JPH07310776A - 防振支持装置 - Google Patents

防振支持装置

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JPH07310776A
JPH07310776A JP10559894A JP10559894A JPH07310776A JP H07310776 A JPH07310776 A JP H07310776A JP 10559894 A JP10559894 A JP 10559894A JP 10559894 A JP10559894 A JP 10559894A JP H07310776 A JPH07310776 A JP H07310776A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電磁アクチュエータによって可動部材を変位さ
せて能動的な制御力を得る形式の防振支持装置の制御性
能及び耐久性を向上させる。 【構成】エンジン30及びメンバ35間に支持弾性体6
を介在させるとともに、その支持弾性体6内に主流体室
15を形成し、その主流体室15内には流体を封入す
る。また、主流体室15の隔壁の一部を形成し且つ主弾
性体11Aによって上下方向に変位可能に磁化可能な可
動部材12を配設するとともに、その可動部材12に磁
力を付与する電磁アクチュエータ13を設ける。そし
て、その可動部材12及び電磁アクチュエータ13間
に、それらの間の隙間が所定間隔より小さくなった範囲
でのみ圧縮バネとして作用するように、補助弾性体11
Bを介在させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば車両のエンジ
ン等の振動体を車体等の支持体に防振しつつ支持する装
置に関し、特に、振動体及び支持体間に介在する支持弾
性体によって流体室を画成し、その流体室内の隔壁の一
部を形成する可動部材を電磁アクチュエータの磁力によ
って変位させることにより前記流体室の容積を変化さ
せ、もって能動的な支持力を発生させる形式の防振支持
装置において、前記可動部材の挙動を安定させて、防振
支持装置としての制御効果や耐久性等が向上するように
したものである。
【0002】
【従来の技術】この種の従来の防振支持装置としては、
例えば特開平3−24338号公報に開示されたものが
知られている。即ち、上記公報に記載された防振支持装
置は、振動体及び支持体間に介在する支持弾性体と、こ
の支持弾性体によって画成された流体室とを有し、その
流体室には流体を封入する一方、流体室の容積を変動可
能に可動板を弾性体に支持させて配設し、そして、その
可動板を、永久磁石及び電磁石からなる電磁アクチュエ
ータによって適宜変位させて流体室の容積を変動させ、
支持弾性体を拡張方向に弾性変形させて、防振支持装置
に伝達される振動を相殺し得る力を発生させていた。つ
まり、可動板は、自身を弾性支持する弾性体の支持力
と、永久磁石による磁力とが釣り合う所定の中立位置ま
で電磁アクチュエータ側に引き寄せられるが、電磁石が
発生する磁力を適宜調整すれば可動板に付与される磁力
が増減するから、その可動板と電磁アクチュエータとの
間の隙間は可能な範囲で任意の値に変化することがで
き、流体室の容積を変動させることができるのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の防振支持装置にあっては、可動板を支持する弾性体
の弾性支持力と、電磁アクチュエータが発生する磁力と
が釣り合う位置に可動板が位置するような構造であった
ため、以下のような問題点を有していた。即ち、永久磁
石や電磁石等が発生する磁力は、それら磁石からの距離
の約2乗に反比例するため、可動板は、電磁アクチュエ
ータとの距離が短い程強い力を受けて磁石側に引き寄せ
られることになる。これに対し、弾性体による支持力
は、その弾性体の変形量に略比例する。従って、可動板
が電磁アクチュエータから遠い位置にある場合には、上
述したような弾性支持力と磁力との釣合い点が存在する
から、所望の位置に可動板を変位させることができるの
であるが、可動板が電磁アクチュエータに近づき過ぎる
と、弾性体の支持力では支持仕切れなくなってしまい、
電磁アクチュエータに可動板が衝突し、その際に衝突音
が発生してしまう。
【0004】このため、可動板の変位範囲を、弾性体の
支持力で支持可能な磁力範囲に限られるようにする必要
がある。しかし、一般的に、可動板には、外部からの振
動入力の影響や弾性体の周方向での特性不均一等によ
り、若干ではあるが傾きが生じていることが多い。そし
て、可動板に傾きが生じていれば、電磁アクチュエータ
に近い側程受ける引っ張り力が大きいため、その傾きが
大きくなり、傾きが大きくなれば電磁アクチュエータに
近い側はさらに大きな引っ張り力を受け、さらに傾きが
大きくなり…、という過渡的な動きが生じる結果、可動
板はロール方向に傾き易い傾向がある。
【0005】そのような傾向を有する結果、可動板が電
磁アクチュエータに片当たりしてしまうことが多く、部
材の耐久性等の点で問題となるばかりか、衝突音が発生
してしまうから、振動伝達率を低減して騒音レベルを下
げることを主な目的とする防振支持装置の制御効果にと
っても悪影響を与えてしまうのである。なお、このよう
な不具合を解決するために、可動板を支持する弾性体の
バネ定数を大きくするという方策が有効であるようにも
思えるが、そのバネ定数が大きくなれば、可動板を充分
に変位させる磁力を発生できるように電磁アクチュエー
タも大型となるから、上記不具合を解決できるものでは
ないし、しかも装置の大型化,高価格化を招いてしまう
という別の問題点を生じてしまう。
【0006】本発明は、このような従来の技術が有する
未解決の課題に着目してなされたものであって、制御効
果や耐久性等が向上した上記形式の防振支持装置を提供
することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、振動体及び支持体間に介在
する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された
流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体
室の隔壁の一部を形成し且つその流体室の容積を変動さ
せる方向に変位可能に主弾性体によって弾性支持された
磁化可能な可動部材と、この可動部材が前記方向に変位
するように磁力を付与可能に配設された電磁アクチュエ
ータと、前記振動体及び支持体間の振動伝達率が低減す
るように前記電磁アクチュエータに駆動電流を供給する
電磁アクチュエータ制御手段と、を備えた防振支持装置
において、前記可動部材及び前記電磁アクチュエータ間
に、それらの間の隙間が所定間隔より小さくなった範囲
でのみ支持力を発生する補助弾性体を設けた。
【0008】また、請求項2に係る発明は、上記請求項
1に係る発明である防振支持装置において、前記電磁ア
クチュエータの磁力FM と、前記可動部材及び前記電磁
アクチュエータ間の隙間Lとの関係が下記の(1)式で
近似されるとき、前記所定間隔LB を、下記の(2)式
に基づいて設定した。 FM =β/(L+a)2 ……(1) LB =(2L0 −a)/3 ……(2) 但し、β,aは電磁アクチュエータの特性から決まる
値、L0 は前記可動部材に磁力が付与されていない状態
における前記可動部材及び前記電磁アクチュエータ間の
隙間である。
【0009】そして、請求項3に係る発明は、上記請求
項1又は請求項2に係る発明である防振支持装置におい
て、前記主弾性体のバネ定数をk1 、前記電磁アクチュ
エータから距離零の位置における最大起磁力をFMmax
したとき、前記補助弾性体のバネ定数k2 を、下記の
(3)式に基づいて設定した。 k2 ≧3(FMmax−L0 ・k1 )/(2L0 −a) ……(3) なお、a,L0 は上述と同様である。
【0010】さらに、請求項4に係る発明は、上記請求
項1〜請求項3に係る発明である防振支持装置におい
て、前記電磁アクチュエータを電磁石を含んで構成する
とともに、前記補助弾性体を、その電磁石のボビン端面
と前記可動部材との間に介在させた。
【0011】
【作用】請求項1に係る発明にあっては、支持弾性体に
よって流体室が画成され、その流体室内に流体が封入さ
れているため、振動体及び支持体間には、支持弾性体に
よる支持バネと、流体室の拡縮に伴う支持弾性体の拡張
方向の弾性変形による拡張バネとの二つのバネ要素が並
列に介在していることと等価である。
【0012】一方、電磁アクチュエータが発生する磁力
によって可動部材が変位すると、流体室の容積が変化す
るから、上記拡張バネが弾性変形し、その拡張バネのバ
ネ定数と変形量とを掛け合わせた大きさの力が発生す
る。従って、電磁アクチュエータが発生する磁力を適宜
制御することにより振動体と支持体との間に能動的な力
を付与することができ、その力は振動体側から入力され
る振動入力と干渉するから、電磁アクチュエータ制御手
段が電磁アクチュエータに駆動電流を適宜供給すれば、
振動体側から支持体側に伝達される振動が上記力によっ
て打ち消され、低動バネ定数の防振支持装置となって振
動伝達率が低減する。
【0013】そして、流体室の隔壁の一部を形成する可
動部材は、電磁アクチュエータとの間の隙間が所定間隔
B よりも大きい変位範囲では主弾性体によってのみ支
持されるが、その隙間が所定間隔LB よりも小さい変位
範囲では、並列関係にある主弾性体及び補助弾性体の二
つのバネ要素によって支持されることになる。つまり、
可動部材を支持する弾性体のバネ定数が多段特性となっ
ていることと等価であり、具体的には、可動部材と電磁
アクチュエータとの間の隙間Lが所定間隔LB より大き
い範囲では、可動部材を支持する弾性体のバネ定数は比
較的小さく、隙間Lが所定間隔LB よりも小さい範囲で
は、その弾性体のバネ定数は比較的大きくなるという二
段特性となっている。
【0014】次に、請求項2に係る発明は、簡単に言え
ば、電磁アクチュエータの磁力が主弾性体の支持力を上
回る点又はその近傍において、可動部材を支持する弾性
体のバネ定数が切り換わるようにしたものである。即
ち、一般的に永久磁石や電磁石等の電磁アクチュエータ
が発生する磁力FMの特性は、下記の(4)式で近似さ
れることが判っている。
【0015】 FM =α(I−b)2 /(L+a)2 ……(4) 但し、αは定数、Iはコイルに流れる電流、aは定数、
bは永久磁石の特性により決まる定数([磁力/距離]
の単位を持つ)であり、この(4)式は、その右辺の分
母をβと置けば上記(1)式と等しくなる。一方、主弾
性体による支持力FK は下記の(5)式のように表され
る。
【0016】 FK =k1 (L0 −L) ……(5) 従って、磁力FM が支持力FK を上回る点は、両者が等
しくなった点であるから、上記(4)式及び(5)式の
右辺同士を等しいと置き、それを隙間Lについて解け
ば、安定領域及び不安定領域の境界が分かる。そこで、 α(I−b)2 /(L+a)2 −k1 (L0 −L)=0 より、 k1 (L−L0 )(L+a)2 −α(I−b)2 =0 となり、その左辺を隙間Lに関する関数F(L)と置く
と、 dF(L)/dL=k1 {(L+a)2 +2(L−
0 )(L+a)} =k1 (L+a)(3L−2L0 +a) となる。そして、dF(L)/dLが0のときが安定領
域及び不安定領域の境界(バネ特性の直線と磁力特性の
曲線とが接する点)であるから、 3L−2L0 +a=0 となり、上記(2)式が導き出される。
【0017】よって、この請求項2に係る発明であれ
ば、主弾性体の支持力では可動部材を支持仕切れない点
を境に、補助弾性体の支持力が可動部材に付与されるこ
とになるから、従来に比べて可動部材の挙動が安定す
る。さらに、請求項3に係る発明にあっては、補助弾性
体のバネ定数を上記(3)式に基づいて設定しているた
め、可動部材のトータルの支持力と、電磁アクチュエー
タによる磁力とが釣り合う点が常に一意に存在する。従
って、可動部材が電磁アクチュエータに衝突することが
なくなる。
【0018】なお、上記(3)式は、下記のように導き
出されるものである。即ち、可動部材が電磁アクチュエ
ータから距離零の位置にあるときの主弾性体のバネ力
は、 L0 ・k1 である。このバネ力に対して、同じ位置での起磁力が大
きければ可動部材が不安定領域に入って電磁アクチュエ
ータに衝突することになる。そこで、距離零の位置に可
動部材があるときの補助弾性体のバネ力をFk2とすれ
ば、 L0 ・k1 +Fk2≧FMmax となり、これを整理すると、 Fk2≧FMmax−L0 ・k1 となる。そして、可動部材が距離零の位置にあるときの
補助弾性体の変形量は、上記(2)式に等しいことか
ら、補助弾性体に必要なバネ定数は、 k2 ≧(FMmax−L0 ・k1 )/{(2L0 −a)/
3} となり、上記(3)式が得られる。
【0019】ここで、上記請求項1〜請求項3に係る発
明における補助弾性体は、圧縮バネとして機能するた
め、例えば隙間Lが上記(2)式よりも小さい範囲で充
分にバネとして機能するためには、その変形範囲(外力
が加わっていない状態の厚みと、最も圧縮された状態で
の厚みとの差)が、少なくとも上記(2)式の右辺の値
と同じでなければならない。
【0020】これに対し、可動部材及び電磁アクチュエ
ータ間の隙間Lは、なるべく小さい方が望ましい。何故
ならば、隙間Lが大きくなると、それだけ電磁アクチュ
エータは強い磁力を発生しなければならなくなり、電磁
アクチュエータの大型化,高価格化や、消費電力の増大
を招いてしまうからである。従って、可動部材及び電磁
アクチュエータ間に補助弾性体を介在させるとなると、
その分だけ初期隙間L0 を大きくしなければならないか
ら、電磁アクチュエータの大型化,高価格化や、消費電
力の増大を招いてしまうことになる。
【0021】請求項4に係る発明は、このような点に着
目してなされたものである。即ち、電磁アクチュエータ
が電磁石を含んで構成されている場合、その電磁石のコ
イルが巻き付けられるボビンには磁束が通らないことか
ら、そのボビン端面と可動部材との間に補助弾性体を介
在させても(例えば、ボビン端面を凹ませることによ
り、ボビン端面と可動部材との間の隙間を他の部位より
も大きくし、その大きくなった隙間に補助弾性体を介在
させても)、電磁アクチュエータの制御性能には影響が
与えられないのである。
【0022】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本発明の一実施例を示す図であり、この
実施例は、本発明に係る防振支持装置を、エンジンから
車体に伝達される振動を能動的に低減する所謂アクティ
ブエンジンマウントに適用したものである。
【0023】先ず、構成を説明すると、図1に示すよう
に、このエンジンマウント1は、振動体としてのエンジ
ン30への取付け用の取付けボルト2aを上部に一体に
備え且つ内側が空洞で下部が開口した取付部材2を有
し、この取付部材2の下部外面には内筒3の上端部がか
しめ止めされている。この内筒3の内側には、取付部材
2及び内筒3の内側の空間を上下に二分するように、そ
れら取付部材2及び内筒3のかしめ止め部分に挟み込ま
れてダイアフラム4が配設されていて、このダイアフラ
ム4によって二分された空間のうち、ダイアフラム4の
上側の空間は大気圧に通じ、ダイアフラム4の下側の空
間にはオリフィス構成体5が配設されている。
【0024】一方、内筒3の外周面には、内周面及び外
周面の軸方向位置が内周側が高くなるように成形されて
いる円筒状の支持弾性体6の内周面が加硫接着されてい
て、その支持弾性体6の外周面は外筒7の内周面に加硫
接着されている。そして、外筒7の下端部は円筒形のア
クチュエータ保持部材8の上部にかしめ止めされてい
て、そのアクチュエータ保持部材8の下端面には、支持
体としてのメンバ35側への取付け用の取付けボルト9
aを下部に一体に備えた円板状の取付部材9が固定され
ている。
【0025】また、アクチュエータ保持部材8の上端面
には、これと一体に外筒7の下端部にかしめ止めされた
円筒部材10が固定されていて、さらに、この円筒部材
10の内周面には、アクチュエータ保持部材8の上端面
との間に所定の隙間を持ち且つ円筒形の主弾性体11A
により上下方向に変位可能に可動部材12が保持されて
いる。かかる可動部材12は、磁化可能な材料からなり
且つ上面が凹陥した円板状に成形されている。
【0026】そして、アクチュエータ保持部材8の上端
面には、外部から供給される駆動電流としての駆動信号
yに応じて可動部材12を上下方向に変位させる電磁ア
クチュエータ13が配設されている。この電磁アクチュ
エータ13は、可動部材12の下面側中央部に対向する
ようにアクチュエータ保持部材8上端面に固定され且つ
上下方向に極を有する円板状の永久磁石13Aと、この
永久磁石13Aと同軸になるようにアクチュエータ保持
部材8に埋め込まれた電磁石13Bとで構成されてい
る。
【0027】また、電磁石13Bは、そのボビン13a
の上端面が永久磁石13Aの上面よりも下側に位置して
ここにリング状の凹部13bが形成されるように、アク
チュエータ保持部材8上面に若干深めに埋め込まれてい
る。そして、可動部材12の下面側には、凹部13bに
対向するようにリング状の補助弾性体11Bが固着され
ている。ただし、補助弾性体11Bの幅は、凹部13b
に容易に入り込む程度の寸法とする。また、補助弾性体
11Bの厚さと、凹部13bの深さとは、可動部材12
及び永久磁石13A間の隙間Lが上記(2)式で表され
る所定間隔LB よりも小さくなった範囲で補助弾性体1
1B下面が凹部13b底面に接触し、且つ、可動部材1
2及び永久磁石13A間の隙間Lが零となるまで補助弾
性体11Bの上下方向の弾性変形が可能な寸法とする。
補助弾性体11Bのバネ定数k2 は、上記(3)式で得
られる値とする。
【0028】さらに、本実施例では、支持弾性体6の下
面及び可動部材12の上面によって画成された部分に流
体室としての主流体室15が形成され、ダイアフラム4
及びオリフィス構成体5によって画成された部分に副流
体室16が形成されていて、これら主流体室15及び副
流体室16間が、オリフィス構成体5に形成されたオリ
フィス5aを介して連通している。なお、これら主流体
室15,副流体室16及びオリフィス5a内には油等の
流体が封入されている。
【0029】かかるオリフィス5aの流路形状等で決ま
る流体マウントとしての特性は、走行中のエンジンシェ
イク発生時、つまり5〜15Hzでエンジンマウント1
が加振された際に高動バネ定数,高減衰力を示すように
調整されている。そして、電磁アクチュエータ13の電
磁石13Bは、電磁アクチュエータ制御手段としてのコ
ントローラ20に接続されていて、かかるコントローラ
20から供給される駆動信号yに応じて所定の電磁力を
発生するようになっている。
【0030】コントローラ20は、マイクロコンピュー
タ,必要なインタフェース回路,A/D変換器,D/A
変換器,アンプ等を含んで構成されていて、オリフィス
5aを通じて主流体室15及び副流体室16間で流体が
移動不可能な周波数帯域の振動、つまり上述したエンジ
ンシェイクよりも高周波の振動であるアイドル振動やこ
もり音振動・加速時振動が入力されている場合には、そ
の振動と同じ周期の制御振動がエンジンマウント1に発
生して、取付部材9への振動の伝達力が“0”となるよ
うに(より具体的には、エンジン30側の振動によって
エンジンマウント1に入力される加振力が、電磁アクチ
ュエータ13の電磁力によって得られる制御力で相殺さ
れるように)、駆動信号yを生成し電磁石13Bに供給
するようになっている。
【0031】ここで、アイドル振動やこもり音振動は、
例えばレシプロ4気筒エンジンの場合、エンジン回転2
次成分のエンジン振動がエンジンマウント1を介してメ
ンバ35に伝達されることが主な原因であるから、その
エンジン回転2次成分に同期して駆動信号yを生成し出
力すれば、振動伝達率の低減が可能となる。そこで、本
実施例では、エンジン30のクランク軸の回転に同期し
た(例えば、レシプロ4気筒エンジンの場合には、クラ
ンク軸が180度回転する度に一つの)インパルス信号
を生成し基準信号xとして出力するパルス信号生成器2
1を設けていて、その基準信号xが、エンジン30にお
ける振動の発生状態を表す信号としてコントローラ20
に供給されている。
【0032】一方、メンバ35には、エンジンマウント
1の取り付け位置に近接して、メンバ35の振動状況を
加速度の形で検出し残留振動信号eとして出力する加速
度センサ22が固定されていて、その残留振動信号e
が、干渉後における振動を表す信号としてコントローラ
20に供給されている。そして、コントローラ20は、
それら基準信号x及び残留振動信号eに基づき、逐次更
新形の適応アルゴリズムの一つであるFiltered
−X LMSアルゴリズム、より具体的には、同期式F
iltered−X LMSアルゴリズムに従って駆動
信号yを生成し出力する。
【0033】即ち、コントローラ20は、フィルタ係数
i (i=0,1,2,…,I−1:Iはタップ数)可
変の適応ディジタルフィルタWを有していて、最新の基
準信号xが入力された時点から所定サンプリング・クロ
ックの間隔で、その適応ディジタルフィルタWのフィル
タ係数Wi を順番に駆動信号yとして出力する一方、エ
ンジン30からエンジンマウント1を介してメンバ35
に伝達される振動が低減するように、基準信号x及び残
留振動信号eに基づいて適応ディジタルフィルタWのフ
ィルタ係数Wi を適宜更新する処理を実行する。
【0034】適応ディジタルフィルタWの更新式は、F
iltered−X LMSアルゴリズムに従った下記
の(6)式のようになる。 Wi (n+1)=Wi (n)−μRT e(n) ……(6) ここで、(n)が付く項は時刻nにおける値であること
を表し、また、μは収束係数と呼ばれる係数であってフ
ィルタ係数Wi の収束の速度やその安定性に関与する係
数である。RT は、理論的には、基準信号xを、電磁ア
クチュエータ13及び加速度センサ22間の伝達関数C
をモデル化した伝達関数フィルタC^でフィルタ処理し
た値(リファレンス信号若しくはFiltered-X信号)であ
るが、この実施例では同期式Filtered−X L
MSアルゴリズムを適用した結果基準信号xがインパル
ス列であるため、伝達関数フィルタC^のインパルス応
答を基準信号xに同期して次々に生成した場合のそれら
インパルス応答波形の時刻nにおける和に一致する。
【0035】ただし、本実施例では、電磁アクチュエー
タ13及び加速度センサ22間の伝達関数Cは、補助弾
性体11Bが凹部13bの底面に接触している状態と、
接触していない状態とで二種類存在するため、いずれの
伝達関数Cについても伝達関数フィルタC^を有してい
る。そして、補助弾性体11Bが凹部13bの底面に接
触するか否かは、可動部材12の振幅の大小によって判
るものであり、その振幅の大小は駆動信号yのレベルに
よって決まるものであるから、リファレンス信号RT
演算に用いられる伝達関数フィルタC^は、駆動信号y
のレベルに応じて切り換わるようになっている。
【0036】また、理論的には、適応ディジタルフィル
タWで基準信号xをフィルタ処理して駆動信号yを生成
することになり、フィルタ処理はディジタル演算では畳
み込み演算に該当するが、基準信号xがインパルス列で
あるので、上述したように最新の基準信号xが入力され
た時点から、所定サンプリング・クロックの間隔で適応
ディジタルフィルタWの各フィルタ係数Wi を順番に駆
動信号yとして出力しても、フィルタ処理の結果を駆動
信号yとしたのと同じ結果になる。
【0037】次に、本実施例の作用を説明する。即ち、
エンジンシェイク発生時には、オリフィス5aの流路形
状等を適宜選定している結果、このエンジンマウント1
は高動バネ定数,高減衰力の支持装置として機能するた
め、エンジン30で発生したエンジンシェイクがエンジ
ンマウント1によって減衰され、メンバ35側の振動レ
ベルが低減される。なお、かかる場合には、特に可動部
材12を変位させる必要はない。
【0038】一方、オリフィス5a内の流体がスティッ
ク状態となり主流体室15及び副流体室16間での流体
の移動が不可能になるアイドル振動周波数以上の周波数
の振動が入力された場合には、コントローラ20は、所
定の演算処理を実行し、電磁アクチュエータ13に駆動
信号yを出力し、エンジンマウント1に振動を低減し得
る能動的な制御力を発生させる。
【0039】これを、アイドル振動,こもり音振動入力
時にコントローラ20内で実行される処理の概要を示す
フローチャートである図2に従って具体的に説明する。
先ず、そのステップ101において所定の初期設定が行
われた後に、ステップ102に移行し、伝達関数フィル
タC^に基づいてリファレンス信号RT が演算される。
なお、このステップ102では、一周期分のリファレン
ス信号RT がまとめて演算される。
【0040】そして、ステップ103に移行しカウンタ
iが零クリアされた後に、ステップ104に移行して、
適応ディジタルフィルタWのi番目のフィルタ係数Wi
が駆動信号yとして出力される。ステップ104で駆動
信号yを出力したら、ステップ105に移行し、残留振
動信号eが読み込まれ、ステップ106でカウンタjが
零クリアされ、次いでステップ107に移行し、適応デ
ィジタルフィルタWのj番目のフィルタ係数Wjが上記
(6)式に従って更新される。
【0041】ステップ107における更新処理が完了し
たら、ステップ108に移行し、次の基準信号xが入力
されているか否かを判定し、ここで基準信号xが入力さ
れていないと判定された場合は、適応ディジタルフィル
タWの次のフィルタ係数の更新又は駆動信号yの出力処
理を実行すべく、ステップ109に移行する。ステップ
109では、カウンタjが、出力回数Ty (正確には、
カウンタjは0からスタートするため、出力回数Ty
ら1を減じた値)に達しているか否かを判定する。この
判定は、ステップ104で適応ディジタルフィルタWの
フィルタ係数Wi を駆動信号yとして出力した後に、適
応ディジタルフィルタWのフィルタ係数を、駆動信号y
として必要な数だけ更新したか否かを判断するためのも
のである。そこで、このステップ109の判定が「N
O」の場合には、ステップ110でカウンタjをインク
リメントした後に、ステップ107に戻って上述した処
理を繰り返し実行する。
【0042】しかし、ステップ109の判定が「YE
S」の場合には、適応ディジタルフィルタWのフィルタ
係数のうち、駆動信号yとして必要な数のフィルタ係数
の更新処理が完了したと判断できるから、ステップ11
1に移行し、ここでカウンタiをインクリメントした後
に、上記ステップ104の処理を実行してから所定のサ
ンプリング・クロックの間隔に対応する時間が経過する
まで待機し、サンプリング・クロックに対応する時間が
経過したら、上記ステップ104に戻って上述した処理
を繰り返し実行する。
【0043】しかし、ステップ108で基準信号xが入
力されたと判断された場合には、ステップ112に移行
し、カウンタi(正確には、カウンタiが0からスター
トするため、カウンタiに1を加えた値)を最新の出力
回数Ty として保存した後に、ステップ102に戻っ
て、上述した処理を繰り返し実行する。このような処理
を繰り返し実行する結果、基準信号x,駆動信号y及び
伝達関数フィルタC^の関係を表す図3に示すように、
コントローラ20からエンジンマウント1に対しては、
基準信号xが入力された時点から、サンプリング・クロ
ックの間隔で、適応ディジタルフィルタWのフィルタ係
数Wi が順番に駆動信号yとして供給される。
【0044】この結果、電磁石13Bに駆動信号yに応
じた磁力が発生するが、可動部材12には、既に永久磁
石13Aによる一定の磁力が付与されているから、その
電磁石13Bによる磁力は、永久磁石13Aの磁力を強
める又は弱めるように作用すると考えることができる。
つまり、可動部材12及び永久磁石13A間の隙間L
と、可動部材12に作用する磁力FM との関係を表した
グラフである図4に示すように、電磁石13Bへに駆動
信号yが供給されていない状態、つまり0AT(アンペ
ア・ターン)の状態では、可動部材12は、主弾性体1
1Aの支持力(図4中、太実線Aで示す)と、永久磁石
13Aの磁力(図4中、0ATの曲線)との釣り合った
中立の位置に変位することになる。
【0045】そして、この中立の状態で電磁石13Bに
駆動信号yが供給されると、その駆動信号yによって電
磁石13Bに発生する磁力が永久磁石13Aの磁力と逆
方向であれば、可動部材12は隙間Lが増大する方向に
変位する。逆に、電磁石13Bに発生する磁力が永久磁
石13Aの磁力と同じ方向であれば、可動部材12は隙
間Lが減少する方向に変位する。なお、この実施例で
は、電磁石13Bが発生可能な磁力の範囲を±1000
ATとし、永久磁石13Aが発生する磁力と同じ方向の
磁力を発生する電流の向きを正方向としている。
【0046】このように可動部材12は正逆両方向に変
位可能であり、可動部材12が変位すれば主流体室15
の容積が変化し、その容積変化によって支持弾性体6の
拡張バネが変形するから、このエンジンマウント1に正
逆両方向の能動的な支持力が発生するのである。そし
て、駆動信号yとなる適応ディジタルフィルタWの各フ
ィルタ係数Wi は、同期式Filtered−X LM
Sアルゴリズムに従った上記(6)式によって逐次更新
されるため、ある程度の時間が経過して適応ディジタル
フィルタWの各フィルタ係数Wi が最適値に収束した後
は、駆動信号yがエンジンマウント1に供給されること
によって、エンジン30からエンジンマウント1を介し
てメンバ35側に伝達されるアイドル振動やこもり音振
動が低減されるようになるのである。
【0047】そして、それら永久磁石13A,電磁石1
3Bによって発生する磁力FM は、図4に曲線で示すよ
うに隙間Lの略2乗に反比例する傾向がある。このた
め、略直線的に変化する支持力A1 と、磁力FM との間
には、釣合い点のない不安定領域が存在し、その範囲
は、上記(2)式により求められる。つまり、隙間Lが
所定間隔LB よりも小さくなると、もはや主弾性体11
Aだけでは支持できなくなり、可動部材12は電磁アク
チュエータ13に張り付こうとする。
【0048】しかし、不安定領域となると同時又はその
直前,直後において、補助弾性体11Bが凹部13bの
底面に当接するから、それ以降は補助弾性体11Bによ
る支持力が可動部材12及び電磁アクチュエータ13間
に発生する。つまり、不安定領域においては、可動部材
12は並列関係にある主弾性体11A及び補助弾性体1
1Bの両方によって支持されることになるから、トータ
ルのバネ定数が大きくなり、鎖線A2 で示すような支持
力が得られる。
【0049】そして、補助弾性体11Bのバネ定数が上
記(3)式に従って決定されているから、電磁アクチュ
エータ13による磁力と、可動部材12の支持力とが釣
り合う点が常に存在することになる。このため、可動部
材12が電磁アクチュエータ13に衝突するような事態
にはならないから、従来に比べて各部材の耐久性にとっ
て好ましいことになるし、衝突音も発生しないから、防
振支持装置としての性能悪化を招くこともないのであ
る。
【0050】ここで、隙間Lが略零となった以降は補助
弾性体11Bが圧縮バネとして作用しないようにしてお
けば、図4中鎖線A3 で示すようにトータルの支持力は
極めて大きくなるから、可動部材12が電磁アクチュエ
ータ13に衝突することは実質的に不可能になり、可動
部材12の挙動をさらに安定させることができる。隙間
Lが略零となった以降、補助弾性体11Bを圧縮バネと
して作用させないためには、その補助弾性体11Bの厚
さ及び凹部13bの深さを適宜選定することも重要であ
るが、それら補助弾性体11B及び凹部13bの幅を適
宜選定することも得策である。何故ならば、ゴム状の弾
性体の圧縮方向への変形は、通常は横方向への拡大を伴
うものであり、その横方向への拡大を規制すれば圧縮方
向のバネ定数が見掛け上大きくなるからである。
【0051】なお、図4に示す支持力A1 〜A3 は、外
乱等を全く考慮していない理想的な設計を行った場合を
示しているが、実際には外乱の影響を考慮し、支持力A
1 〜A3 よりも若干大きめの支持力B1 〜B3 が得られ
るように、主弾性体11A,補助弾性体11Bのバネ定
数k1 ,k2 を選定することが望ましい。さらに、本実
施例では、電磁石13Bのボビン13a上端面を永久磁
石13A上面よりも下方に位置させることにより凹部1
3bを形成し、可動部材12下面と凹部13bとの間に
補助弾性体11Bが介在するようにしたため、実際に磁
力が発生する永久磁石13A及び可動部材12間の隙間
を、その補助弾性体11Bを介在させるために大きめに
設定する必要がない。このことは、補助弾性体11Bを
設けても、電磁アクチュエータ13が発生する磁力を大
きくする必要がないことを意味する。つまり、本実施例
の補助弾性体11Bは、上述したような優れた作用効果
を発揮する一方で、電磁アクチュエータ13の大型化,
高価格化等の不具合を招くことがないのである。
【0052】なお、上記実施例では、本発明に係る防振
支持装置を、エンジン30を支持するエンジンマウント
1に適用した場合を示しているが、本発明に係る防振支
持装置の適用対象はエンジンマウント1に限定されるも
のではなく、例えば振動を伴う工作機械の防振支持装置
等であってもよい。また、上記実施例では、低周波振動
入力時には流体がオリフィス5aを通過する際に発生す
る流体共振を利用して防振効果を得るようにしている
が、そのような低周波振動が入力されない振動体を支持
する防振支持装置の場合には、オリフィス構成体5,ダ
イアフラム4等を設ける必要がなく、その分、部品点数
が削減されるからコストが低減する。
【0053】さらに、上記実施例では、駆動信号yを同
期式Filtered−X LMSアルゴリズムに従っ
て生成しているが、適用可能なアルゴリズムはこれに限
定されるものではなく、例えば通常のFiltered
−X LMSアルゴリズムであってもよいし、周波数領
域のLMSアルゴリズムであってもよい。また、系の特
性が安定しているのであれば、LMSアルゴリズム等の
適応アルゴリズムを用いることなく、係数固定のディジ
タルフィルタ或いはアナログフィルタによって駆動信号
yを生成するようにしてもよい。
【0054】また、上記実施例では、可動部材12下面
に補助弾性体11Bを固着しているが、その補助弾性体
11Bは、ボビン13a上端面側に固着してもよい。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、可動部材及び電磁アクチュエータ間に、そ
れらの間の隙間が所定間隔よりも小さくなった範囲での
み支持力を発生する補助弾性体を介在させたため、可動
部材の支持力を二段特性とすることができるから、可動
部材を安定して挙動させることができ、防振支持装置と
しての性能悪化を招くことがなく、装置の耐久性を向上
することもできるという効果が得られる。
【0056】特に、請求項2に係る発明によれば、可動
部材が電磁アクチュエータに張り付こうとする点若しく
はその近傍を境として可動部材の支持力が切り換わるか
ら、可動部材の挙動を確実に安定させることができる。
そして、請求項3に係る発明であれば、可動部材の支持
力と、電磁アクチュエータの磁力とが釣り合う点が常に
存在するから、可動部材が電磁アクチュエータに衝突す
るような事態を確実に回避することができるという効果
がある。
【0057】さらに、請求項4に係る発明であれば、可
動部材と電磁石のボビン端面との間に補助弾性体を介在
させたため、補助弾性体を設けることが特に電磁アクチ
ュエータの性能に影響を与えないで済むから、例えば電
磁アクチュエータの大型化や高価格化を招くことがない
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示す断面図である。
【図2】コントローラ内で実行される処理の概要を示す
フローチャートである。
【図3】基準信号,駆動信号及び伝達関数フィルタの関
係を表す波形図である。
【図4】隙間Lと磁力FM との関係の一例を表すグラフ
である。
【符号の説明】
1 エンジンマウント(防振支持装置) 6 支持弾性体 11A 主弾性体 11B 補助弾性体 12 可動部材 13 電磁アクチュエータ 13A 永久磁石 13B 電磁石 13a ボビン 13b 凹部 15 主流体室(流体室) 20 コントローラ(電磁アクチュエータ制御手
段) y 駆動信号(駆動電流)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動体及び支持体間に介在する支持弾性
    体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、こ
    の流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一
    部を形成し且つその流体室の容積を変動させる方向に変
    位可能に主弾性体によって弾性支持された磁化可能な可
    動部材と、この可動部材が前記方向に変位するように磁
    力を付与可能に配設された電磁アクチュエータと、前記
    振動体及び支持体間の振動伝達率が低減するように前記
    電磁アクチュエータに駆動電流を供給する電磁アクチュ
    エータ制御手段と、を備えた防振支持装置において、前
    記可動部材及び前記電磁アクチュエータ間に、それらの
    間の隙間が所定間隔より小さくなった範囲でのみ支持力
    を発生する補助弾性体を設けたことを特徴とする防振支
    持装置。
  2. 【請求項2】 前記電磁アクチュエータの磁力FM と、
    前記可動部材及び前記電磁アクチュエータ間の隙間Lと
    の関係が、 FM =β/(L+a)2 という式で近似されるとき、前記所定間隔LB を、下記
    式に基づいて設定した請求項1記載の防振支持装置。 LB =(2L0 −a)/3 但し、β,aは電磁アクチュエータの特性から決まる
    値、L0 は前記可動部材に磁力が付与されていない状態
    における前記可動部材及び前記電磁アクチュエータ間の
    隙間である。
  3. 【請求項3】 前記主弾性体のバネ定数をk1 、前記電
    磁アクチュエータから距離零の位置における最大起磁力
    をFMmaxとしたとき、前記補助弾性体のバネ定数k
    2 を、下記式に基づいて設定した請求項1又は請求項2
    記載の防振支持装置。 k2 ≧3(FMmax−L0 ・k1 )/(2L0 −a) 但し、aは電磁アクチュエータの特性から決まる値、L
    0 は前記可動部材に磁力が付与されていない状態におけ
    る前記可動部材及び前記電磁アクチュエータ間の隙間で
    ある。
  4. 【請求項4】 前記電磁アクチュエータを電磁石を含ん
    で構成するとともに、前記補助弾性体を、その電磁石の
    ボビン端面と前記可動部材との間に介在させた請求項1
    乃至請求項3のいずれかに記載の防振支持装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19743790B4 (de) * 1996-10-04 2004-04-29 Nissan Motor Co., Ltd., Yokohama Vorrichtung zur aktiven Vibrationsverringerung
CN112805909A (zh) * 2018-09-21 2021-05-14 丰达电机株式会社 振动致动器

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE19743790B4 (de) * 1996-10-04 2004-04-29 Nissan Motor Co., Ltd., Yokohama Vorrichtung zur aktiven Vibrationsverringerung
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