JPH0730512Y2 - 食品収納用袋状容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、食品用の容器として好適に利用することがで
きる食品収納用袋状容器に関するものである。

〔従来の技術〕

これまでに、種々の形態の袋状容器が知られており、各
種内容物の収容容器として幅広く利用されている。この
うち、例えば、食品用容器としてチョコバー、ホットド
ッグ等の食品を収容しておき、袋から出しながら食べる
場合には、食べ進むに従って該食品を袋から出し、該食
品が袋の内部に落ちないようにする必要がある。このた
めに、袋の空になった部分を手で押さえたりする必要が
あって煩雑であった。特に、最近では、袋状容器を片手
で持ち、内に収容されている食品を歩きながら食べるこ
とが流行しているが、この場合には片手のみで食品をも
って食べ易い形態の容器の開発が望まれている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従って、本考案は、片手でも内容物を簡単に取り出すこ
とができ、取り出すにつれて袋状容器の空になった部分
が密封され、空の部分に再び内容物が戻ることのない食
品収納用袋状容器を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、食品収納用袋状容器の外面全体にわたって自
己接着剤層を設けると上記問題点を有効に解決できると
の知見に基づいてなされたのである。

すなわち、本考案は、食品を収納するように閉じた底部
と、食品を引出し可能な開口を備えた開口端とを有する
袋状容器であって、容器を巻回したときに巻回された袋
の外面部分を相互に接着するように容器の外面全体にわ
たって自己接着剤層が設けられており、巻回された容器
部分の巻回形状を該自己接着剤層の接着により保持し
て、食品の押し出しによって形成された容器内の空間域
を封鎖するようにしたことを特徴とする食品収納用袋状
容器を提供する。

本考案で対象とする袋状容器としては、従来から公知の
容器があげられる。例えば、ポリエチレンフィルム、ポ
リプロピレンフィルム、ナイロンフィルム、ポリ塩化ビ
ニルフィルム、ポリエステルフィルム、これらの合成樹
脂をコーティングした紙、フッ素系加工剤により耐油処
理した紙、ワックスペーパー、アルミ箔等の金属箔等の
一種又はこれらの材料を用いた複合フィルムを用いて作
った柔軟性を有する袋があげられる。尚、袋状容器の形
状は任意であるが、封筒状などの縦長の容器を用いるの
が好ましい。これらの袋状容器を形成するために用いる
フィルムの厚さは任意であるが、合成樹脂をコーティン
グした紙、フッ素加工剤により耐油処理した紙及びワッ
クスペーパーの場合は、通常50〜80μｍとするのがよ
い。

本考案の袋状容器の外面に設ける自己接着剤は、自己接
着剤層同志間においてのみ感圧接着性を示し、他のもの
に対しては実質的に接着性を示さない接着剤をいう。こ
のような接着剤としては、例えば特開昭60−26077号公
報に記載の接着剤を使用することができ、ゴムラテック
スと水溶性接着剤を均一に混合した水溶液を塗布、乾燥
して自己接着剤層を形成することができる。ここで、ゴ
ムラテックスとしては、天然ゴムラテックス及びスチレ
ン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、ポリクロロプレン
ゴム、ポリイソプレンゴムなどの合成ゴムラテックスが
あげられる。又、水溶性接着剤としては、アクリレート
系、ビニルアセテート系の水性エマルジョンやポリビニ
ルアルコールなどを用いることができる。この際、ゴム
ラテックス／水溶性接着剤の重量比が0.48〜1.80の範囲
となるようにし、かつ固形分として1.3〜2.2重量％とな
るような水溶液としてもちいるのがよい。尚、上記接着
剤を塗布後、塗膜面をブロッキング防止剤で処理しても
よい。

本考案では、又特開昭60−108485号公報に記載の自己接
着剤、すなわちスチレン−イソプレン−スチレンブロッ
ク共重合体、天然ゴム及びファクチスの混合物を塗布し
て自己接着剤層を形成してもよい。特に、スチレン−イ
ソプレン−スチレンブロック共重合体を50〜80％、天然
ゴムを50〜20％からなるエラストマー100重量部に対し
てファクチスを30重量部以下の量で添加したものを用い
るのが望ましい。ここで、ファクチスとしては、例え
ば、なたね油や大豆などの植物油、魚油で硫黄で加熱加
硫したもの、植物油を塩化硫黄で加硫したもの、脂肪酸
グリセライドを原料としたものがあげられる。

上記自己接着剤層は、袋状容器の外面の全体にわたって
任意の形態で設けることができる。例えば、外面の全部
又は外面の全面にわたって部分的に設けることもできる
が、外面の長手方向に沿って又は斜線を引いたように複
数、帯状に設けるのが経済的である。また、袋状容器の
両側の外面に上記帯状の自己接着剤層を設けると、内容
物を引き出すにつれて、袋状容器の底部を巻くか、長手
方向に沿って折り曲げて該袋状容器の底部を接着できる
ので好ましい。ここで、帯状の自己接着剤層の幅を5mm
〜20mm程度とすると、袋状容器底部の接着が良好となる
ので好ましい。尚、自己接着剤層は任意の厚みで形成す
ることができるが、３〜10μｍ、好ましくは５〜７μｍ
の厚みで設けるのがよい。又、自己接着剤層は、袋状容
器に直接設けることもできるが、自己接着剤層を塗布し
たテープを袋状容器に接着して設けることもできる。

次に、本考案を図面により説明する。

第１図は本考案の袋状容器１の斜視図を示すものであ
り、厚さ60μｍのポリエチレンフィルムをラミネートし
た紙材で縦15cm、横6.5cmの封筒状の袋状容器１の両側
の外面の全面にわたって直接、斜線を引いたように帯状
の自己接着剤層２（ゴムラテックスと水溶性接着剤を含
有する水溶液を塗布、乾燥して形成）が幅8mm、厚さ６
μｍで設けられており、チョコバー３が収容されてい
る。

第２図に第１図に示す袋状容器の使用状態を示すが、チ
ョコバー３を引き出すかあるいは押し出すにつれて、袋
状容器の底部４を巻くとこの部分が接着されるので、チ
ョコバー３は袋状容器の空になった部分に落ちることが
ない。また、第３図に示すように縦方向に折り曲げて接
着することもできる。また、第１図に示す袋状容器で
も、底部４を第３図に示すと同様に横方向に折り曲げる
こともできる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、片手でも内容物を簡単に取り出すこと
ができ、取り出すにつれて袋状容器の空になった部分が
密封され、空の部分に再び内容物が戻ることのない食品
収納用袋状容器を提供することができる。

従って、本考案の容器は、チョコバー、ホットドック、
バー状のアイスキャンディー、アメリカンドック、フラ
ンクフルトソーセージなどの食品用容器として広範囲に
使用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の食品収納用袋状容器の斜視図、第２図
及び第３図は本考案の食品収納用袋状容器の使用態様を
示す図である。 図中、１は袋状容器、２は自己接着剤層、３は内容物を
示す。

フロントページの続き (72)考案者 加守田 保 大阪府東大阪市御厨栄町１丁目５番７号 ハウス食品工業株式会社内 (72)考案者 中本 満子 大阪府東大阪市御厨栄町１丁目５番７号 ハウス食品工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−217308（ＪＰ，Ａ) 実開 昭63−28648（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭29−15388（ＪＰ，Ｙ１)

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】食品を収納するように閉じた底部と、食品
   を引出し可能な開口を備えた開口端とを有する袋状容器
   であって、容器を巻回したときに巻回された袋の外面部
   分を相互に接着するように容器の外面全体にわたって自
   己接着剤層が設けられており、巻回された容器部分の巻
   回形状を該自己接着剤層の接着により保持して、食品の
   押し出しによって形成された容器内の空間域を封鎖する
   ようにしたことを特徴とする食品収納用袋状容器。
2. 【請求項２】袋状容器の外面の長手方向に沿って複数の
   帯状の自己接着剤層が設けられている実用新案登録請求
   の範囲第（１）項に記載の食品収納用袋状容器。
3. 【請求項３】袋状容器の外面に斜線を引いたように複数
   の帯状の自己接着剤層が設けられている実用新案登録請
   求の範囲第（１）項に記載の食品収納用袋状容器。
4. 【請求項４】帯状の自己接着剤層の幅が5mm〜20mmであ
   る実用新案登録請求の範囲第（２）〜（３）項の何れか
   １項に記載の食品収納用袋状容器。
5. 【請求項５】自己接着剤層が、ゴムラテックスと水溶性
   接着剤を均一に混合した水溶液を塗布、乾燥して形成し
   たものである実用新案登録請求の範囲第（１）項に記載
   の食品収納用袋状容器。
6. 【請求項６】自己接着剤層が、スチレン−イソプレン−
   スチレンブロック共重合体、天然ゴム及びファクチスの
   混合物を塗布して形成したものである実用新案登録請求
   の範囲第（１）項に記載の食品収納用袋状容器。