JP2769188B2 - 上塗用塗料組成物 - Google Patents

上塗用塗料組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、特に耐スリキズ性に優れた塗膜を形成でき
る新規な上塗用塗料組成物に関する。
(従来の技術及びその問題点) 従来、自動車外板等に塗装された上塗り塗膜は、走行
中に砂やホコリ等との衝突、又は洗車ブラシ等による摩
擦等によってスリキズがつき易く、自動車塗装等の外観
低下の原因の1つになっており、特に黒、紺、褐色等の
濃彩色塗膜において、スリキズ発生が非常に目立ち易い
という問題があり種々検討がなされてきた。
塗膜の耐スリキズ性を改善する方法としては、 塗膜を例えば鉛筆硬度で4H以上に硬くして、擦過に
対する抵抗性を増し、スリキズがつかないようにする方
法。
擦過の負荷を塗膜のエネルギー弾性変形として受け
止め、負荷がなくなれば、変形が回復することによりス
リキズがつかなくする方法。
塗膜表面の摩擦係数を低くし、塗膜への接触物を滑
らせてスリキズがつかないようにする方法。
などが挙げられる。
しかしながら、上記では物性の良好な4H以上の硬質
有機系塗膜を形成することは困難であり、仮に塗膜を形
成できたとしても該塗膜は可撓性に乏しく、内部応力が
大きくヒビワレが発生し易い等の欠陥を有しており、
では、一般塗膜を軟質にするため、スリキズはつきにく
いが屋外放置によってスス等の汚染物がつきやすいとい
う欠陥があった。またでは塗膜表面の摩擦係数は、塗
膜表面に配向して摩擦係数を低くするような物質の添加
により容易に下げられるが、この方法は、該物質が塗膜
表面から失われた時点でスリキズ防止効果はなくなり、
持続性が極めて短いという問題があった。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、上記の問題点がなく、その他、塗膜の
物理的乃至化学的性能、平滑性、鮮映性等をなんら低下
させることなく耐スリキズ性を改善できる上塗用塗料組
成物を開発すべく鋭意研究を行なった結果、特定のアク
リル樹脂と無黄変型ポリイソシアネート化合物とを必須
成分とする上塗用塗料組成物が、上記目的を達成できる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、 (A)一般式(I) (式中、R1,R2,R3およびR4はHもしくはCH3、R5はH,CH3
もしくはCH2CH3を示し、kは0〜2の整数、lは0〜3
の整数、mは0〜3の整数およびnは1〜5の整数であ
って、かつlとmの和が3以下である。) で表わされる構造単位を5〜60重量%含有し、かつ水酸
基価が100〜250mgKOH/gであるアクリル系共重合体 および (B)ブロックされているか、又はブロックされていな
いイソシアネート基を有する無黄変型ポリイソシアネー
ト化合物 を必須成分としてなり、(A)成分中の水酸基と(B)
成分中のイソシアネート基との比率が、[イソシアネー
ト基]/[水酸基]のモル比で、0.5〜2であることを
特徴とする上塗用塗料組成物に関する。
本発明組成物から得られる塗膜は、擦過の負荷を塗膜
のエネルギー弾性変形として受け止め、スリキズがつか
ないものであって、前記の方法に属するが、屋外放置
によってもスス等の汚染物がつきにくい塗膜とできる。
本発明組成物における(A)成分は、前記一般式
(I)で表わされる構造単位を5〜60重量%含有し、水
酸基価が100〜250mgKOH/gであるアクリル系共重合体で
ある。
上記の構造単位を導入するためには(メタ)アクリル
酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキ
シプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチルの如
き水酸基含有アクリル系モノマーにε−カプロラクト
ン、β−メチル−δ−バレロラクトン、γ−バレロラク
トン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン、γ−
カプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラ
クトンなどのラクトン類を1〜5モル付加したラクトン
変性アクリルモノマーを共重合せしめればよい。かかる
モノマーの一部は市販されている。
例えば、ダイセル化学工業(株)の製品としてプラク
セルFA−1(アクリル酸2−ヒドロキシエチル1モルに
ε−カプロラクトン1モルを付加したモノマー)、プラ
クセルFA−4(アクリル酸2−ヒドロキシエチル1モル
にε−カプロラクトンを4モル付加したモノマー)、プ
ラクセルFM−1、プラクセルFM−3、プラクセルFM−5
(メタアクリル酸2−ヒドロキシエチル1モルにε−カ
プロラクトンをそれぞれ1モル、3モル、5モル付加し
たモノマー)、ユニオンカーバイド社(米)の商品とし
てTONE M−100(アクリル酸2−ヒドロキシエチル1
モルにε−カプロラクトン2モルを付加したモノマー)
などがある。前記の構造単位を導入する別の方法とし
て、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルや、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシプロピルの共重合体に前記の
ラクトン類を反応させる方法がある。
(A)成分を製造するために用いるモノマー類として
は、前記のラクトン変性モノマーの他に、水酸基含有不
飽和モノマーやその他の不飽和単量体である公知のモノ
マーが使用できる。すなわち、水酸基含有不飽和モノマ
ーの例としては2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレートなどのアクリル酸また
はメタクリル酸のC2〜C8ヒドロキシアルキルエステル、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ポリブチレングリコールなどのポリエーテルポリオール
と(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸とのモノ
エステル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、ポリブチレングリコールなどのポリエーテル
ポリオールと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
トなどの水酸基含有不飽和モノマーとのモノエーテル、
α,β−不飽和カルボン酸と、カージュラE10(シェル
石油化学(株)商品)やα−オレフィンエポキシドのよ
うなモノエポキシ化合物との付加物、グリシジル(メ
タ)アクリレートと酢酸、プロピオン酸、p−t−ブチ
ル安息香酸、脂肪酸類のような一塩基酸との付加物、無
水マレイン酸や無水イタコン酸のごとき酸無水基含有不
飽和化合物と、エチレングリコール、1,6−ヘキサンジ
オール、ネオペンチルグリコールなどのグリコール類と
のモノエステル化物またはジエステル化物、ヒドロキシ
エチルビニルエーテルのごときヒドロキシアルキルビニ
ルエーテル類、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレートのような塩素を含んだ水酸基含有
単量体などが挙げられる。
その他の不飽和単量体の代表例を示せば、例えば、メ
チル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メ
タ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、
t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル
(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のC1〜C
18アルキルまたはシクロアルキルエステル、スチレン、
スチレン誘導体、アクリロニトリル、アクリルアミド、
ビニルトルエン、酢酸ビニル、グリシジルメタクリレー
ト、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
上記および前記のモノマー類を共重合することによっ
て(A)成分のアクリル系共重合体が得られるが、
(A)成分のアクリル系共重合体の製造方法としては従
来公知のアクリル樹脂の製造方法を用いることができ
る。すなわち溶液重合、非水ディスパージョン重合、塊
状重合などの重合方法をとりうるが、重合の容易さ、分
子量調節の面、塗料化するときの使い易さの面から溶液
重合法が適している。
(A)アクリル系共重合体は一般式(I)で表わされ
る構造単位を5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%含
有する必要がある。一般式(I)で表わされる構造単位
が5重量%未満では、擦過の負荷をエネルギー弾性変形
として受け止められる塗膜にならず擦過の負荷によりス
リキズがつきやすくなり、一方60重量%を超えると、ス
リキズはつきにくいが汚染物に汚染されやすくなる。
また(A)成分のアクリル系共重合体の水酸基価は10
0〜250mgKOH/g、好ましくは120〜200mgKOH/gの範囲にあ
ることが必要である。水酸基価が100mgKOH/gより小さく
なると(B)成分であるポリイソシアネート化合物との
架橋反応点が不足し、耐スリキズ性が不十分となり、一
方、250mgKOH/gより大きくなると、水酸基が過剰となり
塗膜の耐湿性、耐水性に悪影響を及ぼすため好ましくな
い。
また(A)成分のアクリル系共重合体は、炭素数6〜
18の一価アルコールのアクリル酸エステル及び/又はメ
タクリル酸エステルを共重合体成分中10〜70重量%含有
することが、仕上り外観の点から好ましい。また(A)
成分のアクリル系共重合体が溶液重合法によって得られ
た場合、アクリル系共重合体の重量平均分子量は好まし
くは6000〜40000、より好ましくは9000〜30000の範囲で
あることが望ましい。重量平均分子量が6000よりも小さ
くなると、塗膜の耐久性が低下する傾向があり、一方40
000よりも大きくなると、塗装作業性が低下し、仕上り
外観、特に鮮映性が低下する傾向がある。
又、(A)成分であるアクリル系共重合体のガラス転
移温度は塗膜の層間付着性、塗膜硬度および汚染性の点
から、好ましくは−20〜80℃、より好ましくは−10〜40
℃の範囲であることが望ましい。
本発明において、(B)成分のポリイソシアネート化
合物は架橋剤として働くものであり、屋外耐候性の点か
ら無黄変型であることが必要であって塗料分野で従来公
知の無黄変型ポリイソシアネート化合物が使用でき、例
えばヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキ
サメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート、リジンジイソシアネート等の無黄変形ポリイソ
シアネート化合物及びこれらのポリイソシアネート化合
物の過剰量に、水、エチレングリコール、プロピレング
リコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオー
ル、ヒマシ油等の低分子活性水素含有化合物を反応させ
て得られる末端イソシアネート含有化合物、これらポリ
イソシアネート化合物の重合体、ビュレット体及びこれ
らのブロック化されていないポリイソシアネート化合物
をイソシアネートブロック化剤でブロック化したポリイ
ソシアネート化合物が挙げられる。
イソシアネートブロック化剤としては、フェノール、
m−クレゾール、キシレノール、チオフェノール等のフ
ェノール類、メタノール、エタノール、ブタノール、2
−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレン
グリコールモノメチルエーテル等のアルコール類、カプ
ロラクタム、アセト酢酸エチル、マロン酸ジエチル等の
活性水素含有化合物等を挙げることができる。
本発明組成物は、(A)成分と(B)成分とを必須成
分とするものであり、(A)成分と(B)成分の配合量
は、(A)成分中の水酸基と(B)成分中のイソシアネ
ート基との比率が、[イソシアネート基]/[水酸基]
のモル比で0.5〜2、好ましくは0.75〜1.5であることが
必要である。このモル比が0.5未満であると、架橋剤量
が不足し、架橋が不十分となるため、得られる塗膜の物
性、耐薬品性が劣り、一方、2を超えると、初期乾燥性
が劣り、作業性が低下したり、硬化後において未反応の
ポリイソシアネート成分が多くなるため塗膜硬度が低下
するため好ましくない。
本発明組成物は、上塗塗料として用いられるが、クリ
ヤ塗料であってもよく、顔料を含む着色塗料であっても
よい。すなわち本発明組成物は、(A)成分および
(B)成分以外に必要に応じて、有機溶剤:アルミニウ
ム粉やマイカ粉などのメタリック顔料、着色顔料などの
顔料類;塗面調整剤、流動性調整剤、紫外線吸収剤、光
安定剤、硬化触媒等の塗料添加剤等を配合してもよい。
上記有機溶剤としては、(A)および(B)成分を溶
解もしくは分散し得るものがよく、具体的には、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、キシレン、トルエン等の炭化
水素系、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸エ
チレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル等のエステル類、ヘキシ
ルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、
エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリ
コールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブ
チルエーテル等のエーテル系、メチルアルコール、エタ
ノール、イソプロパノール、ブタノール、アミルアルコ
ール、2−エチルヘキシルアルコール、シクロヘキサノ
ール等のアルコール系、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケ
トン系、コスモ石油社製の商品名スワゾール310、スワ
ゾール1000、スワゾール1500等の芳香族石油溶剤系等が
好適に使用できる。但し(B)成分のポリイソシアネー
ト化合物がブロックされていないイソシアネート基を有
する場合には、上記溶剤のうち水酸基含有溶剤は好まし
くない。
本発明組成物は、金属素材、プラスチック素材、木材
などの素材に直接塗装してもよいが、これらの素材上に
プライマー塗装、電着塗装等を施したもの、及びこれら
の上に更に中塗塗装を施したもの、中塗塗膜を介して、
又は介さずに上塗ベースコートを施したものも被塗面と
して使用され得る。
上記金属素材としては、具体適には鉄、銅、アルミニ
ウム、亜鉛もしくはこれらの合金、及びこれらの表面処
理板(リン酸鉄処理、リン酸亜鉛処理、クロメート処理
等)等が例示できる。また、上記プラスチック素材とし
ては、具体的にはポリウレタン、ポリプロピレン、ポリ
カーボネート等を例示できる。
また、本発明組成物がその上に塗装される、上記プラ
イマー塗装、中塗塗装や上塗ベースコートに用いられる
塗料としては、既知のプラスチック用ないしは金属用塗
料が使用でき、具体的には、ニトロセルロース変性アク
リルラッカー、CAB(セルロース、アセテート、ブチレ
ート)変性アクリルラッカー、アクリルウレタン、ポリ
エステルウレタン等の塗料と、アミノ−アクリル系樹
脂、アミノ−アルキド系樹脂、アミノ−ポリエステル系
樹脂等をビヒクル主成分とする塗料等が例示できる。
これら塗料の形態は、特に制限されず、有機溶液型、
非水分散液型、水溶(分散)液型、粉体型、ハイソリッ
ド型等任意の形態のものが使用できる。
本発明組成物は、素材上又は素材上に形成した塗膜上
に塗装でき、常温硬化又は焼付硬化によって耐スリキズ
性の優れた塗膜を形成できるが、本発明塗料組成物がク
リヤ塗料の場合には通常、着色顔料および/又はメタリ
ック顔料を含有する、上塗ベースコート塗膜上に塗装・
硬化される。
この場合、上塗ベースコート塗膜が未硬化ないしは半
硬化の状態で、この上に本発明塗料組成物を塗装し、つ
いでベースコート塗膜と本発明塗料組成物を同時に焼付
ける、いわゆる2コート・1ベーク方式であってもよい
し、硬化したベースコート塗膜上に本発明組成物を塗装
し、ついで常温硬化又は焼付硬化してもよい。
(作用および発明の効果) 本発明組成物において(A)成分は、側鎖に末端水酸
基を有する開環ラクトン鎖を有しており、この末端水酸
基は立体障害などを受けにくく反応性が高いこと、開環
ラクトン鎖自体が弾力性に富むものであること、また
(B)成分は弾力性のある架橋を行なうことから(A)
成分と(B)成分との硬化反応生成物は有効な三次元ネ
ットワークを形成しており、架橋間分子量が小さく、回
復性にすぐれた弾性的塗膜を形成する。その結果、擦過
の負荷に対しては塗膜は弾性体として対応し、破壊に至
らず、弾性変形として吸収し、負荷がなくなれば変形は
回復し、スリキズがつきにくくなる。また、理由は明ら
かではなく、本発明者は、ラクトン鎖に由来するものと
考えているが、屋外放置によってもスス等の汚染物がつ
きにくい塗膜を形成でき、また屋外耐候性に優れた塗膜
を形成できる。従って、耐汚染性、耐候性、特に耐スリ
キズ性が要求される基材、例えば自動車外板、家具類、
建築外装材等の塗装に、中でも自動車外板の塗装に適用
するのが特に好適である。また、自動車補修の分野にも
好適に使用できる。
特に本発明の組成物を、スリキズが目立ち易い濃彩色
仕上げに適用すると、その技術的効果を十分に発揮する
ことができる。
(実施例) 以下に実施例及び比較例を掲げて本発明をより一層明
らかにする。尚、特に断わらない限り「部」及び「%」
は、それぞれ「重量部」、「重量%」を意味する。
水酸基含有共重合体の製造 製造例1 反応器に温度計、サーモスタット、かくはん機、還流
冷却器、滴下用ポンプを備えつけ、それに酢酸n−ブチ
ル59.5部を仕込み、かくはんしながら110℃まで昇温
し、保持し、後記第1表に示す単量体100部と重合開始
剤6部との混合物を滴下用ポンプを利用して3時間かけ
て一定速度で滴下した。滴下終了後30分間110℃に保
ち、かくはんを続けた。その後、追加触媒t−ブチルパ
ーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.5部を酢酸n−
ブチル10部に溶解させたものを30分間かけて一定速度で
滴下した。そして、滴下終了後120分間110℃に保持し、
反応を終了した。得られた水酸基含有共重合体溶液は、
不揮発分54.7%、ガードナー粘度Kの均一で透明な溶液
であった。また共重合体の重量平均分子量は10,000、水
酸基価は120であった。
製造例2〜8および比較製造例1〜5 製造例1において、単量体および重合開始剤の混合物
および追加触媒を第1表に示す配合とする以外は同様に
行ない水酸基含有共重合体溶液を得た。得られた共重合
体溶液および共重合体の性状値を第2表に示す。
実施例 製造例および比較製造例で得た共重合体溶液を用い、
第3表に示す配合で黒塗料用主剤を作成し、また、第4
表に示す配合でクリヤー塗料用主剤を作成した。
第3表または第4表に示した黒塗料用主剤またはクリ
ヤー塗料用主剤と硬化剤であるポリイソシアネート化合
物とを第5表に示す配合で混合攪拌し、黒塗料またはク
リヤー塗料を作成した。
次いで、黒塗料またはクリヤー塗料をトルエン/キシ
レン/酢酸エチル/酢酸ブチル=50/20/10/20の組成の
シンナーにて、黒塗料については15〜16秒(フォードカ
ップ#4/25℃)、クリヤー塗料については13〜14秒(フ
ォードカップ#4/25℃)に粘調し、室温(約25℃)にて
冷延鋼板上に市販ラッカープライマー層、さらにこの上
にラッカープライマーサーフェーザー層を設けた工程板
上にスプレー塗装を行なった後、塗板を20℃、湿度75%
RHの恒温恒湿室中に20分間放置し、ついで60℃で30分間
乾燥させ、さらに上記恒温恒湿室中で7日間静置させた
ものを試験板とし、試験に供した。
試験結果を第6表に示す。
なお第6表における試験は下記方法に従って行なっ
た。
(1)鉛筆硬度 試験板を温度20℃、湿度75%RHの恒温恒湿室中にてJI
S K 5400に準じて鉛筆引っかき試験を行なった。
(2)耐スリキズ性 ダルマクレンザー(やま三商店製)と水を3:2で混合
し、研摩剤とする。試験機は、染色堅ろう度摩擦試験機
FR−II(スガ試験機(株)製)を用いた。前述の研摩剤
をネルに付着させ、500gの荷重をかけ試験板の塗面を往
復20回こすりつける。その後、塗面を流水で洗浄し、自
然乾燥後、その塗面の20度鏡面反射率(20゜G値)を測
定する。次式によって、20゜G光沢保持率を計算し、そ
の値から耐スリキズ性を評価した。
(3)耐汚染性 カーボンMA−100を汚染物質とし、これをネルに付着
させ、試験板の塗面に軽くこすりつける。20℃、75%RH
恒温恒湿室に24時間放置した後、流水により洗浄する。
塗膜の汚染度を目視判定により行なった。
(4)促進耐候性 試験板をサンシャインウェザオメータにて1000時間試
験した後の塗面の変化を調べた。
○:塗面にほとんど変化がない ×:塗面に水跡が認められ光沢低下が大きい (5)耐ワレ性 「70℃で1時間放置→20℃の水道水中に1時間浸漬→
−20℃で1時間放置」を1サイクルとして、試験板に20
サイクル連続して試験を行なった後の塗面状態を調べ
た。
○:異常なし ×:全面にワレ発生 (6)耐ガソリン性 試験板を水平に固定し、4つ折りにしたガーゼ(50×
50mm)にレギュラータイプのガソリンを約5ccしみこま
せ、そのまま3分間放置する。その後、ガーゼを取り除
き、ガソリンを別のガーゼでふきとった後の塗面の状態
を観察する。
○:異常なし ×:塗面の光沢低下および軟化が発生 (7)耐水性 試験板を20℃の水道水に7日間浸漬した後の塗面状態
を調べた。
○:異常なし ×:フクレ、白化発生 (8)光沢(20゜G) 試験板塗面の20゜鏡面反射率を20℃、75%RHの恒温恒
湿室中にて測定した。
(9)仕上り外観 塗膜の平滑性と塗り肌を目視判定した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−118317(JP,A) 特開 昭63−280772(JP,A) 特開 昭64−29470(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 175/04 C08G 18/62

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式(I) (式中、R1,R2,R3およびR4はHもしくはCH3、R5はH,CH3
    もしくはCH2CH3を示し、kは0〜2の整数、lは0〜3
    の整数、mは0〜3の整数およびnは1〜5の整数であ
    って、かつlとmの和が3以下である。) で表わされる構造単位を5〜60重量%含有し、かつ水酸
    基価が100〜250mgKOH/gであるアクリル系共重合体 および (B)ブロックされているか、又はブロックされていな
    いイソシアネート基を有する無黄変型ポリイソシアネー
    ト化合物 を必須成分としてなり、(A)成分中の水酸基と(B)
    成分中のイソシアネート基との比率が、[イソシアネー
    ト基]/[水酸基]のモル比で、0.5〜2であることを
    特徴とする上塗用塗料組成物。
  2. 【請求項2】(A)アクリル共重合体が重量平均分子量
    6000〜40000、ガラス転移温度−20〜80℃を有する共重
    合体である請求項1記載の上塗用塗料組成物。
JP12816189A 1989-05-22 1989-05-22 上塗用塗料組成物 Expired - Lifetime JP2769188B2 (ja)

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