JPH07308479A - 電動ミシン - Google Patents

電動ミシン

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JPH07308479A
JPH07308479A JP6102764A JP10276494A JPH07308479A JP H07308479 A JPH07308479 A JP H07308479A JP 6102764 A JP6102764 A JP 6102764A JP 10276494 A JP10276494 A JP 10276494A JP H07308479 A JPH07308479 A JP H07308479A
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JP
Japan
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needle
sewing machine
clutch
main shaft
sewing
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JP6102764A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Sunada
敏明 砂田
Noriyuki Iguchi
範幸 井口
Yoshikatsu Hattori
好克 服部
Shuichi Sato
修一 佐藤
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Juki Corp
Original Assignee
Juki Corp
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Publication date
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    • D05SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
    • D05BSEWING
    • D05B23/00Sewing apparatus or machines not otherwise provided for

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  • Sewing Machines And Sewing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速回転用クラッチモータと、低速回転用補
助モータを有するミシンで、縫製開始時等に布を簡単且
つ確実にセット可能とする。 【構成】 主軸4を高速回転させる駆動位置、回転力が
主軸4に伝達されない中立位置及び主軸4を拘束する停
止位置のそれぞれにクラッチ板32を移動可能なクラッ
チモータ1と、主軸4を低速回転させる補助モータ2
と、縫製動作を選択するために操作するペダル201
と、該ペダル201の前踏み、後踏みの操作によりクラ
ッチモータ1及び補助モータ2の回転を選択的に主軸4
に伝達する等により所定の縫製動作を行わせる制御手段
とを備えた電動ミシンにおいて、電源投入時または縫製
完了直後のミシン停止時に針を上位置に移動させる針上
動作をCPUにより制御実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電動ミシン、特に針を
上下動させる主軸を高速回転させるためのクラッチモー
タと、低速回転させるための補助モータとを有する駆動
装置を備えた電動ミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】ミシンの主軸を高速回転させるためのク
ラッチモータと、それを低速回転させるための補助モー
タとを有する駆動装置を備えた工業用ミシンとしては、
上記補助モータがミシンの主軸に直結されているものが
特開昭53−17468に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に開示されている電動ミシンは、必ずしも実用的な面
で十分な性能を備えていなかった。
【0004】そこで、本出願人は、既に特願平5−35
5279で、補助モータをミシン頭部から分離すると共
に、足踏ペダル(アクチュエータ)を前踏みしたり、後
踏みしたりすることにより、駆動装置を制御して種々の
縫製動作を行うことができる電動ミシンを提案してい
る。
【0005】上記ミシンでは、ペダルを前方向に踏込む
程度により第1〜第3の3段階の前踏みと、後方向に踏
込む程度により第1、第2の2段階の後踏みとが可能に
なっている。
【0006】第1前踏みは、ミシンの主軸が回転しない
停止状態(ペタルを踏まない状態)から、ほんの少し前
踏みしてミシンヘッドの被駆動プーリを手で回すことが
できる状態、第2前踏みは、それより前方向に踏込んで
補助モータによるミシンの低速回転が行われる状態、第
3前踏みは、更に前方向に踏込んでクラッチモータによ
る高速回転が行われる状態にそれぞれ相当する。又、第
1後踏みは、針位置を上又は下に設定する操作に、第2
後踏みは、糸切り操作にそれぞれ相当する。
【0007】上記電動ミシンで縫製を行う場合、まず針
を上昇させた状態で布(被縫製物)をセットし、次いで
針を下降させて縫い始めの位置合わせを行った後、縫製
動作を開始する。
【0008】ところが、上記電動ミシンは、上述した如
く、ペダルをほんの少しだけ前踏みし、クラッチモータ
のクラッチ板がブレーキ、クラッチ共に接続されない中
立位置(第1前踏み)にした後に、手で主軸を回転する
ためのプーリを回し、針を希望する位置へ移動させる必
要があるが、ペダルを少し多めに踏込んでしまうと、上
記クラッチ板がフリーになるストロークが小さいために
簡単に第2前踏みになり、低速縫いスイッチが作動して
補助モータを回転させてしまう。
【0009】従って、オペレータはペダルで微調整をし
ながら第1前踏みの状態を維持しつつ、ミシンヘッドの
プーリを手回してミシンの針位置をセットしなければな
らないため、ある程度の熟練を必要とすると共に、危険
性を伴なうという問題があった。
【0010】又、上記電動ミシンでは、第1後踏みする
ことにより、針を上又は下位置に停止させることが可能
となっているが、針位置が表示されないため、針が上又
は下位置にあるにもかかわらず、オペレータがそれを上
又は下位置に移動させようとしてペダルを更に後踏みし
続けたり、あるいは誤って第2後踏み状態までペダルを
踏込んでしまい、縫製作業の途中で不必要な糸切りを行
ってしまうという問題があった。
【0011】本発明は、前記問題点を解決するべくなさ
れたもので、高速回転用のクラッチモータと、低速回転
用の補助モータとを併用し、アクチュエータで縫製動作
の切換えを行う電動ミシンにおいて、縫製開始時等に被
縫製物をセットする動作を簡単に且つ確実に、しかも安
全に行うことができる電動ミシンを提供することを第1
の課題とする。
【0012】本発明は、又、針を任意の位置に容易且つ
安全に移動させ、例えば縫製開始時にセットした被縫製
物(布)に対する縫い始め位置の位置合わせを容易に且
つ正確に、しかも安全に行うことができる電動ミシンを
提供することを第2の課題とする。
【0013】本発明は、更に、針を、例えば上位置又は
下位置にあることを確実に認識することができる電動ミ
シンを提供することを第3の課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1発明は、主軸を高速
回転させるロータに接離するクラッチ板を有するクラッ
チモータと、主軸を低速回転させる補助モータと、オペ
レータが縫製時に操作するアクチュエータと、該アクチ
ュエータの操作によりクラッチモータの高速回転及び補
助モータの低速回転を選択的に主軸に伝達する回転駆動
力伝達手段とを備えた電動ミシンにおいて、ミシン停止
中に針を上位置に移動させる針上動作要求手段を設けた
ことにより、前記第1の課題を解決したものである。
【0015】第1発明は、又、上記電動ミシンにおい
て、針上動作要求手段が、電源投入時又は縫製完了直後
に起動するようにしたものである。
【0016】第2発明は、主軸を高速回転させるロータ
に接離するクラッチ板を有するクラッチモータと、主軸
を低速回転させる補助モータと、オペレータが縫製時に
操作するアクチュエータと、該アクチュエータの操作に
よりクラッチモータの高速回転及び補助モータの低速回
転を選択的に主軸に伝達する回転駆動力伝達手段とを備
えた電動ミシンにおいて、補助モータによる低速縫い動
作を解除する手段を設けたことにより、前記第2の課題
を解決したものである。
【0017】第3発明は、主軸を高速回転させるロータ
に接離するクラッチ板を有するクラッチモータと、主軸
を低速回転させる補助モータと、オペレータが縫製時に
操作するアクチュエータと、該アクチュエータの操作に
よりクラッチモータの高速回転及び補助モータの低速回
転を選択的に主軸に伝達する回転駆動力伝達手段とを備
えた電動ミシンにおいて、ミシン針の位置を表示する針
位置表示手段を設けたことにより、前記第3の課題を解
決したものである。
【0018】第3発明は、又、上記電動ミシンにおい
て、針位置表示手段が既設のアクチュエータであり、針
が所定位置に移動すると一時的に該アクチュエータを起
動し、動作音を発生させて針位置を表示するようにした
ものである。
【0019】
【作用】第1発明においては、アクチュエータにより希
望する縫製動作を選択することができる電動ミシンにお
いて、ミシン停止時に針を上位置に移動させる針上動作
要求手段を設けたので、オペレータが希望するときに、
主軸を手動回転させるプーリ等の可動部に手を触れるこ
となく、確実に針を上位置にすることができ、被縫製物
のセット等を簡単に行うことが可能となる。
【0020】又、第1発明において、針上動作要求手段
が、電源投入時又は縫製完了直後に起動するようになさ
れている場合は、例えば電源投入後、オペレータの意思
により確実に針上げすることができるため、被縫製物の
セットを容易に行うことができ、作業効率を向上でき
る。又、電源投入時に無条件に針上げ動作が行われるこ
とを防止できるため、安全性も確保することができる。
【0021】第2発明においては、電動ミシンに、補助
モータによる低速縫い動作を解除する手段を設けたの
で、例えばアクチュエータを操作してミシンを手動回転
できる中立状態にして、縫い始めの位置合わせを行って
いるときに、アクチュエータの操作量が過大となって誤
操作になり、例えば補助モータによる低速縫いが始まっ
てしまうことを確実に防止することができる。
【0022】第3発明においては、電動ミシンに針の位
置を表示する針位置表示手段を設けたので、オペレータ
はアクチュエータを操作して、針を、例えば上(又は
下)に移動させた場合、上(又は下)に針が移動したこ
とを確実に認識することができるため、未だ移動してい
ないと誤認してアクチュエータの操作量を過大とするこ
とによる誤操作を確実に防止することができる。
【0023】又、第3発明において、針位置表示手段が
既設のアクチュエータであり、針が所定位置に移動する
と一時的に該アクチュエータを起動し、動作音を発生さ
せて針位置を表示するようになされている場合には、特
別な装置を付加することなくオペレータは針位置を知る
ことができる。
【0024】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳
細に説明する。始めに、本実施例のミシンが有する基本
的機能(構成、作用)について説明する。
【0025】図1は、本発明に係る第1実施例の電動ミ
シンを示す概略正面図、図2は該ミシンに適用されるミ
シンの駆動装置の概略構成を示す説明図である。
【0026】上記ミシンは、駆動装置として、ミシン3
の主軸4を通常の縫製作業のために高速回転するための
クラッチモータ1と、図示しないミシン針を任意の位置
に停止させる等のためにミシンの主軸4を低速回転させ
るための補助モータ2とを有している。クラッチモータ
1は、ミシン3のテーブル11の下面にボルト12で固
定されたフレーム10に取付けられ、補助モータ2は、
ミシンの主軸4から分離して設置されている。なお、補
助モータ2は、便宜上、図2には図1と位置を変えて示
してある。
【0027】上記クラッチモータ1は、図2にその概略
構成を示すように、モータの駆動部であるロータ30
と、ケーシング20内に固定されたブレーキシュー31
と、これらロータ30とブレーキシュー31との間に配
置され、それぞれに選択的に当接可能に配置されたクラ
ッチ板32とを有している。
【0028】このクラッチモータ1は、クラッチ板32
がロータ30に当接する駆動位置と、クラッチ板32が
ブレーキシュー31に当接する停止位置と、クラッチ板
32がロータ30及びブレーキシュー31のいずれにも
当接しない中立位置とにすることができるようになって
いる。このクラッチ板32にはクラッチモータ1の駆動
軸となるクラッチ軸33の一端が固定され、該クラッチ
軸33は、その中間部が、軸方向に移動しない状態で回
転するようにベアリング(図示せず)を介してキャリヤ
34に支持されている。
【0029】このキャリヤ34は、ケーシング20に設
けられた軸受部(図示せず)に図2の左右方向に摺動可
能に支承され、後に説明するクラッチレバーによる摺動
動作によりクラッチ軸33を軸方向に移動させて上記ク
ラッチ板32を3つの位置(駆動位置、中立位置、停止
位置)に設定できるようになっている。
【0030】上記クラッチ軸33の他端部はキャリヤ3
4から突出しており、この他端部には、キャリヤ34に
隣接して駆動プーリ40が支承され、又、この駆動プー
リに隣接して被駆動スプロケット41が一方向クラッチ
42を介して支承されている。
【0031】上記駆動プーリ40は、ミシンの主軸4に
固定された被駆動プーリ43にVベルト44を介して連
結されている。又、被駆動スプロケット41は、補助モ
ータ2の駆動軸50に取付けられた駆動スプロケット5
1に、タイミングベルト52を介して連結されている。
【0032】従って、クラッチ板32がロータ30に当
接され、クラッチモータ1が駆動状態になると、クラッ
チ軸33の回転が駆動プーリ40、ベルト44を介して
被駆動プーリ43に伝達され、ミシンの主軸4を回転さ
せることが可能となっている。
【0033】一方、補助モータ2の回転は、駆動スプロ
ケット51、タイミングベルト52、被駆動スプロケッ
ト41、一方向クラッチ42を介して伝達され、クラッ
チ軸33を回転させるため、このクラッチ軸33の回転
が更に駆動プーリ40、ベルト44、被駆動プーリ43
を介して伝達されて同様にミシンの主軸4を回転させる
ようになっている。
【0034】そして、上記クラッチモータ1からの回転
は、一方向クラッチ42によって被駆動スプロケット4
1に伝達されないため、クラッチモータ1の回転は補助
モータ側に伝達しない機構になっている。
【0035】上記クラッチモータ1には、クラッチ板3
2を駆動位置、中立位置又は停止位置に移動させるため
に、キャリヤ34を移動させるクラッチレバー100が
設けられている。
【0036】このクラッチレバー100は、図2に示す
ように、ほぼL字形状の部材からなり、垂直部101の
中間部は軸103によってクラッチモータ1のケーシン
グ20に回転自在に取付けられ、その先端部はキャリヤ
34に係合されており、該クラッチレバー100の他端
部を矢印方向に上下動させることにより、キャリヤ34
を左又は右方向に移動させることができ、この左右方向
の動作によってクラッチ板32をロータ30やブレーキ
シュー31に向かって移動させ、接触させることができ
るようになっている。上記クラッチレバー100には戻
しばね108が連結されており、この戻しばね108に
よりクラッチ板32をブレーキシュー31に当接させる
方向に該クラッチレバー100を付勢して回動させるよ
うになっている。
【0037】又、上記クラッチレバー100は、以下に
詳述する各種制御手段により回動が制御され、クラッチ
モータ1又は補助モータ2のいずれかを選択的に回転さ
せる等により種々の縫製動作が行われる。
【0038】上記制御手段には、クラッチレバー100
に接続された伝達装置200と、この伝達装置200に
接続された足踏ペダル(アクチュエータ)201とが含
まれる。このペダル201は、オペレータの足の操作に
よって複数の前踏み位置、中立(解放)位置及び複数の
後踏み位置とをとるように構成されている。
【0039】上記伝達装置200は、ペダル201に第
1連結ロッド300を介して連結された第1作動レバー
301と、この第1作動レバー301に連結レバー30
2を介して接続された第2作動レバー303と、この第
2作動レバー303とクラッチレバー100とを連結す
る第2連結ロッド304とを備えている。なお、この連
結装置200は、図1に示すように、カバー350によ
り保護され、且つ固定されている。
【0040】この伝達装置200について、これを表裏
両面からそれぞれ拡大して示した図3及び図4を用いて
更に詳述する。
【0041】図3に示すように、第1作動レバー301
の一端は、取付板305に回動支点となる軸306によ
って回動自在に支持され、この第1作動レバー301の
他端は第1連結ロッド300を介してペダル201に連
結されている。この第1作動レバー301の中間部に
は、図4に示すように軸307が固定され、この軸は取
付板305に形成された円弧状のスロット308に嵌合
されている。
【0042】第2作動レバー303は第1作動レバー3
01とほぼ平行に配置され、その一端は、回転支点とな
る軸309によって取付板305に回転自在に支持され
ている。この第2の作動レバー303にも、図4に示す
ように軸310が取付けられ、この軸310は取付板3
05に形成された円弧状のスロット311に嵌合されて
いる。従って、これら第1及び第2の作動レバー30
1、303は、ペダルの201に対する支点201a を
中心とした図3に示す矢印方向の踏込み動作に従って、
それぞれ軸306及び軸309を中心に回動可能となっ
ている。
【0043】又、第1作動レバー301と第2作動レバ
ー303とは、ある距離をおいて相対的に移動し得るよ
うに連結機構によって接続されている。この連結機構
は、図2に示すように連結レバー302の一端を第2の
作動レバー303に軸312によって回転自在に取付
け、この連結レバー302の他端部にその長手方向に沿
って伸びるスロット313を形成し、このスロット31
3内に第1作動レバー301に固定されたピン314を
嵌合したものからなっている。なお、スロット313
は、連結レバー302に設けるのではなく、図3に示す
ように、第1の作動レバーに設けるようにしてもよい。
【0044】又、上記第1作動レバー301と第2作動
レバー303とは引張りばね315によって連結され、
互いに引張り合う方向に付勢されている。又、上記第2
連結ロッド304は、その一端が第2作動レバー303
の他端部に接続され、その他端部がクラッチレバー水平
部102の端部に接続されている。
【0045】前記図2に示したように、連結レバー30
2のスロット313の下端にピン314が位置してると
き(図3では、ピン314が第1作動レバー301に形
成されたスロットの上端に位置しているとき)には、ペ
ダル201を前踏みし、第1連結ロッド300を下方に
押し下げると、第1作動レバー301を図2で見て下方
向に回動し、連結レバー302を下方に移動するため、
第2作動レバー303が下方に回動する。この第2作動
レバー303の下方への回動は、第2連結ロッド304
を下方に移動させ、クラッチレバー100の水平部10
2を下方に移動させる。その結果、クラッチ板32は停
止位置から中立位置に、更にロータ30に向かって移動
することになる。
【0046】又、制御手段には、補助モータ2を始動さ
せるための補助モータ切換装置400と、クラッチモー
タ1を始動させるためのクラッチモータ切換装置500
と、ミシン針を任意の位置に設定するための針位置設定
装置600と、糸切り起動装置700と、制御装置80
0と、が含まれる。以下、図5のブロック図をも参照し
てこれら制御手段を説明する。
【0047】補助モータ切換装置400は、前記取付板
305に固定されている補助モータ起動スイッチ401
を備え、このスイッチ401の可動接片401a の先端
は、図4に示すように第1作動レバー301の移動に応
じてスイッチをON又はOFFできる位置に配されてい
る。
【0048】クラッチモータ切換装置500は、前記図
1に示したように、ミシンヘッド3に配設されており、
シンクロナイザ501を含んでいる。このシンクロナイ
ザ501は、被駆動プーリ43に隣接してミシンの主軸
4に付設されており、ミシンの速度及び針位置を検出す
る機能を有している。
【0049】針位置設定装置600(図4参照)は、中
立アクチュエータ(中立ソレノイド:NSOL)601
と、第1針位置スイッチ(DSW)602とを備え、糸
切り起動装置700は、第2針位置スイッチ(TSW)
603と、安全アクチュエータ(安全ソレノイド:SS
OL)604とを備えている。これら中立アクチュエー
タ601、第1及び第2針位置スイッチ602及び60
3、安全アクチュエータ604は、図4に示すように前
記伝達装置200とは反対側の取付板305に固定され
ている。
【0050】中立アクチュエータ601の駆動軸601
a には、中立レバー605の一端が取付けられ、この中
立レバー605の他端605a は取付板305に設けら
れた孔606を貫通して第2作動レバーの上縁607に
対向して配置されている(図3、図4参照)。上記中立
レバー605は取付板305に軸608を介して回転自
在に支承されている。
【0051】上記中立アクチュエータ601は、起動す
るとその駆動軸601a を図4に示す状態から縮小さ
せ、中立レバー605を、その他端605a が第2作動
レバー303を押し下げる方向に回転させる。なお、符
号609は軸608に取付けられた戻しばねを示し、第
1針位置スイッチ602の可動接片602a の先端は、
図3に示すように第1作動レバー301の上縁に対向し
て配置されている。
【0052】安全アクチュエータ604にはその駆動軸
604a の先端に、該軸の長手方向に対してほぼ垂直方
向に伸びるように安全ピン610が固定されている。こ
の安全ピン610の一端は、取付板305に形成された
長孔611を貫通しており、第1作動レバー301の中
間部に設けられた突出片612の下面に近接する位置に
移動できるようになっている。
【0053】従って、安全アクチュエータ604がその
駆動軸604a を図4に示した伸長位置から引込み位置
に縮小されると、安全ピン610は第1の作動レバー3
01の突出辺612の下面に配置され、このとき第1作
動レバー301は下方への回動を制限される。なお、符
号613は、安全アクチュエータ604の駆動軸604
a を伸長位置に戻すために設けられた戻しばねを示す。
【0054】糸切り装置700(図4参照)は、ミシン
頭部3に内蔵された糸切りソレノイド700a (図5参
照)と、糸切りクリック701とを有している。糸切り
ソレノイド700a は糸切りカッター(図示せず)を作
動する機能を有し、糸切りクリック701は、図4に示
すように取付板305に軸702によって回転自在に取
付けられたほぼコ字形状のレバー703を有し、このレ
バーの一端は取付板305に設けられた孔704を貫通
して伸びる第1アーム705を有し、この第1アーム7
05の先端は第1作動レバー301の上縁に対向して配
置されている(図3参照)。上記レバー703は、又、
第2アーム706を有し、この第2アーム706は第2
針位置スイッチ603の可動接辺707に対向してい
る。
【0055】図5は、制御装置の概略構成と、該制御装
置と補助モータ等との関係を示すブロック図であり、こ
の制御装置800は、CPU(中央演算処理装置)80
1と、このCPU801に接続されたモータドライバ8
02及びソレノイドドライバ803とを有している。上
記モータドライバ802は補助モータ2を制御し、ソレ
ノイドドライバ803は安全アクチュエータ604、中
立アクチュエータ601及び糸切りソレノイド700a
を制御する機能を有している。
【0056】又、図5に示すように、起動レバー装置
は、操作ペダルの前踏みを検知する補助モータ起動スイ
ッチ(LSW)401、操作ペダルの第1後踏みを検知
する第1針位置スイッチ(DSW)602、操作ペダル
の第2後踏みを検知する第2針位置スイッチ(TSW)
603、操作ペダル201の前踏みを不可とし、クラッ
チモータ1の回転軸の回転を禁止する安全アクチュエー
タ(SSOL)604、及びクラッチモータ1のクラッ
チ板32をロータ30及びブレーキシュー31から切離
す中立アクチュエータ(NSOL)601で構成され、
補助モータ起動スイッチ401、第1針スイッチ602
及び第2針スイッチ603からの検出信号が上記CPU
801に入力されるようになっている。
【0057】又、上記制御装置800には、補助モータ
の回転速度を設定し、又、その設定を変更することがで
きるディップ(DIP)スイッチ805が設けられてい
る。一般に、クラッチモータで主軸を高速回転させるミ
シンでは、縫う目的によってミシンの主軸の回転を変え
る場合、通常、駆動プーリ40の径を変えるが、本実施
例のようにクラッチモータ1の駆動軸33に補助モータ
2の駆動力を伝達する方式では、上記プーリ40の径を
変えると、補助モータ2による主軸4の回転速度が変わ
ってしまう。このような場合に、回転数変更手段である
上記ディップスイッチ805により、補助モータの回転
数を適切な値に設定し直し、補助モータの回転数と主軸
の回転数の比を所定の値にできるようになっている。
【0058】本実施例では、回転数変更手段として、デ
ィップスイッチ805を採用しているが、これに限られ
ず、CPU801によりプログラム制御するようにして
もよい。
【0059】次に、上述した駆動装置を備えた電動ミシ
ンで実行されるペダル操作と該ペダル操作による基本縫
製動作を説明する。
【0060】(ペダルの第1前踏み)この第1前踏み
は、ペダル201に力を加えない解放位置(クラッチ板
が停止位置にある状態)から、ペダルをいくらか前踏み
した状態を意味し、この状態ではミシン頭部3にある被
駆動プーリ43を手で回すことにより主軸4を自由に回
転し、針位置を手動で変更することができる。即ち、伝
達装置200において、第1連結ロッド300を介して
第1の作動レバー301を下方に回動し、連結レバー3
02、第2作動レバー303、第2連結ロッド304を
それぞれ介してクラッチレバー100の水平部102を
下方向に移動するため、クラッチ板32は図2に示すよ
うな、ロータ30及びブレーキシュー31のいずれにも
接触しない中立位置になる。従って、この第1前踏みで
は、ミシンの主軸は被駆動プーリ43を手で回すことが
可能な状態にある。
【0061】(ペダルの第2前踏み)この第2前踏み
は、上記ペダルの第1前踏みから更にペダルを前方向に
踏込んだ状態を意味し、この状態では補助モータ2のみ
による主軸4の低速回転が行われる。即ち、第1前踏み
と同様にクラッチ板32は未だ中立位置にあるが、補助
モータ起動スイッチ401がONされ、補助モータ2が
回転してミシンの主軸4を低速回転する。このとき、ク
ラッチモータ1の駆動はミシンの主軸4に伝達されない
ため、補助モータ2のみによる低速回転となる。
【0062】(ペダルの第3前踏み)この第3前踏み
は、ペダルを第2前踏みから更に前方向に踏込んだ状態
を意味し、この状態ではクラッチモータ1による主軸4
の高速回転が行われる。即ち、クラッチ板32が更に移
動され、ロータ30に圧接され、クラッチモータの回転
がクラッチ軸33、駆動プーリ40、ベルト44及び被
駆動プーリ43を介してミシンの主軸4に伝達されるた
めミシンは高速回転する。この高速回転は通常の縫製作
業に利用される。
【0063】なお、上記回転速度は、シンクロナイザ5
01により検出され、それが所定速度以上になると、補
助モータ2の回転は停止する。この所定速度としては、
例えば約300rpm の回転数に設定することができる。
【0064】(後踏み)この後踏みは、ペダルの第3前
踏みの状態から中立位置(解放位置)に戻すことを意味
する。この後踏みにより、第1連結ロッド300が上方
に移動し、第1作動レバー301が上方に回動する。こ
のとき、引張りばね315の作用により第2作動レバー
303が上方に引上げられ、この引上げ動作が第2連結
ロッド304を介してクラッチレバー100に伝達さ
れ、その水平部102を上方に移動する。そのとき、ク
ラッチレバー100に対する戻しばね108の付勢力に
よってクラッチ板32が図2で右方向に移動し、ブレー
キシュー31に圧接されるため、クラッチモータ1は停
止し、主軸4の回転も停止する。なお、この後踏みでペ
ダルを中立位置にしてミシンを停止させる場合、ミシン
の針位置は不定であり、該針を特定の位置に止めること
はできない。
【0065】(ペダルの第1後踏み)この第1後踏み
は、ペダルを中立位置から後方向に踏込んだ状態を意味
し、この状態では、選択によって針を上位置又は下位置
に停止させることができる。即ち、第1後踏み状態にす
ると、第1連結ロッド300は上方に移動して第1作動
レバー301を上方に回動し、その上縁を第1針位置ス
イッチ602の可動接片602a に接触させてこのスイ
ッチをONにする。このとき、シンクロナイザ501に
より針位置が確認され、針が下又は上以外であるとき、
中立アクチュエータ601を起動させ、中立レバー60
5を作動させて第2作動レバー303を下方に回動(押
し下げ)させる。その結果、第2連結ロッド304が引
き下げられ、クラッチレバー100の水平部102も引
き下げられるため、クラッチ板32が左方に移動しクラ
ッチモータ1が前記第1前踏みと同様に中立状態にな
る。なお、上記第2作動レバー303の下方への回動
は、連結レバー302のスロット313によって第1作
動レバー301へは伝達されない。
【0066】上記のようにクラッチモータ1が中立状態
(クラッチ板32が中立位置にある状態)になると、補
助モータ2が主軸4を低速回転するが、そのとき針位置
が下(又は上)位置になるとシンクロナイザ501が針
下(又は針上)信号を発生する。この信号は中立アクチ
ュエータ601と補助モータ2とを不作動(OFF)に
するため、中立レバー605が戻しばね609によって
元の位置に復帰し、第2作動レバー303を拘束しなく
なることから、この第2作動レバー303は引張りばね
315によって上方に回動される。
【0067】その結果、第2連結ロッド304を介して
クラッチレバー100の水平部102は押し上げられ、
クラッチ板32を右方向に移動させる。そのとき、戻し
ばね108が作用してクラッチ板32をブレーキシュー
31に圧接させるため、クラッチ軸33が固定状態にな
り、ミシンの主軸4と補助モータ2の回転が停止する。
【0068】このようにして、このペダルの第1後踏み
では、補助モータ2でミシンの主軸を低速回転すると共
に、ミシン針の針下(又は針上)位置で補助モータ2を
停止させることにより、ミシン針を針下(又は針上)位
置で停止させることができる。針の上位置停止と下位置
停止は、図5に示した上下位置選択スイッチ806によ
り選択できるようになっている。
【0069】(ペダルの第2後踏み)この第2後踏み
は、上記第1後踏みよりペダルを更に後方向に踏込んだ
状態を意味し、この状態では糸切り動作が行われるよう
になっている。
【0070】即ち、前記第3前踏み状態(ミシンの高速
回転状態)からペダルを後踏みして第2後踏み状態にす
ると、第1連結ロッド300を介して第1作動レバー3
01を上方に回動させ、第1針位置スイッチ602をO
Nにすると共に、糸切りクリック701の第1アーム7
05を上方に持ち上げ、同時にその第2アーム706を
下方に押し下げて、第2針位置スイッチ603の可動接
片707を押圧し、この第2針位置スイッチをONにす
る。
【0071】このとき、制御装置800により安全アク
チュエータ604が起動され、その駆動軸604a を戻
しばね613に抗して縮小させることにより、安全ピン
610が第1作動レバー301の突出片612の下面下
側に配置されるため、第1作動レバー301の下方向へ
の回動が阻止される。従って、ペダル201の不注意な
前踏みによる第1作動レバーの押し下げが防止される。
【0072】上記の如く、安全アクチュエータ604が
起動した後、中立アクチュエータ601が起動されて中
立レバー605の端部が第2作動レバー303を下方に
押し下げる。このとき、第2作動レバー303の下方へ
の回動は、連結レバー302のスロット313によって
第1作動レバー301には伝達されない。この第2作動
レバー303の下方への回動が第2連結ロッド304を
引き下げ、クラッチレバーの水平部102を引き下げて
クラッチ板32を停止位置から移動させて中立位置に
し、クラッチモータ1を中立状態にする。
【0073】クラッチモータが中立状態になったとき
に、補助モータ2を回転させ、主軸4を低速回転させる
と共に、針位置が下位置になるとシンクロナイザ501
から針下信号が発生され、制御装置800は、CPU8
01に針下信号が入力されると糸切りソレノイド700
a を起動させ、糸切りカッターによって糸切りを行う。
この糸切り動作は、ミシンが低速回転のときに行われ、
その後針上げ動作が行われ、シンクロナイザ501が針
上位置を検出して針上信号を発生する。
【0074】シンクロナイザ501から針上信号が発生
され、CPU801に入力されると、中立アクチュエー
タ601と補助モータ2を不作動にし、中立アクチュエ
ータ601の駆動軸601a は戻しばね609によって
伸長され、中立レバー605の他端が第2作動レバー3
03から離れるように回動されると、この第2作動レバ
ー303が引張りばね315によって上方に回動される
ため、第2連結ロッド304を介してクラッチレバー1
00の水平部102が上方に持ち上げられる。
【0075】従って、クラッチ板32は、戻しばね10
8と引張りばね315の作用力により、ブレーキシュー
31に圧接される。その結果、補助モータ2が停止して
ミシンを針上位置で停止させることができる。その後、
ペダルを中立位置に戻すと、第1作動レバー301が下
方に回動し、糸切りクリック701が元の位置に復帰す
る。
【0076】以上、本実施例のミシンの基本機能(基本
構成と、基本動作)について詳述したが、本実施例のミ
シンは更に以下の特徴的な機能を備えている。
【0077】即ち、上記ミシンは、電源投入時又は縫製
完了(糸切り動作)直後で未だペダル201の前踏み動
作が行われていない段階にあるミシンの停止時(停止
中)に、オペレータにより針を上位置に移動させること
ができる針上げ動作要求機能を有している。この機能
は、前記制御装置800に内蔵されているCPU801
に入力されているプログラムにより可能になっている。
【0078】具体的には、オペレータが、操作ペダル2
01を第1後踏みすると、第1針位置スイッチ(DS
W)602がONとなるが、CPU801はこれをミシ
ン針棒(図示せず)の針上げ動作要求と判断し、安全ソ
レノイド(SSOL)604、中立ソレノイド(NSO
L)601をONにする。その結果、ミシン本体3の主
軸4は、クラッチモータ1の回転軸(クラッチ軸)33
から切離された状態になるため、針上げ動作中にクラッ
チモータ1によるミシンの高速回転が原因で生じる不慮
の事故を防止できると共に、補助モータ2の低速回転に
より針棒の位置制御が可能となっている。
【0079】上記針棒の位置制御は、シンクロナイザ5
01で現在の針棒の位置を検出し、それが上位置になけ
れば補助モータ2を回転させて針棒を上昇させ、針上位
置検出信号が出力された時点で、回転を停止させると共
に、中立ソレノイド601をOFFにしてブレーキ動作
を行う。そして、ミシンの回転が完全に停止する所定の
時間が経過した後、安全ソレノイド604をOFFにし
て再度の縫製を可能にするようになっている。
【0080】以上説明した本実施例のミシンによれば、
被駆動プーリ43等の可動部に手を触れることなく針を
上位置に移動させることが可能となるため、被縫製物を
容易且つ確実に所定位置にセットできる。従って、被縫
製物をセットするために足で操作ペダル201を微妙に
調節しながら手で針上げを行っている最中に誤ってミシ
ンを回転させてしまうことに起因する事故を防ぐことが
可能となり、作業の安全性を向上することができる。
【0081】又、被縫製物を確実にセットできるように
するためには、電源を投入すると同時に無条件にミシン
を回転させて針上げ動作等を行わせることも考えられる
が、この場合には突然ミシンが動作するために危険であ
るのに対し、本実施例によれば、オペレータの意思に従
って針上げを行うことができるため、危険を防止した上
で作業効率の向上を図ることができる。
【0082】なお、針上げ動作の要求手段としては、操
作ペダル201の踏込み位置で設定する第1針位置スイ
ッチ602ではなく、これに代わる手動スイッチを別途
設けてもよい。このように別途設けることにより、電源
投入時又は縫製開始時に限らず、ミシンの回転が停止し
ているときであれば何時でも、針上げ動作を容易且つ確
実に実現することができる。
【0083】次に、第2発明に係る第2実施例の電動ミ
シンについて説明する。
【0084】本実施例のミシンは、前記第1実施例のミ
シンと同様の基本機能(構成と作用)に加えて、補助モ
ータによる低速縫い動作を解除する機能を備えている。
【0085】図6は、本実施例のミシンが備えている制
御装置の要部を示す回路構成図である。本実施例のミシ
ンは、補助モータ2による低速縫い動作を解除する手段
として、前記図5等に示した補助モータ起動スイッチ4
01と、CPU801との間に低速運転解除スイッチA
を介設した点に特徴を有している。このスイッチAは、
前記図1に示すテーブル11の上面に取付けたオールタ
ネート式スイッチであり、ヘッドの押し込み操作によ
り、ONとOFFとが交互に、繰り返すようになってい
る。
【0086】本実施例では、前記第1実施例のミシンと
同様に、通常は図7の状態図に示すように、ペダル20
1の中立位置(ブレーキ区間)から、前方向への踏込み
量の大きさに応じて、手動で針位置を変更できる第1前
踏み、次いで第2前踏みとなって補助モータ起動スイッ
401がONになり、補助モータ2による低速回転とな
り、更に踏込むと第3前踏みとなってクラッチが接続さ
れ始め、クラッチモータ1による高速回転が可能となっ
ている。
【0087】本実施例のミシンは、この基本機能に加え
て、図8のフローチャートに示すS1〜S6の手順に従
う動作がなされるようになっている。
【0088】即ち、第1前踏みで手回しで針位置を移動
したい場合には、前記解除スイッチAをONにする(S
2)。こうしておくことにより、補助モータ起動スイッ
チ401からCPU801への信号の入力を遮断できる
ため、上記図7に示した第2前踏みの補助モータによる
低速回転区間が無効になり、その区管でもクラッチ板3
2がフリーな状態であるため、手回しによる針位置移動
可能区間を拡げることになり、又、確実に補助モータ2
による低速回転を禁止することができるため、ペダル2
01を微妙に操作する必要がなくなり、被縫製物の縫い
始めの位置合わせを容易且つ正確に行うことが可能とな
る。
【0089】縫い始めの位置合わせが完了した後、補助
モータ2による低速縫いをしたい場合には、前記解除ス
イッチAを解除(OFF)し、通常の操作が可能な状態
に復帰させることにより、通常の縫製動作に簡単に移行
することができる。
【0090】本実施例のミシンでは、補助モータ2を起
動させてできる前述した機能である第1前踏みによる低
速縫い、第1後踏みによる上下定位置停止及び、第2後
踏みによる糸切り動作のうち、第1前踏みによる低速縫
い機能だけを一時的に解除できるようになっている。
【0091】従って、本実施例によれば、手動による針
位置移動区間を拡大することが可能となるため、被駆動
プーリ43を手回して縫い始めの位置を合わせるとき
に、ペダル201を必要以上に前に踏込んだとしても、
低速回転区間までの踏込みならば、ミシンが回転するこ
とがないので安全に手動による針の位置決めを行うこと
ができる。
【0092】又、本実施例によれば、解除スイッチAを
解除せず、補助モータ2による低速縫いを行わずに、ク
ラッチモータ1のみにより縫製動作を行うこともでき
る。
【0093】なお、本実施例は、前記図6に示したよう
に、補助モータ起動スイッチ401からCPU801へ
の入力信号を遮断する位置に低速運転解除スイッチAを
介設するものに限らず、図9に示すように、該解除スイ
ッチAを直接CPU等の入力ポートに接続し、プログラ
ムによってスイッチAのON、OFFの状態を監視し、
同様に機能させるようにしてもよい。
【0094】次に、第3発明に係る第3実施例について
説明する。
【0095】本実施例の電動ミシンは、前記第1実施例
のミシンと同一の基本機能に加えて針位置表示手段が設
けられ、針の位置を表示する機能をも備えている。
【0096】本実施例のミシンでは、上記位置表示機能
を、制御装置800のCPU801によるプログラム制
御により、図10のフローチャートに示す針上又は針下
の位置表示がなされるようになっており、針位置の具体
的表示が、不使用状態にある既存の安全ソレノイド(S
SOL)604を一時的に作動させ、そのときの動作音
により針が上又は下位置に達したことをオペレータに知
らせることにより行われるようになっている。
【0097】図10のフローチャートには、左側のS1
1〜S18に針下位置を、右側のS19〜S26に針上
位置をそれぞれ表示する手順を示してあるが、まず、針
の停止位置が上(下)を選択し、ペダル201の第1後
踏みにより第1針位置スイッチ(DSW)602をON
にした時点で、ミシンが以前に回転している場合、針が
上(下)位置になければ、中立ソレノイド(NSOL)
601をONにし、補助モータ2を回転することによ
り、針を上(下)位置まで移動させ、中立ソレノイド6
01をOFFにし、補助モータ2を停止させた後、針が
上(下)位置にあることを表示する。
【0098】一方、ペダルを第1後踏みにした時点で、
ミシンが以前に回転している場合、針が上(下)にあれ
ば、中立ソレノイド601及び補助モータ2を動作させ
ることなく、針の上(下)位置にあることを表示する。
【0099】以上説明した本実施例によれば、ペダルを
第1後踏み状態(DSW−ON)になったことをオペレ
ータがペダルのクリック感(触覚)のみならず、安全ソ
レノイド604の動作音(聴覚)でも認識が可能となる
ため、オペレータが第1後踏み状態であることを認識で
きないことによる誤操作により、第2後踏み(TSW−
ON)をしてしまい、必要ないにもかかわらず糸切りが
縫製途中で行われることを防止できることから、縫製作
業の効率向上を図ることが可能となる。
【0100】図11は、第3発明に係る第4実施例の電
動ミシンが備えている制御手段の概略構成を示す、前記
図5に相当するブロック図である。
【0101】本実施例のミシンは、前記図5に示した制
御装置800に、針の上下位置表示のためにCPU80
1に接続されたブザー807を付設した以外は、前記第
3実施例のミシンと実質的に同一である。即ち、前記第
3実施例が、針位置表示に既存の安全ソレノイド604
を利用しているのに対し、本実施例では新たに付設した
ブザー807を利用している。
【0102】上記ブザー807の動作は、前記第3実施
例と同様に、前記図10のフローチャートに従ってCP
U801で実行され、同様の効果が得られ、しかも安全
ソレノイド604の機械的な動作音とは異なるため、オ
ペレータが針の上又は下位置での停止をより明確に認識
することができる。
【0103】なお、針の位置表示には、上述した手段の
他に、中立ソレノイド604を一時的に動作させ、その
動作音を発生させるようにしてもよく、又、発光素子等
を利用した視覚的手段を採用するようにしてもよい。
【0104】
【発明の効果】以上説明した通り、第1発明によれば、
針を確実に上位置にできるため、縫製開始時に被縫製物
をセットする動作を簡単に且つ確実に、しかも安全に行
うことができる。
【0105】又、第2発明によれば、ミシン針を任意の
位置に容易且つ安全に移動させることができ、例えば縫
製開始時にセットした布に対する縫い始めの位置合わせ
を容易に且つ確実に、しかも安全に行うことができる。
【0106】又、第3発明によれば、針を、例えば上位
置又は下位置にあることを確実に認識することができる
ため、ミシンの誤操作を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施例の電動ミシンの外観の概
略を示す正面図
【図2】上記ミシンの駆動装置の要部を示す概略説明図
【図3】図2の反対側から見たミシンの駆動装置を構成
する伝達装置の内部を示す斜視図
【図4】図2と同方向から見た上記伝達装置の内部を示
す斜視図
【図5】制御手段の概略構成と構成要素等の接続状態を
示すブロック図
【図6】第2実施例の要部の概略構成を示す説明図
【図7】ペダルの踏込み量とミシンの動作状態との関係
を示す説明図
【図8】第2実施例の作用を示すフローチャート
【図9】第2実施例の変形例を示す説明図
【図10】第3実施例の作用を示すフローチャート
【図11】第4実施例の特徴を示す前記図5に相当する
ブロック図
【符号の説明】
1…クラッチモータ 2…補助モータ 4…ミシンの主軸 20…クラッチモータのケーシング 30…ロータ 31…ブレーキシュー 32…クラッチ板 33…クラッチ軸 34…キャリヤ 40…駆動プーリ 41…被駆動スプロケット 42…一方向クラッチ 43…被駆動プーリ 51…駆動スプロケット 100…クラッチレバー 200…伝達装置 201…アクチュエータ(ペダル) 301…第1作動レバー 303…第2作動レバー 305…取付板 400…補助モータ切換装置 500…クラッチモータ切換装置 600…針位置設定装置 700…糸切り起動装置 800…制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 修一 東京都調布市国領町8丁目2番地の1 ジ ューキ株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主軸を高速回転させるロータに接離するク
    ラッチ板を有するクラッチモータと、主軸を低速回転さ
    せる補助モータと、オペレータが縫製時に操作するアク
    チュエータと、該アクチュエータの操作によりクラッチ
    モータの高速回転及び補助モータの低速回転を選択的に
    主軸に伝達する回転駆動力伝達手段とを備えた電動ミシ
    ンにおいて、 ミシン停止中に針を上位置に移動させる針上動作要求手
    段を設けたことを特徴とする電動ミシン。
  2. 【請求項2】請求項1において、 針上動作要求手段が、電源投入時又は縫製完了直後に起
    動するようになされていることを特徴とする電動ミシ
    ン。
  3. 【請求項3】主軸を高速回転させるロータに接離するク
    ラッチ板を有するクラッチモータと、主軸を低速回転さ
    せる補助モータと、オペレータが縫製時に操作するアク
    チュエータと、該アクチュエータの操作によりクラッチ
    モータの高速回転及び補助モータの低速回転を選択的に
    主軸に伝達する回転駆動力伝達手段とを備えた電動ミシ
    ンにおいて、 補助モータによる低速縫い動作を解除する手段を設けた
    ことを特徴とする電動ミシン。
  4. 【請求項4】主軸を高速回転させるロータに接離するク
    ラッチ板を有するクラッチモータと、主軸を低速回転さ
    せる補助モータと、オペレータが縫製時に操作するアク
    チュエータと、該アクチュエータの操作によりクラッチ
    モータの高速回転及び補助モータの低速回転を選択的に
    主軸に伝達する回転駆動力伝達手段とを備えた電動ミシ
    ンにおいて、 ミシン針の位置を表示する針位置表示手段を設けたこと
    を特徴とする電動ミシン。
  5. 【請求項5】請求項4において、 針位置表示手段が既設のアクチュエータであり、針が所
    定位置に移動すると一時的に該アクチュエータを起動
    し、動作音を発生させて針位置を表示するようになされ
    ていることを特徴とする電動ミシン。
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KR950032801A (ko) 1995-12-22

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