JPH0730647Y2 - 接着芯地の接着力測定用試料 - Google Patents

接着芯地の接着力測定用試料

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JPH0730647Y2
JPH0730647Y2 JP5726590U JP5726590U JPH0730647Y2 JP H0730647 Y2 JPH0730647 Y2 JP H0730647Y2 JP 5726590 U JP5726590 U JP 5726590U JP 5726590 U JP5726590 U JP 5726590U JP H0730647 Y2 JPH0730647 Y2 JP H0730647Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は接着芯地の接着力測定用試料に関し、詳しく
は、接着芯地と被接着布を所定寸法の長方形の範囲で熱
圧して積層接着し、その層間剥離強さによって接着芯地
の接着力を測定する場合に用いる測定用試料の改良を目
的とするものである。
〔従来の技術〕 接着芯地は主として被服縫製のさいに表布地の裏面に積
層接着して被服の所要部分の成形,保形,補強するもの
であり、通常、編織布,不織布を基布とし、その片面ま
たは両面に熱可塑性合成樹脂系接着剤を種々の形状に分
布固着したものが一般に用いられている。
この接着芯地を縫製に利用する場合には、多種類の接着
芯地から目的条件に適合したものを選択することが必要
であり、特に表布地との接着力が重要な選択条件であ
り、このために通常JISL1086(接着芯地試験方法)に準
拠した剥離強さ試験を行っている。
上記の隔離強さ試験は、被接着布と接着芯地を積層し所
定条件の熱圧接着を行った巾2.5cm(布地条件によって3
cmまたは5cm)、長さ15cmの長方形の試料が用いられ、
その長手方向の一端縁から5cm剥離して、その剥離片部
をクランプして引張り試験を行っている。
前記の試料端縁の剥離に代えて、積層接着時に薄紙を挟
み込んだり、片面接着芯地の端縁を折返して非接着端を
形成することもある。
〔考案が解決しようとする課題〕
従来の接着芯地の接着力測定用試料を作成するために
は、被接着布と接着芯地を積層接着した後所定寸法に切
断し、あるいは所定寸法に切断した接着芯地を被接着布
に積層接着しているが、その非接着端の形成が面倒であ
り、所定寸法の切断を正確に行うことが困難であるとと
もに、被接着布,接着芯地の組織がルーズな場合には切
断縁において糸,繊維がほつれたり変形したりすること
によって測定値がばらつき、安定しない傾向を生ずるな
どの問題点があった。
〔課題を解決するための手段〕
本考案は、被接着布と接着芯地を接着した前記のような
接着力測定用試料において、その所定寸法の長方形接着
部分を中間紙の開口によって規制することにより上述の
課題を解決したものである。
すなわち、本考案は所定寸法の長方形の切抜開口を設け
た中間紙の片面に被接着布、他面に接着芯地を重ねて、
所定条件の熱圧を行って、前記開口を介して被接着布と
接着芯地を積層接着したことを特徴とする接着芯地の接
着力測定用試料を要旨とするものである。
上記の中間紙としては寸法安定性,取扱い強度,溶融樹
脂不透過性のある成るべく薄い紙、例えば30g/m2のクラ
フト紙が用いられ、該中間紙に形成する開口は巾2.5cm
(試験条件によって3cm,5cmとする場合がある)長さ5
〜16cmの長方形となるよう型打ちによって切抜き形成す
る。
被接着布の裏面と接着芯地の接着剤付着面とを前記中間
紙を挟んで面接重合して、所定の温度,圧力,時間の熱
圧プレスを行うことにより本考案の試料が得られるが、
両面接着芯地の場合はプレス当接面を剥離紙で被覆する
ことが必要である。
熱圧成形した試料は、中間紙の開口範囲で被接着布と接
着芯地が接着し、開口周縁の中間紙面が接着芯地に接着
した状態となり、通常開口の外側に1cm以上の巾を有す
るように切断して引張り試験機に装着する。
中間紙として複数の試料を採取し得る面積寸法のものを
用い、これに所定間隔を置いて複数の開口を形成し、該
中間紙と略同形寸法の被接着布,接着芯地を用いて積層
熱圧接着し、これを切断して複数の試料を得ることもで
きる。
〔作用〕
本考案の試料は、被接着布と接着芯地が、中間紙に形成
した所定寸法の長方形開口を通して接着されるととも
に、その外周縁において中間紙と接着芯地が接着され、
布地の切断端縁が接着部から離隔しているので、従来の
ように切断縁の布組織のほつれ、変形による剥離引張力
の変動影響を抑制することができ、また接着芯地の周縁
は中間紙に接着されて安定した引張り剥離を行うことが
できるので、測定値のバラツキを著しく低減することが
できる。
〔実施例〕
以下、本考案の実施例を図面によって説明する。
第1図は本考案の試料の一部を剥離した状態を示す斜視
図であって、該試料は被接着布1、所定寸法の長方形の
切抜開口20を設けた中間紙2,接着芯地3を順次積層して
所定の温度,圧力,時間条件によって熱圧プレスするこ
とにより、接着芯地3の接着剤付着面30が切抜開口20を
介して二点鎖線で囲んだ範囲で被接着布1面に及び切抜
開口20の外周の中間紙2面に接着されて得られたもので
ある。
この試料はその上縁11の被接着布1と、これに接着され
ていない中間紙2と接着芯地3の接着上縁31とを互いに
反対方向に引張ることによって、前記切抜開口20によっ
て規制接着された被接着布1と接着芯地3との接着破壊
を生ずる引張り力を測定するものであり、この測定は自
記装置付引張り試験機によるJIS規定の方法、あるいは
縫製現場において通常のスプリング秤と人手との引張り
による目盛り読取りする簡便法によって行うことができ
る。
上記の何れの測定法によっても、本考案の試料は従来の
積層接着裁断した試料に比べてバラツキの少ない信頼性
の優れた測定結果が得られた。
以下、本考案試料の具体的製造例、その簡便法による引
張り試験の測定結果について説明する。
第2図は通常の接着プレス機のプレス台上に順次、裏面
を上にした被接着布1、中間紙2、接着剤付着面を下に
した接着芯地3を積層した平面図であり、これを温度14
0℃,圧力300g/cm2で10秒間熱圧プレスを行った。
被接着布1としては80番手綿双糸の薄地綾織物(日東紡
社製SG8988)の20×20cmの方形布、中間紙2としては坪
量30g/m2のハトロン紙の19×18cmの方形紙で、その紙面
に二点鎖線で囲んだように巾2.5cm長さ15cmの長方形の
切抜開口20を3個、適当間隔で平行するよう形成したも
の、接着芯地3としては、経40番手ポリノジック糸,緯
30番手綿糸の経緯密度68×22の平織物を基布とし、その
片面にポリアミド樹脂を23ドット/平方インチの規則的
配置としてその付着量を15g/m2とした18×19cmのものを
用いた。
得られた接着積層物を一点鎖線Cで示す位置で切断する
ことにより、第1図に示すような試料を3個を採取し
た。
同様にして90個の試料を準備した。
比較のため、前記の製造方法における中間紙2を使用す
ることなく、全く同じ寸法の被接着布1と接着芯地3と
を、接着芯地3の上縁から3cmの巾を非接着部とするよ
うに薄紙を挟んで前記と同一条件の接着プレスを行って
接着積層物を得、これを定規と鋏を用いて2.5cm巾,15cm
長さの比較試料7枚を採取した。
同様にして91個の比較試料を準備した。
これらの試料の被接着布1の上縁11を、支柱に係着した
引下げ引張り式のスプリング計り(鴨下精衡所製)の下
部フックにクランプし、接着芯地(本案の試料の場合は
中間紙2が接着された接着芯地)の上縁を、人手によっ
て下方に緩徐に引張り約3〜5秒で、接着面を約5cm剥
離する間における引張り指示目盛りを視読した。
本案の試料では、平均張力は555g/2.5cm、比較試料では
平均張力533g/2.5cmで略一致していたが、個々の測定値
では最大,最小の較差は本案では130g、比較例では145g
であり、その標準偏差は本案で38.5、比較例では47.3で
あり、本案試料は従来の試料に比べてバラツキの少ない
測定値が得られることが分った。
また、本案の試料は予め正確に型打抜きの開口部を形成
した中間紙を用いているので、従来の試料のように正確
な切断作業を要しないので、その切断作業を容易迅速に
することができた。
〔考案の効果〕
以上説明したように、本考案によれば、被接着布と接着
芯地との規定接着範囲を簡単容易に正確に形成した試料
が得られ、該試料は切断端縁における接着芯地及び被接
着布の糸,繊維のほつれ,変形などの悪影響を回避し
て、安定した測定が行うことができ、したがって従来よ
り少ない測定回数によって信頼できる測定値が得られ、
被服縫製のさいにおける表地に適合した接着芯地の選択
を迅速に行うこができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
図面は本考案の実施例を示すもので、第1図は接着力測
定用試料の一部を剥離した状態を示す斜視図、第2図は
本考案の試料を製造する工程における積層状態を示す平
面図である。 1……被接着布、2……中間紙、3……接着芯地 11……上縁、20……切抜開口 30……接着剤付着面、31……接着上縁

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定寸法の長方形の切抜開口(20)を設け
    た中間紙(2)の片面に被接着布(1)、他面に接着芯
    地(3)を重ねて、所定条件の熱圧を行って、前記開口
    (20)を介して被接着布(1)と接着芯地(3)を積層
    接着したことを特徴とする接着芯地の接着力測定用試
    料。
JP5726590U 1990-06-01 1990-06-01 接着芯地の接着力測定用試料 Expired - Fee Related JPH0730647Y2 (ja)

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JPH0418616U JPH0418616U (ja) 1992-02-17
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