JPH0730983Y2

JPH0730983Y2 - ボール継手

Info

Publication number: JPH0730983Y2
Application number: JP1989115647U
Authority: JP
Inventors: 好美小竹; 恵一阪本
Original assignee: Koyo Seiko Co Ltd
Current assignee: Koyo Seiko Co Ltd
Priority date: 1989-09-29
Filing date: 1989-09-29
Publication date: 1995-07-19
Anticipated expiration: 2004-09-29
Also published as: KR910005988U; KR940001917Y1; JPH0353617U

Description

【考案の詳細な説明】産業上の利用分野この考案は、ボール継手、さらに詳しくは、たとえばバ
ス、トラックなどの大型車両のラックピニオン式パワー
ステアリング装置などに適したボール継手に関する。

従来の技術車両のサスペンションまたはステアリング装置などに使
用されるボール継手として、たとえば特公昭53−28576
号公報、特開昭54−91665号公報に示すものが知られて
いる。

第３図は、車両のラックピニオン式パワーステアリング
装置に使用されている従来のボール継手の１例を示す。

このボール継手（１）は、一端が開口した円筒状のケー
シング（２）と、軸部（3a）の先端にボールヘッド（3
b）が形成されたボールスタッド（３）とを備えてい
る。

ケーシング（２）およびボールスタッド（３）は、たと
えば鋼製である。ケーシング（２）の閉鎖端に形成され
たおねじ部（2a）が、ラック棒（４）の先端に形成され
ためねじ部（4a）にねじはめられ、回り止め座金（５）
によってこれらが固定されている。ボールスタッド
（３）の軸部（3a）は、図示しないタイロッドに適宜な
手段によって固定されるか、またはタイロッドと一体に
形成されている。ボールスタッド（３）のボールヘッド
（3b）は、ケーシング（２）の開口からケーシング
（２）内に入れられており、先端側の部分がロアボール
シート（第１のボールシート）（６）と弾性部材（７）
を介してケーシング（２）の閉鎖端側に受けられ、軸部
（3a）側の部分がアッパボールシート（第２のボールシ
ート）（８）を介してケーシング（２）の開口端側に受
けられている。

ロアボールシート（６）はたとえばポリアセタール樹脂
製で、ケーシング（２）の内径より外径の小さい短円柱
部（6a）のボールヘッド（3b）側端部にボールヘッド
（3b）側に向かって斜め外向きに張り出した鍔部（6b）
が一体に形成されたものである。鍔部（6b）の外径はケ
ーシング（２）の内径とほぼ等しく、ロアボールシート
（６）はケーシング（２）内に軸方向移動自在にはめら
れている。また、ロアボールシート（６）のボールヘッ
ド（3b）側の面は、ボールヘッド（3b）と摺接する部分
球面状をなす。

弾性部材（７）は、たとえばゴムまたは弾性合成樹脂な
どの弾性体によりリング状に形成されており、ケーシン
グ（２）の閉鎖端部のロアボールシート（６）との間に
形成された環状空間に軸方向に若干圧縮された形ではめ
られている。

アッパボールシート（８）はたとえばポリアセタール樹
脂でリング状に形成され、ケーシング（２）の開口端部
に固定された固定リング（９）によって固定されてい
る。また、アッパボールシート（８）の内面は、ボール
ヘッド（3b）と摺接する部分球面状をなす。アッパボー
ルシート（８）とロアボールシート（６）との間には、
軸方向に若干の間隙（10）が設けられている。

また、ボールスタッド（３）の軸部（3a）に、ダストシ
ール（11）の一端部が固定されている。

考案が解決しようとする課題ボール継手（１）のロアボールシート（６）はボールヘ
ッド（3b）と摺接するので、自己潤滑性のある合成樹脂
などで形成する必要があり、ロアボールシート（６）の
強度をあまり高くすることができない。そして、上記の
従来のボール継手（１）の場合、このようなロアボール
シート（６）を直接弾性部材（７）で受けているため、
大きな軸荷重を受けたときに弾性部材（７）の変形によ
ってロアボールシート（６）の鍔部（6b）に高い応力が
発生し、ロアボールシート（６）の耐久性が不足すると
いう問題がある。すなわち、ボール継手（１）が軸荷重
を受けたとき、弾性部材（７）の変形が均一ではなく、
そのため、ロアボールシート（６）の鍔部（6b）が変形
し、局部的な高い応力が発生し、これに亀裂が入ること
がある。

このため、ボール継手が必要なラックピニオン式パワー
ステアリング装置を大型車両に適用することが不可能で
あった。

この考案の目的は、上記の問題を解決し、ボールスタッ
ドのボールヘッドの先端側を受けるボールシートの耐久
性の高いボール継手を提供することにある。

課題を解決するための手段この考案によるボール継手は、ボールスタッドの軸部の先端に形成されたボールヘッド
が一端開口のケーシング内に入れられ、上記ボールヘッ
ドの先端側の部分が第１のボールシートと弾性部材を介
して上記ケーシングの閉鎖端側の部分に受けられ、上記
ボールヘッドの軸部側の部分が第２のボールシートを介
して上記ケーシングの開放端側の部分に受けられている
ボール継手において、上記第１のボールシートが、上記ボールヘッドの先端側
の球面状の部分全体に摺接してこれを受ける部分球殻状
をなし、上記第１のボールシートと上記弾性部材との間
に、上記第１のボールシートの上記弾性部材側の球面状
の部分全体に接する部分球面状をなす面を有する金属製
または高強度低歪の合成樹脂製のバックアップシートが
設けられていることを特徴とするものである。

作用ボールヘッドの先端側の球面状の部分全体に摺接してこ
れを受ける部分球殻状をなす第１のボールシートと弾性
部材との間に、第１のボールシートの弾性部材側の球面
状の部分全体に接する部分球面状をなす面を有する金属
製または高強度低歪の合成樹脂製のバックアップシート
が設けられているので、ボールスタッドの軸方向の大き
な荷重を第１のボールシートを介してバックアップシー
トで受けることができ、軸荷重を受けたときの弾性部材
の不均一な変形が直接第１のボールシートに伝わること
がない。また、第１のボールシートが部分球殻状をなす
ものであるから、ボール継手の交差角が変化した場合で
も、ボールヘッドから第１のボールシートに作用するあ
らゆる方向の荷重がバックアップシートによってほぼ均
一に受けられ、第１のボールシートの応力分布はあまり
変化しない。したがって、大きな軸荷重を受けた場合
や、ボール継手の交差角が変化した場合でも、第１のボ
ールシートに局部的に高い応力が発生することがなく、
第１のボールシートの耐久性が向上する。

実施例以下、図面を参照して、この考案の実施例を説明する。
なお、前に説明した従来例および次に説明する実施例に
おいて、同じ部分には同一の符号を付している。

第１図は、第１実施例を示す。

第１実施例のボール継手（20）の場合、ロアボールシー
ト（21）と弾性部材（22）との間に、バックアップシー
ト（23）が設けられている。ロアボールシート（21）は
たとえばポリアセタール樹脂製で、ボールヘッド（3b）
の先端側の球面状の部分全体に摺接してこれを受ける部
分球殻状をなす。バックアップシート（23）は金属製ま
たは高強度低歪の合成樹脂製で、従来例のロアボールシ
ート（６）と同様、短円柱部（23a）と鍔部（23b）とか
ら構成されている。そして、バックアップシート（23）
のボールヘッド（3b）側の面は、ロアボールシート（2
1）の弾性部材（22）側の球面状の部分全体に接する部
分球面状をなす。弾性部材（22）は、従来例の場合と同
様、リング状をなし、ケーシング（２）の閉鎖端部のバ
ックアップシート（23）との間に形成された環状空間に
軸方向に若干圧縮された形ではめられている。

第１実施例の場合、ボールヘッド（3b）の先端側の球面
状の部分全体に摺接してこれを受ける部分球殻状をなす
ロアボールシート（21）と弾性部材（22）との間に、ロ
アボールシート（21）の弾性部材（22）側の球面状の部
分全体に接する部分球面状をなす面を有する金属製また
は高強度低歪の合成樹脂製のバックアップシート（23）
が設けられているので、ボールスタッド（３）の軸方向
の大きな荷重をロアボールシート（21）を介してバック
アップシート（23）で受けることができ、軸荷重を受け
たときの弾性部材（22）の不均一な変形が直接ロアボー
ルシート（21）に伝わることがない。また、ロアボール
シート（21）が部分球殻状をなすものであるから、ケー
シング（２）とボールスタッド（３）とのなす角度すな
わちボール継手の交差角が変化した場合でも、ボールヘ
ッド（3b）からロアボールシート（21）に作用するあら
ゆる方向の荷重がバックアップシート（23）によってほ
ぼ均一に受けられ、ロアボールシート（21）の応力分布
はあまり変化しない。したがって、大きな軸荷重を受け
た場合や、ボール継手の交差角が変化した場合でも、ロ
アボールシート（21）に局部的に高い応力が発生するこ
とがなく、ロアボールシート（21）の耐久性が向上す
る。このため、大型車両にラックピニオン式パワーステ
アリング装置を適用することが可能になる。また、負荷
荷重の水準によりボールヘッド（3b）の寸法を適正値に
設定するだけでよく、基本的な構造を変更する必要がな
い。

第２図は、第２実施例を示す。

第２実施例のボール継手（30）の場合、弾性部材（31）
は、第１実施例の弾性部材（22）と同様のリング部（31
a）のケーシング（２）閉鎖端側の端部が円板部（31b）
で塞がれた形状をなし、ケーシング（２）の閉鎖端壁と
バックアップシート（32）との間に挾まれている。バッ
クアップシート（32）は、第１実施例のバックアップシ
ート（23）と同様、短円柱部（32a）と鍔部（32b）とか
ら構成されているが、円柱部（32a）の長さは第１実施
例のそれより弾性部材（31）の円板部（31b）の厚さの
分だけ短くなっており、ケーシング（２）の閉鎖端壁と
バックアップシート（32）の円柱部（32a）との間に弾
性部材（31）の円板部（31b）がはさまれている。

第１実施例の場合、ケーシング（２）の閉鎖端壁とバッ
クアップシート（23）の円柱部（23a）との間に微小な
隙間（たとえば約0.5mm）が設定されており、これが打
音発生の原因になる場合がある。これに対し、第２実施
例の場合は、ケーシング（２）の閉鎖端壁とバックアッ
プシート（32）の円柱部（32a）との間に弾性部材（3
1）が挾まれているので、これによって打音の発生が防
止される。他は、第１実施例の場合と同様である。

考案の効果この考案のボール継手によれば、上述のように、ボール
スタッドの軸方向の大きな荷重を受けることができ、大
きな軸荷重を受けた場合や、ボール継手の交差角が変化
した場合でも、第１のボールシートに局部的に高い応力
が発生することがなく、第１のボールシートの耐久性が
向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の第１実施例を示すボール継手の縦断
面図、第２図は第２実施例を示すボール継手の縦断面
図、第３図は従来例を示すボール継手の縦断面図であ
る。（２）……ケーシング、（３）……ボールスタッド、
（3a）……軸部、（3b）……ボールヘッド、（８）……
アッパボールシート（第２のボールシート）、（20）
（30）……ボール継手、（21）……ロアボールシート
（第１のボールシート）、（22）（31）……弾性部材、
（23）（32）……バックアップシート。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ボールスタッドの軸部の先端に形成された
ボールヘッドが一端開口のケーシング内に入れられ、上
記ボールヘッドの先端側の部分が第１のボールシートと
弾性部材を介して上記ケーシングの閉鎖端側の部分に受
けられ、上記ボールヘッドの軸部側の部分が第２のボー
ルシートを介して上記ケーシングの開放端側の部分に受
けられているボール継手において、上記第１のボールシートが、上記ボールヘッドの先端側
の球面状の部分全体に摺接してこれを受ける部分球殻状
をなし、上記第１のボールシートと上記弾性部材との間
に、上記第１のボールシートの上記弾性部材側の球面状
の部分全体に接する部分球面状をなす面を有する金属製
または高強度低歪の合成樹脂製のバックアップシートが
設けられていることを特徴とするボール継手。