JPH119870A - メス付きミシン - Google Patents

メス付きミシン

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JPH119870A
JPH119870A JP17264697A JP17264697A JPH119870A JP H119870 A JPH119870 A JP H119870A JP 17264697 A JP17264697 A JP 17264697A JP 17264697 A JP17264697 A JP 17264697A JP H119870 A JPH119870 A JP H119870A
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JP
Japan
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knife
scalpel
cloth
sewing machine
sewing
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JP17264697A
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Takashi Nishikawa
尚 西川
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Juki Corp
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Juki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、メスを駆動させて縫製と同時に
布を切断していくミシンにおいて、慣性力によるメスの
余分な動作や、布送りを逆転させた時のメスの余分な動
作をシンプルで且つ安価な構成により抑えることを目的
としている。 【解決手段】 ミシンの縫製部を駆動させるミシン駆動
装置と独立して設けられ前記メスを駆動させるメス駆動
装置31と、該メス駆動装置31の運動をメスまで導く
伝動機構32,33,34,38,39,27と、前記
メス駆動装置31の運転停止後にメスの運動を制動する
制動機構50,51,52,54,55とを備えた構成
とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、駆動して布を切
断するメスを備え、該メスで布を切断しながら縫製を行
うメス付きミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】以前より、駆動して布を切断するメスを
備え、該メスで布を切断しながら縫製を行うメス付きミ
シンが開発されている。このようなミシンでは、ミシン
針や布送りなどの縫製部の駆動により縫製を行うと同時
に、例えば針板横で動メスが上下に駆動することで、縫
製を行いながら布を切断していくようになっている。
【0003】図13には、布を切断しながら縫製を行う
従来のメス付きミシンにおけるメスの駆動機構の一例の
側面図を示す。
【0004】このメスの駆動機構P100は、例えばミ
シンの縫製テーブル上のサイドに設置され、針板横に設
けられたメス機構に運動を伝達して針板横のメスを駆動
するようになっている。図2のミシン全体の斜視図と図
3のメス機構の側面図とを参照(図2と図3は本発明の
図示例であるが、従来と同様のものである)。図3中、
22は動メス、23は固定メス、24は針板、27はメ
ス駆動軸、図2中、100はメス駆動機構、200はメ
ス機構である。これらの内、メス駆動機構100が図1
3中のメス駆動機構P100に、メス駆動軸27が図1
3中のメス駆動軸P7に対応するものである。つまり、
メス駆動機構P100がメス駆動軸P7を介してメス機
構200に運動を伝達することで、針板24の横で動メ
ス22が上下に揺動して、固定メス23との協働により
布を切断する動作をするようになっている。
【0005】メス駆動機構P100(図13)は、例え
ば、メスを駆動させるための駆動モータP1、駆動モー
ターP1の運動をメス駆動軸P7まで伝達する伝動機構
(偏心カムP2、駆動ロッドP3、連結リンクP8,P
9、揺動梃P4)、動メス22の変位量を変更調節する
調節機構(支持杆P15、連結リンクP13、レバーP
12)等から構成される。
【0006】上記駆動モータP1は、ミシンの縫製部の
駆動を行う駆動モータと別個に設けられたもので、例え
ば、ミシンの起動ペダルなど踏み込むことで、ミシンの
起動と同時に動き始めるようになっている。上記伝動機
構において、連結ピンP5は揺動梃P4の支点、メス駆
動軸P7は連結リンクP8の支点、連結ピンP6,P1
0は可動的な連結点になっている。上記調節機構は、レ
バーP12の操作により揺動梃P4の支点P5の位置を
変化させることにより、上記伝動機構の運動の伝達量を
変化させて動メス22の変位量を変化させるものであ
る。連結ピンP11はレバーP12の支点、連結ピンP
14は支持杆P15の支点になっている。
【0007】上記のメス付きミシンによれば、例えば、
ミシンの起動ペダルを踏み込むことで、ミシンの駆動モ
ータと同時にメス駆動モーターが作動し、ミシンの縫製
部と動メスとが共に駆動して、動メスと固定メスとの間
で布を切断しながら縫製が行われるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
[第1の課題]しかしながら、上記従来のメス付きミシ
ンでは、縫製の停止時などにメス駆動モータへの通電を
切った場合でも、非常に短い時間ではあるが慣性力でメ
スがしばらく動き続けてしまうという問題がある。
【0009】ミシンの縫製部の動作が停止した後にまだ
メスが動き続けた場合、作業者に違和感を与え作業効率
を低下させてしまったり、メスの慣性動作中に縫製物を
動かして誤った位置を切断し縫製品質を低下させるなど
の問題が生じる可能性がある。
【0010】ところで、従来のメス駆動機構には、メス
機構が停止したときに動メスの停止位置を上死点または
下死点に移動させるためのバネ材P17が設けられ、メ
ス駆動モータP1が停止したときに該バネ材P17の作
用によってモータの回転位置がずらされて、動メス22
の位置を上死点または下死点のいずれかに移動して布の
引っ掛かりをなくすようにするのが一般的である。
【0011】そして、このようなバネ材P17を作用さ
せるために、メス駆動モータP1の非通電時のトルクや
伝動機構のトルクを軽くする必要があり、それ故、モー
タを停止させた後のメスの慣性動作が比較的長いものに
なり、ミシンの縫製部の停止後もメスが動作を続けてし
まうことになる。
【0012】また、上記のような問題点を解決するため
に、メス駆動モータとしてサーボモータやステッピング
モータを用いて、その動作位置を制御することも考えら
れるが、これらの制御には複雑な電気的制御が必要であ
ると共にモータ自体の価格も非常に高いものであり、総
合的にミシンの製造コストや開発コストを高騰させてし
まう。
【0013】[第2の課題]一般的な縫製において、ほ
つれを防止するために縫製の縫い始めと縫い終わりに重
ね縫いを行う場合がある。従来のメス付きミシンには、
例えば、自動返し縫い機能や逆送りレバーによる返し縫
い機能などが備わっており、これらの機能を作用させ
て、縫い始めと縫い終わり時に布の送り方向を逆転させ
重ね縫いを行うようになっている。
【0014】しかしながら、従来のメス付きミシンで
は、上記布の送り方向が逆転した場合でも、メスは動作
し続ける構造になっていたため、一度切断した部分が作
動しているメスに沿って再度往復することになり、例え
ば往復するときに布がずれたりすると誤った位置を切断
してしまうといった不具合が生じる。
【0015】この発明は、上記実状に鑑みてなされたも
ので、メスを駆動させて縫製と同時に布を切断していく
メス付きミシンにおいて、慣性力によるメスの余分な動
作や、布送りを逆転させた時のメスの余分な動作をシン
プルで且つ安価な構成により抑えることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、駆動して布を切断するメス
を備え、該メスで布を切断しながら縫製を行うメス付き
ミシンにおいて、ミシンの縫製部を駆動させるミシン駆
動装置と独立して設けられ前記メスを駆動させるメス駆
動装置と、該メス駆動装置の運動を前記メスまで導く伝
動機構と、前記メス駆動装置の運転停止後に前記メスの
運動を制動する制動機構とを備えた構成とした。
【0017】この請求項1記載の発明によれば、メス駆
動装置の運転停止後に制動機構がメスの運動を制動する
ので、メス駆動装置および伝動機構の慣性力によるメス
の余分な運動が制止されることとなって、従来のメス付
きミシンにあった、縫製部の停止後にメスがしばらく動
き続けてしまうと言った不具合を解消することが出来
る。従って、従来のメス付きミシンに考えられた、作業
者に違和感を与え作業効率を低下させるといった不具合
や、縫製停止後に間違えて布を切断してしまうといった
不具合を解消することが出来る。また、上記制動機構の
作用により慣性力によるメスの運動を確実に制止するこ
とが出来るので、駆動装置の非通電時のトルクや伝動機
構の運動トルクを軽くしても良く、そうすることで、例
えば、弾性部材などによりメスの駆動停止後にメスの位
置を所定の高さまで移動させる機構が備わっている場合
でも、この弾性部材によるメスの移動をスムーズに行わ
せることが出来る。
【0018】ここで、メスは、例えば、固定メスと動メ
スとを有し、これら動メスと固定メスとで布を挟んで切
断するはさみ形式のものや、メスを上下に駆動させて刃
部を布の切断箇所に摺動させて切断するのこぎり形式の
ものなど、駆動して布を切断するタイプであればどのよ
うな形式のものでも含まれる。制動機構は、メス駆動装
置の駆動部や上記伝動機構に対し接触して、その接触部
の摩擦抵抗を利用してメスの制動を行う形式でも良い
し、メス駆動装置の駆動部や上記伝動機構に対してメス
を駆動させる方向と反対の向きに力を及ぼすことでメス
の制動を行う形式のものでも良い。
【0019】請求項2記載の発明は、請求項1記載のメ
ス付きミシンにおいて、前記制動機構が、弾性部材を介
して、前記メスに伝達される運動に負荷を与える構成と
した。
【0020】この請求項2記載の発明によれば、メスの
制動が弾性部材を介して行われるので、制動力が衝撃的
でなく、緩衝されて及ぼされることとなって、制動によ
り機構全体に及ぼされる負担をやわらげることが出来
る。
【0021】具体的には、上記弾性部材は、例えば制動
機構が接触による摩擦抵抗を利用した形式であれば、そ
の接触圧力を緩衝するように制動機構中に介在させれば
良いし、或いは、制動機構がメスに伝達される運動に対
して反対向きの力を及ぼす形式であれば、その反対向き
の力を緩衝するように制動機構中に介在させれば良い。
【0022】請求項3記載の発明は、請求項2記載のメ
ス付きミシンにおいて、前記弾性部材の弾性力を調整可
能とする弾性力調整手段が設けられている構成とした。
【0023】この請求項3記載の発明によれば、メス、
メス駆動装置、上記伝動機構、および制動機構などの各
部品等のバラツキにより制動特性が変化した場合でも、
弾性部材の弾性力を変化させて、その制動特性の変化に
対応させて適切な制動特性を得ることが出来る。例え
ば、制動機構の作動からメスの停止までの停止時間を変
化させるなどすることが出来る。
【0024】具体的には、上記の弾性力調整手段は、例
えば弾性部材の一端部の止着位置を前後に可変にしてお
き、その止着位置を変更することで弾性力を調整可能と
する形式で良い。その他、レバーを設け、該レバー操作
により弾性部材の一端部の固定位置を可変にする形式な
ど、様々な形式にすることも可能である。
【0025】請求項4記載の発明は、請求項1記載のメ
ス付きミシンにおいて、前記メスが上死点と下死点との
間を往復運動して布を切断し、前記制動機構が前記伝動
機構に対して前記メスが略上死点で停止する方向に制動
力を与える構成とした。
【0026】この請求項4記載の発明によれば、制動機
構の制動力によってメスの停止位置が上死点になるよう
に制動されるので、メスの停止時に確実にメスを上死点
にもっていくことが出来る。従って、ミシン停止時にお
ける縫製物のミシンへの出し入れや縫製物の取り扱いを
簡単にすることが出来る。
【0027】ここで、メスが略上死点で停止する方向に
制動力を与える構成とは、具体的には、制動機構が接触
抵抗により制動する形式の場合、例えばメス駆動装置の
回転部の回転運動を揺動運動に変換する偏心機構などの
偏心部に制動機構の接触部を押圧させることで達成可能
である。つまり、偏心部を一定位置で押圧すれば、偏心
部のもっとも中心に近い部分が押圧位置と重なる位相で
停止することになるが、その停止する位相をメスがほぼ
上死点になる位相に合わせておけば良い。また、制動機
構がメスに伝達される運動に対して反対向きの力を及ぼ
す形式の場合、その及ぼす力の方向を、伝動機構に対し
てメスがほぼ上死点になる位相に向ければ達成される。
【0028】請求項5記載の発明は、上死点と下死点と
の間を往復運動して布を切断するメスを備え、該メスで
布を切断しながら縫製を行うメス付きミシンにおいて、
ミシンの縫製部を駆動させるミシン駆動装置と独立して
設けられ回転部の回転駆動により前記メスを駆動させる
メス駆動装置と、該メス駆動装置の運動を前記メスまで
導く伝動機構と、前記メス駆動装置の回転部に設けられ
た切欠部と、該切欠部に係合可能な係止爪と、前記メス
駆動装置の運転終了後に前記係止爪を前記切欠部に係合
させて前記メスの運動を停止させる第1停止手段とを備
え、前記切欠部が前記メスが略上死点で停止する回転位
置に設けられている構成とした。
【0029】この請求項5記載の発明によれば、係止爪
と切欠部との係合によりメス駆動装置の回転部が停止す
るので、メスの停止を極めて短時間に行うことが可能と
なり、しかも、その停止位置は確固に決まるので、メス
の停止位置を確実にほぼ上死点にすることが出来る。
【0030】ここで、切欠部を設けるメス駆動装置の回
転部は、メス駆動装置に直に備わる回転部のことだけで
なく、リンク等を介してメス駆動装置に間接的に接続さ
れている回転部等も含まれる。
【0031】請求項6記載の発明は、縫製中に布を押え
る布押えと、縫製中に駆動して縫製中の布を切断するメ
スとを備えたメス付きミシンにおいて、ミシンの縫製部
を駆動させるミシン駆動装置と独立して設けられ前記メ
スを駆動させるメス駆動装置と、該メス駆動装置の運動
を前記メスまで伝達する伝動機構と、前記メスの運動を
停止又は制動させる停止制動手段と、前記布押えを上昇
させて布の押えを開放させる昇降機構と、前記布押えの
上昇に連動させて前記停止制動手段を作動させる連動手
段とを備えた構成とした。
【0032】一般に、ミシンの縫製部を停止した後にメ
スの動作が続いてしまって困る場合は、布押えを上げて
布を動かすときであり、布押えが布を押さえている間
は、メスの動作が続いてしまっても、実質的な不具合は
生じない。この請求項6記載の発明によれば、布押さえ
の上昇に連動させてメスの運動を制動又は停止させるよ
うになっており、即ち、停止制動手段は、ミシンの縫製
部の停止では作用せず、布押さえを上げたときだけ作用
するので、停止制動手段の作動回数が必要最小限の数に
なり、停止制動手段の長寿命化が計れる。
【0033】ここで、停止制動手段は、例えば、請求項
1〜5記載の制動手段や停止手段により構成されるが、
その他、単にメス駆動装置の運転を停止させる停止手段
としても良い。連動手段は、例えば、布押さえの上昇運
動を伝達して停止制動手段を作動させるメカ的な構成と
しても良いし、布押さえの上昇を例えばセンサーなどで
検出して、該検出に基づき停止制動手段を作動させる電
気的な構成としても良い。連動手段をメカ的な構成とし
た場合、複雑な電気制御を必要としない安価な構成にす
ることが出来る。
【0034】請求項7記載の発明は、駆動して布を切断
するメスを備え、該メスで布を切断しながら縫製を行う
と共に、縫製中に布の送り方向を逆転可能なメス付きミ
シンにおいて、ミシンの縫製部を駆動させるミシン駆動
装置と独立して設けられ前記メスを駆動させるメス駆動
装置と、該メス駆動装置の運動を前記メスまで伝達する
伝動機構と、布の送り方向が逆転したことに連動させて
前記メスの駆動を停止させる第2停止手段とを備えた構
成とした。
【0035】この請求項7記載の発明によれば、布の送
り方向が逆転した場合にメスの駆動が停止されるので、
例えば重ね縫いを行う際など、切断した箇所が再びメス
の横を往復するときにメスの運動が停止することとな
り、この往復する間に間違った所を切断してしまうとい
った不具合を防ぐことが出来る。
【0036】ここで、メスは、例えば、固定メスと動メ
スとを有し、これら動メスと固定メスとで布を挟んで切
断するはさみ形式のものや、メスを上下に駆動させて刃
部を布の切断箇所に摺動させて切断するのこぎり形式の
ものなど、駆動して布を切断するタイプであればどのよ
うな形式のものでも含まれる。上記第1の停止手段は、
メス駆動装置の通電をストップさせてメスの駆動を停止
させる構成としても良いし、メスの動作に制動をかける
制動機構や強制的にメスの動作を停止させる停止機構を
用いて構成しても良い。また、メスの停止を布の送り方
向が逆転したことに連動させる構成は、例えば、布送り
の運動にリンクさせてメカ的に連動させることでも可能
であるし、布送りの運動方向を例えばセンサーで検知し
て該検知信号に基づき電気的に連動させることでも可能
である。なお、糸のほつれを防止する重ね縫いは、いっ
て戻ってまたいってと、片道で1.5回往復するように
縫製するのが一般的であり、その場合、上記のメスの駆
動停止期間は、布の送り方向の逆転から通常方向に戻る
までの2倍の期間に制御することが好ましく、そうする
ことで、切断した箇所が再びメスの横を往復する全期間
を通して、メスを停止しておくことが出来る。
【0037】請求項8記載の発明は、駆動して布を切断
するメスを備え、該メスで布を切断しながら縫製を行う
と共に、縫製中に布の送り方向を逆転可能なメス付きミ
シンにおいて、ミシンの縫製部を駆動させるミシン駆動
装置と独立して設けられ前記メスを駆動させるメス駆動
装置と、該メス駆動装置の運動を前記メスまで伝達する
と共にその伝達量が可変な可変伝動機構と、布の送り方
向が逆転したことに連動させて前記可変伝動機構の伝達
量を小さくさせて前記メスの運動をほぼ停止させる第3
停止手段とを備えた構成とした。
【0038】この請求項8記載の発明によれば、布の送
り方向が逆転した場合にメスの駆動がほぼ停止されるの
で、例えば重ね縫いを行う際など、切断した箇所が再び
メスの横を往復するときにメスの運動が停止することと
なって、この往復する間に間違った所を切断してしまう
といった不具合を防ぐことが出来る。更に、上記のメス
の停止は、メス駆動装置からメスまで運動の伝達を行う
伝動機構の伝動量を小さくすることで行われるので、メ
ス駆動装置を停止することなくメスだけをほぼ停止する
ことが出来る。従って、糸のほつれ防止のために重ね縫
いを行う際など、布送りの送り方向を短時間で逆転・再
逆転する場合に、特にメス駆動装置への負担を軽減でき
て都合が良い。
【0039】ここで、伝達量が可変な可変伝動機構は、
例えば、揺動運動を伝達するリンクの軌道を可変にする
構成など、種々の従来技術が適用可能である。
【0040】請求項9記載の発明は、請求項7又は8記
載のメス付きミシンにおいて、前記メスが刃部を布の送
り面より上方の上死点と下方の下死点との間を往復運動
させて布を切断し、前記第2停止手段、又は、前記第3
停止手段が、前記メスの刃部を布の送り面より下方で停
止させる構成とした。
【0041】この請求項9記載の発明によれば、布送り
が逆転されて布の切断箇所がメスの横を往復する際、メ
スはその刃部を布の送り面より下方に位置させた状態で
停止し、メスの側面の部分が布の切断箇所に沿ってガイ
ドの役割をする。従って、布がメスの刃部に引っかかる
ことなく、スムーズにメスの横を往復することが出来
る。
【0042】ここで、メスの位置を下方で停止させる構
成は、例えば、メス駆動装置を停止させてメスを停止さ
せる構成の場合、メス駆動装置からメスまで運動を伝達
する伝動機構に対して、メスが下方の停止位置にくる位
相位置に向けて力を作用させることで達成可能である。
例えば、伝動機構に偏心機構が含まれていれば該偏心機
構の偏心部に対して上記位相位置で停止するように押圧
力を負荷すれば良いし、揺動するリンク機構があれば該
リンク機構に対して上記位相位置に向けた力を負荷した
り、上記位相位置で係止する係止手段を付加することで
構成できる。また、可変伝動機構の伝達量を小さくする
ことでメスをほぼ停止させる構成の場合、可変伝動機構
における運動伝達量の拡大縮小の中心位置を布送り面の
下方に設定しておくことで達成できる。
【0043】請求項10記載の発明は、請求項7又は8
記載のメス付きミシンにおいて、前記メスが刃部を布の
送り面より上方の上死点と下方の下死点との間を往復運
動させて布を切断し、前記第2停止手段、又は、前記第
3停止手段による前記メスの停止位置を調整するメス停
止位置調整手段を備えた構成とした。
【0044】この請求項10記載の発明によれば、布送
りが逆転される際のメスの停止高さが調整可能であるの
で、多種多様な縫製に合わせてメスの停止高さを適切な
ものにすることが出来る。
【0045】ここで、刃部停止位置調整手段は、メスを
所定位置で停止させる構成部品の配置をずらす構成(例
えばそれら構成部品の止着位置をずらす構成)として良
いし、その他、レバーなどとリンクさせて該レバーを操
作することで上記構成部品の位置をずらす形式など、様
々な形式にすることも可能である。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図1〜図12の図面を参照しながら説明する。 [第1の実施の形態]図1は、本発明の実施の形態のメ
ス付きミシン1の全体像を示す斜視図、図2はミシン本
体部の斜視図である。この実施の形態のメス付きミシン
1は、縫製を行いながら被縫製物を切断していく機能の
他に、本発明の特徴である、縫製部の運転停止後にメス
の運動を制動する機能、並びに、重ね縫いを行う際にメ
スの運動を停止させる機能を有するミシンである。
【0047】このメス付きミシン1は、ミシン本体部
2、ミシンテーブル4、ミシン駆動装置としての縫製部
駆動装置5、制御装置7、メス駆動部100およびメス
機構200等から構成されている。ミシン本体部2には
縫製部としてのミシン針3aや布押え3bが設けられ、
ミシンテーブル4にはペダル8やひざ上げパッド9が設
けられている。また、制御装置7にはペダル8に連動し
てオン/オフする縫製部起動スイッチ7aやメス起動ス
イッチ7bなどが設けられ、ミシン本体部2の内部に
は、布押え3bの上昇を感知する布押えセンサ7c(図
5)が設けられている。
【0048】図3には、メス機構200の部分の拡大側
面図を示す。メス機構200は、ミシンのフレームに固
定された軸受け20、アーム21、動メス22、ミシン
のフレームに固定された固定メス23並びにメス駆動軸
27からなり、メス駆動軸27の揺動(往復回転運動)
によって動メス22が上下に揺動することで、動メス2
2と固定メス23との間に布(被縫製物)を挟んで、こ
の布を切断するようになっている。ここで、動メス22
が最も上がった位置が上死点、最も下がった位置が下死
点である。
【0049】固定メス23は、その上端に刃部を備え、
この刃部が針板24の上面とほぼ同位置になるように配
置されている。動メス22は、固定メス23に対向する
刃部22aと、布を刃部22aまで導く上側の上爪22
bと下側の下爪22cとを備えている。上爪22bは、
刃部22aの先に設けられている。この動メス22は、
アーム21を止着しているネジ21a,21aを緩める
ことで前後方向(図中、左右方向)に位置調整可能にな
っている。
【0050】図4には、メス駆動部100の内部機構の
側面図を示す。メス駆動部100は、メス駆動装置とし
てのメス駆動モータ31や、メス駆動モータ31の運動
をメス機構200に伝達する伝動機構(偏心カム32、
駆動ロッド33、連結リンク38,39、揺動梃34、
メス駆動軸27)、並びに、動メス22の揺動量を変更
するための調節機構(支持杆45、連結リンク43、レ
バー42(図2))、メス駆動部100の運動を制動す
る制動機構(ブレーキパッド54、ブレーキリング5
5、ブレーキアーム52、連結リンク57、アクチュエ
ータ50)、メス駆動部100の停止時に動メス22の
位置を上死点に誘導するバネ材47などから構成されて
いる。
【0051】メス駆動モータ31は、ミシンの縫製部
(ミシン針3aや布押え3b)を駆動する縫製部駆動装
置5とは別個に独立して設けられており、制御装置7に
設けられたメス起動スイッチ7bのオン/オフにより、
回転駆動の開始/停止を行うようになっている。このメ
ス駆動モータ31は、非通電時のトルクが比較的軽いも
のを使用しており、非通電時には、バネ材47の作用力
がまさって、メス駆動モータ31の回転部の回転位置が
バネ材47の作用力方向に戻されたり進められたりする
ようになっている。
【0052】伝動機構(偏心カム32、駆動ロッド3
3、連結リンク38,39、揺動梃34、メス駆動軸2
7)は、メス駆動モータ31の回転運動を揺動運動に変
換してメス機構200に伝達するものである。揺動挺3
4は連結ピン35を介して支持杆45に回動可能に支持
されている。駆動ロッド33、揺動挺34および連結リ
ンク39は、連結ピン36により互いに回動可能な状態
に連結されている。二つの連結リンク38,39は、連
結ピン40により回動可能に連結されている。メス駆動
軸27は軸受け20(図3)等に回動可能に支持されて
いる。
【0053】調節機構(支持杆45、連結リンク43、
レバー42(図2))は、レバー42を上下に操作する
ことで、揺動挺34を支持している支持杆45の位置を
変更し、この位置の変更により上記伝動機構の揺動挺3
4の軌道を変更して、上記伝動機構の運動の伝達量を変
更するものである。レバー42は連結ピン41を介し
て、支持杆45は連結ピン44を介して、それぞれ回動
可能な状態で基枠に支持されている。そして、連結リン
ク43がレバー42と支持杆45を連結している。つま
り、この調節機構と上記の伝動機構とが合わさって可変
伝動機構を構成している。
【0054】制動機構(ブレーキパッド54、ブレーキ
リング55、ブレーキアーム52、連結リンク57、ア
クチュエータ50)は、アクチュエータ50の作動によ
りブレーキリング55とブレーキパッド54とを接触さ
せて、この接触部の摩擦抵抗を利用してメス駆動部10
0の慣性運動を制動するものである。ブレーキリング5
5はメス駆動モータ31の回転部に取り付けられる一
方、ブレーキパッド54は、ブレーキアーム52と連結
リンク57を介して、アクチュエータ50の作動子51
に連結され、そのブレーキアーム52は、連結ピン53
を介して回動可能な状態で基枠に支持されている。
【0055】上記のアクチュエータ50は、例えばソレ
ノイドなどから構成され、非通電時には、バネ材56の
作用によりその作動子51を引っ込めた状態、即ち、ブ
レーキパッド54とブレーキリング55とを離らせた状
態にあるが、布押えセンサ7cによる布押え3b上昇の
検出出力に基づき通電された場合には、作動子51を押
し出す方向に作動して、ブレーキパッド54とブレーキ
リング55とを接触させるようになっている。
【0056】なお、アクチュエータ50の作動力は、メ
ス駆動モータ31の慣性動を停止させる程度の強度で良
く、更に、メス駆動モータ31の通電時の駆動に影響を
与えない程度の強さにしておくことで、布押え3bを上
昇させたまま動メス22を駆動させたい場合でも、該駆
動を行うことが出来る。
【0057】バネ材47は、その一端側が基枠に、他端
側が駆動ロッド33上に設けられたピン46に固定さ
れ、常時、駆動ロッド33に力を及ぼすようになってい
る。このバネ材47の作用力は、メス駆動モータ31の
非通電時のトルクより大きく、通電時のトルクより小さ
いものになっている。このようなトルクにより、メス駆
動モータ31への通電時には、メス駆動モータ31の回
転駆動に支障を与えない一方、メス駆動モータ31への
非通電時には、バネ材47の作用力により該バネ材47
が最も縮むところまでメス駆動モータ31の回転部を回
転させ、伝動機構の位相を所定の位相位置に戻す(或い
は進める)ようになっている。そして、この所定の位相
位置が動メス22がほぼ上死点になる位置に設定されて
いる。
【0058】図5には、布押え3bの昇降機構の概略模
式図を示す。布押え3bは、布を正しい方向に送るため
に縫製中に布を押さえる従来の一般的なもので、例え
ば、ひざ上げパッド9に連結され、該ひざ上げパッド9
を操作することで上昇して布を解放したり下降して布を
押えたりするようになっている。
【0059】詳細には、布押え3bは、バネ材2aの作
用により下方に押圧された状態で且つ上下動可能な状態
に、軸受け2bに支持されている。ひざ上げパッド9
は、押し棒9a、リンク9b、連結棒9c、引上げリン
ク9dに連結されており、ひざ上げパッド9を左に回動
させることで、引上げリンク9dが押え棒抱き2cを引
っ掛けて布押え3bを上昇させるようになっている。
【0060】布押えセンサ7cは、上記布押え3bの昇
降機構の途中に配設され、例えば光センサや磁気センサ
などにより、布押え3bの上昇を検出するものである。
【0061】また、図示しないが、制御装置7には、縫
製部を起動させる縫製部起動スイッチ7a、メス駆動部
100を起動させるメス起動スイッチ7b、布押えセン
サ7c、縫製部駆動装置5の駆動モータ、メス駆動モー
タ31、並びに、アクチュエータ50などが接続されて
おり、上記の各スイッチからのスイッチ信号やセンサか
らのセンサ信号が入力されると共に、これら信号に基づ
き、上記各モータやアクチュエータへの通電/非通電の
制御を行うようになっている。
【0062】つまり、上記布押えセンサ7cと制御装置
7とが、布押え3bの上昇に連動させてメス制動モータ
31を作動させる連動手段を構成している。
【0063】次に、上記のような構成のミシン1の動作
について説明する。先ず、縫製物をミシン1の縫製部に
載置し布押え3bを下げて縫製物をセットした後、作業
者がペダル8を踏み込むことで、縫製部起動スイッチ7
aとメス起動スイッチ7bとがほぼ同時にオン操作され
て、これらスイッチのオン信号がほぼ同時に制御装置7
に入力される。
【0064】制御装置7に縫製部起動スイッチ7aのオ
ン信号が入力されると、このオン信号の入力に基づき制
御装置7で制御がなされて、縫製部駆動装置5の駆動モ
ータに通電が行われミシン1の縫製部が駆動する。ま
た、制御装置7にメス起動スイッチ7bのオン信号が入
力されると、このオン信号の入力に基づく制御装置7の
制御により、メス駆動モータ31に通電が行われてメス
駆動部100が駆動する。
【0065】メス駆動部100が駆動すると、該メス駆
動部100の運動がメス駆動軸27を介してメス機構2
00に伝達されて、動メス22が上下に揺動運動する。
上記のような、縫製部の駆動および動メス22の揺動に
より、縫製物に例えば縁かがり縫いなどの縫製が行われ
ていくと共に、縫製物の動メス22と固定メス23とで
挟まれた部分に切断が行われていく。
【0066】縫製の終了時や縫製箇所の変更時には、作
業者がペダル8を上げることで、縫製部起動スイッチ7
aとメス起動スイッチ7bとがほぼ同時にオフ操作され
て、これらスイッチのオフ信号がほぼ同時に制御装置7
に入力される。そして、このオフ信号に基づく制御装置
7の制御により、縫製部駆動モータおよびメス駆動モー
タ31への通電が停止される。
【0067】縫製部駆動モータへの通電が停止すると、
直ちに縫製部(ミシン針3aや布送りなど)の動きが停
止する。一方、メス駆動モータ31は非通電時のトルク
が比較的に小さいものを使用しているため、メス駆動モ
ータ31の通電が停止しただけでは、メス機構200等
の慣性により動メス22の動きは縫製部の停止の後も若
干続いてしまう。
【0068】縫製の終了時や縫製箇所の変更時には、作
業者は縫製作業を効率良く行うべく、ペダル8を上げて
縫製部を停止させた後、すぐにひざ上げパッド9を操作
して布押え3bを上昇させる。布押え3bが上昇する
と、該布押え3bが上昇したことを布押えセンサ7cが
検出して、この検出信号を制御装置7に出力する。
【0069】布押えセンサ7cから検出信号が入力され
ると、制御装置7の制御によりメス駆動部100のアク
チュエータ50へ通電が行われ、該アクチュエータ50
が縮む方向に作動してブレーキパッド54とブレーキリ
ング55が接触する。そして、この接触によりメス駆動
部100の動作が停止して、動メス22の慣性による動
作が停止される。
【0070】つまり、メス駆動モータ31の通電の停止
後に動メス22の動きが慣性により続いてしまう場合で
も、布押え3bを上昇させることでメス駆動部100の
動きが制動されて上記慣性による動メス22の動作が直
ちに停止される。
【0071】また、メス駆動部100の動きが停止する
際には、バネ材47が作用して駆動ロッド33が引き戻
されて伝動機構(偏心カム32、駆動ロッド33、連結
リンク38,39、揺動梃34、メス駆動軸27)の位
相が所定位置に戻され、動メス22がほぼ上死点の位置
で停止される。
【0072】なお、アクチュエータ50の作動力は、メ
ス駆動モータ31の慣性動を停止させる程度の強度で良
く、更に、メス駆動モータ31の通電時の駆動に影響を
与えない程度の強さにしておくことで、布押え3bを上
昇させたまま動メス22を駆動させたい場合でも、該駆
動を行うことが出来る。
【0073】以上のように、この実施の形態のミシン1
によれば、メス駆動モータ31の運転停止後に制動機構
(ブレーキパッド54やブレーキリング55など)が動
メス22の運動を制動するので、メス駆動モータ31お
よび伝動機構(偏心カム32、駆動ロッド33、連結リ
ンク38,39、揺動梃34、メス駆動軸27)等の慣
性力による動メス22の余分な運動が制止されることと
なって、従来のミシンにあった、縫製部の停止後にメス
がしばらく動き続けてしまうと言った不具合を解消する
ことが出来る。
【0074】即ち、メスがしばらく動いてしまうことで
作業者に違和感を与え、作業効率を低下させてしまうと
いった不具合や、縫製停止後に間違えて布を切断してし
まうといった不具合を解消することが出来る。
【0075】また、制動機構による動メス22の運動の
制動は、メス駆動モータ31の運転の停止時の全てでは
なく、布押さえ3bの上昇に連動させて行われるので、
制動機構の作動回数が必要最小限の数になり、特にブレ
ーキパッド54やブレーキリング55などの制動機構の
長寿命化が計れる。
【0076】なお、本発明は、この実施の形態のメス付
きミシン1に限られず、例えば、メスの種類としては、
動メスと固定メスとで布を挟んで切断するタイプの他、
布に対して上下に摺動して切断するのこぎりタイプのも
のでも良いし、その他、伝動機構や制動機構の構成や配
置など、具体的に示した細部構造等は、発明の主旨に逸
脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0077】[第2の実施の形態]第2の実施の形態の
メス付きミシンは、第1の実施の形態のメス付きミシン
1とその制動機構の構成のみ異なり、その他の構成はほ
ぼ同様のものである。従って、第1の実施の形態と同様
の構成については、同符号を振って説明を省き、異なる
構成のみ説明を行う。
【0078】図6は、第2の実施の形態のメス駆動部1
00Aの内部機構を上方から眺めた図である。この実施
の形態の制動機構は、メス駆動モータ31の回転部に対
し該回転部のスラスト方向(回転軸線方向)から接触し
て(詳細には偏心カム32に接触して)制動作用を及ぼ
すものであり、図6に示すように、アクチュエータ6
0、リンク63、リンク65、ブレーキリンク66、ブ
レーキ部材67、および、制動機構に介在する弾性部材
としてのバネ材69などから構成される。
【0079】アクチュエータ60は、例えばソレノイド
などから構成され、非通電時には、バネ材62の作用に
よりその作動子61を引っ込めた状態、即ち、ブレーキ
部材67のパッド部67Bと偏心カム32とを離らせた
状態にあるが、布押えセンサ7cによる布押え3b上昇
の検出主力に基づき通電された場合には、作動子61を
引っ込む押し出す方向に作動して、ブレーキ部材67の
パッド部67Bを偏心カム32に接触させるようになっ
ている。
【0080】リンク63は、回動ピン64により回動可
能に支持され、一端側をアクチュエータ60の作動子6
1に、他端側をリンク65に接続されている。リンク6
5は、一端側をリンク63に他端側をブレーキリンク6
6に接続されている。ブレーキリンク66は、回動ピン
68により回動可能に支持され、一端をリンク65に、
他端をブレーキ部材67に接続されている。
【0081】上記のリンク65とブレーキリンク66と
の接続は、リンク65に設けられた長孔65aを介し
て、該長孔65aの長さだけ可動な状態で行われてい
る。また、ブレーキリンク66にはバネ材69が掛けら
れていて、該バネ材69の押圧力により、上記ブレーキ
リンク66とリンク65との接続点が、長孔65aの一
端側、即ち、ブレーキ部材67が偏心カム32に接触す
る側になっている。
【0082】つまり、ブレーキリンク66とリンク65
との接続点は、通常は、バネ材69の押圧力(弾性力)
により押され且つ長孔65aの一端に当接して静止した
状態にあるが、ブレーキ部材67を偏心カム32側から
押した場合、バネ材69の押圧力を負荷した状態で長孔
65aの一端から他端に架けて移動するようになってい
る。
【0083】ブレーキ部材67は、偏心カム32と接触
して摩擦抵抗により偏心カム32の運動を制動させるも
のである。ブレーキ部材67の先端側には偏心カム32
と接触するブレーキパッド67Bが設けられ、他端側に
は双股に割れた双股部67A,67Aが設けられてい
る。この双股部67A,67Aは、ブレーキ部材67を
一定の方向に向かせておくためのもので、ブレーキリン
ク66に設けられた爪片66Aに係止されてブレーキ部
材67を一定の方向に係止するようになっている。
【0084】次に、この実施の形態のメス付きミシン
1、主に、上記構成のメス駆動部100Aの動作につい
て説明する。
【0085】縫製の終了時や縫製箇所の変更時に、作業
者がペダル8を上げて縫製部を停止させた後、ひざ上げ
パッド9を操作して布押え3bを上昇させると、この布
押え3bの上昇を検出した布押えセンサ7cの検出出力
に基づく制御装置7の制御により、メス駆動部100A
のアクチュエータ60への通電が行われる。
【0086】アクチュエータ60に通電が行われると、
該アクチュエータ60の作動子61が引っ込む方向に作
動して、リンク63,65を介して該運動が伝達され
る。リンク65が図中右方向に移動すると、リンク65
とブレーキリンク66との接続点が長孔65aの一端側
から他端側に移動して、ブレーキリンク66がバネ材6
9に押圧され、ブレーキ部材67が偏心カム32にバネ
材69の押圧力(弾性力)で押圧される。
【0087】そして、ブレーキパッド67Bと偏心カム
32との接触抵抗により、メス駆動部100Aの運動に
制動が働いて動メス22の動作が直ちに停止される。
【0088】以上のように、この実施の形態のメス付き
ミシン1によれば、第1の実施の形態と同様の効果に加
え、動メス22の制動がバネ材69の弾性力を介して行
われるので、制動力が衝撃的でなく、緩衝されて及ぼさ
れることとなって、制動により機構全体に及ぼされる負
担をやわらげることが出来る。
【0089】[第3の実施の形態]第3の実施の形態の
メス付きミシンは、第1の実施の形態のメス付きミシン
1とその制動機構の構成のみ異なり、その他の構成はほ
ぼ同様のものである。従って、第1の実施の形態と同様
の構成については、同符号を振って説明を省き、異なる
構成のみ説明を行う。
【0090】図7は、第3の実施の形態のメス付きミシ
ンのテーブル4の内部機構を上方から眺めた上面透視図
である。同図中、3cは布送り、22は動メス、23は
固定メス、27はメス駆動軸、100Bはメス駆動部で
ある。この実施の形態の制動機構は、動メス22と固定
メス23との接触圧力(メス圧)を高めることで動メス
22の制動を行うもので、弾性部材としてのメス圧バネ
70、スラスト受け71、可動式バネ受け板72、並び
に、アクチュエータ73等から構成される。
【0091】メス駆動軸27は、軸線方向に可動的に支
持される共に、一端側がバネ材70により押圧された状
態にあり、他端側が動メス22を介して固定メス23に
当接した状態にある。バネ材70は、メス駆動軸27に
設けられたスラスト受け71と可動式バネ受け板72と
に挟まれており、このバネ受け板72がアクチュエータ
73の作動により位置可変になっている。
【0092】アクチュエータ73は、例えばソレノイド
などから構成され、非通電時には、バネ受け板72を押
し出した状態、即ち、メス圧バネ70の押圧力により動
メス22と固定メス23とが通常のメス圧で接触した状
態にあるが、布押え3bが上昇したことに基づき通電さ
れた場合には、バネ受け板72を引張る方向に作動し
て、メス圧バネ70の押圧力を高めるようになってい
る。
【0093】このアクチュエータ73は、ネジ75,7
5の止着位置を長孔に沿ってずらすことで、その固定位
置をメス駆動軸27の軸線方向に調整可能になっている
と共に、作動ストロークも調整可能になっている。つま
り、これら2つの調整機構が、弾性力調整手段を構成し
ており、この2つの調整により、アクチュエータ73が
作動した時のメス圧バネ70の押圧力の調整が可能にな
っている。
【0094】このような構成の制動機構によれば、縫製
の終了時や縫製箇所の変更時に、作業者がひざ上げパッ
ド9を操作して布押え3bを上昇させると、布押えセン
サ7cの検出出力に基づく制御装置7の制御により、ア
クチュエータ73へ通電が行われ、バネ受け板72が移
動してメス圧バネ70の押圧力が高くなる。そして、こ
のメス圧バネ70の押圧力が高くなることで、動メス2
2が固定メス23に強く押圧されて、動メス22の運動
が制動され直ちに停止される。
【0095】以上のように、この実施の形態のメス付き
ミシンによれば、第1の実施の形態と同様の効果に加
え、動メス22の制動がメス圧バネ70の弾性力を介し
て行われるので、制動力が衝撃的でなく、緩衝されて及
ぼされることとなって、制動により機構全体に及ぼされ
る負担をやわらげることが出来る。
【0096】更に、アクチュエータ73の固定位置の調
整および作動ストロークの調整により、メス圧バネ70
の弾性力を調整することが可能であるので、メス機構、
メス駆動モータ31、伝動機構、および制動機構などの
各部品のバラツキ等により制動特性が変化した場合で
も、上記メス圧バネ70の弾性力を変化させて、その制
動特性の変化に対応した適切な制動力に設定することが
出来る。
【0097】[第4の実施の形態]第4の実施の形態の
メス付きミシンは、第1の実施の形態のメス付きミシン
1とその制動機構の構成のみ異なり、その他の構成はほ
ぼ同様のものである。従って、第1の実施の形態と同様
の構成については、同符号を振って説明を省き、異なる
構成のみ説明を行う。
【0098】図8は、第4の実施の形態のメス駆動部1
00Cの内部機構を示す側面図である。この実施の形態
の制動機構は、切欠部80Aに係止爪としてのブレーキ
腕81を係合させて動メス22の運動を停止させるもの
で、ブレーキ板80、ブレーキ腕81、第1停止手段と
してのアクチュエータ84、および、リンク83等から
構成される。
【0099】ブレーキ板80は、メス駆動モータ31の
回転部に固定されており、その回転方向の所定の位相位
置に切欠部80Aが設けられている。この切欠部80A
の形成位置は、切欠部80Aとブレーキ腕81とが係合
した状態で動メス22がほぼ上死点に来る位置になって
いる。
【0100】ブレーキ腕81は、その先端部が切欠部8
0Aと係合する係止爪になっており、支軸82に回動可
能に支持されてリンク83によりアクチュエータ84の
作動子84aと連結されている。
【0101】アクチュエータ84は、例えばソレノイド
などから構成され、非通電時には、戻しバネ85の作用
により作動子84aを押し出した状態、即ち、ブレーキ
腕81の先端部をブレーキ板80から離らせた状態にあ
るが、通電された場合には、作動子84aを引張る方向
に作動して、ブレーキ腕81の先端部とブレーキ板80
とを接触させるようになっている。
【0102】このような構成の制動機構によれば、縫製
の終了時や縫製箇所の変更時に、作業者がひざ上げパッ
ド9を操作して布押え3bを上昇させると、布押えセン
サ7cの検出出力に基づく制御装置7の制御により、ア
クチュエータ84へ通電が行われ、ブレーキ腕81の先
端部がブレーキ板80に接触する。
【0103】ブレーキ腕81の先端部がブレーキ板80
に接触した後、ブレーキ板80は切欠部80Aがブレー
キ腕81の位置に来るまで回転を続け、その後、ブレー
キ腕81の先端部と切欠部80Aとが係合されて、メス
駆動モータ31の回転が停止される。即ち、布押え3b
を上げた後、動メス22がほぼ上死点にきた状態で直ち
に停止される。
【0104】以上のように、この実施の形態のメス付き
ミシンによれば、第1の実施の形態のメス付きミシンと
同様の効果に加え、ブレーキ腕81と切欠部80Aとの
係合によりメス駆動モータ31の回転部が停止するの
で、動メス22の停止を極めて短時間に行うことが可能
となり、しかも、その停止位置は確固に決まるので、動
メス22の停止位置を確実にほぼ上死点にすることが出
来る。
【0105】なお、本発明は、この実施の形態のメス付
きミシンに限られず、例えば、切欠部の設けられる箇所
は、メス駆動装置(メス駆動モータ31)の回転部に限
られず、該メス駆動装置にリンクされた機構に設けても
良い。そして、該切欠部と係止爪を係合させることでリ
ンク機構を停止するようにすれば良い。
【0106】[第5の実施の形態]第5の実施の形態の
メス付きミシンは、第1の実施の形態のメス付きミシン
1とその制動機構の構成のみ異なり、その他の構成はほ
ぼ同様のものである。従って、第1の実施の形態と同様
の構成については、同符号を振って説明を省き、異なる
構成のみ説明を行う。
【0107】図9には、第5の実施の形態のメス駆動部
100Dの内部機構の側面図を示す。この実施の形態の
制動機構は、メス駆動モータ31の回転運動を動メス2
2に伝達する伝動機構に対して、メスを駆動させる方向
と反対の向きに力を及ぼすことで動メス22の運動を制
動させるもので、アクチュエータ90、および、弾性部
材としてのバネ材47D等から構成される。
【0108】バネ材47Dは、一端がアクチュエータ9
0の作動子91上のピン92に、他端がメス駆動ロッド
33のピン46に掛けられ、揺動運動するメス駆動ロッ
ド33に対して該揺動運動の所定の位相位置に向かって
作用力を及ぼすようになっている。ここで、上記所定の
位相位置は、動メス22がほぼ上死点にくる位置に設定
されている。
【0109】このバネ材47Dのバネ力は、アクチュエ
ータ90が作動していない場合、メス駆動モータ31の
非通電時のトルクより強く、メス駆動モータ31の通電
時のトルクより弱いものになっている。また、アクチュ
エータ90が作動してその作動子91が引っぱられた場
合、メス駆動モータ31の非通電時のトルクに対してよ
り強い(メス駆動モータ31の慣性動がすぐに停止する
程度に強い)バネ力になっている。
【0110】アクチュエータ90は、例えばソレノイド
などから構成され、非通電時には、バネ材47Dの作用
により作動子91を押し出した状態にあるが、布押え3
bの上昇に基づき通電された場合には、作動子91を引
張る方向に作動させて、メス駆動ロッド33に対するバ
ネ材47Dの作用力を増加させるようになっている。
【0111】また、このアクチュエータ90は、取付け
板94の長孔94a,94aを介して基枠に固定されて
おり、その固定位置を作動子91の作動方向に変更可能
にしている。また、このアクチュエータ90には、作動
子91の動作距離を調整する調整手段(調整ナット)9
3が設けられている。
【0112】つまり、これら長孔94a,94aと調整
手段93とが弾性力調整手段を構成しており、長孔94
a,94aを介してアクチュエータ90の固定位置およ
び作動子91の動作距離を調整することで、アクチュエ
ータ90の非通電時におけるバネ材47Dのバネ力と、
通電時におけるバネ材47Dのバネ力とが調整可能にな
っている。
【0113】このような構成の制動機構によれば、縫製
の終了時や縫製箇所の変更時に、作業者がひざ上げパッ
ド9を操作して布押え3bを上昇させると、布押えセン
サ7cの検出出力に基づく制御装置7の制御により、ア
クチュエータ90へ通電が行われ、作動子91が作動し
てバネ材47Dの引張力が増加する。
【0114】バネ材47Dの引張力が増加すると、メス
駆動ロッド33の慣性運動が進まず、バネ材47Dが最
もメス駆動ロッド33を引っ張った位置で停止する。即
ち、布押え3bを上げた後、動メス22の運動が直ちに
ほぼ上死点で停止する。
【0115】以上のように、この第5の実施の形態のメ
ス付きミシンによれば、第1の実施の形態と同様の効果
に加え、動メス22の制動がバネ材47Dの弾性力を介
して行われるので、制動力が衝撃的でなく、緩衝されて
及ぼされることとなって、制動により機構全体に及ぼさ
れる負担をやわらげることが出来る。
【0116】更に、アクチュエータ90の固定位置の調
整および調整ナット93による作動子の作動量の調整に
より、バネ材47Dの弾性力を調整することが可能であ
るので、メス機構、メス駆動モータ31、伝動機構、お
よび制動機構などの各部品のバラツキ等により制動特性
が変化した場合でも、上記バネ材47Dの弾性力を変化
させて、その制動特性の変化に対応した適切な制動力に
設定することが出来る。
【0117】また、制動機構の制動力によって動メス2
2の停止位置が上死点になるように制動されるので、動
メス22の停止時に確実に動メス22を上死点にもって
いくことが出来る。従って、ミシン停止時における縫製
物のミシンへの出し入れや縫製物の取り扱いを簡単にす
ることが出来る。
【0118】[第6の実施の形態]第6の実施の形態の
メス付きミシンは、第1の実施の形態のメス付きミシン
1とその制動機構の構成のみ異なり、その他の構成はほ
ぼ同様のものである。従って、第1の実施の形態と同様
の構成については、同符号を振って説明を省き、異なる
構成のみ説明を行う。
【0119】図10には、第6の実施の形態のメス駆動
部100Eの内部機構の側面図を示す。この実施の形態
の制動機構は、ブレーキパッド101Aを偏心カム32
の側面に接触させることで動メス22の運動を制動させ
ると共に、該ブレーキパッド101Aの押圧により偏心
カム32の停止位置を所定の位相位置にするもので、ア
クチュエータ104、リンク103、および、ブレーキ
腕101等から構成される。
【0120】ブレーキ腕101は、その先端にブレーキ
パッド101Aが設けられ、回動軸102により回動可
能に支持されている。このブレーキ腕101はリンク1
03を介してアクチュエータ104の作動子104aに
連結されている。また、ブレーキ腕101の回動による
ブレーキパッド101Aと偏心カム32との接触位置
は、ブレーキパッド101Aが偏心カム32を最も押し
た位置が、動メス22がほぼ上死点にくる位置に設定さ
れている。
【0121】アクチュエータ104は、例えばソレノイ
ドなどから構成され、非通電時には、バネ材105の作
用により作動子104aを押しだした状態、即ち、ブレ
ーキパッド101Aを偏心カム32から離らせた状態に
あるが、布押え3bの上昇に基づき通電された場合に
は、作動子104を引張る方向に作動させて、ブレーキ
パッド101Aを偏心カム32の側面に押圧するように
なっている。
【0122】このような構成の制動機構によれば、縫製
の終了時や縫製箇所の変更時に、作業者がひざ上げパッ
ド9を操作して布押え3bを上昇させると、布押えセン
サ7cの検出出力に基づく制御装置7の制御により、ア
クチュエータ104へ通電が行われて、作動子104a
が作動しブレーキパッド101Aが偏心カム32の側面
に押圧される。
【0123】ブレーキパッド101Aが偏心カム32の
側面に押圧されると、その接触抵抗により偏心カム32
の回転に制動が負荷されると共に、偏心カム32を最も
押した位相位置で停止させる。即ち、布押え3bを上げ
た後、動メス22の運動が直ちにほぼ上死点で停止す
る。
【0124】以上のように、この実施の形態のメス付き
ミシンによれば、第1の実施の形態と同様の効果に加
え、制動機構の制動力によって動メス22の停止位置が
上死点になるように制動されるので、動メス22の停止
時に確実に動メス22を上死点にもっていくことが出来
る。従って、ミシン停止時における縫製物のミシンへの
出し入れや縫製物の取り扱いを簡単にすることが出来
る。
【0125】[第7の実施の形態]第7の実施の形態の
メス付きミシンは、新たな構成として、動メス22の停
止位置を下死点側に押し下げる停止機構が備わっている
点で、第1の実施の形態のメス付きミシン1と異なり、
その他の構成はほぼ同様のものである(第1の実施の形
態の制動機構は省略している)。従って、第1の実施の
形態と同様の構成については、同符号を振って説明を省
き、異なる構成およびその作用のみ説明を行う。
【0126】この実施の形態のメス付きミシンは、縫製
を行いながら被縫製物を切断していく機能や、縫製物の
送りを逆転して返し縫いを行う機能に加え、本発明の特
徴である、返し縫いが行われた際にメスの運転を停止す
ると共にメスの停止位置を下死点側に下げる機能を有す
るミシンである。
【0127】このメス付きミシンには、図示しない逆送
りスイッチや逆送りレバーなどが設けられ、該スイッチ
又はレバーを操作することで、布送りの動きを逆転させ
るようになっている。また、このメス付きミシンには、
図示しない逆送りセンサーが設けられており、布送りが
逆転した場合に、この逆転を検出して制御装置7に出力
するようになっている。
【0128】また、この実施の形態のメス付きミシンの
制御装置7は、布送りセンサーからの検出出力に基づ
き、布送りの運動が逆転した場合に、メス駆動モータ3
1への通電を停止して後述のアクチュエータ111に通
電を行うようになっている。即ち、この制御装置7が、
布の送り方向が逆転したことに連動させて動メス22の
駆動を停止させる第2停止手段を構成している。また、
この制御装置7によるメス駆動モータ31への通電の停
止は、布送りの運転が逆転してから開始され、この逆転
から再び通常の向きに戻されるまでの2倍の時間間隔行
われるようになっている。
【0129】図11には、第7の実施の形態のメス駆動
部100Fの内部機構の側面図を示す。この実施の形態
のメス駆動部100Fには、メス駆動装置としてのメス
駆動モータ31や、メス駆動モータ31の運動をメス機
構200に伝達する伝動機構(偏心カム32、駆動ロッ
ド33、連結リンク38,39、揺動梃34、メス駆動
軸27)、メス駆動部100の停止時に動メス22の位
置を上死点に誘導するバネ材47、動メス22の揺動量
を変更するための調節機構(支持杆45、連結リンク4
3、レバー42)、並びに、動メス22を下死点側に押
し下げて停止させる第2停止手段を構成する停止機構
(アクチュエータ111、押し下げ板110)などが設
けられている。
【0130】停止機構(アクチュエータ111、押し下
げ板110)は、メス駆動モータ31から動メス22側
に運動を伝達するメス駆動ロッド33に対して、所定の
方向(図示例では左上から右下)に力を作用させること
で、動メス22を下死点側に停止させるものである。
【0131】押し下げ板110は、アクチュエータ11
1に接続されて該アクチュエータ111の作動によりそ
の位置を変化させるようになっている。この押し下げ板
110には、案内リング110Aが設けられ、該案内リ
ング110Aにメス駆動ロッド33上のピン46が挿入
されている。この案内リング46は、ピン46に比べて
大きく形成されており、通常時(動メス22の駆動時)
には、ピン46と接触せずにメス駆動ロッド33の運動
に支障を与えないようになっているが、アクチュエータ
111が作動した際には、ピン46を案内してメス駆動
ロッド33の停止位置を確実に所定の位置まで押し込む
ようになっている。
【0132】アクチュエータ111は、非通電時には、
戻しバネ112の作用により押し下げ板110を引き戻
した状態、即ち、案内リング110Aをピン46と接触
させない状態にしているが、通電時には、押し下げ板1
10を押し出す方向に作動させて、該押し下げ板110
でピン46を所定の方向(図示例では左上から右下)に
押圧するようになっている。
【0133】このアクチュエータ111は取付基部11
4を基枠に止着されて固定されていると共に、この固定
位置がアクチュエータ111の作動方向に調整可能にな
っている。また、調整ナット113は、アクチュエータ
111の作動ストロークを調整するものである。これら
アクチュエータ111の固定位置の調整機構および作動
ストロークの調整機構は、刃部停止位置調整手段を構成
しており、これらの調整により、メス駆動ロッド33の
押し下げ位置すなわち動メス22の停止位置を調整可能
になっている。
【0134】次に、この実施の形態のメス付きミシンの
動作について説明する。例えば、縫製の縫い始めや縫い
終わりなどに重ね縫いを行う場合、作業者は縫製中に逆
送りスイッチや逆送りレバーを操作して、布の送りを反
転させる。布の送りが反転されると、布送りセンサーが
布送りの反転を検出してこの検出信号を制御装置7に出
力し、該検出信号に基づき制御装置7が、メス駆動モー
タ31への通電を停止すると共に(或いは比較的短い時
間間隔をおいて)、アクチュエータ111に通電を開始
する。
【0135】メス駆動モータ31への通電が停止される
と、比較的短い時間間隔をおいてメス駆動モータ31や
伝動機構(偏心カム32、駆動ロッド33、連結リンク
38,39、揺動梃34、メス駆動軸27)の駆動が停
止される。更に、アクチュエータ111の通電が開始さ
れると、押し下げ板110がメス駆動ロッド33を所定
の位置まで押し下げる。そして、動メス22が下死点側
の所定の位置まで下げられて停止する。
【0136】ここで、動メス22の停止位置は、動メス
22の刃部22aが針板24の上面より沈んだ位置で、
且つ、動メス22の案内爪22bが針板24の上面より
浮いた位置に設定されている。この設定により、動メス
22の側面部が布の縁に接して布をガイドすると共に、
案内爪22bが布をガイドして、再び動メス22を駆動
させる際に布を押し上げて動メス22から外してしまう
のを防止する。
【0137】布の送りを反転させて返し縫いを所定スト
ローク行った後、作業者が逆送りスイッチや逆送りレバ
ーを操作するか、或いは、自動的に、布送りの運動が順
転方向に戻される。その後、上記逆転から順転に戻され
るまでの時間が更に経過するまで、メス駆動モータ31
への通電が停止されると共に、アクチュエータ111へ
の通電が続けられる。
【0138】上記の動メス22が停止している間に、同
じ縫製箇所において片道で1.5往復の重ね縫いが行わ
れる。
【0139】布送りの運動が順転方向に戻されて、更に
上記逆転から順転に戻されるまでの時間が経過すると、
制御装置7の制御により、メス駆動モータ31への通電
が再び開始されると共に、アクチュエータ111への通
電が停止される。そして、通常の縫製に戻される。
【0140】以上のように、この実施の形態のメス付き
ミシンによれば、布の送り方向が逆転した場合に動メス
22の駆動が停止されるので、例えば重ね縫いを行う際
など、切断した箇所が再びメスの横を往復するときにメ
スの運動が停止することとなり、この往復する間に間違
った所を切断してしまうといった不具合を防ぐことが出
来る。
【0141】また、布送りが逆転されて布の切断箇所が
メスの横を往復する際、動メス22はその刃部22aを
布の送り面より下方に位置させた状態で停止し、動メス
22の側面が布の切断箇所に沿ってガイドの役割をする
ので、布が動メス22の刃部22aに引っかかることな
く、スムーズに動メス22の横を往復することが出来
る。
【0142】また、アクチュエータ111の固定位置や
作動ストローク量を調整することで、布送りが逆転され
る際の動メス22の停止高さが調整可能であるので、多
種多様な縫製に合わせて動メス22の停止高さを適切な
ものにすることが出来る。
【0143】なお、本発明は、この実施の形態のメス付
きミシンに限られず、例えば、動メス22を下死点側で
停止させる停止機構は、メス駆動ロッド33に力を作用
させることで上記の停止を行っているが、メス駆動モー
タ31や伝動機構(偏心カム32、駆動ロッド33、連
結リンク38,39、揺動梃34、メス駆動軸27)並
びにメス機構200などに力を作用させることで上記の
停止を行うようにしても良い。また、布送りの逆転に伴
う動メス22の停止を、メス駆動モータ22への通電の
停止により行っているが、メス駆動モータ31や伝動機
構を制動することで停止させるようにしても良い。その
他、具体的に示した細部構造等は、発明の主旨を逸脱し
ない範囲で適宜変更可能である。
【0144】[第8の実施の形態]第8の実施の形態の
メス付きミシンは、第7の実施の形態と、動メス22の
停止位置を下死点側に押し下げる停止機構の構成のみが
異なり、その他の構成はほぼ同様のものである。従っ
て、第7の実施の形態と同様の構成については、同符号
を振って説明を省き、異なる構成のみ説明を行う。
【0145】図12は、第8の実施の形態のメス駆動部
の内部機構を示す側面図である。この実施の形態の停止
機構(第3停止手段)は、メス駆動モータ31からメス
機構200に伝達される運動量を変更する伝動量変更機
構(支持杆45、連結リンク43)や、モータ120、
並びに、駆動アーム122等から構成される。
【0146】上記の伝動量変更機構(支持杆45、連結
リンク43)は、上述したように揺動梃35の支点位置
を変更することで、伝動機構(偏心カム32、駆動ロッ
ド33、連結リンク38,39、揺動梃34、メス駆動
軸27)の伝動量を変更するものである。
【0147】この伝動量変更機構は、動メス22の動き
を所定の位置を中心に拡大縮小するように設定されてお
り、この所定の位置が、動メス22の刃部22aが布板
23より低くなり、動メス22の案内爪22bが布板2
3より高くなる位置になっている。
【0148】モータ120は、パルスモータ等のサーボ
モータから構成されており、回転軸121および駆動ア
ーム122をその回転位置を制御可能に回転させるもの
である。このモータ120は、制御装置7に接続され、
該制御装置7の制御により所定の回転位置で回転制御さ
れるようになっている。駆動アーム122はリンク43
に連結され、該駆動アーム122の回動により上記伝動
量変更機構を動かして伝動機構の伝動量を変化するよう
になっている。
【0149】次に、この実施の形態のメス付きミシンの
動作について説明する。例えば、重ね縫いを行う際に、
作業者は縫製中に逆送りスイッチや逆送りレバーを操作
して、布の送りを反転させると、布送りセンサーが布送
りの反転を検出してこの検出信号を制御装置7に出力
し、該検出信号に基づき制御装置7が、モータ120に
制御信号を出力して、モータ120を所定量だけ回転さ
せる。
【0150】モータ120が所定量だけ回転すると、リ
ンク43を介して支持杆45が回動し、揺動梃34の支
持軸35の位置が所定量だけ移動して、伝動機構(偏心
カム32、駆動ロッド33、連結リンク38,39、揺
動梃34、メス駆動軸27)の伝動量が変更される。こ
こで、前記モータ120の回転量および支持軸35の位
置の移動量は、上記伝動機構の伝動量がほぼ「0」にな
る量に設定されている。
【0151】即ち、動メス22が、動メス22の刃部2
2aが針板24の上面より沈んだ位置で、且つ、動メス
22の案内爪22bが針板24の上面より浮いた位置に
ほぼ停止される。
【0152】布の送りを反転させて返し縫いを所定スト
ローク行った後、作業者が逆送りスイッチや逆送りレバ
ーを操作するか、或いは、自動的に、布送りの運動が順
転方向に戻される。その後、上記逆転から順転に戻され
るまでの時間が更に経過するまで、モータ120の回転
制御は行われない。
【0153】そして、動メス22が停止している間に、
同じ縫製箇所において片道で1.5往復の重ね縫いが行
われる。
【0154】布送りの運動が順転方向に戻されて、更に
上記逆転から順転に戻されるまでの時間が経過すると、
制御装置7の制御により、動メス22に回転軸121お
よび駆動アーム122を元の位置まで戻す制御信号が出
力され、伝動機構(偏心カム32、駆動ロッド33、連
結リンク38,39、揺動梃34、メス駆動軸27)の
伝動量が元に戻されて、通常の縫製に戻る。
【0155】以上のように、この実施の形態のメス付き
ミシンによれば、第7の実施の形態と同様の効果に加
え、動メス22の停止が、メス駆動モータ31から動メ
ス22まで運動の伝達を行う伝動機構の伝動量を小さく
することで行われるので、メス駆動モータ31を運転を
停止することなく動メス22だけをほぼ停止することが
出来る。従って、重ね縫いを行う際など、布送りの送り
方向を短時間で逆転・再逆転する場合に、メス駆動モー
タ31への負担を軽減できて都合が良い。
【0156】なお、本発明は、この実施の形態のメス付
きミシンに限られず、例えば、伝動量変更機構を動かす
手段としてサーボモータを使用しているが、回転量の制
御が効かないモーターやソレノイドなどのアクチュエー
タを用いても良く、伝動量変更機構の移動量の制御は例
えばストッパーを設けて、該ストッパーを伝動量変更機
構に当接することでその移動量を制御するようにしても
良い。また、第1〜第6の実施の形態では、布押え3b
の上昇に連動させて動メス22の運動を制動したり強制
停止したりしたが、この第1〜第6の実施の形態で示し
た、動メス22の運動を制動したり強制停止したりする
手段を用いて、布送りの逆転時に動メス22の運動を制
動したり強制停止しても良い。また、第7、第8の実施
の形態では、布送りの逆転時に動メス22の運動の停止
(又は揺動量の縮小)および停止位置の強制移動を行っ
ていたが、この第7、第8の実施の形態で示した、動メ
ス22の運動の停止(又は揺動量の縮小)および停止位
置の強制移動を、布押え3bの上昇に連動させて行うよ
うにしても良い。但し、布押え3bの上昇と連動させる
場合には、動メス22の停止位置を上支点側に設定する
と良く、そうすることで、布のセット・交換等が行い易
く都合が良い。
【0157】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、メス駆動
装置の運転停止後に制動機構がメスの運動を制動するの
で、メス駆動装置および伝動機構の慣性力によるメスの
余分な運動が制止されることとなって、従来のメス付き
ミシンにあった、縫製部の停止後にメスがしばらく動き
続けてしまうと言った不具合を解消することが出来る。
即ち、メスがしばらく動いてしまうことで作業者に違和
感を与え、作業効率を低下させてしまうといった不具合
や、縫製停止後に間違えて布を切断してしまうといった
不具合を解消することが出来る。
【0158】請求項2記載の発明によれば、メスの制動
が弾性部材を介して行われるので、制動力が衝撃的でな
く、緩衝されて及ぼされることとなって、制動により機
構全体に及ぼされる負担をやわらげることが出来る。
【0159】請求項3記載の発明によれば、メス、メス
駆動装置、伝動機構、および制動機構などの各部品のバ
ラツキ等により制動特性が変化した場合でも、弾性部材
の弾性力を変化させて、その制動特性の変化に対応させ
て適切な制動力に設定することが出来る。
【0160】請求項4記載の発明によれば、制動機構の
制動力によってメスの停止位置が上死点になるように制
動されるので、メスの停止時に確実にメスを上死点にも
っていくことが出来る。従って、ミシン停止時における
縫製物のミシンへの出し入れや縫製物の取り扱いを簡単
にすることが出来る。
【0161】請求項5記載の発明によれば、係止爪と切
欠部との係合によりメス駆動装置の回転部が停止するの
で、メスの停止を極めて短時間に行うことが可能とな
り、しかも、その停止位置は確固に決まるので、メスの
停止位置を確実にほぼ上死点にすることが出来る。
【0162】請求項6記載の発明によれば、停止制動手
段によりメスの運動の制動又は停止は、メス駆動装置の
運転停止時ではなく、布押さえの上昇に連動させて行わ
れるようになっているので、停止制動手段の作動回数が
必要最小限の数になり、停止制動手段の長寿命化が計れ
る。
【0163】請求項7記載の発明によれば、布の送り方
向が逆転した場合にメスの駆動が停止されるので、例え
ば重ね縫いを行う際など、切断した箇所が再びメスの横
を往復するときにメスの運動が停止することとなり、こ
の往復する間に間違った所を切断してしまうといった不
具合を防ぐことが出来る。
【0164】請求項8記載の発明によれば、布の送り方
向が逆転した場合にメスの駆動がほぼ停止されるので、
例えば重ね縫いを行う際など、切断した箇所が再びメス
の横を往復するときにメスの運動が停止することとなっ
て、この往復する間に間違った所を切断してしまうとい
った不具合を防ぐことが出来る。更に、上記のメスの停
止は、メス駆動装置からメスまで運動の伝達を行う伝動
機構の伝動量を小さくすることで行われるので、メス駆
動装置を運転を停止することなくメスだけをほぼ停止す
ることが出来る。従って、糸のほつれ防止のために重ね
縫いを行う際など、布送りの送り方向を短時間で逆転・
再逆転する場合に、特にメス駆動装置への負担を軽減で
きて都合が良い。
【0165】請求項9記載の発明によれば、布送りが逆
転されて布の切断箇所がメスの横を往復する際、メスは
その刃部を布の送り面より下方に位置させた状態で停止
し、メスの側面の部分が布の切断箇所に沿ってガイドの
役割をする。従って、布がメスの刃部に引っかかること
なく、スムーズにメスの横を往復することが出来る。
【0166】請求項10記載の発明によれば、布送りが
逆転される際のメスの停止高さが調整可能であるので、
多種多様な縫製に合わせてメスの停止高さを適切なもの
にすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のメス付きミシン1の全体
像を示す斜視図である。
【図2】図1におけるミシン本体部を示す斜視図であ
る。
【図3】図1におけるメス機構の内部機構を示す拡大側
面図である。
【図4】第1の実施の形態のメス駆動部の内部機構を示
す側面図である。
【図5】図1における布押えの昇降機構の概略模式図を
示す。
【図6】第2の実施の形態のメス駆動部の内部機構を上
方から眺めた図である。
【図7】第3の実施の形態のメス付きミシン(テーブル
部分)の内部機構を上方から眺めた上面透視図である。
【図8】第4の実施の形態のメス駆動部の内部機構を示
す側面図である。
【図9】第5の実施の形態のメス駆動部の内部機構を示
す側面図である。
【図10】第6の実施の形態のメス駆動部の内部機構を
示す側面図である。
【図11】第7の実施の形態のメス駆動部の内部機構を
示す側面図である。
【図12】第8の実施の形態のメス駆動部の内部機構を
示す側面図である。
【図13】布を切断しながら縫製を行う従来のミシンに
おけるメス駆動機構の一例を示す側面図である。
【符号の説明】 1 メス付きミシン 2 ミシン本体 3a ミシン針 3b 布押さえ 4 テーブル 5 縫製部駆動装置 7 制御装置 7a 縫製部起動スイッチ 7b メス起動スイッチ 7c 布押さえセンサ(連動手段) 8 ペダル 9 ひざ上げパッド(昇降機構) 22 動メス 23 固定メス 24 針板 27 メス駆動軸 31 メス駆動モータ(メス駆動装置) 32 偏心カム(可変伝動機構) 33 メス駆動ロッド(可変伝動機構) 34 揺動梃(可変伝動機構) 38 連結リンク(可変伝動機構) 39 連結リンク(可変伝動機構) 42 レバー(可変伝動機構) 43 連結リンク(可変伝動機構) 45 支持杆(可変伝動機構) 50 アクチュエータ(制動機構:第1の実施の形
態) 54 ブレーキリング(制動機構) 55 ブレーキパッド(制動機構) 60 アクチュエータ(制動機構:第2の実施の形
態) 67 ブレーキ部材(制動機構) 69 バネ部材(弾性部材:第3の実施の形態) 70 メス圧バネ(弾性部材) 72 バネ受け板(制動機構) 73 アクチュエータ(制動機構) 80 ブレーキ板(第1停止手段:第4の実施の形
態) 80A 切欠部 81 ブレーキ腕(係止爪) 84 アクチュエータ(第1停止手段) 90 アクチュエータ(制動機構:第5の実施の形
態) 47D バネ材(弾性部材) 93 調整ナット(弾性力調整手段) 94a 長孔(弾性力調整手段) 101 ブレーキアーム(制動機構:第6の実施の形
態) 104 アクチュエータ(制動機構) 110 押し下げ板(第2停止手段:第7の実施の形
態) 111 アクチュエータ(第2停止手段) 113 調整ナット(メス停止位置調整手段) 120 アクチュエータ(第3停止手段、メス停止位
置調整手段:第8の実施の形態)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動して布を切断するメスを備え、該メ
    スで布を切断しながら縫製を行うメス付きミシンにおい
    て、 ミシンの縫製部を駆動させるミシン駆動装置と独立して
    設けられ前記メスを駆動させるメス駆動装置と、 該メス駆動装置の運動を前記メスまで導く伝動機構と、 前記メス駆動装置の運転停止後に前記メスの運動を制動
    する制動機構とを備えたことを特徴とするメス付きミシ
    ン。
  2. 【請求項2】 前記制動機構は、弾性部材を介して、前
    記メスに伝達される運動に負荷を与えることを特徴とす
    る請求項1記載のメス付きミシン。
  3. 【請求項3】 前記弾性部材の弾性力を調整可能とする
    弾性力調整手段を設けたことを特徴とする請求項2記載
    のメス付きミシン。
  4. 【請求項4】 前記メスは上死点と下死点との間を往復
    運動して布を切断し、 前記制動機構は前記伝動機構に対して前記メスが略上死
    点で停止する方向に制動力を与えることを特徴とする請
    求項1記載のメス付きミシン。
  5. 【請求項5】 上死点と下死点との間を往復運動して布
    を切断するメスを備え、該メスで布を切断しながら縫製
    を行うメス付きミシンにおいて、 ミシンの縫製部を駆動させるミシン駆動装置と独立して
    設けられ回転部の回転駆動により前記メスを駆動させる
    メス駆動装置と、 該メス駆動装置の運動を前記メスまで導く伝動機構と、 前記メス駆動装置の回転部に設けられた切欠部と、 該切欠部に係合可能な係止爪と、 前記メス駆動装置の運転終了後に前記係止爪を前記切欠
    部に係合させて前記メスの運動を停止させる第1停止手
    段とを備え、 前記切欠部が前記メスが略上死点で停止する回転位置に
    設けられていることを特徴とするメス付きミシン。
  6. 【請求項6】 縫製中に布を押える布押えと、縫製中に
    駆動して縫製中の布を切断するメスとを備えたメス付き
    ミシンにおいて、 ミシンの縫製部を駆動させるミシン駆動装置と独立して
    設けられ前記メスを駆動させるメス駆動装置と、 該メス駆動装置の運動を前記メスまで伝達する伝動機構
    と、 前記メスの運動を停止又は制動させる停止制動手段と、 前記布押えを上昇させて布の押えを開放させる昇降機構
    と、 前記布押えの上昇に連動させて前記停止制動手段を作動
    させる連動手段とを備えたことを特徴とするメス付きミ
    シン。
  7. 【請求項7】 駆動して布を切断するメスを備え、該メ
    スで布を切断しながら縫製を行うと共に、縫製中に布の
    送り方向を逆転可能なメス付きミシンにおいて、 ミシンの縫製部を駆動させるミシン駆動装置と独立して
    設けられ前記メスを駆動させるメス駆動装置と、 該メス駆動装置の運動を前記メスまで伝達する伝動機構
    と、 布の送り方向が逆転したことに連動させて前記メスの駆
    動を停止させる第2停止手段とを備えたことを特徴とす
    るメス付きミシン。
  8. 【請求項8】 駆動して布を切断するメスを備え、該メ
    スで布を切断しながら縫製を行うと共に、縫製中に布の
    送り方向を逆転可能なメス付きミシンにおいて、 ミシンの縫製部を駆動させるミシン駆動装置と独立して
    設けられ前記メスを駆動させるメス駆動装置と、 該メス駆動装置の運動を前記メスまで伝達すると共にそ
    の伝達量が可変な可変伝動機構と、 布の送り方向が逆転したことに連動させて前記可変伝動
    機構の伝達量を小さくさせて前記メスの運動をほぼ停止
    させる第3停止手段とを備えたことを特徴とするメス付
    きミシン。
  9. 【請求項9】 前記メスは刃部を布の送り面より上方の
    上死点と下方の下死点との間を往復運動させて布を切断
    し、 前記第2停止手段、又は、前記第3停止手段は、前記メ
    スの刃部を布の送り面より下方で停止させることを特徴
    とする請求項7又は8記載のメス付きミシン。
  10. 【請求項10】 前記メスは刃部を布の送り面より上方
    の上死点と下方の下死点との間を往復運動させて布を切
    断し、 前記第2停止手段、又は、前記第3停止手段による前記
    メスの停止位置を調整するメス停止位置調整手段を備え
    たことを特徴とする請求項7又は8記載のメス付きミシ
    ン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006218189A (ja) * 2005-02-14 2006-08-24 Juki Corp ミシン
CN110079940A (zh) * 2018-09-14 2019-08-02 南通迈威智能科技有限公司 缝纫机垂直式高速切刀机构

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