JPH0730583B2 - 個材曲げを処理した鉄骨トラス - Google Patents

個材曲げを処理した鉄骨トラス

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JPH0730583B2
JPH0730583B2 JP30033686A JP30033686A JPH0730583B2 JP H0730583 B2 JPH0730583 B2 JP H0730583B2 JP 30033686 A JP30033686 A JP 30033686A JP 30033686 A JP30033686 A JP 30033686A JP H0730583 B2 JPH0730583 B2 JP H0730583B2
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bending
stress
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steel
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公彦 最上
公樹 畑中
千尋 水内
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Takenaka Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、例えば工場の床とか人工地盤のように大き
な鉛直荷重がかかる大径間構造物の大スパン架構を形成
する大形の鉄骨トラスに係り、さらにいえば上下弦材と
斜材とより成り上下弦材と斜材との交点間距離(第7図
のl)が長く、このため第9図のように直交する梁5を
交点aばかりでなく交点と交点の中間位置bでも受け、
よって下弦材2又は上弦材1に個材曲げが発生する使用
条件において個材曲げ応力を消去する処理を施した鉄骨
トラスに関する。
従来の技術 従来一般の鉄骨トラスは、第7図に示したように上弦材
1と下弦材2の間に斜材3…を斜めに配置し各々上下弦
材と剛結して構成されており、柱4、4で支持されてい
る。
本発明が解決しようとする問題点 (I)柱4、4間の距離が大きい大径間構造物の大スパ
ン架構は、鉛直時の応力が非常に大きい。このため鉄骨
トラスの上下弦材1、2は大きな断面の部材となり、大
重量物となっている。
(II)また、柱4、4間の距離、即ちトラススパンが長
い場合、あるいは鉛直荷重が大きい場合にはトラスのせ
いH(第7図)が大きくなるので、必然的に上下弦材
1、2と斜材3との交点a、a間の距離l(第7図)も
長くなる。
こうして、交点距離lが長くなると、上下弦材1、2に
所謂個材曲げが発生し、よって弦材の断面設計は軸応力
と曲げ応力の合成力を前提として行なう必要がある。こ
の結果、上下弦材1、2の断面はさらに大きなものとな
る。
(III)交点距離lが長い大スパントラスでも、第8図
Aのように各交点a…の位置でのみ梁5…を受ける場
合、トラス各材には軸応力が発生するにすぎない。しか
し、第8図Bのように交点aとaの中間位置bで梁5…
を受ける必要性も少なくはなく、この場合には下弦材2
又は上弦材1に曲げ応力(個材曲げ)が発生する。その
曲げモーメント図と応力分布を第9図に示した。
即ち、トラス各材に軸応力のみが発生する場合は、σ=
N/A(但し、σは軸応力、Nは軸荷重、Aは部材断面
積)の式で知られる大きさの軸応力σ(第10図A)が発
生する。これは下弦材2又は上弦材1の全断面に同一の
応力度であるから、無駄のない断面設計ができる。
一方、曲げ応力が発生する場合は、σ=M/Z(但し、
σは曲げ応力、Mは曲げモーメント、Zは断面係数)
の式で知られる大きさの曲げ応力σ(第10図B)が発
生する。そして、この曲げ応力σは前記軸応力σと同
時に作用するので、下弦材2の断面にはσとσを合成
した組合せ応力σ′=σ+σ(第10図C)が発生す
る。
つまり、最大の組み合わせ応力σ′は、軸応力σよりも
曲げ応力σの分だけ大きい。したがって、下弦材2又
は上弦材1の断面は、この最大組合せ応力σ′を前提と
して設計せざるを得ないから、断面が大きい部材とな
る。
しかし、組合せ応力σ′は下弦材2又は上弦材1の全断
面に同一の応力度ではなく、例えば第10図C中のΔCDE
の面積部分は応力負担に格別必要ではないから、結局こ
のΔCDEに相当する部材断面だけ不経済なものとなって
いる。
(IV)また、曲げ応力σが発生する場合には、下弦材
2又は上弦材1の交点aとa間の各断面位置において
も、第9図に曲げ応力と組合せ応力の分布図を示したよ
うに応力度が異なる。この場合にも、下弦材2又は上弦
材1は最大応力度の位置を前提に断面設計をするので、
他の断面位置では断面に余裕が生ずる不経済な設計にな
るという問題点があった。
問題点を解決するための手段 上記従来技術の問題点を解決するための手段として、こ
の発明に係る個材曲げを処理した鉄骨トラスは、図面の
第1図〜第6図に好適な実施例を示したとおり、 上下弦材1、2と斜材3とを各々剛結して成り、上下弦
材と斜材の交点間の距離lが長く、弦材に個材曲げを発
生する、大スパン架構用の大形の鉄骨トラスにおいて、 個材曲げが発生する弦材にダイヤフラム6が設置され、
前記ダイヤフラム6を利用して、前記個材曲げの応力状
態とは逆向きの曲げ応力を発生させる配置でPS鋼線7が
弦材の軸線方向に設置され、該PS鋼線7を緊張して弦材
に前記個材曲げと同等大きさのプレストレスが導入され
ていることを特徴とする。
作用 第9図に示したように曲げ応力σが働く鉄骨トラスの
下弦材2又は上弦材1に、第1図のようにPS鋼線7を設
置し、該PS鋼線7を緊張して弦材に個材曲げと同等大き
さのプレストレスを導入すると、端部と中央及び反曲点
の各断面には、第4図Aに示した曲げ応力と軸応力がそ
れぞれ発生する。
次に、この鉄骨トラスを建方した後、梁5を取付ける以
前の軸応力だけが発生する条件下では、上述した端部と
中央及び反曲点の各断面位置には、第4図Bに示したよ
うに、軸応力と上記プレストレスとの組合せ応力がそれ
ぞれ発生する。
さらに、この鉄骨トラスの各交点a及び中間位置bに梁
を受けさせ、個材曲げ(曲げ応力)が発生する条件とな
ったときには、第4図Cに示したように、端部と中央及
び反曲点の各断面位置には、以上3種の応力が合成され
た結果それぞれ大きさが等しい組合せ応力が発生し、い
わば軸応力状態となる。
つまり、下弦材2又は上弦材1については、前記大きさ
の等しい組合せ応力(第4図C)を前提として経済的な
断面設計ができるのである。
実施例 次に、図示した実施例を説明する。
第1図に示した鉄骨トラスは、個材曲げが発生する下弦
材2を第2図のようにボックス断面部材となし、このボ
ックス断面内にダイヤフラム(仕切板)6を設置し、ダ
イヤフラム6により所望の屈曲状態にPS鋼線7を設置し
た構成とされている。
ダイヤフラム6は、下弦材2と斜材3とを剛接した交点
a、a間において、下弦材2の変曲点C(第9図の曲げ
モーメント図におけるc点参照)を挟む両側の位置に一
定の間隔で設置されている。そして、変曲点Cより内側
のダイヤフラム6には下方位置に、同外側のダイヤフラ
ム6には上方位置にそれぞれ通孔8を設け、これらの通
孔8に通してPS鋼線7が弦材2の軸線方向に設置されて
いる。かくしてPS鋼線7は、下弦材2に発生する個材曲
げの応力状態(例えば第9図の曲げモーメント図参照)
とは逆向き(正反対)のプレストレスを導入できる形に
配設されている。
なお、PS鋼線7をダイヤフラム6の通孔8に通して屈曲
させる部分については、PS鋼線7を極端に屈曲させるこ
とによて応力集中が発生することを防ぐため、第3図に
示したようにPS鋼線7を案内するサドル9をダイヤフラ
ム6に固定しておくのがよい。
また、上記したボックス断面の下弦材2の中にPS鋼線7
を設置する手段として、第2図に示したように当該下弦
材2は溝形鋼2a、2aを向い合せその突合せ部分2bを溶接
した組立て構造材としている。即ち、ダイヤフラム6の
取付け及びPS鋼線7用シース材の設置は、溝形鋼2aの溶
接以前に加工する。そして、この鉄骨トラスを建方した
後にシース材中にPS鋼線7を通し、その一端部は固定
し、他端部を緊張して弦材2に個材曲げと同等大きさの
プレストレスを導入する。すると第4図Aに示したよう
に、この下弦材2に発生する個材曲げによる曲げ応力を
打消す逆向きのプストレスが作用し、第4図cに例示し
た軸応力状態を実現するのである。
第2の実施例 第5図は、下弦材2(又は上弦材1)をH形鋼として実
施した例を示している。この場合、ダイヤフラム6の取
付け、及びシース材やPS鋼線7の設置は外部から行なえ
るので、プレストレスの導入施工は極めて容易である。
第3の実施例 第6図は、下弦材2のうち柱間中央部の個材曲げが発生
する部分にPS鋼線7を設置して個材曲げの応力状態とは
逆向きのプレストレスを導入できる構成にすると共に、
同PS鋼線7は斜材3を通じて上弦材1に導き、上弦材1
のうち引張応力度の大きい柱端部に前記引張応力とは逆
向きにプレストレスを導入できる形にPS鋼線7を設置し
た構成の例を示している。
この実施例によれば、1本のPS鋼線7を緊張しプレスト
レスを導入する施工により、上下弦材1、2の個材曲げ
を一括して処理することができて効果的である。
本発明が奏する効果 この発明に係る個材曲げを処理した鉄骨トラスは、個材
曲げが発生する上下弦材の全断面位置に大きさが等しい
軸応力が発生する状態となるから、前記軸応力を前提と
して上下弦材の断面を経済的に設計することが出来、結
局は弦材の断面を小さく出来るので、鉄骨重量の計量
化、鉄骨量の低減化による経済性の向上を図ることが出
来る。
勿論、弦材の個材曲げ変形を防ぐことも出来る。
その他、鉄骨トラスの建方後にPS鋼線を緊張してプレス
トレスを導入する工程の副次的効果として、弦材にキャ
ンバー(反り)を発生させることが出来るため、鉄骨ト
ラスの組立て時に予めキャンバーを作っておく必要がな
く、そうした手間を省いて鉄骨精度を高めることも可能
である。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係る鉄骨トラスの主要部を一部破断
して示した詳細図、第2図は第1図のII−II矢視断面
図、第3図はPS鋼線とダイヤフラムの関係を拡大して示
した詳細図、第4図A〜Cは個材曲げを処理する応力合
成の説明図、第5図は第2図とは異なる構造例を示した
断面図、第6図は鉄骨トラスの異なる実施例を示した正
面図、第7図は従来の鉄骨トラスを示した正面図、第8
図A、Bは鉄骨トラスと梁との取合い関係を略示した説
明図、第9図は鉄骨トラス下弦材の個材曲げの曲げモー
メント及び各断面の応力度の説明図、第10図A〜Cは個
材曲げの応力度の説明図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上下弦材と斜材とを各々剛結して成り、上
    下弦材と斜材との交点間の距離が長く、弦材に個材曲げ
    を発生する、大スパン架構用の大形の鉄骨トラスにおい
    て、 個材曲げが発生する弦材にダイヤフラム(6)が複数設
    置され、前記ダイヤフラム(6)を利用して、前記個材
    曲げの応力状態とは逆向きの曲げ応力を発生させる配置
    でPS鋼線(7)が弦材の軸方向に設置され、該PS鋼線
    (7)を緊張して弦材に前記個材曲げと同等大きさのプ
    レストレスが導入されていることを特徴とする、個材曲
    げを処理した鉄骨トラス。
JP30033686A 1986-12-17 1986-12-17 個材曲げを処理した鉄骨トラス Expired - Lifetime JPH0730583B2 (ja)

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JP2757070B2 (ja) * 1990-08-16 1998-05-25 株式会社竹中工務店 大スパンの屋根架構を備えた建物
JPH0722418Y2 (ja) * 1990-09-03 1995-05-24 鹿島建設株式会社 プレストレスを導入した立体トラス筋
JPH04128460A (ja) * 1990-09-19 1992-04-28 Toshiro Suzuki 補剛構造部材

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