JPH07304807A - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents
塩化ビニル系重合体の製造方法Info
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- JPH07304807A JPH07304807A JP12300094A JP12300094A JPH07304807A JP H07304807 A JPH07304807 A JP H07304807A JP 12300094 A JP12300094 A JP 12300094A JP 12300094 A JP12300094 A JP 12300094A JP H07304807 A JPH07304807 A JP H07304807A
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- polymer
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 重合器の内壁等に対するスケール付着を防止
しながら高品質の重合体を生産性よく得ることができる
塩化ビニル系重合体の製造方法を提供する。 【構成】 塩化ビニル単量体または該単量体を主成分と
するラジカル重合性単量体混合物を懸濁重合もしくは乳
化重合するにあたり、重合器の内壁面および付帯設備の
単量体が接触する部位に、下記の化1で示されるアクリ
ルアミドスルホン酸の単独重合体または該アクリルアミ
ドスルホン酸と他の共重合可能な単量体との共重合体お
よび/またはこれらの塩を予め塗布しておく。 【化1】 (R1 〜R4 は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基
またはフェニル基)。
しながら高品質の重合体を生産性よく得ることができる
塩化ビニル系重合体の製造方法を提供する。 【構成】 塩化ビニル単量体または該単量体を主成分と
するラジカル重合性単量体混合物を懸濁重合もしくは乳
化重合するにあたり、重合器の内壁面および付帯設備の
単量体が接触する部位に、下記の化1で示されるアクリ
ルアミドスルホン酸の単独重合体または該アクリルアミ
ドスルホン酸と他の共重合可能な単量体との共重合体お
よび/またはこれらの塩を予め塗布しておく。 【化1】 (R1 〜R4 は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基
またはフェニル基)。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化ビニル系単量体の
重合過程において、重合器の内壁面等に対するスケール
付着を防止することにより高品質の重合体を生産性よく
得ることができる改良された塩化ビニル系重合体の製造
方法に関する。
重合過程において、重合器の内壁面等に対するスケール
付着を防止することにより高品質の重合体を生産性よく
得ることができる改良された塩化ビニル系重合体の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水性媒体中で塩化ビニルを懸濁重合ある
いは乳化重合させる生産工程においては、通常、重合器
の内壁面や攪拌翼等に重合体がスケールとして付着する
現象が発生する。このスケール付着は、重合器の伝熱効
率の低下、剥離スケールの製品重合体への混入など、生
産性ならびに製品の品質を低下させる原因となる。そこ
で、スケールが発生した場合には、重合前にそれを取り
除く清掃作業が行われてきたが、スケール除去作業には
多大の労力と時間を要するため重合器の稼動率を著しく
減退する問題があった。
いは乳化重合させる生産工程においては、通常、重合器
の内壁面や攪拌翼等に重合体がスケールとして付着する
現象が発生する。このスケール付着は、重合器の伝熱効
率の低下、剥離スケールの製品重合体への混入など、生
産性ならびに製品の品質を低下させる原因となる。そこ
で、スケールが発生した場合には、重合前にそれを取り
除く清掃作業が行われてきたが、スケール除去作業には
多大の労力と時間を要するため重合器の稼動率を著しく
減退する問題があった。
【0003】このようなことから、重合器の内壁面など
に予め重合体スケールの付着を防止するための物質を塗
布する方法が従来から試みられており、重合体スケール
付着防止剤として、例えば染料および/または顔料(特
公昭45−30835 号公報) 、芳香族アミン化合物 (特開昭
51−50887 号公報) 、フェノール性化合物と芳香族アル
デヒドの反応生成物 (特開昭55−54317 号公報) 、特定
基を有する芳香族化合物および/または染料、大環状ラ
クタム抗生物質、およびスルホン酸基または硫酸基をア
ルカリ金属の状態で含有するアニオン性高分子化合物を
含有する物質(特開平4−328103号公報)などが提案さ
れている。
に予め重合体スケールの付着を防止するための物質を塗
布する方法が従来から試みられており、重合体スケール
付着防止剤として、例えば染料および/または顔料(特
公昭45−30835 号公報) 、芳香族アミン化合物 (特開昭
51−50887 号公報) 、フェノール性化合物と芳香族アル
デヒドの反応生成物 (特開昭55−54317 号公報) 、特定
基を有する芳香族化合物および/または染料、大環状ラ
クタム抗生物質、およびスルホン酸基または硫酸基をア
ルカリ金属の状態で含有するアニオン性高分子化合物を
含有する物質(特開平4−328103号公報)などが提案さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法を用いても有効かつ確実にスケール付着を防止するこ
とは期待できない。例えば染料塗布によるスケール防止
効果は、その塗布量に大きく依存し、塗布量が多くなる
ほど効果は優れるが、塗布量を多くすると懸濁重合が不
安定となって粗大な重合体粒子の生成比率が高まるとい
う問題が生じ、フェノール性化合物と芳香族アルデヒド
の反応生成物をスケール付着防止剤とする場合には、重
合回数の少ない間は優れた効果が発揮されるものの、重
合回数が多くなるとスケール防止機能が低下し、また多
成分系のスケール付着防止剤は配合比率によって成分の
沈澱等が起こり、均質な塗膜が形成されないケースが発
生すると言った問題点があった。
法を用いても有効かつ確実にスケール付着を防止するこ
とは期待できない。例えば染料塗布によるスケール防止
効果は、その塗布量に大きく依存し、塗布量が多くなる
ほど効果は優れるが、塗布量を多くすると懸濁重合が不
安定となって粗大な重合体粒子の生成比率が高まるとい
う問題が生じ、フェノール性化合物と芳香族アルデヒド
の反応生成物をスケール付着防止剤とする場合には、重
合回数の少ない間は優れた効果が発揮されるものの、重
合回数が多くなるとスケール防止機能が低下し、また多
成分系のスケール付着防止剤は配合比率によって成分の
沈澱等が起こり、均質な塗膜が形成されないケースが発
生すると言った問題点があった。
【0005】本発明者らは、上記の問題点を解決するた
めに従来技術とは異なる重合体スケール付着防止剤につ
いて多角的に検討を重ねた結果、アクリルアミドスルホ
ン酸の単独重合体または他の単量体との共重合体などが
重合体スケールの防止に有効に機能し、多数回の重合操
作を反復してもスケールの付着が発生しない事実を確認
した。
めに従来技術とは異なる重合体スケール付着防止剤につ
いて多角的に検討を重ねた結果、アクリルアミドスルホ
ン酸の単独重合体または他の単量体との共重合体などが
重合体スケールの防止に有効に機能し、多数回の重合操
作を反復してもスケールの付着が発生しない事実を確認
した。
【0006】本発明は、前記の知見に基づいて完成され
たもので、その目的とするところは重合器内壁等に対す
るスケール付着を防止しながら生産性よく高品質の重合
体を得ることができる塩化ビニル系重合体の製造方法を
提供するにある。
たもので、その目的とするところは重合器内壁等に対す
るスケール付着を防止しながら生産性よく高品質の重合
体を得ることができる塩化ビニル系重合体の製造方法を
提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による塩化ビニル系重合体の製造方法は、塩
化ビニル単量体または塩化ビニル単量体を主成分とする
ラジカル重合性単量体混合物を水性媒体中で懸濁重合も
しくは乳化重合するにあたり、重合器の内壁面および重
合器付帯設備の単量体が接触する部位に、下記の化2で
示されるアクリルアミドスルホン酸の単独重合体または
該アクリルアミドスルホン酸と他の共重合可能な単量体
との共重合体および/またはこれらの塩を予め塗布して
おくことを構成上の特徴とする。
めの本発明による塩化ビニル系重合体の製造方法は、塩
化ビニル単量体または塩化ビニル単量体を主成分とする
ラジカル重合性単量体混合物を水性媒体中で懸濁重合も
しくは乳化重合するにあたり、重合器の内壁面および重
合器付帯設備の単量体が接触する部位に、下記の化2で
示されるアクリルアミドスルホン酸の単独重合体または
該アクリルアミドスルホン酸と他の共重合可能な単量体
との共重合体および/またはこれらの塩を予め塗布して
おくことを構成上の特徴とする。
【化2】 (但し、R1 〜R4 は、水素原子、炭素数が1〜6のア
ルキル基またはフェニル基を表す) 。
ルキル基またはフェニル基を表す) 。
【0008】本発明において、化2で示されるアクリル
アミドスルホン酸の単独重合体はスケール付着防止剤と
して機能する必須の成分となるもので、具体的な化合物
としては、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸、2
−アクリルアミドブタンスルホン酸、3−アクリルアミ
ド2、3−ジメチルブタン−2−スルホン酸、2−アク
リルアミド−2−フェニルエタンスルホン酸、2−アク
リルアミド−2−フェニルプロパンスルホン酸、2−ア
クリルアミド−2・4・4−トリメチルペンタンスルホ
ン酸、2−アクリルアミド−2−トリルエタンスルホン
酸などが挙げられる。このうち、本発明の目的には、2
−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸が最
も好適に用いられる。
アミドスルホン酸の単独重合体はスケール付着防止剤と
して機能する必須の成分となるもので、具体的な化合物
としては、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸、2
−アクリルアミドブタンスルホン酸、3−アクリルアミ
ド2、3−ジメチルブタン−2−スルホン酸、2−アク
リルアミド−2−フェニルエタンスルホン酸、2−アク
リルアミド−2−フェニルプロパンスルホン酸、2−ア
クリルアミド−2・4・4−トリメチルペンタンスルホ
ン酸、2−アクリルアミド−2−トリルエタンスルホン
酸などが挙げられる。このうち、本発明の目的には、2
−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸が最
も好適に用いられる。
【0009】前記アクリルアミドスルホン酸の単量体と
共重合させる他の共重合可能な単量体としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸などの
α、β−モノエチレン性不飽和カルボン酸、メチルアク
リレート、ブチルアクリレート、ラウリルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルアクリレート、メトキシエチ
ルアクリレート等のアクリル酸エステル、メチルメタク
リレート、エチルメタクリレート、2−エチルヘキシル
メタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、エ
トキシエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメ
タクリレート等のメタクリル酸エステル、イタコン酸モ
ノメチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジブチル
等の不飽和ジカルボン酸エステル、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、N−Nジメチルアクリルアミド、ブト
キシメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルア
ミド、ダイアセトンアクリルアミド等の不飽和アミド、
酢酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル等の
ビニルエステル、アクリロニトリル、マタクリロニトリ
ル等の不飽和ニトリル、スチレン、α−メチルスチレ
ン、α−クロルスチレン、ビニルナフタリン、ビニルト
ルエン、2−4−ジクロルスチレン等のビニル系芳香
族、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ジ
クロルエチルビニルエーテ等のビニルエーテル、ブタジ
エン、イソブチレン、エチレン、プロピレン、n−ブテ
ン、イソブテン,n−ペンテン、イソプレン、2−メチ
ル−1−ブテン、n−ヘキセン、ジメチル−1−ペンテ
ン、2−エチル−1−ブテン、シクロブテン、シクロペ
ンテン、シクロヘキセン、シクロペンタジエン等の共役
ジエン、鎖状オレフイン、環状オレフイン類、ビニルス
ルフォン酸、スチレンスルフォン酸、メタクリレートエ
チルスルフォン酸等のスルホ基含有単量体、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、ビニルピリジン、ビニルピロリド
ン等のビニル系化合物、グリシジルアクリレート、グリ
シジルメタクリレート、2−エチルヘキシルグリシジル
エーテル、ラウリルグリシジルエーテル、アリルグリシ
ジルエーテル等のモノグリシジル誘導体、ポリエチレン
グリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコ
ールモノメタクリレート、エチレングリコールジグリシ
ジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエ
ーテル、ポリエチレングリコールグリシジルエーテル等
のポリエチレングリコール誘導体、ジビニルベンゼン、
ジビニルトルエン、ジビニルエーテル、マレイン酸ジア
リル、フタル酸ジアリル、ジアクリル酸またはメタクリ
ル酸エチレングリコールおよびポリエチレングリコー
ル、ジアクリル酸またはジメタクリル酸トリメチレング
リコール、トリメチロールプロパントリメタクリレート
等の分子中の2個以上を不飽和結合を有する反応性単量
体などを挙げることができる。
共重合させる他の共重合可能な単量体としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸などの
α、β−モノエチレン性不飽和カルボン酸、メチルアク
リレート、ブチルアクリレート、ラウリルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルアクリレート、メトキシエチ
ルアクリレート等のアクリル酸エステル、メチルメタク
リレート、エチルメタクリレート、2−エチルヘキシル
メタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、エ
トキシエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメ
タクリレート等のメタクリル酸エステル、イタコン酸モ
ノメチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジブチル
等の不飽和ジカルボン酸エステル、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、N−Nジメチルアクリルアミド、ブト
キシメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルア
ミド、ダイアセトンアクリルアミド等の不飽和アミド、
酢酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル等の
ビニルエステル、アクリロニトリル、マタクリロニトリ
ル等の不飽和ニトリル、スチレン、α−メチルスチレ
ン、α−クロルスチレン、ビニルナフタリン、ビニルト
ルエン、2−4−ジクロルスチレン等のビニル系芳香
族、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ジ
クロルエチルビニルエーテ等のビニルエーテル、ブタジ
エン、イソブチレン、エチレン、プロピレン、n−ブテ
ン、イソブテン,n−ペンテン、イソプレン、2−メチ
ル−1−ブテン、n−ヘキセン、ジメチル−1−ペンテ
ン、2−エチル−1−ブテン、シクロブテン、シクロペ
ンテン、シクロヘキセン、シクロペンタジエン等の共役
ジエン、鎖状オレフイン、環状オレフイン類、ビニルス
ルフォン酸、スチレンスルフォン酸、メタクリレートエ
チルスルフォン酸等のスルホ基含有単量体、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、ビニルピリジン、ビニルピロリド
ン等のビニル系化合物、グリシジルアクリレート、グリ
シジルメタクリレート、2−エチルヘキシルグリシジル
エーテル、ラウリルグリシジルエーテル、アリルグリシ
ジルエーテル等のモノグリシジル誘導体、ポリエチレン
グリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコ
ールモノメタクリレート、エチレングリコールジグリシ
ジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエ
ーテル、ポリエチレングリコールグリシジルエーテル等
のポリエチレングリコール誘導体、ジビニルベンゼン、
ジビニルトルエン、ジビニルエーテル、マレイン酸ジア
リル、フタル酸ジアリル、ジアクリル酸またはメタクリ
ル酸エチレングリコールおよびポリエチレングリコー
ル、ジアクリル酸またはジメタクリル酸トリメチレング
リコール、トリメチロールプロパントリメタクリレート
等の分子中の2個以上を不飽和結合を有する反応性単量
体などを挙げることができる。
【0010】これらの共重合可能な単量体の共重合割合
は、単量体全量に対して80重量%までとすることが好
ましく、これより多くなるとスケール付着防止効果が弱
化するようになる。また、化2に示すアクリルアミドス
ルホン酸の単独重合体および他の単量体との共重合体の
塩を形成するための塩基イオンとしては、ナトリウムイ
オン、カリウムイオンまたはアンモニウムイオンが好ま
しい。
は、単量体全量に対して80重量%までとすることが好
ましく、これより多くなるとスケール付着防止効果が弱
化するようになる。また、化2に示すアクリルアミドス
ルホン酸の単独重合体および他の単量体との共重合体の
塩を形成するための塩基イオンとしては、ナトリウムイ
オン、カリウムイオンまたはアンモニウムイオンが好ま
しい。
【0011】これらの単独重合体および共重合体は、従
来公知の方法により容易に製造することができる。すな
わち、化2に示すアクリルアミドスルホン酸および/ま
たはこれと共重合可能な単量体に通常の開始剤、例えば
過硫酸塩、またはアゾビスイソブチロニトリル等を0.
1〜10重量%程度の範囲で添加し、水またはアルコー
ル系などの溶媒中でほぼ50〜150℃の温度域で1〜
10時間重合させ、必要に応じて溶媒の一部または全部
を留出させることにより所定濃度の重合体水溶液を得る
ことができる。また、得られた重合体水溶液に苛性ソー
ダ、苛性カリなどのアルカリ金属塩またはアンモニア水
を添加してカルボン酸の所定量を中和することにより、
前記重合体のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩が容
易に得られる。これらのアクリルアミドスルホン酸単独
重合体または他の単量体との共重合体は、40重量%水
溶液とした際に10〜30、000cps(25℃)範囲の粘
度であることが好ましい。
来公知の方法により容易に製造することができる。すな
わち、化2に示すアクリルアミドスルホン酸および/ま
たはこれと共重合可能な単量体に通常の開始剤、例えば
過硫酸塩、またはアゾビスイソブチロニトリル等を0.
1〜10重量%程度の範囲で添加し、水またはアルコー
ル系などの溶媒中でほぼ50〜150℃の温度域で1〜
10時間重合させ、必要に応じて溶媒の一部または全部
を留出させることにより所定濃度の重合体水溶液を得る
ことができる。また、得られた重合体水溶液に苛性ソー
ダ、苛性カリなどのアルカリ金属塩またはアンモニア水
を添加してカルボン酸の所定量を中和することにより、
前記重合体のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩が容
易に得られる。これらのアクリルアミドスルホン酸単独
重合体または他の単量体との共重合体は、40重量%水
溶液とした際に10〜30、000cps(25℃)範囲の粘
度であることが好ましい。
【0012】上記のアクリルアミドスルホン酸単独重合
体または共重合体等は、溶液状態で重合器の内壁面およ
びバッフル、撹拌ペラ等の重合器付帯設備など重合段階
で単量体が接触する部位に塗布する。具体的には、単独
重合体または共重合体を水および/または有機溶剤に
0.1〜5.0重量%の濃度に溶解した溶液を、刷毛塗
りまたはスプレー塗布など適宜な手段を用いて塗布処理
する。塗布後は、40〜80℃程度の熱風で一旦乾燥さ
せることが好ましく、この乾燥によりスケール防止効果
が長時間持続する。また、塗布量としては、0.001
〜10g/m2の範囲が好ましい。なお、有機溶剤として
は、メタノール、エタノール等の低級アルコール類の使
用が好適であり、また低級アルコールに難溶なアクリル
アミドスルホン酸共重合体のアルカリ金属塩に対しては
水と低級アルコールの混合溶剤が好ましく用いられる。
体または共重合体等は、溶液状態で重合器の内壁面およ
びバッフル、撹拌ペラ等の重合器付帯設備など重合段階
で単量体が接触する部位に塗布する。具体的には、単独
重合体または共重合体を水および/または有機溶剤に
0.1〜5.0重量%の濃度に溶解した溶液を、刷毛塗
りまたはスプレー塗布など適宜な手段を用いて塗布処理
する。塗布後は、40〜80℃程度の熱風で一旦乾燥さ
せることが好ましく、この乾燥によりスケール防止効果
が長時間持続する。また、塗布量としては、0.001
〜10g/m2の範囲が好ましい。なお、有機溶剤として
は、メタノール、エタノール等の低級アルコール類の使
用が好適であり、また低級アルコールに難溶なアクリル
アミドスルホン酸共重合体のアルカリ金属塩に対しては
水と低級アルコールの混合溶剤が好ましく用いられる。
【0013】本発明においては、上記のスケール付着防
止剤の塗布面への付着性を高めるために、例えばロジン
等の天然高分子またはノニオン系のフッ素系界面活性剤
のような公知の定着剤、あるいはスケール防止剤の一種
であるピロガロールとアセトンの縮合物(特開平5−12
5113号公報)を併用することができる。
止剤の塗布面への付着性を高めるために、例えばロジン
等の天然高分子またはノニオン系のフッ素系界面活性剤
のような公知の定着剤、あるいはスケール防止剤の一種
であるピロガロールとアセトンの縮合物(特開平5−12
5113号公報)を併用することができる。
【0014】塩化ビニル系重合体の製造は、上記のスケ
ール付着防止剤を内壁面および付帯設備に予め塗布した
重合器に水性媒体を仕込み、撹拌下に塩化ビニル単量体
または該単量体を主成分とするラジカル重合性単量体混
合物を常法により懸濁重合もしくは乳化重合するプロセ
スで行われる。塩化ビニルと共に使用できるラジカル重
合性単量体としては、例えば酢酸ビニル、プロピルビニ
ルエーテル、ブチルビニルエーテル、アクリル酸メチ
ル、塩化ビニリデン、プロピレンおよびアルキルマレイ
ミド等を挙げることができる。
ール付着防止剤を内壁面および付帯設備に予め塗布した
重合器に水性媒体を仕込み、撹拌下に塩化ビニル単量体
または該単量体を主成分とするラジカル重合性単量体混
合物を常法により懸濁重合もしくは乳化重合するプロセ
スで行われる。塩化ビニルと共に使用できるラジカル重
合性単量体としては、例えば酢酸ビニル、プロピルビニ
ルエーテル、ブチルビニルエーテル、アクリル酸メチ
ル、塩化ビニリデン、プロピレンおよびアルキルマレイ
ミド等を挙げることができる。
【0015】重合時、塩化ビニル単量体等の分散安定剤
として、部分ケン化ポリビニルアルコールおよびセルロ
ース誘導体が使用でき、また重合開始剤として、イソブ
チルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、ジイソ
プロピルパーオキシジカーボネート、2−エチルヘキシ
ルパーオキシジカーボネートおよびt−ブチルパーオキ
シピバレート等を使用することができる。
として、部分ケン化ポリビニルアルコールおよびセルロ
ース誘導体が使用でき、また重合開始剤として、イソブ
チルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、ジイソ
プロピルパーオキシジカーボネート、2−エチルヘキシ
ルパーオキシジカーボネートおよびt−ブチルパーオキ
シピバレート等を使用することができる。
【0016】本発明の構成要件は請求項1に記載したと
おりであるが、好ましい実施態様は下記のとおりであ
る。 (1)化2で示されるアクリルアミドスルホン酸が、2−
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸である
こと。 (2)アクリルアミドスルホン酸単独重合体または他の単
量体との共重合体の40重量%水溶液が、10〜30、
000cps(25℃)範囲の粘度を有すること。 (3)単独重合体または共重合体を水および/またはメタ
ノール、エタノールのような有機溶剤に0.1〜5.0
重量%の濃度に溶解した溶液を、0.001〜10g/m2
の範囲で重合器内壁等に塗布し、40〜80℃程度の熱
風で一旦乾燥させること。
おりであるが、好ましい実施態様は下記のとおりであ
る。 (1)化2で示されるアクリルアミドスルホン酸が、2−
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸である
こと。 (2)アクリルアミドスルホン酸単独重合体または他の単
量体との共重合体の40重量%水溶液が、10〜30、
000cps(25℃)範囲の粘度を有すること。 (3)単独重合体または共重合体を水および/またはメタ
ノール、エタノールのような有機溶剤に0.1〜5.0
重量%の濃度に溶解した溶液を、0.001〜10g/m2
の範囲で重合器内壁等に塗布し、40〜80℃程度の熱
風で一旦乾燥させること。
【0017】
【作用】本発明に従えば、塩化ビニル単量体または塩化
ビニル単量体を主成分とするラジカル重合性単量体混合
物を水性媒体中で懸濁重合もしくは乳化重合するにあた
り、重合器の内壁面および重合器付帯設備の単量体が接
触する部位に、予め化2で示されるアクリルアミドスル
ホン酸の単独重合体または該アクリルアミドスルホン酸
と共重合可能な単量体との共重合体および/またはこれ
らの塩を水溶液状態で塗布しておくことにより、重合器
設備に重合体スケールの付着が起こらない状態で多数回
の重合を繰り返すことができる。
ビニル単量体を主成分とするラジカル重合性単量体混合
物を水性媒体中で懸濁重合もしくは乳化重合するにあた
り、重合器の内壁面および重合器付帯設備の単量体が接
触する部位に、予め化2で示されるアクリルアミドスル
ホン酸の単独重合体または該アクリルアミドスルホン酸
と共重合可能な単量体との共重合体および/またはこれ
らの塩を水溶液状態で塗布しておくことにより、重合器
設備に重合体スケールの付着が起こらない状態で多数回
の重合を繰り返すことができる。
【0018】したがって、スケール混入による粗大粒子
を含まない高品質の微細粒度を備える塩化ビニル系重合
体を常に生産性よく製造することが可能となる。
を含まない高品質の微細粒度を備える塩化ビニル系重合
体を常に生産性よく製造することが可能となる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して、
具体的に説明する。
具体的に説明する。
【0020】実施例1 2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の
重合体〔40重量%水溶液粘度(25 ℃);16cps 〕1gをメ
タノール100gに溶解してスケール付着防止剤を調製
した。このスケール付着防止剤溶液を刷毛塗りにより、
撹拌機を有する重合器(容積5リットルのオートクレー
ブ)の内壁面に塗布量が約1g/m2になるように薄く塗布
し、塗布面を40℃程度の熱風に曝して10分間乾燥さ
せた。ついで、重合器の内壁面を室温になるまで冷却し
たのち、純水2,700g、部分ケン化ポリビニルアル
コール2gおよび2−エチルヘキシルパーオキシジカー
ボネート1.2gを仕込み、真空ポンプにより系内を−
600mmHgまで脱気し、さらに塩化ビニル単量体を2,
000g仕込んだ。重合器の内部温度を58℃に昇温し
て重合反応を進行させ、この温度に7時間保持して重合
を停止させた。
重合体〔40重量%水溶液粘度(25 ℃);16cps 〕1gをメ
タノール100gに溶解してスケール付着防止剤を調製
した。このスケール付着防止剤溶液を刷毛塗りにより、
撹拌機を有する重合器(容積5リットルのオートクレー
ブ)の内壁面に塗布量が約1g/m2になるように薄く塗布
し、塗布面を40℃程度の熱風に曝して10分間乾燥さ
せた。ついで、重合器の内壁面を室温になるまで冷却し
たのち、純水2,700g、部分ケン化ポリビニルアル
コール2gおよび2−エチルヘキシルパーオキシジカー
ボネート1.2gを仕込み、真空ポンプにより系内を−
600mmHgまで脱気し、さらに塩化ビニル単量体を2,
000g仕込んだ。重合器の内部温度を58℃に昇温し
て重合反応を進行させ、この温度に7時間保持して重合
を停止させた。
【0021】上記の重合操作により得られたポリ塩化ビ
ニル粒子の粒径は、目的どおり平均で120〜150μ
m であった。重合後、重合器内壁面を純水で洗浄し、同
一の重合器を使用して同様な重合操作を10回繰り返し
た。各回の重合後に、内壁面のスケール付着状態を目視
で観測したところ、重合回数10回の時点でもなおスケ
ールの付着は認められなかった。
ニル粒子の粒径は、目的どおり平均で120〜150μ
m であった。重合後、重合器内壁面を純水で洗浄し、同
一の重合器を使用して同様な重合操作を10回繰り返し
た。各回の重合後に、内壁面のスケール付着状態を目視
で観測したところ、重合回数10回の時点でもなおスケ
ールの付着は認められなかった。
【0022】実施例2 スケール付着防止剤として2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸とアクリル酸の共重合体〔全単
量体に占めるアクリル酸の共重合割合;60重量%、40重
量%水溶液粘度(25 ℃);105cps) を使用し、塗布量が約
1g/m2になるように重合器内壁に塗布したほかは、全て
実施例1と同一条件により塩化ビニルの重合を行った。
この場合は、重合回数9回まではスケールの付着は認め
られなかった。得られたポリ塩化ビニルは平均粒径12
0〜150μm の微粒子であり、品質的に問題はなかっ
た。
チルプロパンスルホン酸とアクリル酸の共重合体〔全単
量体に占めるアクリル酸の共重合割合;60重量%、40重
量%水溶液粘度(25 ℃);105cps) を使用し、塗布量が約
1g/m2になるように重合器内壁に塗布したほかは、全て
実施例1と同一条件により塩化ビニルの重合を行った。
この場合は、重合回数9回まではスケールの付着は認め
られなかった。得られたポリ塩化ビニルは平均粒径12
0〜150μm の微粒子であり、品質的に問題はなかっ
た。
【0023】比較例 スケール付着防止剤としてメタノール500gにニグロ
シンブラック2gを溶解した塗布液を使用したほかは、
実施例1と同様にして塩化ビニルの重合を行った。この
場合は、重合回数8回まではスケールの付着は認められ
なかったが、重合自体が不安定であり、得られたポリ塩
化ビニルには粒径が350μm 程度の粗大粒子が多く含
まれていた。
シンブラック2gを溶解した塗布液を使用したほかは、
実施例1と同様にして塩化ビニルの重合を行った。この
場合は、重合回数8回まではスケールの付着は認められ
なかったが、重合自体が不安定であり、得られたポリ塩
化ビニルには粒径が350μm 程度の粗大粒子が多く含
まれていた。
【0024】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば多数回の
重合操作を繰り返しても重合器の内壁や付帯設備に重合
体スケールが付着することがないから、設計どおりの粒
子径を備える塩化ビニル系重合体を生産性よく製造する
ことができる。したがって、高品質の塩化ビニル系重合
体を工業生産するための製造技術として極めて有用であ
る。
重合操作を繰り返しても重合器の内壁や付帯設備に重合
体スケールが付着することがないから、設計どおりの粒
子径を備える塩化ビニル系重合体を生産性よく製造する
ことができる。したがって、高品質の塩化ビニル系重合
体を工業生産するための製造技術として極めて有用であ
る。
フロントページの続き (72)発明者 浅田 直則 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成化学工業株式会社名古屋総合研究所 内
Claims (1)
- 【請求項1】 塩化ビニル単量体または塩化ビニル単量
体を主成分とするラジカル重合性単量体混合物を水性媒
体中で懸濁重合もしくは乳化重合するにあたり、重合器
の内壁面および重合器付帯設備の単量体が接触する部位
に、下記の化1で示されるアクリルアミドスルホン酸の
単独重合体または該アクリルアミドスルホン酸と他の共
重合可能な単量体との共重合体および/またはこれらの
塩を予め塗布しておくことを特徴とする塩化ビニル系重
合体の製造方法。 【化1】 (但し、R1 〜R4 は、水素原子、炭素数が1〜6のア
ルキル基またはフェニル基を表す) 。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12300094A JPH07304807A (ja) | 1994-05-12 | 1994-05-12 | 塩化ビニル系重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12300094A JPH07304807A (ja) | 1994-05-12 | 1994-05-12 | 塩化ビニル系重合体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07304807A true JPH07304807A (ja) | 1995-11-21 |
Family
ID=14849793
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12300094A Pending JPH07304807A (ja) | 1994-05-12 | 1994-05-12 | 塩化ビニル系重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07304807A (ja) |
-
1994
- 1994-05-12 JP JP12300094A patent/JPH07304807A/ja active Pending
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