JPH07305322A - 管理型護岸の構築工法 - Google Patents

管理型護岸の構築工法

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JPH07305322A
JPH07305322A JP12572994A JP12572994A JPH07305322A JP H07305322 A JPH07305322 A JP H07305322A JP 12572994 A JP12572994 A JP 12572994A JP 12572994 A JP12572994 A JP 12572994A JP H07305322 A JPH07305322 A JP H07305322A
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JP
Japan
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layer
caisson
foundation rubble
asphalt mastic
revetment
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JP12572994A
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English (en)
Inventor
Takatsu Wagi
多克 和木
Mitsuru Nonoda
充 野々田
Mitsuhiro Sato
光洋 佐藤
Katsuo Matsuzaki
勝夫 松崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TAISEI ROTETSUKU KK
Nippon Road Co Ltd
Japan Sea Works Co Ltd
World Engineering Co
Original Assignee
TAISEI ROTETSUKU KK
Nippon Road Co Ltd
Japan Sea Works Co Ltd
World Engineering Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ケーソンを用いて埋立地の護岸を構築する際
に、ケーソンを支持する基礎捨石層に対して、海水が流
通することを阻止するための止水層を表面に設けるとと
もに、止水層の構築を容易に行い得るようにする。 【構成】 埋立地の護岸は、海底地盤5に地盤改良部6
を設け、地盤改良部6の上に基礎捨石層7を盛り上げる
状態で設けて、基礎捨石層7の上にケーソン2を設置し
て護岸1を構築する。前記ケーソン2を支持する基礎捨
石層7に対して、陸側の表面部に止水層10を設ける
が、前記止水層10は、基礎捨石層7の表面にバックア
ップ層11を設け、その上に所定の厚さでアスファルト
マスチックを打設して、アスファルトマスチック層12
による不透水層と、アスファルトマスチック層の上に被
覆捨石層14を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、護岸を構築する際に、
ケーソンを支持する基盤を海水が流通することを防止す
る管理型護岸の構築工法に関し、特に、ケーソンを支持
する基礎捨石層の表面にアスファルトマスチックを打設
して止水層を構築することにより、潮の干満により埋立
部に海水が流通することを阻止できるようにする管理型
護岸の構築工法に関する。
【0002】
【従来の技術】港湾等の防波堤や岸壁、護岸を構築する
場合には、例えば、特公平1−46645号公報等に示
されるように、海底地盤表面を平らに均してから基礎捨
石層を構築し、その基礎捨石層の上にケーソン等の構造
物を設置することが行われている。また、前記防波堤を
構築するためには、コンクリート製のものや、鋼製のケ
ーソンを陸上で製造し、防波堤の構築現場に設置する工
法が多く用いられている。さらに、前記従来例では、海
底地盤の上に盛り上げるようにして構築した基礎捨石層
が、海底地盤の洗掘等により崩れることを防止するため
に、基礎捨石層の法尻下部にアスファルトマットを配置
している。そして、基礎捨石層の法尻下部に対応する海
底地盤が洗掘されることによって、ケーソンを支持する
基礎捨石層が波浪の影響を受けて崩れたりすることがな
いように、防波堤を強固に保持できるようにする。
【0003】一般の護岸や埋立地の護岸1は、図6に示
されるように構成されるもので、海底地盤5の土質が上
部構造物の重量に対応できないような軟弱な土質の場合
には、基礎捨石層を構築する部分の海底地盤5に、サン
ドコンパクションパイル等を所定の深さまで打設して地
盤改良部6を構成する。そして、前記地盤改良部6の上
部に基礎捨石層7を構築し、基礎捨石層の上部を平らに
均してから、コンクリートまたは鋼製のケーソン2を設
置して、護岸1を構築している。また、前記ケーソンの
下面にはアスファルトマットを敷き込む状態で配置し、
ケーソンが波浪の影響を受けて滑ったりすることを防止
して、ケーソンを比較的波の荒い海域に施工した場合で
も、護岸が波浪の被害を受けたりすることがないように
される。さらに、前記図6に示される例においては、護
岸1の陸側と海側には、陸側石積み部8と海側石積み部
9をそれぞれ施工しており、海側石積み部9としては、
例えば、消波ブロック等を積み重ねて配置する。また、
陸側石積み部8としては、護岸に作用する土圧を軽減す
るために、石積み等により構築されるもので、陸側石積
み部8の陸側には、埋め立て用の土砂等を堆積させるこ
とができるようにされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記図6に示されるよ
うに、埋立護岸を構築する地盤に対して、サンドパイル
等により地盤改良部を形成すると、前記地盤改良部では
海底地盤に比較して透水率が非常に大きくなる。また、
基礎捨石層を構成するためには、例えば、1個の重量が
50〜200kgの石を積み重ねるようにしているの
で、前記基礎捨石層では海水が非常に容易に流通すると
いう特性がある。ところが、例えば、廃棄物の埋立処分
場の護岸として、前述したような護岸を構築すると、満
潮時には埋立地の内部にまで海水が侵入することにな
り、また、干潮時には廃棄物の有害成分を含んだ海水が
海に流れ出すという問題がある。そこで、廃棄物の埋立
地での護岸としては、前記図6の矢印で示すように、海
水が地盤改良部や基礎捨石層を流通すると、海を汚染し
たりするという問題が発生したり、干潮、満潮の差が非
常に大きい海域においては、地盤改良部の砂等が水流に
より流されて、基礎捨石層を安定した状態で支持できな
い状態となったり、基礎捨石層が崩壊してケーソンが傾
いたりする等の不都合な状態が発生するおそれがある。
【0005】そこで、廃棄物の埋立処分場の護岸を構築
する場合には、地盤改良部と基礎捨石層、および、ケー
ソンのブロックの間から海水が流通しないような処理を
施すことが必要となる。そして、例えば、地盤改良部の
内部に止水矢板等を打設して、地盤改良部での海水の流
通を阻止する手段を構成することや、基礎捨石層に対し
ても止水性を向上させるような処理を行う必要がある。
ところが、前記図6に示されるような護岸に対して、海
底地盤や地盤改良部に止水矢板を打設することは、工事
期間が長くなる上に、工事費用が高くなり、かつ、受入
れ廃棄物の量が減少する等の問題がある。さらに、地盤
改良部と基礎捨石層の間にゴムシート等を敷き込む工法
を用いたりすることや、基礎捨石層の表面をゴムシート
等で覆って被覆捨石層を設けることも考えられる。
【0006】しかし、前記基礎捨石層を覆うように設け
たゴムシートが波浪であおられたりすることや、被覆捨
石層を構築する際の投入捨石や、廃棄物を投棄した場合
に、破れたりすることがあり、ゴムシートによる止水性
を良好に発揮させることが困難である。前記問題に加え
て、ゴムシート等のように、比較的薄い止水材料を用い
る場合に、海底地盤や地盤改良部が上部構造物の重量に
よって地盤沈下を生じたりすると、止水シートに局部的
な押圧作用が加えられて破損することがあり、止水材料
の信頼性が損なわれるという問題がある。そこで、シー
ト等のような止水材料を用いて、基礎捨石層に対する止
水作用を良好な状態で発揮させるためには、比較的厚
く、かつ、高強度のシート材料を用いることが必要とさ
れるが、例えば、ゴムシートの非常に厚いものを使用す
ると、そのシートの施工性が良くないことや、シートの
価格が非常に高くなる等の問題が発生し、護岸の建設コ
ストにも大きな影響を与えるという問題が生じる。
【0007】
【発明の目的】本発明は、前述したような従来の護岸に
おける止水性と、建設コストおよび施工性等の問題を解
消するもので、ケーソンを構築する基礎捨石層に対し
て、その一方の側の表面部にアスファルトマスチックを
打設する手段を用い、基礎捨石層と地盤改良部に対する
止水性を良好に発揮させ得るとともに、止水層を容易に
構築できるようにする工法を提供することを目的として
いる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、海底地盤の上
に基礎捨石層を盛り上げる状態で構築し、基礎捨石層の
上にケーソンを構築して構成する護岸に関する。本発明
においては、前記ケーソンを構築する基礎捨石層の表面
部にアスファルトマスチック層を施工して、止水層を構
成する工法を用いている。また、本発明において、前記
基礎捨石層の表面部に施工する止水層は、基礎捨石層の
表面部に所定の厚さで小径の石等を積み重ねたバックア
ップ層を施工し、前記バックアップ層の表面に所定の厚
さで溶融状態のアスファルトマスチックを打設してアス
ファルトマスチック層を構成し、アスファルトマスチッ
クの一部がバックアップ層の表面部に浸透層を形成させ
るとともに、前記アスファルトマスチック層の上に被覆
捨石層を所定の厚さで施工している。
【0009】また、本発明においては、海底地盤を掘削
した掘削部に基礎捨石層を海底地盤と水平に施工し、基
礎捨石層の上にケーソンを構築して護岸を構成するとと
もに、前記ケーソンを構築する基礎捨石層の表面部に所
定の厚さで小径の石等を積み重ねたバックアップ層を施
工し、前記バックアップ層の表面に所定の厚さで溶融状
態のアスファルトマスチックを打設してアスファルトマ
スチック層を構成し、アスファルトマスチックの一部が
バックアップ層の表面から内部に入り込む状態の浸透層
を形成し、前記アスファルトマスチック層の上に被覆捨
石層を所定の厚さで施工する工法を用いることができ
る。さらに、本発明において、前記ケーソンを支持する
基礎捨石層に施工する止水層は、護岸の表面全体また
は、ケーソンの海側、陸側のいずれか一方に施工するこ
とができる。
【0010】
【作用】本発明の管理型護岸の構築工法では、従来の護
岸の構築工法と同様にして、基礎捨石層施工部に対応す
る海底地盤に対してサンドパイル等を施工して地盤改良
部を構築し、その地盤改良部の上部に基礎捨石層を構築
し、ケーソンを設けることによって護岸を構築すること
ができる。そして、基礎捨石層の上に設置したケーソン
の一方の基部から、前記基礎捨石層の表面部に対してア
スファルトマスチックを打設して止水層を構築し、さら
に、アスファルトマスチック層が護岸の内外の水位差に
よる水圧であおられることを防止するために、被覆捨石
層を設けるようにしているので、従来の構築工法を用い
て護岸を構築した後で、アスファルトマスチック層を設
けて止水層を設けることが可能である。また、ケーソン
の海側または陸側の任意の一方で、または、基礎捨石層
の表面部全体に対して止水層を設けることができる。
【0011】また、本発明の管理型護岸の構築工法にお
いて、大きな石等を積み重ねる状態で基礎捨石層を構築
した表面に対して、直接アスファルトマスチックを施工
すると、石の間に流れ込むアスファルトマスチックの量
が非常に多くなるという問題が発生する。そこで、本発
明の構築工法においては、基礎捨石層の表面部に所定の
厚さで小さい石を敷き込んだバックアップ層を設け、そ
のバックアップ層の表面にアスファルトマスチックを打
設することにより、バックアップ層の表面部に比較的薄
い浸透層を形成し、その上に所定の厚さのアスファルト
マスチック層を設ける手段を用いている。そして、前述
したような工法を用いることにより、アスファルトマス
チックの打設量を比較的少なくすることが可能になり、
比較的薄いアスファルトマスチック層を施工することに
よって止水層を構築することができる。
【0012】さらに、護岸を構築する場合には、地盤改
良部の上部に基礎捨石層を盛り上げる状態で構築するこ
とに代えて、地盤改良部を掘り下げてから、海底地盤の
表面と水平の基礎捨石層を、所定の厚さで構築する手段
を用いることも可能である。そして、基礎捨石層の上に
ケーソンを支持させる工法を用いる場合には、基礎捨石
層の表面部が水平状態に形成されるために、その表面に
止水層を形成することが可能になり、アスファルトマス
チックを打設する作業を比較的容易に行うことができ
る。
【0013】
【実施例】図示される例にしたがって、本発明の管理型
護岸の構築工法を説明する。図1に示される例は、基礎
捨石層を構築する幅に対応させた区間に対して、海底地
盤の土にサンドパイル等を施工して、サンドコンパクシ
ョンパイル層による地盤改良部6を構築している。そし
て、前記地盤改良部6の上に基礎捨石層7を構築し、基
礎捨石層7の上面を平らに均してから、ケーソン2を設
置して護岸1を構築する。さらに、本発明においては、
前記基礎捨石層7に対して止水層10を設けており、前
記止水層10をケーソン2の基部から地盤改良部6を越
えて、海底地盤5の部分に達する位置までの範囲に施工
する。前記止水層10は、図2に示されるような層を区
分して施工しているもので、大きな石を積み重ねる状態
で構築した基礎捨石層7の表面部に対して、径が50mm
以下のサイズの石を1m程度の厚さで施工してバックア
ップ層11を構築する。
【0014】さらに、前述したようにして構成したバッ
クアップ層11の表面部に、溶融状態のアスファルトマ
スチックを打設して、水中で固化させることにより、厚
さが15〜20cm程度のアスファルトマスチック層12
を形成している。また、バックアップ層11の表面にア
スファルトマスチックを施工することにより、アスファ
ルトマスチックの一部がバックアップ層11の石の間に
入り込んで、浸透層13を形成するが、前記アスファル
トマスチックがバックアップ層11の石の間に流れ込む
量は比較的少ない量であり、アスファルトマスチックが
バックアップ層11の表面部の石を相互に固着すること
により、アスファルトマスチック層12とともに止水性
を強化することができる。前記アスファルトマスチック
層12の表面部には、アスファルトマスチック層が海水
の圧力によりあおられることを防止するために、被覆捨
石層14を1〜2mの厚さで施工し、アスファルトマス
チック層12に対する押え部材として配置する。
【0015】前述したようにして、地盤改良部6を形成
する場合に、例えば、海底地盤5が粘土質の土の場合に
は、透水係数K=10-5cm/sec程度であるが、地盤改良
部6における透水係数はK=10-3cm/sec程度の値とな
り、海水が流通しやすいものとなる。そして、前述した
ようにして構築した地盤改良部6の上に、石を盛り上げ
る状態で積み重ねることにより基礎捨石層7を構築して
いるが、前記基礎捨石層7を構成する場合には、従来の
基礎捨石層の場合と同様に、1個の重量が50〜200
kg程度のサイズの石を運搬船から投棄することにより
構築するもので、基礎捨石層7では海水が容易に流通す
る状態となっている。そこで、本発明の護岸において
は、基礎捨石層7と地盤改良部6を海水が容易に流通す
ることを防止するために、ケーソンの一方の側面から基
礎捨石層7の基部を越えて、海底地盤5の位置までを覆
う状態でアスファルトマスチック層12を設けておき、
護岸の内外の水位差により潮流が発生しても、アスファ
ルトマスチック層12により海水が流通することを阻止
できるようにしている。
【0016】また、本発明の工法により構築する護岸に
おいては、前記図1に示されるように、前記基礎捨石層
7の上面を水平に均した位置に、コンクリートまたは鋼
板を組み合わせて構成したケーソン2を載置することに
より、護岸1を構築する工法を用いている。前記ケーソ
ン2は、幅方向の両側にフーチング3を突出させて一体
に設けており、前記ケーソン2の本体とフーチング3の
下面に対応させてアスファルトマット4等を配置して、
ケーソンが基礎捨石層の上で滑りを生じたりすることが
ないような処理を施すことができる。なお、前記ケーソ
ンの下面と基礎捨石層の間にアスファルトマットを配置
する場合には、ケーソンの下面にアスファルトマットを
一体に取り付ける状態で構築することができる。その他
に、基礎捨石層の上にアスファルトマットを敷き込んで
から、その上にケーソン2を位置決めして設置する工法
を用いることも可能である。したがって、前述したよう
な構築工法を用いる場合には、ケーソンを基礎捨石層の
上に安定した状態で支持できるとともに、基礎捨石層の
表面部に沿って海水が流れることを防止できるものとな
る。
【0017】本発明の護岸においては、前述したように
して、基礎捨石層7と地盤改良部6の部分で海水が流通
することを防止するために、ケーソンの陸側の基礎捨石
層7の表面にアスファルトマスチック層12を設けてい
るが、前記止水層を構成するアスファルトマスチック
は、海中で固まった状態でも柔軟性を有するものであ
る。そして、例えば、ケーソンを支持する地盤改良部が
不等沈下を生じたような場合に、基礎捨石層7の表面が
地盤改良部の沈下に追従して凹凸が生じたとしても、ア
スファルトマスチック層12が基礎捨石層の表面の形状
に応じて湾曲する。したがって、基礎捨石層の表面に凹
凸等が生じても、アスファルトマスチック層に裂け目が
生じたりすることがないので、アスファルトマスチック
層による止水性能を良好な状態で維持させることができ
る。
【0018】
【実施例2】前記図1に示す例は、地盤改良部6の上に
基礎捨石層7を盛り上げる状態で形成しているが、本発
明においては、図3、4に示すように、基礎捨石層20
を海底地盤の表面と同じ高さに構築し、その上にケーソ
ン2を設置する手段を用いることができる。前記図3に
示される例では、海底地盤5に対して所定の範囲に亘っ
て地盤改良部6を構築し、地盤改良部6の端部から海底
地盤5に亘って掘り下げ、海底の土を除去した後で石を
投棄し、基礎捨石層20を設ける。そして、前記基礎捨
石層20の表面部に対して、図4に示されるような状態
で、止水層21を構築するとともに、基礎捨石層20の
中央部にケーソン2を設置し、護岸を構築することがで
きる。
【0019】前記図4に示される止水層21において、
基礎捨石層20の上面を平らに均してから、前記図2の
例と同様にして比較的小さい石を敷き込んだバックアッ
プ層22を所定の厚さで設け、バックアップ層22の表
面にアスファルトマスチックを均一な厚さで打設してア
スファルトマスチック層23を構築する。また、アスフ
ァルトマスチック層23の端部では、アスファルトマス
チックが流れ出すことを防止するため、および、バック
アップ層22の端部の保護のために、仕切り部材を積み
上げる等して端部基礎部材24を設けておき、前記端部
基礎部材24に対応するアスファルトマスチック層23
の端部に、厚いアスファルトマスチックのブロック状の
押え部材23aを構築する。なお、前記アスファルトマ
スチック層23の端部に設けるブロック状の押え部材2
3aは、任意の幅で形成することが可能であり、護岸を
構築する海域の潮流の速さや、護岸により仕切られる内
外海面の潮位差等の条件に応じて構成することができ
る。さらに、前記止水層21において、ケーソン2のフ
ーチング3がケーソンの両側に均一な幅で形成されてい
る場合には、止水層21のケーソン側の端部はフーチン
グ3の端部まで形成するが、ケーソンの下に敷設するア
スファルトマットとアスファルトマスチック層とを一体
に接続して、両部材の間に隙間が形成されない状態で止
水層を構築することが必要とされる。
【0020】前述したようにして、ケーソンを支持する
基礎捨石層の表面に止水層21を構成する場合に、止水
層を構成するアスファルトマスチック層23が潮流によ
り影響を受けないようにするために、前記図2の場合と
同様に、被覆捨石層をアスファルトマスチック層の上に
設けることができる。また、前記図3に示されるよう
に、海底地盤を掘り下げる状態で、基礎捨石層を構築す
る場合には、基礎捨石層の厚さに対応する深さに地盤を
掘削することが必要であるが、前記基礎捨石層20の表
面が、海底地盤の高さとほぼ同じに形成されるので、潮
流が基礎捨石層の表面に流れることになる。したがっ
て、捨石を投棄する作業を行う場合には、石が潮流によ
り流されたりすることがなく、基礎捨石層の構築作業を
容易に行うことが可能になり、基礎捨石層の上にバック
アップ層22を形成する場合にも、水平に敷設するのみ
であるから、それ等の作業を容易に行うことができる。
さらに、バックアップ層22の表面にアスファルトマス
チックを打設する場合にも、図1の作業のように、斜面
部にアスファルトマスチックを打設する必要がないの
で、アスファルトマスチック層23の構築を容易に行う
ことができる。
【0021】前記図1、3に示す本発明の護岸により仕
切られる海域の陸側に、止水層を構築する場合を例にと
って、本発明の止水工法を説明したが、本発明に用いる
止水層は、ケーソンの海側に構築することも可能であ
る。例えば、図5に示されるように、ケーソン2を地盤
改良部6の上に構築する場合に、ケーソンの海側の位置
に止水層25を構築して、護岸の支持部に対する止水作
用を発揮させることができる。もちろん、前述したよう
な止水層の配置関係は、前記図1の護岸のように、基礎
捨石層を盛り上げる状態で構築する場合にも適用が可能
であり、図3の場合にも同様に適用可能なものとなる。
【0022】前記図5に示される例では、海底地盤5に
対して所定の幅で地盤改良部6を構成した後で、ケーソ
ン2を敷設する範囲に対してのみ基礎捨石層20を構築
し、前記基礎捨石層20の上にケーソンを載置して位置
決めさせるようにする。また、ケーソンの海側に構築す
る止水層25は、ケーソンの本体の基部またはフーチン
グの基部から海底地盤5にかけて構成するもので、地盤
改良部6と海底地盤5の表面に1m程度の厚さでバック
アップ層26を構築し、その上に厚さが15〜20cmの
アスファルトマスチック層27を設ける。さらに、前記
アスファルトマスチック層27の上に1〜2mの厚さで
被覆捨石層28を構築し、アスファルトマスチック層に
対する押え部材を設けるようにするので、地盤改良部と
基礎捨石層を通って流れようとする水流を、前記止水層
により阻止することができるものとなる。前記構造に加
えて、ケーソン2の陸側には陸側石積み部8を設けて、
比較的軽量な鉄製のケーソンである場合に、ケーソンを
陸側石積み部により支持して、安定した状態で設置でき
るようにしている。
【0023】
【発明の効果】本発明の管理型護岸の構築工法は、前述
したようにしてケーソンを支持する基礎捨石層の一方の
側の表面と、海底地盤の所定の範囲に亘って止水層を形
成するので、地盤改良部と基礎捨石層の双方が透水率の
大きなものとされていても、止水層により潮流を阻止す
ることができ、護岸により仕切った海域に対する止水性
能を良好に発揮させることができる。また、本発明の護
岸では、基礎捨石層の表面に小さい石でバックアップ層
を構成するので、アスファルトマスチックを打設した際
に石の間に流れ込む量を少なくすることができ、アスフ
ァルトマスチックの打設量を少なくして、アスファルト
マスチック層を構築することができる。そして、本発明
の工法により構築したアスファルトマスチック層は、基
礎捨石層や地盤改良部の沈下等が生じても、止水性を良
好に維持することができ、ケーソンと基礎捨石の上部と
の間、および、基礎捨石層の表面での止水性能を発揮さ
せることができる。したがって、本発明の工法により構
築される護岸は、仕切られた海域と外海の間において海
水が流通することがなく、埋立地に投棄される廃棄物を
閉じ込める作用を良好に発揮することができる。
【0024】また、本発明の管理型護岸の構築工法で
は、従来の護岸の構築工法と同様にして、基礎捨石層施
工部に対応する海底地盤に対してサンドパイル等を施工
して地盤改良部を構築し、その地盤改良部の上部に基礎
捨石層を構築し、ケーソンを設けることによって護岸を
構築することができ、護岸の構築作業が面倒になること
はない。そして、基礎捨石層の上に設置したケーソンの
一方の基部から、前記基礎捨石層の表面部に対してアス
ファルトマスチックを打設して止水層を構築し、さら
に、アスファルトマスチック層が護岸の内外の水位差に
よる水圧であおられることを防止するために、被覆捨石
層を設けるようにしているので、従来の構築工法を用い
て護岸を構築した後で、アスファルトマスチック層を設
けて止水層を設けることが可能である。さらに、護岸を
構築する場合には、地盤改良部の上部に基礎捨石層を盛
り上げる状態で構築することに代えて、地盤改良部を掘
り下げてから、海底地盤の表面と同じ高さの基礎捨石層
を、所定の厚さで構築する手段を用いることも可能であ
る。そして、基礎捨石層の上にケーソンを支持させる工
法を用いる場合には、基礎捨石層の表面部が水平状態に
形成されるために、その表面に止水層を形成することが
可能になり、アスファルトマスチックを打設する作業を
比較的容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の工法により構築する護岸の説明図で
ある。
【図2】 図1に設ける止水層の断面図である。
【図3】 本発明の護岸構築工法の第2の実施例の説明
図である。
【図4】 図3に設ける止水層の断面図である。
【図5】 本発明の護岸構築工法の第3の実施例の説明
図である。
【図6】 従来の護岸の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 護岸、 2 ケーソン、 4 アスファルト
マット、5 海底地盤、 6 地盤改良部、 7・
20 基礎捨石層、8 陸側石積み部、 9 海
側石積み部、10・21・25 止水層、 11・2
2・26 バックアップ層、12・23・27 ア
スファルトマスチック層、14・28 被覆捨石層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和木 多克 神奈川県横浜市旭区鶴ヶ峰1−29−4 ワ ールドエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 野々田 充 東京都大田区多摩川2丁目11番20号 日本 道路株式会社内 (72)発明者 佐藤 光洋 東京都中央区京橋3丁目13番1号 有楽ビ ル内 大成ロテック株式会社内 (72)発明者 松崎 勝夫 東京都港区赤坂2丁目10番9号 日本海上 工事株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海底地盤の上に基礎捨石層を盛り上げる
    状態で構築し、基礎捨石層の上にケーソンを構築して構
    成する護岸において、 前記ケーソンを構築する基礎捨石層の表面部にアスファ
    ルトマスチック層を施工して、止水層を構成することを
    特徴とする管理型護岸の構築工法。
  2. 【請求項2】 前記基礎捨石層の表面部に施工する止水
    層は、基礎捨石層の表面部に所定の厚さで小径の石等を
    積み重ねたバックアップ層を施工し、 前記バックアップ層の表面に所定の厚さで溶融状態のア
    スファルトマスチックを打設してアスファルトマスチッ
    ク層を構成し、アスファルトマスチックの一部がバック
    アップ層の表面部に浸透層を形成させるとともに、 前記アスファルトマスチック層の上に被覆捨石層を所定
    の厚さで施工することを特徴とする請求項1に記載の管
    理型護岸の構築工法。
  3. 【請求項3】 海底地盤を掘削した掘削部に基礎捨石層
    を海底地盤と水平に施工し、基礎捨石層の上にケーソン
    を構築して護岸を構成するとともに、 前記ケーソンを構築する基礎捨石層の表面部に所定の厚
    さで小径の石等を積み重ねたバックアップ層を施工し、 前記バックアップ層の表面に所定の厚さで溶融状態のア
    スファルトマスチックを打設してアスファルトマスチッ
    ク層を構成し、アスファルトマスチックの一部がバック
    アップ層の表面から内部に入り込む状態の浸透層を形成
    し、 前記アスファルトマスチック層の上に被覆捨石層を所定
    の厚さで施工することを特徴とする管理型護岸の構築工
    法。
  4. 【請求項4】 前記ケーソンを支持する基礎捨石層に施
    工する止水層は、護岸の表面全体または、ケーソンの海
    側、陸側のいずれか一方に施工することを特徴とする請
    求項2または3に記載の管理型護岸の構築工法。
JP12572994A 1994-05-16 1994-05-16 管理型護岸の構築工法 Pending JPH07305322A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007105618A (ja) * 2005-10-13 2007-04-26 World Engineering Kk 廃棄物処分場の遮水構造
JP2009085005A (ja) * 2002-08-28 2009-04-23 World Engineering Kk 管理型護岸の構築法
JP2010270592A (ja) * 2010-09-07 2010-12-02 World Engineering Kk 埋立護岸の遮水層の補修工法

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