23a)を一定のピッチ
だけずらせた状態で、次の電極埋め込みセラミック生シ
ートを、熱盤27を用いてベースフィルム21a側から加熱
することにより転写した。
以下、これを繰り返し電極が第7図のように交互にず
れるようにし、電極を51層になるようにした。そして、
最後に焼成時のソリや機械的強度を上げるために、厚み
200ミクロンの電極が形成されていないセラミック生シ
ートを転写した。このようにして得た積層体を2.4×1.6
ミリメートルのチップ状に切断し、これを本発明法によ
る積層体とした。
比較のために、従来法の電極埋め込みセラミック生シ
ートとして電極インキの印刷された上にセラミックスの
スラリーを塗布しただけの、セラミックスのインキを印
刷していない、凹凸の残った電極埋め込みセラミック生
シートを作製し、同様にして転写により積層し、チップ
状に切断し、従来法による積層体とした。なお、積層時
の圧力、切断等の各条件はすべて前述と同じにした。
ここで、試料数は、n=100とした。次に、積層体の
中心部と周辺部とでの厚みの差を厚み計(表面粗さ計)
を用いて測定した。その結果を下記の第1表に示す。
以上のように、本発明による積層セラミック電子部品
の製造方法を用いれば、出来上がった積層体の中心部と
周辺部とでの厚みの差が、従来法に比較して大きく改善
されていることが解る。これは、本発明における電極埋
め込みセラミック生シートにおいては、電極に起因する
凹凸の発生が防止されているためである。また、従来法
のものでは積層体の中心部と周辺部とでの厚みの差が大
きくなり、積層不良(電極埋め込みシートが転写できな
い)も発生しているものであった。また、これらの積層
体を1300度で焼成したところ、本発明法によるものは従
来法によるものに比較してほとんどデラミネーション
(層間剥離)が観察されなかった。
なおここで、本発明においては第1図における第1も
しくは第2のセラミックスのスラリーとして、乾燥後に
熱可塑性樹脂が10重量%以上40重量%以下になることが
望ましい実験結果が得られた。以下、これについて簡単
に説明する。
本発明に用いた電極埋め込みセラミック生シートのセ
ラミック生シート部は、それ自体に含むオリビニルブチ
ラール樹脂の性質により熱による転写性を有する。ま
た、この熱による転写性は、セラミック生シート中に含
まれているポリビニルブチラール樹脂(以下、PVB樹脂
と呼ぶ)が少ないほど、転写性が悪くなり、逆に含まれ
ているPVB樹脂の量が多いほど、転写性が良くなる。こ
こで用いたセラミック生シート中に含まれるPVB樹脂
は、セラミック粉末100グラムに対し、20グラム程度含
まれているものが転写性が良かった。しかし、ここで転
写に必要なPVB樹脂量は、スラリー原料のセラミック粉
末の粒径によっても、PVB樹脂の重合度、種類等によっ
ても、あるいは転写時の温度によっても、転写に必要な
樹脂量は変化すると考えられる。そして、樹脂量が不足
すると、転写温度を上げる必要がある。
次に、実験に用いた粒径のチタン酸バリウム粉末につ
いて、セラミック生シート中に含まれる樹脂量と、この
セラミック生シートの転写性について実験した結果を下
記の第2表に示す。ここで、セラミック生シートは前述
のようにチタン酸バリウム粉末、可塑剤としてフタル酸
ジブチル、及びPVB樹脂よりできており、ここに含まれ
るPVB樹脂の重量パーセントを変化させた場合の転写性
を調べた。ここで、セラミック生シート中に加えたフタ
ル酸ジブチルの量は、PVB樹脂の10重量%と固定した。
また、セラミック生シートの転写性については、第1図
のように表面に電極が形成されたセラミック生積層体の
上に、電極埋め込みセラミック生シートを転写すること
で実験した。また、転写はベースフィルム側から、転写
圧力15キログラム毎平方センチメートルの圧力で、温度
180℃に加熱した熱盤を押し当てることで行った。ま
た、PVB樹脂量は、セラミック生シート中の重量%で表
した。
次に、前記第2表のセラミック生シートを用い前記第
1表の場合の実施例と同じようにして、積層セラミック
コンデンサを製造した。この時のセラミック生シート中
に含まれるPVB樹脂量とデラミネーションの発生率との
関係を下記の第3表に示す。
この第3表より、PVB樹脂量は10重量%〜40重量%程
度のものがデラミネーションを起こしにくいことが解
る。以上より、PVB樹脂量はセラミック生シートの10重
量%〜40重量%、特に15重量%前後のものが転写性も良
く、デラミネーションの発生も少ないことが解る。
ここで、PVB樹脂のような転写性を有する樹脂として
は、他にもアクリル樹脂、ビニル樹脂、セルロース誘導
体樹脂等の熱可塑性樹脂がある。また、熱可塑性樹脂以
外に、硬化型樹脂、重合型樹脂であっても、その硬化条
件、重合条件を適当にし、例えばゴム状にすることで、
表面に粘着性を持たせることによって転写でき、セラミ
ック生シート用の樹脂として用いることができる。
さらに、第4図及び第5図のような場合に、セラミッ
ク生シート24aに、チタン酸バリウム100重量部に対し
て、樹脂が5重量部程度しか含まれていない転写性のな
いセラミック生シートを用いても、交互に本発明の転写
性の優れた電極埋め込みシートを用いることによって積
層できる。
さらに、電極埋め込みシートの積層においては、第6
図のように熱ローラを用いて電極埋め込みセラミック生
シートを転写してもよい。第6図は熱ローラを用いた電
極埋め込みセラミック生シートの転写の様子を説明する
ための図である。第6図において、31は熱ローラであ
り、ヒータ26aにより一定温度に設定されている。そし
て、電極埋め込みセラミック生シート25がセラミック生
積層体22と熱ローラ31の間を通る時、電極埋め込みセラ
ミック生シート25は、セラミック生積層体22表面に転写
され、転写された電極埋め込みセラミック生シート30と
なる。この方法によると、電極埋め込みセラミック生シ
ートの転写を連続的に行うことができる。
なお、本発明において、転写時には熱,光,電子線,
マイクロウエーブ,X線等を使用して転写を行っても良
い。また、PVB樹脂の種類、可塑剤の種類や添加量を変
えることにより室温での転写も可能である。また、紙,
セラミック基板,金属板等の表面に対しても転写が可能
である。また、他の樹脂を用いることも可能である。さ
らに、電極間に生じた凹部に印刷するセラミックスのイ
ンキにおいて、セラミックスのインキの乾燥後の成分割
合(樹脂とセラミックスの割合等)をセラミックスのス
ラリーの乾燥後の成分割合に合わせておくと焼成時に問
題が起きにくい。さらに、セラミックスのインキの電極
間に生じた凹部への印刷は全ての積層分にする必要はな
く、必要に応じて数層もしくはその一部にのみ行えば良
い。また、セラミックスのインキの印刷位置と電極の印
刷位置が一部分重なっても特に問題はなかった。
さらに、必要に応じてカレンダー処理(表面の滑らか
な金属板等に、圧力や熱をかけながら押し当てて、表面
を滑らかにすること)をしてもよい。
そして、本発明方法は、前記実施例で述べた積層セラ
ミックコンデンサに適用する以外に、多層セラミック基
板、積層バリスタ等のその他の積層セラミック電子部品
においても適用できるものである。
発明の効果 以上のように本発明は、電極部が形成されてなる支持
体上に、セラミックスのスラリーを塗布した後、前記セ
ラミックスのスラリーを乾燥させ、この時に発生した前
記電極部に起因する凹凸をセラミックスのインキを印刷
することで埋め、電極埋め込みセラミック生シートを作
り、次に前記電極埋め込みセラミック生シートを、前記
支持体より剥離することなく、他のセラミック生シート
もしくは他の電極の上に熱圧着させた後、前記支持体の
みを剥離し、前記電極埋め込みセラミック生シートを前
記他のセラミック生シートもしくは他の電極上に転写す
ることにより、セラミック生シートを支持体と共に取扱
うために取扱時に破損することなく、電極上にセラミッ
クスのスラリーを塗布した際に生じた凹部にセラミック
のインキを印刷することにより、電極埋め込みセラミッ
ク生シートの方面の凹凸の発生を低減しながら、歩留り
良く積層セラミックコンデンサ等の積層セラミック電子
部品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)〜(D)は本発明の一実施例における電極
埋め込みセラミック生シートを製造する様子を説明する
ための図、第2図及び第3図は本発明の電極埋め込みセ
ラミック生シートを積層する様子を説明するための図、
第4図及び第5図は第2図,第3図の実施例の変形例を
示すための図、第6図は本発明の他の実施例における熱
ローラを用いた電極埋め込みセラミック生シートの転写
の様子を説明するための図、第7図は積層セラミックコ
ンデンサの一部を断面にて示す図、第8図は従来例にお
ける多積層化した時の積層セラミックコンデンサの断面
図、第9図は同じく積層数に対する中心部と周辺部とで
の厚みの差を説明する図、第10図は同じく電極埋め込み
セラミック生シートの製造方法の一例を説明するための
図、第11図は第10図を断面にて見た様子を説明するため
の図、第12図(A)〜(C)は従来例において電極の上
に塗布された誘電体のスラリーが乾燥する様子を説明す
るための図である。 11……電極、12……ベースフィルム、13……第1のセラ
ミックスのスラリー、14……セラミックスのインキ、15
……第2のセラミックスのスラリー、20……台、21,21
a,21b……ベースフィルム、22……セラミック生積層
体、23,23a……電極、24,24a……セラミック生シート、
25……電極埋め込みセラミック生シート、26,26a……ヒ
ータ、27……熱盤、28……転写された電極、29,29a……
転写されたセラミック生シート、30……転写された電極
埋め込みセラミック生シート、31……熱ローラ。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極部が形成されてなる支持体上に、セラ
    ミックスのスラリーを塗布した後、前記セラミックスの
    スラリーを乾燥させ、この時に発生した前記電極部に起
    因する凹凸をセラミックスのインキを印刷することで埋
    め、電極埋め込みセラミック生シートを作り、次に前記
    電極埋め込みセラミック生シートを、前記支持体より剥
    離することなく、他のセラミック生シートもしくは他の
    電極の上に熱圧着させた後、前記支持体のみを剥離し、
    前記電極埋め込みセラミック生シートを前記他のセラミ
    ック生シートもしくは他の電極上に転写することを特徴
    とする積層セラミック電子部品の製造方法
  2. 【請求項2】セラミックスのスラリーは乾燥後に熱可塑
    性樹脂が10重量%以上40重量%以下になるように配合し
    たことを特徴とする請求項1記載の積層セラミック電子
    部品の製造方法。
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