JPH07307254A - 電解コンデンサー用パッキンゴム形成組成物 - Google Patents

電解コンデンサー用パッキンゴム形成組成物

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JPH07307254A
JPH07307254A JP12472194A JP12472194A JPH07307254A JP H07307254 A JPH07307254 A JP H07307254A JP 12472194 A JP12472194 A JP 12472194A JP 12472194 A JP12472194 A JP 12472194A JP H07307254 A JPH07307254 A JP H07307254A
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清 森
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Koji Takeda
孝司 武田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特定の電解液に対して化学的に安定で、当該
電解液を封止する場合においても、長期にわたり良好な
シール性を有するパッキンゴムを形成することのできる
組成物を提供することにある。また、混練加工による製
造が容易な電解コンデンサー用パッキンゴム形成組成物
を提供することにある。 【構成】 (A)ブチルゴム100重量部と、(B)ア
ルミニウム系充填剤20〜300重量部と、(C)架橋
剤0.1〜30重量部と、(D)架橋剤以外のゴム薬品
1〜20重量部と、(E)アルミニウム系以外の充填剤
0〜100重量部とが含有されていることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電解コンデンサー用パ
ッキンゴム形成組成物に関し、更に詳しくは、電解液に
対して化学的に安定であって長期にわたり良好なシール
性を有する電解コンデンサー用パッキンゴムを形成する
ことのできる組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】電解コンデンサーにおける電解液の封止
部材として、各種のパッキンゴムが用いられている。そ
して、特にブチルゴムを原料ゴムとするパッキンゴム
は、他のゴム材料(例えばNR,EPDM,EPM)を
原料ゴムとするものに比べて電解液の透過性が小さく
て、耐熱性にも優れていることから、100℃程度の高
温条件下で運転される電解コンデンサーにおいて好適に
使用されている。一方、最近において、電解コンデンサ
ーの性能の向上を図るために、電解液の構成成分である
ジメチルホルムアミドに代えて第4級アンモニウムであ
るテトラメチルアンモニウムヒドロキシドが使用されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
パッキンゴムは、テトラメチルアンモニウムヒドロキシ
ド水溶液からなる電解液に対して化学的に不安定であ
り、このことは、ブチルゴムをベースとする従来のパッ
キンゴムにおいても例外ではない。このため、テトラメ
チルアンモニウムヒドロキシド水溶液からなる電解液を
封止しているパッキンゴムは、当該電解液が内部に浸透
することによって膨潤し、これによって、パッキンゴム
のシール性が損なわれて電解液の漏れが発生する。この
ような事情から、斯かる電解液に対しても化学的に安定
な性質を有する(以下「耐電解液性」ともいう)パッキ
ンゴムの開発が望まれている。
【0004】本発明は以上のような事情に基いてなされ
たものである。本発明の第1の目的は、電解液、特にテ
トラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液からなる電
解液に対して不活性(化学的に安定)なパッキンゴムを
形成することのできる組成物を提供することにある。本
発明の第2の目的は、テトラメチルアンモニウムヒドロ
キシド水溶液からなる電解液を封止する場合において
も、長期にわたり良好なシール性を有するパッキンゴム
を形成することのできる組成物を提供することにある。
本発明の第3の目的は、混練加工による製造が容易な電
解コンデンサー用パッキンゴム形成組成物を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題について鋭意研究を重ねた結果、特定種類の無機化合
物を特定の割合で充填してなるブチルゴムベースのゴム
組成物を架橋することによって、テトラメチルアンモニ
ウムヒドロキシド水溶液に対する化学的安定性が、従来
のものに比べて格段に優れたパッキンゴムが得られるこ
とを見出し、斯かる知見に基いて本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明の電解コンデンサー用パ
ッキンゴム形成組成物は、(A)ブチルゴム100重量
部と、(B)アルミニウム系充填剤20〜300重量部
と、(C)架橋剤0.1〜30重量部と、(D)架橋剤
以外のゴム薬品1〜20重量部と、(E)アルミニウム
系以外の充填剤0〜100重量部とが含有されているこ
とを特徴とする。 本発明のパッキンゴム形成組成物においては、
(B)アルミニウム系充填剤として、水酸化アルミニウ
ム粉末および/または酸化アルミニウム粉末が含有され
ていること、特に水酸化アルミニウム粉末が含有されて
いることが好ましい。 本発明のパッキンゴム形成組成物においては、
(C)架橋剤として、樹脂架橋剤および/または有機過
酸化物が0.1〜30重量部含有されていることが好ま
しい。 本発明のパッキンゴム形成組成物においては、
(A)ブチルゴムとして部分架橋ブチルゴムが用いら
れ、(C)架橋剤として、有機過酸化物が0.1〜20
重量部含有されていることが好ましい。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明のパッキンゴム形成組成物を構成する(A)ブチル
ゴム〔以下「(A)成分」ともいう〕は、イソブチレン
と少量のイソプレンとをカチオン重合により共重合させ
て得られる不飽和度の小さいゴムであり、気体透過性が
小さく、化学的に安定で耐熱性等に優れたゴムである。
また、(A)成分としては、上記のイソブチレンとイソ
プレンとの共重合体よりなる通常のブチルゴム(II
R)のほか、塩素化ブチルゴム(CIIR)や臭素化ブ
チルゴム(BIIR)などのハロゲン化ブチルゴム、お
よび部分架橋ブチルゴムなどであってもよいが、金属部
材への腐食を防止する観点からは通常のブチルゴム(I
IR)および部分架橋ブチルゴムが好ましい。部分架橋
ブチルゴムとしては、例えば、ジビニルベンゼンを用い
て部分架橋したブチルゴムである「XL−10000」
(イソブチレン−イソプレン−ジビニルベンゼン共重合
ゴム:ポリサーインターナショナル社製)が市販されて
いる。
【0008】本発明のパッキンゴム形成組成物は、
(B)アルミニウム系充填剤〔以下「(B)成分ともい
う〕が含有されている点に特徴を有する。(B)成分と
しては、水酸化アルミニウム粉末、酸化アルミニウム粉
末、含水ケイ酸アルミニウムを主成分とするクレー類を
挙げることができる。ここに、クレー類としては、焼成
クレー、樹脂酸処理クレー、脂肪酸処理クレー、シラン
カップリング剤処理クレーなどがある。これらのアルミ
ニウム系充填剤うち、最終的に得られるパッキンゴムが
特に優れた耐電解液性を有することから、水酸化アルミ
ニウム粉末および酸化アルミニウム粉末が好ましい。
(B)成分の配合量としては、架橋物の耐電解液性およ
び混練加工性の観点から、(A)成分100重量部に対
して、20〜300重量部とされ、好ましくは50〜2
50重量部、更に好ましくは60〜200重量部とされ
る。(B)成分の配合量が20重量部未満である場合に
は、最終的に得られるパッキンゴムが十分な耐電解液性
を有するものとならない。一方、この配合量が300重
量部を超えると、組成物を調製する際の混練加工性に劣
るので好ましくない。
【0009】本発明のパッキンゴム形成組成物は、
(A)成分が架橋されることによって、耐電解液性に優
れたパッキンゴムとなる。(A)成分の架橋方法として
は、硫黄架橋、キノイド架橋、樹脂架橋、サルファード
ナー架橋、有機過酸化物架橋などを挙げることができる
が、耐電解液性および耐熱性が良好なパッキンゴムが得
られることから、樹脂架橋剤を(C)架橋剤として用い
る樹脂架橋が好ましい。また、(A)成分が部分架橋ブ
チルゴムである場合には、有機過酸化物を(C)架橋剤
として用いる有機過酸化物架橋を適用することもでき
る。本発明のパッキンゴム形成組成物を構成する(C)
架橋剤〔以下「(C)成分」ともいう〕である樹脂架橋
剤としては、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂
類を用いることができ、具体的には、アルキルフェノー
ルホルムアルデヒド樹脂、熱反応性フェノール樹脂、フ
ェノールジアルコール型樹脂、ビスフェノール樹脂など
を挙げることができる。なお、金属部材への腐食を防止
する観点からは、臭素原子を含む樹脂の使用は避けるこ
とが好ましい。
【0010】樹脂架橋剤の配合量としては、パッキンゴ
ムの物性および混練加工性の観点から、(A)成分10
0重量部に対して、1〜30重量部であることが好まし
く、更に好ましくは5〜20重量部とされる。樹脂架橋
剤の配合量が1重量部未満である場合には、十分に架橋
されたパッキンゴムを得ることができず、一方、この配
合量が30重量部を超えると、組成物を調製する際のコ
ンパウンドの粘着性が過大となって混練加工性に劣るの
で好ましくない。(C)成分である有機過酸化物として
は、特に限定されるものではなく、通常、EPMやジエ
ン系ゴムの架橋として用いられているケトンパーオキサ
イド類、パーオキシケタール類、ハイドロパーオキサイ
ド類、ジアルキルパーオキサイド類、ジアシルパーオキ
サイド類、パーオキシジカーボネート類、パーオキシエ
ステル類などを用いることができ、具体的には、1,1
−ビス−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス−t−ブ
チルパーオキシバレレート、ジクミルパーオキサイド、
t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパ
ーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、1,3−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシ
ルヘキシン−3、t−ブチルパーオキシクメンなどを挙
げることができる。
【0011】有機過酸化物の配合量としては、架橋物の
物性の観点から、(A)成分100重量部に対して、
0.1〜20重量部であることが好ましく、更に好まし
くは1〜15重量部とされる。樹脂架橋剤の配合量が
0.1重量部未満である場合には、十分に架橋されたパ
ッキンゴムを得ることができず、一方、この配合量が2
0重量部を超えると、過剰の有機過酸化物によりイソブ
チレン構造の分解が促進され、架橋反応の進行が阻害さ
れる傾向がある。本発明のパッキンゴム形成組成物に
は、(A)ブチルゴムと、(B)アルミニウム系充填剤
と、(C)架橋剤と、(D)架橋剤以外のゴム薬品とが
必須成分として含まれるが、さらに必要に応じて、
(E)アルミニウム系以外の充填剤、他のゴム材料や樹
脂類などポリマーが含まれていてもよい。
【0012】(D)架橋剤以外のゴム薬品〔以下
「(D)成分」ともいう〕としては、例えばステアリン
酸、ステアリン酸の金属塩、亜鉛華、炭酸亜鉛等の活性
剤類、高級脂肪酸エステルや低分子ポリエチレン、パラ
フィンワックス等の加工助剤類、鉱物油、合成油、植物
油等の軟化剤類、ロジン類、フェノール類、アスファル
ト、石油樹脂、水添石油樹脂等の非反応性樹脂類、フェ
ノール類やアミン類の老化防止剤等が挙げられる。
(D)成分の配合量としては、架橋物の物性の観点か
ら、(A)成分100重量部に対して、1〜20重量部
とされ、好ましくは2〜10重量部とされる。この配合
量が1重量部未満である場合、および、20重量部を超
える場合の何れにおいても、得られる架橋物(パッキン
ゴム)の物理的性質が低下する。
【0013】(E)アルミニウム系以外の充填剤〔以下
「(E)成分」ともいう〕としては、例えばカーボンブ
ラック、タルク、炭酸カルシウム、乾式シリカ、酸化マ
グネシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン等が挙げら
れる。(E)成分の配合量としては、耐電解液性の良好
なパッキンゴムを得るという観点から、(A)成分10
0重量部に対して、0〜100重量部とされ、好ましく
は10〜80重量部とされる。この配合量が100重量
部を超える場合には、得られる架橋物(パッキンゴム)
の耐電解液性が低下する。なお、パッキンゴムの強度を
大きく向上させることができることから、(E)成分と
してカーボンブラックを配合することが好ましいが、カ
ーボンブラックの配合量の増加に伴って、パッキンゴム
の絶縁性が低下する傾向にある。従って、(E)成分と
してカーボンブラックを配合する場合において、その配
合量としては、(A)成分100重量部に対して20〜
80重量部であることが好ましい。
【0014】本発明のパッキンゴム形成組成物を調製す
るために、上記(A)成分乃至(E)成分を混合・混練
する方法としては、バンバリー型ミキサー、加圧ニーダ
ー、オープンロールなどを使用する従来公知の方法を採
用することができる。また、加硫方法としても、通常の
ゴム配合物に適用される圧縮成形加硫(プレス加硫)、
トランスファー成形加硫、射出成形加硫、熱空気加硫な
どを採用することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する
が、本発明がこれらによって限定されるものではない。
【0016】〔実施例1〜3〕後記表1に示す配合処方
に従って、本発明の組成物1〜3を製造した。ゴム組成
物の製造は、容量1.7リットルのバンバリーミキサー
によって(C)成分以外の配合物を混練りし、次いで、
この混練物を、10インチテストロール機に移した後
(C)成分を添加し、前記テストロール機によって再度
混練りすることにより行った。各実施例において混練加
工性は良好であった。
【0017】なお、これらの実施例において用いた
(A)成分乃至(E)成分は以下の通りである。 (A)成分:ブチルゴム「ブチル268」(日本ブチル
(株)製) (B)成分:水酸化アルミニウム粉末「ハイジライト」
(協和化学(株)製) (C)成分:アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂 「タッキロール201」(住友化学(株)製) (D)成分:ステアリン酸「ルナック30」(花王
(株)製) (D)成分:亜鉛華「亜鉛華1号」(白水化学(株)
製) (E)成分:カーボンブラック「ダイヤブラックG」
(三菱形成(株)製)
【0018】〔実施例4〕(B)成分として、水酸化ア
ルミニウム粉末に代えて、酸化アルミニウム粉末(昭和
軽金属(株)製)200重量部を用いたこと以外は実施
例1と同様にして本発明の組成物4を製造した。なお、
混練加工性は良好であった。 〔実施例5〕(B)成分として、水酸化アルミニウム粉
末に代えて、クレー「デキシクレー」(Vanderb
ilt社製)200重量部を用いたこと以外は実施例1
と同様にして本発明の組成物5を製造した。なお、混練
加工性は良好であった。
【0019】〔実施例6〕(E)成分として、含水ケイ
酸マグネシウムを主成分とするタルク「タルクSW」
(日本タルク(株)製)80重量部を併用したこと以外
は実施例3と同様にして本発明の組成物6を製造した。
なお、混練加工性は良好であった。 〔実施例7〕後記表1に示す配合処方に従って、本発明
の組成物7を製造した。ゴム組成物の製造は、容量1.
7リットルのバンバリーミキサーによって、(C)成分
および架橋助剤であるエチレンジメタクリレート「アク
リルエステルEDMA」(三菱化成(株)製)以外の配
合物を混練りし、次いで、この混練物を、10インチテ
ストロール機に移した後(C)成分およびエチレンジメ
タクリレートを添加し、前記テストロール機によって再
度混練りすることにより行った。なお、この実施例7に
おいて用いた(A)成分、(B)成分および(C)成分
は以下の通りである。また、混練加工性は良好であっ
た。 (A)成分:部分架橋ブチルゴム「XL−10000」
(ポリサーインターナショナル社製) (B)成分:水酸化アルミニウム粉末「ハイジライト」
(協和化学(株)製) :クレー「デキシクレー」(Vanderbilt社
製) (C)成分:ジクミルパーオキサイド「パークミルD−
40」(日本油脂(株)製)
【0020】〔実施例8〕(B)成分である水酸化アル
ミニウム粉末の使用量を80重量部に変更したこと以外
は実施例1と同様にして比較用の組成物8を製造した。
なお、混練加工性は良好であった。
【0021】〔比較例1〕従来使用されているパッキン
ゴム形成組成物に相当するものとして、後記表2に示す
配合処方に従って、(B)成分である水酸化アルミニウ
ム粉末に代えて、(E)成分であるタルク「タルクS
W」(日本タルク(株)製)100重量部を用いたこと
以外は実施例1と同様にして比較用の組成物C1を製造
した。なお、混練加工性は良好であった。 〔比較例2〕(B)成分である水酸化アルミニウム粉末
の使用量を15重量部に変更したこと以外は実施例2と
同様にして比較用の組成物C2を製造した。なお、混練
加工性は良好であった。
【0022】〔比較例3〕(B)成分である水酸化アル
ミニウム粉末の使用量を350重量部に変更したこと以
外は実施例1と同様にして組成物の製造を試みたが、混
練加工時にコンパウンドがまとまらず、シート状組成物
を得ることができなかった。 〔比較例4〕(B)成分である水酸化アルミニウム粉末
およびクレーに代えて、(E)成分であるタルク「タル
クSW」(日本タルク(株)製)100重量部を用いた
こと以外は実施例7と同様にして比較用の組成物C4を
製造した。なお、混練加工性は良好であった。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】<パッキンゴムの製造>上記の実施例1〜
6で得られた本発明の組成物1〜6、実施例8で得られ
た本発明の組成物8、および比較例1〜2で得られた比
較用の組成物1〜2の各々(樹脂架橋系)について、1
70℃×30分間の条件で圧縮成形加硫を行い、次い
で、150℃×1時間の条件で熱空気加硫を行うことに
よりパッキンゴムを製造した。また、上記の実施例7で
得られた本発明の組成物7、および比較例4で得られた
比較用の組成物C4の各々(過酸化物架橋系)について
は、170℃×30分間の条件で圧縮成形加硫を行うこ
とによりパッキンゴムを製造した。
【0026】<パッキンゴムの評価例> (1)評価例1 以上のようにして得られたパッキンゴムの各々につい
て、シール性および耐電解液性を評価するため、 初
期硬度、 テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水
溶液への浸漬後における重量変化、 当該水溶液への
浸漬後における硬度変化を測定した。
【0027】硬度の測定は、JIS K 6301に準
拠し、スプリング式硬さ試験機(JIS−A型)によっ
て行った。なお、硬度の測定は、パッキンゴムを複数枚
重ねて12mm以上の厚さを確保してから実施した。結
果を後記表3に示す。
【0028】浸漬条件としては、電解液に相当するテト
ラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(和光純薬
(株)製:濃度15重量%)を浸漬液として用い、12
0℃で70時間浸漬した後、重量変化率および硬度変化
率を測定した。結果を後記表3に示す。
【0029】
【表3】
【0030】表3に示すように、本発明の組成物1〜8
よって形成されるパッキンゴムは、パッキン材として良
好な初期硬度を有する。しかも、これらのパッキンゴム
は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液へ浸
漬されることによる重量変化および硬度変化が小さいこ
とから、当該水溶液に対して化学的に安定であって、当
該水溶液よりなる電解液を封止する場合であっても、長
期にわたり良好なシール性を発揮することができる。そ
して、(B)成分として水酸化アルミニウム粉末が含有
されている組成物1〜3および組成物6〜8(特に、白
色充填剤が水酸化アルミニウム粉末のみである組成物1
〜3および組成物8)、並びに、(B)成分として酸化
アルミニウム粉末が含有されている組成物4より形成さ
れるパッキンゴムは、特に優れた耐電解液性を有するも
のである。
【0031】これに対して、白色充填剤としてタルク
(含水ケイ酸マグネシウム)が含有されてなる組成物C
1および組成物C4、水酸化アルミニウム粉末の含有量
が過少である組成物C2より形成されるパッキンゴム
は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液へ浸
漬されることによる重量変化および硬度変化が大きく、
当該電解液が内部に浸透することによって膨潤が生じて
いることが理解される。そして、このようなパッキンゴ
ムによって当該水溶液よりなる電解液を封止する場合に
は、シール性が経時的に低下して電解液の漏れが発生す
ることとなる。
【0032】(2)評価例2 電解液が含浸されている電解素子と、この電解素子を収
容する外装ケースと、この外装ケースに形成された開口
部を塞ぐ封口板とを有してなる従来公知の電解コンデン
サーにおいて、電解液を封止するためのパッキンとし
て、本発明の組成物1〜8の各々より形成されたパッキ
ンゴムを用いて、100℃で3000時間の運転を行っ
たところ、良好なシール性が発揮され、電解液の漏れは
全く発生しなかった。
【0033】
【発明の効果】本発明のパッキンゴム形成組成物は、ブ
チルゴムをベースとするので、電解液の透過性が小さく
耐熱性に優れたパッキンゴムを形成することができる。
しかも、本発明のパッキンゴム形成組成物にはアルミニ
ウム系充填剤が特定の割合で含有されているため、これ
によって形成されるパッキンゴムは、電解液、特にテト
ラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液からなる電解
液に対して化学的に安定であって、当該電解液を封止す
る場合にも、長期にわたり良好なシール性を発揮するこ
とができる。また、本発明のパッキンゴム形成組成物
は、混練加工性に優れ、製造が容易である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 390019596 エクソン・ケミカル・パテンツ・インコー ポレイテッド EXXON CHEMICAL PATE NTS INCORPORATED アメリカ合衆国ニュージャージー州リンデ ン、イースト・リンデン・アベニュー1900 (72)発明者 森 洋二 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (72)発明者 森 清 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (72)発明者 赤松 貞美 神奈川県川崎市川崎区浮島町10番3号 日 本ブチル株式会社内 (72)発明者 武田 孝司 東京都港区赤坂5丁目3番3号 エクソン 化学株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ブチルゴム100重量部と、
    (B)アルミニウム系充填剤20〜300重量部と、
    (C)架橋剤0.1〜30重量部と、(D)架橋剤以外
    のゴム薬品1〜20重量部と、(E)アルミニウム系以
    外の充填剤0〜100重量部とが含有されていることを
    特徴とする電解コンデンサー用パッキンゴム形成組成
    物。
JP12472194A 1994-05-16 1994-05-16 電解コンデンサー用パッキンゴム形成組成物 Expired - Lifetime JP3391552B2 (ja)

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