JPH0730140B2 - ゲル化重合体微粒子の分散液の製造方法 - Google Patents

ゲル化重合体微粒子の分散液の製造方法

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JPH0730140B2
JPH0730140B2 JP61036517A JP3651786A JPH0730140B2 JP H0730140 B2 JPH0730140 B2 JP H0730140B2 JP 61036517 A JP61036517 A JP 61036517A JP 3651786 A JP3651786 A JP 3651786A JP H0730140 B2 JPH0730140 B2 JP H0730140B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ゲル化重合体微粒子の分散液の製造方法に関
し、さらに詳しくは、ゲル重合体微粒子の安定な分散液
を効率よく短時間で調製することができる製造方法に関
する。
従来から脂肪族炭化水素を主体とする有機溶媒中で安定
な重合体微粒子を製造する方法として各種の方法が提案
されている(例えば、特公昭57-48566号公報、特公昭57
-34846号公報、特開昭59-161431号公報など参照)。こ
れらの方法はいずれの場合も、分散安定剤として、有機
溶媒に溶媒和される第1のセグメントと、有機溶媒に殆
んど溶媒和されずに分散重合体粒子と会合するかまたは
係留する部分となる第2のセグメントとからなる分散安
定剤を用い、その存在下にまず分散重合体粒子を形成
し、ついでその粒子を架橋結合することから成るもので
ある。
上記の分散安定剤の代表的な例としては、12−ヒドロキ
システアリン酸自己縮合物である溶媒和成分に、ポリメ
チルメタクリレート又はポリエプキシシド樹脂である非
溶媒和成分をグラフト重合もしくはブロツク重合したも
のが挙げられる。しかしながら、このような分散安定剤
は溶媒和成分と非溶媒和成分の2つのセグメントからな
るブロツク共重合体またはグラフト共重合体であり、且
つ非溶媒和成分中に少なくとも1個の重合性二重結合を
導入する必要上、その合成には非常に複雑な反応プロセ
スを経なければならず、しかも40〜70時間の長時間を要
し、結果的に分散重合体粒子の生産効率が劣る等の欠点
がある。
そこで、本発明者はゲル化重合体微粒子の分散液の性能
を何ら損なうことなく、その製造に要する時間を前述の
如き従来方法に比べて短縮することができる効率的な製
造方法を開発することを目的に鋭意研究を重ねた結果、
今回、この目的が、12−ヒドロキシステアリン酸自己縮
合物に重合性二重結合を導入したマクロマー(エチレン
系不飽和末端基を平均して1分子当り1個もち、かつ分
子量が1000以上の実質的に鎖状の巨大な単量体をいう)
を分散安定剤成分として用いることによつて達成するこ
とができ、しかも得られるゲル化重合体微粒子を通常の
用途である塗料のレオロジーコントロール用に使用した
場合には、前述の従来方法で製造されたものと何ら遜色
のない優れた性能を発揮することを見い出し本発明を完
成するに至つた。
かくして、本発明に従えば、少なくとも1000以上の数平
均分子量を有する12−ヒドロキシステアリン酸自己縮合
物の分子内に平均して約1.0個の重合性二重結合を導入
したマクロマーの存在下に、相互に反応して結合するこ
とができる相補的官能基をそれぞれ有する少なくとも2
種のビニル系単量体を各々0.5重量%以上含有するビニ
ル系単量体混合物、又は重合性二重結合を2個以上含有
する多ビニル単量体を0.5重量%以上含有するビニル系
単量体混合物を、それから形成される重合体を溶解しな
い有機液体中で共重合せしめることを特徴とするゲル化
重合体微粒子の分散液の製造方法が提供される。
本発明において用いられるマクロマーは、前述した従来
既知の方法で用いられる分散安定剤において溶媒和成分
として使用されていると同様のものであることができる
12−ヒドロキシステアリン酸自己縮合物(以下、これを
「P-12HSA」と略称することもある)に重合性二重結合
を導入したものである。そのようなマクロマーは、例え
ば、(i)P-12HSAの末端カルボキシル基に、グリシジ
ルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のモノエ
ポキシ基含有不飽和単量体を第3級アミン等の触媒の存
在下に付加させるか、或いは(ii)P-12HSAの末端カル
ボキシル基もしくは2級水酸基に、イソシアネートアク
リレート、イソシアネートエチルメタクリレート、また
はジイソシアネート化合物とヒドロキシルアルキルアク
リレートもしくはヒドロキシアルキルメタクリレートの
等モル付加物などのイソシアネート基含有不飽和単量体
を反応させる等の方法によつて製造することができる。
なお、マクロマーを後者の(ii)の方法で製造する場合
には、分子中に2個以上の重合性二重結合が導入される
可能性がある。本発明で用いるマクロマーは1分子当り
平均して約1.0個の重合性二重結合を含有することが必
要であり、それ以上の重合性二重結合が導入された場合
には、ゲル化重合体微粒子の製造中に反応系全体がゲル
化してしまう恐れがあるので、マクロマーに平均して約
1.0個より多い重合性二重結合が導入されることは避け
るべきである。そのため、上記(ii)の方法では、例え
ば、P-12HSA1.0モルに対してイソシアネート基含有不飽
和単量体を約1.0モル反応させることが望ましく、これ
によつて、ほぼ選択的にP-12HSA中の2級水酸基に二重
結合を約1.0個導入することができる。該マクロマーの
製造においては、通常、既知の重合禁止剤や必要に応じ
て第3級アミンまたはジブチル錫ジラウリレート等の触
媒を使用することができる。
前記したマクロマーは少なくとも1,000以上、好ましく
は約1,500〜2,000の数平均分子量を有することができ
る。本発明で用いるマクロマーの分子量が1000より著る
しく低いと、得られる重合体微粒子の立体反発層の厚さ
が小さくなるため、分散粒子が凝集したり、粗大粒子に
なりやすいという欠点が生じる。
本発明において、上記の如きマクロマーの存在下に共重
合せしめられるビニル系単量体混合物は、必須成分とし
て、相互に反応して結合することができる相補的官能基
をそれぞれ有する少なくとも2種のビニル系単量体を含
有するものであるか、または多ビニル単量体を含有する
ものである。前者のビニル系単量体混合物における相互
に反応して結合することができる相補的官能基の組合せ
としては、例えば (i)エポキシ基/カルボキシル基 (ii)ヒドロキシル基/イソシアネート基 (iii)エポキシ基/アミノ基 (iv)イソシアネート基/アミノ基 等の組合せが挙げられる。しかして、そのような相互に
反応して結合することのできる相補的官能基をそれぞれ
有する2種以上のビニル系単量体の組合せとして具体的
に次のようなものが挙げられる: (i)の例としては、グリシジルアクリレートやグリシ
ジルメタクリレート等のエポキシ基含有単量体と、アク
リル酸やメタクリル酸等のカルボキシル基含有単量体と
の組合せ;(ii)の例としては、ヒドロキシエチルアク
リレートやヒドロキシエチルメタクリレート等の水酸基
含有単量体とイソシアネートエチルアクリレートもしく
はイソシアネートエチルメタクリレートやイソホロンジ
イソシアネート/ヒドロキシエチルアクリレートもしく
はヒドロキシエチルメタクリレート等量付加物等のイソ
シアネート基含有単量体との組合せ;(iii)の例とし
ては、前記エポキシ基含有単量体とアクリル酸アミノア
ルキルもしくはメタクリル酸アミノアルキル単量体との
組合せ;(iv)の例としては、前記イソシアネート基含
有単量体と前記アクリル酸アミノアルキルもしくはメタ
クリル酸アミノアルキル単量体との組合せ;等。
一方、多ビニル単量体重合性二重結合を1分子中に少な
くとも2個含有するビニル単量体であり、例えば、ジビ
ニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレート、イ
ソシアネートエチルアクリレート/ヒドロキシエチルア
クリレートもしくはヒドロキシエチルメタクリレート付
加物などが挙げられる。
前記した相補的官能基をそれぞれ有する少なくとも2種
のビニル系単量体は各々ビニル系単量体混合物中に少な
くとも0.5重量%以上、好適には0.5〜20重量%の範囲内
の濃度で存在し、また、上記多ビニル単量体もビニル系
単量体混合物中に少なくとも0.5重量%、好ましくは0.5
〜10重量%の範囲内の濃度で存在することができる。こ
れらのビニル系単量体は調製される重合体微粒子を架橋
させるための成分であり、その使用量および種類または
単量体の組合せ等は、製品の重合体微粒子に望まれる性
能に応じて任意に選択することができるが、特に好適な
ものとしては、前記(i)に記載した相補的官能基の組
合せを有するビニル系単量体および多ビニル単量体が挙
げられる。
また、ビニル系単量体混合物は必須成分としての前記の
相補的官能基をそれぞれ有する2種以上のビニル系単量
体または多ビニル単量体以外に、さらに共重合可能な他
の少なくとも1種のビニル系単量体を含有することがで
きる。使用し得る他のビニル系単量体としてはラジカル
重合性の不飽和単量体であれば特に制限はなく、各種の
ものを使用することができるが、その代表的なものを例
示すれば以下のとおりである。
(a)アクリル酸又はメタクリル酸のエステル;例え
ば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリ
ル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタ
クリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル等のアクリル
酸またはメタクリル酸のC1〜18アルキルエステル;グリ
シジルアクリレート、グリシジルメタクリレート;アリ
ルアクリレート、アリルメタクリレート等のアクリル酸
またはメタクリル酸のC2〜8アルレニルエステル;ヒ
ドロキシルエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタ
クリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロ
キシプロピルメタクリレート等のアクリル酸またはメタ
クリル酸のC2〜8ヒドロキシアルキルエステル;アリル
オキシエチルアクリレート、アリルオキシメタクリレー
ト等のアクリル酸またはメタクリル酸のC3〜18アルケ
ニルオキシアルキルエステル。
(b)ビニル芳香族化合物:例えば、スチレン、α−メ
チルスチレン、ビニルトルエン、p−クロルスチレンビ
ニルピリジン。
(c)α,β−エチレン性不飽和酸:例えばアクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸。
(d)その他:アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、メチルイソプロペニルケトン;酢酸ビニル、ベオバ
モノマー(シエル化学製品)、ビニルプロピオネート、
ビニルピバレートなど。
これらのビニル系単量体の中でも特に好適なものは上記
(a)のアクリル酸又はメタクリル酸のエステルであ
り、就中、メチルメタクリレートであり、該単量体は重
合に供されるビニル系単量体混合物中の少なくとも50重
量%以上を占めることが望ましい。
上記単量体混合物の重合はラジカル重合開始剤を用い、
それ自体既知のラジカル重合法に従つて行なうことがで
きる。使用可能なラジカル重合開始剤としては、例え
ば、2,2−アゾイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリルなどのアゾ系開始剤;
ベンゾイルパーオキシド、ラウリルパーオキシド<、te
rt−ブチルパーオクトエートなどの過酸化物系開始剤が
挙げられ、これら重合開始剤は一般に、重合に供される
単量体混合物100重量部当り0.5〜10重量部、好ましくは
0.3〜3重量部の範囲内で使用することができる。
本発明において用いられるマクロマーとビニル系単量体
混合物の使用割合は、臨界的なものではなく、それらの
種類等に応じて変えることができるが、マクロマーの使
用量が極端に少ないと粗大重合体粒子が生成し易く、得
られる分散液の安定性が劣る。他方、マクロマーの使用
量が過度に多くなると粒径の極めて小さい重合体粒子が
生成するが、このものを塗料に用いた場合レオロジーコ
ントロールの作用が弱まつたり、塗膜のつやびけを起こ
したりする欠点がある。従つて、マクロマー対ビニル系
単量体混合物の使用割合は重量百分率比で、一般に5/95
〜50/50、好ましくは10/90〜30/70の範囲内にあるのが
好都合である。
本発明の方法において分散媒として用いられる有機液体
には、生成する分散重合体粒子は実質的に溶解しない
が、前記マクロマー及びビニル系単量体混合物に対して
は良溶媒となる、実質的に水と混和しない有機液体が包
含される。かかる有機液体の好適具体例としては、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタン、ミネラルスピリツト等の石
油系脂肪族炭化水素が挙げられる。これらはそれぞれ単
独で使用することができ、または他の比較的極性の低い
有機溶媒(例えば、トルエン、キシレン、酢酸フチルな
ど)と混合して用いることができる。混合溶媒として用
いる場合には、上記石油系脂肪族炭化水素が溶媒混合物
の少なくとも60重量%を占めることが非常に望ましい。
本発明に従うマクロマーの存在下における上記有機液体
中でのビニル系単量体混合物の共重合は、それ自体既知
の方法(例えば、前掲の特許公報に記載の方法)を用い
て行なうことができ、重合時の反応温度としては一般に
60〜160℃の範囲内の温度を用いることができ、通常4
〜8時間で反応を終らせることができる。
本発明の架橋したゲル化重合体微粒子の調製方法として
は、例えば、予め分散重合体粒子を形成し、ついで第3
級アミン触媒を用いて分散重合体粒子内で相補的官能基
による架橋反応を行なわせる方法、或いは第3級アミン
触媒を予めビニル系単量体混合物又は有機液体中に混合
しておき、分散重合体粒子を形成する重合反応と併行し
て重合体粒子内の架橋反応を行なう方法を用いることが
できるが、後者の場合には重合系全体のゲル化を避ける
ため反応系中のビニル系単量体混合物の濃度を前者の方
法に比較して低くすることが望ましい。
前記した相補的官能基間の反応触媒として用いる第3級
アミン触媒は特に限定されるものでなく、例えばジメチ
ルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、N,N
−ジメチル−n−ドデシルアミンなどを挙げることがで
きる。
本発明の方法における重合反応の重要な要件は、有機液
体中の単量体濃度を小さくすること、および形成されつ
つある分散重合体粒子の粒子間距離を充分に大きくする
ことである。しかして、前者の要件に対して、単量体の
重合速度を早めるために重合開始剤の分解に必要な充分
な温度を与えることと単量体の供給速度を適当にコント
ロールすることが重要である。けだし、反応系中の単量
体濃度が著しく高くなると系全体がゲル化する恐れがあ
る。
また、後者の要件については、形成される分散重合体粒
子の濃度を一定濃度以上におさえることが重要であり、
具体的には、形成される分散重合体粒子の濃度が40重量
%以下、好ましくは30重量%以下となるように抑制しな
がら重合反応を完結させることが望ましい。分散重合体
粒子の濃度が40重量%を越えると、ゲル化したり粗大粒
子になりやすい。
得られるゲル化重合体微粒子分散液は、必要に応じて、
減圧下で溶媒の一部を除去し、最終的には40〜60重量%
の固形分濃度に調整して使用に供することができる。
本発明におけるゲル化重合体微粒子の形成過程は、まず
マクロマーとビニル系単量体がランダム共重合して分子
が成長して行くが、ある程度まで分子量が大きくなると
重合した単量体中のアルキル基およびマクロマー中の長
鎖の炭化水素鎖が有機液体中への親和性および共重合体
分子内部における局所的表面張力の違い等の作用によつ
て、自然に溶媒和成分を外側とする分散粒子が形成過さ
れて、自己安定化されたゲル化重合体微粒子を形成する
ものと推測される。
以上述べた本発明のゲル化重合体微粒子の分散液の製造
方法は、使用されるマクロマーが従来の分散安定剤と異
なり容易にかつ短時間で合成できるので、結果的に分散
液の製造時間を従来法の1/2〜1/3に短縮することが可能
であり、しかも得られる分散液は、極めて分散安定性に
優れており、従来法によつて得られる分散液と遜色のな
い性能を有し、塗料、成型品、接着剤、充てん剤等の用
途に利用することができる。
本発明により提供される分散液はそのままでも使用する
ことができるが、必要に応じて、着色剤、可塑剤、硬化
剤などを配合することもできる。着色剤として染料、有
機顔料、無機顔料が挙げられ、可塑剤としては公知のも
の、例えばジメチルフタレート、ジオクチルフタレート
などの低分子量可塑剤、或いはビニル重合体系可塑剤、
ポリエステル系可塑剤などの高分子量可塑剤が挙げら
れ、これらは分散液に混入して用いることもでき或いは
分散液の製造時において、ラジカル重合性単量体に溶解
しておき、生成分散液の分散重合体粒子中に分配させて
おくこともできる。また、硬化剤としては、アミノ樹
脂、エポキシ樹脂などの架橋剤が用いられうる。
以下、本発明を実施例及び比較例によつてさらに具体的
に説明する。実施例及び比較例において部及び%はいず
れも重量部及び重量%である。
実施例1 マクロマー(A)の合成 水分離器およびコンデンサーを備えた2リツトルのフラ
スコ中に、 12−ヒドロキシステアリン酸 740部 トルエン 132部 を仕込んで140℃に加熱し、12−ヒドロキシステアリン
酸が完全に溶解したのち、メタンスルホン酸1.5部を加
えて、約8時間、脱水縮合反応をつづけて、樹脂酸価2
9.5mgKOH/1g樹脂、数平均分子量1,800のP-12HSAを得
た。この樹脂溶液に、 p-tert−ブチルカテコール 0.7部 グリシジルメタクリレート 89.5部 N,N−ジメチル−n−ドデシルアミン 3.0部 を加えて、140℃で約8時間加熱をつづけて樹脂酸価が
0.3以下となるまで反応を行なつた。反応生成物を冷却
後、353部のミネラルスピリツトで希釈し固型分60%の
褐色透明なマクロマー(A)液を得た。
ゲル化重合体粒子の合成 コンデンサーを備えた5lフラスコ中に シエルゾール340(シエル石油社製炭化水素系溶媒)475
部 ヘプタン 855部 を仕込み、電熱マントルでヘプタンが還流する98℃まで
加熱する。このフラスコ内に、次の単量体混合物溶液を
定量ポンプを用いて5時間かけて均一のスピードで供給
した。
2,2−アゾイソブチロニトリル 8.5部 メチルメチクリレート 1059部 グリシジルメタクリレート 12.2部 アクリル酸 24.4部 スチレン 121.7部 60%マクロマー(A)液 507部 シエルゾール340 500部 ヘプタン 500部 N,N−ジメチル−n−ドデシルアミン 1.5部 上記単量体混合物溶液の供給終了後30分間熟成し、次に トルエン 495部 2,2−アゾイソブチロニトリル 2.4部 を1時間かけて滴下し、更に1.5時間熟成し、ゲル化重
合体微粒子分散液を得た。
ついで、還流によつて、分散液からヘプタン1304部を2
時間かけて回収し、分散液を濃縮した。
この分散粒子は、マクロマー(A)/単量体混合物の比
率が20/80であり、単量体混合物は、メチルメタクリレ
ート87%、スチレン10%、グリシジルメタクリレート1
%、アクリル酸2%の比率である。また、濃縮前の分散
液の濃度は35%である。
得られた分散液は、固型分50%の乳白色の粗大粒子を含
まない安定な分散液であり、COULTER COUNTER N-4モデ
ルによる平均粒子径は273nmであつた。また、この分散
液の少量をアセトン中に滴下して攪拌しても、粒子は架
橋していて溶解せず、白濁したアセトン中の分散粒子と
なつた。
実施例2 実施例1における単量体混合物中のビニル系単量体を下
記のものに代えた以外は、実施例1におけると同様の操
作を行なつた。なお、N,N−ジメチル−n−ドデシルア
ミンは加えなかつた。
メチルメタクリレート 1071部 スチレン 121.7部 エチレングリコール 24.4部 ジアクリレート 得られた分散液は、実施例1におけると同様に粗大粒子
を含まない安定な分散液であり、平均粒子径は310nmで
あつた。
比較例1 実施例1において、単量体混合物溶液中に配合されるヘ
プタン500部およびシエルゾール340 500部を除いた以外
は同じ単量体混合物溶液を用い、かつ3時間で単量体を
滴下して反応をおこなつたところ、反応の初期は、きれ
いな分散液となつたが、次第に増粘し、最終的には粒径
5〜15μmの粗大粒子を含む粘度の高い分散液となつ
た。このものは、冷却して放置すると、分散液の上層部
は透明層となつて、二層に分離する傾向がみられた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1000以上の数平均分子量を有す
    る12−ヒドロキシステアリン酸自己縮合物の末端カルボ
    キシル基にモノエポキシ基含有不飽和単量体を触媒の存
    在下に付加させるか、又は該自己縮合物の末端カルボキ
    シル基もしくは2級水酸基にイソシアネート基含有不飽
    和単量体を反応させることにより、分子内に平均して約
    1.0個の重合性二重結合を導入したマクロマーの存在下
    に、相互に反応して結合することができる相補的官能基
    をそれぞれ有する少なくとも2種のビニル系単量体を各
    々0.5重量%以上含有するビニル系単量体混合物、又は
    重合性二重結合を2個以上含有する多ビニル単量体を0.
    5重量%以上含有するビニル系単量体混合物を、それか
    ら形成される重合体を溶解しない有機液体中で共重合及
    び架橋反応せしめることを特徴とするゲル化重合体微粒
    子の分散液の製造方法。
JP61036517A 1986-02-22 1986-02-22 ゲル化重合体微粒子の分散液の製造方法 Expired - Lifetime JPH0730140B2 (ja)

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