JP3070009U - 内面撥水撥油性紙袋 - Google Patents

内面撥水撥油性紙袋

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JP3070009U JP1999010239U JP1023999U JP3070009U JP 3070009 U JP3070009 U JP 3070009U JP 1999010239 U JP1999010239 U JP 1999010239U JP 1023999 U JP1023999 U JP 1023999U JP 3070009 U JP3070009 U JP 3070009U
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面張力が極端に小さく、したがって接着性
や溶着性が不良で、接着法や溶着法の接合法が採れない
撥水性と撥油性があ面を内側にした、辺端部の接合が必
要な紙製の袋やパックの構造を案出する。 【解決手段】 原紙段階の加工紙の態様において、全面
のアンカー層面に、包装紙印刷技術を適用してフッソ系
樹脂のパートコート法を採用し、接合予定部分にフッソ
樹脂層を欠く部分を設けることによって、袋やパックの
中空内側の全表面はフッソ系樹脂層の面で、袋を形成す
る接合端部においてはフッソ系樹脂層を有さない構造を
案出した。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は湿気のある食品、湿気のある製品、油性物の食品、油を塗布した金属 製品、湿気を嫌らう製品などを包装、封入するための紙製の袋やパックに係わる 。
【0002】
【従来の技術】
生菓子、佃煮あるいは漬物など湿気のある食品、冷凍氷塊など、またフライド ポテト、チーズ、てんぷらなどの油性物の食品などを封入する袋やパックなど、 さらにウエットテッシュ、湿布巾などの湿気のある製品、錆を防止するためなど 油脂類を塗布した鋼製品など、さらに食塩、飼料、セメントなどの湿気を嫌う製 品などを包装する袋やパックなどの包装材は、主としてPE(ポリエチレン)、 PP(ポリプロピレン)、PVC(塩化ビニル)、PVDC(ポリ塩化ビニリデ ン)などのプラスチックフィルムが使われてきた。 これらのプラスチックフィルムは、外見上種類の見分けがつき難いので分別し にくく、リサイクルされることが殆ど無しに、生ごみや一般廃棄物と共に廃棄さ れ、埋め立てや焼却処理される。従って環境負荷の増大などの問題があった。
【0003】 紙の包装材は容易に紙であることを見分けることができるので、リサイクルに 回すべく分別できる。 紙は湿潤すると強度が極端に低下し、また水や油が染み込み易いという欠点が ある。したがって紙をPEなどの樹脂でラミネートするなどして防水性を与える なり、フッソ系樹脂エマルションのコーティングして撥水性と撥油性を付与すれ ば、包むだけの包装紙としては使うことができる。しかしながら、PEなどの合 成樹脂のラミネート紙は、再生紙への工程中での樹脂部と紙部との離解が困難で リサイクルが難かしいという問題がある。また、埋立て廃棄の場合には、紙部は 生分解性であるが、ラミネート部の合成樹脂部は非生分解性なので、いつまでも 異物として土中に残り、埋立て処理には不適当である。
【0004】 フッソ系樹脂のエマルションなどのコーティングによって紙の表面にフッ素系 樹脂層をコートした加工紙は、小量の樹脂量で撥水性と撥油性を与えることがで き、再生紙への解離性も極めてよく、リサイクルに有利な方法であるといえる。 しかるに内側を撥水、撥油性として袋やパック状にするには、撥水、撥油性側 を接着法や溶着法で接合しなければならない。 フッソ系素樹脂皮膜の比表面張力は5〜15mN/m程度と極めて低く、殆ど の化学物質より表面張力が低い。したがって撥水性と撥油性が優れているのであ るが、反面接着性や溶着性が不良で接合し難く、接合部が必要な袋やパックとし ては用いることが困難であった。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
本考案が解決しようとする課題は、挿入すべき湿潤質物や油性物と接触する側 、つまり内側にフッソ系樹脂のエマルションなどによるコーティングと熱処理に よって形成したフッソ系樹脂層を有する、撥水性と撥油性機能をもつ袋やパック の構造を案出することである。 この課題が解決すれば、湿気のある食品、湿気のある製品、油性物の食品、油 脂類を塗布した製品、湿気を嫌う製品などを包装、封入するための紙製の袋や紙 製のパックなどの提供が可能になる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
考案者は本課題を解決すべく鋭意検討の結果、次の如き考案に至った。 すなわち、実質的に表面の大部分がフッソ系樹脂層面である加工紙において、 互いに対向する接合予定部分にフッソ系樹脂層を欠く部分を有することを特徴と する製袋用加工紙の考案である。
【0007】 さらに、袋の内側中空部の表面全面がフッソ系樹脂層面で、袋を形成する接合 している端部においてはフッソ系樹脂層を有さない接合部であることを特徴とす る加工紙袋の考案に至った。
【0008】 さらに、筒状物の内側中空部の表面全面がフッソ系樹脂層面で、該筒状物を形 成するための接合部はフッソ系樹脂層を有さない接合部であって、該筒状物のた て方向の端部は潰した状態に畳まれていて、該筒状物のたて方向と直角に2回以 上折畳まれている状態の巻き込み端部となっていて、該巻き込み端部は接着状態 もしくは溶着状態あるいは縫い付け状態で接合されていることを特徴とする加工 紙袋の考案である。
【0009】
【考案の実施の形態】
図1は本考案の例である二辺接合形の紙製袋の略図である。上部は開口部で袋 の内側表面である粗斜線部1はフッソ系樹脂層面で撥水性と撥油性がある。 両側部点線と側端部間の2は接合部であり、接着あるいは溶着によって裏側で 接合していて、この接合部分にはフッソ系樹脂層を有さない。袋の底部11は折 り畳まれている状態である。 袋の開口部の端部3およびこれに対向する端部は、フッソ系樹脂層を有さず、 したがって接着を妨げず、必要により接着剤などでの封緘が可能である。
【0010】 図2は袋を形作る接合部とその近傍の断面拡大模型略図を示す。つまり、図1 でいえば上部開口部の両側端部の片側の接合部、一点鎖線4−4’断面とその近 傍の態様の断面模型略図である。 図2のパート9は接合部で図1のパート9に対応する。図2のパート10は接 合部近傍の中空部の一部で図1のパート10の一部に対応する。5は袋を形成す る紙材層、6はアンカー材層、7はフッソ系樹脂層、8は接合層で接着剤あるい は溶着剤の層である。 なお、説明を明確にするための模型略図であるので各層の寸法比は実物とは異 なり、紙材層は例えば坪量75g/mの重袋用クラフト紙の場合にその厚さは 0.13mm程度であり、他の層はこれよりかなり薄い。
【0011】 アンカー層の役割は機能加工剤処理性を改善する為の下地層のことをいうが、 紙の場合にはこれに加えて、次工程であるフッソ系樹脂加工で用いるエマルショ ンならびに製袋工程の接合のための接着剤や溶着剤が、紙材層へ過度に染み込む ことを防ぎ、主として剤を紙表面に存在させて剤の有効利用させる為の層である 。 アンカー剤はアクリル系樹脂などがあり、エマルションなどの形でコートする 。
【0012】 図2に示すように、フッソ系樹脂層7は袋の中空部パート10の表面には存在 するが、パート9の接合部8中には存在しない。 このように本考案は、袋の内側の表面がフッソ系樹脂層で、袋を形成する接合 部においてはフッソ系樹脂層を有さない接合部であることを特徴とする、袋の内 側中空部全表面に撥水性と撥油性がある紙袋やパックの考案である。
【0013】 図3は本考案の製袋用の加工紙の一例の平面模型略図を示す。説明を明確にす るための模型略図であるので各部の寸法比は実物の場合とは異なる。図3は加工 紙のロール巻状態から引き出して延べた状態で、一点鎖線12−12’方向が加 工紙の縦方向(巻きほどき方向)、14−14’方向が加工紙の幅方向であり、 寸法感覚の目安としてこの例の場合では加工紙の幅を46cmとし、13−13 ’と15−15’間を66cmとし、加工紙端部のアンカー層のみの面16の幅 を1cmとする。
【0014】 図3において、粗斜線で示す部分17は表面にフッソ系樹脂層のある面の部分 、これをあたかも枠状にとりまく如き16部分がアンカー層の面の部分である。 したがって、フッソ系樹脂層面17は撥水性、撥油性のある面であり、アンカ ー層面16は撥水性、撥油性のない接着、溶着が可能な面である。
【0015】 図3の加工紙を製袋加工するために、先ず一点鎖線13−13’、15−15 ’の線の部分をカットし、次いで一点鎖線12−12’の線の部分をカットして 、長方形の加工紙を切り出す。この長方形の切り出し片は、周囲端部がアンカー 層のみで、大部分の中央部の表面がフッソ系樹脂層面の袋1枚分の加工紙の切り 出し片となる。このサイズは長辺66cm、短辺23cm、周囲のアンカー層の みの部分の幅が1cmである。 これを図3における一点鎖線14−14’の線の位置を折り目として、フッソ 樹脂層面側が内側になるように折り畳む。かようにすればアンカー層のみの端部 が対向する。しかる後、対向する長辺の両側端部を接着法あるいは溶着法で接合 し、短辺の開口部をそのまま残せば、開口部の幅が23cm、奥行きが33cm の図1に示す如き袋ができる。
【0016】 できた袋は内側中空部がフッソ系樹脂層面であるところの撥水性と撥油性のあ る二辺接合形の加工紙の袋である。なお、実際には、かような操作は工業的に自 動機械などで行うものである。この例の場合、一片の袋用切り出し片の全面積の うち、表面にフッソ系樹脂層がある面積の比率は90%程度であり、大部分が実 質的にフッソ系樹脂層の加工紙といい得る。
【0017】 図4は本考案のパック用の加工紙の一例の平面模型略図を示す。説明を明確に する目的の模型略図であるので各部の寸法比は実物の場合とは異なる。図4は加 工紙のロール巻状態から引き出して延べた状態で、一点鎖線18−18’方向が 加工紙の縦方向(巻きほどき方向)、20−20’方向が加工紙の幅方向であり 、この場合寸法感覚の目安として加工紙の幅を46cmとする。 図3と同様に、図4の粗斜線で示す部分17は表面にフッソ系樹脂層のある面 の部分、16はこれをあたかも枠状にとりまく如き部分がアンカー層の面の部分 である。したがって、フッソ系樹脂層面17は撥水、撥油性のある面であり、ア ンカー層面16は撥水、撥油性のない接着や溶着が可能な面である。
【0018】 図4の加工紙をパック加工に使用するには、一点鎖線19−19’、20−2 0’、21−21’の線の部分でカットし、次いで18−18’の線の部分でカ ットして、長方形の加工紙を切り出す。これは周囲端部がアンカー層のみで、大 部分の中央部の表面がフッソ系樹脂層であり、この切り出し片2枚でパック1個 分となる。 この切り出し片のフッソ系樹脂層側の中央部に、封入物を置き、もう1片の切 り出し片をフッソ系樹脂層側が封入物側になるようにかぶせて、四辺を接着法ま たは溶着法で接合すれば、封入物はパックされる。
【0019】 なお、切り出し片の1片のみを用い、長片方向をフッソ系樹脂層側が内側にな るように二つ折りして、挿入物を挿入して残りの三辺を接着法または溶着法で接 合しても、挿入物はパックされ、かかる方式で用いてもよい。実際にはかような 操作は工業的には自動機械などで行うものである。
【0020】 図5は本考案の製袋用の加工紙の一例の平面模型略図を示す。説明を明確にす るための模型略図であるので、各部の寸法比は実物の場合とは異なる。図5は加 工紙のロール巻状態から引き出して延べた状態で、一点鎖線24−24’あるい は25−25’方向が加工紙の縦方向(巻きほどき方向)であり、この場合寸法 感覚の目安として加工紙の幅を46cmとする。
【0021】 図5において、粗斜線で示す部分17は表面にフッソ系樹脂層のある面の部分 、両側の端部16がアンカー層面の部分である。 したがって、フッソ系樹脂層面17は撥水性、撥油性のある面であり、アンカ ー層面16は撥水性、撥油性のない接着や溶着が可能な面である。
【0022】 図6はこの筒状物を適宜の長さにカットして切り出して、製袋した場合の斜視 模型略図である。説明を明確にするための模型略図であるので、各部の寸法比は 実物の場合とは異なる。 図5の加工紙を製袋加工するために、縦方向を適当な長さに幅方向にカットし たものとして考え、一点鎖線24−24’および25−25’の線の部分をフッ ソ系樹脂層の面が内側になるように折り畳む。しかる後対向するアンカー層のみ の端部16同士を接着法あるいは溶着法で接合し、図6の28に示す如く接合部 を一方に折り畳んで、図6の27方向から見るような筒状にする。
【0023】 前述では、説明は図5に示す如き加工紙から適当長でカットして切り出した長 方形の切り出し片として説明したが、実際にはこのような操作は、工業的に自動 機械などで行うので、畳んだ状態の連続した筒状物として得られる。 工業的にできる筒状物は、一辺接合形の内側中空部がフッソ系樹脂層面である 、撥水性と撥油性がある筒状物となる。
【0024】 図5の加工紙の幅を46cmとしたので、図5における両側端のアンカー層面 16の幅を1cmとすれば、図6の筒状物を押しつぶした畳み幅は22cmであ る。 図6の一点鎖線29−29’の部分の断面形状を図7に示す。図7は説明を明 確にするための模型略図であるので、各部の寸法ならびに寸法比は実物の場合と は異なり、接合部を強調して描いている。図7の28は接合端で、図6の28に 対応し、31は接合部の接合箇所、17はフッソ系樹脂層面である。
【0025】 次に筒状物を図6に示す如き袋とする場合の例を説明する。筒状物の縦方向端 部を平面状に押し潰し状態に畳んだ上、その端部を図6の32に示す如く長手方 向と直角方向に2回折畳んで巻き込み接合部とする。
【0026】 図6の筒状物端部の巻き込み接合部32の、一点鎖線30−30’断面を図8 に示す。 図8は説明を明確にするための模型略図であるので、各部の寸法ならびに寸法 比は実物の場合とは異なり、端部の巻き込み部を強調して描いている。 図8の32は巻き込み接合部で、図6の32に対応し、33は接合箇所を示し 、17はフッソ系樹脂層面で撥水性と撥油性のある面である。 筒状物の外側はフッソ系樹脂層面ではないので接合可能であり、畳んで巻き込 む内側になる部分、つまり図8の33になる部分に予め接着剤あるいは溶着剤を 塗布しておけば、接合してシールすることができる。
【0027】 図1の開口部の封緘、また図6ならびに図8の端部の巻き込み部32の接合法 は、糸を用いた縫い付け法でもよい。特に巻き込み部32のタイプについては、 大型の袋で重量がある場合には、縫い付け法の方が強度面で適合する場合がある 。しかしながら、縫い付け法はシール性は低くなる。
【0028】 更に詳しく本考案の実施の態様について記す。 本考案に使用する紙は包装用紙が好ましく、未さらし包装紙の場合とさらし包 装紙の場合とがある。前者は重袋用両更クラフト紙、中、軽袋用クラフト紙など が適用できる。また必要に応じさらし包装紙も適用でき、純白ロール紙、さらし クラフト紙、さらし包装紙なども適用できる。
【0029】 紙、繊維などにコーティングしたフッソ系樹脂膜は比表面張力が5〜15mN /m程度で、特に水と油の双方に対して共に低いので、撥水性と撥油性が付与さ れ、湿潤質や油性の挿入製品を紙で包装したり封入する場合に、フッソ系樹脂層 側を製品接触面に用いれば、水分や油成分を弾き紙が濡れることがないので紙の 特性が維持できる。
【0030】 一方、接着や溶着ができるということは、共有結合力、あるいは組み合い作用 、あるいはその両方から構成される界面力によって二つの表面をつなぎ合わせる ことができることをいう。したがって、表面がフッソ系樹脂層で撥水撥油性があ る紙の面は、その面では接着法や溶着法での接合が非常に困難である。
【0031】 本考案の加工紙の袋の断面は、図2に示す如く紙層側からいうと、袋の内側中 空部については、紙層、アンカー層、フッソ系樹脂層の順で層状になっていて袋 内面を構成し撥水性と撥油性がある。フッソ系樹脂層があると接着法や溶着法で は接合できないので、接合部分を予め紙層とアンカー層までとしておけば、接合 に支障はない。
【0032】 このために本考案ではフッソ系樹脂のパートコート法を適用し、この方法につ いて説明する。本考案の加工紙の製造工程の例としては次の如くである。 《ロール巻き原紙》 → 両耳のスリットおよびセンターカット → アンカ ー剤全面コート(袋の全内側部) → 熱処理 → 裏側(袋の表側部)にマー キング → フッソ系樹脂エマルション剤パートコート(袋の中空内側予定部) → 熱処理 → 《本考案加工紙》 → 《本考案の袋》
【0033】 両耳のスリット、センターカット工程は、ロール状で供給される原紙を所定の サイズの袋やパックを作るのに適合する幅にカットする工程である。 全面にコートするアンカー剤は、一般には表面の吸着性を改善する為の下加工 剤のことである。この機能に加えて本考案の場合、アンカー層の役割は次工程の フッソ系樹脂加工で用いるエマルションや、製袋工程で用いる接合のための接着 剤や溶着剤が紙材層へ過度に染み込むのを防ぎ、主として表面に剤を存在させて 有効利用をはかる為の下加工材層で、プライマーともいうことがあるが、かかる 機能があればアンカー剤は任意に選択できる。
【0034】 アンカー剤の一例として、アクリル系樹脂あるいはアクリル−SBR(スチレ ンブタジエンラバー)系樹脂のワニスとかエマルションが適用できる。後者の場 合は固形分45%、水55%程度のエマルションを使用する。コート法はエアナ イフコーター、バーコーター、ロールコーターなどが適用できる。付着量は固形 分でおおよそ 15〜30g/m程度であるが、適用する紙の種類によって異なる。
【0035】 袋になった場合の表側(つまりアンカー剤処理側の反対側)のマーキングは、 次の工程でフッソ系樹脂エマルションのパートコート部の位置を示すマークをつ ける工程で、完成加工紙を製袋機に仕掛けるときにフッソ系樹脂のパートコート 部の位置が表から判るようにするためであり、帯状紙の両サイドの位置に印捺す る。 なお、この表側は袋の表側になる側で、装飾や内容表示などの印刷を同時に行 ってもよく、製袋後に印捺やシールの貼付などのため紙のままとしておいてもよ いし、表面の保護などのための加工を施してもよく、本考案の実施に当たってこ れらは任意に選択できる。
【0036】 次に、図3、図4、図5の17に描くようなフッソ系樹脂エマルションのパー トコート工程であるが、一般的には包装紙の印刷工程が応用できる。 例えばフレキソ印刷法を適用してもよいし、グラビア印刷法の適用でもよい。
【0037】 適用するフッソ系樹脂エマルション剤としては、樹脂としてフルオロカーボン 誘導体であるパーフルオロスルフォン酸、パーフルオロカルボン酸、パーフルオ ロアルキル基などを含有するアクリル酸エステルや同塩化ビニリデンなどが適用 できる。
【0038】 エマルション剤はフッソ系樹脂の固形分で5〜20%程度とし、紙への付着量 は固形分でおよそ0.5〜2g/m程度である。 熱処理温度はおおよそ110〜200℃の範囲で、時間は1〜20秒程度であ り、これらの条件は、紙の種類、欲する撥水撥油機能などから適宜選択する。 かようにして本考案の加工紙ができる。
【0039】 製袋工程での接合は、接着法か溶着法を採用するが、接着剤や溶着剤は選択し たアンカー層の樹脂種類との親和性によるが、接着剤としては天然質としてデン プン系、セルロース系、ゴム系など、また合成品としてはポリリン酸系、ポリ酢 酸ビニル系などがあげられ、圧着と乾燥を必要とする場合が多い。 また溶着法はヒートシール法つまり加熱溶融と圧着で接合する方法であり、樹 脂剤としてはPE系、EVA(エチレン酢酸ビニル)系、アイオノマー系など熱 可塑性樹脂応用剤などが用いられ、溶着フィルムを使う方法でもよい。 何れにしても、作る袋の用途によって、強度面、安全面、食品用にあっては毒 性の問題などを勘案して選択する必要がある。
【0040】
【考案の効果】 本考案の実施によって次に掲げる効果がある。 (1)湿気のある食品、湿気のある製品、油性物の食品、油脂類を塗布した製品 、湿気を嫌う製品などを包装、封入するための紙製の袋や紙製のパックなどの提 供が可能になった。 (2)紙製で内側が撥水性と撥油性の袋やパックは、接着や溶着がし難いという 問題で製造困難であったが、構造の工夫でこれを解決し提供できた。 (3)印刷容易、呼吸する、こわさ(硬さ)があるなどの紙の特性を失わずに湿 潤質や油性の製品を包装する袋、パックを提供した。 (4)紙製の袋やパックは一見で分別できるので、プラスチックフィルムによる それとは異なり、リサイクル原料化しやすい。 (5)埋め立て廃棄の場合、紙は生分解性であるのでバクテリアで自然分解して 無害な物質になるので環境負荷が小さい。 以上本考案は、環境負荷の少ない紙の用途を広げ、リサイクルしやすい構成を 提供し得たので産業界に資するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】加工紙製袋の略図
【図2】袋の接合部とその近傍の断面模型略図
【図3】製袋用加工紙の例
【図4】パック用加工紙の例
【図5】筒状物から袋にする製袋用加工紙の例
【図6】筒状物からの袋の斜視模型略図
【図7】筒状物からの袋の接合部の断面模型略図
【図8】筒状物からの袋端の巻き込み接合部の断面模型
略図
【符号の説明】
1 フッソ系樹脂層面である袋内面 2 接合端部 5 紙材層 6 アンカー層 7 フッソ系樹脂層 8 接合剤層 9 袋接合部 10 袋中空部 16 アンカー層面の部分 17 フッソ系樹脂層面の部分 28 接合端 31 接合箇所 32 巻き込み接合部 33 接合箇所

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に表面の大部分がフッソ系樹脂層
    面である加工紙において、互いに対向する接合予定部分
    にフッソ系樹脂層を欠く部分を有することを特徴とする
    製袋用加工紙。
  2. 【請求項2】 袋の内側中空部の表面全面がフッソ系樹
    脂層面で、袋を形成する接合している端部においてはフ
    ッソ系樹脂層を有さない接合部であることを特徴とする
    加工紙袋。
  3. 【請求項3】 筒状物の内側中空部の表面全面がフッソ
    系樹脂層面で、該筒状物を形成するための接合部はフッ
    ソ系樹脂層を有さない接合部であって、該筒状物のたて
    方向の端部は潰した状態に畳まれていて、該筒状物のた
    て方向と直角に2回以上折畳まれている状態の巻き込み
    端部となっていて、該巻き込み端部は接着状態もしくは
    溶着状態あるいは縫い付け状態で接合されていることを
    特徴とする加工紙袋。
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