JP2792317B2 - 潤滑調整式差動制限装置 - Google Patents

潤滑調整式差動制限装置

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JP2792317B2
JP2792317B2 JP4064232A JP6423292A JP2792317B2 JP 2792317 B2 JP2792317 B2 JP 2792317B2 JP 4064232 A JP4064232 A JP 4064232A JP 6423292 A JP6423292 A JP 6423292A JP 2792317 B2 JP2792317 B2 JP 2792317B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、4輪駆動車のセンタデ
ファレンシャルや左右輪間のデファレンシャルに用いて
好適の、湿式摩擦プレートを利用した差動制限装置に関
し、特に、湿式の摩擦プレートへの潤滑油の供給が差動
に応じて調整されるようにした、潤滑調整式差動制限装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車には、左右の駆動輪間の差動を許
容する差動機構(デファレンシャル)が装備され、ま
た、4輪駆動車にあっては、前後輪間の差動を許容する
差動機構(センターデファレンシャル)が装備されたも
のがある。この差動機構において差動を制限する差動制
限機構が開発されている。かかる差動制限機構は、一般
には片輪空転時に差動を制限して他方の車輪を回転させ
て路面への駆動力伝達を確保するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、差動制限機
構により、駆動力の移動を行なう装置が考えられてい
る。例えばセンターデフに適用した場合には、前輪駆動
系と後輪駆動系との2つの駆動輪系の間で通常回転時に
差動が生じるように設定し、これらの互いに差動する前
輪駆動系と後輪駆動系との間に、差動制限機構を設ける
のである。
【0004】これにより、差動制限機構を作用させる
と、2つの駆動輪系のうちの高速回転側から低速回転側
へと駆動力が伝達される。特に、差動制限機構を例えば
油圧多板クラッチにより構成して、このクラッチの係合
状態に応じて2つの駆動輪系の間での駆動力移動を調整
することも考えられる。この場合、クラッチフリーの状
態での駆動力の前後配分比(例えば30:70)からク
ラッチロックの状態での駆動力の前後配分比(例えば6
0:40)までの間で、駆動力の前後配分を制御でき
る。
【0005】かかる差動制限機構の一例を説明すると、
図4に示すように、この装置は、自動変速機6を通じて
エンジンのトルクを入力される入力部と、センタデフ1
2と、差動制限機構28と、前輪側及び後輪側への出力
部とをそなえる。入力部は、変速機(図示略)からの出
力ギヤと噛合する入力歯車113と、この入力歯車11
3がセレーション結合される入力ケース124とからな
り、入力ケース124は、トランスミッションケース1
15に固定されるエンドカバー115a及びリナーナ1
15bに、軸受114a,114bを介して回転自在に
装着されている。
【0006】センタデフ12は、遊星歯車機構を用いた
遊星歯車式のものであって、サンギヤ121と、このサ
ンギヤ121外方にサンギヤ121を囲むようにして配
置された複数のプラネタリピニオン122と、このプラ
ネタリピニオン122の周りに配設されたリングギヤ1
23と、プラネタリピニオン122を支持するプラネタ
リキャリア125とをそなえており、各ギヤはいずれも
すぐ歯ギヤにより構成されている。
【0007】そして、エンジンからの駆動力は、入力ケ
ース124からプラネタリキャリア125に入力され
て、プラネタリピニオン122及びサンギヤ121から
中空軸部材27aを介して前輪用出力軸27に出力され
る一方で、プラネタリピニオン122及びリングギヤ1
23から部材130を介して後輪用出力軸29に出力さ
れるようになっている。
【0008】差動制限機構としての油圧多板クラッチ2
8は、プラネタリキャリア125のクラッチディスク支
持部125fに装着された入力側ディスクブレート28
bと、中空軸145を介してサンギヤ121及び前輪用
出力軸27と一体に回転するクラッチケース146に装
着された前輪出力側ディスクブレート28aとが、それ
ぞれ複数交互に並設されて形成されている。
【0009】そして、これらのディスクブレート28
a,28bは、第1ピストン141及び第2ピストン1
42によって駆動され、相互に係合するになっている。
第1ピストン141及び第2ピストン142は、中空軸
145の外周に形成されたピストン収容部145a内に
それぞれ軸方向に移動できるように納められており、こ
れらの第1及び第2のピストン141,142間には、
ピストン収容部145aに固定されて軸方向に移動しな
い仕切プレート143が介設されている。
【0010】そして、第1ピストン141とピストン収
容部145aとの間には、第1油室144aが設けら
れ、第2ピストン142と仕切プレート143との間に
は、第2油室144bが設けられており、これらの油室
144a,144b内には、トランスミッションケース
115側に固定された支持部材116内に穿設された油
路117a及び中空軸145内に穿設された油路117
bを通じて、図示しない油圧供給系から適宜油圧を供給
されるようになっている。
【0011】また、出力部は、前輪用出力軸27及び後
輪用出力軸29等から構成されている。なお、図4中、
114c〜114fは軸受、125ahベースプレート
部、125bはプラネタリピニオン収容部、125fは
クラッチディスク支持部、126はピニオンシャフト、
130は接続部材、132a〜132cは各シャフトを
軸方向に支持するプレート、133はサークリップであ
る。
【0012】ところで、このように湿式のクラッチによ
る差動制限機構では、クラッチプレート(摩擦プレー
ト)の耐久性を向上させようとすると、摩擦プレートへ
十分な潤滑油を供給することが必要になるが、回転部分
である摩擦プレートへ供給される潤滑油は回転時に攪拌
抵抗となるので、装置の性能上は好ましくない。逆に、
回転する摩擦プレートへ供給する潤滑油を少なくする
と、摩擦プレートの耐久性が低下する。
【0013】このように、摩擦プレートの潤滑油供給に
は相反する課題が存在する。本発明は、上述の課題に鑑
み創案されたもので、必要なときだけ摩擦プレートへ潤
滑油を供給できるようにして、潤滑油による攪拌抵抗の
発生を抑えながら摩擦プレートの耐久性を向上できるよ
うにした、潤滑調整式差動制限装置を提供することを目
的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の潤滑
調整式差動制限装置は、互いに差動しうる2軸間に介装
され該2軸の差動を制限するクラッチと、該クラッチが
収納されると共に潤滑油が貯留され該2軸を回転自在に
支持するケースと、該ケースに収納されると共に該2軸
間の差動により駆動されて該潤滑油を吸入吐出するポン
プと、該ポンプにより吐出された潤滑油を該クラッチの
摩擦プレートに導く潤滑油供給路と、が設けられたこと
を特徴としている。
【0015】
【作用】上述の本発明の潤滑調整式差動制限装置では、
ポンプが、2軸間の差動により駆動されてケース内に貯
留された潤滑油を吸入吐出し、このポンプにより吐出さ
れた潤滑油は潤滑油供給路を通じて該2軸の差動を制限
するクラッチに導かれる。つまり、該2軸間に差動が生
じてクラッチに潤滑油が必要になるとポンプが作動して
潤滑油供給路通じてケース内の潤滑油がクラッチに供給
されることになり、クラッチの摩擦プレートに効率よく
潤滑油を供給する。
【0016】
【実施例】以下、図面により、本発明の一実施例として
の潤滑調整式差動制限装置について説明すると、図1は
その要部構成を示す断面図、図2はその要部構成を示す
断面図(図1のA−A矢視断面図)、図3はその要部構
成を示す断面図(図1のB−B矢視断面図)である。
【0017】この潤滑調整式差動制限装置は、差動制限
機構付きのセンタデファレンシャル(センタデフ)とし
て構成されており、図1に示すように、遊星歯車式セン
タデフ12と、差動制限機構としての湿式多板クラッチ
(油圧多板クラッチ)28と、をそなえて構成されてい
る。遊星歯車式センタデフ12は、リングギヤ12A
と、プラネタリピニオン12Bと、サンギヤ12Cと、
プラネタリキャリア(プラネタリシャフト)12Dとを
そなえ、この例では、リングギヤ12Aに、図示しない
エンジンから変速機を介して駆動力が入力されるように
なっている。
【0018】そして、このリングギヤ12Aと連動する
プラネタリピニオン12Bを介してプラネタリキャリア
12Dから後輪側へ駆動力が配分されるとともに、リン
グギヤ12A及びプラネタリピニオン12Bと連動する
サンギヤ12Cから前輪側へ駆動力が配分されるように
なっている。つまり、リングギヤ12Aは、ころ軸受け
を介して枢支されるセンタデフケース350に設けられ
ており、このセンタデフケース350には、変速機の出
力ギヤ(図示略)と噛合する入力ギヤ(図示略)が設け
られている。
【0019】そして、プラネタリキャリア12Dは中空
軸351と一体回転するように装着されており、この中
空軸351は、ボルト356により後輪ドライブ用リン
グギヤ15Aを装着された中空部材354とセレーショ
ン結合されている。さらに、リングギヤ15Aはプロペ
ラシャフト20の前端に設けられたピニオン15Bとの
噛合を通じて、図示しない後輪駆動系へ接続されてい
る。なお、中空部材354は、ころ軸受けを介してケー
ス355に枢支されている。
【0020】また、サンギヤ12Cは中空軸352と一
体回転するように装着されており、この中空軸352
は、フロントデファレンシャル14のフロントデフケー
ス353とセレーション結合されている。このデフケー
ス353内には、ピン357を通じてピニオンシャフト
14Aが固定され、このピニオンシャフト14Aに枢支
されたピニオンギヤ14B,14Bと、これらのピニオ
ンギヤ14B,14Bと噛合するサイドギヤ14C,1
4Dとが内蔵されている。サイドギヤ14Cは左前輪駆
動軸17Lと一体回転するように装着され、サイドギヤ
14Dは右前輪駆動軸17Rと一体回転するように装着
されている。
【0021】そして、差動制限機構としての油圧多板ク
ラッチ28は、ボルト356を介して中空部材354に
結合された部材401と、フロントデフケース353と
セレーション結合された部材403との間に介装されて
おり、後輪側の部材401と前輪側の部材403との間
の差動を制限できるようになっている。つまり、後輪側
の部材401側のクラッチ支持部401Aにはクラッチ
プレート(湿式摩擦プレート)28Aが一体回転するよ
うに設置され、前輪側の部材403のクラッチ支持部4
03Aにはクラッチプレート(湿式摩擦プレート)28
Bが一体回転するように設置され、これらのクラッチプ
レート28A,28Bを係合させる油圧ピストン28C
が設けられている。この例では、油圧ピストン28Cは
押圧部材28Dを介してクラッチプレート28A,28
Bに係合力を与えるようになっている。
【0022】この油圧ピストン28Cは、環状の部材で
あり、ケース358の端部内側に収められている。そし
て、この油圧ピストン28Cとケース358の端部内壁
とで包囲されて油室28Eが形成されている。この油室
28Eは、給排口28Fを通じて図示しない油圧制御系
により油圧を給排されるようになっており、油圧ピスト
ン28Cの駆動、つまり、クラッチプレート28A,2
8Bの係合状態が制御されるようになっている。
【0023】そして、差動制限機構としての油圧多板ク
ラッチ28を係合させない状態(クラッチフリーの状
態)では、所定の前後配分比(例えば30:70)で駆
動力が前後輪へ配分されるようになっている。このクラ
ッチフリーのときには、後輪側のクラッチプレート28
Aが前輪側のクラッチプレート28Bよりも速く回転し
ており、差動制限機構としての油圧多板クラッチ28を
係合させた状態(半係合又はクラッチロックの状態)で
は、より高速回転している後輪側から前輪側へと駆動力
伝達が行なわれるようになっている。
【0024】特に、クラッチロックの状態では、4輪直
結状態で4輪の駆動が行なわれて、前後輪の重量配分比
等に基づいた前後配分比(例えば60:40)で駆動力
が前後輪へ配分されるようになっている。したがって、
油圧多板クラッチ28を半係合させると、前後配分比
を、例えば30:70から60:40まで調整できる。
【0025】この潤滑調整式差動制限装置のケース35
8内には、通常はベアリング等を潤滑できる程度の潤滑
油が内蔵されているが、この潤滑油の量はクラッチプレ
ート28A,28Bの摩擦面を潤滑するまでには至らな
い。そこで、この装置には、前後輪の差動時に作用する
ように、互いに差動しうる後輪側の部材401と前輪側
の部材403との間に潤滑油ポンプ400が設けられて
いる。
【0026】この潤滑油ポンプ400は、後輪側の部材
401と前輪側の部材403との間の差動に応じてクラ
ッチプレート28A,28Bへ潤滑油を駆動するもの
で、この例では、内接型歯車ポンプにより構成されてい
る。つまり、図2,3に示すように、後輪側の部材40
1には、軸心(前輪駆動軸17Rと同一の軸心)に対し
て偏心した円形溝(ポンプ室)401Bをそなえてお
り、後輪側の部材401はオイルポンプハウジングとし
て機能するようになっている。そして、ポンプ室401
Cには、回転自在に環状の内歯車部材(ドリブンギヤ)
402が内装されている。また、後輪側の部材401の
ポンプ室401C内には、軸心(前輪駆動軸17Rと同
一の軸心)と同心状に弧状突起401Bが突設されてお
り、内歯車部材402はポンプ室401Cの内壁とこの
弧状突起401Bの外周面との間を摺動するようになっ
ている。
【0027】一方、前輪側の部材403には、軸心(前
輪駆動軸17Rと同一の軸心)と同心状に外歯車(ドラ
イブギヤ)403Bが形成されており、この外歯車40
3Bの外歯403Cは、一方で弧状突起401Bの内周
面に摺接して他方で内歯車部材402の内歯402Bと
噛合している。さらに、ポンプ室401C端部における
弧状突起401Bの両端近傍には、吸入ポート405と
排出ポート406とが形成されている。そして、吸入ポ
ート405にはクラッチプレート28A,28Bの外周
部から潤滑油を吸入する潤滑油通路404Aが連結され
ている。また、排出ポート406にはクラッチプレート
28A,28Bの内周部へ潤滑油を排出(供給)する潤
滑油通路404Bが連結されている(図1参照)。な
お、この潤滑油通路404Bは、図1に示すように、前
輪側の部材403のクラッチプレート28Bを支持する
筒状部に穿設されている。
【0028】これにより、後輪側の部材401と前輪側
の部材403との間に差動が生じると、ポンプ室401
Cで外歯車403B及び内歯車部材402が回動しなが
ら、潤滑油を駆動して、クラッチプレート28A,28
Bの摩擦面に潤滑油を循環させるようになっている。本
発明の一実施例としての潤滑調整式差動制限装置は、上
述のように構成されているので、エンジンからの駆動力
は、遊星歯車式センタデフ12で後輪側と前輪側とに配
分されるが、このとき、差動制限機構としての油圧多板
クラッチ28の係合状態に応じて前後駆動力配分比が制
御される。
【0029】つまり、油圧多板クラッチ28を係合させ
ない状態(クラッチフリーの状態)では、所定の前後配
分比(例えば30:70)で駆動力が前後輪へ配分さ
れ、油圧多板クラッチ28を係合させた状態(半係合又
はクラッチロックの状態)では、後輪側から前輪側へと
駆動力伝達が行なわれる特に、クラッチロックの状態で
は、4輪直結状態で4輪の駆動が行なわれて、前後輪の
重量配分比等に基づいた前後配分比(例えば60:4
0)で駆動力が前後輪へ配分される。
【0030】この前後駆動力配分の制御時に、特に半係
合状態のときには、油圧多板クラッチ28のクラッチプ
レート28A,28Bの摩擦面に大きな負担がかかる
が、この時には、潤滑油ポンプ400が、差動状態に応
じて潤滑油をクラッチプレート28A,28Bの内側か
ら供給するので、潤滑油は遠心力を受けてクラッチプレ
ート28A,28Bの摩擦面上を潤滑しながらクラッチ
プレート28A,28Bの外周へと送られる。これによ
り、クラッチプレート28A,28Bの摩擦面にの負担
が大幅に軽減されるようになる。
【0031】特に、差動が大きいほどクラッチプレート
28A,28Bの摩擦面に大きな負担がかかるが、潤滑
油ポンプ400は差動状態に応じて潤滑油を供給するの
で、クラッチプレート28A,28Bには常に必要な程
度の潤滑油を供給することができ、クラッチプレート2
8A,28Bの保護が常に確実に得られる。逆に、通常
走行時には、前後輪に差動が生じないので、潤滑油ポン
プ400は作動しない。したがって、通常、潤滑油はベ
アリング等を潤滑するほかは、遠心力により、ケース3
58内におけるクラッチプレート28A,28Bの外側
に溜まっている程度であって、クラッチプレート28
A,28B等の回転部分で攪拌されて攪拌抵抗を生じる
ことも僅かになる。
【0032】このようにして、必要なとき必要なだけ摩
擦プレートへ潤滑油を供給できるようになり、潤滑油に
よる攪拌抵抗を抑えて装置の性能低下を防ぎながら、摩
擦プレートの耐久性を向上できるようになる。また、ケ
ース358内の潤滑油は回転しないので、この潤滑油に
遠心油圧が生じることはなく、この点でのポンプの吸入
効率の低下が回避され、潤滑油の供給性能が確保される
利点もある。なお、潤滑油ポンプ400に内接型歯車ポ
ンプを用いているが、潤滑油ポンプ400は、2つの部
材(後輪側の部材401と前輪側の部材403)の間に
部材間の差動によって潤滑油の駆動を行なうポンプであ
れば、これに限るものではない。
【0033】さらに、この実施例では、本発明の潤滑調
整式差動制限装置をセンタデフに付設した例を示した
が、この潤滑調整式差動制限装置は左右輪デフにも適用
できる。また、この装置は、湿式の摩擦プレートを介し
て該差動機構の差動を制限する差動制限装置であれば、
この実施例のごときタイプ以外の種々の差動装置に付設
できるものである。
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の潤滑調整
式差動制限装置によれば、互いに差動しうる2軸間に介
装され該2軸の差動を制限するクラッチと、該クラッチ
が収納されると共に潤滑油が貯留され該2軸を回転自在
に支持するケースと、該ケースに収納されると共に該2
軸間の差動により駆動されて該潤滑油を吸入吐出するポ
ンプと、該ポンプにより吐出された潤滑油を該クラッチ
の摩擦プレートに導く潤滑油供給路と、が設けられると
いう構成により、必要なときだけ摩擦プレートへ潤滑油
を供給できるようになり、潤滑油による攪拌抵抗を抑え
て装置の性能低下を防ぎながら、摩擦プレートの耐久性
を向上できるようになる。また、ケース内に貯留された
潤滑油は回転しないので、この潤滑油に遠心油圧が生じ
ることはなく、この点でのポンプの吸入効率の低下が回
避され、潤滑油の供給性能が確保される利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての潤滑調整式差動制限
装置の要部構成を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施例としての潤滑調整式差動制限
装置の要部構成を示す断面図(図1のA−A矢視断面
図)である。
【図3】本発明の一実施例としての潤滑調整式差動制限
装置の要部構成を示す断面図(図1のB−B矢視断面
図)である。
【図4】本発明の案出過程で提案されたセンタデフ差動
制限装置の要部構成を示す断面図である。
【符号の説明】
12 差動制限装置としての遊星歯車式センタデファレ
ンシャル(センタデフ) 12A リングギヤ 12B プラネタリピニオン 12C サンギヤ 12D プラネタリキャリア(プラネタリシャフト) 14 フロントデファレンシャル 14A ピニオンシャフト 14B ピニオンギヤ 14C,14D サイドギヤ 17L 左前輪駆動軸 17R 右前輪駆動軸 28 差動制限機構としての湿式多板クラッチ(油圧多
板クラッチ) 28A,28B クラッチプレート(湿式摩擦プレー
ト) 28C 油圧ピストン 28D 押圧部材 28E 油室 28F 給排口 350 センタデフケース 351,352 中空軸 353 フロントデフケース 354 中空部材 355 ケース 356 ボルト 357 ピン 358 ケース 400 潤滑油ポンプ 401 後輪側の部材(オイルポンプハウジング) 401A クラッチ支持部 401B 弧状突起 401C 円形溝(ポンプ室) 402 内歯車部材(ドリブンギヤ) 402B 内歯 403 前輪側の部材 403A クラッチ支持部 403B 外歯車(ドライブギヤ) 403C 外歯 404A,404B 潤滑油通路 405 吸入ポート 406 排出ポート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60K 17/16 B60K 17/346 B60K 23/04 F16H 57/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに差動しうる2軸間に介装され該2
    軸の差動を制限するクラッチと、 該クラッチが収納されると共に潤滑油が貯留され該2軸
    を回転自在に支持するケースと、 該ケースに収納されると共に該2軸間の差動により駆動
    されて該潤滑油を吸入吐出するポンプと、 該ポンプにより吐出された潤滑油を該クラッチの摩擦プ
    レートに導く潤滑油供給路と、 が設けられたこと を特徴とする、潤滑調整式差動制限装
    置。
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