JPH07304844A - 変性ポリエステル樹脂の製造方法 - Google Patents

変性ポリエステル樹脂の製造方法

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JPH07304844A
JPH07304844A JP9635894A JP9635894A JPH07304844A JP H07304844 A JPH07304844 A JP H07304844A JP 9635894 A JP9635894 A JP 9635894A JP 9635894 A JP9635894 A JP 9635894A JP H07304844 A JPH07304844 A JP H07304844A
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JP
Japan
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polyester resin
acid
carboxyl group
modified polyester
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JP9635894A
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English (en)
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Toyomi Hashizume
豊美 橋詰
Katsumi Tanabe
勝己 田邊
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DIC Corp
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高度な柔軟性と高硬度とを両立させ、しか
も、とりわけ、耐久性などにも優れる塗膜を得ることの
出来る、変性ポリエステル樹脂であって、加工性と硬度
とのバランスを、高度なるレベルで以て保持し、しか
も、とりわけ、耐溶剤性や耐水性などにも優れる、強靱
なる塗膜を形成することの出来る、斬新なる、変性ポリ
エステル樹脂の製造方法を提供することにある。 【構成】 両末端にカルボキシル基を有する線状ポリエ
ステル樹脂と、分子の片末端に1個のカルボキシル基を
有するビニル系重合体と、ジエポキシ化合物とを反応さ
せることから成る、線状のポリエステル樹脂とビニル系
重合体とのブロック型であって、しかも、適度な水酸基
を有するという、特定の変性ポリエステル樹脂の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、変性ポリエステル樹脂
の新規にして有用なる製造方法に関する。さらに詳細に
は、本発明は、両末端カルボキシル基含有ポリエステル
樹脂と、特定のカルボキシル基含有化合物とを使用し
て、ビニルモノマーを重合させて得られる、片末端に1
個のカルボキシル基を有するビニル系重合体と、ジエポ
キシ化合物とを反応せしめることから成る、斬新なる変
性ポリエステル樹脂の製造方法に関する。
【0002】このようにして、本発明の方法により得ら
れる変性ポリエステル樹脂は、特に、塗料や接着剤など
として有用なる、とりわけ、硬さと柔軟性との両立が要
求されるような塗料、たとえば、プレコート鋼板用塗
料、金属製品用塗料あるいは自動車用耐チッピング塗料
などとして、極めて実用性の高いものである。
【0003】
【従来の技術】プレコート鋼板は、塗膜形成後におい
て、複雑な形状に成形加工されるため、その鋼板上の塗
膜には、高度なる柔軟性と、高度なる耐傷つき性との両
立が、すなわち、高加工性と高硬度とを同時に満たすこ
とが要求される。
【0004】そもそも、塗膜の柔軟性や加工性などと、
硬度とは、それぞれ、相反する性質であり、一般的に言
って、これらの両性能を、同時に、両立させるというこ
とは、極めて難しい。
【0005】一例として、プレコート鋼板に、婁々、使
用されているポリエステル樹脂系塗膜について言えば、
高分子量線状ポリエステル樹脂系塗膜は、加工性にこそ
優れるという反面、架橋に与る水酸基が、実質的に、分
子の両末端にしか存在しないという処から、硬度が不十
分であって、とりわけ、耐溶剤性や耐水性なども低いと
いうことである。
【0006】また、三官能以上のポリオールや、三官能
以上の多塩基酸などを使用した形の、いわゆる分岐型ポ
リエステル樹脂から得られる塗膜は、硬度や耐溶剤性な
どにこそ優れるというものの、加工性などは、かなりに
低いということである。
【0007】さらに、特公昭49−40863号公報に
は、線状ポリエステル樹脂に対して、適度な水酸基を付
与するという技術についての提示が為され、広く、実用
化されている。
【0008】それによると、耐溶剤性などに優れた強靱
な塗膜を得ることが出来るものの、該技術のみでは、加
工性と硬度とを、共に、高いレベルで以て、バランスよ
く保つということは、やはり、困難である。
【0009】また、アクリル樹脂系は、それ自体、かな
り高い硬度を有する皮膜を設計することこそ容易ではあ
るものの、その反面において、皮膜が脆く、とりわけ、
加工性が不十分である、ということである。
【0010】かかる技術的課題を解決する一方法とし
て、特開平1−294778号公報には、二塩基酸化合
物、ジオール化合物および分子鎖の片末端に重縮合しう
る官能基を有するビニル系重合体とを主体とする諸成分
を重縮合させて得られるポリエステル系グラフトポリマ
ーから成る塗料についての技術の開示が為されており、
加工性に優れるポリエステルを幹成分とし、硬度に優れ
る硬質ビニルポリマーを枝成分とする、いわゆるグラフ
ト型ポリマーを使用することによって、加工性と硬度と
のバランスがとれた、良好なる塗膜を得るという新規な
技術が提唱されている。
【0011】また、特開平4−57869号公報には、
実質的に、2官能のポリオール、片末端に2個の水酸基
を有するビニル系重合体およびジイソシアネート化合物
を反応させることによって得られる、斬新なるウレタン
系グラフト型ポリマーについての開示が為されており、
【0012】加工性に優れるポリウレタンを幹成分と
し、硬度に優れる硬質ビニルポリマーを枝成分とするグ
ラフト型ポリマーを使用することによって、加工性と硬
度とのバランスが取れた、良好なる塗膜を得るという新
規な技術が提唱されている。
【0013】プレコート鋼板用をはじめとして、一般
に、焼き付け型塗料は、水酸基を有するポリエステル樹
脂やアクリル樹脂などの主樹脂のほかに、アミノ樹脂や
ブロック化イソシアネート樹脂などの硬化剤を使用し
て、架橋化された塗膜を形成せしめている。
【0014】しかるに、前述したような両公開公報によ
り提唱されている、それぞれ、ポリエステル系グラフト
型ポリマーあるいはポリウレタン系グラフト型ポリマー
には、これら硬化剤との反応に与る水酸基が、実質的に
は、幹成分である線状ポリエステル樹脂あるいは線状ポ
リウレタン樹脂の末端のみに存在しているというだけで
ある処から、架橋化による、充分なる網目構造を持った
皮膜が得られない、という欠陥がある。
【0015】したがって、強靱なる塗膜を得ることが出
来なく、硬度と加工性とのバランス化にしても、高度な
レベルで以ての両立化は果たし得なく、とりわけ、耐溶
剤性や耐水性などの諸性能も不十分であるということで
ある。
【0016】こうした点を解決するために、水酸基を導
入しようとして、三官能以上のポリオールや三官能以上
の多塩基酸などを使用したり、枝成分となるべきビニル
系重合体中に水酸基を導入せしめたりすると、前掲した
特開平1−294778号公報や特開平4−57869
号公報などに開示されている技術に基づいては、結果的
に、分岐型の樹脂しか合成することが出来ない、という
未解決の問題が、依然として、残される処となる。
【0017】その結果、数平均分子量を高くすることが
出来ずに、高度なる加工性を発揮するという、極めて実
用性の高い皮膜を得ることが、到底、出来ないという羽
目に陥ってしまう処となる。
【0018】さらに、合成反応中に、ビニル系重合体が
分解したり、反応系がゲル化したりするという虞があっ
たりなどして、合成反応を制御することが、現に難しい
などの欠点もまた、残された儘である。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、本発明者ら
は、上述したような従来技術における種々の欠点ないし
は欠陥の存在に鑑みて、こうした諸々の欠点ないしは欠
陥を悉く解決し、排除した形の、端的に言えば、強靱な
る皮膜を得ることが出来、硬度と加工性とのバランス化
が、高度なレベルで以て両立化の果たし得るという、極
めて実用性に高い変性ポリエステル樹脂の斬新なる製造
方法を提供するべく、鋭意、研究を開始した。
【0020】したげって、本発明が解決しようとする課
題は、一にかかって、加工性と硬度との両性能の双方
を、共に、高度なるレベルで以て両立させながら、しか
も、とりわけ、耐溶剤性や耐水性などにも優れる、強靱
なる皮膜を与えることの出来る、極めて実用性に高い変
性ポリエステル樹脂の、新規にして有用なる製造方法を
提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述した如き従来技術の種々の欠点ないしは欠陥を、悉
く、解決し排除するべく、そして、上述した発明が解決
しようとする課題に照準を合わせて、鋭意、検討を重ね
た結果、
【0022】特定の線状ポリエステル樹脂と、特定のビ
ニル系重合体とからなる、実質的に線状のブロック型ポ
リマーであって、しかも、適度な水酸基が導入された形
の、斬新なる変性ポリエステル樹脂を得るに及んで、こ
こに、本発明を完成させるに到った。
【0023】すなわち、本発明は、基本的には、それぞ
れ、両末端にカルボキシル基を有する線状ポリエステル
樹脂と;片末端に1個のカルボキシル基を有する、好ま
しくは、さらに、水酸基をも有するビニル系重合体と;
ジエポキシ化合物とを反応させしめることから成る、変
性ポリエステル樹脂の製造方法を提供しようとするもの
である。
【0024】つまり、一つには、両末端にカルボキシル
基を有する線状ポリエステル樹脂(A)と;一分子内に
1個のカルボキシル基と1個のメルカプト基とを併せ有
する化合物を使用して、ビニルモノマーを重合させて得
られる、片末端に1個のカルボキシル基を有するビニル
系重合体(B−1)と;ジエポキシ化合物(C)とを反
応せしめることから成る、変性ポリエステル樹脂(I)
の製造方法をも提供しようとするものであるし、
【0025】二つには、両末端にカルボキシル基を有す
る線状ポリエステル樹脂(A)と;分子内にカルボキシ
ル基を有するラジカル重合開始剤を使用して、ビニルモ
ノマーを重合させて得られる、片末端に1個のカルボキ
シル基を有するビニル系重合体(B−2)と;ジエポキ
シ化合物(C)とを反応せしめることから成る、変性ポ
リエステル樹脂(II)の製造方法をも提供しようとす
るものである。
【0026】ここにおいて、本発明に係る変性ポリエス
テル樹脂(I)または(II)を製造するための、それ
ぞれの成分である、両末端にカルボキシル基を有する線
状ポリエステル樹脂(A)と、片末端に1個のカルボキ
シル基を有するビニル系重合体(B−1)または(B−
2)と、ジエポキシ化合物(C)とについて、順次、説
明をすることにする。
【0027】すなわち、まず、両末端にカルボキシル基
を有する線状ポリエステル樹脂(A)とは、たとえば、
二塩基酸と二価のアルコールとを、化学量論的に、カル
ボキシル基が多くなるようにして、エステル化反応せし
めることによって得られる形の線状ポリエステル樹脂を
指称するものである。
【0028】上記した二塩基酸として特に代表的なもの
のみを例示するにとどめれば、コハク酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバチン酸、ダイマー酸、テレフタル
酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸、ヘキサヒド
ロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、テトラヒ
ドロフタル酸または2,6−ナフタレンジカルボン酸の
如き、各種の二塩基酸類をはじめ、
【0029】さらには、無水フタル酸または無水マレイ
ン酸の如き、二塩基酸無水物;あるいは、上掲したよう
な種々の二塩基酸の各種の低級アルコールエステル類な
どである。
【0030】一方、上記した二価のアルコールとして特
に代表的なもののみを例示するにとどめれば、エチレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリ
コール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−
ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタン
ジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオールもしくは1,4−
シクロヘキサンジメタノールなどをはじめ、
【0031】さらには、ビスフェノールAのアルキレン
オキサイド付加物、水添ビスフェノールA、水添ビスフ
ェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコール、ポリカーボネート・ジオールまた
はポリカプロラクトン・ジオールなどである。
【0032】なお、両末端にカルボキシル基を有する、
当該線状ポリエステル樹脂(A)を構成する、二塩基酸
成分および二価のアルコール成分としては、上掲したよ
うな例示の化合物のみに、決して、限定されるものでは
なく、その他の公知慣用の化合物は、いずれも、使用す
ることが出来るのは、勿論である。
【0033】当該線状ポリエステル樹脂(A)として
は、実質的に線状であればよく、したがって、たとえ
ば、トリメリット酸もしくはピロメリット酸またはグリ
セリン、トリメチロールプロパンもしくはペンタエリス
リトールの如き、三価以上の、それぞれ、各種の多塩基
酸や多価アルコールなどをも、線状構造が損なわれない
程度に、使用した形のものであってもよい。
【0034】そうした三価以上の、それぞれ、各種の多
塩基酸や多価アルコールなどの使用量としては、当該線
状ポリエステル樹脂(A)の主構成成分中、概ね、5モ
ル%以内が適切である。
【0035】5モル%を超える場合には、どうしても、
実質的に分岐型となり、ひいては、加工性などが低下し
てしまう処となるので、本発明の目的には添わないもの
となってしまう。
【0036】また、イソホロンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ト
リレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシア
ネート、水添キシリレンジイソシアネートまたは水添ジ
フェニルメタンジイソシアネートの如き、各種のジイソ
シアネートによって、一部が変性された形の構造のもの
であってもよい。
【0037】当該線状ポリエステル樹脂(A)の酸価と
しては、4〜80なる範囲内が、好ましくは、8〜50
なる範囲内が適切である。酸価が4よりも少ない場合に
は、どうしても、得られる変性ポリエステル樹脂(I)
または(II)として、透明で、しかも、均一なるもの
が得られ難くなり、一方、酸価が80を超えて余りに高
くなる場合には、どうしても、変性ポリエステル樹脂
(I)または(II)の水酸基が多くなり過ぎて、加工
性などが低下してしまうので、いずれの場合も好ましく
ない。
【0038】なお、本発明において言う酸価とは、試料
の固形分1グラム(g)を中和するのに必要なる、水酸
化カリウムの量をミリ・グラム(mg)数で以て表示し
た値を指称するものである。
【0039】また、分子量としては、数平均分子量で以
て、1,000〜20,000なる範囲内が、好ましく
は、2,000〜15,000なる範囲内適切がであ
る。此の数平均分子量が1,000よりも低いものの場
合には、どうしても、加工性などが良好な皮膜を得るこ
とが難しくなるし、
【0040】一方、20,000を超える場合には、ど
うしても、得られる変性ポリエステル樹脂(I)または
(II)として、透明であって、しかも、均一なるもの
が出来にくくなるので、いずれの場合も好ましくない。
【0041】なお、本発明における数平均分子量は、ポ
リスチレン換算の、ゲル・パーミェーション・クロマト
グラフィー(GPC)によって測定した値であること
を、明らかにしておく。
【0042】さらに、当該線状ポリエステル樹脂(A)
としては、実質的に、分子の両末端にカルボキシル基を
有するものであればよく、その際に、取り得る水酸基価
としては、10以下となるように、好ましくは、5以下
となるように、此のカルボキシル基のほかに、一部、水
酸基を有していても、一向に、差し支えは無い。
【0043】水酸基価が10を超える場合には、どうし
ても、得られる変性ポリエステル樹脂(I)または(I
I)の分子量を大きくすることが出来なく、その結果、
加工性のよい塗膜が得られなくなるので、好ましくな
い。
【0044】なお、本発明における水酸基価とは、試料
の固形分1gをアセチル化せしめるのに必要なる酢酸の
量を、水酸化カリウムの量に換算して、mg数で以て表
示した値である。
【0045】当該線状ポリエステル樹脂(A)の調製に
おけるエステル化反応は、常法に従って行なえばよく、
たとえば、溶融法あるいは溶剤法などのような、公知慣
用のいずれの方法によっても行なうことが出来る。
【0046】この際に、公知慣用のエステル化触媒を使
用すると、目的の反応を、より円滑に遂行せしめること
が出来るようになる。
【0047】次いで、本発明において、前記した、それ
ぞれ、分子の片末端に1個のカルボキシル基を有するビ
ニル系重合体(B−1)または(B−2)について述べ
ることにする。
【0048】これらのビニル系重合体(B−1)または
(B−2)とは、たとえば、ラジカル重合性ビニルモノ
マーを重合して得られる骨格を有し、その重合体骨格
の、実質的に片末端にカルボキシル基を1個有する形の
ポリマーを指称するというものである。
【0049】当該ビニル系重合体を構成するモノマーと
して特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、ス
チレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンもしくは
tert−ブチルスチレンの如き、各種の芳香族ビニル
モノマー類;
【0050】(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メ
タ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブ
チル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)
アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、
【0051】(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)ア
クリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸トリ
デシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アク
リル酸テトラヒドロフルフリルもしくは(メタ)アクリ
ル酸トリシクロデカニル、
【0052】メトキシポリエチレングリコールモノメタ
クリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノメ
タクリレート、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸
イソボルニルまたはメタクリル酸イソボルニルの如き、
各種のアクリル酸−またはメタクリル酸エステル類;
【0053】酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香
酸ビニルもしくはバーサチック酸ビニルまたはアクリロ
ニトリルもしくはメタクリロニトリルの如き、ビニルモ
ノマー類;
【0054】メタクリル酸トリフロロエチル、メタクリ
ル酸テトラフロロプロピル、メタクリル酸ヘキサフロロ
ブチルもしくはメタクリル酸パーフロロオクチルの如
き、各種の含フッ素モノマー類などである。
【0055】また、当該ビニル系重合体中に、水酸基を
導入化せしめることは、本発明においては望ましいこと
であって、かかる方法としては、水酸基を有するラジカ
ル重合性モノマーを共重合せしめるという方法によるの
が、最も簡便であり、推奨することが出来る。
【0056】こうした水酸基含有ラジカル重合性モノマ
ーとして代表的なものを例示するにとどめれば、たとえ
ば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル
酸ヒドロキシブチル、ポリエチレングリコール・モノ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール・モ
ノ(メタ)アクリレートまたはグリセロールモノメタク
リレートの如き、各種のアクリル酸−またはメタクリル
酸エステル類;
【0057】「プラクセル FM−1」、「プラクセル
FM−2」、「プラクセル FM−3」、「プラクセ
ル FM−4」、「プラクセル FM−5」、「プラク
セルAM−1」、「プラクセル AM−2」、「プラク
セル AM−3」、「プラクセル AM−4」もしくは
「プラクセル AM−5」[以上、いずれも、ダイセル
化学工業(株)製のラクトン変性の、アクリル酸−ない
しはメタクリル酸エステル]の如き、各種のラクトン変
性モノマー類などである。
【0058】なお、当該ビニル系重合体を得るに際して
使用される、此のラジカル重合性モノマーは、水酸基を
有するものにしても、該基を有しないものにしても、上
掲したような例示の化合物のみに、決して、限定される
ものではなく、その他の公知慣用の化合物は、いずれ
も、使用することが出来るのは、勿論である。
【0059】ただし、エポキシ基、アミノ基またはカル
ボキシル基を有する形のラジカル重合性モノマーの使用
は、後述するような合成反応の上で望ましくないので、
注意を要する。
【0060】本発明において用いられる当該ビニル系重
合体は、分子の片末端に1個のカルボキシル基を有する
ような形のものなどであるが、その調製方法としては、
たとえば、次のような二つの方法が、すなわち、製造例
1と製造例2との二つの例のような方法が、特に代表的
なものである。
【0061】《製造例1》
【0062】まず、この製造例は、一分子内に1個のカ
ルボキシル基と1個のメルカプト基とを併せ有する化合
物を使用して、ビニルモノマーを重合させることによっ
て、片末端に1個のカルボキシル基を有するビニル系重
合体(B−1)を製造するという方法である。
【0063】ここにおいて、メルカプト基を有する化合
物は、ラジカル重合反応の連鎖移動剤として、よく知ら
れているものであり、そのメルカプト化合物がカルボキ
シル基をも有しているものであれば、ビニル系重合体の
片末端にカルボキシル基が導入されることとなる。
【0064】かかるメルカプト基含有化合物として特に
代表的なもののみを例示するにとどめれば、メルカプト
酢酸(チオグリコール酸とも称される。)、1−メルカ
プトプロピオン酸または2−メルカプトプロピオン酸な
どであるが、そのほかにも、公知慣用のものは、いずれ
も、使用することが出来る。
【0065】此の製造例1において、ラジカル重合反応
を行なうためには、重合開始剤が必要であり、こうした
重合開始剤として特に代表的なもののみを例示するにと
どめれば、アゾビスイソブチロニトリルもしくは2,
2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)の如
き、各種のアゾ系開始剤;
【0066】またはベンゾイルパーオキサイド、ter
t−ブチルパーオキシオクテート、tert−ブチルパ
ーオキシベンゾエート、tert−ブチルハイドロパー
オキサイドもしくはジtert−ブチルパーオキサイド
の如き、各種のパーオキサイド類などであるが、勿論、
本発明においては、決して、これらの化合物のみに限定
されるものではなく、公知慣用のものは、いずれも、使
用することが出来る。
【0067】《製造例2》
【0068】次いで、この製造例は、分子中にカルボキ
シル基を有するラジカル重合開始剤を使用して、ビニル
モノマーを重合し、片末端に1個のカルボキシル基を有
するビニル系重合体(B−2)を得るという方法であ
る。
【0069】かかるラジカル重合開始剤として特に代表
的なもののみを例示するにとどめれば、4,4’−アゾ
ビス−(4−シアノペンタン酸)などであり、その最た
るものが此の化合物であるが、勿論、そのほかにも、公
知慣用のものは、いずれも、使用することが出来る。
【0070】ラジカル重合を行う際には、製造例1の場
合において使用したような、一分子中に1個のカルボキ
シル基と1個のメルカプト基とを併有する化合物を併用
しても、何ら、差し支えはないけれども、カルボキシル
基を有しないラジカル重合開始剤や、カルボキシル基を
有しないメルカプト化合物などを使用し併用するのは望
ましくない。
【0071】これらの製造例1および製造例2のいずれ
の場合においても、ラジカル重合反応は、常法に従って
行なえばよく、たとえば、有機溶剤中での、いわゆるラ
ジカル溶液重合法によるのが最も簡便なので、推奨をす
ることが出来る。
【0072】こうした有機溶剤としては、特に制限はな
く、一般に、塗料などの調製に用いられているようなも
のは、勿論、使用することが出来るが、後述するような
合成反応の上で、アルコール系溶剤やエステル系溶剤な
どの使用とか、あるいは沸点の低い、100℃以下の沸
点を有するような溶剤などの使用は避けるべきであり、
こうした部類の溶剤の使用を避けるようにするのが望ま
しい。
【0073】上述した製造例1および製造例2の両方法
に従って得られる、片末端に1個のカルボキシル基を有
する、当該ビニル系重合体(B−1)または(B−2)
は、水酸基をも有するようなものの方が、本発明の効果
を、一層、大きく発揮する処となる。
【0074】その水酸基の存在割合としては、得られる
変性ポリエステル樹脂(I)または(II)の水酸基価
が10〜80なる範囲内、とりわけ、12〜60なる範
囲内となるように設計するのが望ましい処であり、当該
ビニル系重合体(B−1)または(B−2)中、概ね、
一分子当たり、此の水酸基を、0.5〜10個程度、好
ましくは、1〜5個程度が適切である。
【0075】当該ビニル系重合体(B−1)または(B
−2)の数平均分子量としては、2,000〜20,0
00なる範囲内が、好ましくは、3,000〜15,0
00なる範囲内が適切である。
【0076】数平均分子量が2,000よりも余りに低
い場合には、どうしても、充分なる加工性などを有する
ものが得られ難くなるし、さらには、目的とする変性ポ
リエステル樹脂を調製するべき反応(開環エステル化反
応)の上で、芳しくなくなるので好ましくないし、
【0077】一方、数平均分子量が20,000を超え
て余りに高くなる場合には、どうしても、得られる変性
ポリエステル樹脂(I)または(II)として、透明な
ものが期待し得なくなり、ひいては、樹脂の安定性や塗
面の外観などの上で、悪影響が出て仕舞うようにもなる
ので、これまた、好ましくない。
【0078】此の分子量は、製造例1においては、一分
子内に1個のメルカプト基とカルボキシル基を併有する
化合物の使用量によって、製造例2においては、分子中
にカルボキシル基を有するラジカル重合開始剤の使用量
によって、コントロールすることが出来る。
【0079】なお、当該ビニル系重合体の酸価について
は、当該共重合体が、一分子当たり1個のカルボキシル
基を有している構造のものであるという処から、上述し
た数平均分子量の、2,000、3,000、15,0
00および20,000は、酸価で以て言えば、それぞ
れ、概ね、28、19、3.7および2.8に相当する
という処となる。
【0080】本発明において用いられる、前記したジエ
ポキシ化合物(C)とは、たとえば、カルボキシル基と
反応し得るエポキシ基を、その分子中に、実質的に2個
有する形の化合物を指称するものであって、そうした形
の化合物として特に代表例なもののみを例示するにとど
めれば、
【0081】ネオペンチルグリコールジグリシジルエー
テル、グリセロールジグリシジルエーテル、トリメチロ
ールプロパンジグリシジルエーテルもしくは1,6−ヘ
キサンジオールジグリシジルエーテルまたはポリエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレンジ
グリシジルエーテルもしくはポリテトラメチレングリコ
ールジグリシジルエーテルの如き、各種のグリコールや
ポリオールなどの種々のジグリシジルエーテル類;
【0082】アジピン酸ジグリシジルエステル、オルソ
フタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシ
ジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、ダ
イマー酸ジグリシジルエステルまたはヘキサヒドロフタ
ル酸のジグリシジルエステルの如き、各種の二塩基酸の
ジグリシジルエステル類;
【0083】「エピクロン 850、1050、105
5もしくは2055」[以上、いずれも、大日本インキ
化学工業(株)製のエポキシ樹脂]の如き、各種のビス
フェノールA型エポキシ樹脂類;
【0084】あるいは、「プラクセル G−101、G
−102もしくはG−402」[以上、いずれも、ダイ
セル化学工業(株)製のエポキシ樹脂]の如き、各種の
ラクトン変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂類などを
はじめ、
【0085】さらには、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂類、ビスフェノールS型エポキシ樹脂類、水添ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂類または水添ビスフェノール
F型エポキシ樹脂類などである。
【0086】なお、これらの例示の化合物は、ほんの一
例にしか過ぎないものであり、本発明にあっては、決し
て、これらの例示の化合物のみに限定されるというもの
ではなく、一分子中に、実質的に2個の、カルボキシル
基と反応性のあるエポキシ基を有するものであれば、如
何なるものであってもよいことは、勿論である。
【0087】このように、当該ジエポキシ化合物(C)
それ自体としては、実質的に2個のエポキシ基を有して
いるものでさえあればよいのであって、2個よりも少な
いものとか、あるいは、2個よりも多いものであって
も、1.5〜2.5個程度なる範囲内のものでも、当然
に、使用することが出来る。
【0088】換言するならば、3個以上の化合物や、単
なる1個のみの化合物であっても、平均で、1.5〜
2.5個なる範囲内となるようにして、併用すること
は、何ら、差し支えは無い。
【0089】両末端にカルボキシル基を有する線状ポリ
エステル樹脂(A)と、片末端に1個のカルボキシル基
を有するビニル系重合体(B−1)または(B−2)
と、ジエポキシ化合物(C)とを反応せしめることによ
って、それぞれ、目的とする変性ポリエステル樹脂
(I)または(II)を調製するに当たっては、
【0090】カルボキシル基とエポキシ基の数の比が、
化学量論で、カルボキシル基/エポキシ基なる比率とし
て、0.25〜4.0なる範囲内が、好ましくは、0.
5〜2.0なる範囲内が適切であるし、反応温度として
は、110℃〜150℃程度が適切であって、
【0091】こうした条件で以て、これら上記の三者成
分を反応せしめればよく、すなわち、開環エステル化反
応せしめればよく、該開環エステル化反応は、有機溶剤
中で以て行なうのが望ましい。
【0092】また、この際に、アミン系、イミダゾール
系またはリン酸エステル系などのような、種々の触媒
を、適宜、使用することによって、一層、反応を円滑に
進行させることが出来る。
【0093】その際の上記有機溶剤としては、特に制限
はなく、一般に、塗料などの調製の際に使用されている
ような形のものは、勿論、使用することが出来る。
【0094】しかしながら、カルボキシル基とエポキシ
基とを、大約110℃〜大約150℃なる範囲内の温度
で以て反応させるような場合には、エステル結合を分解
するような溶剤の使用は、たとえば、アルコール系溶剤
やエステル系溶剤などのようなものの使用は避けた方が
望ましいし、
【0095】また、100℃以下というような、沸点の
低い溶剤の使用も避けた方が望ましいけれども、勿論の
ことながら、これら上掲のような溶剤であっても、反応
後や、塗料化時などにおいて、使用し併用することは、
一向に、差し支えが無い。
【0096】本発明において、前述した、それぞれ、ポ
リエステル樹脂(A)と、ビニル重合体(B−1)また
は(B−2)との割合としては、樹脂(A)/重合体
(B−1)または(B−2)なる形の固形分比で以て、
概ね、10/90〜90/10という範囲内が、とりわ
け、20/80〜80/20なる範囲内が適切である。
【0097】本発明は、ポリエステル樹脂本来の柔軟性
と、アクリル樹脂本来の硬さという、それぞれの成分の
特徴を、充分に引き出し、活用することによって、極め
て実用性の高い変性ポリエステル樹脂を得るというもの
である処から、これらの両成分のどちらかの成分が、大
約10重量%よりも少なくなるような場合には、どうし
ても、充分なる効果が発現され得なくなってしまう。
【0098】本発明において、変性ポリエステル樹脂
(I)または(II)は、共に、水酸基を有していると
いう形のものが望ましいが、かかる水酸基は、線状ポリ
エステル樹脂(A)中のカルボキシル基と、ジエポキシ
化合物(C)中のエポキシ基との反応の結果として生ず
る形のものをはじめとして、
【0099】さらには、ジエポキシ化合物(C)それ自
体に、該水酸基を有するものを使用するという方法と、
ビニル系重合体(B−1)または(B−2)中に、該水
酸基を導入せしめるとう方法によって得られるという形
のものもある。
【0100】本発明においては、此の水酸基を、勿論、
いずれの方法によって導入せしめるようにしてもよい訳
ではあるが、とりわけ、ビニル系重合体(B−1)また
は(B−2)中に導入するという方法によるのが望まし
い。
【0101】此の水酸基の存在量としては、目的とする
変性ポリエステル樹脂(I)と変性ポリエステル樹脂
(II)との全体量(合計量)で以て、水酸基価が大約
10〜80なる範囲内が、とりわけ、12〜60なる範
囲内が適切である。
【0102】水酸基価が10よりも小さい場合には、ど
うしても、充分なる架橋度の塗膜が得られ難く、ひいて
は、硬度と加工性とを高度なる状態で以ては両立させる
ことが出来なくなるし、その上、とりわけ、耐溶剤性や
耐水性なども不充分な形の皮膜しか得られないという処
となり易い。
【0103】一方、水酸基価が80を超えて余りに大き
くなる場合には、どうしても、過度な架橋化皮膜となっ
てしまい、とりわけ、加工性の良好なる皮膜が得られ難
くなってしまう。
【0104】以上に記述して来たような方法によって製
造される、本発明に係る変性ポリエステル樹脂(I)ま
たは(II)は、ポリエステル樹脂と、ビニル系重合体
とからなる、適度な水酸基を有する、線状であって、し
かも、ブロック型構造のポリマーである。
【0105】そのために、本発明の方法により得られる
変性ポリエステル樹脂は、いずれの場合にも、ポリエス
テル樹脂に由来する物性と、ビニル系重合体に由来する
物性とを、たとえば、高柔軟性と高硬度という相反する
物性を兼ね備えた形の、特異なる皮膜を与えるというも
のである。
【0106】しかも、本発明の方法により得られる、そ
れぞれの変性ポリエステル樹脂は、共に、適度な水酸基
が付与されているというものである処から、アミノ樹脂
やブロック化ポリイソシアネートなどのような、汎用の
硬化剤との架橋化反応によって、適度な網目構造を形成
するので、とりわけ、耐溶剤性や耐水性などにも優れ
る、強靱なる皮膜を得ることが出来るようになる。
【0107】上述したように、本発明によって製造され
る変性ポリエステル樹脂は、高度な柔軟性と高硬度とを
同時に満足するような諸性能が要求される用途、たとえ
ば、自動車用耐チッピング塗料、金属素材用塗料あるい
はプレコートメタル用塗料などに、利用し適用すること
が出来る。
【0108】本発明によって製造される変性ポリエステ
ル樹脂は、とりわけ、高加工性と高硬度とが特に強く要
求されるプレコートメタル塗料用の樹脂として好適なも
のである。
【0109】此の変性ポリエステル樹脂を使用して塗料
を調製する際には、着色顔料、体質顔料または防錆顔料
などのような種々の顔料類;またはアミノ樹脂やブロッ
ク化イソアイアネートなどのような、焼き付け塗料一般
に用いられているような種々の硬化剤類などをはじめ、
【0110】さらには、硬化触媒、溶剤、顔料分散安定
剤、光沢調節剤、粘度調節剤、スリック剤あるいはハジ
キ防止剤などのような種々の後添加剤などを、適宜、配
合することが出来る。勿論、着色顔料を含有しない形の
クリヤー塗料として使用することも出来る。
【0111】
【実施例】次に、本発明を、実施例により、一層、具体
的に説明することにするが、本発明は、決して、これら
の例のみに限定されるものではない。なお、以下におい
て、部および%は、特に断りの無い限り、すべて重量基
準であるものとする。
【0112】実施例1 攪拌棒、窒素ガス導入管、温度調節器、精溜管(これ
は、グリコールを系内に戻し、縮合水のみを系外に除く
ための装置である。)およびデカンター(これは、溶剤
法により、キシレンを還流して、縮合水を除くための装
置である。)を備えた反応容器に、
【0113】アジピン酸の225部、イソフタル酸の2
56部、テレフタル酸の256部、エチレングリコール
の93部、ネオペンチルグリコールの155部、1,6
−ヘキサンジオールの176部およびジブチル錫オキサ
イドの0.5部を仕込んで、縮合水を、系外に除去しつ
つ、6時間を要して、260℃にまで徐々に昇温し、
【0114】次いで、260℃に1時間のあいだ保持し
たのちに、脱水を促進させるために、キシレンの30部
を加え、デカンターを使用して、キシレンを還流させな
がら、230℃で、6時間のあいだ反応を継続せしめる
ことによって、分子の両末端にカルボキシル基を有する
線状ポリエステル樹脂を得た。
【0115】そして、「ソルベッソ 100」(米国エ
クソン社製の芳香族炭化水素溶剤)/シクロヘキサノン
=70/30(重量部比)なる混合溶剤によって、不揮
発分が50%となるように希釈して、樹脂固形分の酸価
(以下、此の酸価は、樹脂固形分値で以て表示するもの
とする。)が20で、
【0116】樹脂固形分の水酸基価(以下、此の水酸基
価もまた、樹脂固形分値で以て表示するものとする。)
が2で、数平均分子量が約5,100で、かつ、25℃
における、ガードナー気泡粘度計による粘度(以下、単
に粘度と略記する。)がR−Sなる、ポリエステル樹脂
の溶液(a−1)を得た。
【0117】次いで、攪拌棒、窒素ガス導入管、温度調
節器、コンデンサーおよびモノマー用の滴下漏斗を備え
た、別の反応容器に、「ソルベッソ 100」の500
部およびシクロヘキサノンの500部を仕込んで、温度
を80℃に保持して、
【0118】メタクリル酸メチルの800部、アクリル
酸エチルの200部、メルカプト酢酸の19部および
2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)の
20部からなる混合液を、3時間を要して滴下し、
【0119】さらに、同温度で、8時間のあいだ反応を
継続せしめたのち、キシレンにより、不揮発分が50%
となるように調整して、酸価が11.2で、水酸基価は
無く、数平均分子量が約6,000で、かつ、粘度がZ
7 なる、ビニル共重合体の溶液(b−1)を得た。
【0120】引き続いて、攪拌棒、窒素ガス導入管、温
度調節器およびコンデンサーを備えた、別の反応容器
に、ポリエステル樹脂溶液(a−1)の1,200部、
ビニル共重合体溶液(b−1)の800部、ネオペンチ
ルグリコールジグリシジルエーテルの53部および2−
メチルイミダゾールの0.5部を仕込んで、135℃
で、13時間のあいだ反応を行なった。
【0121】次いで、「ソルベッソ 100」/シクロ
ヘキサノン/イソホロン=60/20/20(重量部
比)なる混合溶剤によって、不揮発分を40%に調整す
ることにより、酸価が2.1で、水酸基価が14で、か
つ、粘度がYなる、目的とする変性ポリエステル樹脂の
溶液(I−1)を得た。
【0122】此の変性ポリエステル樹脂溶液(I−1)
と、さらに、「バーノック D−550」[大日本イン
キ化学工業(株)製のブロック化イソシアネート系硬化
剤]と、「TITANIX JR−603」[テイカ
(株)製の酸化チタン系白色顔料]と、溶剤としてのイ
ソホロンとを用い、
【0123】変性ポリエステル樹脂溶液(I−1)/
「バーノック D−550」なる固形分重量部比が、前
者ベース樹脂/後者硬化剤なる形の比率で以て、80/
20で、顔料重量濃度(PWC)が40%で、かつ、不
揮発分が50%となるようにして、白エナメル塗料を調
製した。
【0124】次いで、亜鉛の目付け量が、片面20g/
2 なる、塗布型クロメート処理をした0.4mm厚の
電気亜鉛メッキ鋼板上に、「ファインタフD AV42
プライマー」[大日本インキ化学工業(株)製の、ポリ
エステル樹脂系プライマー用塗料]を、
【0125】乾燥膜厚が5ミクロン(μm)で、かつ、
最高板面到達温度(PMT)が200℃となるようにし
て、塗装焼き付け(260℃雰囲気下において、25秒
間の焼き付け)を行なって、プライマー塗布鋼板を作製
した。
【0126】しかるのち、この板上に、上記白エナメル
塗料を、乾燥膜厚が16μmで、PMTが235℃とな
るようにして、塗装焼き付けを行ない(260℃雰囲気
下において、40秒間の焼き付け)を行なって、白色塗
装鋼板を得た。
【0127】実施例2 アジピン酸の226部、イソフタル酸の257部、テレ
フタル酸の257部、エチレングリコールの92部、ネ
オペンチルグリコールの154部、1,6−ヘキサンジ
オールの174部およびジブチル錫オキサイドの0.5
部を使用するように変更した以外は、実施例1と同様に
して、不揮発分が50%で、酸価が25で、水酸基価が
1.8で、数平均分子量が約4,100で、かつ、粘度
がQなる、ポリエステル樹脂の溶液(a−2)を得た。
【0128】また、メタクリル酸メチルの700部、
「プラクセル FM−5」[ダイセル化学工業(株)製
の、ラクトン変性水酸基含有アクリルモノマー]の30
0部、メルカプト酢酸の9.2部および2,2’−アゾ
ビス−(2−メチルブチロニトリル)の10部を使用す
るように変更した以外は、実施例1と同様にて、不揮発
分が50%で、酸価が5.1で、水酸基価が24で、数
平均分子量が約11,000で、かつ、粘度がZ1
る、ビニル共重合体の溶液(b−2)を得た。
【0129】ポリエステル樹脂溶液(a−2)の400
部と、ビニル共重合体溶液(b−2)の1,600部
と、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルの1
5部、グリセリンジグリシジルエーテルの11部および
2−メチルイミダゾールの0.5部とを使用するように
変更した以外は、実施例1と同様にして、不揮発分が4
0%で、酸価が1.3で、水酸基価が28で、かつ、粘
度がUなる、変性ポリエステル樹脂の溶液(I−2)を
得た。
【0130】この変性ポリエステル樹脂溶液(I−2)
を用いるように変更した以外は、実施例1と同様にし
て、白色塗装鋼板を得た。
【0131】実施例3 メタクリル酸メチルの800部、「プラクセル FM−
5」の200部、メルカプト酢酸の9.2部および2,
2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)の10
部を使用するように変更した以外は、実施例1と同様に
して、不揮発分が50%で、酸価が5.3で、水酸基価
が16で、数平均分子量が約10,500で、かつ、粘
度がZ4 なる、ビニル共重合体の溶液(b−3)を得
た。
【0132】次いで、実施例2で得られたポリエステル
樹脂溶液(a−2)の800部と、ビニル共重合体溶液
(b−3)の1,200部と、さらに、ネオペンチルグ
リコールジグリシジルエーテルの21部、グリセリンジ
グリシジルエーテルの15部および2−メチルイミダゾ
ールの0.5部とを用いるように変更した以外は、実施
例1と同様にして、不揮発分が40%で、酸価が1.1
で、水酸基価が23で、かつ、粘度がWなる、変性ポリ
エステル樹脂の溶液(I−3)を得た。
【0133】しかるのち、この変性ポリエステル樹脂溶
液(I−3)を用いるように変更した以外は、実施例1
と同様にして、白色塗装鋼板を得た。
【0134】実施例4 アジピン酸の117部、イソフタル酸の332部、テレ
フタル酸の333部、エチレングリコールの144部、
ネオペンチルグリコールの241部およびジブチル錫オ
キサイドの0.5部を使用するように変更した以外は、
実施例1と同様にして、不揮発分が50%で、酸価が2
1で、水酸基価が1で、数平均分子量が約5,000
で、かつ、粘度がUなる、ポリエステル樹脂の溶液(a
−3)を得た。
【0135】また、メタクリル酸メチルの630部、
「プラクセル FM−5」の370部、メルカプト酢酸
の9.2部および2,2’−アゾビス−(2−メチルブ
チロニトリル)の10部を使用するように変更した以外
は、実施例1と同様にして、不揮発分が50%で、酸価
が5.7で、水酸基価が30で、数平均分子量が約9,
800で、かつ、粘度がWなる、ビニル共重合体の溶液
(b−4)を得た。
【0136】ポリエステル樹脂溶液(a−3)の1,2
00部と、ビニル共重合体溶液(b−4)の800部
と、さらに、ネオペンチルグリコールジグリシジルエー
テルの24部、グリセリンジグリシジルエーテルの24
部および2−メチルイミダゾールの0.5部とを使用す
るように変更した以外は、実施例1と同様にして、不揮
発分が40%で、酸価が1.1で、水酸基価が27で、
かつ、粘度がTなる、変性ポリエステル樹脂の溶液(I
−4)を得た。
【0137】この変性ポリエステル樹脂溶液(I−4)
を用いるように変更した以外は、実施例1と同様にし
て、白色塗装鋼板を得た。
【0138】実施例5 イソフタル酸の198部、テレフタル酸の198部、ネ
オペンチルグリコールの151部、1,6−ヘキサンジ
オールの171部およびジブチル錫オキサイドの0.5
部を用いて、実施例1と同様の反応容器に精溜管をセッ
トし、縮合水を系外に除去ながら、230℃にまで、6
時間を要して昇温し、
【0139】反応系が透明になってから、デカンターを
セットし、アジピン酸の348部、エチレングリコール
の90部およびキシレンの30部を仕込んで、キシレン
を還流させながら、230℃で、6時間のあいだ反応を
行なった。
【0140】そして、「ソルベッソ 100」/シクロ
ヘキサノン=70/30(重量部比)なる混合溶剤によ
って、不揮発分が50%となるように希釈して、酸価が
50で、水酸基価が2で、数平均分子量が約2,200
で、かつ、粘度がHなる、ポリエステル樹脂の溶液(a
−4)を得た。
【0141】また、メタクリル酸メチルの520部、ア
クリル酸エチルの270部、「プラクセル FA−1」
(同上社製の、ラクトン変性水酸基含有アクリル酸エス
テルモノマー)の150部、アクリル酸2−ヒドロキシ
エチルの60部、メルカプト酢酸の9.2部および2,
2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)の10
部を使用するように変更した以外は、実施例1と同様に
して、不揮発分が50%で、酸価が5.5で、水酸基価
が65で、数平均分子量が約10,000で、かつ、粘
度がZ5 なる、ビニル共重合体の溶液(b−5)を得
た。
【0142】次いで、ポリエステル樹脂溶液(a−4)
の1,000部と、ビニル共重合体溶液(b−5)の
1,000部と、さらに、ネオペンチルグリコールジグ
リシジルエーテルの83部および2−メチルイミダゾー
ルの0.5部とを使用するように変更した以外は、実施
例1と同様にして、不揮発分が50%で、酸価が1.6
で、水酸基価が55で、かつ、粘度がZなる、変性ポリ
エステル樹脂の溶液(I−5)を得た。
【0143】この変性ポリエステル樹脂溶液(I−5)
を用いるように変更した以外は、実施例1と同様にし
て、白色塗装鋼板を得た。
【0144】実施例6 メタクリル酸メチルの435部、アクリル酸エチルの4
90部、アクリル酸2−ヒドロキシエチルの75部、メ
ルカプト酢酸の10部および2,2’−アゾビス−(2
−メチルブチロニトリル)の10部を使用するように変
更した以外は、実施例1と同様にして、不揮発分が50
%で、酸価が5.9で、水酸基価が36で、数平均分子
量が約9,200で、かつ、粘度がZ5 なる、ビニル共
重合体の溶液(b−6)を得た。
【0145】実施例2で得られたポリエステル樹脂溶液
(a−2)の400部と、ビニル共重合体溶液(b−
6)の1,600部と、さらに、ネオペンチルグリコー
ルジグリシジルエーテルの28部、「エピクロン 85
0」[大日本インキ化学工業(株)製のビスフェノール
A型エポキシ樹脂]の56部および2−メチルイミダゾ
ールの0.5部とを使用するように変更した以外は、実
施例1と同様にして、不揮発分が40%で、酸価が1.
3で、水酸基価が30で、かつ、粘度がX−Yなる、変
性ポリエステル樹脂溶液(I−6)を得た。
【0146】この変性ポリエステル樹脂溶液(I−6)
を用いるように変更した以外は、実施例1と同様にし
て、白色塗装鋼板を得た。
【0147】実施例7 メタクリル酸メチルの800部、「プラクセル FM−
5」の200部および4,4’−アゾビス−(4−シア
ノペンタン酸)の28部からなる、懸濁状の混合液体を
滴下するように変更した以外は、実施例1と同様にし
て、不揮発分が50%で、酸価が5.6で、水酸基価が
16で、数平均分子量が約10,500で、かつ、粘度
がZ5 なる、ビニル共重合体の溶液(b−7)を得た。
【0148】実施例2で得られたポリエステル樹脂溶液
(a−2)の800部と、上記ビニル共重合体溶液(b
−7)の1,200部と、さらに、ネオペンチルグリコ
ールジグリシジルエーテルの21部、グリセリンジグリ
シジルエーテルの15部および2−メチルイミダゾール
の0.5部とを使用するように変更した以外は、実施例
1と同様にして、不揮発分が40%で、酸価が1.0
で、水酸基価が23で、かつ、粘度がXなる、変性ポリ
エステル樹脂の溶液(II−1)を得た。
【0149】この変性ポリエステル樹脂溶液(II−
1)を用いるように変更した以外は、実施例1と同様に
して、白色塗装鋼板を得た。
【0150】比較例1 実施例4で得られたポリエステル樹脂溶液(a−3)の
2,000部と、ネオペンチルグリコールジグリシジル
エーテルの23部、グリセリンジグリシジルエーテルの
22部および2−メチルイミダゾールの0.5部とを仕
込んで、135℃で、13時間のあいだ反応を行なって
から、
【0151】「ソルベッソ 100」/シクロヘキサノ
ン/イソホロン=60/20/20(重量部比)なる組
成の混合溶剤によって、不揮発分を40%に調整するこ
とにより、酸価が0.9で、水酸基価が27で、かつ、
粘度がYなる、対照用の変性ポリエステル樹脂の溶液
(i)を得た。
【0152】此の変性ポリエステル樹脂溶液(i)を用
いるように変更した以外は、実施例1と同様の方法で以
て、対照用の白色塗装鋼板を得た。
【0153】比較例2 実施例1と同様の反応装置に、メチルエチルケトンの9
46部を仕込んで、温度を78℃に保持し、メタクリル
酸メチルの1,000部と、エタノールの56部と、
2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)の
17部およびメルカプトコハク酸の30部とからなる混
合液を、3時間を要して滴下し、
【0154】さらに、同温度で、8時間のあいだ反応を
続行せしめたのち、減圧下に、メチルエチルケトンおよ
びエタノールを除去せしめることによって、酸価が2
1.5で、かつ、数平均分子量が約5,500なる、固
形樹脂(d−1)を得た。
【0155】此の固形樹脂(d−1)は、分子の片末端
に2個のカルボキシル基を有するビニル重合体である。
【0156】次いで、実施例1と同様の反応容器に、テ
レフタル酸の175部、イソフタル酸の175部、エチ
レングリコールの68部、ネオペンチルグリコールの1
13部、1,6−ヘキサンジオールの128部およびジ
ブチル錫オキサイドの0.5部を仕込み、精溜管を使用
して、反応水を除去しつつ、
【0157】6時間を要して、240℃にまで昇温し、
さらに、同温度で、3時間のあいだ反応を継続せしめる
ことによって、系が透明になった時点で、アジピン酸の
154部と、上記固形樹脂(d−1)の300部とを仕
込んで、反応によって生じる縮合水を、系外に除去しつ
つ、180℃にまで2時間を要して昇温し、さらに、同
温度で、10mmHgなる減圧下において、此の反応
を、4時間のあいだ継続せしめた。
【0158】そして、「ソルベッソ 100」/シクロ
ヘキサノン/イソホロン=60/20/20(重量部
比)なる混合溶剤によって、不揮発分を40%に調整す
ることにより、酸価が2.5で、水酸基価が7.5で、
かつ、粘度がY−Zなる、対照用の樹脂の溶液(ii)
を得た。
【0159】此の樹脂溶液(ii)を用いるように変更
した以外は、実施例1と同様の方法で以て、対照用の白
色塗装鋼板を得た。
【0160】比較例3 テレフタル酸の167部、イソフタル酸の167部、エ
チレングリコールの67部、ネオペンチルグリコールの
111部、1,6−ヘキサンジオールの126部、トリ
メチロールプロパンの24部およびジブチル錫オキサイ
ドの0.5部を仕込み、精溜管を使用して、縮合水を除
去しつつ、
【0161】6時間を要して240℃にまで昇温し、さ
らに、同温度で、3時間のあいだ反応を継続せしめるこ
とによって、系が透明になった時点で、アジピン酸の1
47部と、比較例2で得られた固形樹脂(d−1)の3
00部とを仕込んで、反応によって生じる縮合水を、系
外に除去しつつ、180℃にまで、2時間を要して昇温
し、さらに、同温度で、10mmHgなる減圧下におい
て、此の反応を、4時間のあいだ継続せしめた。
【0162】そして、「ソルベッソ 100」/シクロ
ヘキサノン/イソホロン=60/20/20(重量部
比)なる混合溶剤によって、不揮発分を40%に調整す
ることにより、酸価が5で、水酸基価が49で、かつ、
粘度がVなる、対照用の樹脂の溶液(iii)を得た。
【0163】此の樹脂溶液(iii)を用いるように変
更した以外は、実施例1と同様の方法で以て、対照用の
白色塗装鋼板を得た。
【0164】比較例4 実施例1と同様の反応容器に、メチルエチルケトンの9
46部を仕込み、温度を78℃に保持して、メタクリル
酸メチルの700部と、「プラクセルFM−5」の30
0部と、エタノールの56部と、2,2’−アゾビス−
(2−メチルブチロニトリル)の17部およびメルカプ
トコハク酸の30部とからなる混合液を、3時間を要し
て滴下し、
【0165】さらに、同温度で、8時間のあいだ反応を
続行せしめたのち、減圧下に、メチルエチルケトンおよ
びエタノールを除去することによって、酸価が21で、
水酸基価が24で、かつ、数平均分子量が約5,400
なる、対照用の固形樹脂(d−2)を得た。
【0166】此の固形樹脂(d−2)は、それぞれ、分
子の片末端に2個のカルボキシル基と、分子主鎖に複数
個の水酸基とを併有するビニル共重合体である。
【0167】固形樹脂(d−1)の代わりに、上記した
固形樹脂(d−2)を使用するように変更した以外は、
比較例2と同一原料ならびに同一反応法により、エステ
ル化反応を行なった処が、樹脂がゲル化してしまった。
【0168】比較例5 アジピン酸の212部、イソフタル酸の241部、テレ
フタル酸の241部、エチレングリコールの101部、
ネオペンチルグリコールの170部、1,6−ヘキサン
ジオールの192部およびジブチル錫オキサイドの0.
5部を仕込んで、実施例1と同様にして反応を行なった
のち、
【0169】「ソルベッソ 100」/シクロヘキサノ
ン/N−メチルピロリドン=40/30/30(重量部
比)なる混合溶剤によって、不揮発分を50%に調整す
ることにより、酸価が0.9で、水酸基価が60で、か
つ、粘度がJなる、対照用のポリエステル樹脂の溶液
(e−1)を得た。
【0170】次いで、このポリエステル樹脂溶液(e−
1)の1,400部、「マクロモノマー HA−6」
[東亜合成化学工業(株)製の、分子の片末端に水酸基
を2個有するメタクリル酸メチルの重合体]の300
部、イソホロンジイソシアネートの94部およびジブチ
ル錫ジイソシアネートの0.5部を仕込んで、シクロヘ
キサノンによって、不揮発分を50%に調整し、80℃
で、6時間のあいだ反応を行なった。
【0171】そして、エチレングリコールの1部を仕込
んでから、「ソルベッソ100」/シクロヘキサノン/
N−メチルピロリドン=40/30/30(重量部比)
なる混合溶剤によって、不揮発分を50%に調整するこ
とによって、粘度がZ1 なる、ビニル重合体をグラフト
化せしめた形の、対照用の線状ポリウレタン樹脂の溶液
(v)を得た。
【0172】しかるのち、此のビニル系重合体をグラフ
ト化せしめた、線状ウレタン樹脂の溶液(v)を用いる
ように変更した以外は、実施例1と同様の方法で以て、
対照用の白色塗装鋼板を得た。
【0173】比較例6 実施例1と同様の反応装置に、「ソルベッソ 100」
の500部およびシクロヘキサノンの500部を仕込ん
で、温度を80℃に保持し、メタクリル酸メチルの80
0部、「プラクセル FM−5」の200部、チオグリ
セロールの20部および2,2’−アゾビス−(2−メ
チルブチロニトリル)の20部からなる混合液を、3時
間を要して滴下し、さらに、同温度で、8時間のあいだ
反応を継続せしめた。
【0174】そして、キシレンで、不揮発分を50%と
なるように調整せしめることによって、水酸基価が18
で、かつ、粘度がZ4 なる、対照用のビニル共重合体の
溶液(d−3)を得た。
【0175】此のビニル共重合体溶液(d−3)は、そ
れぞれ、分子の片末端にも2個の水酸基を有し、しか
も、分子主鎖にも複数個の水酸基を有するという形のビ
ニル共重合体である。
【0176】次いで、此のビニル共重合体溶液(d−
3)の600部と、比較例5で得られたポリエステル樹
脂溶液(e−1)の1,400部と、さらに、イソホロ
ンジイソシアネートの94部およびジブチル錫ジイソシ
アネートの0.5部とを仕込んで、80℃で、反応を行
なった処が、樹脂はゲル化してしまった。
【0177】応用例1〜7ならびに比較応用例1、2、
3および5 実施例1〜7ならびに比較例1、2、3および5におい
て得られた、それぞれの硬化皮膜について、下記するよ
うな要領で以て、種々の性能の評価試験を行なった。
【0178】《皮膜性能試験の要領》
【0179】すなわち、上記した各実施例ならびに各比
較例において得られた、それぞれの硬化皮膜について、
下記するような、鉛筆硬度試験、Tベンド加工性試験、
耐溶剤性試験ならびに耐沸水性試験を行なった。
【0180】[鉛筆硬度試験]
【0181】JIS K−5400に準拠し、「三菱ユ
ニ」鉛筆[三菱鉛筆(株)製品]および鉛筆硬度試験機
を使用して試験を行なって、塗膜面に傷の付かない、最
も硬い鉛筆の硬さで以て表示した。
【0182】[Tベンド加工性試験]
【0183】塗膜面が外側に向くように、厚さが0.4
mmなる塗装原板を挟んで、万力で以て、しっかりと締
め付けて、180度に折り曲げ、その折曲部を、10倍
ルーペで以て観察することによって、クラック・フリー
となる、最小の塗装原板の枚数を測定した。
【0184】単位はTで表わし、数字の小さい方が、加
工性が良好であることを意味する。
【0185】[耐溶剤性試験]
【0186】キシレンを充分に浸み込ませたガーゼで、
約2kgなる荷重下に、塗膜面を擦り、下塗り層が透け
て見え始めるまでの往復回数で以て表示した。
【0187】[耐沸水性試験]
【0188】それぞれの塗装鋼板を、沸騰水中に、2時
間のあいだ浸漬せしめたのち、2時間のあいだ、室温に
て放置してから、60度鏡面反射率(60度光沢)を測
定して、未試験板の60度光沢に対する光沢保持率
(%)で以て表示した。
【0189】以上の結果を、まとめて、第1表に示す。
【0190】
【表1】
【0191】
【発明の効果】本発明に係る変性ポリエステル樹脂は、
硬さと柔軟性とを基本とする、とりわけ、皮膜の硬度と
加工性とのバランスを、高度なるレベルで以て保持しつ
つ、しかも、とりわけ、耐溶剤性や耐水性などにも優れ
るという、強靱なる皮膜を与えるものである。
【0192】以上のようにして、本発明の方法により得
られる変性ポリエステル樹脂は、特に、塗料や接着剤な
どとして有用なるものであり、就中、当該変性ポリエス
テル樹脂を、必須の成分として含有する塗料は、特に、
プレコート鋼板用の塗料として適したものである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両末端にカルボキシル基を有する線状ポ
    リエステル樹脂(A)と、一分子内に1個のカルボキシ
    ル基と1個のメルカプト基とを併せ有する化合物を使用
    して、ビニルモノマーを重合させて得られる、片末端に
    1個のカルボキシル基を有するビニル系重合体(B−
    1)と、ジエポキシ化合物(C)とを反応せしめること
    を特徴とする、変性ポリエステル樹脂(I)の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 両末端にカルボキシル基を有する線状ポ
    リエステル樹脂(A)と、分子内にカルボキシル基を有
    するラジカル重合開始剤を使用して、ビニルモノマーを
    重合させて得られる、片末端に1個のカルボキシル基を
    有するビニル系重合体(B−2)と、ジエポキシ化合物
    (C)とを反応せしめることを特徴とする、変性ポリエ
    ステル樹脂(II)の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記した、片末端に1個のカルボキシル
    基を有するビニル系重合体(B−1)が水酸基をも有す
    るものである、請求項1に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記した、片末端に1個のカルボキシル
    基を有するビニル系重合体(B−2)が水酸基をも有す
    るものである、請求項2に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記した変性ポリエステル樹脂(I)
    が、10〜80なる範囲内の水酸基価を有するものであ
    る、請求項1に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記した変性ポリエステル樹脂(II)
    が、10〜80なる範囲内の水酸基価を有するものであ
    る、請求項2に記載の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007008999A (ja) * 2005-06-29 2007-01-18 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd ポリエステル樹脂およびその応用
WO2019021944A1 (ja) * 2017-07-24 2019-01-31 株式会社Adeka 高分子化合物、これを含む組成物、これらを含む樹脂組成物、およびその成形体

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