JP3167996B2 - 熱硬化型被覆組成物 - Google Patents

熱硬化型被覆組成物

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JP3167996B2 JP23719888A JP23719888A JP3167996B2 JP 3167996 B2 JP3167996 B2 JP 3167996B2 JP 23719888 A JP23719888 A JP 23719888A JP 23719888 A JP23719888 A JP 23719888A JP 3167996 B2 JP3167996 B2 JP 3167996B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、自動車ボディの塗膜のように高度の美粧性
と優れた塗膜性能例えば、塗膜の耐擦傷性、耐亜硫酸性
および屋外曝露時における優れた光沢特性が要求される
分野で用いられ、また熱変形温度の低いプラスチックへ
の応用の展開も可能な熱硬化型被覆組成物に関するもの
である。さらに詳しく説明すると本発明は、着色剤を配
合したベースコート用塗料を塗装し、次いでクリヤーコ
ート用塗料を重ね塗りした後、加熱硬化させて積層被膜
を得る、いわゆる2コート・1ベーク塗装方式に用いる
クリヤーコート用塗料(被覆組成物)、または通常1コ
ート・1ベーク方式で塗装される、有機顔料または無機
顔料や光輝剤を含むソリッドカラー用塗料(被覆組成
物)に関連するものである。
[従来の技術] 自動車ボディの塗装においては、電着塗装と中塗り塗
装を行なった後に、いわゆるメタリック車の場合には、
着色顔料、メタリック顔料、マイカ等の着色剤を含有し
たベースコート用塗料と上塗りのクリヤーコート用塗料
とをウェットオンウェット方式で重ね塗りし、両塗料を
同時に加熱硬化させる、いわゆる2コート・1ベーク方
式が、また、ソリッドカラー車の場合には、電着と中塗
りを行った後に有機顔料または無機顔料や光輝剤などの
補助的添加剤を含むソリッドカラー用塗料を塗装し、加
熱硬化させる1コート・1ベーク方式が一般に採用され
ている。
近年、自動車産業分野では塗膜の耐久性の問題、特に
スリキズによる塗膜外観の低下が問題となっている。黒
色、紺色、赤色、などの濃色のベースコート用塗料とク
リヤーコート用塗料とを用い2コート・1ベーク方式で
仕上げた塗膜表面または、同様に1コート・1ベーク方
式で仕上げた濃色系のソリッドカラー塗膜表面は、洗車
ブラシ、コンパウンドやワックス等の研磨剤、走行中に
舞い上がる砂粒、異物との接触などによって生ずるスリ
キズが目立ちやすい。特に、自動洗車機の洗車ブラシに
よって発生するスリキズの問題は、国内外を問わずその
解決が強く望まれている。
このような問題の解決策として、これまで、UV硬化系
やシリコン系塗料などを用いてハードコート化すること
により、耐擦傷性を付与することが提案されているが、
補修性および耐候性などのバランスの良い塗膜を形成す
ることは困難であった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、2コート・1ベーク方式による塗膜
を形成するクリヤーコート塗料、または、1コート・1
ベーク方式によるソリッドカラー塗膜において、塗膜を
構成するソリッドカラー塗料中の樹脂成分として特定の
アクリル熱硬化塗膜を形成し得るものを使用することに
より、従来のウレタン系アクリルアミノ系熱硬化塗膜の
有する耐候性、耐水性および耐溶剤性を維持し、かつ耐
擦傷性および耐亜硫酸性に優れた塗膜を形成する被覆組
成物を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記目的は、本発明の被覆組成物、すなわち、2コー
ト・1ベーク塗装方式におけるクリヤーコート用塗料ま
たは、1コート・1ベーク塗装方式における着色顔料を
含むソリッドカラーコート用塗料を構成するバインダー
樹脂成分として特定のアクリル系共重合体(A)とポリ
イソシアネート化合物(B)を含有することを特徴とす
る熱硬化型被覆組成物を提供することにより達成され
る。
より詳しく説明すると、本発明は、 (1)(a)下記一般式(I)で表わされる少なくとも
一種の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル10〜60重
量%、 (式中、R1は水素原子または、メチル基を表わし、R2
下記一般式(II)、(III)または(IV)で表わされる
有機置換基を表わす。) (式中、R3、R4、R5、R6およびR7は水素原子またはメチ
ル基を表わし、lは2〜5の整数を、jは2〜10の整数
を、kは1〜7の整数を、mは1〜3の整数をそれぞれ
表わす。) (b)少なくとも一種のカルボキシル基、スルホン酸基
またはリン酸基を含有するビニル系単量体0.1〜10重量
% (c)一般式(V)で表わされる(メタ)アクリル酸エ
ステル15〜60重量% (式中、R8は水素原子またはメチル基を表わし、R9は炭
素数4以上の炭化水素置換基を表わす。)、および (d)少なくとも一種の共重合可能な他のビニル系単量
体0〜74.9重量% を共重合して得られる、水酸基価が70〜180mgKOH/gで、
酸価が0.5〜30mgKOH/gで、ガラス転移温度が25℃〜70℃
であるアクリル系共重合体(A)と (2)ポリイソシアネート化合物(B)を含有し、かつ
アクリル系共重合体(A)中に存在するOH基の当量
(X)とポリイソシアネート化合物中のNCO基の当量
(Y)の比X/Yが1/0.5〜1/1.5の範囲であることを特徴
とする熱硬化型被覆組成物、 に関するものである。
本発明の被覆組成物で用いるアクリル系共重合体
(A)は前記(a)、(b)、(c)、(d)の各モノ
マーを共重合させて得られるがこれらのうち、(a)の
一般式(I)で表わされる水酸基含有(メタ)アクリル
酸エステルの例としては、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレートまたは2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレートへのε−カプロラクトンまたはγ−ブチロ
ラクトンの付加物、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレートまたは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レートへのエチレンオキシド付加物またはプロピレンオ
キシドの付加物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レートまたは2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ートの2量体または3量体が挙げられる。
具体的には、ダイセル化学(株)製のプラクセルFM
1、プラクセルFM2、プラクセルFA2、プラクセルFM6;日
本油脂(株)製のブレンマーPE−90、ブレンマーPE−35
0、ブレンマーPP1000;日本触媒化学(株)製のアクリル
オリゴマーHE−20、HP−20;ユニオンカーバインド社製
のトーンM−100などが挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル(a)の使用
量は、(a)、(b)、(c)、(d)各モノマーの合
計重量に基づき、10〜60重量%である。10重量%未満で
は塗膜の耐擦傷性向上が不十分であり、60重量%を越え
ると塗膜の耐水性が低下するので好ましくない。より好
ましい範囲は15〜40重量%である。
アクリル系共重合体(A)の製造に用いる第2の成分
であるカルボキシル基、スルホン酸基またはリン酸基含
有ビニル系単量体(b)は、1個以上のカルボキシル
基、スルホン酸基またはリン酸基を含む単量体でありカ
ルボキシル基を含む単量体としては例えば、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール
酸、クロトン酸、イタコン酸モノメチルエステル、イタ
コン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノメチルエス
テル、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノ
オクチルエステルがある。スルホン酸基含有(単量体)
の具体例としては2−スルホエチルンメタクリレート、
2−スルホエチルアクリレート、ビニルベンゼンスルホ
ン酸が挙げられ、リン酸基含有(単量体)としては日本
化薬(株)製のカヤマーPM21、共栄油脂(株)製のライ
トエステルPMなどが挙げられる。これらの、酸性の置換
基を有するビニル系単量体(b)の使用量は、(a)、
(b)、(c)、(d)各モノマーの合計重量に基づき
0.1〜10%である。
前記(1)(c)項に記載される一般式(V)で表わ
される(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、
n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)
アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、sec
−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2
−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、
セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アク
リレートが挙げられる。(1)(c)に記載される(メ
タ)アクリル酸エステルは塗膜の美粧性、耐候性、可ト
ウ性の点から必須成分であり、その使用量が前記各モノ
マーの合計重量に基づき15重量%未満であると美粧性と
耐候性等の塗膜性能のバランスがとれず、逆に60重量%
を越えると、耐溶剤性が低下するので好ましくない。
前記(1)(d)項の共重合可能な他のビニル系モノ
マーの例としてはスチレン、α−メチルスチレン、ビニ
ルトルエンなどのスチレン誘導体;アクリロニトリル、
メタクリロニトリルなどの重合性不飽和ニトリル類;酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル
類;N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブ
トキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのN−アルコ
キシ置換アミド類;グリシジル(メタ)アクリレート、
(メタ)アリルグリシジルエーテル、メタグリシジル
(メタ)アクリル酸エステルなどのエポキシ基含有モノ
マー;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリル酸などの
塩基性モノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピルなどの
(メタ)アクリル酸エステルが挙げられ、これらは各モ
ノマーの合計重量に基づいて0〜74.9重量%の範囲で使
用される。すなわち本発明の特徴である耐擦傷性を損な
わない範囲で生成するアクリル共重合体(A)のガラス
転移温度が25℃〜70℃となるように用いられる。
上記アクリル系共重合体(A)の製造に際して用いら
れる単量体(a)、(b)、(c)および(d)の種類
および量は、得られるアクリル系共重合体(A)の水酸
基価が70−180mgKOH/g、酸価が0.5〜30mgKOH/gガラス転
移温度Tgが25℃〜70℃となるように選ぶべきである。ア
クリル系共重合体のガラス転移温度は公知のホモポリマ
ーのTgより下記式で計算できる。
水酸基価が70mgKOH/g未満であると、硬化塗膜の架橋
密度が低く耐溶剤性および耐水性が低下する。また180m
gKOH/gを越えると樹脂溶液の粘度が高くなり、塗膜の美
粧性が低下すると共に塗膜が脆くなり、可撓性が低下す
るので好ましくない。酸化が0.5mgKOH/g未満であると、
ポリイソシアネート化合物との架橋反応の反応速度が遅
く、耐水性、耐溶剤性が低下し、また300mgKOH/gを越え
ると塗料の可使時間が短かくなり好ましくない。
前記各モノマーを重合させてアクリル系共重合体
(A)を得る方法としては、溶液重合法、塊状重合法、
乳化重合法などの公知の何れの方法も採用できるが、特
に溶液重合法が望ましい。溶液重合法による場合、有機
溶剤および重合開始剤の存在下に前記モノマーの混合物
を共重合させる。使用する有機溶剤はイソプロピルアル
コール、n−ブタノール、トルエン、キシレン、ソルベ
ッソ#100(エッソ社製の芳香族石油誘導体)などの通
常用いられる有機溶剤でよく、重合開始剤もアゾビスイ
ソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロペ
ルオキシドなどの通常用いられる重合開始剤でよい。
また必要に応じて2−メルカプトエタノール、n−オ
クチルメルカプタンなどの連鎖移動剤を使用することが
できる。
本発明における前記クリヤーコート用塗料およびソリ
ッドカラー用塗料は主たる用途である自動車用塗料にお
ける前記品質性能を満足させるため、ポリイソシアネー
ト化合物(B)を硬化剤として含有する。ポリイソシア
ネート化合物を構成するイソシアネートプレポリマーは
1分子中に遊離またはブロックされたイソシアネート基
を2個以上含有する化合物であり、具体的には、テトラ
メチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、トリメチルヘキサンジイソシアネートなどの脂
肪族ジイソシアネート類;イソホロンジイソシアネー
ト、4.4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネ
ート)などの脂環族ジイソシアネート類;キシリレンジ
イソシアネート、トリレンジイソシアネートなどの芳香
族系ジイソシアネート類;ポリイソシアネートへのエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチル
グリコール、トリメチロールプロパンなどの多価アルコ
ール付加物;イソシアネート基と反応する官能基を有す
る低分子量のポリエステル樹脂または水とポリイソシア
ネートとの付加物;ビューレット体;ジイソシアネート
同志の重合体;低級1価アルコールやメチルエチルケト
ンオキシムなどの公知のブロック剤でポリイソシネート
中のイソシアネート基をブロックしたものなどが挙げら
れる。ポリイソシアネート化合物の使用量が、アクリル
共重合体(A)のOH基当量Xとポリイソシアネート化合
物(B)のNCO基当量Yの当量比X/Yで表わして1/1.5未
満であると塗膜が脆くなり、耐候性が低下する。逆にX/
Yが1/0.5を越えると、塗膜の架橋密度が低く、耐溶剤
性、耐水性が低下するので好ましくない。ポリイソシア
ネート化合物(B)のより好ましい使用量は、上記X/Y
が1/0.8〜1/1.2の範囲である。また、必要に応じて、錫
系の硬化促進触媒例えばジブチル錫ジラウレートを使用
することもできる。本発明の被覆組成物(クリヤーコー
ト用塗料)には、所望によりアルキルエーテル化メラミ
ン樹脂(C)、をアクリル系共重合体(A)とポリイソ
シアネート化合物(B)の総量を100重量部としたと
き、0〜30重量部の範囲で加えてもよい。アルキルエー
テル化メラミン樹脂の具体例としては、アミノトリアジ
ンをメチロール化し、シクロヘキサノールまたは炭素数
1〜6のアルカノールでアルキルエーテル化して得られ
るものが挙げられ、より具体的にはブチルエーテル化メ
ラミン樹脂、メチルエーテル化メラミン樹脂、メチルブ
チル混合メラミン樹脂が挙げられる。また、ブチルエー
テル化メラミン樹脂の具体例としては、ユーバン20SE
(三井東圧化学(株)製)、スーパーベツカミンG−82
1(大日本インキ化学(株)製)が、メチルエーテル化
メラミン樹脂の具体例としてはサイメル303が、メチル
ブチル混合メラミンについては、サイメル235、サイメ
ル238(いずれも三井サイアナミド(株)製)が挙げら
れる。なお、上記メラミン樹脂の硬化を促進させるた
め、スルホン酸系触媒である、ネイキュア155、ネイキ
ュア3525、ネイキュア5225(楠本化成(株)製)、キャ
タリスト6000(三井東圧化学(株)製)を使用すること
ができる。また塗料の調製、つまり本発明の被覆組成物
を使用する際には、必要に応じて、ポリカプロラクトン
ポリオールであるダイセル化学(株)製のプラクセル20
8およびプラクセル220、またはユニオンカーバイド社の
トーンD−190、トーンD−225などの反応性希釈剤を配
合することができる。
(1)(a)〜(1)(d)成分からなるアクリル系
共重合体(A)およびポリイソシアネート化合物(B)
を含有してなる被覆組成物は、その使用に際して、2コ
ート・1ベーク系クリヤー塗料として用いる場合なら、
適当な表面調整剤、垂れ防止剤を添加剤として加えた
後、希釈用有機溶剤で適当な粘度となるよう希釈調整し
て、塗装に用いられる。また、ソリッドカラー用塗料に
用いる場合には、酸化チタン、タルク、ベンガラなどの
無機系顔料または、カーボンブラック、キナクリドン、
シアニンブルーなどの有機系顔料を分散させて着色し、
顔料沈降防止剤などの添加剤を加えた後、同様に希釈
し、1コート・1ベークで塗装焼付される。その他の配
合物として、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを加えるこ
とができる。また、上記希釈用有機溶剤の具体例として
は、キシレン、ソルベッソ#100、ソルベッソ#150、
(エッソ社製芳香族石油誘導体)、ケトン系の2−ヘプ
タノン(イーストマン社製)が挙げられる。本発明の熱
硬化型被覆組成物が2コート・1ベーク塗膜のクリヤー
層として用いられる場合には、そのクリヤー塗料ととも
に使用する。
ベース塗料は公知の熱硬化型塗料系を用いることがで
き、そのベース塗料のビヒクルとなる樹脂系としては、
熱硬化型アクリルメラミン樹脂系や熱硬化型アクリルウ
レタン樹脂系が挙げられる。
例えば、アクリルウレタン樹脂系のベースコート用塗
料の場合には、ポリイソシアネート化合物と反応しうる
官能基を有するフィルム形成性アクリル樹脂、揮発性の
有機液体希釈剤および有機液体希釈剤に溶解している硬
化剤であるポリイソシアネート化合物からなる組成物
に、アルミニウムペースト、マイカ、パールなどの光輝
剤;酸化チタン、カーボンブラック、キナクリドンなど
の着色顔料、エポキシ樹脂、繊維素系樹脂などのアクリ
ル系以外の樹脂などを必要に応じて選択し、一般的な配
合方法で加えて構成される。
実施例 以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお
実施例中の「部」は重量部を意味する。
ベースコート塗料に含まれるアクリル系共重合体の製造
例(参考例): 撹拌機、温度制御装置およびコンデンサーを備えた反
応容器に、トルエン50部とメチルイソブチルケトン10部
を仕込んだ。反応容器の内容物を撹拌しながら加熱して
内温を100℃に上昇させた。次いで、スチレン5部、メ
タクリル酸2部、メチルメタクリレート35部、エチルア
クリレート46部、2−ヒドロキシエチルアクリレート12
部、過酸化ベンゾィル1.5部からなる溶液101.5部を4時
間で滴下した後に、過酸化ベンゾィル0.6部とトルエン2
0部とからなる溶液を30分間で滴下した。反応溶液を100
℃でさらに2時間攪拌加熱して樹脂への転化率を上昇さ
せた後、トルエン20部を添加して反応を終了させた。得
られたアクリル系共重合体溶液(不揮発分50%)をアク
リル樹脂ワニス(D)と称する。このアクリル系共重合
体の重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィーにより測定したところ、50,000であった。
ベースコート用塗料の製造例(参考例): 第1表に示した量の各材料を、ステンレス容器に入
れ、十分撹拌した後、希釈用混合溶剤で粘度を調整し
て、ベースコート用塗料B−1、B−2を製造した。な
お表中の粘度以外の数値はすべて重量部を表わす。
クリヤーコートまたはソリッドカラー用塗料に含まれる
アクリル系共重合体(A)の製造例(実施例5、比較例
5はソリッドカラーコート用塗料、その他はクリヤーコ
ート用塗料): 第2表に示したモノマー組成を有する6種類の各混合
物について、次の手順で重合反応を行なった。P−1に
ついての製造法を例にとると撹拌機、温度制御装置、コ
ンデンサーおよびモノマー滴下装置を備えた反応容器
に、まずソルベッソ#100(エッソ社製)を53.3部仕込
み、撹拌しながら加熱して温度を140℃に上昇させた。
次いで第2表に記載の各モノマー混合物100部にアゾビ
スイソブチロニトリル1部、t−ブチルペルオキシイソ
プロピルカーボネート2部を添加したものを滴下装置に
より連続的に滴下し、滴下終了後140℃に反応物を加熱
保持し、次いでアゾビスイソブチロニトリル0.5部を少
量ずつ連続的に添加した。140℃で更に1時間加熱撹拌
し樹脂への転化率を上昇させた後、n−酢酸ブチル13.3
部を添加して反応を終了させた。以下、P−2〜P−6
についてもP−1に準じて重合反応を行なった。
得られた各アクリル系共重合体の水酸基価、酸価およ
び該共重合体溶液の粘度と不揮発分は第2表に示す通り
であった。また、アクリル系共重合体溶液P−2、P−
6については第3表に記載のように白系塗料としても使
用した。
塗膜の形成およびその評価: ボンデライト#144ダル銅板(日本テストパネル
(株)製)に、自動車用カチオン系電着塗料を塗装し、
180℃で30分間焼付けた。次いで、アミノアルキッド系
中塗り塗料を塗装し、160℃で30分焼付けた後、塗膜を
サンディングルし乾燥した。
実施例1〜4、比較例1〜4の2コート・1ベーク、
メタリック系の場合、この塗膜上に第1表に記載のベー
スコート用塗料(B−1、B−2)と第3表に記載のク
リヤーコート用塗料とを、第3表に示した組合わせでウ
ェットオンウェット方式により重ね塗りした。この重ね
塗りは次のようにして行なった。中塗り塗膜上にまずベ
ースコート用塗料を乾燥膜厚が15〜30μmとなるように
塗装し、5分間放置した後、クリヤーコート用塗料を乾
燥膜厚で30μmとなるよう塗装した。未乾燥の重ね塗り
塗膜を室温で10分間放置後、表中記載の焼付温度で25分
硬化させて塗膜を形成した。
なお実施例5、比較例5の白系ソリッドカラーコート
用塗料の場合、中塗り工程までを終えた後、白塗料を1
コート塗装し、未乾燥塗膜を室温で10分間放置後、表中
記載の焼付温度で25分間焼付けて塗膜を形成した。
第4表に示した結果より明らかなように、実施例によ
り得られる塗膜は、塗膜の光沢、耐擦傷性、硬度、耐ガ
ソリン性、耐温水性、耐候性などにおいて優れた性能を
示す。また、比較例の場合は、塗膜の耐擦傷性、耐溶剤
性、耐候性などが実施例に比較し低位となる。
[発明の効果] 本発明の熱硬化型被覆組成物は、塗膜として優れた耐
擦傷性、光沢、耐ガソリン性、耐温水性、耐候性などの
性能を有する塗膜を形成するので、特に自動車のボディ
ー用塗料として極めて有用である。
付記 アクリル系共重合体(A)とポリイソシアネート化合
物(B)の総量を100重量部としたとき、アルキルエー
テル化メラミン樹脂(C)を30重量部以下の範囲で含有
させた熱硬化型被覆組成物。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−234473(JP,A) 特開 平1−223169(JP,A) 特開 平2−47175(JP,A) 特開 平1−158079(JP,A) 特開 昭61−93870(JP,A) 特開 昭63−75070(JP,A) 特開 昭62−215662(JP,A) 特開 昭60−18553(JP,A) 特開 昭63−118317(JP,A) 特開 平1−310773(JP,A) 特開 昭63−280772(JP,A) 特開 昭57−81868(JP,A) 特開 昭60−67516(JP,A) 特開 昭63−314277(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 175/00 - 175/16 C08G 18/00 - 18/87 B05D 1/36 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)(a)下記一般式(I)で表される
    少なくとも一種の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステ
    ル 10〜60重量%、 (式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は下記
    一般式(II)、(III)または(IV)で表される有機置
    換基を表す。) (式中、R3、R4、R5、R6およびR7は水素原子またはメチ
    ル基を表し、lは2〜5の整数、jは2〜10の整数、k
    は1〜7の整数、mは1〜3の整数をそれぞれ表す。) (b)少なくとも一種のカルボキシル基、スルホン酸基
    またはリン酸基を含有するビニル系単量体 0.1〜10重
    量% (c)一般式(V)で表される(メタ)アクリル酸エス
    テル15〜60重量% (式中、R8は水素原子またはメチル基を表し、R9は炭素
    数4以上の炭化水素置換基を表す。)、および (d)少なくとも一種の共重合可能な他のビニル系単量
    体 0〜74.9重量% を共重合して得られる、水酸基価が70〜180mgKOH/gで、
    酸価が0.5〜30mgKOH/gで、ガラス転移温度が25℃〜70℃
    であるアクリル系共重合体(A)と、 (2)ポリイソシアネート化合物(B)を含有し、かつ
    アクリル系共重合体(A)中に存在するOH基の当量
    (X)とポリイソシアネート化合物(B)中のNCO基の
    当量(Y)の比X/Yが1/0.5〜1/1.5の範囲であることを
    特徴とする熱硬化型被覆組成物。
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