JPH0730190U - オートバイにおける後席ライダー用補助グリップ装置 - Google Patents

オートバイにおける後席ライダー用補助グリップ装置

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JPH0730190U JP6552593U JP6552593U JPH0730190U JP H0730190 U JPH0730190 U JP H0730190U JP 6552593 U JP6552593 U JP 6552593U JP 6552593 U JP6552593 U JP 6552593U JP H0730190 U JPH0730190 U JP H0730190U
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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 相乗りした後席ライダーの安全を確保すると
共に疲労を少なくすることができる補助グリップ装置を
提供する。 【構成】 車体の略中央に取り付けた燃料タンクの後部
に、前後して二人のライダーが着座できるシートを備え
たオートバイにあって、燃料タンク3の両側面には、前
席ライダー7Aの背部に腹部を密接させた状態の後席ラ
イダー7Bが両腕を前方へ伸ばしたときにそれぞれ掴む
ことができる補助グリップ12,12が、側方へ張り出
して設けられている。このようにしておけば、後席ライ
ダー7Bは補助グリップ12,12掴むという姿勢でお
のずと前席ライダー7Aとの一体感の図られた姿勢とな
る。後席ライダー7Bが前席ライダー7Aに抱きつく必
要もなく、振り落とされないようにしがみつくこともな
くなり、前席ライダー7Aの疲労の軽減と走行の安全が
確保される。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はオートバイにおける後席ライダー用補助グリップ装置に係り、詳しく は、後席ライダーが前席ライダーの身体に抱きつくことなく両ライダーの一体化 を実現して、走行の安定を図ることができるようにした補助グリップ装置に関す るものである。
【0002】
【従来の技術】
オートバイは、車体の略中央に燃料タンクが装着されており、その後部にライ ダー用シートが取り付けられているのが一般的である。そして、二人乗りが可能 となっている場合には、前席ライダーのシートに連なるようにして後席ライダー のためのシートが設けられている。 前席ライダーは燃料タンクを内股部分で挟むようにして着座しハンドルを握る が、後席ライダーのためには着座したとき握るものが設けられていない。したが って、通常は両腕を前席ライダーの胴部に回して抱きつくようにしている。この ようにして両ライダーの一体化が図られると、走行中の安定を得るうえで都合の よいことはよく知られているところである。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、後席ライダーが前席ライダーに抱きつく場合、両腕を前席ライダー の胴部に回しても安心感が得られるようなしっかりした握り物がなく、結局は自 らの相互の手もしくは腕を掴まざるを得ない。 しかし、腕などを掴むにしてもハンドルを握るような安定感はなく、疲労が蓄 積しやすくなる。一方、前席ライダーも抱きつかれている自らの左右の重心移動 が容易でなく、やはり後席ライダーの状態を接触している背中を通じて知るほか はない。もちろん、後席ライダーを振り落とさないように配慮する必要もあり、 抱きつかれることによる疲労も避けられない問題がある。
【0004】 本考案は上記の問題に鑑みなされたもので、その目的は、相乗りする場合の後 席ライダーの不安定な着座形態を解消して疲労の軽減を図ること、後席ライダー に抱きつかれることなく操縦の自主性を維持して疲労を和らげられること、後席 ライダーにも運転感覚を持たせて走行状態を身体で感じさせ、旋回走行時の重心 移動などでの追従性を高めて安全性の確保を図りやすくすること、を実現したオ ートバイにおける後席ライダー用補助グリップ装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本考案は、車体の略中央に取り付けた燃料タンクの後部に、前後して二人のラ イダーが着座できるシートを備えたオートバイに適用される。 その特徴とするところは、図1および図2を参照して、燃料タンク3の両側面 には、前席ライダー7Aの背部に腹部を密接させた状態の後席ライダー7Bが両 腕を前方へ伸ばしたときにそれぞれ掴むことのできる左右の補助グリップ12, 12が、側方へ張り出して設けられていることである。
【0006】 補助グリップ15,15の左右のそれぞれを、図4に示すように、燃料タンク 側となる部分に取り付けた蝶番17を介して前方もしくは上方(図示せず)へ回 動可能に装着しておいてもよい。
【0007】 図5にあるように、補助グリップ27には燃料タンク側となる部分に基板28 を固定しておき、燃料タンク3の両側面に基板28を挿入する空間29を確保し たブラケット30を固定し、そのブラケット30には基板28を空間29に挿入 するとき補助グリップ27を挿通させる切欠き31を形成すると共に挿通した補 助グリップ27の抜けを防止する固縛部材34が取り付けられるようにしておく ことができる。
【0008】 図6および図7を参照して、補助グリップ40,40を、燃料タンク3の側面 に密着して前方へ延びる縦帯部41Aと燃料タンク3に跨がって左右へ延びる横 帯部41Bとを備えるゴム板材41に固定しておき、縦帯部41Aの先端に燃料 タンク3の前縁3L,3Rに係合するフック42L,42Rを、横帯部41Bの 先端にも燃料タンク3の下部縁3D,3Eに係合するフック42D,42Eを取 り付けておくとよい。
【0009】
【作用】
前席ライダー7A(図1参照)が着座してその背後に後席ライダー7Bが着座 する際に、後席ライダー7Bは両腕を前方へ伸ばして燃料タンク3の両側面に張 り出された補助グリップ12,12を掴む。この状態では後席ライダー7Bは前 席ライダー7Aと同じくやや前かがみの姿勢となり、その腹部が前席ライダー7 Aの背部に極めて近接するか密着する。 両ライダー7A,7Bの密着度が低いものであっても、後席ライダー7Bは燃 料タンク3を介して車体に一体化された補助グリップ12,12を通して走行中 の車体の傾斜具合や加減速程度を直ちに掴みとれ、自ら操縦している感覚で対応 することができる。すなわち、前席ライダー7Aの身体を介して感じとれる情報 をもとに重心移動を調節する必要がなくなる。
【0010】 上記の補助グリップ12は燃料タンクに固定されているものでもよいが(図3 参照)、蝶番17を介して前方もしくは上方へ回動可能に装着されている補助グ リップ15としておくと(図4参照)、補助グリップを必要としない独り乗りの 場合に折り畳んでおくことができる。相乗りするときは後方もしくは下方に回動 させれば、後席ライダー7Bは補助グリップ15,15を掴むことができる。 後席ライダー7Bが補助グリップ15,15を強く掴んだり力を掛けたりする のは旋回走行や急加速のときであり、力の作用する方向に対してはそれ以上に補 助グリップ15が回動するようなことがない。車体が跳ねたり減速するときは補 助グリップ15が回動しようとするが、上方に作用する加速度はさほど大きくな いこと、減速したときには前席ライダー7Aが後席ライダー7Bの移動を阻止す るように機能することなどによって、従前のように後席ライダー7Bが前席ライ ダー7Aに抱きついている場合と大差がない状態となる。
【0011】 補助グリップ27(図5参照)に固定した基板28を燃料タンク3の両側面の ブラケット30で形成された空間29へ挿入し、補助グリップ27を切欠き31 に挿通させた後に固縛部材34で補助グリップ27の抜けを阻止しておくように すれば、補助グリップ27の完全な固定が図られ、グリップを握った感じが極め て安定する。すなわち、補助グリップ27を使用する場合の固定操作も簡単であ り、かつ、補助グリップ27にいずれの方向の力を受けても車体への高い固定性 と一体感を持たせることができる。 一方、補助グリップを使用しないときには補助グリップ27を取り除いておく ことによって、燃料タンク3の側面にブラケット30が付着しているだけの無用 な突起物の存在しない状態となる。
【0012】 補助グリップ40(図6参照)にフック付きのゴム板材41を固定しておく場 合には、まず、左右へ延びる横帯部41Bを燃料タンク3に跨がるように被せ、 その先端のフック42D,42Eを燃料タンク3の下部縁3D,3Eに係合させ る。そして、縦帯部41Aを燃料タンク3の側面に密着して前方へ伸ばし、その 先端のフック42L,42Rを燃料タンク3の前縁3L,3Rに係合させる。燃 料タンク3は通常前部が大きく膨らんでおり、ゴム板材41の張力が作用してお のずと位置が定まり、補助グリップ40,40を所望する位置で左右に張り出さ せることができる。 補助グリップの必要のないとき取り外しておけば、燃料タンク3の部分に異物 がなくなり、オートバイ本来の姿としておくことができる。
【0013】
【考案の効果】
本考案によれば、後席ライダーが前席ライダーに抱きつく必要もなく、両ライ ダーの走行に適した姿勢やその変化に対する追従性が高く確保される。そして、 後席ライダーの車体への一体感から疲労が軽減されると共に手や腕などに掛かる 力の負担は極めて少なくなる。前席ライダーは後席ライダーに対する配慮も少な くすることができ、走行中の疲労も和らげられる。
【0014】 蝶番を介して前方もしくは上方へ回動可能に補助グリップを燃料タンクに装着 しておけば、使用時には補助グリップを起こし、不要時には折り畳んでおくこと ができる。また、後席ライダーの姿勢を維持したり大きな力に耐える方向へは回 動不能であり、後席ライダーの不安感を助長させるようなこともない。
【0015】 燃料タンクに取り付けたブラケットに補助グリップの基板を挿入するようにし ておく場合には、補助グリップの燃料タンクへの着脱が確実になされる。その固 定も固縛部材で簡単に強固になされ、いずれの方向に力を受けても補助グリップ として十分な機能が得られる。不要な場合には補助グリップ自体を取り除いてお くことができる。
【0016】 ゴム板材に補助グリップを取り付けておくと、その縦帯部や横帯部で燃料タン クへの密着が図られ、それぞれの先端に設けたフックでもって前後左右へのずれ のない装着形態が実現される。燃料タンクには何も取り付けておく必要がないの で、補助グリップの装着を爾後的に行うことも容易となる。
【0017】
【実施例】
以下に、本考案を実施例を示した図面に基づいて詳細に説明する。図1は二人 のライダーを乗せたオートバイの正面図、図2はオートバイの前面図である。 オートバイ1の車体を形成する車体フレーム1Aにはエンジン2が搭載され、 そのエンジン2の上部である車体の略中央に前後に延びた例えば液滴状をした燃 料タンク3が取り付けられている。オートバイが二人乗り可能なものである場合 には、燃料タンク3の後部に前席4Aと後席4Bとを連続して形成した二人用シ ート4が取り付けられている。 そして、次に述べるように、後席ライダー7Bが前席ライダー7Aの身体に抱 きつくことなく両ライダーの一体化を実現して、走行の安定を図ることができる ように配慮されている。
【0018】 燃料タンク3の両側面3a,3bには、前席ライダー7Aの背部に腹部を密接 させた状態の後席ライダー7Bが両腕7L,7Rを前方へ伸ばしたときに、それ ぞれ掴むことのできる補助グリップ12,12が側方へ張り出して設けられてい る。 すなわち、詳述すると、図3に示すように、補助グリップ装置11は、左右の 基板13,13(図示は左)とそれぞれに一体化された補助グリップ12,12 (図示は一本)とよりなる。基板13は例えば矩形状の薄鋼板で、燃料タンク3 の膨らんだ両側面3a,3bに沿うように当接面が凹曲面に成形されており、さ らに、基板13の中央には補助グリップ12の基部12aにおける鉄芯材が溶接 などで固定されている。 なお、補助グリップ12は、鉄芯材に硬質プラスチックや硬質ゴムが被覆され ており、その先端側には滑り止め用の膨らみ部12bが形成され、補助グリップ 12の基部12aで一体化された基板13は溶接されて燃料タンク3に固定した 状態となっている。
【0019】 このような補助グリップ装置11を設けると、二人用シート4の後席4Bに跨 がった後席ライダー7Bは、両腕7L,7Rを伸ばして補助グリップ12,12 を握ることができる。それゆえ、後席ライダー7Bは前席ライダー7Aと同じく やや前かがみの姿勢となり、その腹部を前席ライダー7Aの背部に極めて近接ま たは密着させることができ、従来のようにライダー7Aの胴部に抱きつく必要が ない。 そして、両ライダー7A,7Bの密着度が低くても、後席ライダー7Bは燃料 タンク3を介し車体と一体の補助グリップ12,12を通じて走行中の車体の傾 斜具合や加減速度が直ちに掴みとれ、自ら操縦している感覚で対応できる。 その結果、前席ライダー7Aの身体を介して感じとれる情報をもとに重心移動 を加減する必要もなくなり、安全が確保されると共に疲労が軽減され、走行感を 得ながらツーリングすることができる。一方、前席ライダー7Aの疲労も緩和さ れ、後席ライダー7Bの状態を気づかう必要も少なくなる。
【0020】 上述のように、補助グリップ12が基板13を介して燃料タンク3に固定され た補助グリップ装置11に代えて、図4に示すように、左右それぞれの補助グリ ップ15(図示は左)を、燃料タンク側となる部分に取り付けた蝶番17を介し て前方へ回動可能に装着されている補助グリップ装置14としてもよい。 詳述すると、燃料タンク3の両側面に装着された補助グリップ装置14は、補 助グリップ15と、その基部の後端側に取り付けられた当て材16と、蝶番17 と、二点鎖線のように補助グリップ15を折り畳んだ姿勢に維持する保持部材1 8とよりなる。 そして、補助グリップ15は硬質プラスチックなどで形成され、先端側に滑り 止め15bが形成されるのは前述の補助グリップ12と変わるところがない。し かし、この例においては基部15aが角状に成形され、当て材としての保護パッ ド16が付着されている。 そのパッド16は、補助グリップ15を実線のように起こしたとき、その基部 が燃料タンク3に強く当たるのを防止するためのものである。すなわち、軟質ゴ ムの直方体の内部をくり抜いた恰好であり、基部15aの上面や後面のみならず 基端面を覆って、補助グリップ15の緩衝材として機能する。 例えば蝶番17が図示の姿勢であ場合には、加減速時に補助グリップ15が前 後にガタつくが、当て材16によって緩衝効果と燃料タンク3の保護が図られる ように配慮されている。
【0021】 なお、蝶番17の羽根板17Aは燃料タンク3の両側面に溶接で固定され、他 方の羽根板17Bはボルト固定されたり、予め基部15aにモールドされる。そ の蝶番17によれば補助グリップ15を必要としないとき前方に折り畳むように 回動させることができ、その固定のために保持部材18が燃料タンク3の前部に 取り付けられている。 この保持部材18はゴム帯18Aであり、予め燃料タンク3に固定される。図 示しないが上下両端が固定されている場合には、ゴム帯18Aを強くひいて補助 グリップ15を挟みこめばよいし、図示のようにフック22を伴った形態を採用 する場合には、前へ回動させた補助グリップ15の側方から被せるようにしてフ ック22を金具23に掛けるなどすればよい。 上記の補助グリップ装置14において、補助グリップ15を図示しないが上方 へ回動させるようにすることもできる。蝶番17の取付姿勢が90度の異なる向 きとなる以外は特別に変わるところがない。
【0022】 図5は補助グリップを取外自在とした例である。補助グリップ装置26は、補 助グリップ27と、その基部に圧着された基板28と、補助グリップ27の装着 時に一体の基板28を収納する空間29を備えたブラケット30とよりなる。 ブラケット30は薄鋼板のプレス成形品であり、折り曲げられた個所によって 燃料タンク3との間に空間29が確保されるように加工され、溶接によって燃料 タンク3に取り付けられる。その空間29は上述した基板28が緊密に嵌まりこ むことができる程度の隙間であるが、その緊密度を上げるために、基板28に厚 い生地の裏当てをしておくなどしておけば都合がよい。 ブラケット30を形成する外側面30aには、その上端に開口すると共に半円 形の底部を備えた切欠き31が形成されている。そして、基板28が空間29に 上方から挿入されたとき、補助グリップ27が切欠き31に挿通され、底部に当 接して止まるようになっている。
【0023】 また、外側面30aには、その切欠き31から補助グリップ27が上方へ抜け ないよう固定するための固縛部材34が取り付けられる。したがって、切欠き3 1に挿通されて底部に当接している補助グリップ27は、その外方への抜けが基 板28で防止される一方、固縛部材34によって空間29からの抜けも阻止され るようになる。 固縛部材34は、補助グリップ27の上半部を押さえる凹みが形成され、ピン 32を中心に回動し蝶ねじ33によって固定されるようになっているが、その他 の公知の手段で補助グリップ27の抜けを防ぐようにすることもできる。 このようにして補助グリップ27を完全に燃料タンク3に拘束しておけば、い かなる方向に力が作用してもグリップの安定が保たれる。補助グリップ27を必 要としないときはブラケット30から外せばよく、燃料タンク3にはブラケット 30が残るだけであり、前席ライダーの操縦に支障をきたすこともない。 なお、図示の例は基板28を上から入れるようにしているが、ブラケット30 の姿勢を変えて前もしくは後から挿入させる形態とすることもできる。
【0024】 図6は補助グリップを取り除いた状態では燃料タンク3に何も残らないように した例である。その補助グリップ装置39において、燃料タンク3の側面3aで 側方へ張り出している補助グリップ40は、燃料タンク3の側面に密着して前方 へ延びる縦帯部41Aと燃料タンク3に跨がって左右へ延びる横帯部41Bとを 備えるゴム板材41に固定されている。本例では詳しく示されていないが、グリ ップの基部に取り付けた基板をゴム板材41にモールドしたり裏から当てるなど して一体化される。 一方、縦帯部41Aの先端に燃料タンク3の前縁3L,3Rに係合するフック 42L,42Rを、横帯部41Bの先端にも燃料タンク3の下部縁3D,3Eに 係合するフック42D,42Eを取り付けておき、ゴム板材41を燃料タンク3 に被せる際、フックを各縁に係合させるようにしている。 図7から分かるように、燃料タンク3は通常上下2つのプレス成形した薄鋼板 を接合させたもであり、その接合部位はフランジ突き合わせ構造とされる。それ ゆえ、その溶接されているフランジの角が下部縁3D,3Eをなし、フック42 D,42Eを掛けることができる。図示ではフックの係合が浅いが、必要ならば 燃料タンク3の製作時にフランジを長くしておいたり係止孔を形成させておくな どすることができる。
【0025】 補助グリップ装置39を燃料タンク3に装着する手順は例えば以下のようにな る。まず、ゴム板材41を燃料タンク3に被せ、横帯部41Bを左右に伸ばして フック42D,42Eを下部縁3D,3Eに掛ける。そして、縦帯部41Aを伸 ばしながらフック42L,42Rを前縁3L,3Rに係止する。このとき、横帯 部41Bが引っ張られるが、燃料タンク3に跨がった横帯部41Bは前方に膨ら んで上り傾斜に成形された燃料タンク3の形状に馴染んで、各ゴムの弾発力にバ ランスする時点で維持される。 ゴム板材41は簡単に大きく伸びるようなものが採用されないので、補助グリ ップ40の位置も安定しかつ燃料タンク3との一体感が確保される。使用しない ときには、全部を除去することができるので、独り乗りの場合には見栄えを元の 状態に戻すことができる。フックによる係止が確実になされる場合には、燃料タ ンク3に予め細工を施しておく必要もなく、補助グリップ装置としての着脱性も 高いものとなる。したがって、燃料タンクには何も取り付けておくことなく、補 助グリップを爾後的に装着するのが容易となる。
【0026】 上記の例ではいずれも、補助グリップが左右へ伸びるバー状であるが、図8に 示すように、コ字状の把手43とすることもできる。図示の例は図3と同様に、 燃料タンク3に基板13を一体化させた把手43となっているが、図5のように 基板を取り付けてブラケットに嵌めるようにすることもでき、また、図6のよう にゴム板材に一体化しておくこともできる。 その把手43の握り部分43aの姿勢は図8では前後に傾斜されている。これ は、図1から分かるように、後席ライダー7Bの腕7Lに対して直角となるよう にして自然な握りを実現しようとするためである。しかし、その傾斜角度は図と 異なるものであってもよい。したがって、把手43の握り部分43aを垂直に伸 びる方向に取り付けることもできる。 このような把手43を採用すると左右への張り出し量を少なくしておくことが でき、独り乗りの状態においても前席ライダーの邪魔になるようなことが少なく なる利点がある。
【0027】 以上の説明から分かるように、いずれの例においても、後席ライダーは、簡単 に両腕を伸ばしてグリップを握ることができる。それ故に、後席ライダーは、オ ートバイの走行中に前席ライダーと同じ操縦感覚が得られ、着座姿勢を走行状態 に適応させやすくなるので、従来に比べて安全が確保されると共に両ライダーの 疲労を少なくすることができる。 蝶番を介して回動可能に装着された補助グリップ装置では、補助グリップを折 り畳んで嵩低くしておくことができる。ブラケットに嵌め込む形式では補助グリ ップの除去が可能となる。ゴム板材を使用した場合には車体の外観を再現させる ことができる。いずれにしても、独り乗りの場合を配慮したうえで、二人乗りの 場合の後席ライダーに対する安全性や走行感の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 二人のライダーを乗せたオートバイの正面
図。
【図2】 図1の前面矢視図。
【図3】 基板を介して補助グリップが燃料タンクの側
面に固定された補助グリップ装置の斜視図。
【図4】 補助グリップが蝶番を介して前方に折り畳め
るように燃料タンクの側面に装着された補助グリップ装
置の斜視図。
【図5】 ブラケットの空間に補助グリップと一体の基
板を挿入して燃料タンクの側面に装着された補助グリッ
プの斜視図。
【図6】 補助グリップの固定されたフック付きゴム板
材を燃料タンクに被せて装着した補助グリップ装置の斜
視図。
【図7】 図6の VII−VII 線矢視断面図。
【図8】 異なる形状の補助グリップを採用している補
助グリップ装置の斜視図。
【符号の説明】
1…オートバイ、3…燃料タンク、3L,3R…前縁、
3D,3E…下部縁、4…二人用シート、4A…前席、
4B…後席、7A…前席ライダー、7B…後席ライダ
ー、12,15,27,40…補助グリップ、17…蝶
番、28…基板、29…空間、30…ブラケット、31
…切欠き、34…固縛部材、41…ゴム板材、41A…
縦帯部、41B…横帯部、42D,42E,42L,4
2R…フック、43…補助グリップ(把手)。

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体の略中央に取り付けた燃料タンクの
    後部に、前後して二人のライダーが着座できるシートを
    備えたオートバイにおいて、 前記燃料タンクの両側面には、前席ライダーの背部に腹
    部を密接させた状態の後席ライダーが両腕を前方へ伸ば
    したときにそれぞれ掴むことのできる補助グリップが、
    側方へ張り出して設けられていることを特徴とするオー
    トバイにおける後席ライダー用補助グリップ装置。
  2. 【請求項2】 前記補助グリップの左右のそれぞれは、
    前記燃料タンク側となる部分に取り付けた蝶番を介して
    前方もしくは上方へ回動可能に装着されていることを特
    徴とする請求項1に記載されたオートバイにおける後席
    ライダー用補助グリップ装置。
  3. 【請求項3】 前記補助グリップは前記燃料タンク側と
    なる部分に基板が固定され、前記燃料タンクの両側面に
    は上記基板を挿入する空間を確保したブラケットが固定
    され、該ブラケットには前記基板を空間に挿入するとき
    前記補助グリップを挿通させる切欠きが形成されると共
    に挿通した補助グリップの抜けを防止する固縛部材が取
    り付けられていることを特徴とする請求項1に記載され
    たオートバイにおける後席ライダー用補助グリップ装
    置。
  4. 【請求項4】 前記補助グリップは、前記燃料タンクの
    側面に密着して前方へ延びる縦帯部と燃料タンクに跨が
    って左右へ延びる横帯部とを備えるゴム板材に固定さ
    れ、前記縦帯部の先端には前記燃料タンクの前縁に係合
    するフックが取り付けられると共に前記横帯部の先端に
    は燃料タンクの下部縁に係合するフックが取り付けられ
    ていることを特徴とする請求項1に記載されたオートバ
    イにおける後席ライダー用補助グリップ装置。
JP6552593U 1993-11-12 1993-11-12 オートバイにおける後席ライダー用補助グリップ装置 Pending JPH0730190U (ja)

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