JPH0730077B2 - 6−アルキルチオ−カルバペネム誘導体 - Google Patents

6−アルキルチオ−カルバペネム誘導体

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JPH0730077B2
JPH0730077B2 JP62145335A JP14533587A JPH0730077B2 JP H0730077 B2 JPH0730077 B2 JP H0730077B2 JP 62145335 A JP62145335 A JP 62145335A JP 14533587 A JP14533587 A JP 14533587A JP H0730077 B2 JPH0730077 B2 JP H0730077B2
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acid
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祐之助 長瀬
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はカルバペネム系抗生物質に関し、さらに詳細に
はカルバペネム骨格の1位にβ‐配置のアルキル基が導
入され、更に6位にアルキルチオ基またはそのS-オキサ
イド基を導入した6-アルキルチオ‐カルバペネム誘導体
に関する。
[従来の技術と問題点] 従来より、種々の抗菌活性を目的として次式(A): で示されるカルバ−2−ペネム−3−カルボン酸を基本
骨格とするカルバペネム系抗生物質は多数提案されてい
る。
例えば初期のカルバペネム系抗生物質は、ストレプトミ
セス・カトレア(Streptomyces cattleya)の発酵より
得られる次式(B): で示されるチエナマイシンのような天然由来のカルバペ
ネム化合物である。このチエナマイシンは広範囲にわた
るグラム陽性菌、グラム陰性菌に対し、優れた抗菌スペ
クトラムを有し、有用性の高い化合物としてその開発が
期待されたものの、化学的安定性が悪く、実用化される
までには至っていない。
そのため多くの研究者は、上記式で示されるチエナマイ
シンの抗菌活性を保有し且つその化学的安定性が確保さ
れたカルバペネム化合物を開発するために努力し、その
結果、チエナマイシンの2位側鎖のアミノ基をホルムイ
ミドイル化した次式(C): で示されるイミペネム(imipenem;INN)が実用的抗菌剤
として登場するに至った。
しかし、上記式(C)で示されるイミペネムは、チエナ
マイシンより優れた抗菌活性を示し、化学的安定性はあ
る程度確保されているものの、生体内において腎デヒド
ロペプチターゼ(DHP)により分解不活性化が短時間の
うちに生じてしまうという欠点を有している。そのため
イミペネムは単独で投与がすることができず、DHP阻害
剤と併用し、その分解不活性化を抑制してやらなければ
ならない。したがって、この化合物の実際的製剤はDHP
阻害剤の一種であるシラスタチン(cilastatin;INN)を
併用したイミペネム/シラスタチンの配合処方となって
いる。
しかしながら臨床的に使用される実用的な抗菌剤として
は、抗菌剤本来の抗菌活性がそのまま発揮されるのが好
ましく、また併用するDHP阻害剤が生体内の他の組織に
おいて好ましからざる副作用を発揮するおそれがあるこ
とも考えられるので、配合処方は極力回避した方がよい
ことはいうまでもない。そのため抗菌活性と同時にDHP
に対する耐性をも保有するカルバペネム化合物の開発が
強く要望されている。
最近に至り上述の目的を達成しうるものとして、カルバ
ペネム骨格の1位にメチル基を導入した1−メチルカル
バペネム化合物が種々提案されており、これら化合物は
抗菌活性が優れているとともに、DHPによる分解不活性
化に対する抵抗性が著しく改善され、有用性が高いもの
であると報告されている。
上述のカルバペネム化合物は、いずれも前記式[A]で
示されるカルバ‐2-ペネム‐3-カルボン酸の6位にヒド
ロキシエチル基が導入された化合物であり、基本的には
天然由来のカルバペネム系抗生物質の系列に属するもの
である。
本発明者らはこれら天然由来系列の6-(ヒドロキシエチ
ル)‐カルバペネム化合物とは全く観点の異なる概念の
もとに新規なカルバペネム化合物の検索を検討し、その
結果カルバペネム骨格の6位置換基としてアルキルチオ
基を導入し、更に1位にベータ基配置のアルキル基を導
入した化合物に優れた抗菌活性のあることを新規に見出
し、本発明を完成した。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、強力な抗菌活性ならびにβ−ラクタマーゼ阻
害作用等を有するとともに、腎デヒドロペプチダーゼに
対する優れた耐性を有するカルバペネム化合物を提供す
るものであり、より具体的には、これまで詳細に検討さ
れていない1位がβ−配置で低級アルキル置換され、更
に6位にアルキルチオ基を導入したカルバペネム化合物
に関する。
すなわち、本発明は次式(I): 式中、R1およびR2は低級アルキル基を表わし、R3はアゼ
チジニル基、ピロリジニル基または置換もしくは非置換
アルキル基を表わす、 で示される6-アルキルチオ‐カルバペネム誘導体、その
S-オキサイドならびにそれらの薬理学的に許容される塩
を提供するものである。
本発明で提供する前記式(I)で示されるカルバペネム
化合物は、基本的には以下に述べる方法により製造する
ことができる。
反応式A: 式中、R1、R2およびR3は前記定義のとおりであり、R4
カルボキシ保護基を表わし、Raはアシル基を表わす。
すなわち、式IIで示される二環性ケトカルボン酸化合物
にRaOHの反応性誘導体を作用させ、式IIIで示される化
合物となし、次いでこの式IIIの化合物に次式 HS−R3 で示されるメルカプト試薬を反応させ、式IVで示される
化合物となし、次いで該化合物から保護基R4、あるいは
若し置換基R3に保護基が存在するのならばこれらの保護
基をも除去し本発明の式Iで示されるカルバペネム化合
物へ誘導することができ、更にこの化合物をS-オキサイ
ド体とすることにより式1−aで示されるカルバペネム
化合物へ誘導することができる。
なお、本反応式Aで出発化合物となる式IIで示される化
合物は、下記反応式Bに示す方法に従って製造すること
ができる。
反応式B: 式中、R1、R2およびR4は前記定義のとおりであり、R5
アミノ基の保護基を表わす。
すなわち、すでに本発明者らによって提案(特開昭62−
53986号)されている方法に従って製造される式Vで示
される化合物を出発原料とし、このアゼチジノン骨格の
3位にアルキルチオ基を導入し、式VIで示される化合物
となしたのち、アミノ基の保護基R5を除去し式VIIで示
される化合物とし、次いでこの化合物VIIにMg(OOCCH2CO
OR4)2を作用させ式VIIIで示される化合物とする。次い
で式VIIIの化合物に塩基の存在下アジド化合物を作用さ
せ、ジアゾ化合物IXとしたのち、金属触媒の存在下に環
化反応を行ない、式IIで示される化合物が製造される。
なお、本明細書において、「低級」なる語は、この語が
付された基または化合物の炭素原子数が1〜7個、好ま
しくは1〜4個であることを意味する。
「低級アルキル基」は直鎖状または分岐鎖状のいずれで
あってもよく、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する
ことができ、例えメチル、エチル、n−プロピル、イソ
プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ter
t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシ
ル、イソヘキシル基等が包含される。
「カルボキシル保護基」としては、例えばエステル残基
を例示することができ、かかるエステル残基としてはメ
チル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−,iso
−,sec−,tert−ブチル、n−ヘキシルエステル等の低
級アルキルエステル残基;ベンジル、p−ニトロベンジ
ル、o−ニトロベンジル、p−メトキシベンジル等のア
ラアルキルエステル残基;アセトシキメチル、プロピオ
ニルオキシメチル、n−,iso−,ブチリルオキシメチ
ル、ピバロイルオキシメチル等の低級脂肪族アシルオキ
シメチル残基等が挙げられる。
また、「アシル基」は、単に有機カルボン酸のカルボキ
シル基から0Hを除いた残りの原子団のみならず、広義
に、有機スルホン酸や有機リン酸から誘導されるアシル
基をも包含され、例えばアセチル、プロピオニル、ブチ
リル等の低級アルカノイル基;メタンスルホニル、トリ
フルオロメタンスルホニル等の(ハロ)低級アルキルス
ルホニル基;ベンゼンスルホニル、p−ニトロベンゼン
スルホニル、p−ブロモベンセンスルホニル、トルエン
スルホニル、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホ
ニル等の置換もしくは未置換のアリールスルホニル基;
ジフエニルホスホリン基等が挙げられる。
以下、前記反応式BおよびAにより示される本発明の式
Iで示されるカルバペネム化合物の製造の各工程をさら
に詳細に説明する。
工程(a)は、式Vで示されるアゼチジノン化合物を、
アルキル金属触媒の存在下にアルキルチオスルホン酸エ
ステルと反応させ、アゼチジノン骨格の3位にアルキル
チオ基を導入し、式VIIで示される化合物を得る工程で
ある。反応では、通常反応に不活性な溶媒中、例えば、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル
類;トルエン、キシレン、シクロヘキサン等の炭化水素
類;ジクロルメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化
水素類など、特にテトラヒドロフラン中で好適に実施す
ることができる。また、反応温度は厳密に制限されるも
のではなく、使用する出発原料等に応じて広範に変える
ことができるが、一般には約−100℃ないしほぼ室温程
度、好ましくは約−78℃〜約0℃の比較的低温が使用さ
れる。
本反応は、アルキル金属触媒の存在下に実施され、その
ような触媒としてはブリチリチウム、リチウムジイソプ
ロピルアミド等が挙げられ、これら触媒は一般に化合物
V1モル当り約2〜3モル等量、好ましくは2.2〜2.5等量
の割合で使用することができる。また反応に使用するア
ルキルチオスルホン酸エステルとしては、本発明の式I
で示されるカルバペネム化合物の置換基R1S-に相当する
のが種々選択されるが、例えば以下のものを例示するこ
とができる。
メタンチオスルホン酸メチルまたはエチルエステル エタンチオスルホン酸メチルまたはエチルエステル n-プロピルチオスルホン酸メチルまたはエチルエステル iso-プロピルチオスルホン酸メチルまたはエチルエステ
ル n-ブチルチオスルホン酸メチルまたはエチルエステル iso-ブチルチオスルホン酸メチルまたはエチルエステル tert-ブチルチオスルホン酸メチルまたはエチルエステ
ル 工程(b)は、工程(a)で得た式VIで示される化合物
のアミノ基の保護基R5を酸の存在下に除去し、式VIIで
示される化合物を得る工程である。
この場合の式VIの化合物におけるアミノ基の保護基R5
しては、tert-ブチルジメチルシリル基が好ましくは汎
用され、かかるR5の除去は式VIの化合物をメタノール、
エタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサンのような溶媒中で、塩酸、硫酸フッ化水素酸、
酢酸などのな酸の存在下に、0〜100℃の温度で0.5〜18
時間酸性加水分解することにより実施することができ
る。
かかる工程により、目的とする式XIIで示される化合物
を定量的に得ることができる。
工程(c)は、前記工程(b)で製造される式VIIで示
されるアゼチジノン化合物を、イミダゾールの存在下に
式(R4OOCH2CO2)2Mgで表わされるマグネシウムマロネー
ト化合物と反応させ、式VIIIで表わされる化合物を得る
工程である。
反応は好ましくは不活性有機溶媒中で行なわれ、例えば
エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテ
ル系溶媒;トルエン、キシレン、シクロヘキサン等の炭
化水素系溶媒;ジクロルメタン、クロロホルム等のハロ
ゲン化炭化水素系溶媒;アセトニトリル等などを挙げる
ことができるが、特にテトラヒドロフランが好適に使用
される。
反応温度は厳密に制限されるものではなく、使用する出
発原料等に応じて広範に変えることができるが、一般に
約0℃ないしほぼ100℃程度、好ましくは50〜70℃の温
度が使用される。
式VIIの化合物に対するマグネシウムマロネート化合物
の使用量はほぼ等モル量が使用され、反応は50時間程
度、好ましくは20時間程度で完了する。
なお、使用するマグネシウムマロネート化合物として
は、例えば、パラニトロベンジルマグネシウムマロネー
ト、ベンジルマグネシウムマロネート、メチルマグネシ
ウムマロネート等を挙げることができるが、なかでもパ
ラニトロベンジルマグネシウムマロネートを用いるのが
好ましい。
工程(d)では、工程(c)で得られる式VIIIで示され
る化合物を、塩基の存在下に、前記工程(b)で述べた
と同様の不活性有機溶媒中でアジド化合物で処理し、目
的とする式IXのジアゾ化合物を得る。
使用されるアジド化合物としては、例えば、p−カルボ
キシベンゼンスルホニルアジド、トルエンスルホニルア
ジド、メタンスルホニルアジド、ドデシルベンゼンスル
ホニルアジドなどを挙げることができ、また、塩基とし
ては、トリエチルアミン、ピリジン、ジエチルアミンな
どの塩基を例示することができる。
反応は、好ましくはトリエチルアミンの存在下アセトニ
トリル中で、p−トルエンスルホニルアジドを加え、0
〜100℃、好ましくは室温で1〜50時間処理することに
より行なうことができ、これによって高収率で目的とす
る式IXのジアゾ化合物を得ることができる。
工程(e)は工程(d)で得られる式IXのジアゾ化合物
を環化し、式IIで示される化合物とする工程である。該
工程は好適には、例えば式IXの化合物を、ベンゼン、ト
ルエン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、酢酸エ
チル、ジクロルメタンなどのような不活性溶媒中、好ま
しくはトルエン中で、25〜110℃の温度において1〜5
時間、ビス(アセチルアセトナス)Cu(II)、CuSO4
銅粉末、Rh2(OCOCH3)4、ロジウムオクタノエートまたは
Pb(OCOCH3)4のような金属カルボキシレート化合物など
の金属触媒の存在下で処理することにより実施される。
一方別の方法として、上記環化工程はまた式IXの化合物
を、ベンゼン、ジエチルエーテルなどのような溶媒中
で、0〜250℃の温度において0.5〜2時間、パイレック
スフィルター(波長は300nmより大)を通して光を照射
することにより実施することもできる。
かくして反応式Bに示す式IIで示される2環性の化合物
を得ることができる。次いで該化合物IIは反応式Aに示
す製造工程に従って本発明のカルバペネム化合物である
式Iで示される化合物へ誘導される。これらの工程の詳
細を説明すると、工程(f)は反応式Bに従って製造さ
れた式IIの化合物を、RaOHで示される酸の反応性誘導体
(例えば、酸無水物、ハライドなど)と反応させること
により、式IIIで示される化合物を得る。
かかる酸の反応性誘導体としては、例えば、無水酢酸、
アセチルクロリド、プロピオニルクロリド、p−トルエ
ンスルホン酸無水物、p−ニトロベンゼンスルホン酸無
水物、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホン酸無
水物、メタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンス
ルホン酸無水物、ジフエニルリン酸クロリド、トルエン
スルホニルクロリド、p−ブロモベンゼンスルホニルク
ロリドなどが挙げられ、特にジフエニルリン酸クロリド
(Ra=ジフエニルホスホリル基)が好適である。
式(II)の化合物と上記酸の反応性誘導体との反応は、
通常のアシル化法と同様にして行なうことができ、例え
ば、メチレンクロリド、アセトニトリル、ジメチルホル
ムアミド等の不活性溶媒中で、適宜ジイソプロピルエチ
ルアミン、トリエチルアミン、4−ジメチルアミンピリ
ジン等の塩基の存在下に、−20〜40℃の温度で約30分〜
約24時間処理することにより行なうことができる。
工程(g)は上記の工程(f)で得た式IIIで示される
化合物に式:R3−SHで示されるメルカプト試薬を反応さ
せて式IVで示される化合物を得る。この場合のメルカプ
ト試薬との反応は、例えば式IIIで示される化合物を、
テトラヒドロフラン、ジクロルメタン、ジオキサン、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニ
トリル、ヘキサメチルホスホラミドなど等の適当な溶媒
中で、ほぼ等モル量乃至約1.5倍モル量の過剰量の式:R
3−SHで示されるメルカプト試薬と、好ましくは炭酸水
素ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジイ
ソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下に約−40〜
約25℃の範囲内の温度で約30分〜約24時間反応させるこ
とにより行なうことができる。
以上の反応により式IVで示されるカルバペネム化合物が
得られるが、この式IVの化合物は2位側鎖置換基中にア
ミノ基の保護基を有している場合もあり、そのうえ3位
のカルボン酸がカルボキシ保護基R4で保護されている。
これらの保護基の除去は、ソルボリシス又は水素添加分
解のようなそれ自体既知の脱保護基反応により行なうこ
とができる。典型的には、式IVで示される化合物を例え
ばpH7のモルホリノプロパンスルホン酸−水酸化ナトリ
ウム緩衝液、pH7のリン酸塩緩衝液、リン酸二カリウ
ム、重炭酸ナトリウムなどを含むテトラヒドロフラン−
水、テトラヒドロフラン−エタノール−水、ジオキサン
−水、ジオキサン−エタノール−水、n−ブタノール−
水などのような混合溶媒中で、1〜4気圧の水素を用
い、酸化白金、パラジウム−活性炭、水酸化パラジウム
−活性炭、水酸化パラジウム−活性炭などの水添触媒の
存在下に、約0〜約50℃の範囲内の温度で約0.25〜約4
時間処理することにより行なうことができる。
かくして本発明の式Iで示されるカルバペネム化合物を
得ることができるが、式Iで示されるカルバペネム化合
物においてはその6位置換基がアルキルチオ基であり、
このものは過酸化化合物と処理することによりS-オキサ
イドである化合物(1-a)に誘導することができる。
以上の如くして製造される本発明のカルバペネム化合物
は必要により、それ自体既知の方法に従い、薬理学的に
許容される塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のア
ルカリ金属塩;アルギニン塩、オルニチン塩、リジン塩
等の塩基性アミノ酸塩:ジエタノールアミン塩、トリエ
タノールアミン塩等のアミン塩などに変えることができ
る。特に好ましい塩はナトリウム塩およびカリウム塩で
ある。
本発明の前記式Iで示されるカルバペネム化合物または
その薬理学的に許容される塩は、既に述べたとおり、従
来の文献に具体的には開示されていない新規な化合物で
あって、デヒドロペプチダーゼ(DHP)として知られて
いる腎酵素による攻撃に対して極めて安定であり、かつ
その抗菌作用の優れているとが判明した。本発明により
提供される式Iで示される化合物またはその塩の優れた
作用は以下に示す生物活性試験によって立証することが
できる。
I:抗菌試験 試験方法: 日本化学療法学会標準法[Chemotherapy,vol29,76〜79
(1981)]に準じた寒天平板希釈法にしたがった。すな
わち、被検菌のMuller-Hinton(MH)寒天液体培地37
℃、一夜培養液を約106cells/mlになるようにBuffered
saline gelatin(BSG)溶液で希釈し、ミクロプランタ
ーを用い試験化合物含有MH寒天培地に約5μl接種し、
37℃、18時間培養液、被検菌の発育が認められない最少
濃度をもってMinimum inhibitory concentration(MI
C)とした。
なお、使用菌株は標準菌株を用いた。
結果: 下記第1表に示す。
なお、本発明の試験化合物としては後記実施例に記載の
化合物(17)、(19)および(21)を用いた。
その結果からみれば、本発明のカルバペネム化合物は優
れた抗菌活性を有していることが判明する。
本発明のカルバペネム化合物は広範囲の抗菌スペクトル
を示すとともに、DHPに対する耐性も優れており、更
に、臨床分離病原菌に対しても優れた抗菌効果を有して
おり、しかもマウスにおける感染防御試験においても種
々の試験菌に対し良好な結果を示すことが観察された。
したがって、本発明の式Iで示されるカルバペネム化合
物およびその薬理学的に許容される塩は、従来のイミペ
ネムがDHP阻害剤であるシラスタチンを組合せることに
よってはじめて実用的な抗菌剤として臨床治療に用いら
れるようになったのとは対照的に、単独での使用が可能
となり、DHP阻害剤との併用による副作用の心配なく、
種々の病原菌による細菌感染症の治療、予防等のための
抗菌剤として極めて有用である。
式Iで示されるカルバペネム化合物およびその薬理学的
に許容される塩は、それを抗菌剤として使用するに際し
て、その抗菌的有効量を含有する薬剤学的組成物の形で
人間をはじめとする哺乳動物に投与することができる。
その投与量は処置すべき患者の年令、体重、症状、薬剤
の投与形態、医師の診断等に応じて広い範囲にわたり変
えることができるが、一般に、成人に対しては一日当り
約200〜約3,000mgの範囲内の容量が標準的であり、通常
これを1日1回または数回に分けて経口的、非経口的ま
たは局所的に投与することができる。
しかして、上記の薬剤学的組成物は、医薬、特に抗生物
質の製剤において慣用されている無機もしくは有機の固
体または液体の製剤用担体または希釈剤、例えば、でん
ぷん、乳糖、白糖、結晶セルロース、リン酸水素カルシ
ウム等の賦形剤;アカシア、ヒドロキシプロピルセルロ
ース、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルピロリドン等
の結合剤;ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、
ステアリン酸カルシウム、タルク、水添植物油等の滑沢
剤;加工でんぷん、カルシウムカルボキシメチルセルロ
ース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース等の崩壊
剤;非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤の溶
解補助剤等とともに、経口的、非経口的または局所的投
与に適した剤形に製剤化することができる。経口投与に
適した剤形には、錠剤、コーテイング剤、カプセル剤、
トローチ剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、ドライシロップ剤
等の固体製剤、あるいはシロツプ剤等の液体製剤が挙げ
られ、非経口投与に適した剤形としては、例えば注射
剤、点滴剤、坐剤等が包含される。また、局所投与に適
した剤形には軟膏、チンキ、クリーム、ゲル等が挙げら
れる。これらの製剤は製剤学の分野でそれ自体周知の方
法で調製することができる。
本発明のカルバペネム化合物およびその塩は殊に注射剤
の形態で非経口的に投与するのが好適である。
[実施例] 次に実施例により、本発明のカルバペネム化合物の製造
について更に詳細に説明する。
なお、各実施例中の記号は以下の意味を有する。
ph:フエニル基 PNB:パラニトロベンジル基 PNZ:パラニトロベンジルオキシカルボニル基 Ac:アセチル基 Et:エチル基 実施例1 スズトリフレート84.1gを無水テトラヒドロフラン260ml
に溶解し−40〜−50℃に冷却したのち、N-エチルピペリ
ジン29.3mlおよび化合物(2)31.9gの無水テトラヒド
ロフラン130ml溶液を加え、同温度にて4時間攪拌し
た。次いで化合物(1)18.06gの無水テトラヒドロフラ
ン75ml溶液を加え、0℃にて1時間攪拌する。反応終了
後、反応液にpH7.0の0.1Mリン酸緩衝液1を加え、酢
酸エチル2lにて希釈しセライト過した。液を1N塩
酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および食塩水で順次
洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥する。溶媒を留去し、
残留物をシルカゲルクロマト(ジクロルメタン:酢酸エ
チル=6:1で溶出)にて精製し、化合物(3)34.2g(90
%)得た。
融点121〜122℃の黄色針状晶 IR(CHCl3)cm-1:1760、1680 NMR(CDCl3)δ:1.01(3H、t)、1.24(3H、d)、1.6
6〜2.10(2H、m)、2.73〜3.20(3H、m)、3.44〜3.6
5(1H、m)、3.90〜4.05(1H、m)、4.85〜5.30(2
H、m)、6.20(1H、bs) 実施例2: 実施例1で得た化合物(3)4.05gの無水ジメチルホル
ムアミド15ml溶液に、氷冷下t-ブチルジメチルシリルク
ロライド4.47gおよびトリエチルアミン8.3mlを加え、同
温にて0.5時間攪拌する。反応終了後酢酸エチルで抽出
し、溶媒を洗浄、乾燥後留去し、残留物をシリカゲルク
ロマト(ヘキサン:酢酸エチル=7:3で溶出)に付し、
化合物(4)を融点94〜95℃の黄色プリズム晶として5.
75g得た。
IR(CHCl3)cm-1:1735、1705 NMR(COCl3)δ:0.20(3H、s)、0.26(3H、s)、0.9
5(9H、s)、1.02(3H、t)、1.25(3H、t) 実施例3: 実施例2で得た化合物(4)37.3gおよびイミダゾール2
6.4gを無水テトラヒドロフラン400mlに溶解し、室温に
て5時間攪拌する。次いで10%クエン酸水溶液1を加
え、激しく攪拌を行なったのち反応液に食塩200gを加
え、酢酸エチルで抽出する。溶媒を芒硝乾燥後留去し、
残留物をシリカゲルクロマト(ジクロルメタン、アセト
ン溶液にて溶出)に付し、融点128〜129℃の無色針状晶
として化合物(5)を19.05g(76%)得た。
IR(CHCl3)cm-1:1730 NMR(CDCl3)δ:0.22(3H、s)、0.27(3H、s)、0.9
7(9H、s)、1.18(3H、d) 実施例4: ジイソプロピルアミン6.21mlの無水テトラヒドロフラン
100ml溶液に、氷冷下1.55Mn-ブチルリチウムのヘキサン
溶液28.5mlを加え、同温度にて15分間攪拌する。次いで
−78℃に冷却し、実施例3で得た化合物(5)5.14gの
無水テトラヒドロフラン100ml溶液を2時間を要し加
え、1時間攪拌した。次いでメチルメタンスルホネート
3.1mlを加え、同温度にて0.5時間、0℃にて2時間攪拌
を行なう。反応終了後、10%クエン酸水溶液を加え酢酸
エチルで抽出し、水洗、芒硝乾燥後溶媒を留去する。残
留物をシリカゲルクロマト(ジクロルメタン、ジクロル
メタン:アセトン溶液にて溶出)に付し、融点71〜72℃
の無色結晶として化合物(6)を5.93g(98%)得た。
IR(CHCl3)cm-1:1740、1750 NMR(CDCl3)δ:0.20(3H、s)、0.28(3H、s)、0.9
3(9H、s)、1.25(3H、d)、2.17(3H、s)、2.98
(1H)、3.54(1H)、4.34(1H)。
元素分析:C13H25NO3SiS 計算値:C:51.46;H:8.31;N:4.62 実験値:C:51.60;H:8.31;N:4.68 実施例5: 実施例4で得た化合物(6)5.59gを40%フッ化水素酸
水溶液およびアセトニトリル(7:96)の50ml混液に溶解
し、室温にて2時間攪拌した。反応終了後、反応液を酢
酸エチルにて抽出し、水洗、芒硝乾燥後溶媒を留去し、
残留物をクロロホルム‐ヘキサンより再結晶し、化合物
(7)を融点125〜126℃の葉状結晶として2.91g(84
%)得た。
IR(CHCl3)cm-1:1740、1705 NMR(CDCl3)δ:1.24(3H、d)、2.12(3H、s) 実施例6: 実施例5で得た化合物(7)2.91gおよびN,N′‐カルボ
ニルジイミダゾール3.0gの無水テトラヒドロフラン155m
l溶液を室温にて7時間攪拌した。反応液にMg(O2CCH2CO
2PNB)211.6gを加え、55〜60℃にて22時間攪拌した。反
応終了後、反応液をセライト過し、液を10%クエン
酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で順
次洗浄し、芒硝乾燥し、溶媒を留去する。残留物をシリ
カゲルクロマト(ジクロルメタン:酢酸エチル=7:3で
溶出)に付し、、無色油状物として化合物(8)を3.42
g(61%)得た。
IR(Nujol)cm-1:1765、1740、1710 NMR(CDCl3)δ:1.25(3H、d)、2.17(3H、s)、3.0
4(1H)、3.67(2H、s)、3.74(1H)、5.29(2H、
d)、7.54、8.24(4H、芳香環プロトン) Mass(M/Z)366(M+) 実施例7: 実施例6で得た化合物(8)3.42gおよびp−トリエン
スルホニルアジド2.70gをアセトニトリル20mlに溶解
し、氷冷水トリエチルアミン1.30mlを加え、同温にて1.
5時間攪拌した。反応終了後溶媒を留去し、残留物をシ
リカゲルクロマト(ベンゼン:酢酸エチル=2:1にて溶
出)に付し、融点101℃の無色針状晶として化合物
(9)を3.55g(97%)得た。
IR(CHCl3)cm-1:2150、1775、1715 NMR(CDCl3)δ:1.21(3H、d)、2.18(3H、s)、5.3
6(2H、s)、7.54、8.25(4H、芳香環プロトン) 実施例8: 実施例7で得た化合物(9)39mgを無水ベンゼン1mlに
溶解し、アルゴンガス気流下100℃の油浴中で加熱す
る。次いでこの溶液にロジウムオクタノエート1mlのク
ロロホルム0.1ml溶液を加え、同温度にて1時間攪拌す
る。反応液を濃縮し、残留物をシリカゲルクロマト(ベ
ンゼン酢酸エチル=3:1にて溶出)に付し、無色油状物
として化合物(10)を26mg(71%)得た。
IR(CHCl3)cm-1:1775、1750 NMR(CDCl3)δ:1.32(3H、d)、2.27(3H、s) Mass(M/Z)364(M+) 実施例9: 上記実施例8で得た化合物(10)36mgを無水アセトニト
リル0.5mlに溶解し、氷冷下にジフエニルリン酸クロラ
イド25μlおよびジイソプロピルエチルアミン19μlを
加え、同温にて1.5時間攪拌した。次いで反応液を酢酸
エチルで希釈し有機層をpH7.0の0.1Mリン酸緩衝液、食
塩水で洗浄し、芒硝乾燥する。溶媒を留去し、残留物を
シリカゲルクロマト(ベンゼン‐酢酸エチル=9:1にて
溶出)に付し、化合物(11)を無色油状物として55mg
(93%)得た。
IR(CHCl3)cm-1:1785、1725 NMR(CDCl3)δ:1.24(3H、d)、2.22(3H、s)。4.1
6(1H)、4.20(1H)、5.21、5.35(2H)、7.00〜7.40
(10H、m)、7.52、8.11(4H、芳香環プロトン) 元素分析値:C28H25N2O9SP 計算値:C:56.37;H:4.23;N、4.70 実験値:C:56.60;H、4.14;N、4.89 実施例10: (a)実施例9で得た化合物(11)158mgを無水アセト
ニトリル1.3mlに溶解し、この溶液に−35℃に冷却下化
合物(12)98mgの無水アセトニトリル1.3ml溶液および
ジイソプロピルエチルアミン60μlを滴下する。次いで
反応温度を−10℃まで徐々に上昇させ、酢酸エチル13ml
を加え、有機層をpH7.0のリン酸緩衝液、食塩水で順次
洗浄し、芒硝にて乾燥する。溶媒を留去し、残留物をシ
リカゲルクロマト(ベンゼン‐酢酸エチル=2:1にて溶
出)に付し、化合物(13)を融点62〜63℃の結晶として
135mg(81%)を得た。
IR(CHCl3)cm-1:1788、1720、1705 NMR(CDCl3)δ:1.34(3H、d)、1.80〜2.20(2H、
m)、2.26(3H、s) (b)次いで上記(a)で得た化合物(13)425mgをテ
トラヒドロフラン27mlおよび水27mlの混液に溶解し、酸
化白金142mlを加え、水素圧3.0kg/cm2で2時間接触還元
する。触媒を別し、液をエーテルにて洗浄し、水層
を冷結乾燥すると、化合物(14)の遊離カルボン酸が得
られた。
次いでこのものを炭酸水素ナトリウム56.8mgを含有する
水溶液に溶解し、アンバ‐ライトXAD−2カラムに対し
て10%エタノール水混液にて溶出し、融点240℃(分
解)の固形物として化合物(14)を52mg(23%)得た。
IR(KBr)cm-1:1760、1660 NMR(D2O)δ:1.24(3H、d)、2.19(3H、s)、2.20
〜2.70(2H、m)、3.10〜3.80(4H、m)、3.80〜4.10
(2H、m)、4.10〜4.30(1H、m)、4.40(2H、d) Mass:315、336 元素分析値:C13H17N2O3S2Na・H2O 計算値:C、44.06;H、5.40;N、7.90 実験値:C、44.38;H、5.23;N、7.97 実施例11: 実施例19で得た化合物(11)875mgおよび化合物(15)5
11mgを用い、前記実施例10の(a)、(b)に記載の方
法と同様処理し、化合物(16)および(17)を得た。
化合物(16):融点58〜60℃の固形物 IR(CHCl3)cm-1:1760、1720、1705 NMR(CDCl3)δ:1.28(3H、d)、2.26(3H、s)、3.0
4〜3.36(1H、m)、3.88〜4.12(4H、m)、4.16〜4.2
6(2H、m)、4.38〜4.54(1H、m)、5.19(2H、
s)、5.30&5.48(2H、q)、7.49、7.66、8.22(8H、
芳香環プロトン) 化合物(17):融点195°(分解)の固形物 IR(KBr)cm-1:1760、1600 NMR(D2O)δ:1.17(3H、d、J=7.3)2.14(3H、
s)、3.03−3.40(1H、m)、3.83−4.13(3H、m)、
4.17−4.45(4H、m) 元素分析値:C12H15N2O3S2・H2O 計算値:C、45.28;H、5.66;N、8.81 実験値:C、45.57;H、5.82;N、9.04 実施例12: 実施例9で得た化合物(11)59mgおよびN-PNZ-グリシル
‐シスタミン32mgを用い、実施例10の(a)、(6)と
同様処理し化合物(18)および(19)を得た。
化合物(18):油状物 IR(CHCl3)cm-1:1775、1720、1680 NMR(CDCl3)δ:1.29(3H、d)、2.24(3H、s)、2.7
2〜3.28(2H、m)、3.28〜3.79(3H、m)、3.88(2
H、d)、4.17(1H、s)、4.23(1H、q)、5.20(2
H、s)、5.27(1H、d)、5.50(1H、d) 化合物(19):固形物 IR(KBr)cm-1:1745、1670、1600 NMR(D2O)δ:1.14(3H、d)、2.18(3H、s)、2.95
〜3.80(5H、m)、3.82(2H、d)、4.05〜4.33(2H、
m) 実施例13: 実施例10の(a)で得た化合物(13)183mgを酢酸エチ
ル3mlに溶解し、−78℃に冷却する。これにm-クロロ過
安息香酸62mgを少量づつ加え、同温度にて11時間攪拌
後、有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液および食塩水で
順次洗浄し、芒硝乾燥する。溶媒を留去し、残留物をシ
リカゲルクロマト(ベンゼン‐酢酸エチル=2:1で溶
出)し、化合物(20)を融点73〜76℃の固形物として12
7mg(66%)得た。
IP(CHCl3)cm-1:1780、1705 実施例14: 実施例13で得た化合物(20)314mgおよび酸化白金105mg
とテトラヒドロフラン20ml-水27mlの混液に加え、水素
圧3.0kg/cm2で2時間水素添加を行なった。触媒を別
し、液をエーテルで洗浄後凍結乾燥し、更にダイアイ
オンHP-40に付し水で溶出し、凍結乾燥を行ない化合物
(21)を94mg(61%)得た。
IR(KBr)cm-1:1760、1600 NMR(D2O)δ:1.24(3H、d)、2.20〜2.70(2H、
m)、2.81(3H、d)、3.04〜3.86(6H、m)、4.20〜
4.50(1H、m)、4.70〜4.5(1H、m)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式I: 式中、R1およびR2は低級アルキル基を表わし、R3はアゼ
    チジニル基、ピロリジニル基または置換もしくは非置換
    アルキル基を表わす、 で示される6-アルキルチオ‐カルバペネム誘導体、その
    S-オキサイドならびにそれらの薬理学的に許容される
    塩。
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