JPH0618802B2 - 高屈折率重合体微粒子の分散液の製造方法 - Google Patents

高屈折率重合体微粒子の分散液の製造方法

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JPH0618802B2
JPH0618802B2 JP9123186A JP9123186A JPH0618802B2 JP H0618802 B2 JPH0618802 B2 JP H0618802B2 JP 9123186 A JP9123186 A JP 9123186A JP 9123186 A JP9123186 A JP 9123186A JP H0618802 B2 JPH0618802 B2 JP H0618802B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は屈折率の高い重合体微粒子分散液の製造方法に
関し、さらに詳しくは重合体分散微粒子の芯部分と連続
相部分の屈折率間に一定の差を設けることによって高屈
折率を付与せしめた重合体微粒子の分散液の製造方法に
関する。
従来の技術 従来から有機溶媒中で安定な重合体微粒子を製造する方
法として各種の方法が提案されている(例えば、特公昭
57−48566号公報、特公昭57−34846号公
報、特開昭59−161431号公報など参照)。これ
らの方法は、エチレン性不飽和単量体は溶解するが、そ
れから形成される重合体を殆んど溶解しない有機溶媒中
で、該有機溶媒に溶解する分散安定剤の存在下でエチレ
ン性不飽和単量体を重合することから成るものである。
上記の有機溶媒としては、一般にはヘキサン、ヘプタ
ン、ミネラルスピリット等の脂肪族炭化水素系溶媒の単
独もしくはこれら溶媒を主体としこれに比較的低極性の
他の溶媒を混合した混合溶媒が用いられている。従っ
て、使用される分散安定剤も前記脂肪族炭化水素系溶媒
に溶解しなければならないため、必然的に極性の低いも
の、または高分子といっても比較的分子量が低い範囲の
ものにその使用が限定されているのが実情である。この
ような分散安定剤の例としては、ポリ12−ヒドロキシ
ステアリン酸を溶解成分とするアクリルポリマーとのブ
ロックポリマー、ラウリル(メタ)アクリレート、ステ
アリル(メタ)アクリレート等の長鎖アクリルモノマー
を主体とするアクリルポリマーなどを挙げることができ
る。
このような分散安定剤を用いた重合体微粒子分散液(以
下、これを「NAD」と略称することがある)は、特に
耐溶剤性、耐候性等の高度の塗膜性能が要求される架橋
硬化型塗料に適用される場合前記低極性または低分子量
の分散安定剤の影響によって、満足な塗膜性能を付与す
ることができない。このため最少量の分散安定剤を使用
することによってNADを合成することも試みられてい
るが、重合体分散粒子の凝集、沈降を避けるにはある程
度以上の分散安定剤を使用しなければならず、それには
自ずから限界があり問題の解決に至っていないのが実情
である。
前記した状況に鑑み、分散安定剤を高極性化、高分子量
化する方法も検討されているが、この場合分散安定剤を
溶解する有機溶媒は必然的に極性溶媒(エステル系、ア
ルコール系)の比率を高くしたものでなければならな
い。然るにこのような極性の高い溶媒中で重合体微粒子
を形成させるには、該極性溶媒に比較して一定以上の極
性差を有する不飽和単量体の選択が必要となり、例えば
メチル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、水酸
基またはカルボキシル基含有不飽和単量体等からなる平
均の溶解性パラメーター値が高い単量体混合物を多量に
使用しなければならない。
上記方法によっても一応安定なNADが得られるが、こ
のNADを、熱硬化型塗料に適用した場合、特に不飽和
単量体としてアクリロニトリル、メチルアクリレートを
多く使用して得た重合体分散液の場合、耐黄変性が著し
く低下し、また水酸基又はカルボキシル基含有不飽和単
量体を多量に使用した場合には、耐水性、耐アルカリ性
等の塗膜性能が低下するという問題がある。このよう
に、極性の高いまたは高分子量の分散安定剤を用いて、
あるいは逆に重合体分散微粒子の芯部分を極性の低い不
飽和単量体を用いて、すなわちアクリロニトリル、メチ
ルアクリレート、水酸基含有単量体等を多量に使用し
て、安定なNAD、特に熱硬化型塗料に適用して優れた
塗膜性能を付与することができるNADを製造するには
限界があった。
また、最近に至って、連続相と分散粒子相からなる不均
一構造のプラスチックにおいて、その分散粒子相に高屈
折率を与えて独特の光学的効果、例えば特定波長の光を
透過、散乱させたり、光の透過率を適度に抑制させたり
する研究が行なわれている。このような目的にNAD技
術の利用、すなわち分散粒子相と連続相とで屈折率を相
違せしめたNADの利用が考えられる。
このようなNADを調製するに際して、例えばNADの
芯の部分(分散粒子相)を連続相より高い屈折率にする
には、不飽和単量体としてスチレン、ハロゲン置換スチ
レン、ベンゼン環を有する(メタ)アクリレート等の高
屈折率を有する単量体を多量の割合で使用しなげればな
らない。そして、これら高屈折率単量体は、アクリロニ
トリル、メチルアクリレート、水酸基含有単量体等に比
較して相対的に低極性であるため、それらを多量に用い
てNADを合成する場合、前記したと同様の問題が生
じ、高極性、高分子量の分散安定剤を用いた高性能のN
ADを製造することは従来不可能であると考えられてい
た。
本発明が解決しようとする問題点 本発明の1つの目的は、従来高極性及び/又は高分子量
の分散安定剤と、低極性の不飽和単量体とを用いては安
定なNADを製造することはできなかったという問題を
解決し、特に前記スチレン等の高屈折率を有する単量体
を多量に使用したNADを製造する方法を提供すること
である。
問題点を解決するための手段 本発明者らは、前記した問題を解決するため鋭意研究を
重ねた結果、今回、該問題はNAD製造時の分散媒とし
て特定組成の有機混合溶媒を用いることによって解決す
ることができることを見い出し、本発明を完成するに至
った。
かくして、本発明に従えば、不飽和ビニル系単量体は溶
解するが、それから形成される重合体を溶解しない下記
(a)と(b)の有機混合溶媒、すなわち (a)溶解性パラメーター(SP値)が7.0〜8.2の範囲内
で沸点が60〜130℃の範囲内にある炭化水素系溶媒
50〜75重量%と、 (b)溶解性パラメーター(SP値)が8.3以上で且つ前記
(a)よりも沸点が少なくとも10℃高い芳香族溶媒もし
くは極性有機溶媒50〜25重量% の有機混合溶媒中で、該混合溶媒に室温(25℃)では
殆んど溶解しないが50℃以上で溶解することができ且
つ構成単量体の重量基準での平均屈折率(▲n20 D▼)が1.
4950以下であるビニル系高分子分散安定剤の存在下に、
重量基準での平均屈折率(▲n20 D▼)が1.5050以上である
不飽和ビニル系単量体混合物を共重合せしめて分散重合
体微粒子を形成し、ついで前記有機混合溶媒中の芳香族
系溶媒もしくは極性有機溶媒(b)の割合をたかめること
を特徴とする平均粒子径が0.01〜1.0μの範囲内にある
高屈折率重合体微粒子の分散液の製造方法が提供され
る。
本明細書において「重量基準での平均屈折率(▲n
20 D▼)」は、共重合体を構成する各単量体の屈折率(▲n
20 D▼)をそれぞれn1、n2、n3、・・・・・、そしてその重
量分率をa1、a2、a3・・・・・とした場合に、下記式 (n×a)+(n×a)+(n×a)+・・・・・ で求められる値である。
以下、本発明の構成についてさらに詳細に説明する。
[有機混合溶媒] 本発明の方法で用いる有機混合溶媒を構成する炭化水素
溶媒(a)は、SP値が7.0〜8.2、好ましくは7.2〜8.0の
範囲内にあり且つ沸点が60〜130℃、好ましくは7
0〜120℃の範囲内にある、脂肪族系、脂環式系、ナ
フテン系などの炭化水素溶媒であり、より具体的には下
記表Aに示す溶媒を挙げることができる。
上記した溶媒は単独で使用することができ、または2種
以上混合して用いることもできる。
また、本発明における有機混合溶媒を構成するもう一方
の成分である芳香溶媒もしくは極性溶媒(b)は、SP値
が8.3以上で、且つ前記溶媒(a)よりも沸点が10℃以上
高い芳香族溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エー
テル系溶媒、アルコール系溶媒などであり、具体的には
下記表Bに示す溶媒を挙げることができる。
上記した溶媒は単独でもしくは2種以上混合して使用す
ることができる。
なお、本発明において特定する前記溶媒のSP値及び沸
点は、Journal of Paint Technology 42[541]
76〜102(1970)“New Values of the Solubi
lity Parameters from Vapor Pressure Data”に記載さ
れた数値に基づくものである。
前記した溶媒(a)と溶媒(b)の混合割合は、溶媒(a)50
〜75重量%、好ましくは60〜70重量%に対し、溶
媒(b)50〜25重量%、好ましくは40〜30重量%
の割合である。該混合溶媒中の溶媒(a)が50重量%未
満、すなわち溶媒(b)が50重量%を超えると、重合体
微粒子を形成するときの溶剤の平均のSP値が高くなり
すぎて、極性の低い単量体を多量に用いたNAD粒子は
膨潤して著しく粒径の大きなものとなり凝集体(ブツ)
を形成する可能性がある。他方、溶媒(a)が75重量%
を超えると、50℃以上に加熱しても分散安定剤は、通
常溶解せず、重合体微粒子形成の際の粒子間の凝集を避
けるための立体反撥層となり得ず、系全体が大きな凝集
体となる可能性がある。
本発明において溶媒(a)として好適に用いられるもの
は、例えばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどで
あり、他方、溶媒(b)として好適に用いられるものは、
例えばキシレン、メチルイソブチルケトン、エチルブチ
ルケトン、セロソルブ、ブチルセロソルブ、n−ブチル
アルコール、2−エチルヘキシルアルコールなどであ
る。また、溶媒(a)と(b)の好適な組合せ系は、例えばヘ
プタン/n−ブチルアルコール系ヘプタン/ブチルセロ
ソルブ系、ヘプタン/キシレン系などを挙げることがで
きる。
本発明の方法において用いられるビニル系高分子分散安
定剤は、前記した有機混合溶媒には室温で殆んど溶解し
ないが、50℃以上で溶解することが可能なものであっ
て、且つ構成単量体の重量基準での平均屈折率(▲n20 D
▼)が1.4950以下のものである。そのようなビニル系高
分子分散安定剤の好適な例は、(メタ)アクリル酸の
(ヒドロキシ)アルキルエステル系単量体[例えば、後
記(イ)のメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)
アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレートなど]を少なくとも50重量%、好ましくは6
0〜80重量%含有する数平均分子量が2,500〜50,00
0、好ましくは3,000〜30,000のビニル系共重合体であ
る。該ビニル系共重合体に後記(イ)の単量体単位以外に
(ロ)〜(ニ)単量体も含有することがきる。
前記ビニル系高分子分散安定剤には、分散重合体粒子と
の化学的結合を生じさせるために分子内に平均して約1.
0個の重合性二重結合を導入することが好ましい。分散
安定剤と分散重合体粒子とを化学的に結合させることに
よって分散安定剤が粒子表面から脱着して、NADを凝
集、沈降させるという問題を完全に除くことができる。
ビニル系高分子分散安定剤への重合性二重結合の導入
は、ビニル系共重合体を調製する際に共重合成分として
水酸基、カルボキシル基等の官能基含有不飽和単量体を
使用して共重合体に予め水酸基、カルボキシル基等の官
能基を導入しておき、この官能基にグリシジル(メタ)
アクリレートや、イソシアネート基含有不飽和単量体
(例えば、イソシアネートメチルアクリレート、イソシ
アネートエチルメタクリレート、ジイソシアネートとヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレートとの等モル付加
物など)を反応させることによって行なうことができ
る。重合性二重結合の導入量は1分子当り平均して約1.
0個であって、それ以上の導入はNADの製造中に反応
系全体がゲル化する恐れがあるので避けるべきである。
なお、前記したビニル系高分子分散安定剤の数平均分子
量が2,500より著しく低いと、塗膜性能面で劣ることは
勿論、得られるNAD粒子が凝集したり、粗大粒子にな
りやすいという欠点がある。他方、数平均分子量が50,0
00を超えると、50℃以上に加熱しても有機混合溶媒中
に溶解せず分散安定剤の役割を果せなくなる。
また、本発明により得られるNADをアミノ樹脂、ポリ
イソシアネート、ポリエポキシド等の硬化剤と一緒に熱
硬化型塗料に適用する場合、ビニル系高分子分散安定剤
中に水酸基、カルボキシル基などの官能基を導入するこ
とが通常有利である。硬化剤としては一般にアミノ樹脂
及びポリイソシアネートが用いられるため、ビニル系高
分子分散安定剤中には通常水酸基を導入することが望ま
しい。このためビニル系高分子分散安定剤を調製する際
のビニル系単量体成分として、水酸基含有(メタ)アク
リレート系単量体(例えば2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート)を全単量体の5〜40重量%、好適
には10〜20重量%使用するのが好都合である。
さらに、高屈折率を有するNADを調製するには、NA
Dの芯の部分と連続相の部分とでその屈折率を異なるよ
うにしなければならず、好適には、両者間の平均屈折率
(▲n20 D▼)の差を少なくとも0.010、特に0.010〜0.200
の範囲に調整することが重要である。本発明の好適態様
においては、NADの芯の部分には通常スチレン等の高
屈折率を有する単量体が使用されるため、連続相を形成
するビニル系高分子分散安定剤の屈折率を芯よりも低く
しなければならず、具体的にはビニル系高分子分散安定
剤を構成する単量体の重量基準での平均屈折率が1.4950
以下、好ましくは1.4950〜1.3900の範囲になるように調
整される。
以上述べたビニル系高分子分散安定剤及び有機混合溶媒
の存在下に重合せしめられる不飽和ビニル系単量体は、
単量体混合物の重量基準での平均屈折率が1.5050以上、
好ましくは1.5100〜1.6700になるような範囲で適宜選択
される。平均屈折率が1.5050以上である不飽和ビニル系
単量体としては、例えばスチレン、tert−ブチルスチレ
ン、オルトクロロスチレン等のスチレン及び置換スチレ
ン類;シクロヘキシルメタクリレート、2−シクロヘキ
シル−シクロヘキシルメタクリレート等のシクロアルキ
ルメタクリレート類;フエニルメタクリレート、p−ブ
ロモフエニルメタクリレート、ベンジルメタクリレー
ト、ペンタクロロフエニルメタクリレート、α−ナフチ
ルメタクリレート、ο−ビフエニルメタクリレート等の
芳香族環を有するメタクリレート類;ビニルピロリド
ン、ビニルピリジン等の含窒素複素環を有するビニル系
単量体;その他イソボロニルメタクリレートなどを挙げ
ることができる。
前記した高屈折率を有する不飽和ビニル系単量体の中で
もスチレン、オルトクロルスチレン、フエニルメタクリ
レート、ベンジルメタクリレート、0−ビフエニルメタ
クリレートなどが好適である。
また、前記した1.5050以上の高屈折率を有する不飽和ビ
ニル系単量体以外のラジカル重合性不飽和単量体も単量
体混合物の平均屈折率が1.5050以上を維持する限り特に
制限もなく各種のものを併用することができ、その代表
的なものを例示すれば以下のとおりである。
(イ)アクリル酸又はメタクリル酸のエステル;例えば、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸
イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)ア
クリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メ
タ)アクリル酸ラウリル等のアクリル酸またはメタクリ
ル酸のC1〜18アルキルエステル;グリシジルアクリ
レート、グリシジルメタクリレート;アリルアクリレー
ト、アリルメタクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト等のアクリル酸又はメタクリル酸のC2〜8ヒドロキ
シアルキルエステルなど。
(ロ)ビニル芳香族化合物:例えばα−メチルスチレン、
ビニルトルエンなど。
(ハ)α,β−エチレン性不飽和酸:例えばアクリル酸、
メタクリル酸、イタコン酸など。
(ニ)その他:アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
メチルイソプロペニルケトン;酢酸ビニル、ベオバモノ
マー(シエル化学製品)、ビニルプロピオネート、ビニ
ルピバレートなど。
これらの単量体の中で特に好適なものは、アクリル酸又
はメタクリル酸のエステルである。
前記した重合に供される単量体のうち、1.5050以上の高
屈折率を有する不飽和ビニル系単量体を全単量体の少な
くとも30重量%、好ましくは45〜70重量%使用す
ることが高屈折率の粒子を提供するという点から望まし
い。また、重合に供される単量体として少量の多ビニル
単量体(例えばジビニルベンゼン、エチレングリコール
ジアクリレートなど)を使用するか又はグリシジル(メ
タ)アクリレートと(メタ)アクリル酸の組合せの如く
相互に反応することができる単量体を使用して重合体分
散粒子の形成終了と同時に粒子内部を架橋させることが
できる。このような手段を用いれば、NADの製造にお
いて低沸点溶媒が除去されて極性溶媒の占める割合が大
きくなっても生成した重合体分散粒子が破壊されること
がないので有効である。
勿論、粒子内部を架橋させなくても、溶媒(b)の選択や
溶媒(a)の回収割合をコントロールすることによっても
安定な分散液を得ることができる。
前記した多ビニル単量体の使用量は全単量体の0.1〜5.0
重量%、好ましくは0.5〜2.0重量%の範囲内が適当であ
り、他方、後者のグリシジル(メタ)アクリレートと
(メタ)アクリル酸の組合せの使用量は、それぞれ0.5
〜10.0重量%、好ましくは0.5〜5.0の重量%の範囲内が
好都合である。
上記単量体の重合はラジカル重合開始剤を用いて行なわ
れる。使用可能なラジカル重合開始剤としては、例え
ば、2,2−アゾイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリルなどのアゾ系開始剤;
ベンゾイルパーオキシド、ラウリルパーオキシド、tert
−ブチルパーオクトエートなどの過酸化物系開始剤が挙
げられ、これら重合開始剤は一般に、重合に供される単
量体100重量部当り0.5〜10重量部、好ましくは0.5
〜5重量部の範囲内で使用することができる。
また、前記の高分子分散安定剤の使用量は、一般には、
重合すべき単量体と高分子分散安定剤の総量を基準にし
て3〜70重量%、好ましくは5〜45重量%の範囲内
が好都合である。
さらに、溶媒(a)を回収する前または溶媒(b)を追加する
前の前記有機液体中における単量体と高分子分散安定剤
の合計濃度は一般に30〜60重量%、好ましくは30
〜50重量%であるのが望ましい。
重合はそれ自体既知の方法で行なうことができ、重合時
の反応温度としては一般に60〜160℃の範囲内の温
度を用いることができ、通常1〜15時間で反応を終ら
せることができる。
ついで、反応系を室温まで冷却させた場合においても、
分散安定剤が充分に溶解して、粒子間の凝集を防ぐに充
分な大きさの立体反撥層を形成することができる溶解力
を示す混合溶媒となるまで低極性溶媒[溶媒(a)]を回
収することにより、有機混合溶媒中の溶媒(b)の割合を
高める。この場合の最終固形分濃度は一般に50〜70
重量%である。
他方、前記のように低極性溶媒を回収するかわりに、分
散安定剤を溶解する極性有機溶媒[溶媒(b)]を反応系
に添加することによっても重合体粒子の安定性を高める
こともできる。
かくして製造されるNADは、その平均粒子径が、0.01
〜1.0μの範囲内のものであるが、殆んどは0.01〜0.05
μの範囲に入る微粒子を主体とするものである。
作用及び効果 本発明において、特定の有機混合溶媒、すなわちSP値
が7.0〜8.2、沸点60〜130℃の炭化水素系溶媒(貧
溶媒)を45〜70重量%含有する有機混合溶媒を用い
て、重合体分散粒子の合成を60〜160℃の高められ
た温度で行なうことによって、50℃以下の温度では溶
解し得ないような高極性のビニル系高分子分散安定剤を
使用することができ、また、反応終了後、分散安定剤お
よび分散粒子の両方に対する貧溶媒を除去するか又は極
性溶媒を添加して分散液中の極性溶媒の割合を高めるこ
とによって分散安定剤の溶解力を増大させ室温もしくは
それ以上の温度においてもビニル系高分子分散安定剤が
充分に拡散する程度に溶解させる。その結果、重合体分
散粒子(芯の部分)の周囲に充分な強さの立体反撥層が
形成されるので、粒子の凝集、沈降を起さない安定なN
ADが従来不可能であった高極性ビニル径高分子分散安
定剤と低極性、高屈折率のビニル系単量体(芯成分)と
の組合せから合成することが可能となった。
かくして得られるNADの粒子ポリマーの分子量は、通
常100,000〜1,000,000と高分子量であるため、分散系の
溶媒が前記したように良溶媒化しても、分散粒子が溶解
して破壊や凝集したりすることもない。
実施例 以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明す
る。実施例中、部および%は重量部および重量%を示
す。
実施例1 (i)高分子分散安定剤(A)の合成 キシレン100部を加熱し、120℃で下記の単量体及
び重合開始剤を3時間で滴下し、滴下後2時間熟成す
る。
メチルメタクリレート 10部 n−ブチルメタクリレート 57部 ラウリルメタクリレート 10部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 20部 メタクリル酸 3部 2,2−アゾイソブチロニトリル 2部 かくして得られるアクリル樹脂ワニスは不揮発分50
%、粘度(ガードナー粘度計、25℃)M、及び数平均
分子量7,500(重量平均分子量16,500)である。ついで
前記ワニスに グリシジルメタクリレート 1部 4−tert−ブチルピロカテコール 0,02部 ジメチルアミノエタノール 0.1部 を加えて還流反応を5時間行ない、1分子当り0.9個
(樹脂酸価により測定)の重合性二重結合を導入する。
この高分子分散安定剤の平均屈折率▲n20 ▼は、1.
4299、SP値は8.8である。
(ii)重合体微粒子分散液(A)の合成 フラスコに、 ヘプタン 100部 分散安定剤(A)液 86部 を仕込み徐々に加熱し約60℃で透明に溶解せしめ(常
温では溶解せず沈澱する)、さらに98℃の還流温度迄
加温して下記の単量体及び重合開始剤を4時間かけて滴
下する。滴下後さらに2時間熟成した後、減圧下で47.6
部のヘプタンを回収する。
スチレン 70部 2−ヒドロキシエチルアクリレート 28部 メタクリル酸 2部 2,2−アゾイソブチロニトリル 0.7部 かくして、不揮発分60%、粘度N、粒径0.1〜0.25μ
m(電子顕微鏡による測定)の白色の安定な低粘度重合
体微粒子分散液が得られる。この分散微粒子の平均屈折
率は1.5175、SP値9.61である。分散安定剤(連続相)
と分散微粒子(芯部分)との割合は20/80(重量
比)であり、両者の屈折率の差は0.0876である。
かくして得られる分散液をガラス板上に塗布して、室温
において溶媒を蒸発させたところ白色の殆んど不透明な
高度につやのある塗膜が得られた。
実施例2 実施例1の分散液(A)の合成において、重合に供される
単量体を下記のものと代えた以外は実施例1と同様の方
法で重合体微粒子分酸液を合成した。
メタクリル酸ベンジル 40部 オルト−クロロスチレン 47部 2−ヒドロキシエチルアクリレート 20部 メタクリル酸 3部 かくして得られる分散液は、不揮発分60%、粘度M、
粒径0.2〜0.3μの安定なものであった。この分散微粒子
の▲n20 ▼は1.6813である。
実施例3 実施例1の分散液(A)の合成において、重合に供される
単量体を下記のものと代えた以外は実施例1と同様の方
法で重合体微粒子分散液を合成した。
スチレン 40部 メタクリル酸ベンジル 47部 2−ヒドロキシエチルアクリレート 20部 メタクリル酸 2部 グリシジルメタクリレート 1部 ジメチルアミノエタノール 0.01部 かくして得られる分散液は、不揮発分60%、粘度P、
粒子径0.1〜0.3μの白色の安定な分酸液であった。この
分酸微粒子の▲n20 ▼は1.6693である。この分散液
の少量を多量のアセトン中に混入したところ、粒子は溶
解せず均一な分散体となり粒子が架橋されていることが
確認できた。
このものをガラス板に塗布して溶媒を蒸発させたところ
白濁した高度につやのある塗膜が得られた。
比較例 実施例1において、47.6部のヘプタンを回収せず、溶媒
中の芳香族系溶媒(キシレン)の割合を高める手段を講
じない以外は、実施例1と全く同様の方法で重合体微粒
子分散液を調製した。かくして得られる分散液は室温に
おいて粒子が凝集、沈降を起こし、安定な分散液が得ら
れなかった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不飽和ビニル系単量体は溶解するが、それ
    から形成される重合体を溶解しない下記(a)と(b)
    の有機混合溶媒、すなわち (a)溶解性パラメーター(SP値)が7.0〜8.2の範囲
    内で且つ沸点が60〜130℃の範囲内にある炭化水素
    系溶媒50〜75重量%と、 (b)溶解性パラメーター(SP値)が8.3以上で且
    つ前記(a)よりも沸点が少なくとも10℃高い芳香族
    溶媒もしくは極性有機溶媒50〜25重量% の有機混合溶媒中で、該混合溶媒に室温では殆んど溶解
    しないが50℃以上で溶解することができ且つ構成単量
    体の重量基準での平均屈折率(▲n20 ▼)が1.4950
    以下である、分子内に平均して1個の重合性二重結合を
    有する水酸基官能性アクリル樹脂分散安定剤の存在下
    に、重量基準での平均屈折率(▲n20 ▼)が1.5050
    以上である不飽和ビニル系単量体混合物を共重合せしめ
    て分散重合体微粒子を形成し、ついで前記有機混合溶媒
    中の芳香族系溶媒もしくは極性有機溶媒(b)の割合を
    高めることを特徴とする平均粒子径が0.01〜1.0μの範
    囲内にある高屈折率重合体微粒子の分散液の製造方法。
  2. 【請求項2】溶媒(a)がヘキサン、ヘプタンまたはシ
    クロヘキサンである特許請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】溶媒(b)がキシレン、メチルイソブチル
    ケトン、エチルブチルケトン、セロソルブ、ブチルセロ
    ソルブ。m−ブチルアルコールまたは2−エチルヘキシ
    ルアルコールである特許請求の範囲第1項記載の方法。
  4. 【請求項4】有機混合溶媒中の溶媒(a)の一部もしく
    は全部を加熱下または減圧下において除去するか、或い
    は有機混合溶媒中にさらに溶媒(b)を加えることによ
    って該有機混合溶媒中の溶媒(b)の割合を高める特許
    請求の範囲第1項記載の方法。
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