JP3106867B2 - 車両用左右駆動力調整装置 - Google Patents

車両用左右駆動力調整装置

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JP3106867B2
JP3106867B2 JP17423194A JP17423194A JP3106867B2 JP 3106867 B2 JP3106867 B2 JP 3106867B2 JP 17423194 A JP17423194 A JP 17423194A JP 17423194 A JP17423194 A JP 17423194A JP 3106867 B2 JP3106867 B2 JP 3106867B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、四輪駆動式又は二輪駆
動式の自動車における左右の駆動輪への駆動力配分等に
用いて好適の、車両用左右駆動力調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、四輪駆動式自動車(以下、四輪駆
動車という)の開発が盛んに行なわれているが、前後輪
間のトルク配分(駆動力配分)を積極的に調整できるよ
うにした、フルタイム四輪駆動方式の自動車の開発も種
々行なわれている。一方、自動車において、左右輪に伝
達されるトルク配分機構を広義にとらえると従来のノー
マルディファレンシャル装置や電子制御式を含むLSD
(リミテッドスリップデフ)が考えられるが、これらは
トルク配分を積極的に調整するものでなく、左右輪のト
ルクを自由自在に配分できるものではない。
【0003】そこで、前後輪間のトルク配分調整装置と
並んで、左右輪間のトルク配分を調整できる装置の開発
も期待されていた。このような状況下で、装置を小型で
軽量なものにしながら、大きなトルクロスやエネルギロ
スを招来することなく、トルク配分を行なえるようにで
きる技術として、例えば特開平5−345535号公報
にて開示された車両用左右駆動力調整装置がある。
【0004】例えば図13はその模式的な構成図であ
る。この図13には、上記の車両用左右駆動力調整装置
が、自動車のリヤデファレンシャル(リヤデフ)の部分
に装備され、自動車(例えば四輪駆動車)の後輪の左右
駆動力移動を行なう場合を示している。即ち、この装置
は、図13に示すように、自動車のエンジン出力のうち
後輪側へ配分された回転駆動力を入力される入力軸1
と、入力軸1から入力された駆動力を出力する左輪側出
力軸2及び右輪側出力軸3とを連結するように設けられ
おり、左輪側出力軸2はその左端を左輪の駆動系に連結
され、右輪側出力軸3はその右端を右輪の駆動系に連結
されている。
【0005】この装置には、入力軸1と、差動機構4
と、駆動力伝達制御機構5とがそなえられ、この装置の
中心となるのが駆動力伝達制御機構5である。この機構
5は、増減速機構6と、第1の伝達トルク容量可変型カ
ップリング7及び第2の伝達トルク容量可変型カップリ
ング8とから構成される。そして、差動機構4と増減速
機構6とカップリング7,8とが同軸上に配置されてい
る。なお、この例では、伝達トルク容量可変型カップリ
ング7,8として電子制御油圧式の多板クラッチ機構が
設けられている。
【0006】入力軸1は、デフキャリヤ9にベアリング
を介して枢支されており、この入力軸1の端部に、ピニ
オン1Aが装着されている。このピニオン1Aは、デフ
ケース11に固定されたリングギヤ12に噛合してお
り、ピニオン1Aの回転がデフケース11に伝えられる
ようになっている。このデフケース11内に、遊星歯車
式のリヤデファレンシャル(リヤデフ)4が設けられて
いる。この遊星歯車式リヤデフ4は、ダブルピニオン式
のものであり、デフケース11内に形成されたリングギ
ヤ4Aと、左輪側出力軸2と一体回転するプラネタリキ
ャリヤ4Bと、このプラネタリキャリヤ4Bのプラネタ
リシャフト4Eに枢支されたプラネタリピニオン4C,
4Cと、右輪側出力軸3と一体回転するサンギヤ4Dと
から構成される。なお、プラネタリピニオン4C,4C
は、2つ1組のダブルピニオンである。
【0007】これにより、デフケース11が回転する
と、これと一体回転するリングギヤ4Aにより、プラネ
タリピニオン4C,4Cが駆動される。このプラネタリ
ピニオン4C,4Cは、プラネタリシャフト4Eの回り
に自転しながらサンギヤ4Dの回りを公転して、公転に
応じてプラネタリキャリヤ4Bを通じて左輪側出力軸2
に回転力を伝え、この公転と自転との釣合いに応じてサ
ンギヤ4Dを通じて右輪側出力軸3に回転力を伝えるよ
うになっている。このようなプラネタリピニオン4C,
4Cが公転と自転とのバランスを自由に変えられること
で差動機構が成立している。
【0008】そして、このリヤデフ4の隣に、駆動力伝
達制御機構5の増減速機構6が設けられている。この増
減速機構6は、左輪側出力軸2とキャリヤ4Bを介して
一体回転するように結合された中空の中間軸(第3の中
間軸)13と、第1のカップリング7に接続された中空
の中間軸(第1の中間軸)14と、第2のカップリング
8に接続された中空の中間軸(第2の中間軸)15との
間に介装されている。
【0009】なお、これらの中間軸13,14,15は
いずれも中空軸であり、中間軸13,14は、右輪側出
力軸3の外周に相対回転できるように装備され、中間軸
15は、中間軸14のさらに外周にこれも相対回転でき
るように装備されている。つまり、中間軸13は右輪側
出力軸3と仕切壁16との間に枢支され、中間軸14は
右輪側出力軸3と中間軸15との間に枢支され、中間軸
15は中間軸14の外周に枢支されている。
【0010】そして、これらの中間軸13,14,15
は後述する複合遊星歯車機構を通じてそれぞれ軸支され
ている。なお、中間軸13と仕切壁16との間、及び、
中間軸13と右輪側出力軸3との間には、それぞれオイ
ルシールが介装されており、リヤデフ4側と増減速機構
6及びカップリング7,8側とを互いに液密状態に仕切
っている。
【0011】増減速機構6は、増速機構6Aと減速機構
6Bとからなり、これらの増速機構6Aと減速機構6B
とは、複合遊星歯車機構からなっている。つまり、右輪
側出力軸3の周囲には、固定式プラネタリシャフト6C
が、複数(ここでは3つ)設けられており、これらの各
プラネタリシャフト6Cに、3種のギヤ18A,18
B,18Cをそなえた複合型プラネタリピニオン6Dが
枢支されている。
【0012】そして、複合型プラネタリピニオン6Dの
各ギヤ18A,18B,18Cに噛合するように、中間
軸13にギヤ(サンギヤ)13Aが設けられ、中間軸1
4にギヤ(サンギヤ)14Aが設けられ、中間軸15に
ギヤ(サンギヤ)15Aが設けられている。これらのギ
ヤ13A,14A,15Aの歯数をそれぞれZ1
2 ,Z3 とすると、Z2 <Z1 <Z3 の関係に設定さ
れている。また、ギヤ18A,18B,18Cの歯数を
それぞれZ4 ,Z5 ,Z6 とすると、Z6 <Z4 <Z5
の関係に設定されている。
【0013】そして、ギヤ13A,18A,18B,1
4Aの組み合わせにより増速機構6Aが構成され、ギヤ
13A,18A,18C,15Aの組み合わせにより減
速機構6Bが構成さている。即ち、増速機構6Aでは、
ギヤ13A,18A,18B,14Aの経路で、中間軸
13の回転が中間軸14に伝達されると、これらの歯数
比から、中間軸14は中間軸13よりも高速で回転する
のである。また、減速機構6Bでは、ギヤ13A,18
A,18C,15Aの経路で、中間軸13の回転が中間
軸15に伝達されると、これらの歯数比から、中間軸1
5は中間軸13よりも低速で回転するのである。
【0014】このような増減速機構6の出力は、中間軸
14及び15を介して、カップリング7,8側へ入力さ
れるようになっている。また、前述の各中間軸13,1
4,15は、固定式プラネタリシャフト6C,プラネタ
リピニオン6D及びサンギヤ13A,14A,15Aを
通じてそれぞれ軸支されている。
【0015】電子制御油圧式多板クラッチ機構である第
1及び第2のカップリング7,8は、リヤデフ4と仕切
壁16により仕切られたデフキャリヤ9内の空間内に一
体に設置されている。各カップリング7,8は、右輪側
出力軸3と一体回転するクラッチディスク7A,8A
と、中間軸14及び15と一体回転するクラッチディス
ク7B,8Bと、これらのクラッチディスク7A,7
B,8A,8Bにクラッチ圧を加える油圧ピストン(図
示略)とをそなえており、図示しないコントローラの電
子制御によって油圧ピストン7C又は8Cの駆動油圧が
油圧給排系7D,8Dを通じて調整されて、クラッチデ
ィスク7A,7B又は8A,8Bの係合状態、即ち、ト
ルク伝達状態が調整されるようになっている。
【0016】したがって、コントローラの制御によって
カップリング7が係合されると、急旋回でない通常走行
時には、高速回転する中間軸14側から右輪側出力軸3
側へと、つまり、左輪側出力軸2側から右輪側出力軸3
へと駆動力が移動して、左輪よりも右輪の駆動力の方が
大きくなる。逆に、コントローラの制御によってカップ
リング8が係合されると、急旋回でない通常走行時に
は、右輪側出力軸3側から低速回転する中間軸15側へ
と、つまり、右輪側出力軸3側から左輪側出力軸2へと
駆動力が移動して、右輪よりも左輪の駆動力の方が大き
くなる。
【0017】このように、この装置では、ブレーキ等の
エネルギーロスを用いてトルク配分を調整するのでな
く、スリップクラッチ等での速度の速い側から遅い側へ
のみトルクを伝達するという原理を利用して、一方のト
ルクの所要量を他方に転送することによりトルク配分が
調整されるため、大きなトルクロスやエネルギロスを招
来することなく、所望のトルク配分を得ることができ
る。
【0018】しかも、カップリングが中間軸を介して設
けられて、カップリング容量が少なくて済むので、装置
をコンパクト化でき、増減速機構から何れのカップリン
グへも直接駆動トルクが伝わるので、制御応答性が大き
く向上し、また、使用オイルの異なるギヤ類と多板クラ
ッチ部とを確実に分離できるので、装置をコンパクト化
できるとともに、仕切壁16を介して、デフオイル側と
カップリングオイル側との2系統にオイル供給系を簡素
化できオイル管理を容易にできるようになる利点もあ
る。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の車両
用左右駆動力調整装置の具体的な構成として、図14,
図15に示すものが考えられる。図14,図15におい
て、図13と同符号は同部材を示す。即ち、1は入力
軸、1Aはピニオン、2は左輪側出力軸、3は右輪側出
力軸である。4は差動機構であり、リングギヤ4A,プ
ラネタリキャリヤ4B,プラネタリピニオン4C,サン
ギヤ4D,プラネタリシャフト4Eから構成される。
【0020】5は駆動力伝達制御機構であり、複合遊星
歯車機構からなる増減速機構6と、第1及び第2の伝達
トルク容量可変型カップリングとしての湿式多板クラッ
チ機構7,8から構成される。また、増減速機構6は増
速機構6A及び減速機構6Bから構成され、各機構6
A,6Bとも、第1の中間軸14のギヤ14A,第2の
中間軸15のギヤ15A,第3の中間軸13のギヤ13
Aおよびこれらと噛合する複合型プラネタリピニオン6
Dの各ギヤ18A,18B,18Cからなる。複合型プ
ラネタリピニオン6Dは軸位置を固定されたプラネタリ
シャフト6Cに枢支される。
【0021】このプラネタリシャフト6Cを固定するた
めに、各プラネタリシャフト6Cの相互間には、図15
に斜線を付し又は図14に鎖線で示すようなボス21
(21A,21B,21C)を仕切壁16から突設さ
れ、このボス21A,21B,21Cの先端にキャリヤ
6Eがボルト22A,22B,22Cで固定されてい
る。そして、プラネタリシャフト6Cはキャリヤ6Eと
仕切壁16とに両端を支持されている。
【0022】湿式多板クラッチ機構7,8は、右輪側出
力軸側クラッチディスク7A,8Aと中間軸側クラッチ
ディスク7B,8Bとが交互に重合してなり、クラッチ
ケース23内に設けられる。右輪側出力軸側クラッチデ
ィスク7A,8Aの外周にはスプライン軸(図示略)が
形成され、これらのスプライン軸は、クラッチケース2
3の外周部23Aの内面とスプライン結合している。ま
た、中間軸側クラッチディスク7B,8Bの内周にはス
プライン穴(図示略)が形成され、これらのスプライン
穴は、各中間軸の端部に拡径する形状に構成されたクラ
ッチハブ14B,15Bとスプライン結合する。
【0023】また、各湿式多板クラッチ機構7,8は油
圧ピストン19,20を通じて押圧され、この油圧ピス
トン19,20の油圧が解除されるとリターンスプリン
グ7E,8Eにより押圧を解除されるようになってい
る。ここでは、油圧ピストン19,20は、クラッチケ
ース23と一体回転する第1ピストン19A,20A
と、デフキャリヤ9側に回転しないように設けられた第
2ピストン19B,20Bとからなり、これらの第1ピ
ストン19A,20Aと第2ピストン19B,20Bと
の間には、ニードルベアリング10Bが介装され、スラ
スト力のみ伝達するようになっている。
【0024】これらのピストン19,20を駆動するた
めの油圧シリンダ19C,20Cは、第2ピストン19
B,20Bの後方のデフギャリヤ9側に形成されてい
る。これにより、油圧シリンダ19C,20C内の作動
油に遠心力が加わらなくなり、各部の回転状態に係わら
ず安定した油圧を発生でき、ピストン19,20の駆動
精度が高められている。
【0025】なお、図14,図15中、2A,3Aは図
示しない左輪側駆動軸及び右輪側駆動軸に結合されるフ
ランジ部であり、10はベアリング,10Bはニードル
ベアリング,10Cはころ軸受け,10Dはオイルシー
ル,11はデフケース,12はリングギヤ,24はスナ
ップリングである。ところで、例えば、湿式多板クラッ
チ機構7,8の各クラッチディスク7A,8A,7B,
8Bへは潤滑油を供給する必要があるが、デフギャリヤ
9内には、この他に増減速機構6のギヤ部もあり、これ
らにも潤滑油を供給する必要がある。
【0026】そこで、デフギャリヤ9内に潤滑油を内蔵
して、デフギャリヤ9内の各部、即ち、増減速機構6の
ギヤ部や湿式多板クラッチ機構7,8等の回転により、
潤滑油を攪拌して、これらの回転部に潤滑油を供給する
ことが考えられる。しかしながら、このような手段で
は、例えば図15に符号25で示すようなレベルまで、
デフギャリヤ9内に多量の潤滑油を内蔵しなくてはなら
ず、却って、攪拌抵抗の増大により、潤滑油の温度上昇
による潤滑性能低下や、動力伝達効率の悪化による燃費
悪化を招く不具合がある。
【0027】また、かかる装置の組み立てについて考え
ると、上述の図14,図15に示すに構成では、例えば
図16に示すように、デフギャリヤ9を、差動機構4及
び増減速機構6(したがって、第1〜第3の中間軸13
〜15も含む)を収納する第1キャリヤ部分26と、ク
ラッチケース23を収納する第2キャリヤ部分27とに
大きく二分して、この図16に示すようにそれぞれの部
分を予めアッセンブリとして組み立てた上で、第1キャ
リヤ部分26に第2キャリヤ部分27を結合する。
【0028】しかしながら、このような組み立て構成で
は、第1キャリヤ部分26に第2キャリヤ部分27を結
合する際に、多数の中間軸側クラッチディスク7B,8
Bのスプライン穴と各中間軸14,15のクラッチハブ
14B,15Bとの位相を整合させた上で、行なわなく
てはならない。このため、極めて作業性が悪い。さら
に、第1キャリヤ部分26と第2キャリヤ部分27とを
それぞれ予め組み立てておくには、第1キャリヤ部分2
6で増減速機構6の各プラネタリシャフト6Cを通じて
ピニオン18A〜18Cを支持しておくために、上述の
ように、大きくボス21A,21B,21Cを突設さ
れ、このボス21A,21B,21Cの先端にキャリヤ
6Eをそなえなくてはならない。また、第2キャリヤ部
分27における外周部27Aと端面部27Bとのボルト
結合と、第1キャリヤ部分26と第2キャリヤ部分27
とのボルト結合が別個に行なわれるので、装置の大型化
や装置の重量や部品点数の増加を招く。
【0029】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、装置に使用する潤滑油等のオイル管理を容易
に行なえ、装置の組立性を向上できるようにし、装置の
小型化及び軽量化又は部品点数の削減を実現できるよう
にした、車両用左右駆動力調整装置を提供することを目
的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1にか
かる本発明の車両用左右駆動力調整装置は、エンジンの
動力が伝達される入力部と、左輪側回転軸と、右輪側回
転軸と、上記入力部の動力を上記左輪側回転軸及び上記
右輪側回転軸に配分する差動機構と、上記入力部の回転
速度を変速して上記左輪側回転軸と上記右輪側回転軸と
のいずれか一方の回転軸に選択的に伝達すると共に上記
の両回転軸と同軸に配設された動力伝達手段と、上記動
力伝達手段を覆うように配設されるハウジングとをそな
え、上記動力伝達手段が、上記入力部側の回転速度を増
速する増速機構と該回転速度を減速する減速機構とが一
体化された増減速機構と、上記増減速機構の出力部と上
記一方の回転軸との間に介装されたカップリング機構
と、から構成され、上記ハウジングが、上記増減速機構
を収容する第1のハウジング部材と、上記カップリング
機構を収容する第2のハウジング部材とをそなえ、上記
増減速機構の一端が上記第1のハウジング部材に支持さ
れ、上記増減速機構の他端が上記第2のハウジング部材
に支持されて、上記第2のハウジング部材が、上記カッ
プリング機構の一端面側を覆うメインハウジング部と、
上記カップリング機構の他端面側を覆うとともに上記増
減速機構の他端側に配設され上記増減速機構の他端を支
持するサブハウジング部とをそなえて構成されている
とを特徴としている。
【0031】請求項2にかかる本発明の車両用左右駆動
力調整装置は、請求項1記載の構成において、上記第1
のハウジング部材及び上記メインハウジング部及び上記
サブハウジング部の各外周部分に、それぞれ結合用フラ
ンジ部が形成され、上記第1のハウジング部材及び上記
メインハウジング部及び上記サブハウジング部の3部材
が、上記の各結合用フランジ部を同時に結合するボルト
により一体結合されるように構成されていることを特徴
としている。
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【作用】上述の請求項1にかかる本発明の車両用左右駆
動力調整装置では、エンジンからの動力は、入力部に入
力され、さらに、差動機構を通じて、左輪側回転軸と右
輪側回転軸とにこれらの回転軸間の差動を許容されつつ
配分される。このとき、動力伝達手段により、左輪側回
転軸及び右輪側回転軸への動力配分が調整される。
【0039】つまり、動力伝達手段では、増減速機構の
増速機構により、入力部側の回転速度が増速されて出力
部から出力され、増減速機構の減速機構により、該入力
側の回転速度が減速されて出力部から出力される。そ
して、カップリング機構が、動力伝達状態にされると、
増速機構の出力部と左輪側回転軸及び右輪側回転軸のう
ちの一方の回転軸との間で動力の伝達を行なう場合、増
速機構により出力回転が増速されるので、通常は増速機
構の出力部の方が一方の回転軸よりも高速となり、入力
側から一方の回転軸へとトルク移動が行なわれる。
【0040】また、減速機構の出力部と左輪側回転軸及
び右輪側回転軸のうちの一方の回転軸との間でで動力の
伝達を行なう場合、減速機構により出力回転が減速され
るので、通常は一方の回転軸の方が減速機構の出力部よ
りも高速となり、一方の回転軸から入力部側へとトルク
移動が行なわれる。
【0041】このようにして、左右輪間でのトルク移動
により、駆動力の左右輪への配分状態が制御されるが、
動力伝達手段が左輪側回転軸及び右輪側回転軸と同軸上
に配置されている構成も加わるので、装置全体を簡素か
つ小型に構成できる。さらに、予め、該第1のハウジン
グ部材に該増減速機構を収容してこれをアセンブリ化す
るとともに、該第2のハウジング部材に該カップリング
機構を収容してこれをアセンブリ化した上で、該第1の
ハウジング部材と該第2のハウジング部材とを結合し
て、一端を該第1のハウジング部材に支持された該増減
速機構の他端を該第2のハウジング部材に支持させるよ
うに組み立てることにより、装置を容易に組み立てるこ
とができる。さらに、該第1のハウジング部材に該増減
速機構を収納し、該第2のハウジング部材のメインハウ
ジング部に該カップリング機構の一端面を覆うように収
納し、該第2のハウジング部材のサブハウジング部に該
カップリング機構の他端面を覆うように収容して、いず
れもアセンブリ化できるようになる。
【0042】請求項2にかかる本発明の車両用左右駆動
力調整装置では、上記の第1のハウジング部材及びメイ
ンハウジング部及びサブハウジング部の各外周部分にそ
れぞれ形成された結合用フランジ部を、互いにボルトに
より同時に一体結合する。これにより、内部に所要の部
材を装備したハウジングを容易に組み立てることができ
る。
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【実施例】以下、図面により、本発明の一実施例として
の車両用左右駆動力調整装置について説明すると、図1
はその断面図、図2はその概要構成を示す模式図、図3
は本装置をそなえた車両の駆動系構成図、図4はそのア
センブリ単位を示す図、図5はその潤滑油流路を示す
図、図6〜図12はその伝達トルク容量可変機構の油圧
ピストン部分に関して示す図である。
【0059】まず、この実施例の車両用左右駆動力調整
装置50の概略構成と、本装置50をそなえた車両の駆
動系構成を説明する。この実施例の左右駆動力調整装置
50は、図3に示すように、自動車のリヤデファレンシ
ャル(リヤデフ)4の部分に装備され、自動車の後輪の
左右駆動力移動を行なうものであって、ここでは特に四
輪駆動車の後輪側にそなえられ、センターディファレン
シャル58を通じて後輪側へ出力された駆動力をプロペ
ラシャフト68を介して入力軸1に受けて、この駆動力
を左右の後輪74L,74Rに配分できるようになって
いる。
【0060】この左右駆動力調整装置50の主要な構成
要素は、自動車のエンジン出力のうち後輪側へ配分され
た回転駆動力を入力される入力軸(入力部)1と、差動
機構(ここではリヤデフ)4と、動力伝達手段としての
駆動力伝達制御機構5であり、特に、この装置の中心と
なるのが駆動力伝達制御機構5である。この機構5は、
増減速機構6と、第1の伝達トルク容量可変型カップリ
ング7及び第2の伝達トルク容量可変型カップリング8
のカップリング機構とから構成される。これらの差動機
構4と増減速機構6とカップリング7,8とが同軸上に
配置されている。また、第1及び第2の伝達トルク容量
可変型カップリング7,8は油圧によって伝達トルク容
量を調整されるようになっている。
【0061】また、図3において、符号52はエンジン
であり、このエンジン52の出力はトランスミッション
54及び中間ギア56を介して差動歯車機構(=センタ
ディファレンシャル、以下、センタデフという)58に
伝達されるようになっている。このセンタデフ58の出
力は、一方において前輪用の差動歯車機構(=フロント
ディファレンシャル、以下、フロントデフという)60
を介して車軸62L,62Rから左右の前輪64L,6
4Rに伝達され、他方においてベベルギヤ機構66,プ
ロペラシャフト68及びベベルギヤ機構70,後輪用の
差動歯車装置(=リヤディファレンシャル、以下、リヤ
デフという)4を介して車軸72L,72Rから左右の
後輪74L,74Rに伝達されるようになっている。本
装置はこのリヤデフ4を含めて、車軸74L,74Rに
わたるように設けられている。
【0062】また、センタデフ8には、ビスカスカッ
プリングユニット(VCU)76が設けられ、その前輪
側出力部と後輪側出力部との差動を拘束(又は制限)す
るようになっている。リヤデフ4の差動を制限しながら
トルク移動を行なう伝達トルク容量可変型カップリング
7,8の油圧系の油圧調整は、油圧ユニット78により
行なわれるようになっている。すなわち、油圧ユニット
78では内蔵された油圧ポンプを通じてリザーバタンク
80からの作動油を伝達トルク容量可変型カップリング
7,8の油圧系に供給したり、排除したりするようにな
っている。
【0063】この油圧ユニット78は、電子制御ユニッ
ト(以下、ECUという)82により作動を制御される
ようになっている。ECU82には、例えばエンジン出
力を電子制御する電子制御ユニット(エンジンECU)
(図示省略)や、アンチロックブレーキシステム(AB
S)を電子制御する電子制御ユニット(ABSECUと
いう)84からの情報や、ハンドル角情報,前後加速度
情報,アクセル開度情報等が入力されるようになってお
り、ECU82では、これらの各情報に基づいて、油圧
ユニット78を制御するようになっている。なお、各E
CU82は、図示しないが制御に必要なCPU,RO
M,RAM,インタフェイス等をそなえている。
【0064】ここで、本車両用左右駆動力調整装置の細
部を説明すると、図1,2に示すように、本装置50に
は、前述のようにエンジン出力のうち後輪側へ配分され
た回転駆動力を入力される入力軸(入力部)1と、この
入力軸1から入力された駆動力を出力する左輪側出力軸
(左輪側回転軸)2及び右輪側出力軸(右輪側回転軸)
3とを連結するように設けられおり、左輪側出力軸2は
その左端を左輪の駆動系(図示省略)に連結され、右輪
側出力軸3はその右端を右輪の駆動系(図示省略)に連
結されている。
【0065】そして、本装置50は、入力軸(入力部)
1と、差動機構(リヤデフ)4と、増減速機構6と、第
1の伝達トルク容量可変型カップリング7及び第2の伝
達トルク容量可変型カップリング8とからなる駆動力伝
達制御機構5とをそなえている。なお、この実施例で
は、伝達トルク容量可変型カップリング7,8として電
子制御油圧式の湿式油圧多板クラッチ機構が設けられて
いるが、伝達容量可変制御式トルク伝達機構としては、
伝達トルク容量が可変制御できるトルク伝達機構であれ
ばよく、この例の機構のほかに、電磁式多板クラッチ機
構等の他の多板クラッチ機構や、これらの多板クラッチ
機構の他に、油圧式又は電磁式の摩擦クラッチや、油圧
式又は電磁式の制御可能なVCU(ビスカスカップリン
グユニット)や、油圧式又は電磁式の制御可能なHCU
(ハイドローリックカップリングユニット=差動ポンプ
式油圧カップリング)、さらには、電磁流体式あるいは
電磁粉体式クラッチ等の他のカップリングを用いること
もできる。
【0066】なお、摩擦クラッチの場合、多板クラッチ
機構と同様に油圧等で係合力を調整するものが考えら
れ、特に、この摩擦クラッチでは、トルク伝達方向が一
方向のものを所要の方向(それぞれのトルク伝達方向)
へ向けて設置することが考えられる。また、このVCU
やHCUには、従来型の動力伝達特性が一定のものも考
えられるが、動力伝達特性を調整できるようにしたもの
が適している。そして、これらの係合力調整や動力伝達
特性の調整は、油圧による他に、電磁力等の他の駆動系
を用いることも考えられる。
【0067】以下、各部を順に説明する。入力軸1は、
デフキャリヤ9にベアリング10を介して枢支されてお
り、この入力軸1の端部に、ピニオン1Aが装着されて
いる。このピニオン1Aは、デフケース11に固定され
たリングギヤ12に噛合しており、ピニオン1Aの回転
がデフケース11に伝えられるようになっている。
【0068】このデフケース11内に、ベベルギヤ式の
リヤデファレンシャル(リヤデフ)40が設けられてい
る。このベベルギヤ式リヤデフ40は、デフケース11
内に対向するように突設されたピニオン41A,41B
と、左輪側出力軸2及び右輪側出力軸3の対向する軸端
部に突設されたピニオン42A,42Bとから構成され
ている。
【0069】これにより、デフケース11が回転する
と、ピニオン41A,41Bが回転することで、ピニオ
ン42A,42Bを通じて左輪側出力軸2及び右輪側出
力軸3の差動を許容しながら、これらの左輪側出力軸2
及び右輪側出力軸3に駆動力を出力するようになってい
る。そして、このリヤデフ4の隣に、駆動力伝達制御機
構5の増減速機構6が設けられている。
【0070】この増減速機構6は、入力側のリングギヤ
12と一体回転するように結合された中空の中間軸13
と、第1のカップリング(第1クラッチ機構)7に接続
された中空の中間軸(第1の中間軸)14と、第2のカ
ップリング(第2クラッチ機構)8に接続された中空の
中間軸(第2の中間軸)15との間に介装されている。
中間軸13は入力軸1と連係して回転する。
【0071】なお、これらの中間軸13,14,15は
いずれも中空軸であり、中間軸13,14は、右輪側出
力軸3の外周に相対回転できるように装備され、中間軸
15は、中間軸14のさらに外周にこれも相対回転でき
るように装備されている。つまり、中間軸13は右輪側
出力軸3と仕切壁16との間に枢支され、中間軸14は
右輪側出力軸3と中間軸15との間に枢支され、中間軸
15は中間軸14の外周に枢支されている。
【0072】そして、これらの中間軸13,14,15
は後述する複合遊星歯車機構を通じてそれぞれ軸支され
ている。なお、中間軸13と仕切壁16との間、及び、
中間軸13と右輪側出力軸3との間には、それぞれオイ
ルシール10Dが介装されており、リヤデフ4側と増減
速機構6及びカップリング7,8側とを互いに液密状態
に仕切っている。
【0073】増減速機構6は、増速機構6Aと減速機構
6Bとからなり、これらの増速機構6Aと減速機構6B
とは、複合遊星歯車機構からなっている。つまり、右輪
側出力軸3の周囲には、固定式プラネタリシャフト6C
が、位相をずらして複数(ここでは3つ)設けられてお
り、これらの各プラネタリシャフト6Cには、3種のギ
ヤ18A,18B,18Cをそなえた複合型プラネタリ
ピニオン6Dが枢支されている。
【0074】そして、複合型プラネタリピニオン6Dの
各ギヤ18A,18B,18Cに噛合するように、中間
軸13にギヤ(サンギヤ)13Aが設けられ、中間軸1
4にギヤ(サンギヤ)14Aが設けられ、中間軸15に
ギヤ(サンギヤ)15Aが設けられている。これらのギ
ヤ13A,14A,15Aの歯数をそれぞれZ1
2 ,Z3 とすると、Z2 <Z1 <Z3 の関係に設定さ
れている。また、ギヤ18A,18B,18Cの歯数を
それぞれZ4 ,Z5 ,Z6 とすると、Z6 <Z4 <Z5
の関係に設定されている。
【0075】そして、ギヤ13A,18A,18B,1
4Aの組み合わせにより増速機構6Aが構成され、ギヤ
13A,18A,18C,15Aの組み合わせにより減
速機構6Bが構成さている。即ち、増速機構6Aでは、
ギヤ13A,18A,18B,14Aの経路で、中間軸
13の回転が中間軸14に伝達されると、これらの歯数
比から、中間軸14は中間軸13よりも高速で回転する
のである。また、減速機構6Bでは、ギヤ13A,18
A,18C,15Aの経路で、中間軸13の回転が中間
軸15に伝達されると、これらの歯数比から、中間軸1
5は中間軸13よりも低速で回転するのである。
【0076】このような増減速機構6の出力は、中間軸
14及び15を介して、カップリング7,8側へ入力さ
れるようになっている。また、前述の各中間軸13,1
4,15は、固定式プラネタリシャフト6C,プラネタ
リピニオン6D及びサンギヤ13A,14A,15Aを
通じてそれぞれ軸支されている。
【0077】電子制御湿式油圧多板クラッチ機構である
第1及び第2のカップリング7,8は、リヤデフ4と仕
切壁16により仕切られたデフキャリヤ9内の空間内に
一体に設置されている。これらの湿式多板クラッチ機構
7,8は、右輪側出力軸側クラッチディスク7A,8A
と中間軸側クラッチディスク7B,8Bとが交互に重合
してなり、クラッチケース(カップリング用ケース又は
カップリングケース)23内に設けられる。右輪側出力
軸側クラッチディスク7A,8Aの外周にはスプライン
軸(図示略)が形成され、これらのスプライン軸は、ク
ラッチケース23の外周部23Aの内面とスプライン結
合している。また、中間軸側クラッチディスク7B,8
Bの内周にはスプライン穴(図示略)が形成され、これ
らのスプライン穴は、各中間軸の端部側とスプライン結
合する。
【0078】また、各湿式多板クラッチ機構7,8は油
圧ピストン19,20を通じて押圧され、この油圧ピス
トン19,20の油圧が解除されるとリターンスプリン
グ7E,8Eにより押圧を解除されるようになってい
る。ここでは、油圧ピストン19,20は、クラッチケ
ース23と一体回転する従動側の第1ピストン19A,
20Aと、デフギャリヤ9側に回転しないように設けら
れた駆動側の第2ピストン19B,20Bとからなり、
これらの第1ピストン19A,20Aと第2ピストン1
9B,20Bとの間には、ニードルベアリング(スラス
トベアリング)34が介装され、スラスト力のみ伝達す
るようになっている。
【0079】これらのピストン19,20を駆動するた
めの油圧シリンダ19C,20Cは、第2ピストン19
B,20Bの後方のデフギャリヤ9側に形成されてい
る。これにより、油圧シリンダ19C,20C内の作動
油に遠心力が加わらなくなり、各部の回転状態に係わら
ず安定した油圧を発生でき、ピストン19,20の駆動
精度が高められている。
【0080】なお、第1ピストン19A,20Aが応答
性良く作動するように、第1ピストン19A,20Aは
クラッチケース23の穴部に遊嵌されており、リターン
スプリング7E,8Eも剛性の低いものが採用されてい
る。そして、図示しないコントローラの電子制御によっ
て油圧ピストン19又は20の駆動油圧が油圧給排系7
D,8Dを通じて調整されて、クラッチディスク7A,
7B又は8A,8Bの係合状態、即ち、トルク伝達状態
が調整されるようになっている。
【0081】したがって、コントローラの制御によって
カップリング7が係合されると、急旋回でない通常走行
時には、高速回転する中間軸14側から右輪側出力軸3
側へと、つまり、左輪側出力軸2側から右輪側出力軸3
へと駆動力が移動して、左輪よりも右輪の駆動力の方が
大きくなる。逆に、コントローラの制御によってカップ
リング8が係合されると、急旋回でない通常走行時に
は、右輪側出力軸3側から低速回転する中間軸15側へ
と、つまり、右輪側出力軸3側から左輪側出力軸2へと
駆動力が移動して、右輪よりも左輪の駆動力の方が大き
くなる。
【0082】このように、本装置では、スリップクラッ
チ等での速度の速い側から遅い側へのみトルクを伝達す
るという差動制限時の原理を利用したものである。とこ
ろで、本装置では、減速機構6B側の中間軸(第2の中
間軸)15とクラッチディスク8Bとの間に第のクラ
ッチハブ(第の円筒状結合部材)31が介装され、中
間軸(第1の中間軸)14とクラッチディスクBとの
間に、第のクラッチハブ(第の円筒状結合部材)3
2が介装される。
【0083】これらのクラッチハブ31,32は、中間
軸15,14とも各クラッチディスク8B,7Bとも別
個に形成され、各外周部に、クラッチディスク8B,7
Bと回転方向へ係合(即ち、クラッチディスク7B,8
Bのスプライン穴とスプライン結合)する係合部(スプ
ライン)31D,32Dを有し、各内周部に中間軸1
5,14と回転方向へ係合(即ち、スプライン結合)す
る係合部(スプライン)31E,32Eを有している。
【0084】また、中間軸15,14の軸端には、外周
に突出した拡径部等は形成されておらず、カップリング
用ケース23内に、第1の伝達トルク容量可変型カップ
リング7及び第2の伝達トルク容量可変型カップリング
8を内装し、これらの各カップリング7,8のクラッチ
ディスク7B,8Bに第1及び第2のクラッチハブ
2,31を係合した状態で、中間軸15,14の軸端
(図中右側)からこれらの第1及び第2のクラッチハブ
32,31を嵌入させてスプライン結合させることが容
易にできるようになっている。
【0085】また、装置のハウジング(デフキャリヤに
相当する)9も、増減速機構6の外周及び一端面を覆う
ように配設される第1のハウジング部材9Aと、一体型
カップリングを内装したカップリング用ケース部材23
を収納する第2のハウジング部材9Bとに分割でき,特
に、第2のハウジング部材9Bは、カップリング用ケー
ス23外周及び一端面(図中右側端面)を覆うメインハ
ウジング部9Cと、カップリング用ケース23の他端面
(図中左側端面)を覆うサブハウジング部9Dとをそな
えて構成される。なお、図1,図5に示すように、カッ
プリング用ケース23の他端面(左側端面)とサブハウ
ジング部9Dとにより、増減速機構6とカップリング機
構7,8とを区分する隔壁が構成される。
【0086】さらに、第1のハウジング部材9A,第2
のハウジング部材9Bのメインハウジング部9C及びサ
ブハウジング部9Dの各外周部分に、結合用フランジ部
9a,9c,9dが形成され、これらの第1のハウジン
グ部材9A及びメインハウジング部9C及びサブハウジ
ング部9Dの3部材が、各結合用フランジ部9a,9
c,9dをぞれぞれ同時に結合する単一のボルト38で
一体に結合されるように構成されている。
【0087】したがって、図4に示すように、第1のハ
ウジング部材9A側のアセンブリ45と、第2のハウジ
ング部材9B側のアセンブリ46とをそれぞれ組み立て
たうえで、両者を結合できるようになっている。なお、
この結合組み立ての際には、第1のハウジング部材9A
側のアセンブリ45の左輪側(図4中左側)を下に向け
て、この上方から、第2のハウジング部材9B側のアセ
ンブリ46を組み付けることができる。これは、前述の
ように、カップリング用ケース23内に、第1の伝達ト
ルク容量可変型カップリング7及び第2の伝達トルク容
量可変型カップリング8を内装し、これらの各カップリ
ング7,8のクラッチディスク7B,8Bに第1及び第
2のクラッチハブ32,31を係合して第2のハウジン
グ部材9B側のアセンブリ46を組み立てれば、各クラ
ッチディスク7B,8Bの位相が整った状態となり、前
述のように、中間軸15,14の軸端(図中右側でこの
場合上向きになる)から第2のハウジング部材9B側の
アセンブリ46をスプライン結合させることができる。
【0088】この時、第1のハウジング部材9Aと第2
のハウジング部材9Bのメインハウジング部9Cとの間
に、サブハウジング部9Dを介装するが、このサブハウ
ジング部9Dには、固定式プラネタリシャフト6Cの一
端を係止しうる溝(軸受け部)39Aが形成されてい
る。また、第1のハウジング部材9Aと一体の仕切壁1
6には固定式プラネタリシャフト6Cの他端を係止しう
る溝(軸受け部)39Bが形成されている。これによ
り、上述のように第1のハウジング部材9A側のアセン
ブリ45の左輪側を下に向けた状態では、複合型プラネ
タリピニオン6DA組み込んだ固定式プラネタリシャフ
ト6Cを仕切壁16の溝39B上に載置して、この上か
らサブハウジング部9Dを載せて、さらに、メインハウ
ジング部9Cを載せた上で、各結合用フランジ部9a,
9c,9dをぞれぞれボルト38で一体に結合すること
ができる。
【0089】ところで、ハウジング(デフキャリヤ)9
の内部には、増減速機構6のギヤ部を潤滑しうる潤滑油
が内蔵されており、この潤滑油が隔壁を通じて増減速機
構6側と隔てられた各伝達トルク容量可変型カップリン
グ7,8のクラッチディスク間の潤滑のために供給され
るようになっている。すなわち、カップリング用ケース
23の端面(第1ハウジング部材側端部)23Cは、中
間軸(第2の中間軸)15の外周面に対向するように、
筒状部30が形成され、この筒状部30の内周面と中間
軸(第2の中間軸)15の外周面との間には、回転時に
ハウジング内の潤滑油を該カップリング用ケース内の内
周側部分へ導く螺旋溝30Aが穿設されている。
【0090】そして、カップリング用ケース23及び第
1及び第2のクラッチハブ32,31に潤滑油通路32
B,32C,31B,31Cが形成されている。これら
の潤滑油通路32B,32C,31B,31Cは放射状
に形成されている。潤滑油通路32B,32C,31
,31Cのうち32B,31Bは、カップリング用ケ
ース23のインナ部に相当する第1及び第2のクラッチ
ハブ32,31に放射状に穿設されて螺旋溝30Aから
供給された潤滑油をクラッチディスク側へ導く導入路で
あり、32C,31Cは、カップリング用ケース23の
アウタ部(外周部)23Aに放射状に穿設されてクラッ
チディスク側を潤滑した潤滑油を排出する排出路であ
る。
【0091】これにより、螺旋溝30Aからカップリン
グ用ケース23側に送られてきた潤滑油は、まず、第
のクラッチハブ31内の空間31Aから、導入路31B
を通ってカップリング用ケース23内に送られ、カップ
リング用ケース23のクラッチディスクを潤滑して、排
出路31Cから排出される。また、螺旋溝30Aからカ
ップリング用ケース23側に送られてきた潤滑油の一部
は、第のクラッチハブ31に穿設された油路31Fか
ら、第のクラッチハブ32内の空間32Aを経て、導
入路32Bを通ってカップリング用ケース23内に送ら
れ、カップリング用ケース23のクラッチディスクを潤
滑して、排出路32Cから排出されるようになってい
る。
【0092】さらに、この装置では、各油圧ピストン1
9,20の第1ピストン19A,20Aと第2ピストン
19B,20Bとの間に介装されるニードルベアリング
34のインナレース部分に特徴がある。油圧ピストン1
9を例に説明すると、図6に示すように、油圧ピストン
19はカップリング7の外周に近い部分に設けられ、駆
動側の第2ピストン19Bは、背部の油圧シリンダ19
Cにより前進して、従動側の第1ピストン19Aを押圧
する。また、駆動側の第2ピストン19Bの圧力が下が
ると、従動側の第1ピストン19Aの外周部に設けられ
たリターンスプリング(環状板バネで形成される)7E
により、第1ピストン19Aが後退するようになってい
る。そして、第1ピストン19Aは例えば円柱状の押圧
部をカップリング用ケース23の端部23Bに嵌入させ
るようにして、環状に断続的に設けられている。各ピス
トン19Aはリターンスプリング7Eにより保持されて
はいるが、このスプリング7Eは、クラッチの制御応答
を確保するように極めて低く設定されるので、その横剛
性は低く、各ピストン19Aを十分支持できない。
【0093】そこで、図6〜図8に示すように、ニード
ルベアリング34の第1ピストン19A側レース35
を、ニードルベアリング34のピストン19A側に沿っ
て外周方向へ延在するように屈曲させて且つこの外周方
向へ屈曲したレース35の鍔上部35Bの外周端部に、
各ピストン19Aの外周面に当接しうるように折れ曲が
って該ピストン19Aを収納するインロー部35Cを形
成している。
【0094】なお、35Aはニードルベアリング34の
内周側に屈曲された内周屈曲部であり、37はニードル
ベアリング34を収納する保持器(ケージ)であり、図
9に示すように、この保持器37に放射状に形成された
矩形穴37A内に各ニードルベアリング34が収納され
ている。また、ニードルベアリング34の第2のピスト
ン19B側のレース36は、通常は図7に示すように、
薄板状のものだが、このレース36はピストン19Bの
押圧により移動するので、図6中に示すように、板厚の
プレート部分を有するように構成するのが好ましい。
【0095】このように、レース35にインロー部35
Cが形成されるので、各ピストン19Aはインロー部3
5Cにより確実に保持されるようになる。なお、図7,
図8に示すものでは、インロー部35Cをレース35の
外周全体に設けているが、例えば図10,図11に示す
ように、インロー部35Cを部分的に突出した爪状35
Dのものとして、レース35の外周全体に所要な数だけ
設けるようにしてもよい。
【0096】この例では、爪状のインロー部35Dを等
間隔に3個設けており、このように、レース35の外周
に部分的にインロー部35Dを設けることにより、レー
ス35のプレス加工前の打ち抜き状態のブランクを小さ
くでき、軽量化や材料コストの低減に寄与し、プレス加
工時に僅かなプレス力だけでよいため生産性も良好にな
る。
【0097】さらに、図12に示すように、インロー部
35Cを延長して、スプリング7Eまでもホールドする
ようにしてもよい。爪状のインロー部35Dについても
同様に構成できる。なお、図中、2A,3Aは図示しな
い左輪側駆動軸及び右輪側駆動軸に結合されるフランジ
部であり、10はボールベアリング,10Bはニードル
ベアリング,10Cはころ軸受け,10Dはオイルシー
ル,11はデフケース,24はスリップリングである。
【0098】本発明の一実施例としての車両用左右駆動
力調整装置は、上述のように構成されているので、コン
トローラの制御によってカップリング7,8を適宜作用
させることで、左右輪の駆動力移動により、例えは左右
輪の駆動力を不均等にすることで旋回モーメントを発生
させて車両の旋回性能を向上させたり、逆に、左右輪の
駆動力が均衡するように制御を行なって車両の直進性能
を向上させたりすることができる。
【0099】しかも、ブレーキ等のエネルギーロスを用
いてトルク配分を調整するのでなく、一方のトルクの所
要量を他方に転送することによりトルク配分が調整され
るため、大きなトルクロスやエネルギロスを招来するこ
となく、所望のトルク配分を得ることができる。そし
て、この装置では、カップリング7,8が中間軸13〜
15を介して設けられて、カップリング容量が少なくて
済むので、装置をコンパクト化できる。
【0100】また、制御方向の切換スイッチが省略され
ており、増減速機構6から何れのカップリング7,8へ
も直接駆動トルクが伝わるので、制御応答性が大きく向
上する。さらに、リヤデフ4がベベルギヤ式デフで構成
されているので、拡径することなくコンパクトに構成で
きる。また、増速機構6Aと減速機構6Bとを一体化し
た増減速機構6が設けられているので、すべての機構を
同軸上に設置でき、また、使用オイル或いはオイルの使
用形態(例えば増減速機構6のようにオイルに浸す使用
形態やカップリング7,8のように注油する使用形態)
の異なるギヤ類と多板クラッチ部とを隔壁により分離で
きるので、装置をコンパクト化できるとともに、オイル
管理を容易にできるようになる利点もある。
【0101】さらに、増減速機構6として、複合遊星歯
車機構を使用しているので、歯車の自動調心効果によっ
て、中間軸13,14,15の軸心が自動的に一致し
て、勝つ歯車の噛み合い反力が相殺されて、安定した作
動を行なえる。また、差動機構として、ベベルギヤ式の
ものを用いることができ、ベベルギヤ式を採用すること
で、構造が簡素且つ小型で、元来低コストな上に他の一
般的な差動機構と部品を共用化できるため、この面で
も、コストを削減できる。
【0102】また、螺旋溝30A及び潤滑油通路31
B,31C,32B,31C,31Fにより、カップリ
ング7,8の回転にともなって、自動的に、潤滑油がク
ラッチディスク面に供給されるので、ポンプ等の特別な
手段を設けることなく、デフギャリヤ9内に多量の潤滑
油を内蔵しなくても、極めて低コストで、クラッチディ
スク面への確実な潤滑油供給を行なえ、潤滑油による駆
動ロスを招くことなく、装置の信頼性や耐久性の向上を
実現できる。
【0103】なお、本実施例では、螺旋溝30Aを筒状
部30と中間軸(第2の中間軸)15との間の外側、つ
まり、筒状部30の内周面に設けているが、螺旋溝30
Aは必ずしも筒状部30の側に設けなくてはならないも
のでなく、中間軸(第2の中間軸)15側へ設けてもよ
い。さらに、図4に示すように、第1のハウジング部材
9A側のアセンブリ45と、第2のハウジング部材9B
側のアセンブリ46とをそれぞれ組み立てたうえで、両
者を結合できる。特に、この結合組み立ての際には、第
1のハウジング部材9A側のアセンブリ45の左輪側
(図4中左側)を下に向けて、この上方から、第2のハ
ウジング部材9B側のアセンブリ46を組み付けること
ができる。
【0104】特に、前述のように、カップリング用ケー
ス23内の各クラッチディスク7B,8Bに第1及び第
2のクラッチハブ32,31を係合して第2のハウジン
グ部材9B側のアセンブリを組み立てれば、各クラッチ
ディスク7B,8Bの位相が整った状態となり、中間軸
15,14の軸端(図中右側でこの場合上向きになる)
から第2のハウジング部材9B側のアセンブリを容易に
スプライン結合させることができ、組み立て性が大きく
向上する。
【0105】また、この組み立て時に、サブハウジング
部9Dの溝(軸受け部)39Aと仕切壁16の溝(軸受
け部)39Bとの間に、プラネタリシャフト6Cを固定
することができ、プラネタリシャフト6Cを支持するた
めの構造が極めて簡素化され、組み立て性の向上や部品
点数削減やコスト削減や装置の軽量化に寄与する。ま
た、第1のハウジング部材9A,第2のハウジング部材
9Bメインハウジング部9C及びサブハウジング部9D
が、同時に同一のボルト38で一体に結合されるので、
この点でも、組み立て性の向上や部品点数削減やコスト
削減や装置の軽量化に寄与する。
【0106】さらに、各ピストン19Aはインロー部3
5Cにより確実に保持されるようになり、第1ピストン
19Aの応答性を向上させるように、第1ピストン19
A,20Aはクラッチケース23の穴部に遊嵌させ、リ
ターンスプリング7E,8Eに剛性の低いものを採用し
ても、第1ピストン19Aのガタ付き、こじりやかじり
を回避することができ、装置の性能向上に寄与しうる。
【0107】なお、本装置では、増減速機構6として必
ずしも複合遊星歯車機構を用いなくてもよく、増減速機
構6を例えば上述のカウンタシャフト利用の平行2軸の
ものにしてもよい。また、実施例では、右輪側へ本装置
を設けた場合を示したが、本装置は勿論左輪側へ設けて
もよい。
【0108】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1にかかる
本発明の車両用左右駆動力調整装置によれば、エンジン
の動力が伝達される入力部と、左輪側回転軸と、右輪側
回転軸と、上記入力部の動力を上記左輪側回転軸及び上
記右輪側回転軸に配分する差動機構と、上記入力部の回
転速度を変速して上記左輪側回転軸と上記右輪側回転軸
とのいずれか一方の回転軸に選択的に伝達すると共に上
記の両回転軸と同軸に配設された動力伝達手段と、上記
動力伝達手段を覆うように配設されるハウジングとをそ
なえ、上記動力伝達手段が、上記入力部側の回転速度を
増速する増速機構と該回転速度を減速する減速機構とが
一体化された増減速機構と、上記増減速機構の出力部と
上記一方の回転軸との間に介装されたカップリング機構
と、から構成され、上記ハウジングが、上記増減速機構
を収容する第1のハウジング部材と、上記カップリング
機構を収容する第2のハウジング部材とをそなえ、上記
増減速機構の一端が上記第1のハウジング部材に支持さ
れ、上記増減速機構の他端が上記第2のハウジング部材
に支持されるという構成により、以下のような効果や利
点が得られる。
【0109】ブレーキ等のエネルギーロスを用いてトル
ク配分を調整するのでなく、一方のトルクの所要量を他
方に転送することによりトルク配分が調整されるため、
大きなトルクロスやエネルギロスを招来することなく、
所望のトルク配分を得ることができる
【0110】また、増減速機構からカップリング機構へ
直接駆動トルクが伝わるので、制御応答性が大きく向上
する。さらに、増減速機構を収容した第1のハウジング
部材をアセンブリ化することや、カップリング機構を収
容した第2のハウジング部材をアセンブリ化することが
容易であり、これらのアセンブリを互いに結合するだけ
で装置を組み立てることができ、装置の組み付け性が向
上する。また、増減速機構は一端を第1のハウジング部
材に支持され他端を該第2のハウジング部材に支持され
る構成なので、増減速機構を簡素な構成により支持させ
ることができる。さらに、上記第2のハウジング部材
が、上記カップリング機構の一端面側を覆うメインハウ
ジング部と、上記カップリング機構の他端面側を覆うと
ともに上記増減速機構の他端側に配設され上記増減速機
構の他端を支持するサブハウジング部とをそなえて構成
されているので、第1のハウジング部材及びメインハウ
ジング部及びサブハウジング部の各部のアセンブリ化を
容易に行なうことができる。
【0111】請求項2にかかる本発明の車両用左右駆動
力調整装置によれば、請求項1記載の構成において、上
記第1のハウジング部材及び上記メインハウジング部及
び上記サブハウジング部の各外周部分に、それぞれ結合
用フランジ部が形成され、上記第1のハウジング部材及
び上記メインハウジング部及び上記サブハウジング部の
3部材が、上記の各結合用フランジ部を同時に結合する
ボルトにより一体結合されるように構成されているの
で、いずれもアセンブリ化を容易に行なうことができる
第1のハウジング部材及びメインハウジング部及びサブ
ハウジング部の各部の各外周部分にそれぞれ形成された
結合用フランジ部を、互いにボルトにより同時に一体結
合することにより、ハウジングを組み立てることができ
るため、内部に所要の部材を装備したハウジングを容易
に組み立てることができ、装置の組み付け性が一層向上
する。
【0112】
【0113】
【0114】
【0115】
【0116】
【0117】
【0118】
【0119】
【0120】
【0121】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての車両用左右駆動力調
整装置を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施例としての車両用左右駆動力調
整装置の概要構成を示す模式図(スケルトン図)であ
る。
【図3】本発明の一実施例としての車両用左右駆動力調
整装置をそなえた車両の駆動系構成図である。
【図4】本発明の一実施例としての車両用左右駆動力調
整装置のアセンブリ単位を示す図である。
【図5】本発明の一実施例としての車両用左右駆動力調
整装置の潤滑油流路を示す図である。
【図6】本発明の一実施例としての車両用左右駆動力調
整装置の伝達トルク容量可変機構の油圧ピストン部分を
示す拡大断面図である。
【図7】本発明の一実施例としての車両用左右駆動力調
整装置の伝達トルク容量可変機構の油圧ピストン部分に
おけるニードルベアリングのレースを示す図であり、
(a)は正面図であり、(b)は(a)におけるA−A
矢視断面図である。
【図8】本発明の一実施例としての車両用左右駆動力調
整装置の伝達トルク容量可変機構の油圧ピストン部分に
おけるニードルベアリングのレースを示す斜視図であ
る。
【図9】本発明の一実施例としての車両用左右駆動力調
整装置の伝達トルク容量可変機構の油圧ピストン部分に
おけるニードルベアリングを示す模式的な部分正面図で
ある。
【図10】本発明の一実施例としての車両用左右駆動力
調整装置の伝達トルク容量可変機構の油圧ピストン部分
におけるニードルベアリングのレースの変形例を示す図
であり、(a)は正面図であり、(b)は(a)におけ
るB−B矢視断面図である。
【図11】本発明の一実施例としての車両用左右駆動力
調整装置の伝達トルク容量可変機構の油圧ピストン部分
におけるニードルベアリングのレースの変形例を示す斜
視図である。
【図12】本発明の一実施例としての車両用左右駆動力
調整装置の伝達トルク容量可変機構の油圧ピストン部分
の変形例を示す拡大断面図である。
【図13】従来例の車両用左右駆動力調整装置の概要構
成を示す模式図(スケルトン図)である。
【図14】本発明の案出過程で提案された車両用左右駆
動力調整装置を示す断面図である。
【図15】本発明の案出過程で提案された技術の課題を
説明する図である。
【図16】本発明の案出過程で提案された技術の課題を
説明する図である。
【符号の説明】
1 入力軸(入力部) 1A ピニオン 2 左輪側出力軸(左輪側回転軸) 2A,3A フランジ 3 右輪側出力軸(右輪側回転軸) 4 差動機構としてのリヤデファレンシャル(リヤデ
フ) 5 駆動力伝達制御機構(動力伝達手段) 6 増減速機構 6A 増速機構 6B 減速機構 6C 固定式プラネタリシャフト 6D 複合型プラネタリピニオン 6E キャリヤ 7 第1の伝達トルク容量可変型カップリング(第1ク
ラッチ機構) 8 第2の伝達トルク容量可変型カップリング(第2ク
ラッチ機構) 7A,8A,7B,8B クラッチディスク 7C,8C 油圧ピストン 7D,8D 油圧給排系 7E,8E リターンスプリング 9 デフキャリヤ(ハウジング) 9A 第1のハウジング部材 9B 第2のハウジング部材 9C 第2のハウジング部材9Bのメインハウジング部 9D 第2のハウジング部材9Bのサブハウジング部 9a,9c,9d 結合用フランジ部 10 ボールベアリング 10B ニードルベアリング 10C ころ軸受け 10D オイルシール 11 デフケース 12 リングギヤ 13 中空の中間軸 14 中空の中間軸(第1の中間軸) 15 中空の中間軸(第2の中間軸) 13A,14A,15A ギヤ 16 仕切壁 18A,18B,18C ギヤ 19,20 油圧ピストン 19A,20A 第1ピストン(従動側ピストン) 19B,20B 第2ピストン(駆動側ピストン) 19C,20C 油圧シリンダ 23 クラッチケース(カップリング用ケース又はカッ
プリングケース) 23A クラッチケース23の外周部 23B,23C クラッチケース23の端部 24 スリップリング 30 筒状部 30A 螺旋溝 31 第のクラッチハブ(第の円筒状結合部材) 31B,31C,32B,31C 潤滑油通路 31D,32D,31E,32E 係合部(スプライ
ン) 32 第のクラッチハブ(第の円筒状結合部材) 34 ニードルベアリング(スラストベアリング) 35,36 レース 35A 内周屈曲部 35B 鍔上部 35C インロー部 35D 爪状インロー部 37 保持器(ケージ) 38 ボルト 39A,39B 溝(軸受け部) 40 ベベルギヤ式のリヤデファレンシャル(リヤデ
フ) 41A,41B,42A,42B ピニオン 45 第1のハウジング部材9A側のアセンブリ 46 第2のハウジング部材9B側のアセンブリ 50 車両用左右駆動力調整装置 52 エンジン 54 トランスミッション 56 中間ギア 58 差動歯車機構(センタディファレンシャル) 60 前輪用の差動歯車機構(フロントディファレンシ
ャル) 62L,62R 車軸 64L,64R 前輪 66 ベベルギヤ機構 68 プロペラシャフト 70 ベベルギヤ機構 72 後輪用の差動歯車装置(リヤディファレンシャ
ル) 72L,72R 車軸 74L,74R 後輪 76 ビスカスカップリングユニット(VCU) 78 油圧ユニット 80 リザーバタンク 82 電子制御ユニット(ECU) 84 電子制御ユニット(ABSECU)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 23/04 B60K 17/04 B60K 17/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの動力が伝達される入力部と、 左輪側回転軸と、 右輪側回転軸と、 上記入力部の動力を上記左輪側回転軸及び上記右輪側回
    転軸に配分する差動機構と、 上記入力部の回転速度を変速して上記左輪側回転軸と上
    記右輪側回転軸とのいずれか一方の回転軸に選択的に伝
    達すると共に上記の両回転軸と同軸に配設された動力伝
    達手段と、 上記動力伝達手段を覆うように配設されるハウジングと
    をそなえ、 上記動力伝達手段が、上記入力部側の回転速度を増速す
    る増速機構と該回転速度を減速する減速機構とが一体化
    された増減速機構と、上記増減速機構の出力部と上記一
    方の回転軸との間に介装されたカップリング機構と、か
    ら構成され、 上記ハウジングが、上記増減速機構を収容する第1のハ
    ウジング部材と、上記カップリング機構を収容する第2
    のハウジング部材とをそなえ、 上記増減速機構の一端が上記第1のハウジング部材に支
    持され、上記増減速機構の他端が上記第2のハウジング
    部材に支持されて 上記第2のハウジング部材が、上記カップリング機構の
    一端面側を覆うメインハウジング部と、上記カップリン
    グ機構の他端面側を覆うとともに上記増減速機構の他端
    側に配設され上記増減速機構の他端を支持するサブハウ
    ジング部とをそなえて構成されている ことを特徴とす
    る、車両用左右駆動力調整装置。
  2. 【請求項2】 記第1のハウジング部材及び上記メイ
    ンハウジング部及び上記サブハウジング部の各外周部分
    に、それぞれ結合用フランジ部が形成され、上記第1の
    ハウジング部材及び上記メインハウジング部及び上記サ
    ブハウジング部の3部材が、上記の各結合用フランジ部
    を同時に結合するボルトにより一体結合されるように構
    成されていることを特徴とする、請求項1記載の車両用
    左右駆動力調整装置。
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