JPH07311573A - 複合ピアノ - Google Patents

複合ピアノ

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JPH07311573A
JPH07311573A JP6094970A JP9497094A JPH07311573A JP H07311573 A JPH07311573 A JP H07311573A JP 6094970 A JP6094970 A JP 6094970A JP 9497094 A JP9497094 A JP 9497094A JP H07311573 A JPH07311573 A JP H07311573A
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Hisamitsu Honda
久光 本多
Toshio Hiraki
敏雄 平木
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子音源による電子ピアノモードを備えた複
合ピアノにおいて、電子ピアノモードでの止音を確実に
すると共に、アコースティックピアノモードでのタッチ
感、連打性を損なわないこと。 【構成】 筬41と棚板51との間に、カム53,55,57を挾
持し、発音状態から止音状態に移行する場合、レバー59
を59-1に回動させて、アクション機構3 を低くする。更
に、レバー59の操作に連動してストップレール30を下降
させて、ハンマー23を点線で示す位置で停止する止音状
態とする。止音状態では、アクション機構3 自体が低く
なるため、ストップレール30も十分に下降することがで
き、ハンマートップ23a と弦25との距離を十分に大きく
とることができ、十分な止音効果が得られる。逆に、ア
コースティックピアノモードにおいてはアクション機構
3 を上昇させて短い打弦距離にでき、タッチ感、連打性
を損なわない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通常のアコースティッ
ク演奏であるアコースティックピアノモードに加え、電
子音源による電子ピアノモードにも切り換え可能な複合
ピアノに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、アコースティックピアノに電
子音源を組み合わせて、ハンマーの打弦による通常のア
コースティックピアノモードに加え、電子音源による電
子ピアノモードにも切り換え可能な複合ピアノが提案さ
れている。この種の複合ピアノにおいては、例えば、電
子ピアノモードでの演奏時には、ハンマーの打弦動作時
にハンマーシャンクに当接されてハンマーシャンクの移
動を停止させるストップレールなどの止音装置が使用さ
れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ハンマーシ
ャンクを停止させる位置は、ハンマーが打弦するときの
ハンマーシャンクの位置より手前で、更にタッチへの影
響を除くにはハンマーが慣性運動を始めた後(レットオ
フポイントを越えた後)でなくてはならない。しかし、
グランドピアノにおけるレットオフポイントから打弦位
置までの距離(レットオフ後の打弦距離)を2mm程度
とするのが普通であり、ハンマーシャンクがしなった
り、ストップレールに貼られる緩衝部材が変形したりす
ることもあり、この短い距離内で確実にハンマーを停止
することは困難であった。そこで、従来のグランドタイ
プの複合ピアノでは、レットオフポイントを弦から離
し、例えばグランドピアノではレットオフ後の打弦距離
を4mm程度確保するようにして、電子ピアノモードに
おける止音を確実にしていた。また、アップライトピア
ノでも、複合型でないものの同距離が**mmであるの
に対し、複合型のアップライトピアノでは同距離を10
mm程度とかなり広くしてあった。
【0004】これらの構成によって電子ピアノモードで
の止音は確実になったのであるが、レットオフ後の打弦
距離を広く取った分だけ、アコースティックピアノモー
ドにおけるタッチ感がこうした複合型ではないアコース
ティックピアノと異なってくるという問題があった。ま
た、連打性能も劣ることとなっていた。
【0005】そこで、本発明は、アコースティックピア
ノモードでのタッチ感や連打性を損なうことなく電子ピ
アノモードでの止音を確実ならしめることを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】かかる目
的を達成するためになされた本発明の複合ピアノは、電
子音源と、鍵操作を検出する鍵操作検出手段と、ハンマ
ーによる打弦を阻止する打弦阻止手段と、該打弦阻止手
段を作動させると共に前記鍵操作検出手段により検出し
た鍵操作に基づいて前記電子音源を作動させる電子ピア
ノ演奏機能への切換手段とを備え、アコースティックピ
アノモード以外に電子ピアノモードの演奏を行えるよう
にした複合ピアノにおいて、ハンマーのレットオフ後の
打弦距離を、必要に応じて、通常演奏時よりも拡大する
打弦距離拡大手段を備えたことを特徴とする。
【0007】この複合ピアノによれば、電子ピアノモー
ドに切り換えたときに打弦距離拡大手段を作動させれ
ば、レットオフ後の打弦距離を長くすることができ、打
弦阻止手段による確実な打弦阻止、即ち、確実な止音を
なし得る。一方、この打弦距離拡大手段を備えたこと
で、アコースティックピアノモードにおいては複合型で
ないアコースティックピアノと全く同一の位置をレット
オフポイントにしておくことができ、タッチ感や連打性
を一切損なわないようにすることができる。
【0008】この複合ピアノにおいて、前記切換手段に
よって電子ピアノモードへと切り換えられたときに前記
打弦距離拡大手段を作動させるように、打弦距離拡大手
段と切換手段とを連動させたておくとよい。こうすれ
ば、演奏者は切換手段一つを操作するだけで確実に止音
機能を発揮させることができ、きわめて便利である。ま
た、アコースティックピアノモードへ戻したときに打弦
距離を元の状態に自動的に戻すことができ、打弦距離拡
大手段の操作忘れによるタッチ感,連打性の喪失を招か
ない。
【0009】また、より具体的には、これらの複合ピア
ノにおいて、前記打弦距離拡大手段を、アクションを弦
から遠ざけるアクション遠ざけ手段として構成すること
ができる。前記打弦距離拡大手段を、弦を固定したフレ
ームをアクションから遠ざけるフレーム機構遠ざけ手段
として構成することもできる。いずれにしてもアクショ
ンと弦との相対距離を広げることができればよい。
【0010】ここで、グランドピアノでは、フレームは
鋳鉄が使用され、かなりの重量を有するので、これを上
下動させたり回動させたりして打弦位置を持ち上げるの
にはかなりの力を必要とする。また、グランドピアノの
内部にこうしたフレーム持ち上げ機構を装着するのはス
ペース的にも問題がある。従って、グランドピアノで
は、アクション遠ざけ手段にて打弦距離拡大手段を構成
することが望ましい。
【0011】この場合、アクション遠ざけ手段として、
鍵盤及びアクションの全体を上下に移動可能に構成して
おいてもよいのであるが、前記アクション遠ざけ手段
を、手前側を回動中心として鍵盤の奥部を下降させるよ
うに回動することでアクションを弦から遠ざけるように
構成するとよい。手前側を中心として鍵盤の奥部を下降
させるように回動する構成では、奥部を例えば2mm程
度下降させても、手前側では鍵盤がほとんど下がらな
い。従って、電子ピアノモードにしたときにも演奏者の
押鍵位置関係にはほとんど変化がなく、違和感なしにピ
アノを弾くことができる。この点で、全体を上下動する
構成よりも一層演奏者の満足を達成することができる点
で好適となる。
【0012】この構成の複合ピアノにおいて、前記アク
ション遠ざけ手段を、筬の厚みを調節する機構にて構成
することができる。この様に構成すると、現在既に使用
されている複合ピアノにおいても、この筬の厚みを調節
できるようにした鍵盤及びアクションに取り替えるだけ
で上述した効果を得ることができる。この場合にも、前
記アクション遠ざけ手段は、筬を厚さ方向に上下二つ割
にし、該上下に割られた筬間にカムを介在させ、該カム
を回転させることで上方の筬を上下させて筬の厚みを調
節するように構成しておけば、電子ピアノモードでの鍵
盤の沈み込みがなく、演奏者は違和感なくピアノを弾く
ことができて一層好適となる。もちろん、こうした回動
ではなく、上方の筬を全体に上下動できるように構成し
ても、従来の複合ピアノに本発明を適用するには差し支
えない。
【0013】一方、前記アクション遠ざけ手段を、棚板
を厚さ方向に上下二つ割にし、手前側を中心として上方
の棚板を上下に回動させる機構にて構成してもよい。こ
の場合、電子ピアノモードでは、上方の棚板を下降させ
るように回動することになる。これも、鍵盤の押鍵位置
を変化させず、演奏者に違和感を与えない点で優れてい
る。また、棚板自体はかなりの厚さがあるので、二分割
しても上方の棚板が強度的に弱くならず、筬を二分割す
る構成に比べると強度的には有利となる。さらに、鍵盤
の構造を複雑にすることがなく、鍵盤及びアクションを
引き出す際に棚板上面を滑らせて簡単に作業することが
できる点で有利な面を有する。
【0014】一方、アップライトピアノでは、アクショ
ンを遠ざけるのは構造的に複雑になるので、打弦距離拡
大手段を、弦を固定したフレームをアクションから遠ざ
けるフレーム機構遠ざけ手段として構成し、このフレー
ム遠ざけ手段を、フレームの下部を回動中心として後方
へ倒すように回動することで弦をアクションから遠ざけ
るように構成するとよい。
【0015】フレームを後方へ倒せば、打弦距離が長く
なり、打弦阻止手段による確実な止音を可能ならしめ
る。そして、アコースティックピアノモードでは元の位
置へとフレームを立ち直らせれば、複合型でないアップ
ライトピアノと変わらないタッチ感、連打性の演奏が可
能になる。
【0016】フレームを後方に倒したり直立状態に立ち
直らせる場合には、フレーム上部をリンクなどで押した
り引いたりするようにしておけばよく、回動中心,フレ
ームの重心との関係から、テコを利用して簡単に打弦距
離の拡大と復帰とをなし得る。加えて、アップライトピ
アノの上前板の背後は比較的大きな空間があるので、こ
うしたリンクなどを収納するのにスペース的な無理もな
い。これらの点でも、アップライトピアノではフレーム
を後方へ倒す構成が有利となる。
【0017】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面と共に説明す
る。まず図1は、一実施例としてのグランドピアノのア
クション機構部分周辺の概略構成を表わす部分断面図で
ある。なお、一般には、鍵盤5より上方の部分だけをア
クションと呼ぶ呼び方もあるが、本実施例の説明では、
鍵盤5や筬41も含んだ全体をアクション機構3と呼ぶ
こととする。
【0018】本グランドピアノは、図示しない電子音源
を備え、鍵盤の操作によって電子音源から演奏音を発生
できるようにされた複合ピアノであり、電子音源からの
演奏音を、外部に放音することなくヘッドホンを介して
聴くことができるようにされている。
【0019】図1に示すように、アクション機構3は、
演奏者の操作によって揺動する鍵盤5と、鍵盤5が押さ
れるとバランスピン7を支点として上昇するキャプスタ
ンスクリュー12と、ウイッペンフレンジ13を介して
ウイッペンレール14に回動可能に支持され、キャプス
タンスクリュー12の上昇によって上向きに回動するウ
イッペン15と、ウイッペン15に回動可能に連結さ
れ、レギュレチングボタン16に当接するまでウイッペ
ン15と共に上昇するジャック17と、ジャック17に
当接し、ジャック17に突き上げられると分離するシャ
ンクローラー18と、シャンクフレンジ19を介してシ
ャンクレール20に回動可能に支持され、シャンクロー
ラー18が突き上げられると上向きに回動するハンマー
シャンク21と、ハンマーシャンク21の先端に装着さ
れ、ハンマーシャンク21の回動により上方に移動して
弦25を叩くハンマー23と、後述する筬41等から構
成されている。
【0020】そして、ハンマーシャンク21の上方に
は、打弦動作時にハンマーシャンク21に当接してその
移動を阻止する断面L字状のストップレール(レール
部)30が配設されている。なお、このストップレール
30は、図示しない支持装置に支持されている。支持装
置は、このストップレール30を、ハンマーシャンク2
1の移動を阻止する停止位置と、その停止位置から退避
してハンマー23による打弦を可能にする退避位置とに
変位可能である。
【0021】鍵盤5は筬41の上に筬前43、筬中45
および筬後47を介して配置されている。筬前43には
フロントピン43aが設けられ、鍵盤5前端部の孔部5
aに挿入されて左右に鍵盤5が振れるのを防止してい
る。筬中45には図示しない凹部が設けられてバランス
ピン7が挿入され、鍵盤5の支点とされている。
【0022】このようにアクション機構3全体を支える
筬41と更にその筬41を支える棚板51との間には、
カム53,55,57が挾持されている。このカム5
3,55,57は楕円形をなし、点線で示したレバー5
9に連動して、カム軸53a,55a,57aを回動軸
として回動する。したがってレバー59を59−1から
59−2の位置に回動させることにより、カム53,5
5,57の楕円の長径を棚板51の上面に平行な状態か
ら次第に垂直方向に立てて行くと、棚板51とアクショ
ン機構3が離れ、図1のごとくアクション機構3の位置
が高くなる。逆にレバー59を59−2から59−1の
位置に回動させることにより、カム53,55,57の
楕円の長径が棚板51の上面に平行な状態になり、棚板
51とアクション機構3が近づき、図1よりもアクショ
ン機構3の位置が低くなる。
【0023】このことにより、図1のような発音状態か
ら、止音状態に移行する場合、レバー59を59−1に
回動させるだけで、アクション機構3が低くなる。更に
図示しな連動機構により、レバー59の操作に連動して
ストップレール30が下降して、ハンマー23を点線で
示す位置で停止するようになる。
【0024】このように止音状態では、アクション機構
3自体が低くなるため、ストップレール30も十分に下
降することができ、ハンマートップ23aと弦25との
距離を十分に大きくとることができる。このため、十分
な止音効果が得られる。このことから、アコースティッ
クピアノモードでの打弦距離は、通常のグランドピアノ
におけるように「レットオフ後の打弦距離=2mm程
度」としておくことができ、演奏者は発音タイミング、
音の大きさ共に通常のグランドピアノと全く異なること
のない演奏を楽しむことができ、タッチ感、連打性を損
なうことがない。
【0025】また、レットオフ後の打弦距離を十分に取
ることができるので、確実にレットオフした後でハンマ
ーシャンク21を停止させることができる。従って、電
子ピアノモードでの演奏者のタッチ感をも損なわなくな
る。加えて、ストップレール30の配置にも高精度を必
要とせず、製造・補修が容易である。
【0026】図2に第2実施例を示す。図2は筬周辺の
み示すが、鍵盤などのアクション機構60としての他の
構成は上述の実施例(以下、第1実施例という)と同じ
である。筬前61、筬中63および筬後65は、金属板
からなる筬67の各凹部67a,67b,67cに嵌合
され固定されている。筬67の下には底板69が配置さ
れている。底板69は棚板51の上面51aに配置され
ている。
【0027】筬67と底板69との間には、アーム7
1,73,75が設けられ、筬67には、支持突起77
a,77b,77cが設けられ、底板69にも、支持突
起69a,69b,69cが、筬67の支持突起77
a,77b,77cと対向する位置に設けられている。
そしてアーム71,73,75の一端は筬67の支持突
起77a,77b,77cに回動可能に軸着され、他端
は底板69の支持突起69a,69b,69cに回動可
能に軸着されてリンク機構を形成している。更に筬中6
3の位置の筬67と底板69との間には、カム81が設
けられ、図示しない駆動機構によりその回動軸81aに
て回動可能に構成されている。
【0028】本実施例はこの様に構成されていることに
より、カム81の長径を立たせれば筬67と底板69と
の間を離間させて図2に点線で示すごとくアクション機
構60全体を高くすることができ、カム81の長径を倒
せば筬67と底板69との間を近づけてアクション機構
60全体を低くすることができる。
【0029】このことにより、第1実施例と同様の効果
を生じさせることができる。更に、打弦距離を拡大する
機構が、ピアノ本体ではなくアクション機構60の方に
備わっているので、既に使用されている複合ピアノのア
クション機構をこの図2に示すものに取り替えれば、直
ちに本発明の効果を得ることのできる複合型グランドピ
アノにすることができる。
【0030】図3に第3施例を示す。図3も筬周辺のみ
示すが、アクション機構91としての他の構成は第1実
施例及び第2実施例と同じである。第2実施例と異なる
点は、筬93と底板95とのリンクの状態である。筬前
93a側では筬93の支持突起97と底板95の支持突
起95aとが直接、軸98で回動可能に軸着している点
である。更に筬後93c側では、一端で回動可能に軸着
した2つのアーム99a,99bが各々の他端で、筬9
3の支持突起101と底板95の支持突起95bとに回
動可能に軸着している点である。
【0031】このことにより、筬中93bの下にあるカ
ム81が回転すると、軸98を支点として筬後93c側
が上昇したり下降したりする。このことにより、アクシ
ョン機構91の内、特にハンマー23側が上昇・下降す
る。したがって、第2実施例と同様の効果を生じさせる
ことができるとともに、手前側(筬前93a側)はほと
んど高さが変化しないため、演奏者にとって鍵盤5はア
コースティックピアノモードでも電子ピアノモードでも
同じ高さにあることになり、タッチの違和感を一層なく
している。
【0032】尚、図3のリンク機構の代わりに、図4に
示すように、コイルバネ103を設けて常に筬93と底
板95とが近づく方向に付勢力を働かせておいてもよ
い。この第4実施例によれば演奏時の振動や衝撃があっ
ても、筬93が底板95から浮き上がり難くなり、筬を
分割したことによる雑音などの発生をも防止することが
できる。
【0033】次に、第5実施例を説明する。この実施例
では、図5に示すように、少なくとも筬111の下面を
支える部分の棚板を上下二分割の構造にすると共に、下
方の固定棚板113と上方の可動棚板115とを正面に
てヒンジ117で固定する。可動棚板115は、上面が
水平状態にあるときに固定棚板113との間に隙間があ
くようにテーパ形状の縦断面を有するようにしてある。
そして、可動棚板115の最奥部にワイヤ119を取り
付け、アコースティックピアノモードと電子ピアノモー
ドとを切り換えるための切換レバー(図示略)に連動し
て、アコースティックピアノモードに切り換えられてい
るときには図示の状態になるようにワイヤ119を引っ
張り、逆に電子ピアノモードに切り換えられたときには
ワイヤ119を緩めるように構成する。なお、鍵盤5の
上に載せられるアクションの構成は第1実施例と同様で
ある。
【0034】第5実施例では、ワイヤ119を引っ張っ
た状態のときに可動棚板115の上面が水平となり、こ
のときのレットオフ後の打弦距離が約2mmとなるよう
に調整される。そして、ワイヤ119を緩めたときには
可動棚板115が固定棚板113に接触し、このろとき
のレットオフ後の打弦距離が約4mmとなるように、可
動棚板115の下面テーパが施される。
【0035】これにより、アコースティックピアノモー
ドでは、普通のグランドピアノと変わりのないタッチ
感,連打性を得ることができ、電子ピアノモードでは、
止音を確実にすることができる。そして、電子ピアノモ
ードでも鍵盤121の手前側は殆ど沈み込まないので、
演奏者は違和感なく演奏を楽しむことができる。
【0036】なお、ワイヤ119は、可動棚板115の
両端と、適当な中間位置とに複数設けておくのがよい。
また、第6実施例として図6に示すように、後方から楔
123を抜き差しして可動棚板115を上下動するよう
にしてもよい。このとき、同図に示すように引きバネ1
25にて可動棚板115を固定棚板113側に常時引っ
張っておくようにすると、可動棚板115が安定する。
【0037】この実施例によれば、鍵盤及びアクション
からなるアクション機構自体は複雑な構造とならず、こ
れを引き出したり、調整したりする上では有利となる。
次に、アップライトピアノに本発明を適用した第7実施
例について説明する。この実施例では、図7に示すよう
に、弦を固定したフレーム131の下端をヒンジ133
でピアノ本体130に回動自在に支持し、上端にエアシ
リンダ135を取り付けてある。また、ピアノ本体13
0には、ストッパ137を設けておいて、フレーム13
1を直立状態にしたときの位置合わせが確実となるよう
にしてある。なお、アクション機構138や止音装置1
39などは、複合ピアノとして公知のものと同様であ
る。
【0038】この実施例では、電子ピアノモードが選ば
れているときには、エアシリンダ135を伸長させてフ
レーム131を後方へ倒し、アクションと弦の距離を広
くする。そして、図示しない止音装置を作動状態とし、
さらに、鍵盤に設置したキーセンサから鍵盤操作状態を
検出して電子音源によるピアノ演奏を行う。止音装置
は、レットオフ後にハンマーの動作を阻止する様にセッ
トされているが、打弦距離が長くなっているのでレット
オフポイントから弦までの距離が長く、確実に止音する
ことができる。
【0039】一方、アコースティックピアノモードで
は、エアシリンダ135を縮小させてフレーム131を
直立方向へ回動させる。フレーム131はストッパ13
7に当たって止まる。このストッパ137に当たって止
まったときに、普通のアップライトピアノの打弦距離と
同じ打弦距離となるようにしておく。従って、アコース
ティックピアノモードでは、普通のアップライトピアノ
と変わりのないタッチ感、連打性で演奏を楽しむことが
できる。
【0040】次に、本発明の複合ピアノにおける制御面
で特徴を持たせた第8実施例を説明する。この実施例
は、上述したいずれの機構と結び付けてもよいが、打弦
距離を拡大するための手段や止音のための手段を電動に
て作動・非作動状態に切り換えることができるものであ
る。
【0041】この実施例では、図8に示すように、鍵盤
141の操作状態を検出するキーセンサ143と、この
キーセンサ143の検出信号を取り込んで打鍵強度など
を演算すると共に波形メモリ145から楽音波形を読み
出してエンベロープなどを決定し、音源147から発音
させる電子制御部149には、アコースティックピアノ
モードと電子ピアノモードとを切り換えるための切換ス
イッチ151が接続される。また、電子制御部149に
は、止音手段153及び打弦距離拡大手段155も接続
される。
【0042】そして、この電子制御部149は、図9に
示すように、電子ピアノモードに切り換えると処理を開
始し(S100)、図9に示すように、まず打弦距離拡
大手段155を作動させて打弦距離を広げ(S11
0)、止音手段153を作動させて打弦阻止状態とし
(S120)、その後、キーセンサ143の検出信号を
取り込んで(S130)、演奏者の鍵盤操作に対応する
電子ピアノ演奏を実行する(S140)。そして、アコ
ースティックピアノモードに切り換えられたら、止音手
段153を作動させない打弦許可状態とし(S150,
S160)、打弦距離拡大手段155を元に戻して打弦
距離を元の状態に復帰させる(S170)。
【0043】この様に、モードの切り換えと打弦距離拡
大手段155及び止音手段153の作動と電子ピアノ演
奏の開始とを連動させているので、演奏者は一つのスイ
ッチ操作だけで確実に止音のなされる電子ピアノモード
で演奏を楽しむことができ、簡便である。そして、アコ
ースティックピアノモードへの復帰も一つのスイッチ操
作だけでよく、正規の打弦距離を確保した状態に復帰で
きるので、打弦距離の戻し忘れなどをすることがなくこ
の点でも便利である。
【0044】なお、この連動機能は、電気的に行わなく
てもよく、操作レバーとのリンク機構などを介して、打
弦距離拡大手段がモードの切換に連動するように構成す
ればよいことはもちろんであり、上述の各実施例では、
最後の例を除き、こうしたメカ的な連動機構としておく
方が適している。
【0045】以上、本発明のいくつかの実施例を説明し
たが、本発明はこれら実施例にのみ限られるものではな
く、さらに種々なる態様にて実施し得ることはもちろん
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例のアクション機構周辺の概略部分
断面図である。
【図2】 第2実施例のアクション機構の説明図であ
る。
【図3】 第3実施例のアクション機構の説明図であ
る。
【図4】 第4実施例のアクション機構の説明図であ
る。
【図5】 第5実施例のアクション機構の説明図であ
る。
【図6】 第6実施例のアクション機構の説明図であ
る。
【図7】 第7実施例のフレーム可倒機構を示し、
(A)は立面図、(B)は平面図である。
【図8】 第8実施例の構成を示すブロック図である。
【図9】 第8実施例の制御処理のフローチャートであ
る。
【符号の説明】
3・・・アクション機構、5・・・鍵盤、21・・・ハ
ンマーシャンク、23・・・ハンマー、25・・・弦、
30・・・ストップレール、41・・・筬、51・・・
棚板、53・・・カム、59・・・レバー、60・・・
アクション機構、67・・・筬、69・・・底板、81
・・・カム、91・・・アクション機構、93・・・
筬、95・・・底板、103・・・コイルバネ、111
・・・筬、113・・・固定棚板、115・・・可動棚
板、117・・・ヒンジ、119・・・ワイヤ、121
・・・鍵盤、123・・・楔、125・・・引きバネ、
131・・・フレーム、133・・・ヒンジ、135・
・・エアシリンダ、137・・・ストッパ、138・・
・アクション機構、139・・・止音装置、141・・
・鍵盤、143・・・キーセンサ、147・・・音源、
149・・・電子制御部、151・・・切換スイッチ、
153・・・止音手段、155・・・打弦距離拡大手
段。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子音源と、鍵操作を検出する鍵操作検
    出手段と、ハンマーによる打弦を阻止する打弦阻止手段
    と、該打弦阻止手段を作動させると共に前記鍵操作検出
    手段により検出した鍵操作に基づいて前記電子音源を作
    動させる電子ピアノ演奏機能への切換手段とを備え、ア
    コースティックピアノモード以外に電子ピアノモードの
    演奏を行えるようにした複合ピアノにおいて、 ハンマーのレットオフ後の打弦距離を、必要に応じて、
    通常演奏時よりも拡大する打弦距離拡大手段を備えたこ
    とを特徴とする複合ピアノ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の複合ピアノにおいて、
    前記切換手段によって電子ピアノモードへと切り換えら
    れたときに前記打弦距離拡大手段を作動させるように、
    打弦距離拡大手段と切換手段とを連動させたことを特徴
    とする複合ピアノ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の複合ピア
    ノにおいて、前記打弦距離拡大手段を、アクションを弦
    から遠ざけるアクション遠ざけ手段として構成したこと
    を特徴とする複合ピアノ。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の複合ピアノにおいて、
    前記アクション遠ざけ手段を、手前側を回動中心として
    鍵盤の奥部を下降させるように回動することでアクショ
    ンを弦から遠ざけるように構成したことを特徴とするグ
    ランドタイプの複合ピアノ。
  5. 【請求項5】 請求項3又は請求項4に記載の複合ピア
    ノにおいて、前記アクション遠ざけ手段を、筬の厚みを
    調節する機構にて構成したことを特徴とするグランドタ
    イプの複合ピアノ。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の複合ピアノにおいて、前
    記アクション遠ざけ手段は、筬を厚さ方向に上下二つ割
    にし、該上下に割られた筬間にカムを介在させ、該カム
    を回転させることで上方の筬を上下させて筬の厚みを調
    節するように構成したことを特徴とするグランドタイプ
    の複合ピアノ。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載の複合ピアノにおいて、
    前記アクション遠ざけ手段を、棚板を厚さ方向に上下二
    つ割にし、手前側を中心として上方の棚板を上下に回動
    させる機構にて構成したことを特徴とするグランドタイ
    プの複合ピアノ。
  8. 【請求項8】 請求項1又は請求項2に記載の複合ピア
    ノにおいて、前記打弦距離拡大手段を、弦を固定したフ
    レームをアクションから遠ざけるフレーム機構遠ざけ手
    段として構成したことを特徴とする複合ピアノ。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の複合ピアノにおいて、
    前記フレーム遠ざけ手段を、フレームの下部を回動中心
    として後方へ倒すように回動することで弦をアクション
    から遠ざけるように構成したことを特徴とするアップラ
    イトタイプの複合ピアノ。
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