JPH07305757A - 車両用差動歯車装置の潤滑装置 - Google Patents

車両用差動歯車装置の潤滑装置

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JPH07305757A
JPH07305757A JP9863494A JP9863494A JPH07305757A JP H07305757 A JPH07305757 A JP H07305757A JP 9863494 A JP9863494 A JP 9863494A JP 9863494 A JP9863494 A JP 9863494A JP H07305757 A JPH07305757 A JP H07305757A
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JP
Japan
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differential case
lubricating oil
guide
inner peripheral
gear
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Application number
JP9863494A
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English (en)
Inventor
Hideo Hamano
英夫 浜野
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/048Type of gearings to be lubricated, cooled or heated
    • F16H57/0482Gearings with gears having orbital motion
    • F16H57/0483Axle or inter-axle differentials

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両の高速走行に伴ってデフケース内へ送り
込まれる潤滑油量を多くすることができる車両用差動歯
車装置の潤滑装置を提供する。 【構成】 大径歯車40により掻き上げられた潤滑油
は、ハウジング88の内壁面に設けられた案内リブ92
a、92b、92cによって内周側へ導かれ、次いで、
デフケース42に固定された案内円板98の取込口10
4により取り込まれてさらに内周側へ送り込まれると、
デフケース42に形成された貫通孔114を通してデフ
ケース42内へ供給される。大径歯車40により掻き上
げられ且つ案内リブ92a、92b、92cにより内周
側へ導かれる潤滑油は車速に伴って増加する一方、デフ
ケース42と共に回転する案内円板98の取込口104
により取り込まれる潤滑油も同様に車速に伴って増加す
る結果、案内円板98と一体的に回転するデフケース4
2の貫通孔114内に送り込まれる潤滑油量は車両の高
速走行に伴って多くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用差動歯車装置の
潤滑装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】車両の動力伝達経路には、エンジンの動力
を前後或いは左右の駆動輪に配分するための差動歯車装
置が用いられている。このような差動歯車装置は、ハウ
ジングと、外周歯を有してそのハウジング内に設けられ
た大径歯車と、その大径歯車と一体的に設けられて一軸
心まわりに回転する殻状のデフケースと、そのデフケー
ス内においてそのデフケースに固定されたピニオンシャ
フトにより前記一軸心と直交する軸心まわりに回転可能
に支持されたピニオンと、上記デフケース内においてそ
のピニオンを介在させた状態で相対向し且つ前記一軸心
まわりに相対回転可能に設けられた一対の小径傘歯車と
を備えて構成される。
【0003】そして、上記のような差動歯車装置では、
噛み合い負荷の大きいピニオンと差動小歯車との噛み合
い部分などの潤滑を行なうために、ハウジング内に貯留
され且つ大径歯車によって掻き上げられた潤滑油を垂直
方向へ導くための凹溝を備えた案内部材が位置固定に設
けられ、その案内部材の所定高さに設けられた突出部か
ら内周側へ自然落下させられる潤滑油がデフケースの外
周面に形成された潤滑油孔内へ導かれるように構成され
ている。たとえば、実開平3−130463号公報に記
載された差動歯車装置の潤滑装置がそれである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な形式の潤滑装置では、案内部材の所定高さに設けられ
た突出部から内周側へ自然落下させられた潤滑油をデフ
ケースに形成された潤滑孔を通してデフケース内へ送り
込むため、車両の高速走行に伴ってデフケースの回転速
度が高くなると、デフケース内へ送り込まれる潤滑油量
が少なくなる不都合があった。特に、車両の高速走行と
なる程、また、デフケースの回転速度が高いセンタデフ
ほど、上記デフケース内へ送り込まれる潤滑油量が少な
くなるので、かかる不都合が顕著となる。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、車両の高速走行
に伴ってデフケース内へ送り込まれる潤滑油量を多くす
ることができる車両用差動歯車装置の潤滑装置を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、ハウジングと、外周
歯を有してそのハウジング内に設けられた大径歯車と、
その大径歯車と一体的に設けられて一軸心まわりに回転
する殻状のデフケースと、そのデフケース内においてそ
れに固定されたピニオンシャフトにより前記一軸心と直
交する軸心まわりに回転可能に支持されたピニオンと、
そのデフケース内においてピニオンを介在させた状態で
相対向し且つ前記一軸心まわりに相対回転可能に設けら
れた一対の小径傘歯車とを備え、前記ハウジング内に貯
留された潤滑油を前記デフケース内に収容されて互いに
噛み合うピニオンおよび一対の小径傘歯車に供給する形
式の車両用差動歯車装置であって、(a) 前記ハウジング
の内壁面に設けられ、前記大径歯車により掻き上げられ
た潤滑油を内周側へ導く案内リブと、(b) 前記デフケー
スと反対側の面において回転方向に向かって開口する取
込口を有して前記デフケースの前記一軸心方向の一方の
端部に固定され、前記案内リブによって内周側へ導かれ
た潤滑油をその取込口から取り込んでさらに内周側へ送
り込む案内円板と、(c) 前記デフケースに形成され、前
記案内円板により内周側へ送り込まれた潤滑油をそのデ
フケース内へ供給する貫通孔とを、含むことにある。
【0007】
【作用】このようにすれば、大径歯車により掻き上げら
れた潤滑油は、ハウジングの内壁面に設けられた案内リ
ブによって内周側へ導かれ、次いで、デフケースに固定
されてそれと共に回転する案内円板の回転方向に向かっ
て開口している取込口により取り込まれてさらに内周側
へ送り込まれると、デフケースに形成された貫通孔を通
してデフケース内へ供給される。
【0008】
【発明の効果】上記大径歯車により掻き上げられ且つ案
内リブにより内周側へ導かれる潤滑油は車速に伴って増
加する一方、デフケースと共に回転する案内円板の取込
口により取り込まれる潤滑油も同様に車速に伴って増加
する結果、案内円板と一体的に回転するデフケースの貫
通孔内に送り込まれる潤滑油量は車両の高速走行に伴っ
て多くなる。したがって、噛み合い負荷の大きい高速走
行程、デスケース内の潤滑が好適に行われる。
【0009】また、本発明によれば、動力伝達経路を構
成する回転体により回転駆動されて潤滑油を圧送するオ
イルポンプと、圧送される潤滑油を車軸などを通してデ
フケース内へ導く油路とを設ける形式に比較して、構成
部品が少なくなるとともに、オイルポンプなどを駆動す
るための回転損失が無くなる利点がある。
【0010】ここで、好適には、前記案内リブは、低速
用第1案内リブ、中速用第2案内リブ、高速用の第3案
内リブのうちの少なくとも2つが設けられる。このよう
にすれば、大径歯車の潤滑油の掻き上げ量が車両の走行
速度に伴って多くなるほど、案内円板内の内周側へ案内
される潤滑油量が多くされるので、一層好適にデフケー
ス内の潤滑が行われる利点がある。
【0011】また、好適には、前記貫通孔に隣接した位
置であってそのデフケースの回転方向と反対側の位置に
おいて凸部が備えられる。このようにすれば、デフケー
スの回転方向と反対側に相対移動する潤滑油の流動が凸
部により阻止されるので、案内円板内に取り込まれた潤
滑油が好適に貫通孔内へ導かれる利点がある。
【0012】また、好適には、前記案内円板とデフケー
スとの間に略密閉された空間が形成されるようにその案
内円板がデフケースに嵌め着けられるとともに、前記凸
部は案内円板の内面に略接する位置までデフケースから
凸設される。このようにすれば、案内円板とデフケース
との間には、取込口から貫通孔へ至る円弧状の通路が形
成されるので、案内円板内に取り込まれた潤滑油が好適
に貫通孔内へ導かれる利点がある。
【0013】また、好適には、前記大径歯車は斜歯平歯
車であり、前記案内リブはその斜歯の作用によって潤滑
油の掻き上げ量が多い側のハウジングの内壁面に設けら
れている。このようにすれば、ハウジング内に貯留する
潤滑油の量を少なくでき、動力損失が可及的に小さくさ
れる利点がある。
【0014】また、好適には、前記案内円板には、その
取込口の外周側縁部から回転方向と反対側へ向かう程内
周側へ向かう傾斜外周壁が設けられる。このようにすれ
ば、取込口内に取り入れられた潤滑油が案内円板に対す
る相対回転速度差によって一層好適に内周側へ移動させ
られる利点がある。
【0015】また、好適には、前記案内リブは、大径歯
車の回転方向に向かうほど内周側へ向かう円弧状の案内
面をそれぞれ有する3つの第1案内リブ、第2案内リ
ブ、第3案内リブから構成され、それらは大径歯車と干
渉しない範囲で可及的に突き出した状態で配設され、そ
の大径歯車側の先端面にはセパレータ板が固定される。
このようにすれば、上記第1案内リブ、第2案内リブ、
および第3案内リブ間に形成される通路の大径歯車側が
閉じられるので、内周側へ導かれる潤滑油の漏れが防止
され、潤滑油が効率よく内周側へ案内される利点があ
る。
【0016】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0017】図1は、本発明の一実施例の車両用動力伝
達装置を示す骨子図である。図において、エンジン10
の動力は、クラッチ12、有段変速機14、中央伝達装
置16、一対の前輪用差動歯車装置18および一対の後
輪用差動歯車装置(終減速機)20、前輪用車軸22お
よび後輪用車軸24を介して一対の前輪26および一対
の後輪28へそれぞれ伝達されるようになっている。上
記前輪用差動歯車装置18は、よく知られた終減速機で
あり、一対の前輪26の相対回転を許容しつつ入力され
た動力を一対の前輪26に均等に分配するとともに入力
回転速度を減速して伝達するために、入力ピニオンと噛
み合う大径傘歯車と、大径傘歯車とともに回転するデフ
ケース内において大径傘歯車の回転軸心と直交する軸心
まわりに回転可能に設けられたピニオンに対して相対向
した状態で噛み合う一対の小径傘歯車とを備えている。
また、上記後輪用差動歯車装置20も同様に、よく知ら
れた終減速機であり、一対の後輪28の相対回転を許容
しつつ入力された動力を一対の後輪28に均等に分配す
るとともに入力回転速度を減速して伝達する。
【0018】上記中央伝達装置16は、第1歯車30が
固設されて有段変速機14と連結された入力軸32と、
第1歯車30と噛み合う第2歯車34が固設され且つそ
の第2歯車34よりも小径の第3歯車36を相対回転可
能に支持する中間軸38と、第3歯車36と噛み合う大
径歯車40が固設されたデフケース42とデフケース4
2に固定されたピニオンシャフト43により大径歯車4
0の回転軸心に直角な軸心まわりに回転可能に支持され
た複数のピニオン44とピニオン44を介して相対向し
て噛み合わせられるとともに一対の回転軸46および4
8と連結された一対の小径傘歯車50および52とを有
するセンタデフ(中央差動歯車装置)54とを備えてい
る。上記大径歯車40は斜歯平歯車である。
【0019】上記センタデフ54は、一対の回転軸46
および48の相対回転を許容しつつデフケース42に入
力された動力を一対の回転軸46および48に均等に分
配する。前記のように前輪用差動歯車装置18および後
輪用差動歯車装置20は減速機能を備えているので、セ
ンタデフ54の大径歯車40や一対の回転軸46および
48、前輪用差動歯車装置18および後輪用差動歯車装
置20内の大径傘歯車などに比較して4倍程度の回転速
度で回転させられる。
【0020】上記中央伝達装置16の中間軸38には、
中間軸38と第3歯車36とを相対回転不能に連結する
ための第1噛合クラッチ装置56が設けられている。こ
の第1噛合クラッチ装置56は、中間軸38に固定され
た係合歯58と、第3歯車36に固定された係合歯60
と、それら係合歯58および係合歯60の間を連結する
ために軸方向に移動可能に設けられた第1係合リング6
2とを備えている。また、大径歯車40よりも小径であ
って第2歯車34と噛み合う第4歯車64が回転軸46
に相対回転可能に設けられており、その第4歯車64と
デフケース42とを相対回転不能に連結するための第2
噛合クラッチ装置66が設けられている。この第2噛合
クラッチ装置66は、回転軸46に固定された係合歯6
8と、デフケース42に固定された係合歯70と、それ
ら係合歯68および係合歯70の間を連結するために軸
方向に移動可能に設けられた第2係合リング72とを備
えている。
【0021】上記第1係合リング62および第2係合リ
ング72は、図示しない高速低速切換レバーの操作に連
動して軸方向の位置決めが行われるものであり、図1に
示すように前輪26側である高速側位置に位置させられ
た場合には、第4歯車64とデフケース42とが連結さ
れるので、第2歯車34および第4歯車64を介してデ
フケース42に動力が伝達されるが、後輪28側である
低速側位置に位置させられた場合には、中間軸38と第
3歯車36とが連結されるので、第3歯車36および大
径歯車40を介してデフケース42に動力が伝達される
ようになっている。
【0022】回転軸46と前輪用差動歯車装置18の入
力軸74との間にも、第3噛合クラッチ装置76が設け
られている。この第3噛合クラッチ装置76は、回転軸
46に固定された係合歯78と、上記前輪用差動歯車装
置18の入力軸74に固定された係合歯80と、それら
係合歯78および係合歯80の間を連結するために軸方
向に移動可能に設けられた第3係合リング82とを備え
ている。この第3係合リング82は、図示しない2輪駆
動4輪駆動切換レバーの操作に連動して軸方向の位置決
めが行われるものであり、図1に示すように前輪26側
である4輪駆動位置に位置させられた場合には、回転軸
46と入力軸74とが連結されて前輪26および後輪2
8へそれぞれ動力が伝達されるが、後輪28側である2
輪駆動位置に位置させられた場合には、回転軸46と入
力軸74とが切り離されるので、後輪28のみへ動力が
伝達されるようになっている。
【0023】図2は、上記のように構成された車両用動
力伝達装置の要部を示す垂直断面図である。図2のハウ
ジング88内において、センタデフ54の下側の位置に
は潤滑油が貯留される凹状の潤滑油留90が形成されて
いる。この潤滑油留90に貯留される潤滑油は大径歯車
40の一部が充分に浸漬される量とされている。このた
め、大径歯車40が回転させられると、潤滑油がその回
転方向へ流動させられるとともに、その大径歯車40に
よって掻き上げられた潤滑油がデフケース42内のピニ
オン44と一対の小径傘歯車50および52との噛み合
いを潤滑するためにそのデフケース42内へ送られるよ
うになっている。
【0024】すなわち、図2の III矢視方向の断面を示
す図3にも示すように、ハウジング88の大径歯車40
の側面に対向する内壁面、好適には大径歯車40の斜歯
の作用によって潤滑油の掻き上げ量が多い側の内壁面に
は、3つの第1案内リブ92a、第2案内リブ92b、
第3案内リブ92cが大径歯車40と干渉しない範囲で
可及的に突き出した状態で配設されており、その大径歯
車40側の先端面にはセパレータ板94が固定されてい
る。上記第1案内リブ92a、第2案内リブ92b、第
3案内リブ92cは、大径歯車40の回転方向に向かう
程内周側へ向かう案内面96a、96b、96cをそれ
ぞれ備え、大径歯車40の回転方向に順次配設されてい
る。第2案内リブ92bの案内面96bは第1案内リブ
92aの案内面96aより長く形成され、第3案内リブ
92cの案内面96cは第2案内リブ92bの案内面9
6bよりも長く形成されている。上記セパレータ板94
は、上記第1案内リブ92a、第2案内リブ92b、お
よび第3案内リブ92c間に形成される通路の大径歯車
40側を閉じることにより、内周側へ導かれる潤滑油の
漏れを防止し、潤滑油を効率よく内周側へ案内するため
のものである。
【0025】このため、低車速において大径歯車40の
回転速度が低い状態では潤滑油は主として第1案内リブ
92aの案内面96aにより内周側へ案内され、中車速
において大径歯車40の回転速度が中程度の状態では潤
滑油は主として第1案内リブ92aの案内面96aおよ
び第2案内リブ92bの案内面96bにより内周側へ案
内され、高車速において大径歯車40の回転速度が高い
状態では潤滑油は主として第1案内リブ92aの案内面
96a、第2案内リブ92bの案内面96b、および第
3案内リブ92cの案内面96cにより内周側へ案内さ
れるようになっている。
【0026】上記第1案内リブ92a、第2案内リブ9
2b、第3案内リブ92cによって内周側へ案内された
潤滑油は、デフケース42の回転軸心方向の端部であっ
て上記第1案内リブ92a、第2案内リブ92b、第3
案内リブ92cが形成されている側の端部に固定された
案内円板98によってさらに内周側へ案内されるように
なっている。案内円板98は、金属板から塑性加工され
たプレス部品であって、図4および図5に詳しく示すよ
うに、デフケース42の嵌合外周面100に嵌め着けら
れる外周壁102と、デフケース42の回転方向に向か
って開口し、周方向において180°の間隔で位置する
一対の取込口104と、一方の取込口104の外周側縁
部から他方の取込口104の内周側縁部へ向かって内周
側へ向かう一対の傾斜外周壁106と、底壁108と、
後述の筒状部112の外周面に嵌合される底穴110と
を備えている。このため、上記取込口104により採り
込まれた潤滑油は、案内円板98と相対速度差があるの
で、上記傾斜外周壁106によりさらに内周側へ送りこ
まれるようになっている。
【0027】前記デフケース42は、中空の殻形状であ
って、回転軸心方向の両端部において回転軸46および
48を貫通させる筒状部112、前記案内円板98の外
周壁102と嵌合する嵌合外周面100と、案内円板9
8の底壁108に向かって開口する貫通孔114と、貫
通孔114に隣接した位置であってデフケース42の回
転方向と反対側の位置において案内円板98の内面に略
接する位置まで突設されることにより、デフケース42
の回転方向と反対側に相対移動する潤滑油の流動を阻止
して貫通孔114内へ導くための凸部116とを備えて
いる。
【0028】これにより、案内円板98とデフケース4
2との間には、取込口104および貫通孔114以外は
略閉じられた空間であって、取込口104から貫通孔1
14へ至る円弧状の通路が形成されている。
【0029】上述のように、本実施例のセンタデフ54
では、大径歯車40により掻き上げられた潤滑油は、ハ
ウジング88の内壁面に設けられた案内リブ92a、9
2b、92cによって内周側へ導かれ、次いで、デフケ
ース42に固定されてそれと共に回転する案内円板98
の回転方向に向かって開口している取込口104により
取り込まれてさらに内周側へ送り込まれると、デフケー
ス42に形成された貫通孔114を通してデフケース4
2内へ供給される。上記大径歯車40により掻き上げら
れ且つ案内リブ92a、92b、92cにより内周側へ
導かれる潤滑油は車速に伴って増加する一方、デフケー
ス42と共に回転する案内円板98の取込口104によ
り取り込まれる潤滑油も同様に車速に伴って増加する結
果、案内円板98と一体的に回転するデフケース42の
貫通孔114内に送り込まれる潤滑油量は車両の高速走
行に伴って多くなる。したがって、噛み合い負荷の大き
い高速走行程、デスケース内の潤滑が好適に行われる。
【0030】また、本実施例によれば、動力伝達経路を
構成する回転軸により回転駆動されて潤滑油を圧送する
オイルポンプと、圧送される潤滑油を車軸などを通して
デフケース42内へ導く油路とを設ける形式の潤滑装置
に比較して、構成部品が少なくなるとともに、上記オイ
ルポンプなどを駆動するための動力損失が無くなる利点
がある。
【0031】また、本実施例によれば、低速用、中速
用、高速用の3つの第1案内リブ92a、第2案内リブ
92b、第3案内リブ92cが設けられているので、車
両の走行速度が高くなるほど、内周側へ案内される潤滑
油量が多くされるので、一層好適にデフケース42内の
潤滑が行われる利点がある。
【0032】また、本実施例によれば、貫通孔114に
隣接した位置であってデフケース42の回転方向と反対
側の位置において突設された凸部116とを備えている
ことから、デフケース42の回転方向と反対側に相対移
動する潤滑油の流動が凸部116により阻止されるの
で、案内円板98内に取り込まれた潤滑油が好適に貫通
孔114内へ導かれる利点がある。
【0033】また、上記凸部116が案内円板98の内
面に略接する位置までデフケース42から凸設される結
果、案内円板98とデフケース42との間には、取込口
104および貫通孔114以外は略閉じられた空間であ
って、取込口104から貫通孔114へ至る円弧状の通
路が形成されるので、案内円板98内に取り込まれた潤
滑油が好適に貫通孔114内へ導かれる利点がある。
【0034】また、本実施例では、大径歯車40の斜歯
の作用によって潤滑油の掻き上げ量が多い側のハウジン
グ88の内壁面に第1案内リブ92a、第2案内リブ9
2b、第3案内リブ92cが設けられているので、ハウ
ジング88に貯留する潤滑油の量を少なくでき、動力損
失が可及的に小さくされる利点がある。
【0035】また、本実施例では、案内円板98には、
傾斜外周壁106が設けられているので、取込口104
内に取り入れられた潤滑油が案内円板98に対する相対
回転速度差によって一層好適に内周側へ移動させられる
利点がある。
【0036】また、本実施例では、3つの第1案内リブ
92a、第2案内リブ92b、第3案内リブ92cが大
径歯車40と干渉しない範囲で可及的に突き出した状態
で配設されており、その大径歯車40側の先端面にはセ
パレータ板94が固定されている。このため、上記第1
案内リブ92a、第2案内リブ92b、および第3案内
リブ92c間に形成される通路の大径歯車40側を閉じ
ることにより、内周側へ導かれる潤滑油の漏れが防止さ
れ、潤滑油が効率よく内周側へ案内される利点がある。
【0037】以上、本発明の一適用例を図面に基づいて
説明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。
【0038】たとえば、前述の実施例では、センタデフ
54について説明されていたが、本発明は前輪用差動歯
車装置18や後輪用差動歯車装置20にも適用され得
る。
【0039】また、前述の実施例では、3つの第1案内
リブ92a、第2案内リブ92b、第3案内リブ92c
がハウジング88の内壁面に設けられていたが、少なく
とも1つが設けられていればよいのである。
【0040】また、前述の実施例において、案内円板9
8の形状はデフケース42に合わせて種々変更されるも
のであり、取込口104は1個のみ設けられてもよい
し、3個以上設けられてもよい。
【0041】また、前記案内円板98において、取込口
104に取り入れられた潤滑油によって内周側へ押され
るので、案内円板98の傾斜外周壁106は必ずしも設
けられていなくてもよい。
【0042】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
適用例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の車両用動力伝達装置を説明
する骨子図である。
【図2】図1の実施例の要部を説明する垂直断面図であ
る。
【図3】図2の III矢視断面を示す図である。
【図4】図1の実施例の案内円板を示す斜視図である。
【図5】図2の要部をさらに拡大して示す図である。
【符号の説明】
40:大径歯車 42:デフケース 43:ピニオンシャフト 44:ピニオン 50,52:小径傘歯車 88:ハウジング 92a:第1案内リブ、92b:第2案内リブ、92
c:第3案内リブ 98:案内円板 104:取込口 114:貫通孔

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングと、外周歯を有して該ハウジ
    ング内に設けられた大径歯車と、該大径歯車と一体的に
    設けられて一軸心まわりに回転する殻状のデフケース
    と、該デフケース内において該デフケースに固定された
    ピニオンシャフトにより前記一軸心と直交する軸心まわ
    りに回転可能に支持されたピニオンと、該デフケース内
    において該ピニオンを介在させた状態で相対向し且つ前
    記一軸心まわりに相対回転可能に設けられた一対の小径
    傘歯車とを備え、前記ハウジング内に貯留された潤滑油
    を前記デフケース内に収容されて互いに噛み合うピニオ
    ンおよび一対の小径傘歯車に供給する形式の車両用差動
    歯車装置であって、 前記ハウジングの内壁面に設けられ、前記大径歯車によ
    り掻き上げられた潤滑油を内周側へ導く案内リブと、 前記デフケースと反対側の面において回転方向に向かっ
    て開口する取込口を有して前記デフケースの前記一軸心
    方向の一方の端部に固定され、前記案内リブによって内
    周側へ導かれた潤滑油を該取込口から取り込んでさらに
    内周側へ送り込む案内円板と、 前記デフケースに形成され、前記案内円板により内周側
    へ送り込まれた潤滑油を該デフケース内へ供給する貫通
    孔とを含むことを特徴とする車両用差動歯車装置の潤滑
    装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10138777A (ja) * 1996-11-13 1998-05-26 Hino Motors Ltd インタアクスルデフの潤滑装置
JP2006307908A (ja) * 2005-04-26 2006-11-09 Toyota Motor Corp 車両用動力伝達装置における潤滑装置
DE102015224614A1 (de) * 2015-12-08 2017-06-08 Zf Friedrichshafen Ag Differentialgehäuse für ein Differentialgetriebe und Differentialgetriebe mit einer Lamellenbremse
JP2019152266A (ja) * 2018-03-02 2019-09-12 本田技研工業株式会社 ディファレンシャル装置
US10663055B2 (en) 2017-12-06 2020-05-26 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Differential gear device

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